JP2000109596A - 脱蛋白天然ゴムラテックススポンジ及びその製造方法 - Google Patents

脱蛋白天然ゴムラテックススポンジ及びその製造方法

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JP2000109596A
JP2000109596A JP10294707A JP29470798A JP2000109596A JP 2000109596 A JP2000109596 A JP 2000109596A JP 10294707 A JP10294707 A JP 10294707A JP 29470798 A JP29470798 A JP 29470798A JP 2000109596 A JP2000109596 A JP 2000109596A
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rubber latex
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latex
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Mitsuhiko Sakamoto
光彦 坂本
Kazuo Obata
一夫 小幡
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Yukigaya Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛋白による接触アレルギーの発生の怖れがな
く、かつ緻密で高品位な天然ゴムラテックスによるスポ
ンジを提供する。 【解決手段】天然ゴムラテックスに含まれる蛋白を加水
分解してアミノ酸とし、この天然ゴムラテックスを発泡
成形した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、天然ゴムラテッ
クスに含まれる蛋白を低減して成形される脱蛋白天然ゴ
ムラテックススポンジとその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、天然ゴムはヘベア樹の樹液と
して、ゴム分の他、蛋白、水分、脂肪酸、燐脂質等を含
んだラテックスとして産出し、これを精製し、天然ゴム
ラテックス又はゴム分を凝固させゴム製品の原料として
いる。またこれらの天然ゴムラテックスを原料として発
泡成形等によって得られる天然ゴムラテックススポンジ
は、強靱で弾力があり、また感触もよく安価であるた
め、化粧用パフやサポーターなど皮膚に直接、間接に接
触する用途のものにも広く使用されている。しかし、こ
の天然ゴムラテックスにはその原料に蛋白が含まれてお
り、この蛋白が上記天然ゴムラテックスから成る製品に
接触する者に接触アレルギーを起こす原因と成ってい
る。そこで接触アレルギー誘発の怖れのない脱蛋白天然
ゴムラテックススポンジの提供が望まれている。
【0003】これに対し、接触アレルギーの発生を防ぐ
ために、(1)天然ゴムラテックスから希釈と濃縮による
洗浄をし、脱蛋白天然ゴムラテックスとした後に発泡成
形する方法。(2)天然ゴムラテックスをスポンジに発泡
成形した後、洗浄剤にて洗浄し、蛋白を低減する方法が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の脱蛋白天然ゴムラテックスは、ラテックスを安定
化させている蛋白を除去してしまうために、ラテックス
が極度に不安定となり、発泡成形時におけるゲル化剤に
よるゲル化が安定せず、泡の保持ができなくなり、凝
集、消失が起こり、得られるスポンジは巨大な気泡とな
ったり、またスポンジの部分部分で全く違う気泡となる
など、従来の天然ゴムラテックススポンジの用途には使
用できないものしか得られない。またこのラテックス
は、蛋白を洗浄除去する際に遠心分離により濃縮と希釈
を繰り返すため、工程が多くコスト高となっている。
【0005】また、(2)の発泡成形した後、スポンジを
洗浄剤にて洗浄し蛋白を除去する方法では、発泡成形は
従来の天然ゴムラテックスを使用するため従来同様に緻
密で高品位、かつ連続気泡を有するスポンジが製造でき
るが、気泡隔膜のゴム内部の蛋白が除去しずらく、残留
した蛋白が時を経ることにより表面へブリードし、上記
接触アレルギーを引き起こす怖れがあった。
【0006】そこで、この発明は、天然ゴムラテックス
中の蛋白を洗浄除去せずに、当該蛋白を加水分解してア
ミノ酸とし、この様なラテックスを安定状態のまま発泡
成形してスポンジとするもので、蛋白による接触アレル
ギー発生の恐れのない、緻密で高品位、かつ安価なスポ
ンジを提供して上記課題を解決するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1項の発明は、天
然ゴムラテックスに含まれる蛋白を加水分解してアミノ
酸とし、この天然ゴムラテックスを発泡成形して得られ
た、脱蛋白天然ゴムラテックススポンジとした。
【0008】請求項2項の発明は、天然ゴムラテックス
に含まれる蛋白を加水分解してアミノ酸とし、この天然
ゴムラテックスを発泡成形して成る、脱蛋白天然ゴムラ
テックススポンジの製造方法とした。
【0009】
【発明の実施の形態例】この発明に用いられる天然ゴム
ラテックスは、へベア種から採取される天然ゴムラテッ
クスであって、アンモニア処理されたラテックスが好ま
しい。この発明では、天然ゴムラテックスに含まれる蛋
白を加水分解してアミノ酸とした後、発泡成形し脱蛋白
天然ゴムラテックススポンジとする。スポンジに発泡成
形した後、加水分解されたアミノ酸などの蛋白分解物を
除去するために洗浄する。
【0010】天然ゴムラテックスに含まれる蛋白を加水
分解するには酵素による分解を用いることができる。蛋
白分解酵素は、特に限定されるものではないが、プロテ
アーゼ、アルカリプロテアーゼを用いる。蛋白分解酵素
は天然ゴムラテックスの固形分100重量部当たり0.
001重量部から0.1重量部を添加する。添加量がこ
れより少ないと、蛋白が十分に分解できない。また、こ
れより多くても分解効率は上がらず経済的ではない。天
然ゴムラテックスは分解酵素を添加し、全体を均一に撹
拌する。この後撹拌しつつ又は静置し、加水分解を進め
る。この際の温度は5度から80度の範囲内で行う。こ
れらの温度より低ければ蛋白分解が進まず、また、これ
らの温度より高ければ酵素が失活し、蛋白の加水分解が
できなくなる。加水分解は1日から1週間かけて行う。
蛋白分解する原料ラテックスはpHを8から11とする
ことが好ましい。これより低ければ原料ラテックスが不
安定となり、凝固物が発生する。またこれより高いと酵
素の活性が低下し好ましくない。
【0011】原料ラテックスには、上記分解酵素に加え
て界面活性剤を添加できる。界面活性剤は、天然ゴムラ
テックス中の蛋白に作用し加水分解するのを助ける。界
面活性剤は、天然ゴムラテックスの固形分100重量部
当たり0.01重量部から5重量部添加する。添加量が
これより少なければ、効果が少なく、これより多ければ
後述する発泡成形時のゲル化が困難となり、緻密で高品
位なスポンジが製造できない。
【0012】界面活性剤としては、陰イオン界面活性
剤、非イオン界面活性剤があげられ、陰イオン界面活性
剤としては、脂肪酸類、高級アルコール硫酸エステル塩
類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、脂肪族アミンおよび
脂肪族アマイドの硫酸塩類、脂肪アルコールリン酸エス
テル塩類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン塩類、脂
肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸
塩類、ホルマリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類など
があげられる。これらの塩類とは、アルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩、アミン塩などである。これらの例として
は、オレイン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムがあげられる。
【0013】非イオン界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアル
キルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキ
ルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオ
キシエチレンソルビタンアルキルエステル類などがあげ
られる。これらの例としては、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートがあ
げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせ
て使用することが出来る。
【0014】この様にして蛋白は分解されるが、蛋白は
それを構成する窒素の含有量から推定される。ここでは
上記ラテックスより成形したスポンジに含まれる原料に
由来する窒素が0.05%以下になるようにする。即ち
一般に天然ゴムラテックスを加水分解して蛋白低減した
際、ゴム分子に結合した蛋白は、分解されてアミノ酸と
成るが、ゴム分子は分子量が100万程度と言われてい
ることから、最も蛋白が分解された場合でも、当該ゴム
ラテックス分子中には0.0014%程度の窒素分が残
存すると考えられる(窒素原子量=14で算出)。
【0015】つまりどんなに窒素除去をしても0.00
14%は残るので、この値が窒素低減の最高値となる。
またこの数値は、蛋白の接触アレルギーが全く発生しな
い数値と成り、実際には蛋白の接触アレルギーを起こさ
ない数値まではもう少し余裕がある。さらに窒素含有量
は低いほど好ましいが、工業的な生産面から言っても、
上記0.0014%にするには、蛋白分解処理及びその
後の洗浄を相当時間行わなければならず、量産には適さ
ない。
【0016】そこで調査した結果、原料の蛋白に由来す
る窒素分は0.05%程度まで含有されていても、蛋白
による接触アレルギーはほぼ発生しないことが分かっ
た。そこで天然ゴムラテックススポンジの蛋白由来の窒
素含有率が0.05%以下であれば、このスポンジに接
触した際でも、蛋白の接触アレルギーを起こす恐れがな
いと推定される。
【0017】この様に蛋白分解を行った天然ゴムラテッ
クスは、pHの調整を行い、原料ラテックスとする。p
Hの調整は、リン酸二水素ナトリウムなどの塩類、アン
モニア水、アルカリ金属の水酸化物水溶液などを添加す
るか、ラテックスに含まれるアンモニアを気散し調整す
る。
【0018】このラテックスは、上記の通り蛋白分解さ
れたものであるが、ラテックス中にはアミノ酸が残って
おり、ラテックスの構造としては安定したものである。
それ故、後述するゲル化及び発泡成形が安定してできる
ものであり、緻密で高品位なスポンジが得られる。この
スポンジの製造方法としては、少なくとも架橋剤及び加
硫促進剤などのゴム配合剤およびゲル化剤を添加した上
記蛋白分解天然ゴムラテックスに空気を混合し撹拌して
発泡、ゲル化させ、加硫を行う。加硫の方法としては蒸
気加硫、熱空気加硫などがあげられ、加硫温度は80℃か
ら160℃で行う。
【0019】架橋剤としては硫黄があげられる。さらに
加硫促進剤としては、チアゾール類、ジチオカルバミン
酸類、スルフェンアミド類、チオウレア類、グアニジン
類、アミン類があげられ、これらのうち1種又は2種以
上を混合して使用することができる。これらのうち好ま
しい例としては、MZ(2−メルカプトベンゾチアゾー
ルの亜鉛塩)、DM(2−ベンゾチアゾリルジスルフィ
ド)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム
塩、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)、ジエチ
ルチオウレア、H(ヘキサメチレンテトラミン)などが
上げられる。
【0020】ゲル化剤としては、金属酸化物、無機塩
類、酸、有機酸の塩類などの1種または2種以上があげ
られ、なかでも酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、ケイフッ
化ナトリウム、酢酸アンモニウムがよい。ゲル化剤を混
合し発泡したラテックス組成物をゲル化させるには化学
的に行う方法と、熱的に行う方法がある。またゲル化調
整剤を併用することができ、ゲル化調整剤としてはアル
キルアミン類、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面
活性剤などが上げられる。さらに必要に応じて上記ゴム
配合剤に加えて、起泡剤、老化防止剤、金属不活性剤、
紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、充填剤、着色剤、難燃
剤、防菌剤、付香剤を配合することができる。 これら
の配合剤は蛋白分解ラテックスに添加されるが、ゲル化
剤を除く配合剤は加水分解時、又はそれに先だって添加
することもでき、加水分解と前加硫とを兼ねることがで
きる。
【0021】この様にしてゴムラテックススポンジを形
成するが、このゴムラテックススポンジの気泡は、連続
気泡であって、その径は10mm以下と成るように形成
し、より好ましくは、気泡径は50μm乃至5mmと成
るものがよい。これより気泡径が大きければ、気泡間の
ゴム膜に厚いところが生じ、後述の洗浄が進行しにくく
なる。また、これより小さな気泡径では、スポンジの発
泡成形が難しくなる。さらに、スポンジの発泡倍率は4
倍から10倍が使用でき、これより低ければ気泡間のゴ
ム膜に厚いところが生じ、後述の洗浄が進行しにくくな
り、これより高ければ発泡成形が難しくなる。
【0022】洗浄は加水分解されたアミノ酸などの蛋白
分解物を除去し、過剰のゴム配合剤を除去する。洗浄
は、通常の天然ゴムラテックススポンジの洗浄工程でよ
く、洗浄液にスポンジを浸漬し、スポンジ内部の気泡の
空気を洗浄液と置換し、液を行き渡らせる。その後、ス
ポンジは浸漬静置してもよく、洗濯機等を使用し機械的
に撹拌してスポンジ内部の液を入れ替えてもよい。また
遠心脱水機にて重力をかけつつ液を通流してもよい。洗
浄液は、水が使用されるが、高度に蛋白を除去したスポ
ンジを製造する場合には、水に界面活性剤を溶解したも
のが使用できる。
【0023】上記界面活性剤の濃度は、1乃至10%が
好ましい。界面活性剤の濃度がこれより低いと洗浄能力
が少なく、これより高くても洗浄効率は上がらない。洗
浄時間は洗浄方法、温度によって異なるが、室温で静置
の場合5時間、60度で撹拌の場合10分程度である。
スポンジの処理量は、洗浄液1リットル当たりスポンジ
0.5kgまで洗浄処理ができる。スポンジがこれより
多いと洗浄液がスポンジ全体に均一に含まれず、洗浄が
効果的ではない。
【0024】洗浄液には、ビルダー、水溶性樹脂、膨潤
剤、金属イオン封止剤、柔軟仕上げ剤、親水化処理剤、
蛍光漂白剤、帯電防止剤、pH調整剤などを配合するこ
とができ、洗浄効果を高めたりスポンジの仕上げ処理と
兼ねることができる。また洗浄液にはアルコールを配合
することができる。アルコールには、1価または2価の
アルコール類、多価アルコール類、アルコールアミン
類、エーテル類があげられ、単独で、又は二種以上を組
み合わせて使用することができる。これらのアルコール
の例としては、エタノール、プロパノール、グリセリ
ン、モノ、ジ、又はトリエタノールアミン、メトキシエ
タノールがあげられる。これらの物質は、スポンジのゴ
ム樹脂中に浸透して、蛋白分解物を溶出し易くする効果
がある。
【0025】蛋白分解してできたアミノ酸等の洗浄を行
ったスポンジは、濯ぎ、乾燥をおこない、必要に応じて
裁断などを行い製品とする。またリーチング処理や酸化
漂白処理を行い、さらに高度に蛋白を除去することがで
きる。
【0026】以下、実施例と比較例を用意して、これら
を比較する。 第1実施例 天然ゴムのハイアンモニアラテックス(固形分60%)
を、pH10となるようアンモニアの一部を気散除去し
た。このラテックスの固形分100重量部当たりオレイ
ン酸カリウム2.0重量部とアルカリプロテアーゼ(ナ
ガセ生化学工業社製)0.01重量部を添加し、撹拌し
た後、30度にて3日間静置し、蛋白分解ラテックスを
得た。この処理の前後で、ラテックスの一部を取り出
し、ガラス板上に流延、乾燥させて被膜を作成し、この
被膜の赤外線吸収スペクトル分析を行った。処理前の赤
外線吸収スペクトルには、ポリペプチド結合に特有な3
280cm-1のN−H伸縮振動による吸収帯が見られた
が、処理後は極微弱となり、蛋白が分解されていること
が分かった。なお、わずかに検出される吸収帯は、添加
したアルカリプロテアーゼによるものと考えられる。ま
た、この蛋白分解ラテックスにニンヒドリンの1%水溶
液を添加し、80度にて10分間加熱後室温に戻し、ニ
ンヒドリン反応を見たところ、アミノ酸の存在を示す濃
紫色が見られた。
【0027】このラテックスの固形分100重量部に後
述のゴム配合剤の水分散体を添加し、調理用ハンドミキ
サーにて空気を混合し発泡し、直径60mmのアルミニ
ウム製円柱状容器に充填し、続いてゲル化した。ゲル化
は配合完了後4分にて指触可能となり、後述する比較例
1の天然ゴムラテックスの場合と同じであった。この
後、蒸気にて110℃、60分間加硫後、容器より取り
出しゴム弾性のあるスポンジを得た。このスポンジを、
流水にて吸脱水を繰り返す洗浄を20分間行い、乾燥さ
せ、ラテックススポンジを得た。発泡倍率8倍、平均気
泡径180μmの連続気泡型のスポンジであった。
【0028】 配合剤 (ラテックスの固形分100重量部に対する重量部) 硫黄 2.0 加硫促進剤 MZ 1.5 (窒素含有量 7.04%) 加硫促進剤 EZ 0.5 (窒素含有量 7.74%) 老化防止剤 BHT 1.0 (窒素含有量 0%) オレイン酸カリウム 2.0 酸化亜鉛 3.0 ケイフッ化ナトリウム 2.5 なお、配合剤中のオレイン酸カリウムは蛋白分解時に添
加している。
【0029】このスポンジの赤外線吸収スペクトルに
は、3280cm-1の吸収帯が見られなかった。また、こ
のスポンジのケルダール法による全窒素分は、0.16
%であった。また、窒素を含む配合剤である加硫促進剤
MZ、EZは、高速液体クロマトグラフにより分離し
て、その含有量を計ると夫々1.13%、0.35%で
あり、これらの窒素分は次式にて算出し、夫々、約0.
080%、約0.027%であり、配合剤由来の窒素分
は合計0.11%であった。蛋白由来窒素分は次式にて
算出し、0.05%であった。なお、配合処方ではラテ
ックス固形分100重量部当たりの量であるのに対し、
上記含有量は全量を1とするパーセント表示であるが、
MZ、EZが配合量より減少しているのは、洗浄時に一
部が流出したためである。
【0030】配合剤由来窒素分(%) = 配合剤量
(%) × 配合剤窒素含有量(%) 蛋白由来窒素分 (%) = 全窒素分(%) − 配
合剤由来窒素分(%)
【0031】第2実施例 第1実施例と同様にしてスポンジを作成し、水洗浄に替
えて、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水
溶液にて気泡内の空気と洗浄液を置換した後、これに浸
漬し40度にて2時間静置後、濯ぎ、脱水、乾燥を行っ
た。また全窒素分及び配合剤含有量を求め、蛋白由来窒
素分を求めると0.03%であった。
【0032】比較例 第1実施例の蛋白分解ラテックスに替えて、pHを10
に調整した蛋白分解前のラテックスを使用して、第1実
施例と同様の操作を行った。ゲル化は配合完了後4分に
て指触可能となった。得られたスポンジは、赤外線吸収
スペクトルに3280cm-1の吸収帯が見られ、蛋白が
存在した。また、配合剤窒素を求め、蛋白由来窒素を求
めた。
【0033】
【表1】
【0033】第1実施例、第2実施例中の蛋白を分解し
たラテックスから製造したスポンジでは、3280cm
-1の赤外線吸収帯が見られず、脱蛋白されたことが分か
る。また、蛋白由来の窒素分も著しく減少している。さ
らにこのスポンジは連続気泡のものであり、当該スポン
ジの奥部に加水分解されたアミノ酸などの蛋白分解物が
残留していても、発泡後の洗浄の際、上記連続気泡を通
じて、これらの残留物を容易にかつ確実に除去でき、緻
密、高品位、及び安価なスポンジが得られるものであ
る。
【0034】
【発明の効果】請求項1項の発明では、蛋白による接触
アレルギー発生の怖れがなく、かつ緻密、高品位、及び
安価なスポンジが得られる。
【0035】請求項2項の発明によれば、原料ラテック
スの段階で、蛋白を加水分解してアミノ酸にし、この様
な天然ゴムラテックスを発泡成形してスポンジを得るの
で、蛋白による接触アレルギー発生の怖れがない、緻
密、高品位で安価な天然ゴムラテックススポンジが容易
かつ確実に得られる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA06 BA84 BB05 CB01 CB04 CB18 CB52 CC06X CC06Y DA45 DA53 4J002 AC011 FD200 GB00 GC00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴムラテックスに含まれる蛋白を加
    水分解してアミノ酸とし、この天然ゴムラテックスを発
    泡成形して得られたことを特徴とする、脱蛋白天然ゴム
    ラテックススポンジ。
  2. 【請求項2】 天然ゴムラテックスに含まれる蛋白を加
    水分解してアミノ酸とし、この天然ゴムラテックスを発
    泡成形することを特徴とする、脱蛋白天然ゴムラテック
    ススポンジの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000061711A1 (fr) * 1999-04-07 2000-10-19 Takara Shuzo Co., Ltd. Composition de decomposition de proteines
KR100855259B1 (ko) * 2001-03-12 2008-08-29 엘레지언스 코포레이션 폴리이소프렌 물품 및 이의 제조 방법
US8546520B2 (en) 2008-09-05 2013-10-01 Budev B.V. Method for treatment of natural rubber products
JP2015174970A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 株式会社イノアック技術研究所 樹脂発泡体及びその製造方法
JP2015203063A (ja) * 2014-04-14 2015-11-16 日東電工株式会社 発泡体及び発泡シート

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