JP2016170051A - 捩り試験装置および捩り測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストが高くなることなく被試験体の減衰特性を測定できる捩り試験装置およびその測定方法を提供する。
【解決手段】モータ18のイナーシャM1に対して、フライホイール20のイナーシャが100倍から3333倍に設定されることで、被試験体12の他端を固定端に近似することができる。そして、被試験体12の両側に設けられている第1エンコーダ24および第2エンコーダ26によって検出される回転角θ1,θ2から被試験体12の相対捩れ角θを測定することで、1自由度での減衰特性を算出することができる。このように、第1エンコーダ24および第2エンコーダ26を用いて減衰特性を算出できるため、従来設けられていたトルク検出器をなくすことができ、その分だけコストを低減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】モータ18のイナーシャM1に対して、フライホイール20のイナーシャが100倍から3333倍に設定されることで、被試験体12の他端を固定端に近似することができる。そして、被試験体12の両側に設けられている第1エンコーダ24および第2エンコーダ26によって検出される回転角θ1,θ2から被試験体12の相対捩れ角θを測定することで、1自由度での減衰特性を算出することができる。このように、第1エンコーダ24および第2エンコーダ26を用いて減衰特性を算出できるため、従来設けられていたトルク検出器をなくすことができ、その分だけコストを低減することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、被試験体の捩り試験装置およびその測定方法に関するものである。
ドライブシャフトやプロペラシャフトなどの被試験体の減衰特性を測定するのに際して、従来の捩り試験装置では、被試験体の一端にモータ等のトルク負荷装置を取り付けて回転自在(自由端)に保持し、被試験体の他端を回転不能に固定(固定端)し、被試験体の一端側からトルクを負荷し、被試験体の他端側に設けられているトルク検出器によって検出されるトルクに基づいて被試験体の減衰特性が測定されていた。特許文献1に記載の捩り疲労試験機もその1つである。
特許文献1のような捩り試験装置では、トルク検出器によって検出されるトルクから被試験体の減衰特性を測定しているが、トルク検出器を搭載する分だけ捩り試験装置のコストが高くなる。また、トルク検出器に代わって、被試験体の自由端にロータリエンコーダを設け、このロータリエンコーダによって検出される回転角に基づいて減衰特性を測定する方法が知られている。しかしながら、このような方法であっても、1自由度以外の捩り特性が検出されたり、被試験体の固定端では装置の摩擦減衰項が生じるため、適切な捩り減衰特性を測定することが困難となる。また、被試験体の固定端を回転可能な自由端に替えただけでは、トルク負荷装置のイナーシャが特性に表れるため、周波数特性上、実際の固有値よりも算出される固有値が高くなってしまう。従って、捩り試験装置の捩り減衰特性を適切に測定することができなくなる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、トルク検出器を用いることなく被試験体の減衰特性を測定できる捩り試験装置およびその測定方法を提供することにある。
上記目的を達成するための、第1発明の要旨とするところは、(a)被試験体の一端に接続されて前記被試験体を回転させるモータと、前記被試験体の一端の回転角を検出する第1ロータリエンコーダとを、含んで構成される捩り試験装置であって、(b)前記被試験体の他端の回転角を検出する第2ロータリエンコーダと、(c)前記被試験体の他端に接続され、前記モータからのトルクによって回転させられる負荷部材と、を備え、(d)前記負荷部材のイナーシャは、前記モータのイナーシャの100倍から該モータによって前記負荷部材が回転可能な範囲に設定されていることを特徴とする。
このように、モータのイナーシャに対して、負荷部材のイナーシャを100倍よりも大きくすることによって固定端とした場合の固有振動数との差は0.5%となる。一般に、固有振動数が0.5%の範囲内であれば、実質的な違いがないことが実験的に解析されている。そのため、被試験体の他端が自由端であっても固有振動数は固定端とほぼ同じといえる。これにより、被試験体の他端を固定端として近似することができる。そのため、被試験体の両側に設けられている第1ロータリエンコーダおよび第2ロータリエンコーダによって検出される回転角から被試験体の相対捩れ角を測定することで、1自由度での減衰特性を測定することができる。このように、第1ロータリエンコーダおよび第2ロータリエンコーダを用いて減衰特性を測定できるため、従来設けられていたトルク検出器をなくすことができ、その分だけコストを低減することができる。
また、第2発明の要旨とするところは、第1発明の捩り試験装置において、前記負荷部材を回転させる第1トルク信号を前記モータに入力し、その負荷部材を回転させた状態で、ステップ信号である第2トルク信号を前記モータに入力したときの前記被試験体の相対捩れ角を、前記第1ロータリエンコーダおよび前記第2ロータリエンコーダによって検出される回転角から算出し、前記相対捩れ角から前記被試験体の減衰特性を算出することを特徴とする。このように、第1トルク信号によって被試験体および負荷部材を回転させ、被試験体および負荷部材が回転した状態でステップ信号である第2トルク信号を入力し、このときの相対捩れ角を、第1ロータリエンコーダおよび第2ロータリエンコーダによって検出される回転角から算出する。これにより、負荷部材を回転させた状態で試験するため、装置の摩擦減衰項による減衰振動への影響が排除された自由端としての特性を備えながら、負荷部材の固有振動数が固定端とほぼ同値であるため、被試験体の減衰特性を1自由度モデルとして算出することできる。
また、上記目的を達成するための第3発明の要旨とするところは、(a)被試験体の一端に接続されて前記被試験体を回転させるモータと、前記被試験体の一端の回転角を検出する第1ロータリエンコーダとを、含んで構成される捩り試験装置の測定方法であって、(b)前記被試験体の他端の回転角を検出する第2ロータリエンコーダと、前記被試験体の他端に接続され、前記モータからのトルクによって回転させられる負荷部材とを、設け、(c)前記負荷部材のイナーシャは、前記モータのイナーシャの100倍から該モータによって前記負荷部材が回転可能な範囲に設定され、(d)前記負荷部材を回転させる第1トルク信号を前記モータに入力し、(e)該負荷部材を回転させた状態で、ステップ信号である第2トルク信号を前記モータに入力したときの前記被試験体の相対捩れ角を、前記第1ロータリエンコーダおよび前記第2ロータリエンコーダによって検出される回転角から算出し、(e)前記相対捩れ角から前記被試験体の減衰特性を算出することを特徴とする。
このように、モータのイナーシャに対して、負荷部材のイナーシャを100倍よりも大きくすることによって固定端とした場合の固有振動数との差は0.5%となる。一般に、固有振動数が0.5%の範囲内であれば、実質的な違いがないことが実験的に解析されている。そのため、被試験体の他端が自由端であっても固有振動数はほぼ固定端といえる。従って、被試験体の他端を固定端として近似することができる。そして、第1トルク信号によって被試験体および負荷部材を回転させ、被試験体および負荷部材が回転した状態でステップ信号である第2トルク信号を入力し、このときの相対捩れ角を、第1ロータリエンコーダおよび第2ロータリエンコーダによって検出される回転角から算出する。このように、負荷部材を回転させた状態で試験するため、装置の摩擦減衰項による減衰振動への影響が排除された自由端としての特性を備えながら、負荷部材の固有振動数が固定端とほぼ同値であるため、被試験体の減衰特性を1自由度モデルとして算出することができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された捩り試験装置10を概略的に示す構成図である。捩り試験装置10は、例えばドライブシャフトやプロペラシャフトをはじめとする回転部材である被試験体12にトルクを付与し、そのときの相対的な捩り角を測定することで、被試験体の減衰特性を測定する装置である。
捩り試験装置10は、被試験体12の軸方向の一端を一体的に回転可能に保持する第1保持部14と、被試験体の軸方向の他端を一体的に回転可能に保持する第2保持部16と、第1保持部14に接続されているモータ18と、第2保持部16に接続されているフライホイール20と、モータ18の出力軸22に設けられてその出力軸22の回転角を検出する第1ロータリエンコーダ24と、フライホイール20の軸方向において第2保持部16に対して背面側(反対側)に設けられフライホイール20の回転角を検出する第2ロータリエンコーダ26とを、含んで構成されている。なお、フライホイール20が、本発明の負荷部材に対応している。
モータ18の出力軸22が、第1保持部14に相対回転不能に接続されており、第1保持部14がモータ18の出力軸22とともに一体的に回転させられる。これらモータ18の出力軸22、第1保持部14、および第1保持部14の被試験体12を保持する部位は、被試験体12と比べて十分に高い剛性となるように設計されている。従って、モータ18によってトルクが負荷されても、出力軸22から第1保持部14の被試験体12を保持する部位の間で発生する捩れは、被試験体12の捩れと比べて微小となる。これに関連して、出力軸22、第1保持部14、および被試験体12の一端は、一体的に回転することから、出力軸22の外周側に設けられている第1ロータリエンコーダ24は、実質的に被試験体12の一端の回転角を検出する。
被試験体12の軸方向の他端が、第2保持部16に対して相対回転不能に保持される。また、第2保持部16は、回転可能に支持されており、被試験体12の他端は回転可能な自由端となっている。また、第2保持部16とフライホイール20とは相対回転不能に接続されている。これら第2保持部16の被試験体12の他端を保持する部位、第2保持部16、およびフライホイール20は、被試験体12と比べて十分に高い剛性となるように設計されている。従って、モータ18側からトルクが伝達されても、被試験体12の他端からフライホイール20の間で発生する捩れは、被試験体12の捩れと比べて微小となる。これに関連して、被試験体12の他端、第2保持部16、およびフライホイール20は、一体的に回転することから、フライホイール20の回転角を検出する第2ロータリエンコーダ26は、実質的に被試験体12の他端の回転角を検出する。
本実施例では、モータ18のイナーシャM1(慣性質量、慣性モーメント)は、比較的小さな値(低慣性)に設定されている。また、フライホイール20のイナーシャM2は、被試験体12の他端を固定端と見なせる程度の大きさ、具体的には、モータ18のイナーシャの100倍以上に設定される。また、フライホイール20のイナーシャの上限値は、モータ18によってフライホイール20を回転可能な範囲に設定される。好ましくは、フライホイール20のイナーシャは、モータ18のイナーシャM1(出力軸22を含む)の100倍〜3333倍の値に設定される。このように設定されると、フライホイール20のイナーシャM2が、モータ18のイナーシャM1に比べて十分に大きくなるため、フライホイール20が設けられている被試験体12の他端を実質的に固定端と見なすことができる。従って、捩り試験装置10を、図2に示すような1自由度モデルと見なすことができる。具体的には、モータ18およびフライホイール20が、捩れ剛性K、摩擦減衰項H、および粘性減衰項Cからなる弾性体に連結されていると見なすことができる。本実施例の捩り試験機10にあっては、フライホイール20のイナーシャM2が20kgm2、モータ18のイナーシャM1が0.03kgm2に設定されている。
なお、フライホイール20のイナーシャM2の上限値を、モータ18のイナーシャM1の3333倍を上限としたのは、モータ18の定格トルク(100Nm)を考慮して、フライホイール20を回転させることができる範囲としたためである。これについては後ほど説明する。
上記のように構成される捩り試験装置10による被試験体12の減衰特性の測定方法について説明する。先ず、図1に示すように、捩り試験装置10に被試験体12の両端を固定した状態で、モータ18にフライホイール20を回転させる第1トルクTm1を発生させる第1トルク信号を入力し、フライホイール20および被試験体12を所定回転で回転させる。モータ18の回転が安定すると、その第1トルクTm1よりも大きい第2トルクTm2を発生させるステップ信号である第2トルク信号をモータ18に入力する。また、モータ18からトルクが出力されている間は、第1ロータリエンコーダ24および第2ロータリエンコーダ26によって被試験体12の両端の回転角を随時検出しており、第1ロータリエンコーダ24によって検出される回転角θ1および第2ロータリエンコーダ26によって検出される回転角θ2の差分から相対捩れ角θ(=θ1-θ2)を随時算出する。なお、モータ18のトルクは、モータ18への負荷電流から換算される。
図3に、第1トルクTm1が出力されている状態から第2トルクTm2がステップ的に出力されたときの相対捩れ角θの測定結果を示す。モータ18から第1トルクTm1として20Nm出力され、被試験体12およびフライホイール20が回転している状態で、t1時点において第2トルクTm2(100Nm)をステップ的に出力すると、被試験体12に捩り減衰振動が発生する。ここで、捩り試験装置10にあっては、フライホイール20側が固定端と見なせるため、フライホイール20を回転させた状態で試験することによって擬似的な1自由度減衰振動と見なすことができる。図3に示すように、減衰項(摩擦減衰項H、粘性減衰項C)が寄与するため、捩り振動が時間とともに減衰している。
図3において、隣り合う振幅の極値を測定し、一番左側に位置する相対捩れ角振幅(以下、捩れ角振幅)をA1とし、左から2つ目の捩れ角振幅をA2とし、左からn番目の捩れ角振幅をAnとして測定する。さらに、測定された各捩れ角振幅An(n=1,2,3・・・)について、横軸を捩れ角振幅An+1(n=1,2,3・・・)、縦軸を捩れ角振幅An(n=1,2,3・・・)としたグラフを作成すると、図4に示すような勾配がtanθ、切片がιの直線式で表される。ここで、θおよびιは、公知である下式(1)、式(2)で示されることが知られている。なお、式(1)、(2)において、ζは粘性減衰比を示し、Hは摩擦減衰項を示している。従って、図4からθおよびιを測定すると、式(1)、式(2)から摩擦減衰項Hおよび粘性減衰比ζが求められる。
θ=tan-1eX・・・(1)
ι=2H(eX+1)・・・(2)
(但し、X=πζ/(1-ζ2)1/2)
θ=tan-1eX・・・(1)
ι=2H(eX+1)・・・(2)
(但し、X=πζ/(1-ζ2)1/2)
また、粘性減衰比ζと粘性減衰項Cとは、下式(3)で示されることから、式(3)から粘性減衰項Cが求められる。なお、式(3)において、Kは捩れ剛性を示しており、予め求められる値である。
ζ=C/2(M1K)1/2・・・(3)
ζ=C/2(M1K)1/2・・・(3)
図5に、捩り試験装置10による測定方法をフローチャートで示す。先ず、ステップS1では、被試験体12の両端を第1保持部14および第2保持部16に固定した状態から、モータ18に第1トルクTm1を発生させる第1トルク信号を入力することで、被試験体12およびフライホイール20を所定の回転速度で回転させる。回転が安定すると、ステップS2において、第2トルクTm2を発生させるステップ信号である第2トルク信号をモータ18に入力する。ステップS3では、S2と並行して第1ロータリエンコーダ24および第2ロータリエンコーダ26を用いて相対捩れ角θおよび相対捩れ振幅An(n=1,2,3・・)を測定する。ステップS4では、S3で測定された相対捩れ振幅Anから図4で示した相対捩れ振幅An,An+1のグラフを作成する。ステップS5では、S4で作成したグラフ(図4)から、θ、ιを測定し、さらに上述した式(1)〜式(3)を用いて摩擦減衰項Hおよび粘性減衰項Cを算出する。
図6は、本実施例の捩り試験装置10の特性を概念的に示している。図6の実線は、本実施例の周波数とゲインの関係を示し、破線が自由端での周波数とゲインの関係を示し、一点鎖線が固定端での周波数とゲインの関係を示している。図6に示すように、自由端の方が固定端に比べて高いゲインGが得られる。これに対して本実施例の捩り試験装置10では、固定端と見なすことができるフライホイール20を有することで、固定端の固有振動数を得つつ、測定の際には予め第1トルクTm1でフライホイール20を回転させることで自由端と同じ高いゲインGを得ることができる。
以下に、フライホイール20のイナーシャM2を、モータ18のイナーシャM1の100倍以上にすることで、固定端と見なせることができる理由を説明する。固定端にバネを介してマスが連結されている場合(固定端)、マスのイナーシャをI1とすると、固有振動数ω1は下式(4)で表される。また、2つのマスがバネで連結されている場合(自由端)、一方のマスのイナーシャをI1、他方のマスのイナーシャをI2とすると、固有振動数ω2は、下式(5)で表される。ここで、イナーシャI2がイナーシャI1の100倍(I2=100×I1)であった場合には、式(5)が下式(6)となる。式(6)より、一方のマスのイナーシャをI2を他方のマスのイナーシャI1の100倍にすれば、固定端との差は0.5%となり固有振動数がほぼ等しい(ω1≒ω2)とみなすことができる。本実施例では、フライホイール20のイナーシャM2が20kgm2、モータ18のイナーシャM1が0.03kgm2に設定されていることから、具体的に固有振動数を算出するとその差は0.08%となり実質的に固定端とみなすことができる。
ω1=(K/I1)1/2・・・(4)
ω2=(K(I1+I2)/I1×I2)1/2・・・(5)
ω2=1.005×(K/I1)1/2=1.005×ω1・・・(6)
ω1=(K/I1)1/2・・・(4)
ω2=(K(I1+I2)/I1×I2)1/2・・・(5)
ω2=1.005×(K/I1)1/2=1.005×ω1・・・(6)
また、本実施例のモータ18の定格トルクを100Nmとすると、この定格トルクを使えばフライホール20の重量の5倍のフライホイールを回すことができる。フライホイール20の直径が1000mmであり、イナーシャM2が20kgm2ことから、直径が同径と考えると、モータ18は、イナーシャが100kgm2まで回すことができる。また、モータ18のイナーシャM1は0.03kgm2であることから、モータ18において適用可能なフライホイールの最小値は、3kgm2(=0.03×100)なる。すなわち、本実施例のモータ18(定格トルク100Nm、イナーシャ0.03kgm2)で使用可能なフライホイール20のイナーシャは、3〜100kgm2の範囲となる。これをモータ18のイナーシャM1の倍率で表すと、適用可能なフライホイール20のイナーシャは、モータ18のイナーシャM1の100倍から3333倍の範囲となる。
また、捩り試験装置10を予め回転させることで、捩り試験装置10が有する摩擦減衰項による減衰振動への影響が排除される(なお、捩り試験装置10の摩擦減衰の大半は、フライホイール20を支持するベアリングによるものと考えられる。)。下式(7)は、外力が作用しないときのよく知られた運動方程式を示している。式(7)において、fが被試験体12の摩擦力を示し、Fが捩り試験装置10の摩擦力を示している。固定端の場合、ステップトルクに対する固定の捩れ角を中心にして振動するため、絶対速度V(=相対速度v)は、必ず正負が切り替わるため、減衰振動として表れる。これに対して、自由端の場合、絶対速度Vを相対速度vよりも大きく(V+v>0)すれば、正負が切り替わることもなくなるため、捩り試験装置10の摩擦力Fが減衰振動に影響しない。従って、捩り試験装置10を予め回転させることで、捩り試験装置10が有する摩擦減衰項による減衰振動への影響が排除され、捩り試験装置10は高い測定精度が得られる。
Ia+Cv+Kx+(v/abs(v))f+(V+v)/abs(V+v))F=0・・・(7)
Ia+Cv+Kx+(v/abs(v))f+(V+v)/abs(V+v))F=0・・・(7)
上述のように、本実施例によれば、モータ18のイナーシャM1に対して、フライホイール20のイナーシャM2を100倍よりも大きくすることによって固定端とした場合の固有振動数との差は0.5%となる。一般に、固有振動数が0.5%の範囲内であれば、実質的な違いがないことが実験的に解析されている。そのため、被試験体12の他端が自由端であっても固有振動数は固定端とほぼ同じといえる。これにより、被試験体12の他端を固定端として近似することができる。そのため、被試験体の両側に設けられている第1ロータリエンコーダ24および第2ロータリエンコーダ26によって検出される回転角θ1,θ2から被試験体12の相対捩れ角θを測定することで、1自由度での減衰特性を測定することができる。このように、第1ロータリエンコーダ24および第2ロータリエンコーダ26を用いて減衰特性を測定できるため、従来設けられていたトルク検出器をなくすことができ、その分だけコストを低減することができる。
また、本実施例によれば、第1トルク信号によって被試験体12およびフライホイール20を回転させ、被試験体12およびフライホイール20が回転した状態でステップ信号である第2トルク信号を入力し、このときの相対捩れ角を、第1ロータリエンコーダ24および第2ロータリエンコーダ26によって検出される回転角θ1,θ2から算出する。これにより、フライホイール20を回転させた状態で試験するため、捩り試験装置10の摩擦減衰項による減衰振動への影響が排除された自由端としての特性を備えながら、フライホイール20の固有振動数が固定端とほぼ同値であるため、被試験体12の減衰特性を1自由度モデルとして算出することできる。
また、本実施例によれば、フライホイール20のイナーシャM2が、モータ18のイナーシャM1の100倍から3333倍の範囲に設定されることで、被試験体12の他端側を固定端と見なすことができる。また、フライホイール20のイナーシャM2の上限をモータ18のイナーシャの3333倍とすることで、実用的なモータの範囲でフライホイール20を回転させることが可能となる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述実施例では、モータ18のイナーシャM1が0.03kgm2、フライホイール20のイナーシャM2が20kgm2に設定されているが、これは一例であって、フライホイールのイナーシャM2が、モータのイナーシャM1の100倍からモータによって回転可能な範囲であれば適宜変更することができる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:捩り試験装置
12:被試験体
18:モータ
20:フライホイール(負荷部材)
24:第1ロータリエンコーダ
26:第2ロータリエンコーダ
12:被試験体
18:モータ
20:フライホイール(負荷部材)
24:第1ロータリエンコーダ
26:第2ロータリエンコーダ
Claims (3)
- 被試験体の一端に接続されて前記被試験体を回転させるモータと、前記被試験体の一端の回転角を検出する第1ロータリエンコーダとを、含んで構成される捩り試験装置であって、
前記被試験体の他端の回転角を検出する第2ロータリエンコーダと、
前記被試験体の他端に接続され、前記モータからのトルクによって回転させられる負荷部材と、を備え、
前記負荷部材のイナーシャは、前記モータのイナーシャの100倍から該モータによって前記負荷部材が回転可能な範囲に設定されている
ことを特徴とする捩り試験装置。 - 前記負荷部材を回転させる第1トルク信号を前記モータに入力し、
該負荷部材を回転させた状態で、ステップ信号である第2トルク信号を前記モータに入力したときの前記被試験体の相対捩れ角を、前記第1ロータリエンコーダおよび前記第2ロータリエンコーダによって検出される回転角から算出し、
前記相対捩れ角から前記被試験体の減衰特性を算出する
ことを特徴とする請求項1の捩り試験装置。 - 被試験体の一端に接続されて前記被試験体を回転させるモータと、前記被試験体の一端の回転角を検出する第1ロータリエンコーダとを、含んで構成される捩り試験装置の測定方法であって、
前記被試験体の他端の回転角を検出する第2ロータリエンコーダと、前記被試験体の他端に接続され、前記モータからのトルクによって回転させられる負荷部材とを、設け、
前記負荷部材のイナーシャは、前記モータのイナーシャの100倍から該モータによって前記負荷部材が回転可能な範囲に設定され、
前記負荷部材を回転させる第1トルク信号を前記モータに入力し、
該負荷部材を回転させた状態で、ステップ信号である第2トルク信号を前記モータに入力したときの前記被試験体の相対捩れ角を、前記第1ロータリエンコーダおよび前記第2ロータリエンコーダによって検出される回転角から算出し、
前記相対捩れ角から前記被試験体の減衰特性を算出する
ことを特徴とする捩り試験装置の測定方法。
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CN107063897A (zh) * | 2017-03-20 | 2017-08-18 | 苏州拓博机械设备有限公司 | 一种纵列式电线扭转试验柜机 |
CN107941631A (zh) * | 2018-01-08 | 2018-04-20 | 国家电网公司 | 一种绝缘梯扭力试验装置及其使用方法 |
KR101954825B1 (ko) * | 2018-07-31 | 2019-06-11 | 목포대학교산학협력단 | 사다리 가로대의 비틀림 성능 평가방법 |
CN115235776A (zh) * | 2022-06-30 | 2022-10-25 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种板簧减振器轴系扭振监测方法、装置及系统 |
JP7376399B2 (ja) | 2020-03-18 | 2023-11-08 | 株式会社エクセディ | ねじり試験機 |
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2015
- 2015-03-12 JP JP2015050096A patent/JP2016170051A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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