JP2000116109A - 渦電流減速装置 - Google Patents

渦電流減速装置

Info

Publication number
JP2000116109A
JP2000116109A JP10284948A JP28494898A JP2000116109A JP 2000116109 A JP2000116109 A JP 2000116109A JP 10284948 A JP10284948 A JP 10284948A JP 28494898 A JP28494898 A JP 28494898A JP 2000116109 A JP2000116109 A JP 2000116109A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eddy current
reduction device
current reduction
braking
ferromagnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10284948A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Kuwabara
徹 桑原
Susumu Kobayashi
晋 小林
Makoto Ogawa
誠 小川
Tadaharu Yamada
忠治 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP10284948A priority Critical patent/JP2000116109A/ja
Publication of JP2000116109A publication Critical patent/JP2000116109A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 制動円板の磁界と熱の影響をあまり受けない
部分に銅などの良電導体の環状板を配設することによ
り、渦電流の流れを改善し、制動力を高める。 【解決手段】 回転軸51に対して垂直に結合した導体
からなる制動円板57と、制動円板57の両側に配設し
た非磁性体からなる1対の案内筒71と、制動円板57
に対向するように各案内筒71に周方向等間隔に結合し
た多数の強磁性板72と、各案内筒71に設けた内空部
に、各強磁性板72に対向しかつ極性が周方向に交互に
異なるように配設した多数の磁石74,75とから渦電
流減速装置を構成する。銅などの良電導体からなる環状
板81a,81を強磁性板72に接近するが対向しない
ように制動円板57の周縁部と軸心部に結合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転軸の制動円板に
対向して多数の磁石を極性が周方向交互に異なるように
配設し、渦電流に基づく制動力を制動円板に発生させる
渦電流減速装置、特に制動能力を高めるようにした渦電
流減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】渦電流減速装置は磁石が制動ドラム(ま
たは制動円板)に及ぼす磁界と、磁石と制動ドラムの相
対回転により発生する渦電流との相互作用により制動力
を発生する。このため、制動ドラムに鉄(鋼)のように
透磁率の大きな材料と、銅のように導電率の大きな材料
とを複合させれば、発生する渦電流が増加し、制動力も
大きくなる。しかし、制動ドラムの電気抵抗を下げると
制動力が向上するが、熱に対する強度に難点がある。
【0003】実開平4-111284号公報に開示される渦電流
減速装置では、制動ドラムの左右両端部に断面C型の銅
リングを嵌合し、1対の銅リングに複数の軸方向の導電
棒(スロツト)を結合し、該導電棒の熱を放熱性の高い
制動ドラムの両端部へ逃がすことを試みたが、導電棒の
温度低下が少く、制動性能の点でも導電棒の効果はあま
り期待できないことが分つた。この原因の1つは熱によ
り銅リングの嵌合部の間隙が次第に広がり、電気抵抗が
増大することによる。
【0004】また、制動円板の全表面に銅などの電気抵
抗の低い良電導体の被覆層をメツキ、コーテイングなど
により結合したものでも、制動円板が繰り返し熱に曝さ
れ、かつ磁石の吸引力を受ける内に、良電導体の被覆層
が剥離するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上述の
問題に鑑み、制動円板の磁界と熱の影響をあまり受けな
い部分に銅などの良電導体の被覆層ないし環状板を配設
することにより、渦電流の流れを改善し、制動力を高め
るようにした渦電流減速装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の構成は回転軸に対して垂直に結合した導体
からなる制動円板と、該制動円板の両側に配設した非磁
性体からなる1対の案内筒と、前記制動円板に対向する
ように前記各案内筒に周方向等間隔に結合した多数の強
磁性板と、前記各案内筒に設けた内空部に、各強磁性板
に対向しかつ極性が周方向に交互に異なるように配設し
た多数の磁石とを有する渦電流減速装置において、銅な
どの良電導体からなる環状板を前記強磁性板に接近する
が対向しないように前記制動円板の周縁部と軸心部に結
合したことを特徴とする。
【0007】また、本発明の構成は回転軸に対して垂直
に結合した導体からなる制動円板と、該制動円板の両側
に配設した磁性体からなる1対の磁石支持輪と、前記制
動円板に対向するように前記各磁石支持輪に周方向等間
隔に結合した多数の電磁石とを有する渦電流減速装置に
おいて、銅などの良電導体からなる環状板を前記強磁性
板に接近するが対向しないように前記制動円板の周縁部
と軸心部に結合したことを特徴とする。
【0008】また、本発明の構成は回転軸に対して垂直
に結合した導体からなる1対の制動円板と、該1対の制
動円板の間に配設した非磁性体からなる案内筒と、前記
制動円板に対向するように前記案内筒の両端壁に周方向
等間隔に結合した多数の強磁性板と、前記案内筒の内空
部に各強磁性板に対向しかつ強磁性板に対する極性が周
方向に交互に異なるように配設した多数の磁石とを有す
る渦電流減速装置において、銅などの良電導体からなる
環状板を前記強磁性板に接近するが対向しないように前
記制動円板の周縁部と軸心部に結合したことを特徴とす
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明では回転軸に結合した1対
の制動円板の間に多数の磁石を周方向等間隔に配設した
形式の渦電流減速装置や、回転軸に結合した制動円板の
両側に多数の磁石を周方向等間隔に配設した形式の渦電
流減速装置において、制動円板の外周縁部と回転軸近傍
部分に、強磁性板に対向しないように銅などの良電導体
を結合する。
【0010】制動円板の電磁石または強磁性板よりも内
周側部分と内周側部分に、具体的には制動円板の周縁部
と軸心部に、銅などの良電導体からなる被覆層ないし環
状板を、メツキなどにより張り付けた(強磁性板と対抗
する部分には張り付けない)構造にすることにより、被
覆層の温度上昇を抑え、耐久性を確保する。環状板は制
動円板を構成する鋼鉄に直接接触させないで、鋼鉄に形
成したニツケルのメツキ層の上に張り付ける。また、高
温による酸化を防ぐために、制動円板を構成する鋼鉄
に、ニツケルのメツキ層と、銅のメツキ層と、ニツケル
のメツキ層を順に形成して、良電導体の被覆層を構成し
てもよい。良電導体の被覆層の形成にはメツキの代り
に、ろう付け、Tig 溶接などの方法を採用することがで
きる。
【0011】
【実施例】図1は本発明による渦電流減速装置を示す正
面断面図、図2は図1の線2A−2Aによる渦電流減速
装置の側面断面図である。本発明による渦電流減速装置
は、例えば車両用変速機の出力軸などの回転軸51に結
合される導体からなる制動円板57と、制動円板57の
両側に配設される非磁性体からなる1対の案内筒71
と、案内筒71の内空部に支持した内外1対の磁石支持
輪77,76とを備えている。制動円板57は回転軸5
1にスプライン60により固定される。各案内筒71は
断面長方形の内空部を備える環状のものであり、例えば
断面C字形をなす筒体に環状の端板を結合して構成され
る。案内筒71はボスを軸受59により回転軸51に支
持される。案内筒71は適当な手段により、例えば変速
機の歯車箱に固定される。案内筒71の制動円板57と
対向する壁面に周方向等間隔に多数のくぼみが設けら
れ、各くぼみにほぼ長方形ないし扇形の強磁性板(ポー
ルピース)72が嵌合固定される。好ましくは、強磁性
板72は案内筒71の成形時鋳ぐるまれる。多数の磁石
75,74を支持する磁性体からなる内外1対の磁石支
持輪77,76は、案内筒71の内空部に相対回動可能
に支持される。図示の実施例では、磁石支持輪77は案
内筒71に固定され、磁石支持輪76は磁石支持輪76
の外周壁に軸受により正逆回動可能に支持される。
【0012】図2に示すように、磁性体からなる磁石支
持輪76,77は多数の磁石74,75をそれぞれ結合
する。詳しくは、磁石74,75は各強磁性板72に1
つずつ対向しかつ強磁性板72に対する極性が周方向に
交互に異なるように配列される。好ましくは、磁石支持
輪77は予め案内筒71に鋳ぐるまれる。磁石支持輪7
6の外周壁に形成した部分歯車78に、案内筒71に固
定した電動機の小歯車(図示せず)が噛み合され、磁石
支持輪76は磁石74の配列ピツチだけ正逆回動可能と
される。
【0013】本発明によれば、制動円板57における渦
電流の流れを改善するために、制動円板57の両側面の
強磁性板72に対向しない部分、すなわち周縁部に良導
体からなる被覆層ないし環状板81aを結合し、また軸
心側に環状板81を結合される。具体的には、良導体と
しての銅の環状板81,81aをリベツトなどにより制
動円板57の外面に結合してもよいが、例えば鋼鉄から
なる制動円板57の表面にまずニツケルメツキ層を形成
し、該ニツケルメツキ層の上に銅メツキ層を形成し、さ
らに熱による酸化を防止するために銅メツキ層の上にニ
ツケルメツキ層を施して被覆層81,81aを形成す
る。また、メツキの代りに制動円板57の両側面に対し
てろう付け、TIG溶接などにより、環状の被覆層ない
し環状板81,81aを結合してもよい。
【0014】次に、本発明による渦電流減速装置の作動
について説明する。制動円板57は回転軸51と一緒に
回転するのに対し、図1,2に示すように、非制動時、
各強磁性板72に対する内外2つの磁石75,74の極
性は互いに逆になつている。磁石75,74は強磁性板
72と磁石支持輪77,76の間で鎖線で示す短絡的磁
気回路wを形成し、制動円板57に磁界を及ぼさない。
【0015】図3に示すように、制動時、磁石支持輪7
6を電動機により磁石74の配列ピツチだけ回動する
と、各強磁性板72に対する2組の磁石74,75の極
性が互いに同じになり、図4に示すように、2組の磁石
74,75は1対の磁石支持輪77の間に磁気回路zを
形成する。したがつて、回転する制動円板57が磁界を
横切る時、制動円板57に渦電流が発生し、制動円板5
7は制動トルクを受ける。本発明では、制動円板57の
両側面に強磁性板72と対向しない部分に、内外2つの
銅などの良導体からなる被覆層ないし環状板81,81
aを結合したので、制動円板57の内部に発生する渦電
流の流れが改善される。すなわち、回転する制動円板5
7が内外2列の磁石75,74から強磁性板72を経て
制動円板57に達する磁界を横切る時、制動円板57を
流れる渦電流が、電気伝導度の高い環状板81aから環
状板81(またはこの逆方向)へ流れ、渦電流の経路な
いし流路、特に径方向の流路が長くなり、それだけ制動
円板57に及ぼす制動トルクが増大される。
【0016】図5,6に示す実施例では、渦電流減速装
置は回転軸に対して垂直に結合した導体からなる制動円
板57と、制動円板57の両側に配設した非磁性体から
なる1対の案内筒71と、制動円板57に対向するよう
に各案内筒71に周方向等間隔に結合した多数の強磁性
板72と、各案内筒71に設けた内空部に、各強磁性板
72に対向しかつ極性が周方向に交互に異なるように配
設した多数の磁石74aとから構成されるのは、図1に
示すものとほぼ同様である。各案内筒71の内空部に1
つの磁石支持輪76aが正逆回動可能に支持され、磁石
74aが各強磁性板72に対向しかつ強磁性板72に対
する極性が周方向に交互に異なるように各磁石支持輪7
6aに支持される。銅などの良電導体からなる環状板8
1aが、強磁性板72に接近するが対向しないように制
動円板57の周縁部と軸心部に結合される。
【0017】図6に示すように、非制動時、磁石支持輪
76aの周方向に並ぶ極性が異なる2つの磁石74a
が、共通の強磁性板72に部分的に対向し、短絡的磁気
回路wを形成し、制動円板57に磁界を及ぼさない。制
動時、磁石支持輪76aを磁石74aの半配列ピツチだ
け回動すると、各磁石74aが強磁性板72に全面的に
対向し、図4に示したものと同様に1対の磁石支持輪7
6aの間に制動円板57を横切る磁気回路zを形成す
る。
【0018】図1〜4の実施例の磁石76,77および
図5,6の実施例の磁石76aをそれぞれ、強磁性板7
2のほぼ半分の大きさにし、各強磁性板72に対し2つ
の磁石が対向し、かつ強磁性板72に対する極性が周方
向に2つずつ異なるように配設してもよく、後述する図
8〜10の実施例または図13〜16の実施例と同様の
方法で非制動と制動の切換えを行うことができる。
【0019】以上の各実施例では磁石(永久磁石)を用
いた渦電流減速装置について説明したが、図7に示すよ
うに、磁石の代りに電磁石を用いた渦電流減速装置で
も、制動円板57の両側面の周縁部と軸心部に内外2つ
の良導体からなる環状板81,81aを設けるか、制動
円板57の周縁部に環状板81aを磁石支持輪53の制
動円板57に対向する部分に環状板81bを設けること
により、制動円板57の内部を流れる系方向の渦電流の
流路が長くなり、それだけ制動円板57に及ぼす制動ト
ルクが増大される。
【0020】図7に示す実施例では、制動円板57をス
プライン60を介して結合する回転軸51の両端側に、
軸受59により左右1対の磁性体からなる磁石支持輪5
3が支持され、かつ車両の非回転部分に固定される。各
磁石支持輪53を支持する左右1対の軸受の一つは、ス
プライン60と軸51との間の段部60aに当接され、
他方の軸受59は軸51に螺合した締付ナツト52に当
接される。こうして、磁石支持輪53は軸51に対する
軸方向の位置を固定される。各磁石支持輪53には周方
向等間隔に多数の鉄心54が支持され、各鉄心54に電
磁コイル55が巻装される。巻軸54の端部は制動円板
57の側面に対向される。好ましくは、制動時各電磁コ
イル55へ供給される電流の向きは周方向に並ぶ電磁コ
イル55の隣り同士が互いに反対向きに流れるように構
成される。すなわち、鉄心54の制動円板57に対向す
る磁極の極性が周方向に交互に異なるように電流が供給
される。
【0021】図8〜12に示す実施例では、渦電流減速
装置は回転軸2に結合される左右1対の導体からなる制
動円板3と、制動円板3の間に配設される非磁性体から
なる案内筒5と、案内筒5の内空部に相対回動可能に支
持した内外1対の磁石支持輪8,10とを備えている。
制動円板3は回転軸2にスプラインにより固定したボス
3aから放射状に延びるスポーク3bに、通風路3cを
有する円板部を一体的に結合される。
【0022】案内筒5は断面長方形の内空部を備える環
状のものであり、具体的には断面C字形をなす筒体に環
状の端板5cを結合して構成される。案内筒5はボス5
aから放射方向に延びるスポーク5bと一体に形成さ
れ、ボス5aが軸受4により回転軸2に支持される。案
内筒5は適当な手段により、例えば変速機の歯車箱に固
定される。案内筒5の両端壁に周方向等間隔に多数の開
口が設けられ、各開口に強磁性板6が嵌合固定される。
好ましくは、強磁性板6は案内筒5の成形時鋳ぐるまれ
る。
【0023】多数の磁石12を支持する磁石支持輪8
は、案内筒5の内空部に軸受7により回動可能に支持さ
れる。磁石支持輪10は磁石支持輪8の外周壁に軸受9
により回動可能に支持される。磁石支持輪8,10の両
端面に潤滑油を含浸させた薄い滑り板14が結合され、
かつ強磁性板6に摺接される。銅などの良電導体からな
る環状板ないし環状体81a,81が、強磁性板72に
接近するが対向しないように各制動円板3の周縁部と軸
心部に結合される。
【0024】図9に示すように、非磁性体からなる磁石
支持輪8は多数の磁石12を結合する。詳しくは、磁石
12は各強磁性板6に2つずつ対向しかつ強磁性板6に
対する極性が周方向に2つずつ異なるように配列され
る。好ましくは、磁石12は磁石支持輪8に鋳ぐるまれ
る。磁石支持輪8の内周壁に形成した部分歯車18a
に、案内筒5に固定した電動機16aの小歯車15aが
噛み合され、磁石支持輪8は磁石12の配列ピツチだけ
正逆回動可能とされる。磁石支持輪10も同様に多数の
磁石13を結合する。磁石支持輪10の外周壁に形成し
た部分歯車18に、案内筒5に固定した電動機16の小
歯車15が噛み合され、磁石支持輪10は磁石13の配
列ピツチだけ正逆回動可能とされる。しかし、磁石支持
輪8,10の一方が磁石の配列ピツチだけ回動可能であ
ればよい。各強磁性板6は内外2組の磁石12,13を
覆う扇形のものである。
【0025】図8,9に示すように、非制動時、各強磁
性板6に対する2組の磁石12,13の極性は互いに逆
になつている。2組の磁石12,13は1対の強磁性板
6の間で短絡的磁気回路wを形成し、制動円板3に磁界
を及ぼさない。図10に示すように、制動時、電動機1
6aにより磁石支持輪8を磁石12の2配列ピツチだけ
時計方向へ回動すると、各強磁性板6に対する2組の磁
石12,13の極性は同じになる。したがつて、回転す
る制動円板3が磁界を横切る時、制動円板3に渦電流が
発生し、制動円板3は制動トルクを受ける。
【0026】図12に示すように、部分制動時、例えば
磁石支持輪10を電動機16により非制動位置から磁石
13の配列ピツチだけ反時計方向へ回動すると、各強磁
性板6に対する1組の磁石13の極性が互いに逆にな
り、1組の磁石13は1対の強磁性板6との間に図8に
示すような短絡的磁気回路wを形成する。しかし、各強
磁性板6に対する残る1組の磁石12の極性は同じであ
り、周方向に隣接する2つの磁石12は、2つの強磁性
板6を経て1対の制動円板3との間に、図12に示すよ
うな磁気回路zを形成する。回転する制動円板3が磁界
を横切る時、制動円板3に渦電流が流れ、制動円板3は
中間の制動トルクを受ける。本実施例において、磁石支
持輪8を案内筒5に固定し、また磁石12は周方向に隣
接する同極性のものを1つに一体化しても、全く同様の
作用効果を奏する。
【0027】図13〜16に示す実施例では、渦電流減
速装置は回転軸2に結合される1対の導体からなる制動
円板3と、制動円板3の間に配設される非磁性体からな
る案内筒5と、案内筒5の内空部に正逆回動可能に支持
した磁石支持輪8とを備えている。案内筒5はボス5a
から放射方向に延びるスポーク5bと一体に形成され、
ボス5aが軸受4により回転軸2に支持される。案内筒
5は適当な手段により例えば変速機の歯車箱に固定され
る。案内筒5の両側壁に多数の強磁性板6が周方向等間
隔に結合される。磁石支持輪8は案内筒5の内空部に軸
受7により回動可能に支持される。磁石支持輪8に多数
の磁石12が周方向等間隔に配設される。磁石12は各
強磁性板6に2つずつ対向される。磁石支持輪8の両側
面に潤滑油を含浸させた薄い滑り板14が結合され、強
磁性板6に摺接される。銅などの良電導体からなる環状
板ないし環状体81a,81が、強磁性板72に接近す
るが対向しないように各制動円板3の周縁部と軸心部に
結合される。
【0028】図14に示すように、磁石支持輪8には多
数の扇形の磁石12が、ほぼ2倍の面積の各強磁性板6
に2つずつ対向しかつ強磁性板6に対する極性が周方向
に2つずつ異なるように配設される。磁石支持輪8の外
周壁に形成した部分歯車18に、案内筒5に固定した電
動機16の小歯車15が噛み合され、磁石支持輪8は磁
石12の配列ピツチpだけ正逆回動可能とされる。
【0029】非制動時、周方向に隣接する2つの磁石1
2の同じ強磁性板6に対する極性が互いに異なる配列で
は、図15に示すように、1対の強磁性板6の間で短絡
的磁気回路wが生じ、制動円板3に磁界を及ぼさない。
1対の強磁性板6は2つの磁石12を両側から全面的に
挟む状態にあるから、制動円板3への洩れ磁束は殆ど生
じない。制動時、電動機16により磁石支持輪8を磁石
12の配列ピツチpだけ回動すると、2つの磁石12の
同じ強磁性板6に対する極性が同じになる。したがつ
て、図16に示すように、2つの磁石12が等しく強磁
性板6を経て制動円板3に磁界を及ぼす。回転する制動
円板3が磁界を横切る時、制動円板3に渦電流が発生
し、制動円板3が制動トルクを受ける。この時、1対の
制動円板3の間に磁気回路zが生じる。
【0030】図13〜16に示す実施例において、2つ
の磁石12の代りに、強磁性板6と同じ大きさの磁石に
し、かつ強磁性板6に対する極性が周方向に交互に異な
るように配設してもよく、図5,6の実施例と同様の方
法で非制動と制動の切換えを行うことができる。
【0031】なお、図8,13の各実施例において、各
制動円板3の周縁部と軸心部に制動円板3の肉厚全体に
わたつて銅などの良電導体からなる環状体81a,81
を結合する代りに、図17に示すように、各制動円板3
の内面の強磁性板6と対向しないが接近する周縁部と軸
心部に、銅などの良電導体からなる薄い環状板81a,
81を結合してもよく、さらに、図18に示すように、
各制動円板3の強磁性板6と対向しないが接近する周縁
部と軸心部に、銅などの良電導体からなる断面L字形の
環状板81a,81を結合してもよい。
【0032】
【発明の効果】要するに、本発明は回転軸に結合した導
体からなる制動円板と、制動円板に隣接して配設した非
磁性体からなる案内筒と、制動円板に対向するように案
内筒に周方向等間隔に結合した多数の強磁性板と、強磁
性板に対向しかつ極性が周方向交互に異なるように配設
した磁石とを有する渦電流減速装置において、銅などの
良電導体からなる環状板を前記強磁性板に接近するが対
向しないように前記制動円板の周縁部と軸心部に結合し
たので、環状板により渦電流の流れが改善され、制動力
が高められる。
【0033】環状板が制動円板の磁界と熱の影響をあま
り受けない部分に配設されるので耐久性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される渦電流減速装置の正面断面
図である。
【図2】図1の線2A−2Aによる渦電流減速装置の非
制動時の側面断面図である。
【図3】同渦電流減速装置の制動時の側面断面図であ
る。
【図4】同渦電流減速装置の制動時の展開平面図であ
る。
【図5】本発明が適用される第2の渦電流減速装置の非
制動時の側面断面図である。
【図6】同渦電流減速装置の非制動時の展開平面図であ
る。
【図7】本発明が適用される第3の渦電流減速装置の正
面断面図である。
【図8】本発明が適用される第4の渦電流減速装置の正
面断面図である。
【図9】同渦電流減速装置の非制動時の側面断面図であ
る。
【図10】同渦電流減速装置の制動時の側面断面図であ
る。
【図11】同渦電流減速装置の制動時の展開平面図であ
る。
【図12】同渦電流減速装置の部分制動時の側面断面図
である。
【図13】本発明が適用される第5の渦電流減速装置の
正面断面図である。
【図14】同渦電流減速装置の非制動時の側面断面図で
ある。
【図15】同渦電流減速装置の非制動時の展開平面図で
ある。
【図16】同渦電流減速装置の制動時の展開平面図であ
る。
【図17】本発明の部分的変更実施例に係る渦電流減速
装置の要部の側面断面図である。
【図18】本発明の部分的変更実施例に係る渦電流減速
装置の要部の側面断面図である。
【符号の説明】
2:回転軸 3:制動円板 4:軸受 5:案内筒
6:強磁性板 7:軸受 8:磁石支持輪 9:軸受 10:磁石支持輪 12,
13:磁石 14:滑り板 15,15a:小歯車 1
6,16a:電動機 18,18a:部分歯車 51:回転軸 52:締付ナツト 53:磁石支持輪
54:鉄心 55:電磁コイル 57:制動円板 5
9:軸受 71:案内筒 72:強磁性板 74,7
5:磁石 76,77:磁石支持輪 78:部分歯車
81,81a:環状板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 誠 神奈川県藤沢市土棚8番地 いすゞ自動車 株式会社藤沢工場内 (72)発明者 山田 忠治 東京都品川区南大井6丁目26番1号 い すゞ自動車株式会社内 Fターム(参考) 5H649 AA03 BB03 BB07 GG09 GG13 GG16 GG18 HH08 HH18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸に対して垂直に結合した導体からな
    る制動円板と、該制動円板の両側に配設した非磁性体か
    らなる1対の案内筒と、前記制動円板に対向するように
    前記各案内筒に周方向等間隔に結合した多数の強磁性板
    と、前記各案内筒に設けた内空部に、各強磁性板に対向
    しかつ極性が周方向に交互に異なるように配設した多数
    の磁石とを有する渦電流減速装置において、銅などの良
    電導体からなる環状板を前記強磁性板に接近するが対向
    しないように前記制動円板の周縁部と軸心部に結合した
    ことを特徴とする渦電流減速装置。
  2. 【請求項2】前記各案内筒の内空部に内外1対の磁石支
    持輪を相対回動可能に支持し、前記磁石を各強磁性板に
    対向しかつ強磁性板に対する極性が周方向に交互に異な
    るように前記各磁石支持輪に支持した、請求項1に記載
    の渦電流減速装置。
  3. 【請求項3】前記各案内筒の内空部に磁石支持輪を正逆
    回動可能に支持し、前記磁石を各強磁性板に対向しかつ
    強磁性板に対する極性が周方向に交互に異なるように前
    記各磁石支持輪に支持した、請求項1に記載の渦電流減
    速装置。
  4. 【請求項4】回転軸に対して垂直に結合した導体からな
    る制動円板と、該制動円板の両側に配設した磁性体から
    なる1対の磁石支持輪と、前記制動円板に対向するよう
    に前記各磁石支持輪に周方向等間隔に結合した多数の電
    磁石とを有する渦電流減速装置において、銅などの良電
    導体からなる環状板を前記強磁性板に接近するが対向し
    ないように前記制動円板の周縁部と軸心部に結合したこ
    とを特徴とする渦電流減速装置。
  5. 【請求項5】回転軸に対して垂直に結合した導体からな
    る1対の制動円板と、該1対の制動円板の間に配設した
    非磁性体からなる案内筒と、前記制動円板に対向するよ
    うに前記案内筒の両端壁に周方向等間隔に結合した多数
    の強磁性板と、前記案内筒の内空部に各強磁性板に対向
    しかつ強磁性板に対する極性が周方向に交互に異なるよ
    うに配設した多数の磁石とを有する渦電流減速装置にお
    いて、銅などの良電導体からなる環状板を前記強磁性板
    に接近するが対向しないように前記制動円板の周縁部と
    軸心部に結合したことを特徴とする渦電流減速装置。
  6. 【請求項6】前記案内筒の内空部に内外1対の磁石支持
    輪を相対回動可能に支持し、前記磁石を各強磁性板に2
    つずつ対向しかつ強磁性板に対する極性が周方向に2つ
    ごとに異なるように前記磁石支持輪に支持した、請求項
    5に記載の渦電流減速装置。
  7. 【請求項7】前記案内筒の内空部に磁石支持輪を正逆回
    動可能に支持し、前記磁石を各強磁性板に対向しかつ強
    磁性板に対する極性が周方向に交互に異なるように前記
    磁石支持輪に支持した、請求項5に記載の渦電流減速装
    置。
JP10284948A 1998-10-07 1998-10-07 渦電流減速装置 Pending JP2000116109A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10284948A JP2000116109A (ja) 1998-10-07 1998-10-07 渦電流減速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10284948A JP2000116109A (ja) 1998-10-07 1998-10-07 渦電流減速装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000116109A true JP2000116109A (ja) 2000-04-21

Family

ID=17685152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10284948A Pending JP2000116109A (ja) 1998-10-07 1998-10-07 渦電流減速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000116109A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6900569B2 (en) 2002-09-16 2005-05-31 Visteon Global Technologies, Inc. Increased torque in retarder brake system through use of conductive layer

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6900569B2 (en) 2002-09-16 2005-05-31 Visteon Global Technologies, Inc. Increased torque in retarder brake system through use of conductive layer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6756870B2 (en) Composite magnet of electromagnet and permanent magnet, and eddy current retarder
EP0341308B1 (en) Eddy current brake
JPH0683570B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2000116109A (ja) 渦電流減速装置
JP3885606B2 (ja) 永久磁石式渦電流減速装置
JP2021112039A (ja) ステータ及び渦電流式減速装置の製造方法
JP3690471B2 (ja) 渦電流減速装置
JPH0515141A (ja) 永久磁石式渦電流減速装置
JP3484992B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP3690486B2 (ja) 渦電流減速装置
JP3755717B2 (ja) 渦電流減速装置
JP2585789Y2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2566803Y2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4016537B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2005143185A (ja) 渦電流式減速装置
JPH07106055B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2000299976A (ja) 渦電流減速装置
JP2002345233A (ja) 渦電流減速装置
JP3233166B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2000308330A (ja) 渦電流減速装置
JP2573695Y2 (ja) 渦電流式減速装置
JP3804425B2 (ja) 渦電流減速装置
JP2573100Y2 (ja) 永久磁石式渦電流減速装置
JP2002186245A (ja) 渦電流減速装置
JP2002171745A (ja) 渦電流減速装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050404

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050608

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050727