JP2997892B2 - ヒダントイン誘導体を有効成分とする循環器系疾患の予防及び治療剤 - Google Patents
ヒダントイン誘導体を有効成分とする循環器系疾患の予防及び治療剤Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は循環器系疾患の予防および治療剤として有用
なヒダントイン誘導体を有効成分とする循環器系疾患の
予防および治療剤に係る。
なヒダントイン誘導体を有効成分とする循環器系疾患の
予防および治療剤に係る。
(従来の技術) 本発明に使用されるヒダントイン誘導体は糖尿病性白
内障、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜
症など各種の糖尿病合併症の予防および治療に有効であ
ることがすでに知られており(特願平1−242301号)、
その作用機序については、アルドース還元酵素阻害作用
によるものと考えられている。
内障、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜
症など各種の糖尿病合併症の予防および治療に有効であ
ることがすでに知られており(特願平1−242301号)、
その作用機序については、アルドース還元酵素阻害作用
によるものと考えられている。
糖尿病患者は循環器系疾患の危険因子を併せ持ってい
ることが多く[“糖尿病性血管合併症治療と管理のてび
き”第1版、(1987年),医歯薬出版,“Br.Med.J."第
294巻、第1443頁(1987年)及び“N.Engl.Med."第313
巻、第1617頁(1987年)]、糖尿病と循環器系疾患の、
両者に対して有効な薬剤の開発が望まれているが、未だ
成功した例は知られていない。なお、ヒダントイン系化
合物はわずかに抗不整脈作用が知られてはいるが(特開
昭60−158190)本発明のような血小板凝集抑制作用、血
管拡張作用、降圧作用、血流増加作用通を合わせ持つ循
環器系作用については報告されていない。
ることが多く[“糖尿病性血管合併症治療と管理のてび
き”第1版、(1987年),医歯薬出版,“Br.Med.J."第
294巻、第1443頁(1987年)及び“N.Engl.Med."第313
巻、第1617頁(1987年)]、糖尿病と循環器系疾患の、
両者に対して有効な薬剤の開発が望まれているが、未だ
成功した例は知られていない。なお、ヒダントイン系化
合物はわずかに抗不整脈作用が知られてはいるが(特開
昭60−158190)本発明のような血小板凝集抑制作用、血
管拡張作用、降圧作用、血流増加作用通を合わせ持つ循
環器系作用については報告されていない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、この糖尿病合併症の予防および治療薬
として有用であるヒダントイン誘導体について、他の薬
効について研究を重ね、循環器系疾患の予防および治療
に有効であることを見出し本発明を完成した。従って本
発明の目的は、新規な循環器系疾患の予防および治療剤
を提供することである。
として有用であるヒダントイン誘導体について、他の薬
効について研究を重ね、循環器系疾患の予防および治療
に有効であることを見出し本発明を完成した。従って本
発明の目的は、新規な循環器系疾患の予防および治療剤
を提供することである。
(課題を解決するための手段及び作用) 本発明によれば、一般式 [式中Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又は
アルコキシ基を意味し、Yは酸素原子又は硫黄原子を意
味し、Zは基−NH−R1(R1は水素原子、アルキル基、ア
ルケニル基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル
基、置換ナフチル基、ピリジ基、フリル基又はチエニル
基を意味する)又は基−OR2(R2は水素原子、アルキル
基、フェニル基、又は置換フェニル基を意味する)を意
味する。] にて示されるラセミ体又は光学活性体のヒダントイン誘
導体および薬理学的に許容し得る塩により、上記の発明
目的が達成される。
アルコキシ基を意味し、Yは酸素原子又は硫黄原子を意
味し、Zは基−NH−R1(R1は水素原子、アルキル基、ア
ルケニル基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル
基、置換ナフチル基、ピリジ基、フリル基又はチエニル
基を意味する)又は基−OR2(R2は水素原子、アルキル
基、フェニル基、又は置換フェニル基を意味する)を意
味する。] にて示されるラセミ体又は光学活性体のヒダントイン誘
導体および薬理学的に許容し得る塩により、上記の発明
目的が達成される。
即ち、上記の一般式[I]にて示される化合物及びそ
の塩は循環器系に作用してその疾患の予防乃至治療する
効果を示し且つ毒性の極めて低いことが確認されたから
である。
の塩は循環器系に作用してその疾患の予防乃至治療する
効果を示し且つ毒性の極めて低いことが確認されたから
である。
一般式[I]にて示されるヒダントイン誘導体おい
て、ハロゲン原子としては弗素、塩素、臭素及びよう素
があるが、弗素が殊に好ましい。アルキル基とは直鎖
状、枝鎖状又は環状アルキル基を意味し、直鎖状アルキ
ル基としては炭素数1−10のアルキル基、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、n−ブチル等を例示するこ
とができ、枝鎖状アルキル基としては、例えばイソプロ
ピル、イソブチル、tert−ブチル等を例示することがで
き、環状アルキル基としては炭素数3以上のもの、例え
ばシクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル等例
示することができる。アルコキシ基としてはメトキシ、
エトキシ等例示することができる。アルケニル基として
は例えばアリル等を挙げることができる。置換フェニル
基及び置換ナフチル基の置換基としては弗素、塩素、臭
素等のハロゲン原子、メトキシ、エトキシ等のアルコキ
シ基を挙げることができ、これらの置換基の数は1以上
であることができる。
て、ハロゲン原子としては弗素、塩素、臭素及びよう素
があるが、弗素が殊に好ましい。アルキル基とは直鎖
状、枝鎖状又は環状アルキル基を意味し、直鎖状アルキ
ル基としては炭素数1−10のアルキル基、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、n−ブチル等を例示するこ
とができ、枝鎖状アルキル基としては、例えばイソプロ
ピル、イソブチル、tert−ブチル等を例示することがで
き、環状アルキル基としては炭素数3以上のもの、例え
ばシクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル等例
示することができる。アルコキシ基としてはメトキシ、
エトキシ等例示することができる。アルケニル基として
は例えばアリル等を挙げることができる。置換フェニル
基及び置換ナフチル基の置換基としては弗素、塩素、臭
素等のハロゲン原子、メトキシ、エトキシ等のアルコキ
シ基を挙げることができ、これらの置換基の数は1以上
であることができる。
より好適な化合物は次の通りである。
(2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−カルボ
ヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′
−メチル)カルボヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′
−エチル)カルボヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′
−フェニル)カルボヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′
−4−クロロフェニル)カルボヒドラジド.(2S,4S)
−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピロ[クロマン
−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′−4−フルオ
ロフェニル)カルボヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′
−4−エトキシフェニル)カルボヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′
−1−ナフチル)カルボヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−ヒドロ
キサム酸 本発明の化合物は、前述した一般式[I]にて示され
る化合物の溶媒和物、水和物及び塩を包含する。
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−カルボ
ヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′
−メチル)カルボヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′
−エチル)カルボヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′
−フェニル)カルボヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′
−4−クロロフェニル)カルボヒドラジド.(2S,4S)
−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピロ[クロマン
−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′−4−フルオ
ロフェニル)カルボヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′
−4−エトキシフェニル)カルボヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−(N′
−1−ナフチル)カルボヒドラジド. (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソスピ
ロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−ヒドロ
キサム酸 本発明の化合物は、前述した一般式[I]にて示され
る化合物の溶媒和物、水和物及び塩を包含する。
本発明による化合物の塩とは、医薬として許容され得
る塩を意味し、具体的には、ナトリウム、リチウム、カ
リウム、マグネシウム、アンモニウムまたは第4級アン
モニウム塩、ジエチルアミン、及びジエタノールアミン
のような薬理学的に許容しうる無機及び有機塩基塩を挙
げることができる。これらの塩は、例えば一般式[I]
にて示される化合物を塩基で処理することにより容易に
得ることが出来る。
る塩を意味し、具体的には、ナトリウム、リチウム、カ
リウム、マグネシウム、アンモニウムまたは第4級アン
モニウム塩、ジエチルアミン、及びジエタノールアミン
のような薬理学的に許容しうる無機及び有機塩基塩を挙
げることができる。これらの塩は、例えば一般式[I]
にて示される化合物を塩基で処理することにより容易に
得ることが出来る。
尚、本発明による化合物はその構造上2個の不斉炭素
原子を有しており、従って2種の立体異性体及びそれら
の光学異性体が存在し得るが、本発明による化合物に
は、これらがいずれも包含されることに留意されたい。
原子を有しており、従って2種の立体異性体及びそれら
の光学異性体が存在し得るが、本発明による化合物に
は、これらがいずれも包含されることに留意されたい。
一般式[I]にて示されるヒダントイン誘導体は、特
願平1−242301に記載の方法により製造することができ
る。
願平1−242301に記載の方法により製造することができ
る。
(発明の効果) 本発明によるヒダントイン誘導体は、経口投与に際し
ての毒性が極めて低く且つ血小板凝集抑制作用,血管拡
張作用,降圧作用,血流増加作用等を有し、循環器疾患
の改善剤として有用である。従って、本発明化合物は、
例えば脳硬塞、脳血栓、一過性脳虚血心筋硬塞、冠動脈
血栓症、動脈硬化、狭心症などの、血栓症、高血圧疾
患,脳血管疾患及び心機能疾患の治療、緩和、予防に用
いることができる。
ての毒性が極めて低く且つ血小板凝集抑制作用,血管拡
張作用,降圧作用,血流増加作用等を有し、循環器疾患
の改善剤として有用である。従って、本発明化合物は、
例えば脳硬塞、脳血栓、一過性脳虚血心筋硬塞、冠動脈
血栓症、動脈硬化、狭心症などの、血栓症、高血圧疾
患,脳血管疾患及び心機能疾患の治療、緩和、予防に用
いることができる。
(医薬とする場合の剤型及び投与量) 本発明による化合物又はその塩を有効成分として製剤
化する場合の剤型に格別な制限はなく、従って錠剤、丸
剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、坐剤のような固形製剤
となすことも、溶液、懸濁液、乳剤のような液状製剤と
なすこともでき、これらは常法により行うことができ
る。固形製剤となす場合にはデンプン、乳糖、グルコー
ス、燐酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アラ
ビアゴム等の賦形剤を用いることができ、必要であれば
滑沢剤、結合剤、崩壊剤、着色剤等を用いることができ
る。液状製剤となす場合には安定剤、溶解補助剤、懸濁
化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤等を用いることができ
る。
化する場合の剤型に格別な制限はなく、従って錠剤、丸
剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、坐剤のような固形製剤
となすことも、溶液、懸濁液、乳剤のような液状製剤と
なすこともでき、これらは常法により行うことができ
る。固形製剤となす場合にはデンプン、乳糖、グルコー
ス、燐酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アラ
ビアゴム等の賦形剤を用いることができ、必要であれば
滑沢剤、結合剤、崩壊剤、着色剤等を用いることができ
る。液状製剤となす場合には安定剤、溶解補助剤、懸濁
化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤等を用いることができ
る。
本発明による化合物またはその塩を循環器疾患に使用
する場合は、経口投与若しくは非経口投与(筋肉内、皮
下、静脈内等)により投与される。投与量は、その種
類、剤型、疾患の程度、患者の年齢などファクターに依
存し特に限定されないが、通常成人に対し約0.1〜2000m
g/日程度、殊に約1〜500mg/日程度が適当である。
する場合は、経口投与若しくは非経口投与(筋肉内、皮
下、静脈内等)により投与される。投与量は、その種
類、剤型、疾患の程度、患者の年齢などファクターに依
存し特に限定されないが、通常成人に対し約0.1〜2000m
g/日程度、殊に約1〜500mg/日程度が適当である。
次に、本発明に使用される化合物は表1に示される化
合物が好適である。
合物が好適である。
次に、本発明に使用されるヒダントイン誘導体が循環
器系作用を有し、循環器系疾患の予防及び治療剤として
有用であることを実施例を挙げて更に詳細に説明する。
器系作用を有し、循環器系疾患の予防及び治療剤として
有用であることを実施例を挙げて更に詳細に説明する。
実施例 試験例 1 (in vitroにおける血小板凝集抑制作用) 軽いエーテル麻酔下にてラットの下行大動脈より採取
した血液にクエン酸(3.8%クエン酸ナトリウム)を1/1
0容添加し、4℃、1500rpmで10分間遠心し、上清を多血
小板血漿(PRP;platelet rich plasma)として採取し、
残渣を4℃、3000rpmで10分間遠心し、上清を乏しい血
小板血漿(PPP;platelet poor plasma)として採取し
た。PRPキュベットにスターラーバーを入れPRPを267μ
l入れ、又PPPキュベットにPPPを300μl以上入れ、PPP
を測光部に入れ透過度を100%に設定し、PRP測光部に入
れ透過度を0%に設定し、1分間のプレインキュベーシ
ョンの後、被検物質を3μl添加し、その1分後に凝集
惹起物質(コラーゲン)を30μl添加した。対照(cont
rol)群にはジメチルスルホキサイドを被検物質添加時
に3μl添加した。凝集惹起物質添加後変化した透過度
の最大値を読み取り、血小板凝集率(%)とした。ま
た、対照を100%としての抑制率を求め、50%抑制濃度
(IC50)を算出した。
した血液にクエン酸(3.8%クエン酸ナトリウム)を1/1
0容添加し、4℃、1500rpmで10分間遠心し、上清を多血
小板血漿(PRP;platelet rich plasma)として採取し、
残渣を4℃、3000rpmで10分間遠心し、上清を乏しい血
小板血漿(PPP;platelet poor plasma)として採取し
た。PRPキュベットにスターラーバーを入れPRPを267μ
l入れ、又PPPキュベットにPPPを300μl以上入れ、PPP
を測光部に入れ透過度を100%に設定し、PRP測光部に入
れ透過度を0%に設定し、1分間のプレインキュベーシ
ョンの後、被検物質を3μl添加し、その1分後に凝集
惹起物質(コラーゲン)を30μl添加した。対照(cont
rol)群にはジメチルスルホキサイドを被検物質添加時
に3μl添加した。凝集惹起物質添加後変化した透過度
の最大値を読み取り、血小板凝集率(%)とした。ま
た、対照を100%としての抑制率を求め、50%抑制濃度
(IC50)を算出した。
結果は、表2に示す通りであり、本発明による化合物
は優れた血小板凝集抑制作用を示すことが判明した。
は優れた血小板凝集抑制作用を示すことが判明した。
試験例 2 (モルモット摘出大動脈に対する作用) [実験方法] Hartley系モルモット(体重300〜500g)を頭部打撲に
よって気絶させた後に背位に固定し、胸部大動脈を摘出
し、幅2mm程度,長さ25mm程度のるい旋状標本を作成し
た。この標本を約1gの負荷でマグヌス管内に約1gの負荷
で懸吊垂下させ、上端を絹糸によりFD−ピックアップに
接続してその等尺性張力変化をレコーダーで記録する。
尚、マグヌス管内には下記の組成を有するKrebs−Hense
leit液を10ml入れ,37℃に保持するとともに95%O2−5
%CO2ガスを通気した。
よって気絶させた後に背位に固定し、胸部大動脈を摘出
し、幅2mm程度,長さ25mm程度のるい旋状標本を作成し
た。この標本を約1gの負荷でマグヌス管内に約1gの負荷
で懸吊垂下させ、上端を絹糸によりFD−ピックアップに
接続してその等尺性張力変化をレコーダーで記録する。
尚、マグヌス管内には下記の組成を有するKrebs−Hense
leit液を10ml入れ,37℃に保持するとともに95%O2−5
%CO2ガスを通気した。
Krebs−Henseleit液の組成(mM) NaCl ; 118 KCl ; 4.7 CaCl2 ;2.55 MgSO4;1.18 KH2PO4 ;1.18 NaHCO3 ;24.88 グルコース ;11.1 尚、実験の開始に先立ち60〜90分間放置し、その間も
Krebs−Henseleit液を20〜30分間毎に交換した。レコー
ダーに記録される張力が安定した後に、最終濃度が2.5
×10-2MとなるようにKClを添加し、或いは最終濃度が10
-6g/mlとなるようにノルエピネフリン(N.E.)を添加
し、標本の収縮が一定になった後に披検物質を10-8〜10
-6M濃度から次第に累積的に上昇するように添加して反
応を観察した。最後にパパベリンを最終濃度が2×10-5
g/mlとなるように添加し、その弛緩反応も観察記録し
た。尚、KClまたはノルエピネフリン添加後の安定時を
弛緩率100%として、各濃度の反応の相対値を算出し、
データ解析のために50%弛緩率(IC50)として算出し
た。結果は下記の表3に示す通りであった。
Krebs−Henseleit液を20〜30分間毎に交換した。レコー
ダーに記録される張力が安定した後に、最終濃度が2.5
×10-2MとなるようにKClを添加し、或いは最終濃度が10
-6g/mlとなるようにノルエピネフリン(N.E.)を添加
し、標本の収縮が一定になった後に披検物質を10-8〜10
-6M濃度から次第に累積的に上昇するように添加して反
応を観察した。最後にパパベリンを最終濃度が2×10-5
g/mlとなるように添加し、その弛緩反応も観察記録し
た。尚、KClまたはノルエピネフリン添加後の安定時を
弛緩率100%として、各濃度の反応の相対値を算出し、
データ解析のために50%弛緩率(IC50)として算出し
た。結果は下記の表3に示す通りであった。
試験例 3 (モルモット摘出心臓に対する作用) Hartley系モルモット(体重300〜400g)を頭部打撲に
より気絶させた後に背位固定し、心臓の摘出を行った。
Krebs−Henseleit液(組成については薬効薬理試験例2
参照)が収容され且つ95%O2−5%CO2ガスの通気され
たビーカー内に摘出した心臓を入れて付着している血液
を洗浄し、次いで標本作製用ガラス容器に移した。この
容器にもKrebs−Henseleit液を予め満たしておき且つ標
本の作製中にも上記の混合ガスを通気し続けた。標本の
作成は、先ず、左右の心房を左右心耳の中央から房室間
満に沿って心室筋から切り離した。
より気絶させた後に背位固定し、心臓の摘出を行った。
Krebs−Henseleit液(組成については薬効薬理試験例2
参照)が収容され且つ95%O2−5%CO2ガスの通気され
たビーカー内に摘出した心臓を入れて付着している血液
を洗浄し、次いで標本作製用ガラス容器に移した。この
容器にもKrebs−Henseleit液を予め満たしておき且つ標
本の作製中にも上記の混合ガスを通気し続けた。標本の
作成は、先ず、左右の心房を左右心耳の中央から房室間
満に沿って心室筋から切り離した。
a)右心房標本 摘出した右心房を、95%O2−5%CO2ガスが通気され
且つKrebs−Henseleit液10mlが収容され、且つ液温が32
±1℃に保たれたマグヌス管内に張力0.2〜0.3gとなる
ように懸吊垂下させ、標本の収縮をFD−ピックアップを
介してレコーダーにより記録した。尚、同時に拍動を瞬
時心拍計ユニットに入力し、係数記録した。
且つKrebs−Henseleit液10mlが収容され、且つ液温が32
±1℃に保たれたマグヌス管内に張力0.2〜0.3gとなる
ように懸吊垂下させ、標本の収縮をFD−ピックアップを
介してレコーダーにより記録した。尚、同時に拍動を瞬
時心拍計ユニットに入力し、係数記録した。
b)左心房標本 摘出した左心房を、95%O2−5%CO2ガスが通気され
且つKrebs−Henseleit液30mlが収容され、液温が32±1
℃に保たれたマグヌス管内に両心耳を介してセルフィン
で固定し、約0.25gの制止張力となるように懸吊垂下さ
せた。上記のセルフィンに付属させた白金双極電極を心
房に接触させ、電気刺激装置およびアイソレーターによ
り導いた周期1Hz,持続2msec,10Vの矩形波により刺激を
与えて心房を作動させ、該心房の動きを絹糸を介してFD
−ピックアップに接続させレコーダーにより記録した。
且つKrebs−Henseleit液30mlが収容され、液温が32±1
℃に保たれたマグヌス管内に両心耳を介してセルフィン
で固定し、約0.25gの制止張力となるように懸吊垂下さ
せた。上記のセルフィンに付属させた白金双極電極を心
房に接触させ、電気刺激装置およびアイソレーターによ
り導いた周期1Hz,持続2msec,10Vの矩形波により刺激を
与えて心房を作動させ、該心房の動きを絹糸を介してFD
−ピックアップに接続させレコーダーにより記録した。
本発明による化合物及び対照化合物が示す右心房に対
する作用(心拍数を計測)及び左心房に対する作用(心
収縮力を計測)は、下記の表4に示す通りである。
する作用(心拍数を計測)及び左心房に対する作用(心
収縮力を計測)は、下記の表4に示す通りである。
製剤例 1 下記の諸成分を配合し、常法により打錠して、経口投
与用錠剤1000錠を製造した。これらの各錠剤は1錠当り
活性成分を50mg宛含有している。
与用錠剤1000錠を製造した。これらの各錠剤は1錠当り
活性成分を50mg宛含有している。
成 分 配 合 量(g) 活 性 成 分(製造例1b) 50 クエン酸ナトリウム 25 アルギニン 10 ポリビニルピロリドン 10 ステアリン酸マグネシウム 5
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 9/12 A61K 31/00 609G A61K 31/4439 609J // C07D 491/107 31/44 613 495/10 C07D 491/107 495/10 (72)発明者 近藤 保昭 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 富谷 昇 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 林 元英 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 鈴木 常正 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 中村 繁良 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 田中 幸也 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 澤井 喜一 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/415,31/44 C07D 491/107,495/10 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】一般式 [式中Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はア
ルコキシ基を意味し、Yは酸素原子又は硫黄原子を意味
し、Zは基−NH−R1(R1は水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、
置換ナフチル基、ピリジル基、フリル基又はチエニル基
を意味する)又は基−OR2(R2は水素原子、アルキル
基、フェニル基、又は置換フェニル基を意味する)を意
味する。] にて示される、ラセミ体又は光学活性体のヒダントイン
誘導体および薬理学的に許容し得る塩を有効成分とする
循環器系疾患の予防及び治療剤。 - 【請求項2】有効成分が a) (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソ
スピロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−カ
ルボヒドラジド. b) (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソ
スピロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン−2−
(N′−メチル)カルボヒドラジド. c) (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソ
スピロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−
(N′−フェニル)カルボヒドラジド. d) (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソ
スピロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−
(N′−4−クロロフェニル)カルボヒドラジド. e) (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソ
スピロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−
(N′−4−メトキシフェニル)カルボヒドラジド. f) (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソ
スピロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−
(N′−1−ナフチル)カルボヒドラジド. g) (2S,4S)−6−フルオロ−2′,5′−ジオキソ
スピロ[クロマン−4,4′−イミダゾリジン]−2−ヒ
ドロキサム酸 及びこれらの薬理学的に許容し得る塩から選択されたも
のであることを特徴とする、請求項第1項記載の循環器
系疾患の予防及び治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26926690A JP2997892B2 (ja) | 1990-10-05 | 1990-10-05 | ヒダントイン誘導体を有効成分とする循環器系疾患の予防及び治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26926690A JP2997892B2 (ja) | 1990-10-05 | 1990-10-05 | ヒダントイン誘導体を有効成分とする循環器系疾患の予防及び治療剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04145023A JPH04145023A (ja) | 1992-05-19 |
JP2997892B2 true JP2997892B2 (ja) | 2000-01-11 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2997892B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3267698B2 (ja) * | 1992-10-27 | 2002-03-18 | 株式会社三和化学研究所 | ヒダントイン誘導体及びその塩並びにこれらを有効成分とするメイラード反応阻害剤 |
JP5107053B2 (ja) * | 2005-12-16 | 2012-12-26 | 株式会社三和化学研究所 | 急性腎不全の予防または治療剤 |
-
1990
- 1990-10-05 JP JP26926690A patent/JP2997892B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04145023A (ja) | 1992-05-19 |
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