JP2000104088A - 加硫ゴム成形体圧入液 - Google Patents

加硫ゴム成形体圧入液

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JP2000104088A
JP2000104088A JP10275288A JP27528898A JP2000104088A JP 2000104088 A JP2000104088 A JP 2000104088A JP 10275288 A JP10275288 A JP 10275288A JP 27528898 A JP27528898 A JP 27528898A JP 2000104088 A JP2000104088 A JP 2000104088A
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vulcanized rubber
press
liquid
adhesive
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JP10275288A
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Satomi Watanabe
悟美 渡辺
Hiroshi Yokoi
宏 横井
Hideyuki Imai
英幸 今井
Masaki Naito
正樹 内藤
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Lubricants (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液剤調製後のポットライフが長く、しかも、
塗布作業性が良好でさらには、所定接着力発現までの加
硫ゴムリング体の金属部材間結合力を確保できる加硫ゴ
ム成形体圧入液を提供すること。 【解決手段】 金属部材12、14間に加硫ゴム成形体
18を圧入する場合に使用する加硫ゴム成形体圧入液。
プロセスオイルとウレタン系接着剤とを必須成分とす
る。ウレタン系接着剤が湿気硬化型であるとともに、プ
ロセスオイルがパラフィン系である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属部材間に加硫
ゴム成形体を圧入一体化する際に使用する加硫ゴム成形
体圧入液及び当該圧入液を使用して製造する金属部材/
ゴム部材複合体に関する。
【0002】本発明を適用できる金属部材/ゴム部材複
合体としては、ダンパプーリ(図1〜2)、ブッシュ
(図4)やエンジンマウント(図5)等を挙げることが
できる。図例中で、18、18A、18Bはゴム部材で
あり、12、12A、12Bは第一金属部材であり、1
4、14A、14Bは第二金属部材である。
【0003】ここでは、図1〜2に示す如く、第一・第
二金属部材であるプーリ体12とハブスポーク体14と
で形成される環状空間16に、加硫ゴムリング体18
(通常、加硫ゴム帯体をリング状に丸めながら圧入して
形成する。)で一体化結合されてなるダンパプーリ20
を例に採り説明をする。
【0004】
【背景技術】上記構成のダンパプーリ20は、上記環状
空間16に、加硫ゴムリング体18となる加硫ゴム帯体
を圧入させるに際して、圧入性を担保するために、通
常、プロセスオイルを加硫ゴム帯体に塗布して対応して
いた。そして、圧入後のプーリ体12とハブスポーク体
14との加硫ゴムリング体18の結合力は、加硫ゴムリ
ング体18のへたり(圧縮永久歪み)の発生により、所
要結合力以下に低下するおそれがある。
【0005】このため、特開昭59−81396号にお
いて、プロセスオイルにウレタン系接着剤を配合した下
記構成のゴム圧入用圧入液(ゴム圧入用滑剤)が、本願
出願人と同一人から提案されている。
【0006】「プロセスオイル100重量部に対して、
低分子量ポリオレフィンポリオール、ポリイソシアナー
ト及び触媒からなりNCO/OH当量比=0.8〜1.
2のウレタン配合物を前記ポリオール量が5〜80重量
部の範囲となるように配合してなる構成のゴム圧入用滑
剤。」
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、当該ゴム圧入
用滑剤の場合、二液型であり、塗布直前に、ポリイソシ
アナート、触媒を含む低分子量ポリオール成分を添加混
合する必要がある。また、塗布後も、ウレタン系接着剤
の反応性が高く直に圧入しないと接着作用が発現してき
て、圧入作業性に悪影響を与える。この傾向はウレタン
系接着剤の配合量が増大すればする程、プロセスオイル
中の反応速度が高くなり、顕著となる。
【0008】更に、ジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ソシアナート(以下「MDI」と略す。)等の常温固体
のポリイソシアナートを用いる場合は、有機溶剤に溶解
させて配合する必要があり、昨今の有機溶剤レス化の要
請に反する。
【0009】本発明は、上記にかんがみて、液剤調製後
のポットライフが長く、しかも、塗布作業性が良好でさ
らには、所定接着力発現までの加硫ゴム成形体の金属部
材間結合力を確保できる加硫ゴム成形体圧入液を提供す
ることを目的とする。
【0010】本発明の他の目的は、圧入液の調製に際し
て有機溶剤レスで行うことができる加硫ゴム成形体圧入
液を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意開発に努力をする過程で、常温
では反応が遅い一液型接着剤(湿気硬化型接着剤)を用
いればよいことを見出して、下記構成の加硫ゴム成形体
圧入液に想到した。
【0012】金属部材間に加硫ゴム成形体を圧入する際
に使用する加硫ゴム成形体圧入液であって、プロセスオ
イルとウレタン系接着剤とを必須成分とするものにおい
て、ウレタン系接着剤が湿気硬化型接着剤であるととも
に、プロセスオイルがパラフィン系オイルであることを
特徴とする。
【0013】また、本発明の金属部材間に加硫ゴム成形
体が圧入液を介在させて圧入一体化されてなる金属部材
/ゴム部材複合体において、圧入液が、パラフィン系オ
イルと湿気硬化型接着剤とを必須成分とするものである
ことを特徴とするものである。
【0014】
【手段の詳細な説明】A.本発明の加硫ゴム成形体圧入
液は、金属部材間に加硫ゴム成形体を圧入する際に使用
するものである。
【0015】ここで、金属部材間とは、ダンパプーリ2
0の場合、プーリ体12とハブスポーク体14で形成さ
れる環状空間16となる。また、加硫ゴム成形体は、加
硫ゴム帯体を丸めた加硫ゴムリング体18であり、該加
硫ゴムリング体18の圧縮代は、通常10〜40%、望
ましくは25〜35%とする。圧縮代が小さ過ぎると、
金属部材間に十分な結合力を得難く、圧縮代は大き過ぎ
ると、ダンパ(エネルギー吸収)特性に悪影響を与える
おそれがある。
【0016】また、加硫ゴム成形体の成形材料となるゴ
ムとしては、従来から使用されてきたNR/SBR、S
BR、塩素化IIR、NBR、水添NBR等のゴム(N
BRを除いて非極性ゴム)(特開平62−297557
号公報参照)も使用できるが、EPDM、EPM等のエ
チレンプロピレン系ゴム(非極性ゴム)が耐熱性、耐候
性の観点から望ましい。なお、これらのゴムポリマー
は、金属部材に対する接着性の観点から、水酸基(O
H)、カルボキシル基(COOH)、メルカプト基(S
H)を、適宜導入したものも使用可能である。
【0017】また、加硫ゴム成形体の成形材料となるゴ
ムとして、アクリル系ゴムの内、相対的にSP値が低く
ダンパ特性も良好なアクリル酸エステルエチレン共重合
ゴム(AEM)も本発明の加硫ゴム成形体の材料として
使用可能である。
【0018】そして、本発明の圧入液は、プロセスオイ
ルとウレタン系接着剤とを必須成分とするものであっ
て、ウレタン系接着剤が湿気硬化型接着剤であるととも
に、プロセスオイルがパラフィン系オイルであることを
特徴的要件とする。
【0019】(1) ここで、ウレタン系接着剤として湿気
硬化型接着剤(一液型接着剤)を使用することにより、
二液型に比して液調製後のポットライフが長くなる、即
ち、液安定性が増大する。
【0020】そして、湿気硬化型接着剤は、当初接着力
がほとんど発現されず、加硫ゴム成形体18と第一・第
二金属部材12、14との界面に滑性塗膜を形成するこ
とで、両者間の摩擦抵抗を大幅に低減させるものと推定
される。
【0021】上記湿気硬化型接着剤としては、特公昭6
3−15294号公報に記載されている一液型ウレタン
樹脂が、有機溶剤レスタイプであり好適に使用できる。
【0022】具体的には、湿気硬化型接着剤が、(A)
末端に水酸基を備えた液状ジエン系重合体、(B)少な
くとも1個の二級炭素と結合した水酸基を含有する分子
量50〜500のポリオールおよび(C)有機ポリイソ
シアナート化合物を、エステル系可塑剤存在下に反応さ
せて製造されてなるものとする。
【0023】上記(A)末端に水酸基を備えた液状ジエ
ン系重合体とは、水酸基を1.7〜3.0個/ mol導入
した、数平均分子量300〜25000の液状ジエン共
重合体を意味し、通常、1,4結合が50%以上のもの
を使用する。これらの範囲においては接着層が柔軟性を
備え、ダンパ作用時の接着性を確保し易いためである。
具体的なジエン共重合体としては、ブタジエンホモポリ
マー、イソプレンホモポリマー、ブタジエン−スチレン
コポリマー、ブタジエン−イソプレンコポリマー、ブタ
ジエン−アクリロニトリルコポリマー、ブタジエン−2
−エチルヘキシルアクリレートコポリマー、ブタジエン
−n−オクタデシルアクリレートコポリマー等を挙げる
ことができる。
【0024】また、上記(B)少なくとも1個の二級炭
素と結合した水酸基を含有する分子量50〜500のポ
リオールとしては、1,2−プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,
3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2
−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジール、、2,
5−ヘキサンジオール、、2,4−ヘキサンジオー
ル、、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジオール、グリセリン、N,N−ビス−2−ヒ
ドロキシプロピルアニリン、N,N′−ビスヒドロキシ
イソプロピル−2−メチルピペラジン、ビスフェノール
Aのエチレンオコサイド付加体を挙げることができる。
通常、二級炭素に結合した水酸基が2個のジオールを使
用する。
【0025】上記有機ポリイソシアナート化合物として
は、例えば、トリレンジイソシアナート、MDI、粗M
DI、MDIの液状変性物、ヘキサメチレンジイソシア
ナート、キシレンジイソシアナート、シクロヘキサンフ
ェニレンジイソシアナート、クロロフェニレンジイソシ
アナート、ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、キ
シリレン−2,2′−ジイソシアナート、イソプロプル
ベンゼン−2,4−ジイソシアナート、ポリメチレンポ
リフェニルイソシアナート、トリフェニルメタン−4,
4′,4′′−トリイソシアナート、イソホロンジイソ
シアナート、ポリプロピレングリコール又はトリオール
とのトリレンジイソシアナート付加反応物、トリメチロ
ールプロパン1 molとトリレンジイソシアナート3 mol
との反応生成物等を挙げることができる。これらの内
で、反応性の高いMDI系のものが望ましい。
【0026】上記エステル系可塑剤としては、本発明で
は、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート(以下「DOP」と略す。)、ジ−n−オクチル
フタレート等のフタル酸エステル系、ジオクチルアジペ
ート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート等
の直鎖二塩基酸エステル系、更には、トリ−2−エチル
ヘキシルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェー
ト等のリン酸エステル系のものを挙げることができる。
【0027】そして、上記において、ポリオール成分が
(A)末端に水酸基を備えた数平均分子量500〜10
000の液状ブタジエン系重合体を主体とし(B)少な
くとも1個の二級炭素と結合した水酸基を含有する分子
量50〜500のアニリン系ポリオールを含むポリオー
ル成分に対してMDIを、フタル酸エステル系可塑剤存
在下に反応させて調製したイソシアナートプレポリマー
からなるものとすることが好ましい。
【0028】ここで、液状ブタジエン系重合体を主体と
するのは、形成される接着層に柔軟性を付与し易いため
である。また、アニリン系ポリオールを使用するのは、
接着層の凝集破壊強度を向上させるためである。
【0029】なお、配合比(重量比)は、通常、液状ジ
エン系重合体/アニリン系ポリオール=95/5〜80
/20とする。また、NCO含量は、3〜10wt%とす
る。
【0030】また、エステル系可塑剤の配合量は、湿気
硬化型接着剤中、5〜70wt%、望ましくは20〜50
wt%とする。該エステル系可塑剤の配合量が過多である
と、塗布後、該可塑剤が加硫ゴム成形体に移行して、加
硫ゴム物性に悪影響を与えるおそれがある。
【0031】(2) 上記プロセスオイルとしてパラフィン
系オイルを使用することにより、接着剤の安定性(可使
時間:ポットライフ)を増大させることができる。ま
た、適正な圧入荷重及び良好な塗布作業性が得られるよ
うな粘度に調整できるとともに、圧入後、ウレタン系接
着剤の硬化による所定接着力発現までの間の、加硫ゴム
リング体の金属部材間結合力を確保できる。
【0032】ポットライフが長くなる理由は、パラフィ
ン系オイルで接着剤を希釈する結果となり、接着剤の保
存時(常温放置時)の反応性が低下するためと推定され
る。
【0033】また、本圧入液の圧入荷重が、接着剤原液
に比して大きくなる理由は、パラフィン系オイルをウレ
タン系接着剤に配合することにより、圧入液の粘度が相
対的に低下して加硫ゴム成形体及び/又は金属部材上の
滑性塗膜形成能が低下するためと推定される。
【0034】さらに、パラフィン系オイルを選択するこ
とにより、該パラフィン系オイルは、加硫ゴム成形体と
の相溶性が良好であって、徐徐に加硫ゴム成形体に移行
吸収される。このため、パラフィン系オイルが塗膜とし
て残存しても、該パラフィン系オイルは最終的に接着作
用をほとんど阻害しない。なお、パラフィン系オイルと
加硫ゴム成形体との相溶性が良好なのは、加硫ゴム成形
体は一般に非極性ゴム又は極性ゴムでも相対的に溶解性
パラメータ(SP)値の低いもの(通常、SP値9.5
未満)を使用し、パラフィン系オイルのSP値(6.8
〜8)との差が小さい(通常、3未満、望ましくは2.
5未満、さらに望ましくは2未満)ものを使用するため
である。ちなみに各ゴムのSP値は、天然ゴム:8.1
3、NR:8.71〜10.39、BR:8.40、S
BR:8.45、IIR:7.85、アクリルゴム(A
M、ANM):9.5である(日本接着協会編「接着ハ
ンドブック(第2版)」日刊工業新聞社(昭55−11
−10)p.632 参照)。なお、AEMはアクリル酸エス
テルに対するコモノマーが、ANMのように極性コモノ
マー(アクリロニトリル)でなく非極性コモノマー(エ
チレン)であるため、AEMのSP値はANMのそれよ
り低い(即ち、9.5未満)と推定される。
【0035】このとき、パラフィン系オイルの配合比
は、湿気硬化型接着剤100重量部に対して10〜30
0重量部、望ましくは、80〜150重量部とする。
【0036】パラフィン系オイルの配合量が過少では、
圧入液の粘度低下が小さくて、所定以上の圧入力を確保
し難く、圧入後接着力発現前に加硫ゴム成形体が抜ける
おそれがある。他方、パラフィン系オイルの配合量が過
多であると、所定の接着性を確保し難いとともに、接着
剤/プロセスオイル液分離が発生し易い。
【0037】その理由は、プロセスオイルの配合比が小
さい内は、分子量の小さいプロセスオイルは分子量の大
きな湿気硬化型接着剤であるプレポリマーの間に侵入し
て粘度低下(可塑化)に寄与するが、プロセスオイルの
配合比が大きすぎると、プレポリマーがプロセスオイル
を吸収しきれず、プロセスオイルを保持したプレポリマ
ー相と残りのプロセスオイル相とが、相分離するものと
推定される。
【0038】B.上記圧入液を使用してダンパプーリ2
0の製造は、即ち、金属部材間に加加硫ゴム成形体が圧
入液を介在させて圧入一体化されてなる金属部材/ゴム
部材複合体の製造は下記の如く行う。
【0039】ここでは、加硫ゴム成形体として、加硫ゴ
ム帯体を使用する場合を例に取るが、当初から加硫ゴム
リング体(無端)に成形したものを圧入する場合にも、
勿論、本発明は適用できる。
【0040】加硫ゴムリング体18となる加硫ゴム帯体
の両面に圧入液を塗布し、直ちに、該加硫ゴム帯体を、
金属部材であるプーリ体12とハブスポーク体14とで
形成される環状空間16に丸めながら圧入する。このと
き、圧入液の塗布により、加硫ゴム帯体の両面には、滑
性塗膜が形成されているため、圧入荷重は小さくなる。
なお、加硫ゴム帯体に圧入液を塗布する代わりに、又
は、塗布するとともに、プーリ体12内周面及びハブス
ポーク体14外周面の双方又は一方に塗布してもよい。
【0041】このとき、圧入液は所定の圧入荷重を確保
できるようにプロセスオイル量で調整されているので、
圧入後、接着力発現までの加硫ゴムリング体18の金属
部材間(プーリ体12/ハブスポーク体14間)結合力
を確保できる。そして、該滑性塗膜中のパラフィン系オ
イルは加硫ゴム帯体(加硫ゴムリング体)18側に吸収
され、湿気硬化形接着剤が、空気中の湿気により徐徐に
粘度が上昇するとともに金属面に対する付着性も増大す
る。
【0042】さらに、上記ダンパプーリ組み立て体を加
熱処理することにより湿気硬化形接着剤は、完全に硬化
して本来の所定接着力を確保できる。加熱処理の条件
は、60〜180℃×24h〜30min とする。なお、
ダンパプーリ組み付け時までの保管期間が長い場合は、
当該加熱処理は必然的ではない。
【0043】
【試験例】以下に、本発明の効果を確認するために、比
較例とともに実施例について行った試験例について説明
をする。以下の説明で、配合量を示す「部」は「重量
部」を意味する。
【0044】(1) 表1に示す各配合比で、下記仕様の接
着剤とプロセスオイルとを混合して各実施例、比較例の
圧入液を調製した。
【0045】 接着剤組成:ブタジエン系ポリオール 100部 アニリン系ポリオール 8.2部 DOP 92部 MDI 60部 の反応生成物(フリーNCO含量5wt%、DOP含量3
5wt%) プロセスオイル:パラフィン系オイル、粘度20cSt 各圧入液について、下記方法で、(a) 相溶性、(b) 粘度
及び(c) 放置安定性を目視判定した。
【0046】(a) 相溶性:接着剤とプロセスオイルとを
混合して相溶するか否かを目視判定した。 ○…相溶す
る、Χ…分離する。
【0047】(b) 粘度:B形粘度計で測定した。
【0048】(c) 放置安定性:各圧入液を放置して、粘
度がB形粘度計で15000(塗布作業可能な限界粘
度)になるまでの日数を測定した。
【0049】(2) 次に、上記圧入液を使用しての加硫ゴ
ム成形体に対する(d) 塗布作業性、(e) 圧入荷重、及び
(f) 接着性について、下記の方法にしたがって試験を行
った。
【0050】まず、下記処方のEPDM配合物を混練
後、矩形加硫ゴム成形体(10mm×10mm×5mmt)、
加硫ゴム帯体(長さ315mm×幅20mm×厚み5.4m
m)を圧縮加硫成形(170℃×20分)してそれぞれ
所要数調製した。
【0051】EPDM配合処方 EPDM* 100部 ステアリン酸 1部 亜鉛華 5部 FEFブラック 80部 パラフィン系オイル 60部 パーオキサイド 6部 老化防止剤 2部 *)エチレン含量54wt%、第三成分(エチリデンノル
ボルネン)10.6wt%、粘度(ML1+4 100℃)1
00 (d) 塗布作業性 上記矩形加硫ゴム成形体に対して、上面刷毛、下面ロー
ラ塗布してそれらの塗膜状態について目視観察をした。
判定基準は、下記の通りとした。
【0052】 ○:刷毛・ローラともに均一塗布可 △:刷毛・ローラともに塗布厚さにムラ発生 (e) 圧入荷重:上記加硫ゴムリング体となる加硫ゴム帯
体を図1に示すようなダンパプーリの環状空間(内径9
7mm×外径104mm×深さ厚み31mm)に圧入(圧縮代
35%)して、そのときの圧入荷重を測定した。
【0053】なお、このとき、圧入荷重12kN未満で
は、圧入後接着力発現前に加硫ゴム成形体が抜けるおそ
れがある。
【0054】(f) 接着性:矩形鉄板(35mm×25mm×
3.2mmt)の間に、上記矩形加硫ゴム成形体を25%
圧縮挟持した状態で、160℃×60分の条件で加熱処
理し、空冷したものについて、引張り接着強度をJIS K
6301に準じて測定した。
【0055】なお、接着性(接着力)の目標値は、1.
5MPa、望ましくは2MPaである。
【0056】(3) 上記各試験結果を表1に示す。本発明
の各実施例は、圧入液の相溶性、安定性に優れ、また、
圧入荷重も所定以上を示し、かつ、接着力も所定値を満
足することが分かる。
【0057】
【表1】
【0058】なお、圧入液におけるプロセスオイルの相
違による接着性の違い確認するために、湿気硬化形接着
剤/プロセスオイル=40/60の混合比の圧入液にお
いて、プロセスオイルをパラフィン系とナフテン系とし
て、上記(f) の試験方法に準じて接着性試験を行った。
その結果は、前者:1.80MPa、後者:0.8MP
aと、パラフィン系の方がナフテン系に比して格段に接
着力が大きく、湿気硬化型接着剤の接着性を阻害し難い
ことが分かる。
【0059】
【発明の効果】本発明の加硫ゴム成形体圧入液は、上記
の如く、プロセスオイルとウレタン系接着剤とを必須成
分とするものにおいて、ウレタン系接着剤が湿気硬化型
接着剤であるとともに、金属部材と加硫ゴム成形体との
間の滑性塗膜形成作用を有し、しかも、プロセスオイル
がパラフィン系オイルである構成により、従来例に比し
て、液剤調製後のポットライフが長く、しかも、塗布作
業性が良好でさらには、所定接着力発現までの加硫ゴム
成形体の金属部材間結合力を確保できる。また、従来技
術の如く、イソシアナート成分を溶解させるために有機
溶剤を使用する必要がなく、有機溶剤レスで圧入液の調
製を行うことができる。
【0060】他方、本発明の金属部材/ゴム部材複合体
は、加硫ゴム成形体及び/又は金属部材が、圧入液で処
理されているものにおいて、該圧入液として、パラフィ
ン系オイルと湿気硬化型接着剤とを必須成分とするもの
を使用することにより、金属部材/ゴム部材複合体を容
易に製造できるとともに、加硫ゴム成形体圧入後、接着
力発現までの加硫ゴム成形体の摺り移動が発生せず、更
には、試験例で示す如く、金属部材とゴム部材(加硫ゴ
ム成形体)との間の強力な接着力(結合力)を確保でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するダンパプーリの一例を示す正
面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】加硫ゴム成形体の圧入態様を示す説明用端面図
【図4】本発明を適用できる他の例であるブッシュの断
面図
【図5】同じく更に他の例であるエンジンマウントの断
面図
【符号の説明】
12 プーリ本体(第一金属部材) 12A、12B 第一金属部材 14 ハブスポーク体(第二金属部材) 14A、14B 第二金属部材 16 環状空間 18、18A、18B 加硫ゴムリング体(加硫ゴム成
形体) 20 ダンパプーリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 101:02 109:02) B29K 21:00 B29L 9:00 C10N 30:00 40:08 70:00 (72)発明者 今井 英幸 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 内藤 正樹 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 Fターム(参考) 4F211 AA24 AA42 AA45 AA46 AA47 AA49 AB07 AB19 AD03 AD05 AG03 AH17 TA03 TA14 TC23 TD11 TD20 TN47 TN52 TN53 TN54 TN58 TN63 4H104 BA02A BB04R BB33C BE04R BE16R CE13A DA02A QA12 RA01 4J040 EF051 EF052 EF131 EF132 EF191 EF251 HB32 HB34 HD24 JB04 KA31 LA01 LA05 MA02 MA12 NA12 QA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属部材間に加硫ゴム成形体を圧入する
    際に使用する加硫ゴム成形体圧入液であって、 プロセスオイルとウレタン系接着剤とを必須成分とする
    ものにおいて、 前記ウレタン系接着剤が湿気硬化型(以下「湿気硬化型
    接着剤」という。)であるとともに、 前記プロセスオイルがパラフィン系(以下「パラフィン
    系オイル」という。)であることを特徴とする加硫ゴム
    成形体圧入液。
  2. 【請求項2】 前記湿気硬化型接着剤が、(A)末端に
    水酸基を備えた液状ジエン系重合体、(B)少なくとも
    1個の二級炭素と結合した水酸基を含有する分子量50
    〜500のポリオールおよび(C)有機ポリイソシアナ
    ート化合物を、エステル系可塑剤存在下に反応させて製
    造されてなるものであることを特徴とする請求項1記載
    の加硫ゴム成形体圧入液。
  3. 【請求項3】 前記湿気硬化型接着剤がエステル系可塑
    剤を35wt%含有する場合において、前記湿気硬化型接
    着剤100重量部に対する前記パラフィン系オイルの配
    合量が10〜300重量部であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の加硫ゴム成形体圧入液。
  4. 【請求項4】 前記湿気硬化型接着剤100重量部に対
    する前記パラフィン系オイルの配合量が80〜150重
    量部であることを特徴とする請求項3記載の加硫ゴム成
    形体圧入液。
  5. 【請求項5】 金属部材間に加硫ゴム成形体が圧入液を
    介在させて圧入一体化されてなる金属部材/ゴム部材複
    合体において、該圧入液が、パラフィン系オイルと湿気
    硬化型接着剤とを必須成分とするものであることを特徴
    とする金属部材/ゴム部材複合体。
  6. 【請求項6】 前記湿気硬化型接着剤が、(A)末端に
    水酸基を備えた液状ジエン系重合体、(B)少なくとも
    1個の二級炭素と結合した水酸基を含有する分子量50
    〜500のポリオールおよび(C)有機ポリイソシアナ
    ート化合物を、エステル系可塑剤存在下に反応させて製
    造されてなるものであることを特徴とする請求項5記載
    の金属部材/ゴム部材複合体。
  7. 【請求項7】 前記湿気硬化型接着剤がエステル系可塑
    剤を35wt%含有する場合において、前記湿気硬化型接
    着剤100重量部に対する前記パラフィン系オイルの配
    合量が10〜300重量部であることを特徴とする請求
    項5又は6記載の金属部材/ゴム部材複合体。
  8. 【請求項8】 前記湿気硬化型接着剤100重量部に対
    する前記パラフィン系オイルが80〜150重量部であ
    ることを特徴とする請求項7記載の金属部材/ゴム部材
    複合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018199782A (ja) * 2017-05-26 2018-12-20 Nokクリューバー株式会社 潤滑剤組成物
CN110257148A (zh) * 2019-06-25 2019-09-20 青岛建邦供应链股份有限公司 压装液组合物和提高曲轴皮带轮减震性的方法

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