JP2018017589A - エンジン試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの特性を高精度に計測することができるエンジン試験装置を提供する。【解決手段】エンジンEにシャフトSを介して連結されたダイナモメータDと、エンジンE及びダイナモメータDの動作を制御する制御演算装置3とを備えたエンジン試験装置Wであって、シャフトSは、その一端部がエンジンEの出力軸に連結され、その他端部がダイナモメータDの回転軸に連結されており、シャフトSの一端部或いはエンジンEの出力軸にレーザ光を照射しエンジンEの出力軸の回転速度を非接触で計測して制御演算装置3に送信するドップラ速度計1を有し、制御演算装置3は、ドップラ速度計1から送信された回転速度を用いてダイナモメータDの動作を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン試験装置に関し、例えば、ダイナモメータを備えてエンジンの各種特性を計測するエンジン試験装置に関する。
従来から、エンジンを備えた供試体にダイナモメータを接続し、シミュレーションにより、エンジンの各種特性を計測するダイナモメータシステム(エンジン試験装置)が利用されている。例えば、特許文献1には、上記のダイナモメータシステムの構成が提案されている。ここで、図8を参照しながら、特許文献1に記載されたダイナモシステムの構成を簡単に説明する。
図示するように、従来技術のダイナモメータシステム(エンジン試験装置)100は、ダイナモメータDと、エンジンEの出力軸とダイナモメータDの回転軸とを連結するシャフト(連結シャフト)Sと、スロットルアクチュエータ120を介してエンジンEを制御するエンジン制御装置130と、ダイナモメータDに電力を供給するインバータ140と、インバータ140を介してダイナモメータDを制御するダイナモ制御装置160と、シャフトSの捩れトルクを検出する軸トルクセンサ150と、ダイナモメータDの出力軸の回転速度(回転数)を検出するエンコーダ160とを備えている。
そして、エンジン制御装置130が、所定のタイミングでスロットルアクチュエータ120を介してエンジンEを始動させ、予め定められた態様によってエンジンEを駆動させるようになっている。また、ダイナモ制御装置160は、軸トルクセンサ150が検出した捩れトルク(ダイナモメータDに近い部分の捩れトルク)と、エンコーダ160が検出したダイナモメータDの回転速度(回転数)とに基づいてダイナモメータDで発生させるべきトルク値に相当するトルク電流指令を生成し、インバータ140へ入力し、ダイナモメータDの動作を制御するように構成されている。
そして、ダイナモメータシステム100では、上述したようにして生成したトルク電流指令でダイナモメータDの動作を制御することで、エンジンEの始動時において、エンジンEからみてシャフトS及びダイナモメータDが接続されていないかのような無負荷状態でエンジンEが動作しているように制御している。すなわち、特許文献1に記載のダイナモメータシステム100では、ダイナモメータDに近い部分のシャフトSの捩れトルクと、ダイナモメータDの回転速度(回転数)とを用いてダイナモメータDで発生させるべきトルク値を求め、ダイナモメータDの吸収トルクを制御する「慣性補償制御」を行っている。
特許第5800001号公報
しかしながら、上述した従来技術によるダイナモメータDの回転速度(ダイナモ回転数)を用いた慣性補償制御は、慣性補償できる帯域が制限されるという課題を有している。具体的には、図9(a)に示すように、慣性補償制御にダイナモ回転数を用いた場合、100Hz付近の帯域(図中のA部参照)に反共振点があるため、この帯域でゲインが落ち込み、広域にわたった慣性補償性能が望めないという問題が生じる。また、ダイナモ回転数を用いた場合、図9(b)に示すように、反共振で位相が進み(図中のB部参照)、共振点で位相が戻るため、慣性補償閉ループを組んだときに共振点で発振し易いという課題も招いてしまう。すなわち、従来技術のダイナモメータシステム(エンジン試験装置)100は、ダイナモメータDの回転速度(ダイナモ回転数)を用いた慣性補償制御を行っているため、慣性補償できる帯域が制限され、エンジンEが始動するとき等において、エンジンの各種特性を高精度に計測できない虞がある。尚、図中の破線はダイナモ回転数伝達特性を示し、実線はエンジン回転数伝達特性を示している。
ところで、エンジンの出力軸の回転速度(回転数)には反共振点が無いため、上記のような慣性補償制御にエンジンの出力軸の回転速度(回転数)を用いることができれば、上記の課題は解消される。しかし、従来技術のエンジン試験装置では、ダイナモメータDの回転軸の回転速度(ダイナモ回転数)を計測し、その計測したダイナモ回転数を用いて慣性補償制御を行う構成が一般的であり、エンジンEの出力軸の回転速度を計測し、その回転速度を用いてダイナモメータを制御する構成のものは知られていない。これは、エンジンEの振動や熱の影響により、エンジンEの出力軸から正確な回転速度を計測できないためである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、エンジンの各種特性を高精度に計測することができるエンジン試験装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の第1態様は、エンジンにシャフトを介して連結されたダイナモメータと、前記エンジン及び前記ダイナモメータの動作を制御する制御装置とを備えたエンジン試験装置であって、前記シャフトは、その一端部が前記エンジンの出力軸に連結され、その他端部が前記ダイナモメータの回転軸に連結されており、前記シャフトの一端部或いは前記エンジンの出力軸にレーザ光を照射し該エンジンの出力軸の回転速度を非接触で計測して前記制御装置に送信するドップラ速度計を有し、前記制御装置は、前記ドップラ速度計から送信された前記回転速度を用いて前記ダイナモメータの動作を制御することを特徴とする。
このように、本発明の第1態様では、エンジンの出力軸に連結されたシャフトの一端部或いは前記エンジンの出力軸にレーザ光を照射してエンジンの出力軸の回転速度(回転数)を非接触で計測して制御装置に送信するドップラ速度計を設け、計測されたエンジンの出力軸の回転速度を用いてダイナモメータの動作を制御するようにしている。すなわち、第1態様では、非接触でエンジンの出力軸側の回転速度を計測しているため、エンジンの熱の影響を受けることがなく、エンジンの近傍において正確な値を計測できる。また、第1態様の構成によれば、例えば、上記のようにして得られたエンジンの出力軸の回転速度(回転数)を用いた慣性補償を行うことが可能になり、従来技術のダイナモメータの回転速度(ダイナモ回転数)を用いた慣性補償制御のように慣性補償できる帯域が制限されることがない。このため、エンジンの始動時の挙動の再現だけでなく、エンジンの爆発変動による回転変動までもが再現可能となる。その結果、第1態様によれば、従来技術と比べて、エンジンの特性を高精度に計測することができる。
また、本発明の第2態様は、エンジンにシャフトを介して連結されたダイナモメータと、前記エンジン及び前記ダイナモメータの動作を制御する制御装置とを備えたエンジン試験装置であって、前記シャフトは、その一端部が前記エンジンの出力軸に連結され、その他端部が前記ダイナモメータの回転軸に連結されており、前記シャフトの一端部或いは前記エンジンの出力軸に対して向かい合うように相対向して配置された一対のドップラ速度計を有し、一対の前記ドップラ速度計は、それぞれ、前記シャフトの一端部或いは前記エンジンの出力軸にレーザ光を照射して該エンジンの出力軸の回転速度を非接触で計測し前記制御装置に送信し、前記制御装置は、一対の前記ドップラ速度計からそれぞれ送信されたエンジンの出力軸の回転速度から該回転速度の平均値を算出し、該回転速度の平均値を用いて前記ダイナモメータの動作を制御する。
本発明の第2態様において、上記の構成を採用したのは以下の理由による。具体的には、ドップラ速度計により計測された回転速度には、エンジン又はシャフトの振動のうち、レーザ照射方向に対して垂直且つ回転速度として検出される方向の振動(以下、説明の便宜上、「エンジン本体の振動」ということがある)による回転ノイズが含まれている。そのため、第2態様では、シャフトの一端部(或いはエンジンの出力軸)に対して向かい合うように相対向して配置された一対のドップラ速度計を設け、一対のドップラ速度計がそれぞれ計測したエンジンの出力軸の回転速度(回転数)の平均値を算出している。このように、相対向して配置された一対のドップラ速度計がそれぞれ計測した回転速度(回転数)の平均値を算出することで、「エンジン本体の振動」の影響による回転ノイズをキャンセルでき、その結果、エンジンの正確な回転速度が得られるようになる。そして、第2態様によれば、正確なエンジンの回転速度を用いてダイナモメータの動作を制御できるため、従来技術と比べて、エンジンの各種特性を高精度に計測することができる。
また、本発明の第3態様は、エンジンにシャフトを介して連結されたダイナモメータと、前記エンジン及び前記ダイナモメータの動作を制御する制御装置とを備えたエンジン試験装置であって、前記シャフトは、その一端部が前記エンジンの出力軸に連結され、その他端部が前記ダイナモメータの回転軸に連結されており、前記シャフトの一端部或いは前記エンジンの出力軸にレーザ光を照射して該エンジンの出力軸の回転速度を非接触で計測して前記制御装置に送信する第1ドップラ速度計と、前記エンジン本体にレーザ光を照射して該レーザ光の照射方向と垂直で且つ前記シャフトの回転方向と平行方向の該エンジン本体の振動速度を非接触で計測し前記制御装置に送信する第2ドップラ速度計とを有し、前記第1、第2ドップラ速度計は、同一方向にレーザ光を照射するように配置されており、前記制御装置は、前記第1ドップラ速度計から送信されたエンジンの回転速度から、前記第2ドップラ速度計から送信された前記エンジン本体の振動速度を減算した値を算出し、該算出した値を用いて前記ダイナモメータの動作を制御することを特徴とする。
本発明の第3態様において、上記の構成を採用したのは以下の理由による。具体的には、上述したように、第1ドップラ速度計により計測された回転速度には、「エンジン本体の振動」の影響による回転ノイズが含まれている。そのため、第3態様では、エンジン本体に対してレーザ光を照射してエンジン本体の振動速度を非接触で計測する第2ドップラ速度計(第1ドップラ速度計と同一方向にレーザ光を照射する第2ドップラ速度計)を設けている。また、第3態様では、第1ドップラ速度計により計測されたエンジンの出力軸の回転速度から、第2ドップラ速度計が計測したエンジン本体の振動速度を減算することで、回転ノイズをキャンセルし、正確な回転速度(回転数)を得ている。そして、第3態様では、正確なエンジンの出力軸の回転速度を用いてダイナモメータの動作を制御しているため、従来技術と比べて、エンジンの各種特性を高精度に計測することができる。
また、本発明の第4態様は、エンジンにシャフトを介して連結されたダイナモメータと、前記エンジン及び前記ダイナモメータの動作を制御する制御装置とを備えたエンジン試験装置であって、前記シャフトは、その一端部が前記エンジンの出力軸に連結され、その他端部が前記ダイナモメータの回転軸に連結されており、前記シャフトの一端部或いは前記エンジンの出力軸にレーザ光を照射して該エンジンの出力軸の回転速度を非接触で計測して前記制御装置に送信するドップラ速度計と、前記ドップラ速度計が計測する前記シャフトの一端部における該シャフトの回転方向の変位を非接触で計測して前記制御装置に送信する変位計とを有し、前記制御装置は、前記変位計から送信された回転方向の変位を微分した速度を回転ノイズとして算出し、前記第1ドップラ速度計から送信されたエンジンの出力軸の回転速度から前記回転ノイズを減算した値を算出し、該算出した値を用いて前記ダイナモメータの動作を制御することを特徴とする。
本発明の第4態様において、上記の構成を採用したのは以下の理由による。具体的には、上述したように、ドップラ速度計により計測された回転速度には、「エンジン本体の振動」の影響による回転ノイズが含まれている。そのため、第4態様では、ドップラ速度計の計測部におけるシャフトの回転方向の変位を非接触で計測する変位計を設け、変位計が計測した回転方向の変位を微分して求めた速度を回転ノイズとして算出し、ドップラ速度計から送信されたエンジンの出力軸の回転速度から回転ノイズ(変位を微分して求めた速度)を減算することで、回転ノイズを取り除き、正確な回転速度を得ている。そして、第4態様では、正確なエンジンの回転数を用いてダイナモメータの動作を制御しているため、従来技術と比べて、エンジンの各種特性を高精度に計測することができる。
本発明によれば、正確な「エンジンの出力軸の回転速度」を取得し、それを用いてダイナモメータを制御できるため、従来技術と比べて、エンジンの特性を高精度に計測することができるエンジン試験装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態のエンジン試験装置の構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態のエンジン試験装置を構成するドップラ速度計の設置位置を示した模式図である。 本発明の第1実施形態のエンジン試験装置のダイナモ制御部により行われる慣性補償制御処理の機能を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態のエンジン試験装置のダイナモ制御部が行う1制御周期の慣性補償制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態のエンジン試験装置を構成するドップラ速度計の設置位置を示した模式図である。 本発明の第3実施形態のエンジン試験装置を構成するドップラ速度計の設置位置を示した模式図である。 本発明の第4実施形態のエンジン試験システムを構成するドップラ速度計の設置位置を示した模式図である。 従来技術のダイナモメータシステムの構成図である。 従来技術のダイナモメータシステムを構成するダイナモメータの慣性補償時の閉ループ伝達特性を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態(第1〜第4実施形態)のエンジン試験装置について図面を用いて説明する。尚、本実施形態(第1〜第4実施形態)の説明では、上述した図8で示した従来技術と同じ構成或いは相当する構成については、同じ符号を付している。また、本実施形態(第1〜第4実施形態)のエンジン試験装置は、エンジンの各種性能試験を行うものであるが、以下では、慣性補償制御を行う場合を例にして説明する。
《第1実施形態》
先ず、本発明の第1実施形態のエンジン試験装置について図1〜図4を用いて説明する。
図1に示すように、第1実施形態のエンジン試験装置Wは、試験対象であるエンジンEに負荷を与えるダイナモメータDと、ダイナモメータDとエンジンEとを連結するシャフトSと、エンジンE及びダイナモメータDの動作を制御する制御演算装置(以下、単に「制御装置」という)3と、制御装置3に制御されてエンジンを動作させるスロットルアクチュエータ2と、制御装置3に制御されてダイナモメータDを動作させるインバータ4とを備えている。
尚、上記のシャフトSは、棒状に形成されており、その一端部がエンジンEの出力軸に連結され、その他端部がダイナモメータDの回転軸に連結されている。このシャフトSには、高剛性の材料により形成されているものが用いられている。
また、エンジン試験装置Wには、シャフトSの一端部(エンジンE側の端部)にレーザ光を照射してエンジンEの出力軸の回転速度(回転数)を非接触で計測して制御装置3に送信するドップラ速度計1が設けられている。尚、第1実施形態では、図2に示すように、1対(2台)のドップラ速度計1が、シャフトSの一端部に対して向かい合うように相対向して配置されている(シャフトSの一端部を挟んで向かい合うように配置されている)。そして、一対のドップラ速度計1は、それぞれ、シャフトSの一端部の側面に対して垂直にレーザ光を照射するように設定されており、シャフトSの一端部のレーザ光の照射点の回転速度が検出できるようになっている。尚、図示する例では、1対(2台)のドップラ速度計1が、左右方向に設置されているが特にこれに限定されるものではない。1対(2台)のドップラ速度計1は、シャフトSに対して向かい合うように設置されていれば、どの設置位置であってもかまわない。また、図示する例では、ドップラ速度計1がシャフトSの一端部に対して向かい合うように相対向して配置されているが特にこれに限定するものではない。例えば、1対(2台)のドップラ速度計1が、エンジンEの出力軸に対して向かい合うように相対向して配置され、ドップラ速度計1がエンジンEの出力軸にレーザ光を照射して、エンジンEの出力軸の回転速度を計測するようになっていても良い。
また、エンジン試験装置Wには、シャフトSの他端部(ダイナモメータD側の端部)側に設置されてシャフトSの捩れトルクを検出して制御装置3に送信する軸トルク計5と、ダイナモメータDの出力軸の回転速度(回転数)を検出して制御装置3に送信するダイナモ回転計(エンコーダ)6とが設けられている。尚、軸トルク計5及びダイナモ回転計6は、周知な構成のものが用いられている。
また、制御装置3は、エンジンEを動作させるスロットルアクチュエータ2を介してエンジンEを制御するエンジン制御部30と、ダイナモメータDに電力を供給するインバータ4を介してダイナモメータDを制御するダイナモ制御部40とを有している。
尚、制御装置3のハードウェア構成について特に限定しないが、制御装置3は、例えば、CPU、補助記憶装置、主記憶装置、ネットワークインターフェース及び入出力インターフェースを備えるコンピュータ(1台或いは複数台のコンピュータ)により構成することができる。この場合、入出力インターフェースには、2台のドップラ速度計1と、軸トルク計5と、ダイナモ回転計6と、ダイナモ目標値を送信してくる制御処理装置(図示せず)とが接続されている。また、補助記憶装置には、エンジン制御部30及びダイナモ制御部40の機能を実現するためのプログラムが記憶されている。そして、エンジン制御部30及びダイナモ制御部40の機能は、CPUが上記プログラムを主記憶装置にロードして実行することにより実現される。
また、エンジン制御部30は、操作者からの要求を受け付けて、スロットルアクチュエータ2を介してエンジンEを始動させ、予め定められた態様によってエンジンEを動作させるようになっている。尚、第1実施形態のエンジン制御部30の機能は、周知技術と同じであるため詳細な説明は省略する。
また、ダイナモ制御部40は、2台のドップラ速度計1からそれぞれ送信されたエンジンEの出力軸の回転速度(回転速度1、回転速度2)を受信し、受信した回転速度(絶対値)の平均値((回転速度1+回転速度2)/2)を算出するように構成されている。このように、シャフトSの一端部に対して向かい合うように相対向して配置された一対のドップラ速度計1がそれぞれ計測した回転速度の平均値を算出するようにしているのは以下の理由による。
具体的には、図2に示すドップラ速度計1による計測では、エンジンE又はシャフトSの振動のうち、レーザ照射方向に対して垂直且つ回転速度として検出される方向(図2に示す上下方向)の振動(以下、説明の便宜上、「エンジンE本体の振動」という)が回転速度として計測される。尚、この場合、「シャフトSのスラスト方向の振動」及び「照射点の前後方向(図2の左右方向)の振動」は計測されない。すなわち、図示するドップラ速度計1による計測された回転速度には、「エンジンE本体の振動」が回転ノイズとして含まれている。そのため、第1実施形態では、シャフトSの一端部(エンジンE側の端部)に対して向かい合うように相対向して配置された一対のドップラ速度計1がそれぞれ計測した回転速度の平均値を算出するようにして、エンジンE本体の振動(図2の例では上下方向の振動)による回転ノイズをキャンセルし、この処理により、エンジンEの出力軸の回転速度(回転数)の正確な値を取得できるようにしている。
また、ダイナモ制御部40は、エンジン制御部30により動作させているエンジンEが「シャフトS及びダイナモメータD」が接続されていないかのような無負荷状態で動作するように、上記の算出した「エンジンEの出力軸の回転速度(回転数)の平均値」を用いて、ダイナモメータDで発生させるべきトルク値に相当するトルク電流指令(ダイナモ指令値)を生成してインバータ4へ入力し、インバータ4を介してダイナモメータDの動作を制御している(これにより、エンジンEの動作も制御される)。
尚、ダイナモ制御部40は、軸トルク計5が計測したシャフトSの捩れトルク、ダイナモ回転計6が計測したダイナモメータDの出力軸の回転速度(回転数)、図示しない制御処理装置から送信されたダイナモ目標値(回転数又はトルク)を受信するように構成されている。また、ダイナモ制御部40は、上記計測値(捩れトルク、ダイナモメータDの出力軸の回転速度(回転数)、ダイナモ目標値(回転数又はトルク))を慣性補償制御以外の処理に用いるように構成されている。しかし、上記計測値(捩れトルク、ダイナモメータDの出力軸の回転速度(回転数)、ダイナモ目標値(回転数又はトルク))を利用した制御は、周知技術と同様であるため、その説明を省略する。
ここで、図3及び図4を参照しながら、ダイナモ制御部40が行う「慣性補償制御」について説明する。ここで、図3は、本発明の第1実施形態のエンジン試験装置のダイナモ制御部により行われる慣性補償制御処理のための機能を説明するための模式図である。また、図4は、本発明の第1実施形態のエンジン試験装置のダイナモ制御部が行う1制御周期の慣性補償制御処理を示すフローチャートである。
尚、図4に示すフローチャートのS2〜S6の処理は、エンジンEの出力軸の回転速度(回転数)を用いていること以外は、周知技術と同様であるため、以下では説明を簡略化している。また、図4に示すフローチャートが開始される前提として、エンジン制御部30によりエンジンEが始動されているものとする。
図3に示すように、ダイナモ制御部40は、回転数取得部41と、ローパスフィルタ部42と、共振補正処理部43と、位相補正処理部44と、トルク指令生成処理部45と、ダイナモ回転数制御処理部46と、ダイナモ目標値及びダイナモ回転数を受信する受信部47と、インバータ4(図3では省略)にトルク電流指令(ダイナモ指令値)を送信する送信部48とを備えている。尚、ダイナモ回転数制御処理部46及び受信部47は、「慣性補償制御」に関係しないため、説明を省略する。
そして、慣性補償制御処理では、図4に示すように、先ず、回転数取得部41が、2台のドップラ速度計1からそれぞれ送信されてくるエンジンEの出力軸の回転速度(回転数)を受信し、受信した回転速度の平均値(回転数)を算出してローパスフィルタ部42に出力し(S1)、S2の処理に移行する。
S2では、ローパスフィルタ部42が、S1で算出した回転速度の平均値(回転数)から高周波ノイズを取り除き(S2)、S3の処理に移行する。
S3では、共振補正処理部43が、上記の高周波ノイズが取り除かれた回転数から、予め設定された共振部分(特定周波数)のゲインを軽減する共振補正処理を行い、S4の処理に移行する。
S4では、位相補正処理部44が、S3で共振補正がなされた回転数に対して、予め設定された周波数帯域(所定の周波数(低周波〜100Hz付近の周波数)帯域)の位相遅延分を位相進み補償処理により回復させ、S5の処理に移行する。
S5では、トルク指令生成処理部45は、エンジンEが「シャフトS及びダイナモメータD」が接続されていないかのような無負荷状態での動作するように、S4で位相補正がなされた回転数を用いて、ダイナモメータDで発生させるべきトルク値に相当するトルク電流指令(ダイナモ指令値)を生成する。具体的には、トルク指令生成処理部45が、S4で位相補正がなされた回転数をトルクの次元に変換することにより(微分演算により変換することにより)、トルク電流指令(ダイナモ指令値)が生成され、送信部48に対して、生成されたトルク電流指令(ダイナモ指令値)を出力する。
S6では、送信部48が、インバータ4に対して、S5で生成されたトルク電流指令(ダイナモ指令値)を送信し、S1の処理に戻る。尚、インバータ4は、受信したトルク電流指令(ダイナモ指令値)を用いて、ダイナモメータDの動作を制御し、これにより、あたかもエンジンEが「シャフトS及びダイナモメータD」が接続されていないかのような無負荷状態で動作しているように制御される。
このように、第1実施形態では、エンジンEに連結されたシャフトSの一端部(エンジン端側)の側面にレーザ光を照射してエンジンEの出力軸の回転速度(回転数)を非接触で計測して制御装置3に送信するドップラ速度計1を設けている。すなわち、第1実施形態では、非接触でエンジンEの出力軸の回転速度を計測しているため、エンジンEの熱の影響を受けることがなく、エンジンEの近傍で正確な値を計測できる。さらに、第1実施形態では、2台のドップラ速度計1により計測されたエンジンEの出力軸の回転速度(回転数)の平均値を求めることにより、エンジンE本体の振動(図2の例では上下方向の振動)による回転ノイズをキャンセルでき、正確な回転速度(回転数)が取得できる。そして、第1実施形態では、エンジンEの出力軸の回転速度を用いた慣性補償制御を行っているため、従来技術のダイナモメータDの回転速度(ダイナモ回転数)を用いた慣性補償制御のように慣性補償できる帯域が制限されることがない。そのため、エンジンEの始動時の挙動の再現だけでなく、エンジンEの爆発変動による回転変動までもが再現可能となる。その結果、第1実施形態によれば、従来技術と比べて、エンジンEの各種特性を高精度に計測することができる。
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態のエンジン試験装置について図5を用いて説明する。ここで、図5は、本発明の第2実施形態のエンジン試験装置を構成するドップラ速度計の設置位置を示した模式図である。
尚、第2実施形態は、第1実施形態のエンジン試験装置Wからドップラ速度計1の設置位置を変更し、ダイナモ制御部40が行うエンジンEの回転数を算出する処理を一部変更したものであり、この変更点以外は第1実施形態と同じである。そのため、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分だけを説明する。また、第2実施形態では、第1実施形態と同じ符号を付している。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様、2つのドップラ速度計1が設けられている。
具体的には、図5に示すように、第2実施形態では、2つのうちの一方のドップラ速度計1(説明の便宜上「第1のドップラ速度計1」という)が、シャフトSの一端部(エンジンE側の端部)の近傍(図示する例では、シャフトSの一端部の上方)に設置されている。第1のドップラ速度計1は、シャフトSの一端部の側面に向けてレーザ光を照射してエンジンEの出力軸の回転速度(回転数)を非接触で計測して制御装置3に送信するように構成されている。尚、第2実施形態においても、第1のドップラ速度計1が、エンジンEの出力軸にレーザ光を照射して、エンジンEの出力軸の回転速度を計測するようになっていても良い。
また、第2実施形態では、2つのうちの他方のドップラ速度計1(説明の便宜上「第2のドップラ速度計1」という)が、第1のドップラ速度計1と同一方向にレーザ光を照射できる位置であって且つエンジンEの近傍(図示する例では、エンジンEの一端部の上方)に設置されている。第2のドップラ速度計1は、エンジンEの本体にレーザ光を照射してエンジンEの本体の振動速度(レーザ光の照射方向と垂直で且つシャフトSの回転方向と平行方向の(図中の左右方向)の振動速度)を非接触で計測して制御装置3に送信するように構成されている。尚、第2のドップラ速度計1は、シャフトSに近い位置に設置されている。また、2台のドップラ速度計1は、同一方向にレーザ光を照射できる位置に設置されていれば、どの設置位置であってもかまわない(例えば、シャフトSの下方や、左側(或いは右側)からレーザ光を照射する位置に設置されていてもよい)。
また、第2実施形態では、上述した図4のS1の処理を以下のように変更している。
具体的には、第2実施形態では、ダイナモ制御部40の回転数取得部41は、第1のドップラ速度計1から送信されたエンジンEの出力軸の回転速度と、第2のドップラ速度計から送信されたエンジンEの振動速度とを受信する。そして、回転数取得部41は、受信したエンジンEの出力軸の回転速度から、受信したエンジンEの振動速度を減算した値をエンジンEの出力軸の回転数として算出してローパスフィルタ部42に出力する。尚、S2〜S6の処理は第1実施形態と同じである。
第2実施形態において、上記の構成を採用したのは以下の理由による。具体的には、上述しようように、第1のドップラ速度計1により計測された回転速度(回転数)には、エンジンE本体の振動(図5の例では左右方向の振動)による回転ノイズが含まれている。そのため、第2実施形態では、第1のドップラ速度計1と同一方向にレーザ光を照射する第2ドップラ速度計によりエンジン出力軸の回転方向の振動速度を計測し、第1のドップラ速度計1が計測した回転速度から、第2のドップラ速度計1が計測したエンジンEの振動速度を減算することで、回転ノイズをキャンセルするようにしている。これにより、第2実施形態においても、正確なエンジンEの出力軸の回転速度(回転数)を取得し、その回転速度(回転数)を用いてダイナモメータDの動作を制御できるため、従来技術と比べて、エンジンEの特性を高精度に計測することができる。
《第3実施形態》
次に、本発明の第3実施形態のエンジン試験装置について図6を用いて説明する。ここで、図6は、本発明の第3実施形態のエンジン試験装置を構成するドップラ速度計の設置位置を示した模式図である。
尚、第3実施形態は、第1実施形態のエンジン試験装置Wのように2つのドップラ速度計1を用いるのではなく、1台のドップラ速度計1と、1台の変位計8とを備えた構成に変更し、ドップラ速度計1が計測した計測値と、変位計8が計測した計測値とを用いて、エンジンEの回転数を算出するように変更したものであり、この変更点以外は第1実施形態と同じである。そのため、第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分だけを説明する。また、第3実施形態では、第1実施形態と同じ符号を付している。
図6に示すように、第3実施形態では、ドップラ速度計1が、シャフトSの一端部(エンジンE側の端部)の近傍(図示する例では、シャフトSの一端部の上方)に設置されている。このドップラ速度計1は、シャフトSの一端部の側面に向けてレーザ光を照射してエンジンEの出力軸の回転速度(回転数)を非接触で計測して制御演算装置3に送信するように構成されている。尚、第3実施形態においても、ドップラ速度計1が、エンジンEの出力軸にレーザ光を照射し、エンジンEの出力軸の回転速度を計測するようになっていても良い。
また、第3実施形態では、ドップラ速度計1が計測するシャフトSの一端部の回転方向の変位(振動による変位)を非接触で計測して制御演算装置3に送信する変位計8が設けられている。この変位計8については特に限定しないが、例えば、変位計8には、シャフトSの一端部の側面にレーザ光を照射して、レーザ光の照射部分の変位を計測するレーザ変位計を用いることができる。この場合、変位計8のレーザ光の照射方向と、ドップラ速度計1のレーザ光の照射方向とが直角(90°)になるように、変位計8及びドップラ速度計1を設置するものとする。
尚、ドップラ速度計1及び変位計8は、いずれも、シャフトSの一端部の側面にレーザ光を照射する位置であり、且つ変位計8のレーザ光の照射方向と、ドップラ速度計1のレーザ光の照射方向とが直角(90°)になるように設置されていればどの設置位置であってもかまわない(例えば、ドップラ速度計1が下方からレーザ光を照射する位置に設置されていてもよい)。
また、第3実施形態では、上述した図4のS1の処理を以下のように変更している。
具体的には、第3実施形態では、ダイナモ制御部40の回転数取得部41は、ドップラ速度計1が計測したエンジンEの出力軸の回転速度(回転数)と、変位計8が計測したシャフトSの回転方向の変位(振動による変位)とを受信する。そして、回転数取得部41は、変位計8から送信された変位を微分した速度を回転ノイズとして算出し、ドップラ速度計1から送信されたエンジンEの出力軸の回転速度(回転数)から、算出した回転ノイズを減算した値をエンジンEの回転数として算出してローパスフィルタ部42に出力する。尚、S2〜S6の処理は第1実施形態と同じである。
第3実施形態において、上記の構成を採用したのは以下の理由による。具体的には、上述したように、ドップラ速度計1により計測された回転速度には、エンジンE本体の振動による回転ノイズが含まれている。そのため、第3実施形態では、ドップラ速度計1の計測部におけるシャフトSの回転方向の変位を非接触で計測する変位計8を設けている。また、変位計8が計測した回転方向の変位を微分して求めた速度を回転ノイズとして算出し、ドップラ速度計1から送信されたエンジンEの回転速度から回転ノイズを減算することで、回転ノイズを取り除き、正確な回転速度を得るようにしている。これにより、第3実施形態においても、正確なエンジンEの出力軸の回転速度を取得することができ、正確なエンジンEの回転速度を用いたダイナモメータDの動作を制御できるため、従来技術と比べて、エンジンEの特性を高精度に計測することができる。
尚、第3実施形態では、変位計8による計測対象をシャフトSではなくエンジンE本体に変更し、変位計8にエンジンE本体の変位を計測させてもよい。この場合には、制御装置3が、計測されたエンジンEの変位を微分した速度を回転ノイズとして算出し、ドップラ速度計1から送信されたエンジンEの出力軸の回転速度(回転数)から、算出した回転ノイズを減算した値をエンジンEの回転数として求めるようにする。
《第4実施形態》
次に、本発明の第4実施形態のエンジン試験装置について図7を用いて説明する。ここで、図7は、本発明の第4実施形態のエンジン試験装置を構成するドップラ速度計の設置位置を示した模式図である。
尚、第4実施形態は、第1実施形態のエンジン試験装置Wのように2つのドップラ速度計1を用いるのではなく、1台のドップラ速度計1だけを備えた構成に変更し、1台のドップラ速度計1が計測した回転速度(回転数)を用いて慣性補償制御を行うようにしたものであり、この変更点以外は第1実施形態と同じである。そのため、第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分だけを説明する。また、第4実施形態では、第1実施形態と同じ符号を付している。
図7に示すように、第4実施形態では、1台のドップラ速度計1が、シャフトSの一端部(エンジンE側の端部)の近傍に設置されている。このドップラ速度計1は、シャフトSの一端部の側面に向けてレーザ光を照射してエンジンEの出力軸の回転速度(回転数)を非接触で計測して制御装置3に送信するように構成されている。尚、第4実施形態においても、ドップラ速度計1が、エンジンEの出力軸にレーザ光を照射し、エンジンEの出力軸の回転速度を計測するようになっていても良い。
また、第4実施形態では、上述した図4のS1の処理を以下のように変更している。
具体的には、第4実施形態では、ダイナモ制御部40の回転数取得部41は、ドップラ速度計1から送信されたエンジンEの出力軸の回転速度を受信すると、その受信した回転速度をローパスフィルタ部42に出力している。尚、S2〜S6の処理は第1実施形態と同じである。
このように、第4実施形態においても、上述した第1実施形態と同様、非接触でエンジンEの出力軸の回転速度(回転数)を計測しているため、エンジンEの熱の影響を受けることがなく、エンジンEの近傍における正確な値を計測できる。そして、第4実施形態では、正確に計測されたエンジンEの出力軸の回転速度を用いた慣性補償制御を行っているため、従来技術のダイナモメータDの回転速度(ダイナモ回転数)を用いた慣性補償制御のように慣性補償できる帯域が制限されることがない。その結果、第4実施形態によれば、従来技術と比べて、エンジンEの特性を高精度に計測することができる。
以上、説明したように、本発明の実施形態(第1〜第4実施形態)によれば、エンジンの特性を高精度に計測することができるエンジン試験装置Wを提供することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態(第1〜第4実施形態)では、ドップラ速度計1により計測されたエンジンEの出力軸の回転数を用いて慣性補償制御を行っているが特にこれに限定されるものではない。ドップラ速度計1により計測されたエンジンEの回転速度(回転数)は、慣性補償制御以外の制御にも利用される。
また、上述した実施形態(第1〜第4実施形態)では、エンジンEの出力軸の回転速度(回転数)をドップラ速度計1により計測しているが特にこれに限定されるものではない。回転するシャフトSの回転速度(回転数)を非接触で計測できる機器であれば、ドップラー速度計1以外の機器であっても本発明に適用される。
W…エンジン試験装置
E…エンジン
S…シャフト
D…ダイナモメータ
1…ドップラ速度計
2…スロットルアクチュエータ
3…制御演算装置(制御装置)
4…インバータ
5…軸トルク計
6…ダイナモ回転計
8…変位計
30…エンジン制御部
40…ダイナモ制御部
41…回転数取得部
42…ローパスフィルタ部
43…共振補正処理部
44…位相補正処理部
45…トルク指令生成処理部
46…ダイナモ回転数制御処理部
47…受信部
48…送信部

Claims (4)

  1. エンジンにシャフトを介して連結されたダイナモメータと、前記エンジン及び前記ダイナモメータの動作を制御する制御装置とを備えたエンジン試験装置であって、
    前記シャフトは、その一端部が前記エンジンの出力軸に連結され、その他端部が前記ダイナモメータの回転軸に連結されており、
    前記シャフトの一端部或いは前記エンジンの出力軸にレーザ光を照射し該エンジンの出力軸の回転速度を非接触で計測して前記制御装置に送信するドップラ速度計を有し、
    前記制御装置は、前記ドップラ速度計から送信された前記回転速度を用いて前記ダイナモメータの動作を制御することを特徴とするエンジン試験装置。
  2. エンジンにシャフトを介して連結されたダイナモメータと、前記エンジン及び前記ダイナモメータの動作を制御する制御装置とを備えたエンジン試験装置であって、
    前記シャフトは、その一端部が前記エンジンの出力軸に連結され、その他端部が前記ダイナモメータの回転軸に連結されており、
    前記シャフトの一端部或いは前記エンジンの出力軸に対して向かい合うように相対向して配置された一対のドップラ速度計を有し、
    一対の前記ドップラ速度計は、それぞれ、前記シャフトの一端部或いは前記エンジンの出力軸にレーザ光を照射して該エンジンの出力軸の回転速度を非接触で計測し前記制御装置に送信し、
    前記制御装置は、一対の前記ドップラ速度計からそれぞれ送信されたエンジンの出力軸の回転速度から該回転速度の平均値を算出し、該回転速度の平均値を用いて前記ダイナモメータの動作を制御することを特徴とするエンジン試験装置。
  3. エンジンにシャフトを介して連結されたダイナモメータと、前記エンジン及び前記ダイナモメータの動作を制御する制御装置とを備えたエンジン試験装置であって、
    前記シャフトは、その一端部が前記エンジンの出力軸に連結され、その他端部が前記ダイナモメータの回転軸に連結されており、
    前記シャフトの一端部或いは前記エンジンの出力軸にレーザ光を照射して該エンジンの出力軸の回転速度を非接触で計測して前記制御装置に送信する第1ドップラ速度計と、
    前記エンジン本体にレーザ光を照射して該レーザ光の照射方向と垂直で且つ前記シャフトの回転方向と平行方向の該エンジン本体の振動速度を非接触で計測し前記制御装置に送信する第2ドップラ速度計とを有し、
    前記第1、第2ドップラ速度計は、同一方向にレーザ光を照射するように配置されており、
    前記制御装置は、前記第1ドップラ速度計から送信されたエンジンの回転速度から、前記第2ドップラ速度計から送信された前記エンジン本体の振動速度を減算した値を算出し、該算出した値を用いて前記ダイナモメータの動作を制御することを特徴とするエンジン試験装置。
  4. エンジンにシャフトを介して連結されたダイナモメータと、前記エンジン及び前記ダイナモメータの動作を制御する制御装置とを備えたエンジン試験装置であって、
    前記シャフトは、その一端部が前記エンジンの出力軸に連結され、その他端部が前記ダイナモメータの回転軸に連結されており、
    前記シャフトの一端部或いは前記エンジンの出力軸にレーザ光を照射して該エンジンの出力軸の回転速度を非接触で計測して前記制御装置に送信するドップラ速度計と、
    前記ドップラ速度計が計測する前記シャフトの一端部における該シャフトの回転方向の変位を非接触で計測して前記制御装置に送信する変位計とを有し、
    前記制御装置は、前記変位計から送信された回転方向の変位を微分した速度を回転ノイズとして算出し、前記第1ドップラ速度計から送信されたエンジンの出力軸の回転速度から前記回転ノイズを減算した値を算出し、該算出した値を用いて前記ダイナモメータの動作を制御することを特徴とするエンジン試験装置。
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