JP2000103736A - 血管透過性亢進抑制剤 - Google Patents

血管透過性亢進抑制剤

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JP2000103736A
JP2000103736A JP11216479A JP21647999A JP2000103736A JP 2000103736 A JP2000103736 A JP 2000103736A JP 11216479 A JP11216479 A JP 11216479A JP 21647999 A JP21647999 A JP 21647999A JP 2000103736 A JP2000103736 A JP 2000103736A
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JP11216479A
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English (en)
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Tetsuji Imamoto
哲治 今本
Yasutaka Nagisa
渚  康貴
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外傷性の脳血管障害、脳内出血、脳浮腫などの
予防または治療に有用な血管透過性亢進抑制剤を提供す
る。 【解決手段】カルシウム拮抗作用を有するジヒドロピリ
ジン誘導体またはその塩を含有する血管透過性亢進抑制
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシウム拮抗作
用を有するジヒドロピリジン誘導体またはその塩を含有
することを特徴とする血管透過性亢進抑制剤および後述
の式(I)で表されるジヒドロピリジン誘導体またはそ
の塩を含有することを特徴とする血管透過性亢進抑制
剤、とりわけ5'−メチルチオアデノシン(MTA)の
血管透過性亢進作用が介在する疾患(例えば、外傷性の
脳血管障害、脳浮腫、脳内出血(特に脳内出血の再発な
ど)、偏頭痛など)の予防または治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】脳血管障害により出現する病態として脳
卒中があり、脳卒中には脳浮腫、脳内出血、脳梗塞、一
過性虚血発作、クモ膜下出血などがあり、それぞれに多
くの原因疾患がある。脳血管障害急性期に発生する脳浮
腫は、頭部外傷による場合を含み、大脳が損傷されるこ
とによって血液脳関門が乱され、脳組織の体液成分が増
加して脳の体積が増大する現象であり、一般的にステロ
イド剤の短期間大量投与や、マンニトール、グリセリン
などの高張液の静注などの薬物療法が行われている。一
方、現在までに数多くのカルシウム拮抗作用を有するジ
ヒドロピリジン誘導体が合成され、その血圧降下作用あ
るいは血管拡張作用に基づいて、高血圧症、虚血性心疾
患、脳・末梢の循環障害などの予防・治療剤として有用
であることが知られている(特開昭58−201765
号など)。さらに、EP−A−526866には、5'
−メチルチオアデノシン(MTA)などの5'−アルキ
ルチオアデノシンが虚血の治療に用いることができると
の記載があり、ウサギの心虚血モデルによる実験結果が
記載されている。また、特開平8−48631号には、
脳卒中自然発症ラット(SHRSP)から抽出されたM
TAが強力な血管透過性亢進作用を示すこと、そしてM
TAに化学構造が類似するアデノシン誘導体がMTAの
血管透過性亢進作用を選択的に抑制することが報告され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、脳浮腫の治療剤
として用いられているステロイド剤は、消化管出血、電
解質代謝異常、糖代謝異常、感染症などの合併などの副
作用があり、高張液の投与においても、投与を中止する
と再び脳圧が上昇するなどの現象が起こるので、最近は
あまり用いられていない。また、脳内出血の薬物療法は
対症療法であり、脳内出血の再発を予防できる効果的な
薬物がないのが現状である。また、アデノシン誘導体を
含有する脳浮腫、脳内出血及び脳梗塞の予防・治療剤も
提案されている(特開平8−48631)が、臨床上さ
らに効果的な脳浮腫及び脳内出血の予防・治療剤の開発
が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような事情に鑑み、鋭意検討した結果、カルシウム拮抗
作用を有するジヒドロピリジン誘導体またはその塩が、
予想外にも、5'−メチルチオアデノシンの血管透過性
亢進作用を強力に抑制すること、そして脳浮腫、脳内出
血の予防及び治療に安全に用い得ることを見い出し、こ
れらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、 (1)カルシウム拮抗作用を有するジヒドロピリジン誘
導体またはその塩を含有することを特徴とする血管透過
性亢進抑制剤; (2)式(I)
【化2】 〔式中、Aは置換されていてもよい芳香環基を示し、R
1は水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または
置換されていてもよいアミノ基を示し、R2は置換され
ていてもよい炭化水素基を示し、R3及びR4はそれぞれ
アシル基を示す。〕で表されるジヒドロピリジン誘導体
またはその塩を含有することを特徴とする血管透過性亢
進抑制剤; (3)5'−メチルチオアデノシン(MTA)の血管透
過性亢進作用を抑制する前記(1)または(2)記載の
抑制剤; (4)外傷性の脳血管障害の予防または治療剤である前
記(1)または(2)記載の抑制剤; (5)脳内出血の予防または治療剤である前記(1)ま
たは(2)記載の抑制剤; (6)脳浮腫の予防または治療剤である前記(1)また
は(2)記載の抑制剤; (7)ジヒドロピリジン誘導体がマニジピンまたはその
塩である前記(1)または(2)記載の抑制剤; (8)ジヒドロピリジン誘導体が塩酸マニジピンである
前記(1)または(2)記載の抑制剤;などに関する。
【0006】本発明に用いられるカルシウム拮抗作用を
有するジヒドロピリジン誘導体またはその塩の具体例と
しては、例えば、ヨーロッパ特許89167号、ヨーロ
ッパ特許63365号、特開昭60−233058号、
特開昭54−103876号、WO89/07433
号、、特開昭61−254596号、、ヨーロッパ特許
7293号、アメリカ特許4258042号、特開昭5
9−161392号、ドイツ特許2949491号、イ
ギリス特許2164336号、ヨーロッパ特許1530
16号、特開昭58−201765号、ベルギー特許8
45104号、特開昭54−109384号、ベルギー
特許811324号、アメリカ特許3485847号、
特開昭61−85362号、南アフリカ特許68/14
84号、特開昭55−62065号、ドイツ特許211
7571号、特開昭52−59161号、ドイツ特許2
117571号、スペイン特許531033号、特開昭
61−57556号、特開昭54−122280号、ド
イツ特許3248548号などに記載されている化合物
などが挙げられるが、より好ましい具体例としては、ア
ムロジピン(Amlodipine;ヨーロッパ特許89167号
参照)、アラニジピン(Aranidipine)、アゼルニジピ
ン(Azelnidipine)、バルニジピン(Barnidipine)、
ベニジピン(Benidipine;ヨーロッパ特許63365号
参照)、シルニジピン(Cilnidipine;特開昭60−2
33058号参照)、クレビジピン(Clevidipine)、
クロニジピン(Cronidipine)、ダロジピン(Darodipin
e;特開昭54−103876号参照)、デクスニグル
ジピン(Dexniguldipine;WO89/07433号参
照)、ジペルジピン(Diperdipine)、エフォニジピン
(Efonidipine;特開昭61−254596号参照)、
エルゴジピン(Elgodipine)、フェロジピン(Felodipi
ne;ヨーロッパ特許7293号参照)、フロルジピン
(Flordipine;アメリカ特許4258042号参照)、
フォシジピン(Focidipine;特開昭59−161392
号参照)、フルニジピン(Furnidipine)、イガニジピ
ン(Iganidipine)、イスラジピン(Isradipine;ドイ
ツ特許2949491号参照)、ラシジピン(Lacidipi
ne;イギリス特許2164336号参照)、レミルジピ
ン(Lemildipine)、レルカニジピン(Lercanidipine;
ヨーロッパ特許153016号参照)、マニジピン(Ma
nidipine;特開昭58−201765号参照)、メスジ
ピン(Mesudipine;ベルギー特許845104号参
照)、ニカルジピン(Nicardipine;特開昭54−10
9384号,ベルギー特許811324号参照)、ニフ
ェジピン(Nifedipine;アメリカ特許3485847号
参照)、ニグルジピン(Niguldipine;特開昭61−8
5362号参照)、ニルジピン(Niludipine;南アフリ
カ特許68/1484号参照)、ニルバジピン(Nilvad
ipine;特開昭55−62065号参照)、ニモジピン
(Nimodipine;ドイツ特許2117571号参照)、ニ
ソルジピン(Nisoldipine;特開昭52−59161号
参照)、ニトレンジピン(Nitrendipine;ドイツ特許2
117571号参照)、オラジピン(Oradipine)、オ
キソジピン(Oxodipine;スペイン特許531033号
参照)、パロニジピン(Palonidipine;特開昭61−5
7556号参照)、プラニジピン(Pranidipine)、リ
オジピン(Riodipine;特開昭54−122280号参
照)、サガンジピン(Sagandipine)、ソルニジピン(S
ornidipine;ドイツ特許3248548号参照)、タル
ジピン(Taludipine)、バタニジピン(Vatanidipine)
などが挙げられ、なかでもマニジピンが好ましく用いら
れる。
【0007】また、本発明に用いられる式(I)
【化3】 〔式中、Aは置換されていてもよい芳香環基(好ましく
は置換されていてもよいアリール基、さらに好ましくは
ハロゲン原子またはニトロで置換されていてもよいフェ
ニル基)を示し、R1は水素原子、置換されていてもよ
い炭化水素基または置換されていてもよいアミノ基(好
ましくは置換されていてもよいC1-4アルキル基、さら
に好ましくはメチル基)を示し、R2は置換されていて
もよい炭化水素基(好ましくは置換されていてもよいC
1-4アルキル基、さらに好ましくはメチル基)を示し、
3及びR4はそれぞれアシル基(好ましくはエステル化
されたカルボキシル基、さらに好ましくは置換されてい
てもよいC1-4アルコキシ−カルボニル基、最も好まし
くは置換されていてもよいアミノ基および置換されてい
てもよいC1-4アルコキシ基から選ばれた置換基を有し
ていてもよいC1-4アルコキシ−カルボニル基;R3とし
て最も好ましくはC1-4アルコキシ−カルボニル基)を
示す。〕で表されるジヒドロピリジン誘導体の具体例と
しては、アムロジピン(Amlodipine;ヨーロッパ特許8
9167号参照)、アラニジピン(Aranidipine)、ア
ゼルニジピン(Azelnidipine)、バルニジピン(Barnid
ipine)、ベニジピン(Benidipine;ヨーロッパ特許6
3365号参照)、シルニジピン(Cilnidipine;特開
昭60−233058号参照)、クレビジピン(Clevid
ipine)、クロニジピン(Cronidipine)、ダロジピン
(Darodipine;特開昭54−103876号参照)、デ
クスニグルジピン(Dexniguldipine;WO89/074
33号参照)、ジペルジピン(Diperdipine)、エフォ
ニジピン(Efonidipine;特開昭61−254596号
参照)、エルゴジピン(Elgodipine)、フェロジピン
(Felodipine;ヨーロッパ特許7293号参照)、フロ
ルジピン(Flordipine;アメリカ特許4258042号
参照)、フォシジピン(Focidipine;特開昭59−16
1392号参照)、フルニジピン(Furnidipine)、イ
ガニジピン(Iganidipine)、イスラジピン(Isradipin
e;ドイツ特許2949491号参照)、ラシジピン(L
acidipine;イギリス特許2164336号参照)、レ
ミルジピン(Lemildipine)、レルカニジピン(Lercani
dipine;ヨーロッパ特許153016号参照)、マニジ
ピン(Manidipine;特開昭58−201765号参
照)、メスジピン(Mesudipine;ベルギー特許8451
04号参照)、ニカルジピン(Nicardipine;特開昭5
4−109384号,ベルギー特許811324号参
照)、ニフェジピン(Nifedipine;アメリカ特許348
5847号参照)、ニグルジピン(Niguldipine;特開
昭61−85362号参照)、ニルジピン(Niludipin
e;南アフリカ特許68/1484号参照)、ニルバジ
ピン(Nilvadipine;特開昭55−62065号参
照)、ニモジピン(Nimodipine;ドイツ特許21175
71号参照)、ニソルジピン(Nisoldipine;特開昭5
2−59161号参照)、ニトレンジピン(Nitrendipi
ne;ドイツ特許2117571号参照)、オラジピン
(Oradipine)、オキソジピン(Oxodipine;スペイン特
許531033号参照)、パロニジピン(Palonidipin
e;特開昭61−57556号参照)、プラニジピン(P
ranidipine)、リオジピン(Riodipine;特開昭54−
122280号参照)、サガンジピン(Sagandipin
e)、ソルニジピン(Sornidipine;ドイツ特許3248
548号参照)、タルジピン(Taludipine)、バタニジ
ピン(Vatanidipine)、MRS1097(J. Med. Che
m., 39, 2980 (1996)参照)などが挙げられるが、なか
でもマニジピンが好ましく用いられる。本発明に用いら
れるカルシウム拮抗作用を有するジヒドロピリジン誘導
体またはその塩および前記式(I)で表されるジヒドロ
ピリジン誘導体またはその塩としては、マニジピンまた
はその塩が好ましく、なかでも塩酸マニジピンが好まし
く用いられる。
【0008】上記式(I)において、Aは置換されてい
てもよい芳香環基を示す。Aで示される「置換されてい
てもよい芳香環基」における「芳香環基」としては、C
6-10アリール基(例えばフェニル、ナフチル等、好まし
くはフェニル)、5ないし6員の芳香族複素環基などが
挙げられる。上記「5ないし6員の芳香族複素環基」の
芳香族複素環としては、例えば、環系を構成する原子
(環原子)として、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子等
から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1な
いし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし3
個、さらに好ましくは1ないし2個)含む芳香族複素環
等が挙げられる。かかる「芳香族複素環」としては、例
えばフラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イ
ソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダ
ゾール、ピラゾール、1,2,3−オキサジアゾール、
1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾ
ール、フラザン、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4
−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,
3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ピリジ
ン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン
等)などの5ないし6員の芳香族複素環などが挙げられ
る。なかでも、6員の芳香族複素環が好ましく、とりわ
けピリジン環、ピリダジン環、ピロール環、ピラゾール
環(好ましくはピリジン環)などの窒素原子を1ないし
2個含む5ないし6員の含窒素芳香族複素環など)など
が好ましく用いられる。
【0009】上記したAで示される「置換されていても
よい芳香環基」は、置換可能な位置に、例えば(1) (a)
ヒドロキシ、(b)アミノ、(c)モノ−またはジ−C1-6
ルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロ
ピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロ
ピルアミノ等)、(d)C1-6アルコキシ(例、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イ
ソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘ
キシルオキシ等)、(e)C1-6アルコキシ−カルボニ
ル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プ
ロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブト
キシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブト
キシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ヘキシル
オキシカルボニル等)および(f)ハロゲン(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等)等から選ばれた置換基1な
いし4個で置換されていてもよいC1-6アルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル等)、(2) (a)ヒドロ
キシ、(b)アミノ、(c)モノ−またはジ−C1-6アルキル
アミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルア
ミノ等)、(d)C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブト
キシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキシルオキ
シ等)、(e)C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニ
ル、tert−ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル等)および(f)ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等)等から選ばれた置換基1ないし4個で置
換されていてもよいC2-6アルケニル基(例、ビニル
等)、(3)1ないし2個のハロゲン化していてもよいC
1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル等)で
置換されていてもよいアミノ基、(4)ハロゲン化してい
てもよいC1-7アシルアミノ基(例、ホルミルアミノ、
アセチルアミノ、プロピオニルアミノ等のC1-6アルカ
ノイルアミノ、ベンゾイアミノル等)、(5)ヒドロキシ
基、(6)カルボキシル基、(7)ニトロ基、(8)シアノ基、
(9)ハロゲン化していてもよいC1-6アルコキシ基(例、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキ
シ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ等)、
(10)ハロゲン化していてもよいC1-6アルキルチオ基
(例、メチルチオ、エチルチオ等)、(11)ハロゲン化し
ていてもよいC1-6アルキル−カルボニルオキシ基
(例、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ等)、(12)
ハロゲン化していてもよいC1-7アシル基(例、ホルミ
ル、アセチル、プロピオニル等のC1-6アルカノイル、
ベンゾイル等)、(13)ハロゲン化していてもよいC1-6
アルコキシ−カルボニル基(例えばメトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソ
プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブト
キシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブ
トキシカルボニル等)、及び(14)ハロゲン原子(例えば
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)等から選ばれた1な
いし5個(好ましくは1ないし2個)の置換基を有して
いてもよい。
【0010】また、上記したAで示される「置換されて
いてもよい芳香環基」における隣接する2個の置換基同
士が結合して環を形成していてもよく、その場合、Aで
示される「置換されていてもよい芳香環基」の具体例と
しては、例えば以下に示す環などが挙げられる。
【化4】
【化5】 上記式(I)において、Aとしては置換されていてもよ
いアリール基が好ましく、なかでもハロゲン原子または
ニトロで置換されていてもよいフェニル基が好ましく用
いられる。
【0011】上記式(I)において、R1は水素原子、
置換されていてもよい炭化水素基または置換されていて
もよいアミノ基を示し、R2は置換されていてもよい炭
化水素基を示す。上記式(I)中、R1で表される「置換
されていてもよいアミノ基」としては、例えば低級(C
1-6)アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル等)、低級(C1-6)アルコキシ
(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、ハロゲ
ノ低級(C1-6)アルキル(例えばCF3、CF3CF2、C
2F、CHF2等)、低級(C3-6)シクロアルキル(例
えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル等)、水酸基、カルバモイル、ハロゲン
原子を有していてもよいフェニル、ハロゲン原子を有し
ていてもよいフェニル−低級(C1-6)アルキル(例えば
ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、4−フ
ェニルブチル等)、フェニル、低級(C1-6)アルカノイ
ル(例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリ
ル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル等)、C3-6
シクロアルキル−カルボニル(例えばシクロプロピルカ
ルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカ
ルボニル、シクロヘキシルカルボニル等)、 ベンゾイ
ル、フェニルC2-6アルカノイル(例えばフェニルアセ
チル、フェニルプロピオニル等)、低級(C1-6)アルコ
キシ−カルボニル(例えばメトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、 プロポキシカルボニル、イソプロポキシ
カルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボ
ニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボ
ニル、ヘキシルオキシカルボニル等)、フェノキシカル
ボニル、フェニルC1-6アルコキシ−カルボニル(例え
ばベンジロキシカルボニル、フェニルエトキシカルボニ
ル等)、低級(C1-6)アルキルスルフィニル(例えばメ
チルスルフィニル、エチルスルフィニル、 プロピルスル
フィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィ
ニル、イソブチルスルフィニル、s−ブチルスルフィニ
ル、t−ブチルスルフィニル,ペンチルスルフィニル、
ヘキシルスルフィニル等)、C3-6シクロアルキルスル
フィニル(例えばシクロプロピルスルフィニル、シクロ
ブチルスルフィニル、シクロペンチルスルフィニル、シ
クロヘキシルスルフィニル等)、 フェニルスルフィニ
ル、低級(C1-6)アルキルスルホニル(例えばメチルス
ルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イ
ソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチル
スルホニル、t−ブチルスルホニル、s−ブチルスルホ
ニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル等)、
3-6シクロアルキルスルホニル(例えばシクロプロピ
ルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチ
ルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル等)、低級
(C1-6)アルコキシスルホニル(例えばメトキシスルホ
ニル、エトキシスルホニル、プロポキシスルホニル、イ
ソプロポキシスルホニル、ブトキシスルホニル、イソブ
トキシスルホニル、s−ブトキシスルホニル、t−ブト
キシスルホニル、ペンチルオキシスルホニル、ヘキシル
オキシスルホニル等)及びフェニルスルホニル等から選
ばれる1ないし2個で同一若しくは異なって置換されて
いてもよいアミノ基が挙げられる。
【0012】また、このような置換基の2個が窒素原子
と一緒になって環状アミノ基を形成する場合もあり、こ
のような環状アミノ基としては、例えばピロリジノ、ピ
ペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ等
が用いられる。さらに当該環状アミノ基は置換可能な位
置に、例えば(1) (a)ヒドロキシ、(b)アミノ、(c)モノ
−またはジ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、
ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ等)、(d)C1-6アル
コキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプ
ロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t
ert−ブトキシ、ヘキシルオキシ等)、(e)C1-6アルコ
キシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニ
ル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボ
ニル、ヘキシルオキシカルボニル等)、(f)フェニルお
よび(g)ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
等)等から選ばれた置換基1ないし4個で置換されてい
てもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロ
ピル等)、(2) (a)ヒドロキシ、(b)アミノ、(c)モノ−
またはジ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、
エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエ
チルアミノ、ジプロピルアミノ等)、(d)C1-6アルコキ
シ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert
−ブトキシ、ヘキシルオキシ等)、(e)C1-6アルコキシ
−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボ
ニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、
sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニ
ル、ヘキシルオキシカルボニル等)、(f)フェニルおよ
び(g)ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)
等から選ばれた置換基1ないし4個で置換されていても
よいC2-6アルケニル基(例、ビニル等)、(3) (a)ヒド
ロキシ、(b)アミノ、(c)モノ−またはジ−C1-6アルキ
ルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピル
アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピル
アミノ等)、(d)C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブ
トキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキシルオ
キシ等)、(e)C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカル
ボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニ
ル、tert−ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル等)、(f)ニトロおよび(g)ハロゲン(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素等)等から選ばれた置換基1ないし
4個で置換されていてもよいフェニル基、及び(4)ハロ
ゲン化していてもよいC1-7アシル基(例、ホルミル、
アセチル、プロピオニル等のC1-6アルカノイル、ベン
ゾイル等)、等から選ばれた1ないし5個(好ましくは
1ないし2個)の置換基を有していてもよい。
【0013】上記式(I)中、R1およびR2で表される
「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水
素基」としては、例えば (1)C1-10アルキル基(例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル等)、好ましくはC1-6アルキル基; (2)C2-10アルケニル基(例えばビニル、アリル、2
−メタリル、3−メタリル、2−ブテニル、3−ブテニ
ル、3−オクテニル等)、好ましくはC2-6アルケニル
基; (3)C2-10アルキニル基(例えばエチニル、2−プロ
ピニル、3−ヘキシニル、1−オクテニル等)、好まし
くはC2-6アルキニル基; (4)C3-8シクロアルキル基(例えばシクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル
等; (5)C3-8シクロアルケニル基(例えばシクロプロペ
ニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等); (6)C6-18アリール基(例えば、フェニル、トリル、
キシリル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニル、
2−インデニル、2−アントリル、フェナントリル
等)、好ましくはC6-10アリール基(例えばフェニル、
ナフチル等); (7)C7-16アラルキル基(例えば、ベンジル、1−フ
ェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロ
ピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、
ジフェニルメチル、o−,m−またはp−メチルベンジ
ル、o−,m−またはp−エチルベンジル、o−,m−
またはp−イソプロピルベンジル、o−,m−またはp
−tert−ブチルベンジル、2,3−、2,4−、2,5
−、2,6−、3,4−または3,5−ジメチルベンジ
ル、2,3,4−、3,4,5−または2,4,6−トリメチ
ルベンジル、5−イソプロピル−2−メチルベンジル、
2−イソプロピル−5−メチルベンジル、2−メチル−
5−tert−ブチルベンジル、2,4−、2,5−または
3,5−ジイソプロピルベンジル、3,5−ジ−tert−ブ
チルベンジル、1−(2−メチルフェニル)エチル、1−
(3−メチルフェニル)エチル、1−(4−メチルフェニ
ル)エチル、1−(2−イソプロピルフェニル)エチル、
1−(3−イソプロピルフェニル)エチル、1−(4−イ
ソプロピルフェニル)エチル、1−(2−tert−ブチルフ
ェニル)エチル、1−(4−tert−ブチルフェニル)エチル、1
-(2−イソプロピル−4−メチルフェニル)エチル、1
−(4−イソプロピル−2−メチルフェニル)エチル、1
−(2,4−ジメチルフェニル)エチル、1−(2,5−ジ
メチルフェニル)エチル、1−(3,5−ジメチルフェニ
ル)エチル、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エ
チル等)、好ましくはC7-12アラルキル基(例えばベン
ジル、フェネチル等のフェニル−C1-6アルキル等)等
(好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチ
ル基)が用いられる。
【0014】上記した(1)C1-10アルキル基、(2)
2-10アルケニル基、(3)C2-10アルキニル基、
(4)C3-8シクロアルキル基および(5)C3-8シクロ
アルケニル基は、それぞれ置換可能な位置に、例えば
(1) (a)ヒドロキシ、(b)アミノ、(c)モノ−またはジ−
1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミ
ノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジプロピルアミノ等)、(d)C1-6アルコキシ(例、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキ
シ、ヘキシルオキシ等)、(e)C1-6アルコキシ−カルボ
ニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブ
トキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブ
トキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ヘキシ
ルオキシカルボニル等)、および(f)ハロゲン(例、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)等から選ばれた置換基1
ないし4個で置換されていてもよいC1-6アルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル等)、(2) (a)ヒドロ
キシ、(b)アミノ、(c)モノ−またはジ−C1-6アルキル
アミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルア
ミノ等)、(d)C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブト
キシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキシルオキ
シ等)、(e)C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニ
ル、tert−ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル等)および(f)ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等)等から選ばれた置換基1ないし4個で置
換されていてもよいC2-6アルケニル基(例、ビニル
等)、(3)1ないし2個のハロゲン化していてもよいC
1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル等)で
置換されていてもよいアミノ基、(4)ハロゲン化してい
てもよいC1-7アシルアミノ基(例、ホルミルアミノ、
アセチルアミノ、プロピオニルアミノ等のC1-6アルカ
ノイルアミノ、ベンゾイアミノル等)、(5)ヒドロキシ
基、(6)カルボキシル基、(7)ニトロ基、(8)シアノ基、
(9)(a)ヒドロキシ、(b)アミノ、(c)モノ−またはジ−C
1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミ
ノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジプロピルアミノ等)、(d)C1-6アルコキシ(例、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキ
シ、ヘキシルオキシ等)、(e)C1-6アルコキシ−カルボ
ニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブ
トキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブ
トキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ヘキシ
ルオキシカルボニル等)および(f)ハロゲン(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等)等から選ばれた置換基1な
いし4個で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−
ブトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ
等)、(10)(a)ヒドロキシ、(b)アミノ、(c)モノ−また
はジ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチ
ルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチル
アミノ、ジプロピルアミノ等)、(d)C1-6アルコキシ
(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−
ブトキシ、ヘキシルオキシ等)、(e)C1-6アルコキシ−
カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、se
c−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、
ヘキシルオキシカルボニル等)および(f)ハロゲン
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)等から選ばれた
置換基1ないし4個で置換されていてもよいC1-6アル
キルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ等)、(11)ハ
ロゲン化していてもよいC1-6アルキル−カルボニルオ
キシ基(例、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ
等)、(12)ハロゲン化していてもよいC1-7アシル基
(例、ホルミル、アセチル、プロピオニル等のC1-6
ルカノイル、ベンゾイル等)、(13)ハロゲン化していて
もよいC1-6アルコキシ−カルボニル基(例えばメトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニ
ル、tert−ブトキシカルボニル等)、(14)1ないし2個
のハロゲン化していてもよいC1-6アルキル基(例、メ
チル、エチル、プロピル等)で置換されていてもよいカ
ルバモイル基、(15)1ないし2個のハロゲン化していて
もよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル等)で置換されていてもよいカルバモイルオキシ基、
(16)ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素
など)、(17)フェニル基、及び(18)オキソ基等あるいは
1で示される「置換されていてもよいアミノ基」から
選ばれた1ないし5個(好ましくは1ないし2個)の置
換基を有していてもよい。
【0015】上記した(6)アリール基および(7)ア
ラルキル基は、置換可能な位置に、例えば(1) (a)ヒド
ロキシ、(b)アミノ、(c)モノ−またはジ−C1-6アルキ
ルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピル
アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピル
アミノ等)、(d)C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブ
トキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキシ
ルオキシ等)、(e)C1-6アルコキシ−カルボニル
(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロ
ポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキ
シカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキ
シカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ヘキシルオ
キシカルボニル等)および(f)ハロゲン(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素等)等から選ばれた置換基1ないし
4個で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メ
チル、エチル、プロピル等)、(2) (a)ヒドロキシ、(b)
アミノ、(c)モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ
(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ
等)、(d)C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキシルオキシ
等)、(e)C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニ
ル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、
イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、t
ert−ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル
等)および(f)ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素等)等から選ばれた置換基1ないし4個で置換され
ていてもよいC2-6アルケニル基(例、ビニル等)、(3)
1ないし2個のハロゲン化していてもよいC1-6アルキ
ル基(例、メチル、エチル、プロピル等)で置換されて
いてもよいアミノ基、(4)ハロゲン化していてもよいC
1-7アシルアミノ基(例、ホルミルアミノ、アセチルア
ミノ、プロピオニルアミノ等のC1-6アルカノイルアミ
ノ、ベンゾイアミノル等)、(5)ヒドロキシ基、(6)カル
ボキシル基、(7)ニトロ基、(8)シアノ基、(9)ハロゲン
化していてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イ
ソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ジフル
オロメトキシ、トリフルオロメトキシ等)、(10)ハロゲ
ン化していてもよいC1-6アルキルチオ基(例、メチル
チオ、エチルチオ等)、(11)ハロゲン化していてもよい
1-6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセトキ
シ、エチルカルボニルオキシ等)、(12)ハロゲン化して
いてもよいC1-7アシル基(例、ホルミル、アセチル、
プロピオニル等のC1-6アルカノイル、ベンゾイル
等)、(13)ハロゲン化していてもよいC1-6アルコキシ
−カルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニ
ル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボ
ニル等)、及び(14)ハロゲン原子(例えばフッ素、塩
素、臭素、ヨウ素など)等から選ばれた1ないし5個
(好ましくは1ないし2個)の置換基を有していてもよ
い。R1およびR2としては、置換されていてもよいC
1-4アルキル基が好ましく、とりわけメチル基が好まし
く用いられる。
【0016】上記式(I)において、R3及びR4はそれ
ぞれアシル基を示し、当該「アシル基」としては、置換
されていてもよいカルボン酸、置換されていてもよいオ
キシカルボン酸、置換されていてもよいスルホン酸、置
換されていてもよいスルフィン酸、置換されていてもよ
いリン酸等から由来するアシル基等が挙げられ、例えば
式R6CO−、R7OCO−、R8SO2−、R9SO−、
【化6】 (式中、R5、R5'、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ
置換されていてもよい炭化水素基を示し、R5およびR
5'は互いに結合して隣接する燐原子とともに環状基を形
成していてもよい)で表される基等が挙げられる。上記
式において、R5、R5'、R6、R7、R8及びR9で示さ
れる「置換されていてもよい炭化水素基」としては、前
記したR1およびR2で表される「置換されていてもよい
炭化水素基」と同様のものが用いられる。
【0017】R5およびR5'は互いに結合して隣接する
燐原子とともに環状基を形成する場合の具体例として
は、例えば、以下の式で示される基などが挙げられる。
【化7】
【化8】
【0018】上記式(I)において、R3及びR4として
は、式−COOR7で表わされる基、すなわちエステル
化されたカルボキシル基が好ましく、なかでも置換され
ていてもよいC1-4アルコキシ−カルボニル基(C1-4
ルコキシの置換基としては、R1で示されるアルキル基
が有していてもよい置換基と同様なものが挙げられる)
が好ましい。R3及びR4としては、置換されていてもよ
いアミノ基および置換されていてもよいC1-4アルコキ
シ基から選ばれた置換基を有していてもよいC1-4アル
コキシ−カルボニル基が好ましく、なかでもC1-4アル
コキシ−カルボニル基が好ましく、R3としてはC1-4
ルコキシ−カルボニル基が最も好ましい。R3及びR4
してのC1-4アルコキシ−カルボニル基が有していても
よい置換基のうち、「置換されていてもよいアミノ基」
としては、R1で示される「置換されていてもよいアミ
ノ基」と同様なものが挙げられ、「置換されていてもよ
いC1-4アルコキシ基」としては、(a)ヒドロキシ、(b)
アミノ、(c)モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ
(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ
等)、(d)C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキシルオキシ
等)、(e)C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニ
ル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、
イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、t
ert−ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル
等)および(f)ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素等)等から選ばれた置換基1ないし4個で置換され
ていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブ
トキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ジフルオロ
メトキシ、トリフルオロメトキシ等)などが挙げられ
る。
【0019】また、R3及びR4としての「置換されてい
てもよいアミノ基を有していてもよいC1-4アルコキシ
−カルボニル基」の好ましい例としては、
【化9】 などが挙げられる。
【0020】前記式(I)で表されるジヒドロピリジン
誘導体としては、カルシウム拮抗作用を有するジヒドロ
ピリジン誘導体が好ましく用いられる。カルシウム拮抗
作用を有するジヒドロピリジン誘導体〔以下、化合物
(C)と称することがある。〕および式(I)
【化10】 〔式中、Aは置換されていてもよい芳香環基を示し、R
1は水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または
置換されていてもよいアミノ基を示し、R2は置換され
ていてもよい炭化水素基を示し、R3及びR4はそれぞれ
アシル基を示す。〕で表されるジヒドロピリジン誘導体
〔以下、化合物(I)と称することがある。また、化合
物(C)および化合物(I)を総称して、化合物(A)
と称することがある。〕の塩としては、例えば塩酸塩、
臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸
塩、例えば酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、フマル酸
塩、マレイン酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスル
ホン酸塩等の有機酸塩、例えばナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等の金属塩、例えば
トリエチルアミン塩、グアニジン塩、アンモニウム塩、
ヒドラジン塩、キニーネ塩、シンコニン塩等の塩基との
塩等の薬学的に許容され得る塩が挙げられる。また、化
合物(A)は水和物及び非水和物の何れであってもよ
い。また、化合物(A)がコンフィグレーション・アイ
ソマー(配置異性体)、ジアステレオーマー、コンフォ
ーマーなどとして存在する場合には、所望により、自体
公知の分離、精製手段でそれぞれを単離することができ
る。また、化合物(A)が不斉炭素に基づく光学異性を
有する場合、個々の不斉炭素について、R体及びS体又
はそれらの混合物で存在し得る。これらは、通常の光学
分割手段により、個々のR体、S体に分離することがで
き、各々の光学活性体、ならびにラセミ体の何れについ
ても、化合物(A)に包含される。また、本発明の実施
態様としては、例えば、ジヒドロピリジン誘導体(好ま
しくは、前記R3で示されるアシル基を3位または/お
よび5位に有するジヒドロピリジン誘導体)またはその
塩を含有することを特徴とする血管透過性亢進抑制剤;
前記式(I)で表されるジヒドロピリジン誘導体または
その塩を含有することを特徴とする血管透過性亢進抑制
剤;カルシウム拮抗作用を有するジヒドロピリジン誘導
体(好ましくは、前記R3で示されるアシル基を3位ま
たは/および5位に有するジヒドロピリジン誘導体)ま
たはその塩を含有することを特徴とする血管透過性亢進
抑制剤;カルシウム拮抗作用を有する、前記式(I)で
表されるジヒドロピリジン誘導体またはその塩を含有す
ることを特徴とする血管透過性亢進抑制剤;などが包含
される。
【0021】カルシウム拮抗作用を有するジヒドロピリ
ジン誘導体またはその塩を含有してなる本発明の血管透
過性亢進抑制剤ならびに前記式(I)で表されるジヒド
ロピリジン誘導体またはその塩を含有してなる本発明の
血管透過性亢進抑制剤は、低毒性で、かつ選択的な優れ
た血管透過性亢進抑制作用を有し、動物とりわけ哺乳動
物(例えばヒト、サル、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、モ
ルモット、ラット、マウス等)に対して、安全に使用で
き、脳血管障害に起因する脳浮腫や脳内出血の予防・治
療、偏頭痛の予防・治療などに有用であり、とりわけ脳
内出血の再発の予防・治療に有用である。さらに、外傷
性の脳血管障害の予防・治療に有用であり、とりわけ外
傷性の脳血管障害に起因する脳浮腫や脳内出血の予防・
治療に有用である。また、本発明の抑制剤は、前記疾患
によって惹起される情緒障害(うつ、不安、睡眠障害な
ど)、知的障害(健忘症、痴呆など)、精神障害(てん
かん、精神分裂症など)等の寛解にも有用である。
【0022】本発明の抑制剤を医薬として用いる場合、
それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される担体、賦
形剤、希釈剤と適宜、適量混合し、粉末、顆粒、錠剤、
カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含
む)、液剤、注射剤、坐剤等の医薬組成物として経口的
又は非経口的に安全に投与することができる。本発明の
抑制剤は通常の方法に従って製剤化することができる。
本明細書において、非経口とは、皮下注射、静脈内注
射、筋肉内注射、腹腔内注射あるいは点滴法等を含むも
のである。注射用調剤、例えば、無菌注射用水性懸濁物
あるいは油性懸濁物は、適当な分散化剤又は湿化剤及び
懸濁化剤を用いて当該分野で知られた方法で調製されう
る。その無菌注射用調剤は、また、例えば水溶液等の非
毒性の非経口投与することのできる希釈剤あるいは溶剤
中の無菌の注射のできる溶液又は懸濁液であってよい。
使用することのできるベーヒクルあるいは溶剤として許
されるものとしては、水、リンゲル液、等張食塩液等が
挙げられる。さらに、通常溶剤又は懸濁化溶媒として無
菌の不揮発性油も用いられうる。このためには、いかな
る不揮発性油も脂肪酸も使用でき、天然あるいは合成あ
るいは半合成の脂肪性油又は脂肪酸、そして天然あるい
は合成あるいは半合成のモノあるいはジあるいはトリグ
リセリド類も含められる。
【0023】直腸投与用の座剤は、その薬物と適当な非
刺激性の補形剤、例えば、ココアバターやポリエチレン
グリコール類といった常温では固体であるが腸管の温度
では液体で、直腸内で融解し、薬物を放出するもの等と
混合して製造されることができる。経口投与用の固形投
与剤型としては、粉剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセ
ル剤等の上記したものが挙げられる。そのような剤型に
おいて、活性成分化合物は、少なくとも一つの添加物、
例えば、ショ糖、乳糖、セルロース糖、マンニトール、
マルチトール、デキストラン、デンプン類、寒天、アル
ギネート類、キチン類、キトサン類、ペクチン類、トラ
ガントガム類、アラビアゴム類、ゼラチン類、コラーゲ
ン類、カゼイン、アルブミン、合成又は半合成のポリマ
ー類又はグリセリド類と混合することができる。そのよ
うな剤型物はまた、通常の如く、さらなる添加物を含む
ことができ、例えば不活性希釈剤、マグネシウムステア
レート等の滑沢剤、パラベン類、ソルビン酸等の保存
剤、アスコルビン酸、α−トコフェロール、システイン
等の抗酸化剤、崩壊剤、結合化剤、増粘剤、緩衝化剤、
甘味付与剤、フレーバー付与剤、パーフューム剤等が挙
げられる。錠剤及びピル剤はさらにエンテリックコーテ
ィングされて製造されることもできる。経口投与用の液
剤は、医薬として許容されるエマルジョン剤、シロップ
剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤等が挙げられ、それ
らは当該分野で普通用いられる不活性希釈剤、例えば水
を含んでいてよい。
【0024】本発明の抑制剤の投与量は、投与対象、投
与対象の年齢および体重、症状、投与時間、投与方法、
剤型などにより、適宜選択することができる。ある特定
の患者の投与量は、年令、体重、一般的健康状態、性
別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組み
合わせ、患者のその時に治療を行っている病状の程度に
応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められ
るが、例えば、成人(体重約60kg)の脳浮腫患者
(体重約60kgの成人)に経口投与する場合、通常1回
量として、約0.1ないし約20mg/kg、好ましくは約
0.5ないし約10mg/kgであり、これらの服用量を症
状に応じて1日約1ないし約3回程度投与するのが望ま
しい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、実施例および実験例を挙
げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0026】
【実施例】 塩酸マニジピン10.0mgと乳糖60.0mgおよび
コーンスターチ35.0mgの混合物を10重量%ゼラ
チン水溶液(ゼラチンとして3.0mg)を用い、1m
mメッシュの篩を通して顆粒化した後、40℃で乾燥
し、再び篩過した。得られた顆粒をステアリン酸マグネ
シウム2.0mgと混合し、圧縮して錠剤を得た。
【0027】 塩酸マニジピン10.0mgとステアリン酸マグネシウ
ム3.0mgとを可溶性デンプンの水溶液0.07ml
(可溶性デンプンとして7.0mg)で顆粒化した後、
乾燥し、乳糖70.0mgおよびコーンスターチ50.
0mgを混合した。混合物を圧縮して錠剤を得た。
【0028】実施例3 (1)塩酸マニジピン 5.0mg (2)食塩 20.0mg (3)蒸留水 全量2ml 塩酸マニジピン5.0mgと食塩20.0mgとを蒸留
水に溶解させ、蒸留水を加えて全量を2mlとした。溶
液をろ過し、無菌条件下に2mlのアンプルに充填し
た。アンプルを滅菌した後、密封し注射用溶液を得た。
【0029】実験例1 カルシウム拮抗作用を有するジヒドロピリジン誘導体ま
たはその塩のMTA(5'-methylthioadenosine)誘発皮
下血管透過性亢進に対する抑制作用 化合物1:塩酸マニジピン 化合物2:ニフェジピン 方法:9週齢雄性Wistarラットを用いた。対照として生
理食塩水を2ml/kg (グループA)、化合物1を1mg/kg (グ
ループ B)、化合物2を3mg/kg (グループC)、ジルチア
ゼム(diltiazem)を10mg/kg (グループD)およびエナラ
プリル(enarapril)を10mg/kg (グループE)、各群に腹
腔内投与した。対照群には生理食塩水を2ml/kgの用量で
腹腔内投与した。20分後ペントバルビタール(50mg/kg,
i.p.)で麻酔し、腹部を剃毛し、1%エバンス・ブルー(2
ml/kg)を静脈内投与した。5分後、生理食塩水と0.2、2
および20μg/ml のMTAとを腹部皮下4カ所に投与(50
μl)し、10分後、皮膚を切開採取した。採取した皮膚内
のエバンス・ブルー含量を定量するため、採取した皮膚
に0.15% Na2SO4の60%アセトン溶液(蒸留水希釈)を1.5
mlを加え、鋏で細かくきざみ、一昼夜 (15-18hr) 室温
放置した。3000rpmで5分間遠心後、上清を500μl採取
し、蒸留水を250μl添加した。さらに、12000rpmで10分
間遠心後、上清の吸光度(600nm)を測定した。抑制率
は各個体の組織内エバンス・ブルー含量の合計を指標に
算出した。各グループ間の比較はDunnett検定を用い
た。
【0030】結果:グループAでは、MTA濃度が0.2μ
g/ml、2μg/mlおよび20μg/mlのとき、皮下に漏出する
エバンス・ブルー量はそれぞれ4.98±1.13μg、10.84±
0.87μgおよび13.77±1.90μgと、濃度依存的にエバン
ス・ブルーの漏出がみられた。このようなMTAの血管
透過性亢進作用に対し、グループBおよびグループCでは
グループAと比較し、皮下に漏出するエバンス・ブルー
量は減少し、抑制率はそれぞれ47.7% (p<0.05)および4
2.2% (p<0.05)であり、有意に抑制された。しかし、グ
ループDおよびグループEではグループAと比較し、皮下
に漏出するエバンス・ブルー量の減少はみられず、抑制
率はそれぞれ-13.1%および1.0%であり、グループBおよ
びグループCより高用量の条件であっても抑制作用はみ
られなかった。これらのことから、MTAは血管透過性
を亢進させる活性を有し、カルシウム拮抗作用を有する
ジヒドロピリジン誘導体またはその塩は、他の降圧作用
を有する化合物とは異なり、MTA誘発血管透過性亢進
作用を抑制することが明らかである。以上の結果から血
管透過性亢進が関与する疾患、特にMTAが関与する疾
患に対し、 カルシウム拮抗作用を有するジヒドロピリ
ジン誘導体またはその塩が有効であることは明らかであ
る。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、カルシウム拮抗作用を
有するジヒドロピリジン誘導体またはその塩を含有する
ことを特徴とする安全な血管透過性亢進抑制剤を提供
し、外傷性の脳血管障害、脳内出血(特に再発)、脳浮
腫、偏頭痛などの予防または治療に役立てることができ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルシウム拮抗作用を有するジヒドロピリ
    ジン誘導体またはその塩を含有することを特徴とする血
    管透過性亢進抑制剤。
  2. 【請求項2】式 【化1】 〔式中、Aは置換されていてもよい芳香環基を示し、R
    1は水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または
    置換されていてもよいアミノ基を示し、R2は置換され
    ていてもよい炭化水素基を示し、R3及びR4はそれぞれ
    アシル基を示す。〕で表されるジヒドロピリジン誘導体
    またはその塩を含有することを特徴とする血管透過性亢
    進抑制剤。
  3. 【請求項3】5'−メチルチオアデノシンの血管透過性
    亢進作用を抑制する請求項1または2記載の抑制剤。
  4. 【請求項4】外傷性の脳血管障害の予防または治療剤で
    ある請求項1または2記載の抑制剤。
  5. 【請求項5】脳内出血の予防または治療剤である請求項
    1または2記載の抑制剤。
  6. 【請求項6】脳浮腫の予防または治療剤である請求項1
    または2記載の抑制剤。
  7. 【請求項7】ジヒドロピリジン誘導体がマニジピンまた
    はその塩である請求項1または2記載の抑制剤。
  8. 【請求項8】ジヒドロピリジン誘導体が塩酸マニジピン
    である請求項1または2記載の抑制剤。
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