JP5546303B2 - 動バランス計測装置 - Google Patents
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Description
このダイナミックバランサは、タイヤを回転させたときの不釣合い力を検出する装置であり、タイヤを支持するタイヤ軸に、タイヤを取り付けるリムと荷重検出装置と従動プーリが備えられ、回転軸がタイヤ軸と平行になるように配備された回転駆動装置に駆動プーリが備えられている。荷重検出装置は、ロードセルを有しており、タイヤが回転したときに発生するアンバランス荷重と回転位相を検出するものである。
バランス計測時は、荷重検出装置が、このように回転させたタイヤのアンバランス荷重を検出し、この検出データをもとに不釣合い力の回転ベクトルを数値化する。
しかし、駆動ベルトの張力は、温度変化や摩耗により変化する。駆動ベルトの張力が変化すると、分力T1y及びT2yも変化するので、測定データの補正に誤差が生じる。さらには、駆動ベルトの張力が変化すれば、タイヤ軸を支持するベアリングの回転摩擦も変化するので、その回転摩擦のトルク変動に起因する荷重検出装置の誤差成分も変化してしまう。
すなわち、本発明に係る動バランス計測装置は、動バランス測定が行われるタイヤが取り付けられるタイヤ回転軸と、前記タイヤ回転軸に平行に配備された駆動軸を有する回転駆動装置と、前記回転駆動装置の駆動軸に備えられた駆動プーリと駆動プーリとは異径であってタイヤ回転軸に備えられた従動プーリとに巻回された駆動ベルトと、前記タイヤ回転軸に加わる荷重を検出する荷重検出器と、を有する動バランス計測装置において、前記荷重検出器の荷重検出方向に対して垂直方向に前記駆動ベルトが前記従動プーリから巻き出される及び前記従動プーリに巻き入れられるように、前記従動プーリ巻入側の駆動ベルトに押圧される調整プーリと前記従動プーリ巻出側の駆動ベルトに押圧される調整プーリとを備え、さらに、前記2つの調整プーリを支持する一の支持部材と、前記支持部材を、前記荷重検出方向に対して垂直方向に所定の押圧力で押圧することで、前記支持部材に支持される2つの調整プーリを、前記荷重検出方向に対して垂直方向に駆動ベルトに押圧する弾性押圧手段と、を備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係る動バランス計測装置は、前記弾性押圧手段の振動を減衰させるダンパ手段を有していてもよい。
加えて、本発明に係る動バランス計測装置は、前記弾性押圧手段が、駆動ベルトの巻入方向及び巻出方向が互いに平行となるように、巻入方向及び巻出方向のうちいずれか一方に向かって走行する前記駆動ベルトに前記調整プーリを押圧してもよい。
また、本発明に係る動バランス計測装置は、前記従動プーリ巻入側の駆動ベルトに押圧される調整プーリと前記従動プーリ巻出側の駆動ベルトに押圧される調整プーリとを支持する一の支持部材が備えられ、該支持部材には、当該支持部材を介して調整プーリを所定の押圧力で駆動ベルトに付勢する弾性押圧手段が備えられていてもよい。
なお、本発明に係る動バランス計測装置の最も好ましいものは、動バランス測定が行われるタイヤが取り付けられるタイヤ回転軸と、前記タイヤ回転軸に平行に配備された駆動軸を有する回転駆動装置と、前記回転駆動装置の駆動軸に備えられた駆動プーリと駆動プーリとは異径であってタイヤ回転軸に備えられた従動プーリとに巻回された駆動ベルトと、前記タイヤ回転軸に加わる荷重を検出する荷重検出器と、を有する動バランス計測装置において、前記荷重検出器の荷重検出方向に対して垂直方向に前記駆動ベルトが前記従動プーリから巻き出される及び前記従動プーリに巻き入れられるように、当該駆動ベルトへ押圧される調整プーリが備えられていることを特徴とする。
[第1実施形態]
本発明の動バランス計測装置1aは、動バランス測定が行われるタイヤ2が取り付けられるタイヤ回転軸3と、このタイヤ回転軸3を回転自在に支持するハウジング4を有している。さらに、動バランス計測装置1aは、タイヤ回転軸3に平行に配備された駆動軸5を有すると共にタイヤ回転軸3に駆動力を与える回転駆動装置6と、この回転駆動装置6の駆動力をタイヤ回転軸3に伝える駆動ベルト7と、タイヤ2の動バランスを計測する荷重検出器8を有している。
図1に示すように、タイヤ回転軸3は、軸心が紙面上下方向を向くように配備され、上下開放となっている略円筒状のハウジング4に支持されている。
このタイヤ回転軸3は、ハウジング4の上端よりも上方に突出しており、その上端側に図示しないタイヤリムが設けられ、このタイヤリムに計測対象であるタイヤ2が装着される。また、タイヤ回転軸3は、ハウジング4の下端よりも下方に突出しており、タイヤ回転軸3の下部突出側に、回転駆動力を受ける従動プーリ10が取り付けられると共に、回転計測器11が取り付けられている。
回転駆動装置6は、タイヤ回転軸3に対して平行に配備された駆動軸5を有するモータ21と、駆動軸5の先端に取り付けられた駆動プーリ12とを備えている。
ところで、動バランス計測装置1aは、タイヤ2の動バランスを計測するものであり、そのために幾つかの計測手段を備えている。
計測手段の1つとして、動バランス計測装置1aは、タイヤ回転軸の回転数(すなわち計測対象であるタイヤの回転数)などを検出する回転計測器11を有する。
加えて、動バランス計測装置1aは、計測手段として荷重検出器8を有している。荷重検出器8は、タイヤ回転軸3からハウジング4に伝わるタイヤのアンバランス荷重を検出するユニットであり、例えばロードセル等で構成されている。荷重検出器8は、ハウジング4とベースフレームの間に設けられている。
回転計測器11や荷重検出器8からの出力(計測結果)は、動バランス計測装置1aに備えられた演算制御部15に伝えられる。演算制御部15は、入力された計測結果より、タイヤ2のアンバランス荷重や動特性を算出すると共に、モータ21の制御等も同時に行う。
そのため、本実施形態の動バランス計測装置1aには、駆動ベルト7に押圧されて駆動ベルト7の張力を調整すると共に、駆動ベルト7の走行方向を調整する調整プーリ9aが設けられている。
図2は、動バランス計測装置1aにおける駆動プーリ12、従動プーリ10、及び張力安定化機構の配置を、図1の上側から見たときの図であり、図2の紙面上下方向は、図1の紙面垂直方向と一致する。
弾性押圧手段16aは、例えばバネ等の弾性部材で構成され、調整プーリ9aを付勢するためのものである。弾性押圧手段16aの一端は、調整プーリ9aを支持する支持枠18aに取り付けられており、他端は、ベースフレームに取り付けられている。
なお、調整プーリを支持している支持枠は、図示しないリニアガイド19aを介してベースフレームに取り付けられている。このリニアガイド19aは、支持枠18aを摺動可能な状態で支持するものである。さらにリニアガイド19aは、弾性押圧手段16aで付勢された支持枠18aすなわち調整プーリ9aの移動方向が、駆動プーリ12及び従動プーリ10が配備される平面上で、従動プーリ10と駆動プーリ12のほぼ中央の位置に向かうように、且つ従動プーリ10から巻出された駆動ベルト7の走行方向(巻出方向)に対して略垂直方向となるように導くものである。
例えば、回転駆動装置6を動作させて、動バランス計測装置1aの運転を開始する。調整プーリ9aを駆動ベルト7に向かって移動させ、弾性押圧手段16aの弾性力によって、支持枠18aを介して調整プーリ9aが駆動ベルト7に押圧される状態とする。
こうすることで、駆動軸5の軸中心とタイヤ回転軸3の軸中心を結ぶ直線に対して垂直方向に働く誤差成分となる荷重(ベルト張力の分力)を一定の大きさにして保つことができる。この根拠は、以下の通りである。
2T1cosθ=F
となる。θの変化は小さいと考えると、駆動ベルト7の張力T1は、ほぼ押圧力Fで決まるといえる。
尚、弾性押圧手段16aの弾性部材として、例えば、コンスタントハンガを用いることができる。コンスタントハンガは、支持対象の変位を弾性的に許容すると共に、変位量にかかわらず一定の支持力を発揮するものである。このコンスタントハンガをベースフレームと支持枠18aに取り付けて、その後に当該コンスタントハンガに予圧を加えると、支持枠18aは、上述のようにリニアガイド19a上で摺動し、一定の力で調整プーリ9aを駆動ベルト7に押圧することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による動バランス計測装置1bについて説明する。
図3を参照して、本実施形態による動バランス計測装置1bにおける、駆動プーリ12、従動プーリ10、及び調整プーリ9bの配置について説明する。図3は、動バランス計測装置1bにおける駆動プーリ12、従動プーリ10、及びベルト角調整機構の配置及び配置を示す上面図である。図3の紙面上下方向は、図1の紙面垂直方向と一致し、荷重検出器8がアンバランス荷重を検出する方向(荷重検出方向)である。
ベルト角調整機構は、第1実施形態における荷重安定化機構と同様の構成を有している。ベルト角調整機構の弾性押圧手段16bとダンパ手段17bは、駆動ベルト7で囲まれた範囲における駆動プーリ12と従動プーリ10との間で、図3に示すように駆動ベルト7の巻出側寄りの位置でベースフレームに取り付けられる。
本実施形態では、上述の位置に駆動プーリ12と調整プーリ9を配置することにより、従動プーリ10の巻入側と巻出側のベルト角度(駆動ベルト7の巻入方向と巻出方向)を、荷重検出方向に対して垂直にする。駆動ベルト7の巻入方向及び巻出方向を、ともに荷重検出方向に対して垂直となるようにすれば、「発明が解決しようとする課題」で述べたような、駆動ベルト7の張力のy方向の分力T1y及びT2yは、発生しない。
2Tcos2θ=F
となる。必要な張力Tを満足するための押し付け力Fは、第1実施形態で示した図2の構成よりもcosθの比率分だけ小さくなり、小さな押し付け力Fで済む。
[第3実施形態]
図4を参照し、本発明の第3実施形態による動バランス計測装置1cについて説明する。図4は、本実施形態における動バランス計測装置1cにおける駆動プーリ12、従動プーリ10、及びベルト角調整機構の配置の上面図である。本実施形態では、第2実施形態で示したベルト角調整機構を2つ用いて、駆動ベルト7の巻出方向及び巻入方向を荷重検出方向に対して垂直となるように調整する。図4の紙面上下方向は、図1の紙面垂直方向と一致し、荷重検出器8がアンバランス荷重を検出する方向(荷重検出方向)である。
このような駆動プーリ12及び従動プーリ10の配置に対して、第2実施形態と同様に、駆動ベルト7の巻出方向が荷重検出方向に対して垂直となるように、駆動ベルト7の巻出側に一方のベルト角調整機構を配置する。
このように、2つのベルト角調整機構を用いて、駆動ベルト7の巻入方向と巻出方向を、ともに荷重検出方向に対して垂直となるようにすれば、第2実施形態と同じく、「発明が解決しようとする課題」で述べたような、駆動ベルト7の張力のy方向の分力T1y及びT2yは、発生しない。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による動バランス計測装置1dについて説明する。
図5(b)に示すように、リニアガイド19c及び19dは、荷重検出方向に垂直な方向に沿ってベースフレーム上に設けられている。このリニアガイド19c及び19dは、支持部材20の下面を摺動可能な状態で支持する。支持部材20は、駆動ベルト7の下側で、図5(b)に示すように、駆動ベルト7で囲まれた範囲にほぼ含まれる位置に配備されている。支持部材20は、このリニアガイド19c及び19dによって、荷重検出方向に対して垂直な方向に移動可能となっている。
このような構成によって、駆動ベルト7が従動プーリ10に巻き入れられる方向(巻入方向)と、駆動ベルト7が従動プーリ10に巻き入れられる方向(巻入方向)とが、荷重検出器8の荷重検出方向に対して垂直となる。
さらに、調整プーリ9c及び9dの移動方向が、荷重検出方向に対して垂直であるため、従動プーリ10のベルト角度(駆動ベルト7の巻入方向と巻出方向)を常に、荷重検出方向に対して垂直に保つことができる。
2 タイヤ
3 タイヤ回転軸
4 ハウジング
5 駆動軸
6 回転駆動装置
7 駆動ベルト
8 荷重検出器
9a〜9d 調整プーリ
10 従動プーリ
11 回転計測器
12 駆動プーリ
13 エンコーダ
14 基準角検出器
15 演算制御部
16a〜16c 弾性押圧部
17a〜17c ダンパ手段
18a〜18b 支持枠
19a〜19d リニアガイド
20 支持部材
21 モータ
Claims (2)
- 動バランス測定が行われるタイヤが取り付けられるタイヤ回転軸と、前記タイヤ回転軸に平行に配備された駆動軸を有する回転駆動装置と、前記回転駆動装置の駆動軸に備えられた駆動プーリと駆動プーリとは異径であってタイヤ回転軸に備えられた従動プーリとに巻回された駆動ベルトと、前記タイヤ回転軸に加わる荷重を検出する荷重検出器と、を有する動バランス計測装置において、
前記荷重検出器の荷重検出方向に対して垂直方向に前記駆動ベルトが前記従動プーリから巻き出される及び前記従動プーリに巻き入れられるように、前記従動プーリ巻入側の駆動ベルトに押圧される調整プーリと前記従動プーリ巻出側の駆動ベルトに押圧される調整プーリとを備え、さらに、
前記2つの調整プーリを支持する一の支持部材と、
前記支持部材を、前記荷重検出方向に対して垂直方向に所定の押圧力で押圧することで、前記支持部材に支持される2つの調整プーリを、前記荷重検出方向に対して垂直方向に駆動ベルトに押圧する弾性押圧手段と、を備えることを特徴とする動バランス計測装置。 - 前記支持部材には、前記弾性押圧手段の振動を減衰させるダンパ手段が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の動バランス計測装置。
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