JP2000111679A - Mox燃料集合体 - Google Patents

Mox燃料集合体

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JP2000111679A JP10285066A JP28506698A JP2000111679A JP 2000111679 A JP2000111679 A JP 2000111679A JP 10285066 A JP10285066 A JP 10285066A JP 28506698 A JP28506698 A JP 28506698A JP 2000111679 A JP2000111679 A JP 2000111679A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高燃焼度化を図りつつ、可燃性毒物入りウラン
燃料棒の本数を必要最小限の数まで低減して大きなMO
X燃料装荷率を確保し、かつ、MOX燃料棒の富化度種
類数を低減して成形コストを低減できるMOX燃料集合
体を提供する。 【解決手段】MOX燃料集合体1において、プルトニウ
ム酸化物及びウラン酸化物を充填したMOX燃料棒2
(燃料棒記号1,2、3)と、ウラン酸化物を充填しか
つガドリニアを含有し、正方格子状配列の4隅位置に配
置された第1の燃料棒2(燃料棒記号4)及び正方格子
状配列の最外周部分が形成する4辺の各辺中点の格子位
置に配置された第2の燃料棒2(燃料棒記号5)を含む
ガドリニア入りウラン燃料棒2とを、9行9列の正方格
子状に配列する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子炉に
係わり、特にプルトニウムを混入したMOX燃料棒を有
するMOX燃料集合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(1)可燃性毒物による反応度制御 沸騰水型原子炉の炉心には、四角筒型のチャンネルボッ
クスの内部に燃料バンドルを収納した燃料集合体が多数
配置されており、各燃料集合体の燃料バンドルは、ウラ
ンを含む燃料ペレットを封入した多数の燃料棒と、それ
らを上下で支持する上部タイプレートおよび下部タイプ
レートと、燃料棒間の間隔を保持するスペーサ等から構
成されている。この炉心では、燃料集合体間に挿入され
る制御棒と、燃料中に添加される可燃性毒物とによっ
て、余分に発生した中性子を吸収し、これにより運転期
間を通じて原子炉の臨界状態を維持している。可燃性毒
物としては、例えばガドリニア等、熱中性子吸収断面積
の大きな物質が用いられる。この可燃性毒物を備えた燃
料集合体に関する公知技術としては、例えば、特開昭5
8−216989公報記載の燃料集合体のように、燃料
バンドルの正方格子状配列の最外周にガドリニア入りウ
ラン燃料棒を配置するものがある。
【0003】このような可燃性毒物による反応度抑制挙
動の一例を図6に示す。図6は、可燃性毒物の一種であ
るガドリニアを混入した燃料集合体の無限増倍率の燃焼
変化の一例を示したものである。横軸には燃焼度を、縦
軸には無限増倍率をとり、また比較のために、可燃性毒
物入り燃料棒の本数を減らした場合の挙動を破線で、可
燃性毒物の濃度を濃くした場合の挙動を一点鎖線で併せ
て示している。図6に示されるように、無限増倍率は、
燃焼度が進み可燃性毒物が燃えるにつれて緩やかに上昇
し、可燃性毒物が燃え尽きたところでピークを迎え、そ
のピークを超えた後は緩やかに下降する。そして、この
特性は、まず、可燃性毒物を混入する燃料棒の本数を増
減させることで制御可能である。すなわち、可燃性毒物
を混入する燃料棒の本数を増加させると、中性子吸収が
増加する分燃焼初期での無限増倍率が減少し、逆に本数
を減少させると、燃焼初期での無限増倍率が増大する
(破線参照)。また、混入する可燃性毒物の濃度の増減
によっても特性の制御が可能であり、濃度を増加させれ
ば、可燃性毒物の燃え尽きる時期を遅らせることが可能
になるため、無限増倍率の最大値を低下させることがで
き(一点鎖線参照)、逆に濃度を減少させれば、無限増
倍率の最大値を増加させることができる。これら可燃性
毒物入り燃料棒本数の増減と可燃性毒物濃度の増減とい
う2つを組み合わせにより、炉心の余剰反応度や軸方向
出力分布を適切に制御することが可能となる。
【0004】(2)MOX燃料 ところで、近年、原子力発電所の核燃料リサイクルを図
る観点から、再処理によって使用済み燃料から取り出さ
れたプルトニウムをウランと混合し、ウラン・プルトニ
ウム混合酸化物燃料(以下適宜、MOX燃料という)と
して、軽水炉で利用することが提唱されている。この
際、経済性の向上のために、MOX燃料の高燃焼度化
(例えば、取り出し平均燃焼度40GWd/t以上)や
炉心へのMOX燃料装荷率増加が考えられている。ここ
において、MOX燃料は、その核分裂性物質であるプル
トニウム239やプルトニウム241の熱中性子吸収断
面積がウラン235より大きいこと、及びプルトニウム
240による中性子の吸収がウラン238より大きいこ
と等により、ウラン燃料よりも熱中性子の割合が減少
し、中性子スペクトルが硬くなるという性質がある。こ
こで、可燃性毒物の燃焼は中性子スペクトルに強く依存
しており、中性子平均エネルギーが低く(中性子スペク
トルが軟らかく)なるほど燃焼が進行して中性子吸収効
果が大きくなる一方、中性子スペクトルが硬くなるほど
中性子吸収効果が小さくなる。そのため、MOX燃料を
備えたMOX燃料集合体では、ウラン燃料のみを備えて
いたウラン燃料集合体よりも可燃性毒物の中性子吸収効
果が低下する。したがって、MOX燃料集合体において
は、上記の点に配慮して、通常のウラン燃料集合体にお
ける可燃性毒物の配置をさらに改良し適正化する必要が
ある。
【0005】(3)MOX燃料集合体 ここで、MOX燃料集合体の場合、MOX燃料棒に可燃
性毒物を混入しようとすると燃料の成型が複雑となり、
技術上の困難やコスト増大等を招くため、通常、MOX
燃料棒とウラン燃料棒とを並存させ、ウラン燃料棒にの
み可燃性毒物を混入する。また、MOX燃料棒において
プルトニウム富化度を軸方向に分布させようとすると同
様に燃料の成型が複雑になることから、通常、MOX燃
料棒のプルトニウム富化度は軸方向一様とする。すなわ
ち、MOX燃料集合体において余剰反応度や軸方向出力
分布の制御を行うためには、通常、ウラン燃料棒に可燃
性毒物を含有させるとともに、必要に応じて、そのウラ
ン燃料棒において軸方向にウラン濃縮度分布や可燃性毒
物濃度分布を設ける。このような燃料集合体の例として
は、例えば特開昭63−108294公報記載のMOX
料集合体がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】(4)高燃焼度化・M
OX装荷率増加及び富荷度種類数低減のニーズ ところで、このようなMOX燃料について、経済性の向
上のために高燃焼度化や炉心への装荷率増加が考えられ
ている。まず、高燃焼度化を図るためには燃料の持つ反
応度を高める必要があるが、この増大した反応度を抑制
するためには、可燃性毒物を混入するウラン燃料棒の本
数を増加させる必要がある。そのため、MOX燃料装荷
率が低減してしまうという損失が生じる。また、反応度
を高めるためにMOX燃料のプルトニウム富化度を増加
させると、中性子スペクトルの硬化がさらに増す傾向と
なるため、これによっても可燃性毒物入りウラン燃料棒
の本数を増加させる必要が生じし、MOX燃料装荷率が
低減する。したがって、MOX燃料集合体において高燃
焼度化・MOX燃料装荷率増大により経済性向上を図り
つつ余剰反応度を制御するためには、最も効果的な位置
に必要最小限の可燃性毒物入り燃料棒を配置する必要が
ある。またこのとき、成形コスト低減の観点から、MO
X燃料の富荷度種類数を極力減らしたいというニーズも
ある。
【0007】ここで、以上のような点にある程度配慮し
たMOX燃料集合体の公知技術として、例えば特開平4
−220596号公報記載のものがある。このMOX燃
料集合体は、ガドリニア入りウラン燃料棒を、9行9列
正方格子状配列中の4隅に隣接する位置と、4隅のうち
3つとに配置することにより、可燃性毒物入りウラン燃
料棒の本数を11本に低減してMOX燃料装荷率を比較
的大きく確保し、かつ、MOX燃料棒の富化度種類数は
3種類にまで低減している。しかしながら、ガドリニア
入りウラン燃料棒を4つのコーナー付近に密集して配置
し、各コーナーごとに密集する合計4つのガドリニア入
りウラン燃料棒群を形成している。そのため、各群にお
いて、ある1本のガドリニア入りウラン燃料棒の近傍で
は、そのガドリニアにより比較的低レベルの熱中性子が
ガドリニアに吸収されて周囲の中性子スペクトルが硬く
なり、これによってその群の他のガドリニア入りウラン
燃料棒の吸収効果は薄くなっている。したがって、トー
タルで見るとガドリニア入りウラン燃料棒の中性子吸収
効果が必ずしも十分に発揮されておらず、ガドリニア入
りウラン燃料棒の本数低減に関しまだ改善の余地があ
る。また、富荷度種類数を2種類にまで減らすことはで
きない。
【0008】本発明の目的は、高燃焼度化を図りつつ、
可燃性毒物入りウラン燃料棒の本数を必要最小限の数ま
で低減して大きなMOX燃料装荷率を確保し、かつ、M
OX燃料棒の富化度種類数を低減して成形コストを低減
できるMOX燃料集合体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、プルトニウム酸化物及びウラン酸
化物を充填した複数のMOX燃料棒と、ウラン酸化物を
充填し可燃性毒物を含有した複数の可燃性毒物入りウラ
ン燃料棒とn行n列の正方格子状に配列したMOX燃料
集合体において、前記複数の可燃性毒物入りウラン燃料
棒は、前記正方格子状配列の4隅位置に配置された第1
の燃料棒と、前記正方格子状配列の最外周部分が形成す
る4辺の各辺中点の格子位置又は各辺中点に最も近い格
子位置に配置された第2の燃料棒とを含む。一般に、沸
騰水型原子炉の燃料集合体においては、減速材である水
に近い燃料棒ほど熱中性子束が大きく、逆に他の燃料棒
に取り囲まれている燃料棒ほど熱中性子束が小さくなる
ので、正方格子状配列最外周の燃料棒は特に熱中性子束
が大きくなる。その最外周の中でも、正方格子状配列の
隅になるほど大きな水ギャップ領域が近くに存在するこ
とから、熱中性子束は正方格子状配列の4隅位置が最も
大きくなるが、このとき、4隅より離れた、正方格子状
配列最外周部分が形成する4辺の各辺中点近傍の格子位
置ではあまり熱中性子束は変わらないが、4隅に近づく
ほど急激に増大する傾向を示す。このような熱中性子束
の差に応じ、通常、MOX燃料集合体では、局所出力ピ
ーキングを減少して出力分布の平坦化を図り熱的余裕を
確保する観点から、水に近い燃料棒のプルトニウム富化
度を比較的低くし、水から遠い燃料棒のプルトニウム富
化度を比較的高くする等の富化度分布をつけることが行
われる。このとき、正方格子状配列の最外周では、上記
したような正方格子状配列の4隅に近づくほど急激に熱
中性子束が大きくなる特性に対応して、少なくとも4隅
位置のMOX燃料棒のプルトニウム富荷度を、それ以外
の位置のMOX燃料棒のプルトニウム富荷度と区別され
た最も低い富荷度とし、合計で少なくとも2種類のプル
トニウム富荷度とすることが多い。ところで、可燃性毒
物の燃焼は中性子スペクトルに強く依存し、中性子平均
エネルギーが低く(中性子スペクトルが軟らかく)なる
ほど燃焼が進行して中性子吸収効果が大きくなる。した
がって、中性子平均エネルギーが比較的低い熱中性子束
が最も大きい場所ほど、可燃性毒物の中性子吸収効果は
有効に発揮される。そこで、本発明においては、最も熱
中性子束が大きい正方格子状配列の4隅位置に、可燃性
毒物入りウラン燃料棒(第1の燃料棒及び第2の燃料
棒)をそれぞれ配置する。これにより、これら4つの可
燃性毒物入りウラン燃料棒が中性子吸収効果を最も有効
に発揮することができる。また、MOX燃料棒でなくウ
ラン燃料棒とすることで、4隅位置のMOX燃料棒のた
めに1種類の富荷度(最低富荷度)が必要であったのを
省略することができるので、富荷度種類数を1種類低減
することができる。一方、高燃焼度化を図る場合には増
大した反応度を抑制するために4隅位置以外にさらに可
燃性毒物入りウラン燃料棒を配置する必要があるが、上
記のように熱中性子束が最も大きい場所ほど可燃性毒物
の中性子吸収効果が有効に発揮されるという観点から
は、従来構造のように、4隅位置の次に熱中性子束が大
きい4隅位置隣接位置に配置するのが好ましいことにな
る。しかしながら、可燃性毒物入り燃料棒を近接して密
集配置すると、ある1本の可燃性毒物入りウラン燃料棒
の近傍では、その可燃性毒物により比較的低レベルの熱
中性子が吸収されて周囲の中性子スペクトルが硬くな
り、これによって他の可燃性毒物入りウラン燃料棒の吸
収効果は薄くなり、トータルで見ると可燃性毒物入りウ
ラン燃料棒の中性子吸収効果が必ずしも十分に発揮され
ないという弊害が生じる。そこで、本発明においては、
可燃性毒物入りウラン燃料棒を、正方格子状配列の最外
周部分が形成する4辺の各辺中点の格子位置又は各辺中
点に最も近い格子位置に配置する。これにより、正方格
子状配列最外周部分において、可燃性毒物入りウラン燃
料棒は、4隅位置それぞれと、4辺の各辺中点付近それ
ぞれとの、合計8箇所に分散して存在することとなるの
で、これらが互いに中性子吸収効果を有効に発揮するこ
とができる。以上のように、本発明においては、可燃性
毒物入りウラン燃料棒を、トータル的にみて中性子吸収
効果が最も効果的に発揮されるように配置するので、そ
の本数を必要最小限にすることができる。したがって、
例えば取り出し平均燃焼度40GWd/t以上といった
高燃焼度化を図る場合にも可燃性毒物入りウラン燃料棒
の本数を十分に低減し、MOX燃料装荷率を大きく確保
することができる。また、4隅位置に可燃性毒物入りウ
ラン燃料棒を配置するので、MOX燃料棒の富荷度種類
数を例えば3種類以下に低減することができる。したが
って、成形コストを低減することができる。
【0010】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記正方格子状配列中に設けられた少なくとも1本の水
ロッドをさらに有し、かつ、前記複数の可燃性毒物入り
ウラン燃料棒は、前記水ロッドに隣接する格子位置に配
置された第3の燃料棒を含む。熱中性子束の大きい水ロ
ッド隣接位置にも可燃性毒物入りウラン燃料棒(第3の
燃料棒)を配置することにより、それらの可燃性毒物の
中性子吸収効果を有効に発揮させることができる。した
がって、さらに可燃性毒物本数の低減を図ることができ
る。
【0011】(3)上記(1)において、また好ましく
は、前記複数のMOX燃料棒は、燃料有効長が他のもの
よりも短い複数の第4の燃料棒を含んでおり、かつ、こ
れら複数の第4の燃料棒を、前記正方格子状配列の最外
周から2層目で前記第1の燃料棒に最も近い格子位置及
び前記第2の燃料棒に最も近い格子位置に配置する。こ
れにより、第1及び第2の燃料棒の正方格子状配列内側
に広い水の領域を作り出し、さらに中性子スペクトルを
軟らかくすることができるので、それら第1及び第2の
燃料棒の可燃性毒物の中性子吸収効果をさらに発揮させ
ることができる。したがって、さらに可燃性毒物本数の
低減を図ることができる。
【0012】(4)上記(1)において、また好ましく
は、前記複数の可燃性毒物入りウラン燃料棒に備えられ
たウランは、濃縮ウランである。この場合、MOX燃料
集合体内おいて、MOX燃料棒と可燃性毒物入りウラン
燃料棒との反応度差を比較的小さくできるので、MOX
燃料棒のプルトニウム富化度の種類を例えば2種類以下
とすることが可能となる。
【0013】(5)上記(1)において、また好ましく
は、前記複数の可燃性毒物入りウラン燃料棒に備えられ
たウランは、天然ウラン又は燃料再処理工程において回
収された回収ウランである。この場合、MOX燃料集合
体内おいて、MOX燃料棒と可燃性毒物入りウラン燃料
棒との反応度差が比較的大きくなるが、それでも、MO
X燃料棒のプルトニウム富化度の種類を例えば3種類以
下とすることが可能である。
【0014】(6)上記(1)において、また好ましく
は、前記第1の燃料棒のウラン濃縮度は、前記第2の燃
料棒のウラン濃縮度よりも低くなっている。
【0015】(7)上記(1)において、また好ましく
は、前記第1の燃料棒の可燃性毒物濃度は、前記第2の
燃料棒の可燃性毒物濃度より高くなっている。
【0016】(8)上記(1)において、また好ましく
は、n≧9である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。本発明の第1の実施形態を図1〜
図3により説明する。本実施形態によるMOX燃料集合
体の全体構造を表す側断面図を図2に、図2中I−I断
面による横断面図を図1(a)に、各種燃料棒の軸方向
プルトニウム富化度・ウラン濃縮度分布を表す説明図を
図1(b)に示す。
【0018】これら図1(a)、図1(b)、及び図2
において、本実施形態による燃料集合体1は、核分裂性
物質を焼結した燃料ペレットを封入した多数の燃料棒2
と、燃料集合体中央部の中性子スペクトルを改善する中
性子減速棒として設けられ、冷却材流路を形成する中空
管である水ロッド3と、燃料棒2及び水ロッド3を軸方
向複数箇所で適切な間隔に保持するスペーサ4と、これ
ら燃料バンドルを上端及び下端でそれぞれ保持する上部
タイプレート5および下部タイプレート6とを備えてお
り、それらのまわりを四角筒型のチャンネルボックス7
で取り囲んでいる。
【0019】水ロッド3は、燃料集合体径方向の熱中性
子束平坦化を目的に燃料集合体中央部の7本の燃料棒2
を置き換えるように配置されており、燃料物質を充填せ
ず、内部を沸騰しない冷却水が通過するようになってい
る。
【0020】チャンネルボックス7は、上部タイプレー
ト5に取り付けられており、これに隣接するように横断
面十字型の制御棒8が挿入されるようになっている。
【0021】燃料棒2は、全部で74本が9行9列の正
方格子状に配列されている。各燃料棒2は、特に詳細を
図示しないが、上部端栓及び下部端栓により両端を密封
された被覆管内に多数の燃料ペレット(プルトニウム酸
化物及びウラン酸化物、もしくはウラン酸化物)を充填
し、被覆管内のガスプレナム領域に配置されたスプリン
グでそれら燃料ペレットを上下に押圧した構造となって
いる。また各燃料棒2は、ペレットの種類や燃料有効長
が互いに異なる5種類が配置されており、それぞれ燃料
棒記号1,2,3,4,5で表す。
【0022】燃料棒記号1,2,3の燃料棒2は、ペレ
ットとして、プルトニウム酸化物及びウラン酸化物から
なるMOX燃料ペレットを充填するMOX燃料棒であ
る。このMOX燃料ペレットは、燃料物質であるPuO
2及び燃料母材であるUO2にて構成され、核分裂物質
である239Pu、241Pu及び235Uを含んでい
る。このとき燃料棒記号1,2の燃料棒2のプルトニウ
ム富化度は、図1(b)に示すように、燃料有効長の全
域(下端基準0/24ノード〜23/24ノード部分)
において軸方向に一様に、それぞれA[wt%],B
[wt%](但しA>B)となっている。また燃料棒記
号3の燃料棒は、燃料有効長が他のものよりも短い部分
長燃料棒(短尺燃料棒)となっており、プルトニウム富
化度は、その燃料有効長の全域(下端基準1/24ノー
ド〜15/24ノード部分)において軸方向に一様にB
[wt%]となっている。燃料棒記号4,5の燃料棒2
は、ペレットとして、濃縮ウラン酸化物に可燃性毒物と
してのガドリニアを添加したガドリニア入りウラン燃料
ペレットを充填するガドリニア入りウラン燃料棒であ
る。このガドリニア入りウラン燃料ペレットは、燃料物
質であるUO2及びこれに含有した可燃性毒物であるガ
ドリニアにて構成され、核分裂物質である235Uを含
んでいる。このとき燃料棒記号4,5の燃料棒2のウラ
ン濃縮度は、図1(b)に示すように、燃料有効長の全
域(下端基準0/24ノード〜24/24ノード部分)
において軸方向に一様に、それぞれE[wt%],D
[wt%](但しD>E)となっている。またガドリニ
ア濃度は、それぞれG[wt%],H[wt%](但し
G>H)となっている。
【0023】このような燃料棒2は、燃料棒記号1が3
2本、燃料棒記号2が24本、燃料棒板棒3が8本、燃
料棒記号4が4本、燃料棒記号5が6本、それぞれ図1
(a)に示すように配置されている。すなわち、ガドリ
ニア入りウラン燃料棒である燃料棒記号4,5の燃料棒
2のうち、ウラン濃縮度が低くガドリニア濃度が高い燃
料棒記号4の燃料棒2は、正方格子状配列の4隅位置に
それぞれ1本ずつ配置され、ウラン濃縮度が高くガドリ
ニア濃度が低い燃料棒記号5の燃料棒2は、正方格子状
配列の最外周部分が形成する4辺の各辺中点の格子位置
にそれぞれ1本ずつ4本と、2本の水ロッド3,3に挟
まれるように隣接する位置に2本が配置されている。
【0024】また、上記以外の格子位置には、MOX燃
料棒である燃料棒記号1,2,3の燃料棒2が配置され
ている。すなわち、それら燃料棒記号1,2,3の燃料
棒2のうち、プルトニウム富化度が低い燃料棒記号2の
燃料棒2が、熱中性子束が高く出力が高くなる正方格子
状配列の最外周部分に配置され、これによって燃焼初期
の局所出力ピーキングを抑えるようになっている。また
部分長燃料棒である燃料棒記号3の燃料棒2が、正方格
子状配列の最外周から2層目であってかつ燃料棒記号
4,5の燃料棒2に最も近い格子位置に配置されてい
る。その他の位置は、すべてプルトニウム富化度が高い
燃料棒記号1の燃料棒2が配置されている。なお、上記
構成において、燃料棒記号4の燃料棒2が、正方格子状
配列の4隅位置に配置された第1の燃料棒を構成し、燃
料棒記号5の燃料棒2が、正方格子状配列の最外周部分
が形成する4辺の各辺中点の格子位置に配置された第2
の燃料棒及び水ロッドに隣接する格子位置に配置された
第3の燃料棒を構成し、燃料棒記号3の燃料棒2が、燃
料有効長が他のものよりも短い第4の燃料棒を構成す
る。
【0025】次に、以上のように構成した本実施形態の
作用を説明する。 (1)正方格子状配列最外周でのガドリニア入りウラン
燃料棒の配置による作用 燃料集合体1においては、通常の沸騰水型原子炉の燃料
集合体と同様、減速材である水に近い燃料棒2ほど熱中
性子束が大きく、逆に他の燃料棒2に取り囲まれている
燃料棒2ほど熱中性子束が小さくなるので、正方格子状
配列最外周の燃料棒2は特に熱中性子束が大きくなる。
その最外周の中でも、正方格子状配列の隅になるほど大
きな水ギャップ領域が近くに存在することから、熱中性
子束は正方格子状配列の4隅位置が最も大きくなる。こ
のとき、4隅より離れた、正方格子状配列最外周部分が
形成する4辺の各辺中点近傍の格子位置ではあまり熱中
性子束は変わらないが、4隅に近づくほど急激に増大す
る傾向を示すことが知られている。このような熱中性子
束の差に応じる形で、従来のMOX燃料集合体では、局
所出力ピーキングを減少して出力分布の平坦化を図り熱
的余裕を確保する観点から、通常、水に近い燃料棒のプ
ルトニウム富化度を比較的低くし、水から遠い燃料棒の
プルトニウム富化度を比較的高くする等の富化度分布を
つけることが行われている。このとき、正方格子状配列
の最外周では、上記したような正方格子状配列の4隅に
近づくほど急激に熱中性子束が大きくなる特性に対応し
て、少なくとも4隅位置のMOX燃料棒のプルトニウム
富荷度を、それ以外の位置のMOX燃料棒のプルトニウ
ム富荷度と区別された最も低い富荷度とし、合計で2種
類以上の富荷度とすることが多い。ところで、一般に、
ガドリニア等の可燃性毒物の燃焼は中性子スペクトルに
強く依存し、中性子平均エネルギーが低く(中性子スペ
クトルが軟らかく)なるほど燃焼が進行して中性子吸収
効果が大きくなることが知られている。したがって、中
性子平均エネルギーが比較的低い熱中性子束が最も大き
い場所ほど、可燃性毒物の中性子吸収効果は有効に発揮
される。そこで、本実施形態の燃料集合体1において
は、最も熱中性子束が大きい正方格子状配列の4隅位置
に、ガドリニア入りウラン燃料棒である燃料棒記号4の
燃料棒2を配置する。これにより、これら4つの燃料棒
2(燃料棒記号4)が中性子吸収効果を最も有効に発揮
することができる。また、MOX燃料棒でなくウラン燃
料棒とすることで、従来、4隅位置のMOX燃料棒のた
めに1種類の富荷度(最低富荷度)が必要であったのを
省略することができるので、富荷度種類数を1種類低減
することができる。一方、高燃焼度化を図る場合には増
大した反応度を抑制するために4隅位置以外にさらに可
燃性毒物入りウラン燃料棒を配置する必要があるが、上
記のように熱中性子束が最も大きい場所ほど可燃性毒物
の中性子吸収効果が有効に発揮されるという観点から
は、特開平4−220596号に開示された従来構造の
ように、4隅位置の次に熱中性子束が大きい4隅位置隣
接位置にガドリニア入りウラン燃料棒を配置するのが好
ましいことになる。しかしながら、ガドリニア入り燃料
棒を近接して密集配置すると、ある1本のガドリニア入
りウラン燃料棒の近傍では、そのガドリニアにより比較
的低レベルの熱中性子が吸収されて周囲の中性子スペク
トルが硬くなり、これによって他のガドリニア入りウラ
ン燃料棒の吸収効果は薄くなり、トータルで見るとガド
リニア入りウラン燃料棒の中性子吸収効果が必ずしも十
分に発揮されないという弊害が生じる。そこで、本実施
形態においては、ガドリニア入りウラン燃料棒である燃
料棒記号5の燃料棒2を、正方格子状配列の最外周部分
が形成する4辺の各辺中点の格子位置に配置する。これ
により、図1(a)に示すように、正方格子状配列最外
周部分において、可燃性毒物入りウラン燃料棒は、4隅
位置それぞれと(燃料棒記号4)、4辺の各辺中点付近
それぞれ(燃料棒記号5)との、合計8箇所に分散して
存在することとなるので、これらがすべて中性子吸収効
果を有効に発揮することができる。
【0026】(2)水ロッド隣接位置へのガドリニア入
りウラン燃料棒の配置による作用 中性子束の大きい水ロッド3の隣接位置にもガドリニア
入りウラン燃料棒である燃料棒記号5の燃料棒2を配置
することにより、それらの可燃性毒物の中性子吸収効果
についても有効に発揮させることができる。
【0027】(3)部分長燃料棒配置による作用 部分長燃料棒である燃料棒記号3の燃料棒2を、正方格
子状配列最外周から2層目のうち、最外周にあるガドリ
ニア入りウラン燃料棒2(燃料棒記号4,5)に最も近
い格子位置に配置することにより、それら燃料棒2(燃
料棒記号4,5)の正方格子状配列内側に広い水の領域
を作り出し、さらに中性子スペクトルを軟らかくするこ
とができるので、それら燃料棒2(燃料棒記号4,5)
のガドリニアの中性子吸収効果をさらに発揮させること
ができる。
【0028】(4)ウランペレットに濃縮ウランを用い
ることによる作用 上記したように、一般にMOX燃料集合体では、局所出
力ピーキングを減少して出力分布の平坦化を図り熱的余
裕を確保する観点から、熱中性子束の差に応じる形で、
通常、水に近い燃料棒のプルトニウム富化度を比較的低
くし、水から遠い燃料棒のプルトニウム富化度を比較的
高くする等の富化度分布をつけることが行われている。
そのため、MOX燃料棒の富化度種類数の低減を図ろう
とする場合、熱中性子束の差にかかわらず同一の富化度
となる場合が多くなり、各MOX燃料棒の出力差のばら
つきが大きくなって局所出力ピーキングが増大する傾向
となる。また、MOX燃料棒とウラン燃料棒とでは、M
OX燃料棒のほうが出力が大きくなるが、その出力差が
大きくなることによっても局所出力ピーキングが増大す
る傾向となる。すなわち、ウラン燃料棒のウラン濃縮度
が低いとMOX燃料棒との出力差が大きくなり、すべて
の燃料棒における出力差が一層拡大するため、一定の局
所出力ピーキングを維持するにはMOX燃料棒の富化度
種類数を多めに設定せざるを得なくなる。逆に、ウラン
燃料棒のウラン濃縮度が高いとMOX燃料棒との出力差
が小さくなって全燃料棒における出力差が縮小するた
め、MOX燃料棒の富化度種類数を少なくすることがで
きる。このことを図3により説明する。図3は、ガドリ
ニア入り燃料棒のウラン濃縮度をパラメータとした局所
出力ピーキングとプルトニウム富化度種類数との関係の
一例を示したものである。この図3において、はガド
リニア入りウラン燃料棒のウランが濃縮ウランの場合
(235Uの濃縮度が例えば数%)、はガドリニア入
りウラン燃料棒のウランが回収ウランまたは天然ウラン
の場合(235Uの濃縮度が例えば1%程度以下)を示
している。例えばある局所出力ピーキングを実現するた
めに、濃縮ウランを用いたにおいて必要なプルトニウ
ム富化度種類数のほうが、回収ウラン又は天然ウランを
用いたにおいて必要なプルトニウム富化度種類数より
も、1種類少なくてすむことがわかる。例えば、濃縮ウ
ランを用いたにおいて必要なプルトニウム富化度種類
数が2種類であった場合(図3中Aで示す)、回収ウラ
ン又は天然ウランを用いたにおいて必要なプルトニウ
ム富化度種類数は3種類となる(図3中Bで示す)。本
実施形態においては、ガドリニア入りウラン燃料棒であ
る燃料棒記号4,5の燃料棒2に含まれるウランとし
て、濃縮度E,Dの濃縮ウランを用いる。これにより、
MOX燃料棒2(燃料棒記号1,2,3)のプルトニウ
ム富化度種類数をA,Bの2種類としても、所定の局所
出力ピーキングを実現可能となっている。
【0029】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、ガドリニア入りウラン燃料棒2(燃料棒記号4,
5)を、トータル的にみて中性子吸収効果が最も効果的
に発揮されるように配置するので、その本数を必要最小
限の10本にすることができる。したがって、例えば取
り出し平均燃焼度40GWd/t以上といった高燃焼度
化を図る場合にもガドリニア入りウラン燃料棒2(燃料
棒記号4,5)の本数を十分に低減し、MOX燃料装荷
率を大きく確保することができる。また、MOX燃料棒
2(燃料棒記号1,2,3)の富荷度種類数をA,Bの
2種類に低減することができるので、成形コストを低減
することができる。
【0030】本発明の第2の実施形態を図4により説明
する。本実施形態は、ガドリニア入りウラン燃料棒のウ
ランとして回収ウラン又は天然ウランを用いた場合の実
施形態である。第1の実施形態と同等の部分には同一の
符号を付し、適宜説明を省略する。本実施形態によるM
OX燃料集合体の要部構造を表す横断面図を図4(a)
に、各種燃料棒の軸方向プルトニウム富化度・ウラン濃
縮度分布を表す説明図を図4(b)に示す。この図4
(a)(b)は、第1の実施形態の図1(a)(b)に
それぞれ対応する図である。
【0031】これら図4(a)及び図4(b)におい
て、燃料棒2は、全部で74本が9行9列の正方格子状
に配列されている。各燃料棒2は、ペレットの種類や燃
料有効長が互いに異なる6種類が配置されており、それ
ぞれ燃料棒記号1,2,3,4,5,6で表す。
【0032】燃料棒記号1,2,3,4の燃料棒2はM
OX燃料棒である。燃料棒記号1,2,3の燃料棒2の
プルトニウム富化度は、図4(b)に示すように、燃料
有効長の全域(下端基準0/24ノード〜23/24ノ
ード部分)において軸方向に一様に、それぞれA[wt
%],B[wt%],C[wt%](但しA>B>C)
となっている。また燃料棒記号4の燃料棒2は、燃料有
効長が他のものよりも短い部分長燃料棒(短尺燃料棒)
となっており、プルトニウム富化度は、その燃料有効長
の全域(下端基準1/24ノード〜15/24ノード部
分)において軸方向に一様にB[wt%]となってい
る。燃料棒記号5,6の燃料棒2はガドリニア入りウラ
ン燃料棒である。それぞれのウランは、いわゆる回収ウ
ラン又は天然ウランであり、その濃縮度は、図4(b)
に示すように、燃料有効長の全域(下端基準0/24ノ
ード〜24/24ノード部分)において軸方向に一様に
ともにF[wt%]となっている(但しFは例えば1以
下)。またガドリニア濃度は、それぞれG[wt%],
H[wt%](但しG>H)となっている。
【0033】このような燃料棒2は、燃料棒記号1が3
2本、燃料棒記号2が16本、燃料棒板棒3が8本、燃
料棒記号4が8本、燃料棒記号5が4本、それぞれ図4
(a)に示すように配置されている。すなわち、ガドリ
ニア入りウラン燃料棒2(燃料棒記号5,6)は、それ
ぞれ、第1の実施形態の燃料棒記号4,5の燃料棒2と
同様、正方格子状配列の4隅位置と、正方格子状配列の
最外周部分が形成する4辺の各辺中点の格子位置及び2
本の水ロッド3,3に隣接する位置とに配置されてい
る。
【0034】また、残りのMOX燃料棒2(燃料棒記号
1,2,3,4)のうち、プルトニウム富化度が最も低
い燃料棒記号3の燃料棒2が、熱中性子束が高く出力が
高くなる正方格子状配列の最外周部分の中でもさらに熱
中性子束が高い側である4隅隣接位置に配置されてお
り、残りの最外周部分の格子位置にその次にプルトニウ
ム富化度が低い燃料棒記号2の燃料棒2が配置されてお
り、これらによって燃焼初期の局所出力ピーキングを抑
えるようになっている。また、部分長燃料棒である燃料
棒記号4の燃料棒2は、第1の実施形態の燃料棒記号3
の燃料棒2同様、正方格子状配列の最外周から2層目で
あってかつ燃料棒記号5,6の燃料棒2に最も近い格子
位置に配置されている。その他の位置は、すべてプルト
ニウム富化度が最も高い燃料棒記号1の燃料棒2が配置
されている。なお、上記構成において、燃料棒記号5の
燃料棒2が、正方格子状配列の4隅位置に配置された第
1の燃料棒を構成し、燃料棒記号6の燃料棒2が、正方
格子状配列の最外周部分が形成する4辺の各辺中点の格
子位置に配置された第2の燃料棒及び水ロッドに隣接す
る格子位置に配置された第3の燃料棒を構成し、燃料棒
記号4の燃料棒2が、燃料有効長が他のものよりも短い
第4の燃料棒を構成する。
【0035】以上のように構成した本実施形態によって
も、上記第1の実施形態と同様の効果を得る。すなわ
ち、高燃焼度化を図る場合にもガドリニア入りウラン燃
料棒2(燃料棒記号4,5)の本数を10本まで低減
し、MOX燃料装荷率を大きく確保することができる。
また、MOX燃料棒2(燃料棒記号1,2,3,4)の
富荷度種類数を低減することができる。なおこのとき、
第1の実施形態と異なり、ガドリニア入りウラン燃料棒
2(燃料棒記号4,5)のウランとして濃縮度の低い回
収ウラン又は天然ウランを用いるため、前述した図3で
説明した原理によりMOX燃料棒2(燃料棒記号1,
2,3)の富荷度種類数がA,B,Cと第1の実施形態
よりは増えるが、これら3種類まで低減することはでき
るので、その限りにおいては成形コストを低減すること
ができる。
【0036】本発明の第3の実施形態を図5により説明
する。本実施形態は、燃料棒を10行10列に配列した
場合の実施形態である。第1の実施形態と同等の部分に
は同一の符号を付し、適宜説明を省略する。本実施形態
によるMOX燃料集合体の要部構造を表す横断面図を図
5(a)に、各種燃料棒の軸方向プルトニウム富化度・
ウラン濃縮度分布を表す説明図を図5(b)に示す。こ
れら図5(a)(b)は、第1の実施形態の図1(a)
(b)にそれぞれ対応する図である。
【0037】これら図5(a)及び図5(b)におい
て、燃料棒2は、全部で92本が10行10列の正方格
子状に配列されており、また2本の水ロッド3が燃料棒
2の8本分のスペースにそれらを置き換えるように配置
されている。各燃料棒2は、ペレットの種類や燃料有効
長が互いに異なる5種類(燃料棒記号1,2,3,4,
5)があるが,その軸方向プルトニウム富化度・ウラン
濃縮度分布等は、図1(b)に示した第1の実施形態の
燃料棒2(燃料棒記号1,2,3,4,5)と全く同一
であるので説明を省略する。
【0038】これら燃料棒2は、燃料棒記号1が42
本、燃料棒記号2が24本、燃料棒板棒3が12本、燃
料棒記号4が4本、燃料棒記号5が10本、それぞれ図
5(a)に示すように配置されている。ガドリニア入り
ウラン燃料棒である燃料棒記号4,5の燃料棒2のう
ち、ウラン濃縮度が低くガドリニア濃度が高い燃料棒記
号4の燃料棒2は、第1の実施形態同様、正方格子状配
列の4隅位置にそれぞれ1本ずつ配置されている。一
方、ウラン濃縮度が高くガドリニア濃度が低い燃料棒記
号5の燃料棒2は、正方格子状配列の最外周部分が形成
する4辺の各辺中点に最も近い2つの格子位置に2本ず
つ8本と、2本の水ロッド3,3に挟まれるように隣接
する位置に2本が配置されている。
【0039】また、残りのMOX燃料棒2(燃料棒記号
1,2,3)のうち、プルトニウム富化度が低い燃料棒
記号2の燃料棒2が、第1の実施形態同様、熱中性子束
が高く出力が高くなる正方格子状配列の最外周部分に配
置されており、これによって燃焼初期の局所出力ピーキ
ングを抑えるようになっている。また、部分長燃料棒で
ある燃料棒記号3の燃料棒2が、第1の実施形態同様、
正方格子状配列の最外周から2層目であってかつ燃料棒
記号4,5の燃料棒2に最も近い格子位置に配置されて
いる。その他の位置は、すべてプルトニウム富化度が高
い燃料棒記号1の燃料棒2が配置されている。なお、上
記構成において、燃料棒記号4の燃料棒2が、正方格子
状配列の4隅位置に配置された第1の燃料棒を構成し、
燃料棒記号5の燃料棒2が、正方格子状配列の最外周部
分が形成する4辺の各辺中点に最も近い格子位置に配置
された第2の燃料棒及び水ロッドに隣接する格子位置に
配置された第3の燃料棒を構成し、燃料棒記号3の燃料
棒2が、燃料有効長が他のものよりも短い第4の燃料棒
を構成する。
【0040】以上のように構成した本実施形態によって
も、上記第1の実施形態と同様、高燃焼度化を図る場合
にもガドリニア入りウラン燃料棒2(燃料棒記号4,
5)の本数を十分に低減し、MOX燃料装荷率を大きく
確保することができる。また、MOX燃料棒2(燃料棒
記号1,2,3)の富荷度種類数をA,Bの2種類に低
減することができるので、成形コストを低減することが
できる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、高燃焼度化を図りつ
つ、可燃性毒物入りウラン燃料棒の本数を必要最小限の
数まで低減して大きなMOX燃料装荷率を確保し、か
つ、MOX燃料棒の富化度種類数を低減して成形コスト
を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるMOX燃料集合
体の要部横断面図、及び各種燃料棒の軸方向プルトニウ
ム富化度・ウラン濃縮度分布を表す説明図である。
【図2】図1に示したMOX燃料集合体の全体構造を表
す側断面図である。
【図3】ガドリニア入り燃料棒のウラン濃縮度をパラメ
ータとした局所出力ピーキングとプルトニウム富化度種
類数との関係の一例を示した図である。
【図4】本発明の第2の実施形態によるMOX燃料集合
体の要部構造を表す横断面図、及び各種燃料棒の軸方向
プルトニウム富化度・ウラン濃縮度分布を表す説明図で
ある。
【図5】本発明の第3の実施形態によるMOX燃料集合
体の要部構造を表す横断面図、及び各種燃料棒の軸方向
プルトニウム富化度・ウラン濃縮度分布を表す説明図で
ある。
【図6】可燃性毒物の一種であるガドリニアを混入した
燃料集合体の無限増倍率の燃焼変化の一例を示した図で
ある。
【符号の説明】
1 燃料集合体 2 燃料棒 3 水ロッド
フロントページの続き (72)発明者 藤田 聡志 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 笹川 勝 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 国分 毅彦 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プルトニウム酸化物及びウラン酸化物を充
    填した複数のMOX燃料棒と、ウラン酸化物を充填し可
    燃性毒物を含有した複数の可燃性毒物入りウラン燃料棒
    とをn行n列の正方格子状に配列したMOX燃料集合体
    において、 前記複数の可燃性毒物入りウラン燃料棒は、前記正方格
    子状配列の4隅位置に配置された第1の燃料棒と、前記
    正方格子状配列の最外周部分が形成する4辺の各辺中点
    の格子位置又は各辺中点に最も近い格子位置に配置され
    た第2の燃料棒とを含むことを特徴とするMOX燃料集
    合体。
  2. 【請求項2】請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記正方格子状配列中に設けられた少なくとも1本
    の水ロッドをさらに有し、かつ、前記複数の可燃性毒物
    入りウラン燃料棒は、前記水ロッドに隣接する格子位置
    に配置された第3の燃料棒を含むことを特徴とするMO
    X燃料集合体。
  3. 【請求項3】請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記複数のMOX燃料棒は、燃料有効長が他のもの
    よりも短い複数の第4の燃料棒を含んでおり、かつ、こ
    れら複数の第4の燃料棒を、前記正方格子状配列の最外
    周から2層目で前記第1の燃料棒に最も近い格子位置及
    び前記第2の燃料棒に最も近い格子位置に配置したこと
    を特徴とするMOX燃料集合体。
  4. 【請求項4】請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記複数の可燃性毒物入りウラン燃料棒に備えられ
    たウランは、濃縮ウランであることを特徴とするMOX
    燃料集合体。
  5. 【請求項5】請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記複数の可燃性毒物入りウラン燃料棒に備えられ
    たウランは、天然ウラン又は燃料再処理工程において回
    収された回収ウランであることを特徴とするMOX燃料
    集合体。
  6. 【請求項6】請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記第1の燃料棒のウラン濃縮度は、前記第2の燃
    料棒のウラン濃縮度よりも低くなっていることを特徴と
    するMOX燃料集合体。
  7. 【請求項7】請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記第1の燃料棒の可燃性毒物濃度は、前記第2の
    燃料棒の可燃性毒物濃度より高くなっていることを特徴
    とするMOX燃料集合体。
  8. 【請求項8】請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、n≧9であることを特徴とするMOX燃料集合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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