JP2000108846A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

ウエビング巻取装置

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JP2000108846A
JP2000108846A JP10280037A JP28003798A JP2000108846A JP 2000108846 A JP2000108846 A JP 2000108846A JP 10280037 A JP10280037 A JP 10280037A JP 28003798 A JP28003798 A JP 28003798A JP 2000108846 A JP2000108846 A JP 2000108846A
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webbing
spiral spring
spool
small
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JP10280037A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Yamashita
辰雄 山下
Yoshio Umezawa
良雄 梅澤
Tomonori Nagata
智紀 永田
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Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラージスプリングとスモールスプリングの巻
取トルク差を大きく設定しても損傷することのないウエ
ビング巻取装置を得る。 【解決手段】 スプリングシート36の円板部40の固
着部38は、固定ブロック46と揺動ブロック48とで
構成される。固定ブロック46の係着部50にスモール
スプリング34の一端が係着される。揺動ブロック48
は支軸70を中心として揺動可能で、ばね収容部54に
収容された板ばね74によってスプリングシート36の
径方向外側に向かって付勢されている。スモールスプリ
ング34が全密着状態となるとき、スモールスプリング
34が板ばね74を弾性変形させて、この弾性変形によ
りラージスプリング64の巻取トルクの一部が吸収され
るので、ラージスプリング64とスモールスプリング3
4との弾性力(巻取トルク)の差を大きく設定してもウ
エビング巻取装置12は破損しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエビング巻取装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図13〜図15には、従来のウエビング
巻取装置102が部分的に示されている。
【0003】このウエビング巻取装置102では、ウエ
ビング104を巻き取るスプール106と一体で回転す
るアダプタ108に、渦巻状のスモールスプリング11
0の内端が固着されている。スモールスプリング110
の外端が固着されたスプリングシート112には、スモ
ールスプリング110よりも大きな弾性を有する渦巻状
のラージスプリング114の内端が固着されている。ス
モールスプリング110及びラージスプリング114
は、いずれもスプール106をウエビング巻取方向に回
転付勢している。
【0004】また、スプリングシート112の外周には
ラチェット歯116が形成されており、ウエビング11
4に設けられたタングプレートをバックル(いずれも図
示省略)に差し入れてロックさせると、ソレノイド11
8が通電されてパウル120がラチェット歯116に係
合され、スプリングシート112のウエビング巻取方向
(矢印A方向)の回転が阻止される。
【0005】このような構成のウエビング巻取装置10
2では、ウエビング104が引き出されると、ウエビン
グ引出力がスモールスプリング110に作用してスモー
ルスプリング110が所定の長さだけ内側に巻き締めら
れると共に、この引出力がスプリングシート112を介
してラージスプリング114にも作用し、ラージスプリ
ング114も所定の長さだけ巻き締められる。ここで、
タングプレートをバックルに差し入れてロックすると、
パウル120がラチェット歯116に係合して、スプリ
ングシート112のウエビング巻取方向の回転が阻止さ
れるので、ラージスプリング114の弾性力はスプール
に作用しなくなり、スモールスプリング110の小さな
弾性力のみがスプールに作用して、ウエビング装着者に
対する圧迫感が低減される。
【0006】しかし、この状態でバックルからタングプ
レートを外すと、パウル120がラチェット歯116か
ら離間してスプリングシート112がウエビング巻取方
向に回転可能となるので、所定の長さ巻き締められてい
たラージスプリング114の大きな弾性力を受けて、ス
プリングシート112が急激にウエビング巻取方向に回
転する。そして、この弾性力により、図15に示すよう
に、スモールスプリング110が短時間で一気に全密着
状態になる。
【0007】このように短時間で一気にラージスプリン
グ114の弾性エネルギーが開放されて、スモールスプ
リング110が衝撃的に全密着状態となるので、スモー
ルスプリング110自体や、スモールスプリング110
とスプリングシート112及びアダプタ108との固着
部分(特に、アダプタ108との固着部分)に大きな衝
撃力が作用する。従って、スモールスプリング110自
体や、スモールスプリング110とスプリングシート1
12及びアダプタ108との固着部分等の破損を防止す
べく、ラージスプリング114の弾性力とスモールスプ
リング110の弾性力との差(巻取トルクの差)を小さ
く設定しておく必要あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事実を
考慮し、ラージスプリングとスモールスプリングの巻取
トルク差を大きく設定しても損傷することのないウエビ
ング巻取装置を得ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、ウエビングを巻取可能なスプールと、内端が前記ス
プールに固着され弾性復元によりスプールをウエビング
巻取方向に回転付勢する第1渦巻ばねと、前記第1渦巻
ばねの外端が固着され前記スプールと同軸的に回転可能
な回転体と、内端が前記回転体に固着され前記第1渦巻
ばねよりも大きなウエビング巻取方向への弾性力を回転
体及び第1渦巻ばねを介して前記スプールに伝達する第
2渦巻ばねと、前記ウエビングが乗員に装着されたこと
が検知されると前記回転体に係合してウエビング巻取方
向の回転を阻止するパウルと、前記第1渦巻ばねの内側
に接触して配置され、前記パウルが回転体への係合を解
除して前記第2渦巻ばねの弾性力により第1渦巻ばねが
巻き締められると第1渦巻ばねに押されて弾性変形し、
第1渦巻ばねの巻き締めに抵抗力を作用させる弾性部材
と、を有することを特徴とする。
【0010】パウルが回転体に係合していない状態で
は、回転体のウエビング引出方向の回転が阻止されてい
ない。そして、スプールを第1渦巻ばねの弾性力(回転
付勢力)の方向及びその反対方向に回転させて、ウエビ
ングの引き出し、巻き取りができる。
【0011】ウエビングを引き出してスプールを第1渦
巻ばねの弾性力と反対方向に回転させると、第1渦巻ば
ねが内側に巻き締められて、第1渦巻ばねに一定の弾性
エネルギーが蓄積される。また、回転体を介して、第2
渦巻ばねも所定量内側に巻き締められて、一定の弾性エ
ネルギーが蓄積される。このとき、タングプレートをバ
ックルに差し入れて係合させる等によって、ウエビング
が乗員に装着されたことが検知されると、パウルが回転
体に係合して、回転体のウエビング巻取方向の回転を阻
止する。これにより、スプールには第1渦巻ばねの弾性
力のみが作用し、ウエビング装着者に対する圧迫感が低
減される。
【0012】ここで、パウルによる回転体への係合が解
除されると、第2渦巻ばねの大きな弾性力が回転体に作
用し回転体は回転する。さらに、回転体を介して、この
弾性力が第1渦巻ばねにも作用し、第1渦巻ばねが巻き
締められる。これにより、弾性部材が第1渦巻ばねに押
されて弾性変形し、この弾性反力によって第1渦巻ばね
の巻き締めに抵抗力を作用させる。
【0013】このように、第2渦巻ばねの弾性力の一部
が、弾性部材を弾性変形させるための力として吸収され
て、第1渦巻ばねが衝撃的にいわゆる全密着状態になら
ないので、第2渦巻ばねの弾性力と、第1渦巻ばねの弾
性力との差を大きく設定しても、ウエビング巻取装置の
一部が破損してしまうことがない。
【0014】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記弾性部材が、前記第1渦巻ばね
の径方向外側に向かって前記抵抗力を作用させることを
特徴とする。
【0015】従って、弾性部材の変形又は移動の方向
も、第1渦巻ばねの径方向となる。これにより、第1渦
巻ばねが全密着状態になる方向(径方向内側)と弾性部
材からの抵抗力の方向(径方向外側)とが反対方向とな
るので、この抵抗力が第1渦巻ばねに効果的に作用す
る。
【0016】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記弾性部材が、前記第1渦巻ばね
の周方向に向かって前記抵抗力を作用させることを特徴
とする。
【0017】従って、弾性部材の変形又は移動の方向
も、第1渦巻ばねの周方向となる。これにより、弾性部
材が変形又は移動するためのスペースを第1渦巻ばねの
径方向外側に設けておく必要がなくなるので、ウエビン
グ巻取装置の小型化を図ることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜図4には、本発明の第1の
実施の形態に係るウエビング巻取装置12が部分的に示
されている。
【0019】図1に示すように、このウエビング巻取装
置12は、ウエビング14を巻き取る円筒状のスプール
16を有している。スプール16は、軸線J回りに回転
可能にフレーム15(図4参照、図1〜図3では図示省
略)に取り付けられており、スプール16が回転するこ
とで、ウエビング14が巻き取り及び引き出しされる。
【0020】フレーム15には、ケーシング18が固定
されている。ケーシング18の周囲からはフランジ20
が立設されており、このフランジ20内が収容部とされ
ている。
【0021】図4にも示すように、ケーシング18に
は、円筒状のフランジ20の内側(収容部の中央)に、
挿通孔22が形成されている。挿通孔22には、略円柱
状のアダプタ24が回転可能に挿入されている。アダプ
タ24の長手方向略中央には径方向外側に膨出された拡
径部26が形成されており、この拡径部26がケーシン
グ18に当たってアダプタ24が長手方向に位置決めさ
れている。
【0022】アダプタ24の一端には、スプール16か
ら突設されたシャフト28が挿入されて固定されている
(図4ではシャフト28の図示を省略)。これにより、
スプール16とアダプタ24とは一体で回転する。
【0023】アダプタ24の他端は径方向内側に縮径さ
れて、他端側から小径部30、大径部32とされてい
る。大径部32に、渦巻状のスモールスプリング34の
内端が固着されている。図2及び図3にも示すように、
スモールスプリング34の外端は、スプリングシート3
6に形成された固着部38に固着されている。スモール
スプリング34は、弾性力によりアダプタ24を介して
スプール16をウエビング巻取方向(矢印A方向)に回
転付勢するように、所定の向きに巻き付けられている。
【0024】スプリングシート36は、軸線Jと同軸の
円板部40と、この円板部40の外周近傍からアダプタ
24側に向かって延出された略偏平円筒状の大径円筒部
42と、円板部40の径方向内側から大径円筒部42と
反対側に延出された小径円筒部43と、で構成されてい
る。図4に示すように、大径円筒部42の内側に、スモ
ールスプリング34が収容される。また、大径円筒部4
2の内面側に前述の固着部38が形成されている(図2
参照)。
【0025】図9に詳細に示すように、固着部38は、
円板部40から立設された端面略楕円状の固定ブロック
46と、この固定ブロック46のウエビング引出方向側
(矢印B方向側)で固定ブロック46に隣接して配置さ
れた揺動ブロック48と、で構成されている。固定ブロ
ック46の内側(軸線J側)には係着部50が形成され
ており、この係着部50に、スモールスプリング34の
一端が係着されている。
【0026】揺動ブロック48は、一端近傍に軸支孔5
2が形成され、さらに、軸支孔52よりもウエビング引
出方向側に、略扇形状のばね収容部54が形成されてい
る。軸支孔52には、円板部40から立設された支軸7
0が挿入されており、揺動ブロック48は支軸70を中
心として揺動可能となっている。
【0027】また、ばね収容部54には、円板部40か
ら立設された略平板状の保持板72が収容されている。
保持板72とばね収容部54との間には、1枚の金属製
の板材を長手方向略中央で鋭角的に屈曲して形成された
板ばね74が配設されている。板ばね74は、揺動ブロ
ック48を、スプリングシート36の径方向外側(軸線
Jから遠ざかる方向)に向かって付勢している。
【0028】図3に示すように、スモールスプリング3
4は、その外端が係着部50に係着され、内端に向かう
に従って固定ブロック46に1回又は複数回巻き回さ
れ、さらに揺動ブロック48の外面48Aに接触されて
いる。通常状態では、揺動ブロック48は板ばね74の
弾性力によって(スモールスプリング34の弾性力に抗
して)スプリングシート36の径方向外側の位置にある
が、図7に示すように、スモールスプリング34が内側
に巻き締められて、揺動ブロック48に軸線Jに向かう
方向の所定値以上の力が作用した場合には、板ばね74
の弾性力に抗して、揺動ブロック48が軸線Jに向かっ
て揺動する。
【0029】スプリングシート36の大径円筒部42の
外周には、ラチェット歯56が形成されている。一方、
後述するカバー66には、ソレノイド58によって回動
して、このラチェット歯56に係合可能なパウル60が
軸支されている。パウル60は、スプリング62によっ
て、ラチェット歯56から離間する方向に付勢されてい
る。また、ラチェット歯56は、パウル60が係合した
とき、スプリングシート36のウエビング巻取方向(矢
印A方向)の回転は阻止されるが、ウエビング引出方向
(矢印B方向)の回転は阻止されないように、所定の方
向に傾斜して形成されている。
【0030】ソレノイド58は、ウエビング巻取装置1
2のバックル(図示省略)と電気的に接続されており、
バックルにタンクプレート(図示省略)が挿入される
と、ソレノイド58を通電するようになっている。従っ
て、バックルにタングプレートが挿入されるとソレノイ
ドが通電されて、パウル60がスプリング62の付勢力
に抗して回動しラチェット歯56に係合するため、スプ
リングシート36のウエビング巻取方向(矢印A方向)
の回転が阻止される。バックルからタングプレートが抜
き出されると、ソレノイド58が非通電となってパウル
60がスプリング62の付勢力で回動してラチェット歯
56から離間するため、スプリングシート36はウエビ
ング巻取方向及び引出方向のいずれの方向にも回転可能
となる。
【0031】スプリングシート36から立設された偏平
円筒状の小径円筒部43には、渦巻状のラージスプリン
グ64の内端が固着されている。ラージスプリング64
は、スモールスプリング34よりも高い弾性定数を有す
るように、より高剛性の金属によって幅拡に形成されて
いる。
【0032】ラージスプリング64の外端は、カバー6
6に形成された固着部68に固着されている。なお、ラ
ージスプリング64の巻付方向は、スプリングシート3
6をウエビング巻取方向に回転付勢する方向とされてい
る。
【0033】カバー66には、所定の取付部が形成され
ており、この取付部によってカバー66がケーシング1
8に取り付けられる。取付状態で、ケーシング18とカ
バー66との間に、スモールスプリング34、スプリン
グシート36、ラージスプリング64、パウル60、ス
プリング62及びソレノイド58が収容され、カバー6
6によって被われている。
【0034】次に、本実施の形態に係るウエビング巻取
装置12の作用を説明する。
【0035】ウエビング14(図1参照)が乗員に装着
されていないときには、タングプレートがバックルに挿
入されていないので、図3に示すように、ソレノイド5
8は通電されておらず、パウル60はラチェット歯56
から離間し、スプリングシート36はウエビング巻取方
向(矢印A方向)及びウエビング引出方向(矢印B方
向)のいずれの方向にも回転可能となっている。
【0036】ここで、ウエビング14を引き出すと、引
き出し力によってスプール16(図1参照)及びアダプ
タ24がウエビング引出方向に回転する。この回転によ
り、図5に示すように、スモールスプリング34の内端
がウエビング引出方向(矢印B方向)に回転し、スモー
ルスプリング34が内側に巻き締められる。また、スモ
ールスプリング34の外端もウエビング引出方向に回転
するので、ウエビング引き出し力の一部はスプリングシ
ート36を介してラージスプリング64の内端にも作用
する。従って、ラージスプリング64も内側に巻き締め
られる。これにより、スモールスプリング34及びラー
ジスプリング64の弾性力でスプール16がウエビング
巻取方向(矢印A方向)に付勢されるので、ウエビング
14から乗員が手を離すだけで、ウエビング14がスプ
ール16に所定の巻取力で巻き取られる。
【0037】所定の長さ引き出されたウエビング14が
乗員に装着され、タングプレートがバックルに挿入され
ると、図6に示すように、ソレノイド58が通電されて
パウル60が回動し、ラチェット歯56に係合する。ス
プリングシート36のウエビング巻取方向(矢印A方
向)の回転が阻止されるので、ラージスプリング64は
所定の長さ巻き締められた状態に維持される。ラージス
プリング64の付勢力がスプリングシート36及びスモ
ールスプリング34を介してスプール16に作用するこ
とがないため、スプール16にはスモールスプリング3
4の付勢力のみが作用する。このため、ウエビング装着
者に対するウエビングからの荷重が小さくなり、ウエビ
ング装着者への圧迫感が低減される。
【0038】なお、この状態で乗員がウエビング14を
引き出した場合には、スモールスプリング34がさらに
内側に巻き締められる。図6では、このように、内側に
巻き締められた状態のスモールスプリング34を示して
いる。
【0039】バックルからタングプレートを抜き出す
と、ソレノイド58が非通電となり、図7に示すように
スプリング62の付勢力でパウル60が回動して、ラチ
ェット歯56から離間する。これにより、スプリングシ
ート36がウエビング巻取方向(矢印A方向)に回転可
能となる。ラージスプリング64は内側に所定量巻き締
められて大きな弾性エネルギーが蓄積されているので、
この弾性エネルギーにより、スプリングシート36が大
きな角速度でウエビング巻取方向(矢印A方向)に回転
する。このスプリングシート36の回転により、スモー
ルスプリング34が内側に巻き締められ、いわゆる全密
着状態となる。
【0040】このとき、図7からも分かるように、スモ
ールスプリング34の外端近傍部分が軸前Jに向かって
移動することにより、このスモールスプリング34が巻
き掛けられた揺動ブロック48が板ばね74を弾性変形
させ、その付勢力に抗して軸線Jに向かって揺動する。
この板ばね74の弾性変形により、ラージスプリング6
4から作用する弾性力の一部が吸収され、スモールスプ
リング34が全密着状態となるときの衝撃が緩和され
る。特に、第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置
では、板ばね74の付勢力の方向がスモールスプリング
34の径方向外側に向いており、スモールスプリング3
4が全密着状態になる方向(径方向内側)と反対方向な
ので、板ばね74の付勢力が全密着に対する抵抗力とし
てスモールスプリング34に効果的に作用する。
【0041】そして、図8に示すように、ラージスプリ
ング64が自然状態となったとき、スプリングシート3
6のウエビング巻取方向の回転は止まるため、スモール
スプリング34が自然状態へ弾性復元することになる。
【0042】このように、本実施の形態に係るウエビン
グ巻取装置12では、パウル60がラチェット歯56か
ら離間してスプリングシート36がウエビング巻取方向
に回転し、スモールスプリング34が全密着状態となる
とき、ラージスプリング64の弾性力(回転駆動力)の
一部が、板ばね74を弾性変形させる力として吸収され
る。このため、ラージスプリング64の弾性力とスモー
ルスプリング34の弾性力との差を大きく設定しても、
スモールスプリング34は衝撃的に全密着状態にならな
い。従って、全密着状態となったときの衝撃でスモール
スプリング34や、スモールスプリング34とアダプタ
24及びスプリングシート36との固着部分が破損して
しまうことがない。
【0043】また、従来のウエビング巻取装置と比較し
て、スプリングシート36に支軸70、保持板72及び
板ばね74を配設して揺動ブロック48を揺動させるだ
けなので、構造が複雑になったり、ウエビング巻取装置
12が大型になったりすることもない。
【0044】図10及び図11には、本発明の第2の実
施の形態に係るウエビング巻取装置が部分的に示されて
いる。第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置で
は、固着部38の構成のみが、第1の実施の形態に係る
ウエビング巻取装置12と比較して異なっているため、
固着部38についてのみ説明し、これ以外の部分につい
ては説明を省略する。
【0045】すなわち、第2の実施の形態のウエビング
巻取装置では、第1の実施の形態の揺動ブロック48と
略同形状の固定ブロック76が、スプリングシート36
から立設され、揺動不要に固定されている。
【0046】また、固定ブロック46は、ウエビング巻
取方向側で部分的に分割されており、固定部46Aと移
動部46Bとが形成されている。固定部46Aと移動部
46Bとの間にはコイルばね78が配設されており、移
動部46Bを固定部46Aから離間する方向に付勢して
いる。固定ブロック46には、第1の実施の形態と同
様、スモールスプリング34の外端側の部分が1回又は
複数回巻き掛けられており、このスモールスプリング3
4によって、移動部46Bの移動(固定部46Aから離
間する方向への移動)が所定範囲に制限されている。
【0047】第2の実施の形態のウエビング巻取装置で
は、スプリングシート36が大きな角速度でウエビング
巻取方向(矢印A方向)に回転して、スモールスプリン
グ34が全密着状態となるとき、図12からも分かるよ
うに、スモールスプリング34の外端近傍部分(固定ブ
ロック46に巻き掛けられた部分)も巻き締められて、
コイルばね78の弾性力に抗して移動部46Bを固定部
46Aに接近する方向に移動させる。このコイルばね7
8の弾性変形により、ラージスプリング64から作用す
る弾性力の一部が吸収され、スモールスプリング34が
全密着状態となるときの衝撃が緩和される。
【0048】従って、第2の実施の形態のウエビング巻
取装置においても、ラージスプリング64の弾性力とス
モールスプリング34の弾性力との差を大きく設定して
も、スモールスプリング34が全密着状態となったとき
の衝撃で破損してしまうことがない。特に、第2の実施
の形態のウエビング巻取装置では、コイルばね78の付
勢力の方向がスモールスプリング34の周方向に向いて
おり、コイルばね78が変形したり、移動部46Bが移
動したりするたのめのスペースをスモールスプリング3
4の径方向外側の位置の設けておく必要がない。このた
め、スプリングシート36を小型にすることができ、さ
らには、ウエビング巻取装置自体を小型にすることも可
能となる。
【0049】なお、上記説明においては、スモールスプ
リング34が弾性変形により内側に巻き締められて全密
着状態となるときに、この弾性変形(巻き締め)に抵抗
力を作用させる弾性部材として、板ばね74及びコイル
ばね78を例として挙げたが、弾性部材はこれらに限ら
れない。例えば、スモールスプリング34の一部(外端
近傍等)が巻きかけられるブロック状のゴムを、スプリ
ングシート36の円板部40に固着してもよい。この場
合には、スモールスプリング34が弾性変形により内側
に巻き締められて全密着状態となるとき、ゴムが弾性変
形してスモールスプリング34が変形に抵抗力を作用さ
せ、ラージスプリリング64から作用する駆動力の一部
を吸収する。
【0050】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、ウエビング
を巻取可能なスプールと、内端が前記スプールに固着さ
れ弾性復元によりスプールをウエビング巻取方向に回転
付勢する第1渦巻ばねと、前記第1渦巻ばねの外端が固
着され前記スプールと同軸的に回転可能な回転体と、内
端が前記回転体に固着され前記第1渦巻ばねよりも大き
なウエビング巻取方向への弾性力を回転体及び第1渦巻
ばねを介して前記スプールに伝達する第2渦巻ばねと、
前記ウエビングが乗員に装着されたことが検知されると
前記回転体に係合してウエビング巻取方向の回転を阻止
するパウルと、前記第1渦巻ばねの内側に接触して配置
され、前記パウルが回転体への係合を解除して前記第2
渦巻ばねの弾性力により第1渦巻ばねが巻き締められる
と第1渦巻ばねに押されて弾性変形し、第1渦巻ばねの
巻き締めに抵抗力を作用させる弾性部材と、を有するの
で、第2渦巻ばねの弾性力と、第1渦巻ばねの弾性力と
の差を大きく設定しても、ウエビング巻取装置の一部が
破損してしまうことがない。
【0051】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記弾性部材が、前記第1渦巻ばね
の径方向外側に向かって前記抵抗力を作用させるので、
この抵抗力が第1渦巻ばねに効果的に作用する。
【0052】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記弾性部材が、前記第1渦巻ばね
の周方向に向かって前記抵抗力を作用させるので、ウエ
ビング巻取装置の小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻
取装置を部分的に示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻
取装置を部分的に示す分解斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻
取装置を一部破断して示す正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻
取装置を部分的に示す縦断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻
取装置の動作状態を一部破断して示す正面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻
取装置の動作状態を一部破断して示す正面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻
取装置の動作状態を一部破断して示す正面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻
取装置の動作状態を一部破断して示す正面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻
取装置の固着部近傍を拡大して示す分解斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るウエビング
巻取装置を部分的に示す正面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るウエビング
巻取装置の固着部近傍を拡大して示す分解斜視図であ
る。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るウエビング
巻取装置の動作状態を部分的に示す正面図である。
【図13】従来のウエビング巻取装置を部分的に示す分
解斜視図である。
【図14】従来のウエビング巻取装置を一部破断して示
す正面図である。
【図15】従来のウエビング巻取装置の動作状態を一部
破断して示す正面図である。
【符号の説明】
12 ウエビング巻取装置 16 スプール 34 スモールスプリング(第1渦巻ばね) 36 スプリングシート(回転体) 46B 移動部(弾性部材) 48 揺動ブロック(弾性部材) 60 パウル(固定手段) 64 ラージスプリング(第2渦巻ばね) 74 板ばね(弾性部材) 76 コイルばね(弾性部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 智紀 愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地 株式会社東海理化電機製作所内 Fターム(参考) 3D018 GA00 LA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエビングを巻取可能なスプールと、 内端が前記スプールに固着され弾性復元によりスプール
    をウエビング巻取方向に回転付勢する第1渦巻ばねと、 前記第1渦巻ばねの外端が固着され前記スプールと同軸
    的に回転可能な回転体と、 内端が前記回転体に固着され前記第1渦巻ばねよりも大
    きなウエビング巻取方向への弾性力を回転体及び第1渦
    巻ばねを介して前記スプールに伝達する第2渦巻ばね
    と、 前記ウエビングが乗員に装着されたことが検知されると
    前記回転体に係合してウエビング巻取方向の回転を阻止
    するパウルと、 前記第1渦巻ばねの内側に接触して配置され、前記パウ
    ルが回転体への係合を解除して前記第2渦巻ばねの弾性
    力により第1渦巻ばねが巻き締められると第1渦巻ばね
    に押されて弾性変形し、第1渦巻ばねの巻き締めに抵抗
    力を作用させる弾性部材と、 を有することを特徴とするウエビング巻取装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材が、前記第1渦巻ばねの径
    方向外側に向かって前記抵抗力を作用させることを特徴
    とする請求項1に記載のウエビング巻取装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性部材が、前記第1渦巻ばねの周
    方向に向かって前記抵抗力を作用させることを特徴とす
    る請求項1に記載のウエビング巻取装置。
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