JP2005231388A - 駆動力伝達機構及びウエビング巻取装置 - Google Patents

駆動力伝達機構及びウエビング巻取装置 Download PDF

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輝彦 小出
Shinji Mori
信二 森
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拓宏 斎藤
Takeaki Kato
武明 加藤
Takuya Nezaki
琢也 根崎
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Abstract

【課題】 相反する回転力が付与されても噛み合い部分の損傷を防止できる駆動力伝達機構及びこのような駆動伝達機構及びウエビング巻取装置を得る。
【解決手段】 本ウエビング巻取装置10では、モータが駆動した状態で引出方向の過剰な回転力がウオームギヤ82に作用すると、ウオームギヤ82はこの回転力に抗しきれずにゴム筒86を弾性変形させつつ背板14側にスライドする。このように、ウオームギヤ82がスライド移動することで、過剰な回転力がウオームギヤ82の歯に作用することが抑制され、ウオームギヤ82の歯の破損等の不具合の発生を防止又は効果的に軽減できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モータ等の駆動手段の駆動力を伝達する駆動力伝達機構及び乗員の身体を拘束するウエビングベルトを巻き取って収納するウエビング巻取装置に関する。
車両に設けられるシートベルト装置は、座席に着座した乗員の身体を拘束するための可撓性を有する長尺帯状のウエビングベルトを収納するためのウエビング巻取装置を備えており、その一例が下記特許文献1に開示されている。以下、特許文献1に開示されたウエビング巻取装置について簡単に説明する。
特許文献1に開示されたウエビング巻取装置はスプールを備えている。スプールにはウエビングベルトの長手方向基端部が係止されており、スプールをその軸周り方向一方である巻取方向に回転させると、ウエビングベルトが基端側からスプールに巻き取られる構造となっている。また、スプールの軸方向一端側にはゼンマイユニットが設けられており、ゼンマイユニットのスプリングの付勢力によってスプールが巻取方向に付勢されている。
また、スプールの軸方向一端側には、遊星ギヤ列が設けられている。遊星ギヤ列は、スプールに一体的に連結されたキャリアギヤを備えている。キャリアギヤの外周部にはラチェットギヤが形成されていると共に、ラチェットギヤの軸方向一方の側に外歯のギヤが一体的に形成されている。
さらに、キャリアギヤにはその軸心周りに3本のリダクションピンが一体的に取り付けられており、各々にプラネタリギヤが回転自在に軸支されている。プラネタリギヤはキャリアギヤの外周側でリング状のインターナルギヤの内歯に噛み合っている。インターナルギヤの外周部にはラチェットギヤが形成されている。
一方、プラネタリギヤはキャリアギヤの中央側でサンギヤに噛み合っている。サンギヤは減速ギヤを介してモータの出力軸に連結されている。減速ギヤとモータとの間にはコネクトギヤが介在している。コネクトギヤの軸部にはレバースプリングの基端部が取り付けられている。レバースプリングの先端部には係止レバーが取り付けられている。
モータが正逆一方に駆動するとモータの駆動力でコネクトギヤが回転して係止レバーがインターナルギヤのラチェットギヤへ接近する方向へ揺動する。係止レバーがインターナルギヤのラチェットギヤへ接近してラチェットギヤに係合するとインターナルギヤの回転が規制される。
この状態で、引き続き正逆一方にモータが駆動すると、コネクトギヤ、減速ギヤを介してサンギヤにモータの回転力が伝わり、サンギヤが回転する。この状態では、インターナルギヤの回転が規制されているため、サンギヤの回転を受けて回転するプラネタリギヤは、リダクションピン周りに自転しつつサンギヤ周りを公転する。このプラネタリギヤの公転によりキャリアギヤが回転し、スプールがウエビングベルトを巻き取る。
これに対して、モータが正逆他方に回転した場合には係止レバーがインターナルギヤのラチェットギヤに係合しないため、インターナルギヤは回転自在となる。したがって、この状態でモータの駆動力でサンギヤが回転し、更に、サンギヤの回転がプラネタリギヤに伝えられても、プラネタリギヤは、回転力をインターナルギヤに伝えてインターナルギヤを回転させ、プラネタリギヤ自体はリダクションピン周りに自転するだけでサンギヤ周りの公転はしない。したがって、この状態では、スプールに回転力が伝わることがない。
すなわち、遊星ギヤ列は、モータとスプールとの間に介在するクラッチを構成している。
特開2002−211355公報
ところで、特許文献1に開示されたウエビング巻取装置は、モータが駆動して係止レバーがインターナルギヤのラチェットギヤに係合するとインターナルギヤの回転が規制される。このため、この状態でウエビングベルトを引き出そうとしてスプールに引出方向の回転力を付与すると、遊星ギヤ列にはスプールからの回転力と、この回転力に相反するモータからの駆動力の双方が伝わることになる。
したがって、車両急減速状態で乗員の身体が略車両前方側へ慣性移動しようとした場合等、予め想定した大きさ以上の引出方向への回転力がスプールに急激に伝わると、遊星ギヤ列を構成するギヤや、他のギヤが損傷する可能性がある。このため、このようなギヤの機械的強度を高く設定しなくてはならず、重量の増加やコスト高になる等の問題がある。
本発明は、上記事実を考慮して、相反する回転力が付与されても噛み合い部分の損傷を防止できる駆動力伝達機構及びウエビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る駆動力伝達機構は、伝達ギヤを介して駆動手段を出力ギヤに機械的に連結した状態で、前記駆動手段の駆動力を前記出力ギヤに伝えて前記出力ギヤを回転させる駆動力伝達機構であって、前記駆動手段に直接又は間接的に係合可能で前記駆動手段からの前記回転力が入力されることで回転する入力部と、前記出力ギヤに噛合可能に前記入力部の所定位置に設けられ、前記入力部と共に回転する噛合部と、前記噛合部を前記入力部の前記所定位置で支持すると共に、前記入力部に前記回転力が入力された際の前記噛合部の回転方向とは反対方向の所定の大きさ以上の外力が前記噛合部に入力された際に、前記外力の作用方向に対応した所定方向へ弾性変形して前記入力部に対する前記噛合部の前記所定方向への変位を許容する支持部と、を含めて前記伝達ギヤを構成した、ことを特徴としている。
請求項1に記載の本発明に係る駆動力伝達機構では、駆動手段が駆動して、この駆動力が伝達ギヤを構成する入力部に伝えられると、入力部が回転する。さらに、入力部が回転すると出力ギヤに噛み合う噛合部が入力部と共に回転し、これにより、出力ギヤに駆動手段の駆動力が出力ギヤに伝えられて出力ギヤが回転する。
一方、このように駆動手段の駆動力が噛合部に伝えられている状態で、駆動手段の駆動力が伝えられた際の出力ギヤの回転方向とは反対方向の回転力が出力ギヤに伝えられると、この回転力で出力ギヤに噛み合う噛合部は、出力ギヤとの噛み合い部分にて回転力の作用方向に対応した方向に押圧される。
但し、本発明に係る駆動力伝達機構では、噛合部が支持部によって入力部に対する所定位置で支持されるため、出力ギヤからの押圧力に抗して出力ギヤに対する所定の噛み合い位置にとどまる。
しかしながら、この回転力が所定の大きさ以上であると、出力ギヤからの押圧力が噛合部を介して支持部に付与され、支持部が弾性変形し、この弾性変形により押圧力の作用方向に噛合部が入力部に対して移動する。
また、上記のような出力ギヤへの回転力(駆動手段の駆動力が伝えられた際の出力ギヤの回転方向とは反対方向の回転力)の付与が解除されると、噛合部に対する押圧力の付与が解除され、押圧力の解除により自らの弾性で復元しようとする支持部により噛合部は入力部に対する元の所定位置に戻り、本来の噛み合い位置で出力ギヤに噛み合う。
このように、所定の大きさ以上の出力ギヤからの回転力が噛合部に付与された際に、噛合部が移動することで噛合部の破損等が防止される。このため、噛合部の機械的強度を低く設定できる。これにより、軽量化やコストの軽減が可能となる。
請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端部がスプールに係止され、駆動手段と前記スプールとの連結状態で前記駆動手段の駆動力が前記スプールに伝えられことで前記スプールが軸周り方向の一方である巻取方向へ回転して前記ウエビングベルトを基端側から巻き取るウエビング巻取装置であって、前記駆動手段に直接又は間接的に係合可能で前記駆動手段からの前記回転力が入力されることで回転する入力部と、前記スプールに機械的に連結されて前記スプールに回転力を伝達する出力ギヤに噛合可能に前記入力部の所定位置に設けられ、前記入力部と共に回転する噛合部と、前記噛合部を前記入力部の前記所定位置で支持すると共に、前記入力部に前記回転力が入力された際の前記噛合部の回転方向とは反対方向の所定の大きさ以上の外力が前記噛合部に入力された際に、前記外力の作用方向に対応した所定方向へ弾性変形して前記入力部に対する前記噛合部の前記所定方向への変位を許容する支持部と、を含めて構成した伝達ギヤを前記駆動手段と前記出力ギヤとの間に介在させた、ことを特徴としている。
請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、基端側からスプールに巻き取られたウエビングベルトをその先端側へ引っ張ると、ウエビングベルトが引き出されつつウエビングベルトを巻き取る際の回転方向とは反対の引出方向にスプールが回転する。さらに、引き出したウエビングベルトを乗員が身体に装着することでウエビングベルトにより乗員の身体が拘束される。
一方、駆動手段がスプールに連結された状態で駆動手段の駆動力がスプールに伝えられてスプールが巻取方向に回転すると、スプールにウエビングベルトが強制的に巻き取られる。これにより、ウエビングベルトの緩みが除去され、ウエビングベルトによる拘束力が増加する。したがって、車両急減速状態の場合等に駆動手段を駆動させることで、ウエビングベルトで乗員の身体をより一層強力に拘束できる。
また、上記のような車両急減速状態では、略車両前方側へ乗員の身体が慣性移動しようとし、これにより乗員の身体に装着されているウエビングベルトが急激に引っ張られる。このような急激な引張力がウエビングベルトに付与されることでスプールに引出方向への急激な回転力が付与される。この回転力は出力ギヤを介して伝達ギヤの噛合部に伝えられる。この状態では、上記のように駆動手段が作動しており、駆動手段の駆動力が伝達ギヤを構成する入力部を介して噛合部に伝えられている。
この状態では、出力ギヤに噛み合う噛合部は、出力ギヤとの噛み合い部分にてスプールからの回転力の作用方向に対応した方向に押圧される。
但し、本発明に係るウエビング巻取装置では、噛合部が支持部によって入力部に対する所定位置で支持されるため、出力ギヤからの押圧力に抗して出力ギヤに対する所定の噛み合い位置にとどまる。
しかしながら、この回転力が所定の大きさ以上であると、出力ギヤからの押圧力が噛合部を介して支持部に付与され、支持部が弾性変形し、この弾性変形により押圧力の作用方向に噛合部が入力部に対して移動する。
また、上記のような出力ギヤへの回転力(駆動手段の駆動力が伝えられた際の出力ギヤの回転方向とは反対方向の回転力)の付与が解除されると、噛合部に対する押圧力の付与が解除され、押圧力の解除により自らの弾性で復元しようとする支持部により噛合部は入力部に対する元の所定位置に戻り、本来の噛み合い位置で出力ギヤに噛み合う。
このように、所定の大きさ以上の出力ギヤからの回転力が噛合部に付与された際に、噛合部が移動することで噛合部の破損等が防止される。このため、噛合部の機械的強度を低く設定できる。これにより、伝達ギヤ、ひいてはウエビング巻取装置の軽量化やコストの軽減が可能となる。
また、本発明に係るウエビング巻取装置では、上記のようにスプールに付与された引出方向への回転力が所定の大きさ以上であれば、支持部が弾性変形して押圧力の作用方向に噛合部が入力部に対して移動する。したがって、この状態では、伝達ギヤの噛合部は回転しないが、噛合部の変位分だけ出力ギヤは回転する。
ここで、ウエビング巻取装置には、所定の条件下でスプールの回転をロックする機械的なロック機構を備えるものがある。この種のロック機構の作動条件の一態様としては、スプールの引出方向への急激な回転がある。スプールが引出方向に回転すれば、当然、出力ギヤが回転するが、噛合部が変位せずに出力ギヤの回転を規制してしまうと、スプールが回転せず、結果的にロック機構の作動条件を満たさない。
しかしながら、本発明に係るウエビング巻取装置では、上記のように、仮に噛合部を回転させることができなくても、スプールに付与された引出方向への回転力が所定の大きさ以上であれば、支持部を弾性変形させて噛合部を変位させ、この噛合部の変位分だけ出力ギヤが回転できる。このように、出力ギヤの回転、ひいては、スプールの回転が許容されることで、上記のロック機構を確実に作動させることができる。
請求項3に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項2に記載の本発明において、引出方向への所定の大きさ以上の回転速度で前記スプールが回転した場合、及び、前記スプールに対して同軸的に相対回転可能に設けられた回転体の回転が規制された場合の少なくとも何れか一方の場合に、前記スプールをロックするロック手段を備える、ことを特徴としている。
請求項3に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、例えば、上述したように車両急減速状態での乗員の身体の慣性移動で、乗員の身体に装着されているウエビングベルトが急激に引っ張られ、所定の大きさ以上の回転速度でスプールが引出方向に回転した場合、及び、スプールに対して同軸的に相対回転可能に設けられた回転体が、例えば車両急減速状態で回転規制された場合の少なくとも何れか一方の場合には、ロック手段によってスプールがロックされ、これにより、引出方向へのスプールの回転が規制される。
このように、急激なスプールの引出方向への回転が規制されたり、回転体の回転が規制されたりすることで、駆動手段の駆動力に基づく回転方向とは反対の回転力の噛合部への付与が解除される。したがって、本発明に係るウエビング巻取装置では、急激な引出方向へのスプールの回転が開始されたり、回転体の回転が規制されてからロック機構が作動するまでの間だけしか支持部の弾性に抗して噛合部が移動することはない。
このため、急激な引出方向へのスプールの回転が開始されてからロック機構が作動するまでの間に付与される押圧力に抗するだけの機械的強度を噛合部に設定しておけばよい。
以上説明したように、本発明によれば、所定の大きさ以上の出力ギヤからの回転力が噛合部に付与された際に、噛合部が移動することで噛合部の破損等を防止できる。これにより、噛合部の機械的強度を低く設定でき、軽量化やコストの軽減が可能となる。
<本実施の形態の構成>
図3には、本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置10(本発明の一実施の形態に係る駆動力伝達機構を適用したウエビング巻取装置10)の全体構成の概略が正面断面図によって示されている。
この図に示されるように、ウエビング巻取装置10はフレーム12を備えている。フレーム12は略板状の背板14を備えており、この背板14がボルト等の図示しない締結手段によって車体に固定されることで、本ウエビング巻取装置10が車体に取り付けられる構成となっている。背板14の幅方向両端からは一対の脚板16、18が互いに平行に延出されており、これらの脚板16、18間にダイカスト等によって製作された巻取軸としてのスプール20が回転可能に配置されている。
スプール20は略円筒形状のスプール本体22と、このスプール本体22の両端部に略円板形状にそれぞれ形成された一対のフランジ部24、26とによって構成されており、全体としては鼓形状をなしている。
スプール本体22はフランジ部24、26間には、長尺帯状に形成されたウエビングベルト28の基端部が固定されており、スプール20をその軸周り一方へ回転させると、ウエビングベルト28がその基端側からスプール本体22の外周部に層状に巻き取られる。また、ウエビングベルト28をその先端側から引っ張れば、スプール本体22の外周部に巻き取られたウエビングベルト28が引き出され、これに伴い、ウエビングベルト28を巻き取る際の回転方向(以下、この方向を便宜上「巻取方向」と称する)とは反対にスプール20が回転する(以下、ウエビングベルト28を引き出す際のスプール20の回転方向を便宜上「引出方向」と称する)。
フランジ部24のフランジ部26とは反対側でスプール20の一端側は、脚板16に形成された円孔30を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出している。脚板16側のフレーム12の外側には、ケース32が配置されている。ケース32は、スプール20の軸方向に沿って脚板16と対向して配置されて脚板16に固定されている。また、ケース32は全体的に脚板16側へ向けて開口しており、円孔30を貫通したスプール20の一端側はケース32の内側に入り込み、ケース32によって回転自在に軸支されている。
さらに、ケース32の内部には渦巻きばね34が配置されている。渦巻きばね34は渦巻き方向外側の端部がケース32に係止されており、渦巻き方向内側の端部がスプール20に係止されている。渦巻きばね34は特別に負荷をかけない中立状態からスプール20を引出方向へ回転させると、巻取方向の付勢力が生じてスプール20を巻取方向へ付勢する。したがって、基本的には、スプール20から引き出すためにウエビングベルト28に付与した引っ張り力を解除すると、渦巻きばね34の付勢力がスプール20を巻取方向へ回転させ、スプール20にウエビングベルト28を巻き取らせる構造になっている。
一方、フランジ部26のフランジ部24とは反対側でスプール20の他端側は、脚板18に形成された内歯のラチェット孔36を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出している。脚板18側のフレーム12の外側には、ロック手段としてのロック機構38が配置されている。ロック機構38はケース40を備えている。ケース40はスプール20の軸方向に沿って脚板18と対向して配置されて脚板18に固定されている。
ケース40の内側には、ロック機構38を構成する回転体としてのラチェットギヤ42がスプール20に対して同軸的で且つ相対回転可能に収容されている。ラチェットギヤ42は、軸方向脚板18とは反対側が開口した浅底円筒状とされており、その外周部にはラチェット歯が形成されている。
ラチェットギヤ42の内側には、ロックベース44が収容されている。ロックベース44はスプール20に対して同軸的で且つ一体的に設けられており、したがって、スプール20の回転によりスプール20と一体的に回転する。ロックベース44には図示しない圧縮コイルスプリング等の付勢手段が設けられている。
この付勢手段は、一部が上述したラチェットギヤ42に係合しており、ロックベース44が回転すると、ロックベース44と共に回転して、その回転方向に沿った付勢力をラチェットギヤ42に付与する。このため、ラチェットギヤ42は、本来スプール20に対して相対回転可能であるが、スプール20と一体にロックベース44が回転することで付勢手段から付与される付勢力により、ラチェットギヤ42がスプール20の回転に追従して回転する構成となっている。
一方、上述したラチェット孔36の内側では、ロックベース44にロックプレート46が支持されている。ロックプレート46は、ロックベース44に支持された状態でラチェット孔36の内歯に対し接離移動可能とされている。また、ロックプレート46は、上述したラチェットギヤ42に係合しており、ラチェットギヤ42がロックベース44に対して上述した巻取方向へ相対回転した場合に、この回転に連動してラチェット孔36の内歯に接近してラチェット孔36の内歯に噛み合う構成となっている。
また、ラチェットギヤ42の半径方向下方には、センサフレーム48が配置されている。センサフレーム48は、所定の曲率で湾曲して上方へ向けて開口した図示しない載置部を有しており、この載置部にセンサボール50が載置されている。さらに、センサボール50の上方には係合板52が設けられている。係合板52は、上下に回動可能にセンサフレーム48に取り付けられており、センサボール50が上述した載置部上を転動して上方へ変位した際には、センサボール50に下側から押圧されて上方へ回動する。
また、係合板52には係合爪54が形成されている。係合爪54は、その先端がラチェットギヤ42のラチェット歯に対向しており、係合板52が上方へ回動すると係合爪54がラチェットギヤ42のラチェット歯に噛み合い、ラチェットギヤ42の回転を規制する構成となっている。
一方、スプール20の下方で脚板16と脚板18との間には、駆動手段としてのモータ60が配置されている。図4に示されるように、モータ60の出力軸62は、背板14を貫通して背板14のモータ60とは反対側でフレーム12に取り付けられたギヤボックス64内に入り込んでいる。
図4及び図5に示されるように、ギヤボックス64内には減速手段を構成するギヤ列66が収容されている。ギヤ列66は、外歯の平歯車により構成されたギヤ68を備えている。ギヤ68には上記の出力軸62が同軸的且つ一体的に連結されている。ギヤ68にはギヤ68よりも大径の外歯の平歯車により構成されたギヤ70が噛み合っている。ギヤ70は軸部72がギヤボックス64に回転自在に軸支されている。
さらに、ギヤ70はギヤ70よりも大径の外歯の平歯車により構成されたギヤ74に噛み合っている。ギヤ74は一方の軸部76がギヤボックス64に回転自在に軸支されており、図4に示されるように、入力部として伝達ギヤを構成する他方の軸部78がギヤボックス64及び背板14を貫通して脚板16、18の間に入り込んでいる。
また、図1、図2、図4の各図に示されるように、軸部78の先端側(脚板16、18の間の側)には、略直方体状の矩形片80が形成されている。矩形片80は、当然、断面が略矩形状に形成されており、その長手方向寸法は軸部72の外径寸法以上とされている。
この矩形片80が形成された部分には、噛合部として伝達ギヤを構成するウオームギヤ82が軸部78に対して同軸的に設けられている。ウオームギヤ82の軸心部には、矩形片80の断面形状と略同形状の矩形孔84が形成されており、矩形片80が矩形孔84を貫通している。
上記のように、矩形片80及び矩形孔84の双方は、断面略矩形状であるため、お互いの相対回転が規制される。このため、ウオームギヤ82は、軸部78の軸周り方向に関しては同軸的且つ一体的に回転する。しかしながら、矩形片80は直方体形状であるため、矩形片80が矩形孔84を貫通したウオームギヤ82は、その軸方向に沿って矩形片80、すなわち、軸部78に対してスライド可能である。
なお、本実施の形態では、矩形片80を軸部78に設け、この矩形片80に対応した矩形孔84をウオームギヤ82に形成したが、軸部78の周方向には軸部78とウオームギヤ82とを一体的に連結し、軸部78の軸方向には軸部78に対してウオームギヤ82をスライド自在にできる構成であれば、軸部78とウオームギヤ82との具体的な連結の構造に関して特に限定されるものではない。
さらに、ウオームギヤ82と背板14との間には、支持部として伝達ギヤを構成するゴム筒86が配置されている。ゴム筒86はゴム材により円筒形状に形成されており、その内径寸法は軸部78の外径寸法よりも極僅かに大きく、その内側を軸部78が貫通している。また、ゴム筒86の軸方向一端部は背板14に当接しており、他端部はウオームギヤ82の軸方向一端に当接している。
さらに、図3に示されるように、ウオームギヤ82の半径方向上側側方には、クラッチ90が設けられている。クラッチ90は、リング状に形成された出力ギヤとしてのウオームホイール92を備えている。ウオームホイール92はスプール20に対して同軸的で且つ相対回転可能に設けられており、その軸方向両端は図示しない円板状部材により閉止されている。また、ウオームホイール92の内側には、筒状のアダプタ94がスプール20に対して同軸的に設けられている。アダプタ94は、スプール20に同軸的且つ一体的に設けられていると共に、ウオームホイール92の両端を閉止する円板状部材を貫通した状態で、円板状部材、ひいてはウオームホイール92をスプール20周りに回転可能に軸支している。
ウオームホイール92の内側には、例えば、遠心力で揺動するパウル等の連結部材が収容されている。連結部材は、例えば、上記の円板状部材に支持されており、ウオームホイール92と共に回転可能であると共に、遠心力で揺動することで、アダプタ94の外周部に係合してウオームホイール92とアダプタ94とを機械的に連結し、ウオームホイール92の回転力をアダプタ94、ひいてはスプール20に伝えることができる構造となっている。
すなわち、上記のクラッチ90は、ウオームホイール92側(モータ60の出力軸62側)の回転をスプール20に伝えることはできるが、スプール20の回転をウオームホイール92へ伝えることはできない構造となっている。
一方、図3に示されるように、上述したモータ60は、制御手段を構成するドライバ96を介して車両に搭載されたバッテリー98に電気的に接続されており、バッテリー98からの電流がドライバ96を介してモータ60に流れることで、モータ60は出力軸62を正方向又は逆方向へ回転させる構成となっている。ドライバ96は、マイコン等で構成されて制御手段を構成するECU100に接続されており、更に、ECU100は前方監視手段としての前方監視装置102に接続されている。
前方監視装置102は、車両前端部近傍に設けられた赤外線センサ104を備えている。赤外線センサ104は赤外線を車両前方に発すると共に、車両の前方で走行若しくは停止している他の車両や障害物(以下、走行若しくは停止している他の車両も含めて便宜上「障害物」と称する)で反射した赤外線センサ104を受ける。前方監視装置102は演算部106を備えている。
演算部106は赤外線センサ104から赤外線が発せられてから、障害物で反射して赤外線センサ104に戻るまでに要する時間に基づき障害物までの距離を演算する。また、演算部106は、この演算結果に基づき障害物検出信号OsをECU100に対して出力する。この障害物検出信号Osは、障害物までの距離が所定値以上であればLowレベルとされ、障害物までの距離が所定値未満であればHighレベルとされる。
また、ECU100は、車両の適宜位置に設けられた加速度検出手段として急減速状態検知手段を構成する加速度センサ108に接続されている。加速度センサ108は、車両が減速する際の加速度(言わば、減速度)を検出する。また、加速度センサ108は、基本的にLowレベルの加速度検出信号BsをECU100に対して出力するが、所定の変化率の加速度、すなわち、急制動時等による車両急減速状態に対応した加速度を検出した場合には、Highレベルの加速度検出信号BsをECU100に対して出力する。
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本ウエビング巻取装置10の動作の説明を通して、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
先ず、本ウエビング巻取装置10の基本動作について説明する。
本ウエビング巻取装置10では、スプール20にウエビングベルト28が層状に巻き取られた収納状態で、図示しないタングプレートを引っ張りつつウエビングベルト28を引っ張ると、スプール20を巻取方向に付勢する渦巻きばね34の付勢力に抗してスプール20を引出方向へ回転させながらウエビングベルト28が引き出される。このように、ウエビングベルト28が引き出された状態で、ウエビングベルト28を座席に着座した乗員の身体の前方に掛け回しつつタングプレートを図示しないバックル装置に差し込み、バックル装置にタングプレートを保持させることで乗員の身体に対するウエビングベルト28の装着状態(以下、単に「装着状態」と称する)となる。
また、ウエビングベルト28を装着するためにウエビングベルト28を引き出してスプール20を引出方向へ回転させると、渦巻きばね34が巻き締められてスプール20を巻取方向側へ付勢する渦巻きばね34の付勢力が増加する。したがって、上記装着状態では、渦巻きばね34の付勢力がウエビングベルト28をスプール20に巻き取らせるように作用するため、基本的には、この付勢力で乗員の身体にウエビングベルト28がフィットし、このときの付勢力に応じた力でウエビングベルト28が乗員の身体を拘束、保持する。
一方、バックル装置によるタングプレートの保持が解除され、バックル装置からタングプレートが抜け出ると、渦巻きばね34の付勢力に抗して引出状態のままウエビングベルト28を維持する力が解除されるため、渦巻きばね34は付勢力でスプール20を巻取方向に回転させる。この巻取方向へのスプール20の回転により引き出されたウエビングベルト28がスプール20の外周部に層状に巻き取られ、これにより、ウエビングベルト28が収納される。
ここで、スプール20はクラッチ90のアダプタ94に嵌合しているため、ウエビングベルト28の引き出しや巻き取りのためにスプール20を回転させると、アダプタ94が回転する。しかしながら、上述したように、クラッチ90は、アダプタ94の回転をウオームホイール92に伝えないため、この状態でウオームホイール92が回転することはない。したがって、スプール20の回転がウオームホイール92、ウオームギヤ82、ギヤ74、70、68を介してモータ60の出力軸62に伝達されることはない。
一方、車両の走行状態では、前方監視装置102の赤外線センサ104での検出結果に基づき、演算部106が車両前方の障害物までの距離を演算している。例えば、車両前方に障害物が存在しない場合、若しくは、障害物が存在するものの障害物から車両までの距離が所定値以上であれば、演算部106からはLowレベルの信号Osが出力される
これに対して、車両から前方の障害物までの距離が所定値未満になると、演算部106からはHighレベルの信号Osが出力される。
演算部106からのHighレベルの信号OsがECU100に入力されると、ECU100はドライバ96に対して所定の操作信号を出力する。この状態での操作信号が入力されたドライバ96は、モータ60を通電状態にして、モータ60を駆動させる。モータ60が駆動して出力軸62が回転することで、出力軸62の回転が、ギヤ68〜74を介してウオームギヤ82に伝わり、更に、ウオームギヤ82の回転は、ウオームホイール92に伝わりウオームホイール92が回転する。
さらに、ウオームホイール92が回転することで、連結部材がウオームホイール92とアダプタ94とを機械的に連結し、これにより、アダプタ94が巻取方向に回転する。アダプタ94が巻取方向に回転することでアダプタ94と一体のスプール20が巻取方向に回転してウエビングベルト28を巻き取る。このように、ウエビングベルト28がスプール20に巻き取られることで、ウエビングベルト28の僅かな弛みである所謂「スラック」が除去され、ウエビングベルト28による拘束力が上昇する。
ここで、このような状態で、車両の乗員が急制動操作を行ない、これにより、乗員の身体が略車両前方側へ慣性移動しようとすると、乗員の身体に装着されているウエビングベルト28が乗員の身体により引っ張られる。
通常であれば、上述したように、ウエビングベルト28が引っ張られてスプール20が引出方向に回転しても、この回転力がウオームホイール92に伝えられることがない。しかしながら、この場合には、上記のように、モータ60が駆動することで連結部材がウオームホイール92とアダプタ94とを機械的に連結している。したがって、この状態では、モータ60の駆動力による回転方向とは反対方向、すなわち、引出方向の回転力がウオームホイール92に伝わり、強制的にウオームホイール92を引出方向に回転させる。
上記のようにモータ60の駆動力が伝えられて回転するウオームギヤ82は、ウオームホイール92を巻取方向に回転させるように回転力をウオームホイール92に伝えるため、ウオームギヤ82の歯にはモータ60の駆動力の基づく回転力と、この回転力に反抗するウオームホイール92からの回転力とが作用する。
ここで、図1の(A)及び(B)に示されるような、予め想定した大きさ以上の引出方向の回転力がウオームギヤ82に作用すると、ウオームギヤ82はこの回転力に抗しきれずにゴム筒86を弾性変形させつつ背板14側にスライドする。このように、ウオームギヤ82がスライド移動することで、予め想定した大きさ以上の引出方向の回転力がウオームギヤ82の歯に作用することが抑制され、ウオームギヤ82の歯の破損等の不具合の発生を防止又は効果的に軽減できる。
また、このように、予め想定した大きさ以上の引出方向の回転力がウオームギヤ82に作用することを防止できるため、ウオームギヤ82の機械的強度をこれまでよりも低く設定でき、ウオームギヤ82の軽量化を図ることができ、コストを安価にできる。
さらに、車両急減速時の車両乗員の慣性移動により、ウエビングベルト28が引っ張られてスプール20が急激に引出方向に回転し、ロックベース44が急激に引出方向に回転すると、ロックベース44の引出方向への回転にラチェットギヤ42が追従できず、これによって、ロックベース44とラチェットギヤ42との間に相対回転が生じる。
また、上記のように車両が急減速状態になると、センサフレーム48の載置部上のセンサボール50が車両急減速状態での慣性で載置部上を転動する。載置部上を転動したセンサボール50は、上方の係合板52を押し上げて係合板52を回動させる。このように係合板52が回動することで、係合板52に形成された係合爪54がラチェットギヤ42のラチェット歯に噛み合う。これによって、ラチェットギヤ42の回転が規制される。
このようなラチェットギヤ42の回転規制状態で、ウエビングベルト28が引っ張られてスプール20が引出方向に回転し、ロックベース44が引出方向に回転すると、ロックベース44と回転規制されているラチェットギヤ42との間に相対回転が生じる。
このように、ロックベース44とラチェットギヤ42との間に相対回転が生じると、ロックベース44に支持されたロックプレート46がラチェット孔36の内歯へ接近する方向へ移動して、ラチェット孔36の内歯にロックプレート46が噛み合う。
このように、ロックプレート46がラチェット孔36の内歯に噛み合うことで、ロックベース44、ひいてはスプール20がロックされ、引出方向へのスプール20の回転が規制される。このように引出方向へのスプール20の回転が規制ことで、ウオームホイール92の引出方向への回転もロックされるため、ウオームギヤ82に引出方向の回転力が付与されることがなく、この状態以降はウオームギヤ82が背板14側にスライドさせられることがない。
また、上記のように、スプール20がロックされるためにはロックベース44とラチェットギヤ42との間に相対回転を生じさせなくてはならない。しかしながら、仮に、ウオームギヤ82がウオームホイール92の回転を規制してしまうと、スプール20が引出方向に回転できず、結果的に、ロックベース44とラチェットギヤ42との間に相対回転を生じさせることができない。
ここで、本ウエビング巻取装置10では、上記のように、予め想定した大きさ以上の引出方向の回転力がウオームホイール92からウオームギヤ82に付与されると、ウオームギヤ82は回転できなくともゴム筒86を弾性変形させつつ背板14側にスライドする。この状態では、ウオームギヤ82のスライド量分だけウオームホイール92は回転する。
すなわち、本ウエビング巻取装置10では、予め想定した大きさ以上の引出方向の回転力がスプール20に付与された場合には、上記のウオームギヤ82のスライド量分だけウオームホイール92の回転が許容される。このように、ウオームホイール92の回転が許容されることで、スプール20は引出方向に回転でき、これにより、ロックベース44とラチェットギヤ42との間に相対回転を生じさせることができ、確実にスプール20をロックさせることができる。
さらに、この状態からモータ60が停止して、巻取方向への回転力がウオームホイール92に付与されなくなると、ウオームホイール92とアダプタ94との機械的な連結が解除される。この状態になると、ウオームギヤ82はゴム筒86の弾性により背板14から離間する方向へスライドしつつ回転して、図1の(A)に示されるように元の位置に戻る。
なお、本実施の形態では、上記のように、入力部、噛合部、及び支持部を軸部78、ウオームギヤ82、及びゴム筒86とした構成であったが、入力部、噛合部、及び支持部の構成がこのような軸部78、ウオームギヤ82、ゴム筒86に限定されるものではない。例えば、図6に示されるように、二段ギヤ120を本発明における伝達ギヤとしてもよい。
すなわち、図6に示される変形例の二段ギヤ120は、入力部としてのギヤ122を備えている。このギヤ122は、全体的に有底の円筒形状とされており、その外周部に外歯の平歯が形成されている。
また、二段ギヤ120は、噛合部としての外歯のギヤ124を備えている。ギヤ124はギヤ122よりも小径で歯数も少ない。また、ギヤ124の軸方向一端からは軸部126がギヤ124に対して同軸的且つ一体的に延出されている。
軸部126の外径寸法は、ギヤ122の内径寸法よりも充分に小さく、ギヤ122の内周部との間に隙間を介した状態で軸部126はギヤ122に対して同軸的にギヤ122の内側に入り込んでいる。
さらに、ギヤ122の内側には支持部としての充填部126が充填されている。充填部126はゴム材等と同程度の弾性を有しており、ギヤ122の内周部及び軸部126の外周部に一体的に密着している。
以上のような構造の二段ギヤ120は、基本的にギヤ122とギヤ124とが一体的に連結されており、ギヤ122に回転力が入力されてギヤ122が回転すると、ギヤ124が回転し、ギヤ124に噛み合う他のギヤが回転する。また、ギヤ122から伝えられた回転力がギヤ124に付与されている状態で、ギヤ124に噛み合う他のギヤから反対向きの過剰な回転力が急激に付与されると、図7の(A)、(B)に示されるように、ギヤ124はこの反対向きの回転力に抗しきれずに充填部126を弾性変形させつつ反対向きの回転力に応じた方向に適宜に変位する。
このように、ギヤ124が充填部126を弾性変形させつつ適宜に変位させることで、ギヤ124の破損等を防止でき、基本的に先の説明と同様の効果を得ることができる。
本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置(本発明の一実施の形態に係る駆動力伝達機構)の要部を示す側面図で、(A)は通常の状態、(B)は噛合部が移動した状態を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置(本発明の一実施の形態に係る駆動力伝達機構)の要部を示す分解斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置(本発明の一実施の形態に係る駆動力伝達機構を適用したウエビング巻取装置)の全体構成を示す正面図である。 本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置(本発明の一実施の形態に係る駆動力伝達機構)の要部を示す平面断面図である。 本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の減速手段の構成を示す背面図である。 伝達ギヤの変形例を示す分解斜視図である。 伝達ギヤの変形例を示す側面図で、(A)は通常の状態、(B)は噛合部が移動した状態を示す図である。
符号の説明
10 ウエビング巻取装置
20 スプール
28 ウエビングベルト
60 モータ(駆動手段)
78 軸部(入力部、伝達ギヤ)
82 ウオームギヤ(噛合部、伝達ギヤ)
86 ゴム筒(支持部、伝達ギヤ)
92 ウオームホイール(出力ギヤ)
120 二段ギヤ(伝達ギヤ)
122 ギヤ(入力部)
124 ギヤ(噛合部)
128 充填部(支持部)

Claims (3)

  1. 伝達ギヤを介して駆動手段を出力ギヤに機械的に連結した状態で、前記駆動手段の駆動力を前記出力ギヤに伝えて前記出力ギヤを回転させる駆動力伝達機構であって、
    前記駆動手段に直接又は間接的に係合可能で前記駆動手段からの前記回転力が入力されることで回転する入力部と、
    前記出力ギヤに噛合可能に前記入力部の所定位置に設けられ、前記入力部と共に回転する噛合部と、
    前記噛合部を前記入力部の前記所定位置で支持すると共に、前記入力部に前記回転力が入力された際の前記噛合部の回転方向とは反対方向の所定の大きさ以上の外力が前記噛合部に入力された際に、前記外力の作用方向に対応した所定方向へ弾性変形して前記入力部に対する前記噛合部の前記所定方向への変位を許容する支持部と、
    を含めて前記伝達ギヤを構成した、
    ことを特徴とする駆動力伝達機構。
  2. 長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端部がスプールに係止され、駆動手段と前記スプールとの連結状態で前記駆動手段の駆動力が前記スプールに伝えられことで前記スプールが軸周り方向の一方である巻取方向へ回転して前記ウエビングベルトを基端側から巻き取るウエビング巻取装置であって、
    前記駆動手段に直接又は間接的に係合可能で前記駆動手段からの前記回転力が入力されることで回転する入力部と、
    前記スプールに機械的に連結されて前記スプールに回転力を伝達する出力ギヤに噛合可能に前記入力部の所定位置に設けられ、前記入力部と共に回転する噛合部と、
    前記噛合部を前記入力部の前記所定位置で支持すると共に、前記入力部に前記回転力が入力された際の前記噛合部の回転方向とは反対方向の所定の大きさ以上の外力が前記噛合部に入力された際に、前記外力の作用方向に対応した所定方向へ弾性変形して前記入力部に対する前記噛合部の前記所定方向への変位を許容する支持部と、
    を含めて構成した伝達ギヤを前記駆動手段と前記出力ギヤとの間に介在させた、
    ことを特徴とするウエビング巻取装置。
  3. 引出方向への所定の大きさ以上の回転速度で前記スプールが回転した場合、及び、前記スプールに対して同軸的に相対回転可能に設けられた回転体の回転が規制された場合の少なくとも何れか一方の場合に、前記スプールをロックするロック手段を備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載のウエビング巻取装置。
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