JP2000105172A - 原動機の試験装置 - Google Patents

原動機の試験装置

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JP2000105172A JP10277777A JP27777798A JP2000105172A JP 2000105172 A JP2000105172 A JP 2000105172A JP 10277777 A JP10277777 A JP 10277777A JP 27777798 A JP27777798 A JP 27777798A JP 2000105172 A JP2000105172 A JP 2000105172A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動変速機の変速動作が頻繁に行われる車両の
過渡的な走行状態に即した試験結果を得ることのできる
原動機の試験装置を提供する。 【解決手段】ダイナモメータ制御部60は車両の駆動系
をトランスミッションの入力軸側に駆動連結される構成
体と出力軸側に駆動連結される構成体とに分割し、これ
ら各構成体の等価慣性及び等価ダンピング定数及び等価
バネ定数、並びにトランスミッションの減速比をモデル
定数として導入した動特性モデルに基づいて負荷トルク
を算出する。ダイナモメータ制御部60はこの負荷トル
クがダイナモメータ20からエンジン10のクランクシ
ャフト11に付与されるように、同ダイナモメータ20
を制御する。ダイナモメータ制御部60はトランスミッ
ションの変速時に負荷トルクを演算する際に減速比を変
速開始時からの経過時間を変数とする正弦関数に基づき
算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両の駆動源と
して用いられるエンジンや電動モータといった原動機に
対して負荷トルクを付与することにより、同原動機を擬
似的に車両に搭載された状態にして試験を行うようにし
た原動機の試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用エンジンの出力特性や燃費特性、
或いは排出ガス特性についての各種試験は、同エンジン
を実際に車両に搭載した状態で行うのが一般的である。
しかしながら、このようにして得られる試験結果は、あ
くまでもそのエンジンと同エンジンが搭載された車両と
の組み合わせにのみ対応するものであり、例えば車両の
重量や駆動系の仕様が変更された場合には、変更後の車
両にエンジンを再度搭載し直して試験を行う必要があ
る。更に、こうした試験方法では、車両のためのスペー
スを確保する必要があり、その試験設備の大型化も避け
られない。
【0003】そこで、エンジンを実際に車両に搭載する
のではなく、エンジンに動力計を連結し、その動力計か
らエンジンに対し負荷トルクを付与することにより、同
エンジンが車両に搭載された状態を擬似的に作り出すよ
うにした試験装置が従来より提案されている。
【0004】こうした試験装置によれば、車両の仕様が
変更された場合でも、動力計の負荷トルクをその仕様変
更に応じて変更するだけでよく、また、車両を配置する
ためのスペースを確保する必要もない。従って、エンジ
ンの各種試験を僅かなスペース内で極めて効率的に行う
ことができるようになり、汎用性及び経済性に優れた試
験システムを構築することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の試験装置では、
車両質量及び車両加速度から慣性抵抗を算出するととも
に、この慣性抵抗に基づいて算出される負荷トルクをエ
ンジンに付与するようにしており、車両が一定の加速度
で走行する定常的な走行状態にあるときのエンジン特性
に関しては、比較的信頼性の高い試験結果を得ることが
できるものとなっている。
【0006】しかしながら、実際に走行している車両で
は、上記のように定常的な走行状態となる時間は比較的
短く、その走行状態の大部分は運転者の加減速要求に応
じて車両加速度が頻繁に変化する過渡的な走行状態とな
っている。このように車両が過渡的な走行状態になる
と、エンジンの負荷トルクが変動し、その変動によって
トランスミッションやドライブシャフトといった車両の
駆動系に捩り振動が発生するようになるため、負荷トル
クの大きさは駆動系の振動状態によって異なるようにな
る。
【0007】そこで、車両に関して更に精密な動特性モ
デルを構築し、その動特性モデルに基づいて負荷トルク
を算出するといった手法が考えられる。即ち、車両慣性
等に加えて車両の等価ダンピング定数や等価バネ定数を
モデル定数として導入した動特性モデルに基づいて負荷
トルクを算出するようにすれば、こうした車両の過渡的
な状態をも反映した負荷トルクをエンジンに対して付与
することができるようになる。
【0008】ところで、自動変速機を搭載する車両を想
定した試験では、同自動変速機の減速比を上記のような
動特性モデルのモデル定数の一つとして導入するととも
に、この動特性モデルに基づき求められた仮想的な車速
等に応じて自動変速機の変速時期を設定し、この変速時
期には自動変速機の減速比を切り換えて負荷トルクを算
出する必要がある。
【0009】しかしながら、こうした試験において、変
速時期に減速比を変速前の値から変速後の値へと瞬時に
切り換えるようにすると、その切り換え時において実際
にはエンジンに作用し得ない負荷トルクが算出され、同
エンジンに付与されてしまうおそれがある。即ち、実際
の車両においては自動変速機に対して変速指令が入力さ
れたとしても、その変速指令の入力と同時に減速比が切
り替わることはなく、自動変速機の応答遅れに起因して
減速比の切り換えが遅れるためである。従って、こうし
た変速時期における自動変速機の過渡的な挙動を考慮し
たうえで負荷トルクを算出するようにしなければ、自動
変速機の変速動作が頻繁に行われる車両の過渡的な走行
状態に即した試験結果を得ることができなくなる。
【0010】また、こうした自動変速機の過渡的な挙動
を負荷トルクの算出に反映させるために、例えば自動変
速機における機械系及び油圧系を精密にモデル化したう
えで車両の動特性モデルを構築することも考えられる。
ところが、このように自動変速機を精密にモデル化しよ
うとすると、モデルの複雑化に伴って多大な時間をモデ
ル化に際して要するようになり、またモデルが複雑にな
るほど汎用性が失われて自動変速機の機種変更に柔軟に
対応することが困難になる。
【0011】本発明はこうした従来の実情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、自動変速機の変速動作に
係る過渡的な挙動を試験結果に簡便に反映させて、同変
速動作が頻繁に行われる車両の過渡的な走行状態に即し
た試験結果を得ることのできる原動機の試験装置を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した発明は、車両駆動系の一部を構
成する自動変速機に連結される車両用原動機の駆動軸に
対し負荷トルクを付与する負荷トルク付与手段と、車両
駆動系を少なくとも、自動変速機の入力軸側に駆動連結
される構成体と同自動変速機の出力軸側に駆動連結され
る構成体とに分割し、各構成体の等価慣性及び等価ダン
ピング定数及び等価バネ定数並びに自動変速機の減速比
をモデル定数として導入した動特性モデルに基づいて駆
動軸に付与する負荷トルクを演算する演算手段とを備
え、演算される負荷トルクを負荷トルク付与手段から駆
動軸に付与することにより原動機を車両に搭載すること
なく擬似的に車両に搭載された状態にして試験を行う原
動機の試験装置であって、演算手段は減速比の切換時に
おける負荷トルクを演算する際に減速比を切換前の値か
ら切換後の値へと予め設定された所定時間を要して徐変
操作するものであるとしている。
【0013】こうした構成によれば、自動変速機の変速
時期における減速比の過渡的な変化を考慮したうえで原
動機に付与すべき負荷トルクを算出することができるよ
うになる。
【0014】また、請求項2に記載した発明のように、
このように減速比を徐変操作するうえで、 ・演算手段は減速比の変化率が徐々に変化するように同
減速比を徐変操作するものである、或いは請求項3に記
載した発明のように、上記構成に加えて、 ・演算手段は減速比の変化態様を同減速比の切換開始時
からの経過時間を変数とする正弦関数に基づいて設定す
るものである、 といった構成を採用するようにすれば、減速比の変化を
より滑らかなものとすることができ、例えば実稼動状態
では発生し得ない過大な負荷トルクが原動機に対して作
用するのを抑制することができるようになる。
【0015】請求項4に記載した発明では、請求項1乃
至3のいずれかに記載した原動機の試験装置において、
演算手段は減速比を減少させるシフトアップ時に入力軸
に入力される入力トルク及び減速比に基づいて算出され
る出力軸の出力トルクに関する上限値を設定し、所定時
間が経過するまで出力トルクを当該上限値以下に制限す
るものであるとしている。
【0016】また、請求項5に記載した発明では、請求
項1乃至3のいずれかに記載した原動機の試験装置にお
いて、演算手段は減速比を増大させるシフトダウン時に
入力軸に入力される入力トルク及び減速比に基づいて算
出される出力軸の出力トルクに関する下限値を設定し、
所定時間が経過するまで出力トルクを当該下限値以上に
制限するものであるとしている。
【0017】請求項4又は請求項5に記載した発明によ
れば、自動変速機における過渡的なトルク伝達特性を負
荷トルクの算出に簡易的に反映させることができる。請
求項6に記載した発明では、請求項4又は5に記載した
原動機の試験装置において、演算手段は上限値或いは下
限値を減速比の切換開始時からの経過時間についての関
数として設定するものとしている。
【0018】こうした構成によれば、モデル上における
自動変速機における過渡的なトルク伝達特性を実際の自
動変速機の特性に即した正確な形で再現することができ
るようになり、自動変速機の過渡的なトルク伝達特性を
負荷トルクの算出により正確に反映させることができる
ようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自動変速機(トラ
ンスミッション)を備えた車両に搭載されるガソリンエ
ンジンの試験装置に適用するようにした一実施形態につ
いて図1〜13を参照して説明する。
【0020】図1は本実施形態における試験装置を示す
概略構成図である。この試験装置は車両用ガソリンエン
ジン(以下、単に「エンジン」という)10に対してダ
イナモメータ20に発生するトルクをシャフト30を介
して伝達することにより、同エンジン10を擬似的に車
両に搭載した負荷状態にして各種試験を行うものであ
る。
【0021】エンジン10及びダイナモメータ20は、
クランクシャフト11と入力軸21とが同軸上に位置す
るように隣接してベンチ(図示略)上にそれぞれ固定さ
れている。これらクランクシャフト11及び入力軸21
の端部はそれぞれカップリング31,32を介してそれ
ぞれシャフト30の端部に連結されている。
【0022】試験装置はエンジン10の出力を制御する
ためのエンジン制御部50と、ダイナモメータ20に発
生させるトルクを制御するためのダイナモメータ制御部
60とを有した制御装置70を備えている。
【0023】エンジン制御部50はダイナモメータ制御
部60において算出される車両の仮想的な速度(車速S
PD)が予め定められた所定の車速パターンに従って変
化するように同エンジン10の出力を調節する。こうし
た出力の調節はエンジン10の吸気通路12に設けられ
たスロットルバルブ14の開度(スロットル開度TA)
をスロットルモータ15によって調節することにより行
われる。
【0024】即ち、エンジン制御部50は車速SPDが
所定の目標車速よりも低い場合にはスロットル開度TA
を増大させてエンジン10の燃焼室(図示略)に供給さ
れる吸入空気の量を増大させ、逆に車速SPDが所定の
目標車速よりも高い場合にはスロットル開度TAの開度
を減少させて吸入空気量を減少させる。
【0025】ダイナモメータ制御部60にはエンジン1
0の運転状態を検出する各種センサから検出信号が入力
される。クランクシャフト11にはダイナモメータ20
からエンジン10に実際に伝達されているトルク(実ト
ルクTACT)を検出するトルクセンサ40が設けられ
ている。クランクシャフト11の近傍には同クランクシ
ャフト11の回転速度、即ちエンジン10の回転速度
θ'e を検出する回転速度センサ42が設けられてい
る。また、スロットルバルブ14の近傍にはスロットル
開度TAを検出するためのスロットルセンサ44が設け
られている。
【0026】ダイナモメータ制御部60は、これら各セ
ンサ42,44から入力される各検出信号と、エンジン
10が搭載される車両の動特性モデルとに基づいてダイ
ナモメータ20に発生させる負荷トルク(指示トルクT
TRG)を算出する。そして、ダイナモメータ制御部6
0はその算出された指示トルクTTRGとトルクセンサ
40により検出される実トルクTACTとが一致するよ
うにダイナモメータ20をフィードバック制御する。
【0027】図2はこの車両の動特性モデルを示す概念
図である。同図に示すように、本実施形態では、車両
を、トルクコンバータ及びトランスミッション(以下、
「第1構成体M1」という)、同じくトランスミッショ
ン及びディファレンシャルギヤ(以下、「第2構成体M
2」という)、ホイール、タイヤ、及びボディ(以下、
「第3構成体M3」という)といった複数の構成体M1
〜M3に区分することにより、3自由度の捩り振動系と
してモデル化するようにしている。
【0028】ダイナモメータ制御部60はこうした動特
性モデルに基づく連立運動方程式にエンジン10の回転
速度θ'e を入力し、各運動方程式を所定の演算周期で
解くことによって指示トルクTTRGを算出する。因み
に、こうした動特性モデルに基づく運動方程式の構築及
びその演算処理は、例えば制御シミュレーションソフト
を用いて容易に行うことができる。
【0029】また、同図において、「Je」はエンジン
の等価慣性、「J1」〜「J3」は上記各構成体M1〜
M3の等価慣性、「K1」,「K2」は第1構成体M1
及び第2構成体M2の等価バネ定数、「C1」,「C
2」は第1構成体M1及び第2構成体M2の等価ダンピ
ング定数であり、これらは実験や設計値等に基づいて同
定されるモデル定数である。
【0030】また、「t」はトルクコンバータのトルク
比、「nt」はトランスミッションの減速比であり、
「nd」はディファレンシャルギヤの減速比であって予
め設定された一定値である。これら各パラメータt,n
t,ndは上記動特性モデル上において順に、エンジン
から第1構成体M1へ伝達される伝達トルク、第1構成
体M1から第2構成体M2へ伝達される伝達トルク、及
び第2構成体M2から第3構成体M3へ伝達される伝達
トルクをそれぞれ設定するためのモデル定数である。
【0031】更に、「k」は上記動特性モデル上では第
1構成体M1から第2構成体M2へ伝達される伝達トル
クの比(以下、トルクコンバータのトルク比tと区別す
るために「過渡トルク比」とする)、実際の車両におい
てはトランスミッションの入出力トルクの比に対応する
ものであり、同トランスミッションの変速時期における
過渡的なトルク伝達特性を評価するためのモデル定数で
ある。
【0032】前述したトルクコンバータのトルク比t、
トランスミッションの減速比nt、及び上記トランスミ
ッションの過渡特性を評価する過渡トルク比kといった
モデル定数はいずれも、指示トルクTTRGを算出する
演算周期毎にダイナモメータ制御部60により算出され
ている。以下、こうした各モデル定数の算出手順につい
て、ダイナモメータ制御部60の詳細な構成を示す図
3、並びに図4〜9の関数データ、フローチャート等を
併せ参照して説明する。
【0033】図3に示すように、ダイナモメータ制御部
60は上記各モデル定数を設定するモデル定数設定部6
1、上記各運動方程式に基づき指示トルクTTRGを算
出する指示トルク演算部62、車速SPDを算出する車
速演算部63、指示トルクTTRGと実トルクTACT
とのトルク偏差uを算出する比較部64、及びこのトル
ク偏差uに基づきダイナモメータ20の駆動電流をフィ
ードバック制御する駆動部65等を備えて構成されてい
る。
【0034】車速演算部63は指示トルク演算部62に
より算出される第3構成体M3の回転速度θ'3 、即ち
タイヤの回転速度と次式(1)とに基づいて車速SPD
を算出する。 SPD=k1・r・θ'3 ・・・(1) k1:定数 r:タイヤの半径 車速演算部63はこうして算出された車速SPDの大き
さに応じた信号をモデル定数設定部61及び指示トルク
演算部62にそれぞれ出力する。
【0035】モデル定数設定部61は上記各モデル定数
(Je,J1〜J3,K1,K2,C1,C2,nd)
が記憶されたメモリ(図示略)を備えており、これら各
モデル定数を指示トルク演算部62に出力する。更に、
モデル定数設定部61はトルクコンバータのトルク比
t、トランスミッションの減速比ntを算出するととも
に、算出された各モデル定数t,ntをそれぞれ指示ト
ルク演算部62に出力する。
【0036】以下、トルクコンバータのトルク比t及び
トランスミッションの減速比ntの算出手順について説
明する。 [トルク比tの算出]モデル定数設定部61は所定の演
算周期で上記動特性モデルに基づく運動方程式から得ら
れる第1構成体M1の回転速度θ'1 と回転速度センサ
42により検出されるエンジン10の回転速度θ'e と
の速度比(θ'1 /θ'e )を算出する。モデル定数設
定部61のメモリには、この速度比(θ'1 /θ'e )
とトルク比tとの関係を定義する関数データが記憶され
ており、モデル定数設定部61はこの関数データを参照
して速度比(θ'1 /θ'e )に対応したトルク比t
(=t(θ'1 /θ'e ))を算出する。そして、モデ
ル定数設定部61は、このようにして算出されたトルク
比tを次回の演算周期におけるトルク比tとして設定す
るために指示トルク演算部62に出力する。
【0037】[減速比ntの算出]次にトランスミッシ
ョンの減速比ntの算出手順について図5に示すフロー
チャートを参照して説明する。モデル定数設定部61は
このフローチャートに示す各処理に従って減速比ntを
算出するとともに、これら各処理を繰り返し実行するこ
とにより同減速比ntを所定の演算周期で更新してい
る。
【0038】まず、図5に示すステップ100におい
て、モデル定数設定部61はスロットルセンサ44によ
り検出されるスロットル開度TAと、車速演算部63に
より算出された車速SPDとに基づいてトランスミッシ
ョンのシフト位置G(1st,2nd,3rd,4t
h)を算出する。モデル定数設定部61のメモリ(図示
略)には、図4に示すような車速SPD及びスロットル
開度TAとシフト位置Gとの関係を定義する関数データ
がシフトアップ時及びシフトダウン時の各場合について
それぞれ記憶されており、モデル定数設定部61はこの
関数データを参照して同シフト位置Gを決定する。
【0039】そして、モデル定数設定部61はメモリに
記憶されている各シフト位置Gに対応した減速比ntを
同メモリから読み込む。更に、モデル定数設定部61
は、このようにして読み込まれた減速比ntを次回の演
算周期における減速比ntとして一旦設定する。
【0040】次に、ステップ102において、モデル定
数設定部61はステップ100で設定された減速比nt
が前回の演算周期における値から変更されたか否か、換
言すればトランスミッションのシフト位置Gを変更すべ
き運転状態となったか否かを判断する。このステップ1
02において減速比ntが変更されていないと判断され
た場合、モデル定数設定部61はステップ108以降の
処理を実行する。
【0041】一方、ステップ102において減速比nt
が変更されたと判断された場合、モデル定数設定部61
はステップ104において指示トルク演算部62に対し
変速指令Sを出力する。そして、続くステップ106に
おいて、モデル定数設定部61は前回の演算周期におけ
る減速比ntを旧減速比ntold、今回の演算周期に
おける減速比ntを新減速比ntnewとしてそれぞれ
設定する。
【0042】次に、ステップ108において、モデル定
数設定部61は変速指令Sが出力された後、換言すれば
減速比ntが変更された後、所定時間TSINTが経過
したか否かを判断する。この所定時間TSINTは減速
比ntの変更に伴ってトランスミッションが過渡的な挙
動を示すと想定される時間であり、個々のトランスミッ
ションに対応して実験等に基づき設定される時間であ
る。
【0043】このステップ108において、変速指令S
が出力されてから所定時間TSINTが経過していない
と判断された場合、モデル定数設定部61はステップ1
10において過渡減速比nttransを算出する。こ
の過渡減速比nttransは減速比ntの変更後にお
けるトランスミッションの過渡的なトルク伝達特性を上
記各運動方程式を解く過程に導入するためのものであ
る。モデル定数設定部61はこの過渡減速比nttra
nsを次の各式(2)〜(6)に基づいて算出する。 nttrans=a+b・sin(c・TS+d) ・・・(2) TS:変速指令Sを出力した後の経過時間 a〜d:次式(3)〜(6)により定義される定数 a=(ntold+ntnew)/2 ・・・(3) b=(ntold−ntnew)/2 ・・・(4) c=−π/TSINT ・・・(5) d=π/2 ・・・(6) 図6(a),(b)は過渡減速比nttransの変化
態様を減速比ntが減少するシフトアップ時及び同減速
比ntが増大するシフトダウン時についてそれぞれ示し
ている。これら各図に示すように、過渡減速比nttr
ansは上記経過時間TSの増大に伴って旧減速比nt
oldから新減速比ntnewへと徐々に変化してい
る。また、これら各図の他、上式(2)からも明らかな
ように、シフトアップ時及びシフトダウン時のいずれの
場合であっても、過渡減速比nttransはその変化
率(同図(a),(b)におけるグラフの傾き)が経過
時間TSの増大に伴って徐々に変化するようになってい
る。
【0044】上記のようにして過渡減速比nttran
sを算出した後、ステップ112において、モデル定数
設定部61はこの過渡減速比nttransを減速比n
tとして再設定する。
【0045】これに対して、前述したステップ108に
おいて、変速指令Sが出力されてから所定時間TSIN
Tが経過していると判断された場合、即ちトランスミッ
ションが定常状態にあると判断された場合、モデル定数
設定部61は上記各ステップ110,112の処理をス
キップする。即ち、この場合には減速比ntの再設定は
行われない。
【0046】このように減速比ntは、変速指令Sが出
力されてから所定時間TSINTが経過するまでは、過
渡減速比nttrans、即ちトランスミッションの過
渡的な状態に対応した値に設定され、同所定時間TSI
NTの経過後は、スロットル開度TA及び車速SPDに
基づく値、即ちトランスミッションの定常状態に対応す
る値に設定されることとなる。
【0047】上記ステップ108において肯定判定され
た場合、或いはステップ112の処理を実行した後、モ
デル定数設定部61は処理をステップ114に移行して
減速比ntを次回の演算周期における値として指示トル
ク演算部62に出力する。このステップ114の処理を
実行した後、モデル定数設定部61は本処理ルーチンを
一旦終了する。
【0048】次に、指示トルク演算部62による指示ト
ルクTTRGの算出手順について説明する。指示トルク
演算部62はモデル定数設定部61によって設定される
モデル定数(Je,J1〜J3,K1,K2,C1,C
2,nd,t,nt)及び回転速度センサ42から入力
される回転速度θ'e を前述したエンジン及び各構成体
M1〜M3についての各運動方程式に代入するととも
に、これら運動方程式を所定の演算周期で解くことによ
り、モデル化された車両の走行状態に応じた指示トルク
TTRGを算出する。
【0049】ここで、指示トルク演算部62は第1構成
体M1から第2構成体M2へと伝達されるトルク(以
下、「伝達トルクTX」という)を算出した後、前述し
た過渡トルク比kに基づいてこの伝達トルクTXを補正
することにより、変速時期におけるトランスミッション
の過渡的なトルク伝達特性を指示トルクTTRGの算出
に反映させるようにしている。以下、こうした伝達トル
クTXの補正手順について図7に示すフローチャートを
参照して説明する。指示トルク演算部62はこのフロー
チャートに示す各処理を繰り返し実行することにより伝
達トルクTXを所定の演算周期で補正するようにしてい
る。
【0050】まず、ステップ200において、指示トル
ク演算部62はモデル定数設定部61から変速指令Sが
入力されたか否か、換言すれば今回の演算周期がトラン
スミッションの変速開始時期であるか否かを判断する。
ここで今回の演算周期がトランスミッションの変速開始
時期であると判断された場合、ステップ202におい
て、指示トルク演算部62は現在の伝達トルクTXを変
速開始時伝達トルクTXINIとして設定した後、処理
をステップ204に移行する。
【0051】一方、ステップ200において、今回の演
算周期がトランスミッションの変速開始時期ではないと
判断された場合、指示トルク演算部62はステップ20
2をスキップして処理をステップ204に移行する。
【0052】ステップ204において指示トルク演算部
62は変速指令Sが入力されてから所定時間TSINT
が経過したか否か、即ち(TS>TSINT)の関係が
満たされているか否かを判断する。ここで所定時間TS
INTが経過したと判断された場合、指示トルク演算部
62はトランスミッションのトルク伝達特性が定常的な
状態になっているものとして本処理ルーチンを一旦終了
する。即ち、この場合には、トランスミッションの変速
開始から十分に時間が経過しており、トランスミッショ
ンの過渡的なトルク伝達特性を指示トルクTTRGを算
出するうえで考慮する必要がないため、伝達トルクTX
の補正は実行されない。
【0053】一方、ステップ204において、変速指令
Sが入力されてから所定時間TSINTが未だ経過して
いないと判断された場合、指示トルク演算部62は上記
伝達トルクTXを補正すべくステップ206以降の処理
を順次実行する。
【0054】まず、ステップ206において、指示トル
ク演算部62は今回のトランスミッションの変速動作が
シフトアップであるか否かを判断する。ここで肯定判断
された場合、ステップ210において、指示トルク演算
部62は変速開始からの経過時間TS及び変速後のシフ
ト位置Gに基づいて過渡トルク比kを設定する。
【0055】指示トルク演算部62のメモリ(図示略)
には図8に示すようなシフトアップ時における経過時間
TS及び変速後のシフト位置Gと過渡トルク比kとの関
係を示す関数データが記憶されており、指示トルク演算
部62は同過渡トルク比kを設定する際にこの関数デー
タを参照する。
【0056】例えば、シフト位置Gが「2nd」である
場合には、過渡トルク比kは経過時間TSの増大に伴い
同図に示す実線に沿って変化し、また、シフト位置Gが
「3rd」、「4th」である場合には、過渡トルク比
kは経過時間TSの増大に伴いそれぞれ同図に示す一点
鎖線、二点鎖線に沿って変化することとなる。因みに、
こうした関数データは個々のトランスミッションに対応
して実験等に基づき求められる。
【0057】次に、ステップ212において、指示トル
ク演算部62は過渡トルク比k及び変速開始時伝達トル
クTXINIの乗算値(k・TXINI)と伝達トルク
TXとを比較する。ここで伝達トルクTXが上記乗算値
(k・TXINI)以下であると判断された場合、指示
トルク演算部62は本処理ルーチンを一旦終了する。従
ってこの場合には、伝達トルクTXの補正は行われな
い。
【0058】一方、ステップ212において伝達トルク
TXが上記乗算値(k・TXINI)より大きいと判断
された場合、ステップ214において、指示トルク演算
部62は上記乗算値(k・TXINI)を新たな伝達ト
ルクTXとして設定する。即ち、ステップ212及びス
テップ214の各処理が実行されることにより、伝達ト
ルクTXは上記乗算値(k・TXINI)以下となるよ
うに補正(制限)されることとなる。
【0059】これに対して、上記ステップ206におい
て、今回のトランスミッションの変速動作がシフトダウ
ンであると判断された場合、指示トルク演算部62は処
理をステップ220に移行する。そして、ステップ22
0において、指示トルク演算部62は変速開始からの経
過時間TS及び変速後のシフト位置Gに基づいて過渡ト
ルク比kを設定する。
【0060】指示トルク演算部62のメモリ(図示略)
には図9に示すようなシフトダウン時における経過時間
TS及び変速後のシフト位置Gと過渡トルク比kとの関
係を示す関数データが記憶されており、指示トルク演算
部62は同過渡トルク比kを設定する際にこの関数デー
タを参照する。
【0061】例えば、シフト位置Gが「1st」である
場合には、過渡トルク比kは経過時間TSの増大に伴い
同図に示す実線に沿って変化し、また、シフト位置Gが
「2nd」、「3rd」である場合には、過渡トルク比
kは経過時間TSの増大に伴いそれぞれ同図に示す一点
鎖線、二点鎖線に沿って変化することとなる。こうした
関数データは図8に示す関数データと同様、個々のトラ
ンスミッションに対応して実験等に基づき求められてい
る。
【0062】次に、ステップ222において、指示トル
ク演算部62は過渡トルク比k及び変速開始時伝達トル
クTXINIの乗算値(k・TXINI)と伝達トルク
TXとを比較する。ここで伝達トルクTXが上記乗算値
(k・TXINI)以上であると判断された場合、指示
トルク演算部62は本処理ルーチンを一旦終了する。従
ってこの場合には、伝達トルクTXの補正は行われな
い。
【0063】一方、ステップ222において、伝達トル
クTXが上記乗算値(k・TXINI)より小さいと判
断された場合、ステップ224において、指示トルク演
算部62は上記乗算値(k・TXINI)を新たな伝達
トルクTXとして設定する。即ち、ステップ222及び
ステップ224の処理が実行されることにより、伝達ト
ルクTXは上記乗算値(k・TXINI)以上となるよ
うに補正(制限)されることとなる。
【0064】上記ステップ214,224の各処理を実
行した後、指示トルク演算部62は本ルーチンの処理を
一旦終了する。図10はシフトアップ時における減速比
nt、過渡トルク比k及び伝達トルクTXの変化、図1
1はシフトダウン時における減速比nt、過渡トルク比
k及び伝達トルクTXの変化態様の一例をそれぞれ示す
タイミングチャートである。
【0065】これら図10及び図11に示すように、本
実施形態においては、トランスミッションの変速開始か
ら所定時間TSINTが経過するまでの過渡応答期間
(図10,11のタイミングt1〜t6の期間)におい
て減速比ntを変速前の値から変速後の値にまで徐々に
変更される。従って、トランスミッションの減速比nt
における過渡的な変化を考慮したうえでエンジン10に
付与すべき負荷トルク、即ち指示トルクTTRGを算出
することができるようになる。
【0066】・その結果、本実施形態によれば、トラン
スミッションの減速比ntを変速前の値から変速後の値
へと瞬時に変更して指示トルクTTRGを算出するよう
にした試験装置とは異なり、トランスミッションの変速
動作に係る過渡的な挙動を試験結果に簡便に反映させる
ことができ、こうした変速動作が頻繁に行われる車両の
過渡的な走行状態に即した試験結果を得ることができる
ようになる。
【0067】特に、本実施形態にあっては、上式(2)
に示すように、上記経過時間TSを変数とする正弦関数
に基づいて減速比ntを算出することにより、その減速
比ntの変化率をトランスミッションの過渡応答期間に
おいて徐々に変化させるようにしている。
【0068】・従って、本実施形態によれば、減速比n
tの変化をより滑らかなものとすることができ、例えば
実稼動状態では発生し得ない過大な負荷トルクがダイナ
モメータ20からエンジン10に対して作用するのを確
実に抑制することができるようになる。
【0069】ところで、実際のトランスミッションにお
いて、その出力軸から出力される出力トルクは同トラン
スミッションの過渡応答期間において一般に以下のよう
な変化態様を示すことが知られている。
【0070】即ち、シフトアップ時にあっては、図12
に示すように、出力トルクは変速開始時(タイミングt
1)から一旦上昇した後(タイミングt2)、変速前の
値よりも小さな値にまで減少する(タイミングt3)。
そして、出力トルクは再度大きく上昇した後(タイミン
グt4)、徐々に減少して変速後の値に収束する(タイ
ミングt5)。
【0071】一方、シフトダウン時にあっては、図13
に示すように、出力トルクは変速開始時(タイミングt
1)から大きく減少した後(タイミングt2)、変速後
の値よりも大きな値にまで一旦上昇する(タイミングt
3)。そして、出力トルクは再度変速後の値よりも小さ
な値にまで減少した後(タイミングt4)、徐々に上昇
して変速後の値に収束する(タイミングt5)。
【0072】ここで、特に、シフトアップ時のタイミン
グt1〜t3の期間における出力トルクの変化態様は
「トルク相」と、また、シフトアップ時のタイミングt
3〜t5の期間における変化態様は「イナーシャ相」と
一般に称されているこうしたトランスミッションの出力
トルクの変化は、トランスミッションに内蔵されるギヤ
やクラッチの係合及びその解除に伴って発生するトルク
伝達特性の過渡的な変化であり、変速時期におけるトラ
ンスミッションの過渡的な挙動をより正確に把握したう
えで指示トルクTTRGを算出するためには、モデル上
における伝達トルクTXの変化態様においても、こうし
た過渡的な変化を再現するのが望ましい。
【0073】この点、本実施形態では、シフトアップ時
には過渡トルク比kと変速開始時伝達トルクTXINI
との乗算値(k・TXINI)を上記伝達トルクTXに
関する上限値として設定し、変速開始時から所定時間T
SINTが経過するまでは伝達トルクTXをこの上限値
以下に補正するようにしている。
【0074】また、シフトダウン時には上記乗算値(k
・TXINI)を伝達トルクTXに関する下限値として
設定し、変速開始時から所定時間TSINTが経過する
までは伝達トルクTXをこの下限値以上に制限するよう
にしている。
【0075】仮に、こうした伝達トルクTXの補正を行
わない場合(この場合の伝達トルクTXの変化態様を図
10,11に二点鎖線にて示す)とは異なり、図10,
11に示すタイミングt2〜t3の期間やタイミングt
4〜t5の期間においては伝達トルクTXが上記乗算値
(k・TXINI)と等しくなるように制限されるよう
になる。
【0076】・従って、本実施形態によれば、伝達トル
クTXの変化態様においてこうした「トルク相」及び
「イナーシャ相」を含む過渡的な変化を簡易的に再現す
ることができ、トランスミッションの過渡的なトルク伝
達特性を指示トルクTTRGの算出に簡易的に反映させ
ることができるようになる。その結果、トランスミッシ
ョンの変速動作が頻繁に行われる車両の過渡的な走行状
態を正確に再現した試験結果を得ることができるように
なる。
【0077】特に、本実施形態では、伝達トルクTXの
上限値或いは下限値を設定する際に必要となる過渡トル
ク比kを変速開始からの経過時間TSとシフト位置Gと
に基づいて設定するようにしている。
【0078】・従って、本実施形態によれば、伝達トル
クTXの過渡的な変化態様を実際のトランスミッション
の特性に即したより正確な形で再現することができるよ
うになるため、同トランスミッションの過渡的なトルク
伝達特性を指示トルクTTRGの算出に対して更に正確
に反映させることができるようになる。
【0079】更に、本実施形態では、伝達トルクTXの
上下限値を設定するうえで、変速開始時における伝達ト
ルクTXの大きさを基準とし、この伝達トルクTXの大
きさに対する比(過渡トルク比k)を用いてこれら上下
限値を設定するようにしている。
【0080】・従って、本実施形態によれば、これら上
下限値を例えばエンジン10の回転速度θ'e や第1構
成体M1の回転速度θ'1 についての関数データを用い
て設定するようにした場合とは異なり、モデル定数設定
部61のメモリに記憶されるデータ量を減少させること
ができ、同メモリの記憶容量の節約を図ることができ
る。
【0081】以上説明した本実施形態は以下のように構
成を変更して実施することもできる。 ・上記実施形態では、車両を複数の構成体M1〜M3に
区分してモデル化するようにしたが、この区分の方法及
びその数は上記実施形態と同じである必要はなく任意に
設定することができる。
【0082】・上記実施形態では、減速比ntを経過時
間TSを変数とする正弦関数に基づいて設定するように
したが、上記トランスミッションの過渡応答時間におい
て減速比ntの変化率を徐々に変化させることができる
ものであればこうした正弦関数に限定されることはな
い。また、この減速比ntを変速開始から経過時間TS
の増大に応じて比例的に変化させるようにしてもよい。
【0083】・上記実施形態では、経過時間TSと過渡
トルク比kとの関係を定義する関数データを各シフト位
置G毎に用意するようにしたが、このシフト位置Gに関
しては共通の過渡トルク比kを用いてより簡易的な形で
上記「トルク相」及び「イナーシャ相」を含む過渡的な
トルク変化を再現するようにし、メモリの記憶容量の節
約及び演算負荷の軽減を図るようにしてもよい。
【0084】・上記実施形態では、伝達トルクTXの上
限値或いは下限値を経過時間TS及びシフト位置Gに基
づいて変化させるようにしたが、これら上下限値を一定
値として設定することもできる。
【0085】・上記実施形態では、本発明をガソリンエ
ンジンの試験装置として具体化するようにしたが、例え
ばディーゼルエンジンの試験装置として、或いは交流モ
ータや直流モータ等の電動機の試験装置として具体化す
ることもできる。
【0086】
【発明の効果】請求項1乃至6に記載した発明によれ
ば、自動変速機の変速時期における減速比の過渡的な変
化を考慮したうえで原動機に付与すべき負荷トルクを算
出することができるようになる。従って、自動変速機の
変速動作に係る過渡的な挙動を試験結果に簡便に反映さ
せて、同変速動作が頻繁に行われる車両の過渡的な走行
状態に即した試験結果を得ることができるようになる。
【0087】また、請求項4乃至6に記載した発明によ
れば、自動変速機における過渡的なトルク伝達特性を負
荷トルクの算出に簡易的に反映させることができる。そ
の結果、自動変速機の変速動作が頻繁に行われる車両の
過渡的な走行状態を更に正確に再現した試験結果を得る
ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの試験装置を示す概略構成図。
【図2】車両の動特性モデルを示す模式図。
【図3】ダイナモメータ制御部の構成を示すブロック
図。
【図4】スロットル開度及び車速とシフト位置との関係
を示すグラフ。
【図5】減速比の算出手順を示すフローチャート。
【図6】過渡減速比の変化態様を示すタイミングチャー
ト。
【図7】伝達トルクの補正手順を示すタイミングチャー
ト。
【図8】シフトアップ時における過渡トルク比を設定す
るためのマップ。
【図9】シフトダウン時における過渡トルク比を設定す
るためのマップ。
【図10】シフトアップ時における減速比、過渡トルク
比、及び伝達トルクの変化態様を示すタイミングチャー
ト。
【図11】シフトダウン時における減速比、過渡トルク
比、及び伝達トルクの変化態様を示すタイミングチャー
ト。
【図12】シフトアップ時におけるトランスミッション
の出力トルクの変化態様を示すタイミングチャート。
【図13】シフトダウン時におけるトランスミッション
の出力トルクの変化態様を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、11…クランクシャフト、12…吸気
通路、14…スロットルバルブ、15…スロットルモー
タ、20…ダイナモメータ、21…入力軸、30…シャ
フト、31,32…カップリング、40…トルクセン
サ、42…回転速度センサ、44…スロットルセンサ、
50…エンジン制御部、60…ダイナモメータ制御部、
61…モデル定数設定部、62…指示トルク演算部、6
3…車速演算部、64…比較部、65…駆動部、70…
制御装置、M1…第1構成体、M2…第2構成体、M3
…第3構成体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷺山 達也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 佐藤 宏治 神奈川県横浜市緑区白山1丁目16番1号 株式会社小野測器テクニカルセンター内 Fターム(参考) 2G087 AA01 BB01 BB31 DD03 EE22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両駆動系の一部を構成する自動変速機
    に連結される車両用原動機の駆動軸に対し負荷トルクを
    付与する負荷トルク付与手段と、前記車両駆動系を少な
    くとも、前記自動変速機の入力軸側に駆動連結される構
    成体と同自動変速機の出力軸側に駆動連結される構成体
    とに分割し、各構成体の等価慣性及び等価ダンピング定
    数及び等価バネ定数並びに前記自動変速機の減速比をモ
    デル定数として導入した動特性モデルに基づいて前記駆
    動軸に付与する負荷トルクを演算する演算手段とを備
    え、前記演算される負荷トルクを前記負荷トルク付与手
    段から前記駆動軸に付与することにより前記原動機を前
    記車両に搭載することなく擬似的に前記車両に搭載され
    た状態にして試験を行う原動機の試験装置であって、 前記演算手段は前記減速比の切換時における前記負荷ト
    ルクを演算する際に前記減速比を切換前の値から切換後
    の値へと予め設定された所定時間を要して徐変操作する
    ものであることを特徴とする原動機の試験装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した原動機の試験装置に
    おいて、 前記演算手段は前記減速比の変化率が徐々に変化するよ
    うに同減速比を徐変操作するものであることを特徴とす
    る原動機の試験装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した原動機の試験装置に
    おいて、 前記演算手段は前記減速比の変化態様を同減速比の切換
    開始時からの経過時間を変数とする正弦関数に基づいて
    設定するものであることを特徴とする原動機の試験装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載した原
    動機の試験装置において、 前記演算手段は前記減速比を減少させるシフトアップ時
    に前記入力軸に入力される入力トルク及び前記減速比に
    基づいて算出される前記出力軸の出力トルクに関する上
    限値を設定し、前記所定時間が経過するまで前記出力ト
    ルクを当該上限値以下に制限するものであることを特徴
    とする原動機の試験装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載した原
    動機の試験装置において、 前記演算手段は前記減速比を増大させるシフトダウン時
    に前記入力軸に入力される入力トルク及び前記減速比に
    基づいて算出される前記出力軸の出力トルクに関する下
    限値を設定し、前記所定時間が経過するまで前記出力ト
    ルクを当該下限値以上に制限するものであることを特徴
    とする原動機の試験装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載した原動機の試験
    装置において、 前記演算手段は前記上限値或いは前記下限値を前記減速
    比の切換開始時からの経過時間についての関数として設
    定するものであることを特徴とする原動機の試験装置。
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