JP2000100911A - 基板処理装置 - Google Patents

基板処理装置

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JP2000100911A
JP2000100911A JP27141498A JP27141498A JP2000100911A JP 2000100911 A JP2000100911 A JP 2000100911A JP 27141498 A JP27141498 A JP 27141498A JP 27141498 A JP27141498 A JP 27141498A JP 2000100911 A JP2000100911 A JP 2000100911A
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Japan
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substrate
processing
cassette
processing apparatus
synthetic resin
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JP27141498A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Kawakatsu
哲夫 川勝
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板に付着した材料が基板処理時に基板表面
に拡散するのを抑制することができるようにする。 【解決手段】 カセット搬入出ステージ20、カセット
搬送ロボット30、基板移載部40、基板搬送ロボット
50、基板処理部60、基板乾燥部70及びカセット洗
浄部80を備える。基板移載部40を構成する第1,第
2基板受渡し部の基板載置部及び基板搬送ロボット50
を構成する基板チャック53,54は、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体又はポリテトラフルオロエチレンで構成される。ま
た、基板処理部60に有するリフタ62の基板保持部
は、石英母材からなり、該母材表面の基板との接触部分
にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体又はポリテトラフルオロエチレンが
設けられて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ、プ
ラズマディスプレイ用ガラス基板、液晶表示装置用ガラ
ス基板、プリント基板等の基板の表面を処理する基板処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハ等の各種基板に処理液を供
給し、基板の表面に対して所定の処理を施す基板処理装
置は、基板を保持するための基板保持具を備えている。
この基板保持具として、例えば、カセット内に起立状態
で収納されている複数の基板をその下端部を保持して下
方から押し上げ、カセットの外部上方に取り出すもの、
カセットの外部上方に取り出された状態の基板をその下
端部で保持し、別の基板保持具に受け渡すもの、基板を
その下端部で保持して処理液に浸漬するもの等が存在す
る。
【0003】これらの基板保持具のうち処理液に浸漬す
るものは、耐薬品性や耐熱性に優れている必要があるこ
とから一般に石英で構成されている。一方、それ以外
は、一般にポリエーテルエーテルケトン(以下、PEE
Kという。)、ポリクロロトリフルオロエチレン(以
下、PCTFEという。)、ポリ塩化ビニール(以下、
PVCという。)等の合成樹脂材料で構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記基板保持具を構成
しているPEEK、PCTFE、PVC等の合成樹脂材
料は、基板を保持するときに基板と擦れて削られる結
果、パーティクルが生じ、基板保持具を構成している材
料自体が基板に対する汚染物質となる場合がある。特
に、起立姿勢にある基板に対し相対的に昇降して基板を
下端部で保持するようにした基板保持具は、基板を保持
するときに基板端縁と不可避的に擦れることからパーテ
ィクルが生じ易い。このため、このパーティクルが汚染
物質として基板の下端部に付着することになる。
【0005】ところが、上記合成樹脂材料は比較的硬く
て粘性が小さいため、基板に付着した汚染物質は基板か
ら分離して処理液中に拡散し、この拡散した汚染物質が
基板表面の他の部分にも付着することになる。特に、処
理槽に貯留されている処理液に基板を起立姿勢で浸漬さ
せるようにした基板処理装置では、基板の下端部に汚染
物質が付着していると、その汚染物質が処理液への浸漬
時に基板上部に向かって拡散し、基板表面の広範囲に付
着することになる。このように、汚染物質が基板表面に
拡散すると、基板の処理品質が低下することになる。
【0006】一方、上記基板保持具を構成している石英
は、合成樹脂材料に比べて格段に硬いために基板と擦れ
ても石英が削られることはないが、基板が削られてしま
う虞がある。そのため、石英の表面を他の基板保持具を
構成しているPEEK、PCTFE、PVC等の合成樹
脂材料で被覆すると基板が削られるのを効果的に防止す
ることができる。
【0007】ところが、石英の表面をPEEK、PCT
FE、PVC等の合成樹脂材料で被覆すると、基板が削
られるのは防止できても他の基板保持具の場合と同様に
基板と擦れたときに削られた合成樹脂材料が汚染物質と
して基板表面に付着することになり、その汚染物質が処
理液への浸漬時に基板表面に拡散することになる。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、基板に付着した材料が基板処理時に基板表面に拡散
するのを抑制することができる基板処理装置を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、処理液内に基板を浸漬して処理
を施す処理槽と、該処理槽で処理されるべき基板を保持
する基板保持具とを備えた基板処理装置において、前記
基板保持具の少なくとも基板との接触部分をデュロメー
タ硬さD60以下の合成樹脂材料で構成したことを特徴
としている。
【0010】この構成によれば、基板保持具の合成樹脂
材料が適度の粘性を有しているため、基板に付着した汚
染物質は基板からあまり分離されず、処理液中への拡散
が行われにくくなる。この結果、基板処理時に汚染物質
が基板表面に拡散するのを抑制することができる。
【0011】また、請求項2の発明は、請求項1に係る
ものにおいて、前記基板保持具が、起立姿勢の基板に対
して相対的に昇降し、基板の下端部を保持するものであ
ることを特徴としている。
【0012】この構成によれば、基板保持部が基板と擦
れて削れ易くなるが、基板に付着した汚染物質は基板か
ら分離しにくいので、処理液中への拡散が行われにくく
なる。この結果、基板処理時に汚染物質が基板表面に拡
散するのを効果的に抑制することができる。
【0013】また、請求項3の発明は、請求項2に係る
ものにおいて、基板を保持した基板保持具を移動し、基
板を前記処理槽に貯留された処理液に対して搬入出させ
る駆動手段を備えたことを特徴としている。
【0014】この構成によれば、処理液に対して基板を
搬入出させる際に駆動手段からの振動によって基板が振
動し、基板保持具が基板と擦れて削れ易くなるが、基板
に付着した汚染物質は基板から分離しにくいので、処理
液中への拡散が行われにくくなる。この結果、基板処理
時に汚染物質が基板表面に拡散するのを効果的に抑制す
ることができる。
【0015】また、請求項4の発明は、請求項1乃至3
のいずれかに係るものにおいて、前記基板保持具が、デ
ュロメータ硬さD60よりも大きい母材からなり、該母
材表面の少なくとも基板と接触する部分にデュロメータ
硬さD60以下の合成樹脂材料を設けてなることを特徴
としている。
【0016】この構成によれば、基板保持具の機械的強
度が保持され、しかも基板保持具が基板と擦れて削れる
のはデュロメータ硬さD60以下の材料であるので、基
板に付着した汚染物質は基板から分離しにくくなり、処
理液中への拡散が行われにくくなる。この結果、基板処
理時に汚染物質が基板表面に拡散するのを抑制すること
ができる。
【0017】また、請求項5の発明は、請求項1乃至4
のいずれかに係るものにおいて、デュロメータ硬さD6
0以下の合成樹脂材料は、テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はポリテ
トラフルオロエチレンであることを特徴としている。
【0018】この構成によれば、いずれの合成樹脂材料
も適度の粘性を有しているため、基板に付着した汚染物
質は基板から分離しにくくなり、処理液中への拡散が行
われにくくなる。この結果、基板処理時に汚染物質が基
板表面に拡散するのを抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に係
る基板処理装置の概略構成を示す斜視図である。なお、
ここでは、各構成要素間の方向関係を明確にするため、
XYZ直角座標軸を併せて示している。この図におい
て、基板処理装置10は、カセット搬入出ステージ20
と、カセット搬送ロボット30と、基板移載部40と、
基板搬送ロボット50と、基板処理部60と、基板乾燥
部70と、カセット洗浄部80とを備えている。
【0020】カセット搬入出ステージ20は、手前側
(+Y方向)に位置し、処理前の複数の基板Wが起立姿
勢で収納された2つのカセットCが外部から搬入されて
載置される搬入部21と、奥行側(−Y方向)に位置
し、基板処理部60で処理された複数の基板Wが起立姿
勢で収納された2つのカセットCが載置される搬出部2
2とを備えている。なお、このカセット搬入出ステージ
20における各カセットC内の基板Wは、例えばそれぞ
れ25枚収納されるようになっており、図示するように
左右方向(X方向)に一列に並べられた状態となってい
る。
【0021】カセット搬送ロボット30は、前後方向
(Y方向)及び上下方向(Z方向)に移動可能で、かつ
180度回転可能に構成され、搬入部21に搬入された
カセットCを把持した状態で180度反転させて該カセ
ットCを基板移載部40に搬送する一方、基板移載部4
0における処理済みの基板Wが収納されたカセットCを
把持した状態で180度反転させて該カセットCを搬出
部22に搬出するものである。
【0022】基板移載部40は、搬入部21から搬送さ
れたカセットC内の処理前の基板WをカセットCの外部
上方に取り出す一方、基板処理部60で処理された基板
WをカセットC内にその外部上方から収納するものであ
る。
【0023】すなわち、基板移載部40は、図2に示す
ように、前後方向(Y方向)に移動可能に構成され、前
後方向に第1テーブル孔411及び第2テーブル孔41
2が形成された平板テーブル41と、第1テーブル孔4
11に配設され、90度回転可能に構成された第1ター
ンテーブル42と、第2テーブル孔412に配設され、
90度回転可能に構成された第2ターンテーブル43
と、平板テーブル41の下方に前後方向に隣接して配設
され、上下方向(Z方向)に個別に移動可能に構成され
た第1基板受渡し部44及び第2基板受渡し部45とを
備えている。
【0024】この第1,第2基板受渡し部44,45
は、それぞれ駆動軸441,451の上端にヘッド部4
42,452が取り付けられ、このヘッド部442,4
52の上面に基板載置部443,453が取り付けられ
ている。この基板載置部443,453は、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体(以下、PFAという。)又はポリテトラフルオ
ロエチレン(以下、PTFEという。)で構成されてお
り、その上面には基板Wを保持するための基板整列保持
溝444,454が形成されている。
【0025】このように、各基板載置部443,453
がPFA又はPTFEで構成されている理由については
後述する。なお、駆動軸441,451及びヘッド部4
42,453は他の種類の合成樹脂等の適宜の材料で構
成されるが、基板載置部443,453をヘッド部44
2,452と一体にしてPFA又はPTFEで構成する
ことも可能である。また、これらのヘッド部442,4
52と基板載置部443,453とで基板保持具が構成
される。
【0026】このように構成された基板移載部40で
は、第1,第2ターンテーブル42,43上に処理前の
基板Wが収納された2つのカセットCがそれぞれ載置さ
れると、各ターンテーブル42,43が互いに逆方向に
90度回転され、各カセットC内の基板Wの向きがそれ
ぞれ前後方向(Y方向)に一列に並んだ状態になるよう
にされる。
【0027】そして、図3(a)に示すように、第1基
板受渡し部44が上昇して手前側のカセットC内の基板
Wの下端部を基板整列保持溝441内に保持させ、この
状態でさらに上昇して基板WをカセットCの外部上方に
取り出す。次いで、図3(b)に示すように、平板テー
ブル41を奥行側のカセットCが第2基板受渡し部45
の位置にくるように手前側(図2の+Y方向)に移動さ
せる。その後、図3(c)に示すように、第2基板受渡
し部45が上昇して奥行側のカセットC内の基板Wの下
端部を基板整列保持溝451内に保持させ、この状態で
さらに上昇して基板WをカセットCの外部上方に取り出
す。これにより、基板搬送ロボット50との間の基板W
の受渡しを可能とする。なお、基板処理部60で処理さ
れた基板Wは、上記と逆の動作で各カセットC内に収納
されることになる。
【0028】基板搬送ロボット50は、左右方向(X方
向)に移動可能に構成され、基板移載部40で第1,第
2基板受渡し部44,45により2つのカセットC内か
ら取り出された状態の基板W(図3(c))を同時に下
端部で保持して基板処理部60の後述するリフタ62に
受け渡す一方、基板処理部60で処理されたリフタ62
上の基板Wを下端部で保持して基板移載部40の第1,
第2基板受渡し部44,45に受け渡すものである。な
お、基板搬送ロボット50は、基板処理部60の複数の
リフタ62間における基板Wの受渡しも行う。
【0029】この基板搬送ロボット50は、図4に示す
ように、一対のアーム51,52にそれぞれ取り付けら
れてなる一対の基板チャック53,54と、一対のアー
ム51,52を回転可能に支持する支持体55と、一対
のアーム51,52をその軸心回りに回転させる回転駆
動機構部56とを備えている。この一対の基板チャック
53,54は、PFA又はPTFEで構成されており、
一方の対向面531,541にアーム51,52の軸方
向に沿って複数の基板整列保持溝532,542が形成
される一方、反対面である他方の対向面533,543
にもアーム51,52の軸方向に沿って複数の基板整列
保持溝534,544が形成されている。なお、この一
対の基板チャック53,54により基板保持具が構成さ
れる。
【0030】この一方の対向面の基板整列保持溝53
2,542では、処理前の基板Wがその下端部を各溝内
に収納させることにより保持され、他方の対向面の基板
整列保持溝534,544では、アーム51,52の回
転により反転され、処理済みの基板Wがその下端部を各
溝内に収納させることにより保持されるようになってい
る。このように、処理前の基板Wと処理済みの基板Wと
を異なる対向面で保持することにより、処理済みの基板
Wの汚染が効果的に防止される。このように各基板チャ
ック53,54がPFA又はPTFEで構成されている
理由については後述する。
【0031】基板処理部60は、基板移載部40でカセ
ットC内から取り出された基板Wの表面を処理するもの
で、処理液が貯留される複数(図示では3つ)の処理槽
61と、各処理槽61内において昇降可能に配設され、
基板Wを保持した状態で処理槽内に進入して基板Wを処
理液に浸漬させる一方、処理槽内から退出して処理の終
了した基板Wを処理液から引き上げるリフタ62とを備
えている。
【0032】なお、最初の処理槽61で処理された基板
Wは基板搬送ロボット50により次の処理槽61のリフ
タ62に受け渡され、その処理槽61で処理された基板
Wは基板搬送ロボット50によりさらに次の処理槽61
のリフタ62に受け渡されて順次所定の処理が行われ
る。
【0033】このリフタ62は、図5に示すように、上
下方向に移動可能な昇降軸621の上端に取り付けられ
たヘッド部622の端面に背板623が下方に伸びるよ
うに取り付けられ、この背板623の下端部に基板保持
具を構成する基板保持部624が取り付けられて構成さ
れている。この基板保持部624は、左端に起立して配
設された左ガイド625と、右端に起立して配設された
右ガイド626と、中央に起立して配設された中央ガイ
ド627と、各ガイド625,626,627の下端面
を連結し、各ガイド間に貫通孔が形成されたエンドプレ
ート628とで構成される一方、各ガイド625,62
6,627の上端面に基板整列保持溝629,630,
631が形成され、各基板整列保持溝629,630,
631に跨って基板Wが起立姿勢で保持されるようにな
っている。
【0034】これらの背板623並びに基板保持部62
4を構成する各ガイド625,626,627及びエン
ドプレート628は、それぞれ石英を母材とし、その母
材となる石英の表面にPFA又はPTFEがコーティン
グされて構成されている。このように、石英の表面にP
FA又はPTFEが設けられている理由については後述
する。
【0035】基板乾燥部70は、基板処理部60で処理
された基板Wを基板搬送ロボット50によりリフタ62
から受け取り、その受け取った基板Wを乾燥処理するも
のである。また、カセット洗浄部80は、処理前の基板
Wが取り出された後の空のカセットCを処理済みの基板
Wを収納するのに先立ち洗浄するもので、基板移載部4
0にある空のカセットCがカセット搬送ロボット30に
よりカセット洗浄部80に搬送されて洗浄が行われる。
【0036】次に、第1,第2基板受渡し部44,45
の基板載置部443,453及び基板ロボット50の基
板チャック53,54をPFA又はPTFEで構成し、
また、リフタ62の背板623並びに基板保持部624
の各ガイド625,626,627及びエンドプレート
628を石英母材の表面にPFA又はPTFEを設けて
構成した理由について説明する。
【0037】図6は、基板Wの表面に付着した各種合成
樹脂材料の基板表面における拡散状態を示す図である。
すなわち、図7に示すように、基板W(フッ酸による処
理済みの疎水性シリコンウエハ)の表面を各種合成樹脂
材料で擦ることにより帯状の擦り痕Kを形成し、この基
板Wを処理槽Sに貯留された純水中に起立姿勢で全体が
水中に陥没するまで進入させて引き上げた後に乾燥して
基板表面の汚染物質の拡散状態を光学顕微鏡で観察した
ものである。
【0038】なお、図6では、擦り痕Kを形成した基板
Wを処理前として示し、純水に浸漬した後の基板を処理
後として示している。また、帯状の擦り痕Kは、各材料
についてそれぞれ同一荷重を加えて形成したものであ
り、純水に対する進入及び引き上げはそれぞれ同一速度
で行っている。また、ここで用いた合成樹脂材料は、ポ
リエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ塩化ビニ
ール(PVC)、フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ
プロピレン(PP)、ポリクロロトリフルオロエチレン
(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)及びポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)である。
【0039】すなわち、図6から明らかなように、PF
A及びPTFEについては、基板表面における拡散は認
められなかったが、他の合成樹脂材料については、基板
表面における拡散が顕著に認められた。この原因につい
て種々検討を行ったところ、PFA及びPTFEによる
擦り痕Kは、基板表面に粘状(粘り気のある状態)で付
着していて基板表面から分離しにくい状態にあるのに対
し、他の材料では粒子状(あまり粘り気のない状態)に
付着していて基板表面から分離し易い状態にあることが
明らかとなった。
【0040】そして、さらに各材料の物性について検討
を進めたところ、デュロメータ硬さが、PFAはD60
の値を有し、PTFEはD55の値を有する一方、PV
DFはD80の値を有し、PCTFEはD90の値を有
する等、PFA及びPTFE以外の他の材料は全てD6
0を超える値を有することが明らかになった。なお、デ
ュロメータ硬さは、ASTM(アメリカ材料試験協会)
試験法D1706により計測したものである。
【0041】すなわち、上記種々の検討の結果、デュロ
メータ硬さがD60以下の比較的軟らかい合成樹脂材料
は、適度の粘性を有しているために基板表面に擦れ痕と
して付着しても処理液中に浸漬した場合にほとんど拡散
することがないが、デュロメータ硬さがD60よりも大
きな比較的硬い合成樹脂材料は、粘性があまりないため
に基板W表面に擦れ痕として付着すると処理液中に浸漬
した場合に広範囲に拡散することが明らかとなった。
【0042】このため、第1,第2基板受渡し部44,
45の基板載置部443,453及び基板ロボット50
の各基板チャック53,54をデュロメータ硬さがD6
0以下であるPFA又はPTFEで構成することにより
各基板整列保持溝444,454,532,534,5
42,544に基板Wを保持させたときに基板Wの表面
にPFA又はPTFEによる擦れ痕が形成されても基板
表面に拡散しないようにしたのである。
【0043】また、リフタ62の背板623並びに基板
保持部624を構成する各ガイド625,626,62
7及びエンドプレート628についてデュロメータ硬さ
がD60を超えることが明らかな石英母材の表面にPF
A又はPTFEを設けることにより、所定の機械的強度
を保持させた上で基板Wが削られるのを効果的に防止す
ることができ、かつ基板整列保持溝629,630,6
31に基板Wを保持させたときに基板Wの表面にPFA
又はPTFEによる擦れ痕が形成されても基板表面に拡
散しないようにしたのである。
【0044】次に、上記のように構成された基板処理装
置10の概略動作について説明する。すなわち、外部か
ら搬入部21に処理前の基板Wの収納された2つのカセ
ットCが搬入されてくると、この2つのカセットCがカ
セット搬送ロボット30により基板移載部40に搬送さ
れ、基板Wがその方向を変更された上で第1,第2基板
受渡し部44,45で下端部が保持されてカセットCの
外部上方に取り出される。このとき、基板Wの表面に
は、基板Wが基板整列保持溝444,454部分で擦れ
て基板載置部443,453を構成する材料が付着する
ことがあるが、基板載置部443,453がPFA又は
PTFEで構成されているので、基板Wが処理液に浸漬
されたときでも表面に付着した材料が拡散せず、基板の
処理品質の低下を防止することができる。
【0045】カセットCの外部上方に取り出された基板
Wは、基板搬送ロボット50を構成する基板チャック5
3,54で下端部が保持されて基板処理部60へ搬送さ
れる。このとき、基板Wの表面には、基板Wが基板整列
保持溝532,542部分で擦れて基板チャック53,
54を構成する材料が付着することがあるが、基板チャ
ック53,54はPFA又はPTFEで構成されている
ので、基板Wが処理液に浸漬されたときでも表面に付着
した材料が拡散せず、基板の処理品質の低下を防止する
ことができる。
【0046】基板搬送ロボット50により基板Wが基板
処理部60に搬送されてきたとき、リフタ62は処理槽
61の上方に上昇しており、基板搬送ロボット50で保
持された基板Wはリフタ62に受け渡される。このリフ
タ62は、基板保持部624で基板Wを保持した状態で
降下して基板Wを処理液中に浸漬させ、処理終了後に上
昇して基板Wを処理液中から退出させる。この処理槽で
の処理が終了した基板Wは、基板搬送ロボット50の基
板チャック53,54の反対面の基板整列保持溝53
4,544で保持され、次のリフタ62に受け渡されて
次の処理槽での処理が行われる。そして、最後の処理槽
での処理が終了すると、リフタ62上の基板Wは基板搬
送ロボット50で保持されて基板乾燥部70に搬送さ
れ、乾燥が終了した後に基板移載部40に搬送される。
【0047】なお、リフタ62の基板保持部624で基
板Wを保持するとき、基板Wの表面には、基板Wが基板
整列保持溝629,630,631部分で擦れて基板保
持部624を構成する材料が付着することがあるが、基
板保持部624の基板Wとの接触部分はPFA又はPT
FEで構成されているので、基板Wが処理液に浸漬され
たときでも表面に付着した材料が拡散せず、基板の処理
品質の低下を防止することができる。
【0048】基板移載部40では、カセット洗浄部80
で洗浄された2つのカセットCが載置され、このカセッ
トC内を貫通して第1,第2基板受渡し部44,45の
基板載置部443,453が上方に移動された状態にあ
り、基板搬送ロボット50で保持された処理済みの基板
Wが基板載置部443,453に受け渡される。その
後、基板載置部443,453に受け渡された基板Wは
カセットC内に収納され、このカセットCはカセット搬
送ロボット30により保持されて搬出部22に搬送され
る。
【0049】本発明の基板処理装置10は、上記のよう
に各基板保持具の少なくとも基板Wとの接触部分がデュ
ロメータ硬さD60以下の合成樹脂材料で構成されてい
るので、基板に付着した材料は基板から分離しにくい状
態にある結果、基板処理時に基板表面に拡散するのを抑
制することができる。
【0050】なお、本発明の基板処理装置10は、上記
実施形態の構成に限定されるものではなく、次のような
種々の変形態様を採用することができる。
【0051】(1)上記実施形態では、基板移載部40
の第1,第2の基板受渡し部44,45を構成する少な
くとも基板載置部443,453がPFA又はPTFE
で構成されているが、基板整列保持溝444,454部
分等にPFA又はPTFEをコーティングする等して基
板載置部443,453の少なくとも基板Wとの接触部
分のみをPFA又はPTFEで構成するようにすること
も可能である。この場合、PFA又はPTFE以外の部
分をデュロメータ硬さD60よりも大きい母材で構成す
るようにすると、全体の機械的強度を高めることができ
る。
【0052】(2)上記実施形態では、基板搬送ロボッ
ト50の各基板チャック53,54がPFA又はPTF
Eで構成されているが、各基板チャック53,54を別
の合成樹脂等の他の母材で構成し、基板整列保持溝53
2,542,534,544部分等にPFA又はPTF
Eをコーティングする等して少なくとも基板Wとの接触
部分のみをPFA又はPTFEで構成するようにするこ
とも可能である。この場合、PFA又はPTFE以外の
部分をデュロメータ硬さD60よりも大きい母材で構成
するようにすると、全体の機械的強度を高めることがで
きる。
【0053】(3)上記実施形態では、リフタ62の背
板623及び基板保持部624を石英母材の表面にデュ
ロメータ硬さD60以下の合成樹脂材料であるPFA又
はPTFEをコーティングする等して構成しているが、
例えば基板保持部624を構成する石英に代えてデュロ
メータ硬さD60よりも大きい他の材料を用いることも
可能である。このように、デュロメータ硬さD60より
も大きい材料を用いることによって所定の機械的強度を
確保することができる。
【0054】(4)上記実施形態では、デュロメータ硬
さD60以下の合成樹脂材料としてPFA又はPTFE
を用いているが、デュロメータ硬さD60以下であれば
他の合成樹脂材料であってもよい。勿論、耐薬品性や耐
熱性等の他の要件が要求される場合は、その要件をも同
時に満足する必要があることはいうまでもない。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1乃至3の
発明は、基板保持具の少なくとも基板との接触部分をデ
ュロメータ硬さD60以下の合成樹脂材料で構成したの
で、基板に付着した材料が基板処理時に基板表面に拡散
するのを抑制できる基板処理装置を実現することができ
る。
【0056】また、請求項4の発明は、基板保持具が、
デュロメータ硬さD60よりも大きい母材からなり、該
母材表面の少なくとも基板との接触部分にデュロメータ
硬さD60以下の合成樹脂材料を設けてなるものである
ので、所定の機械的強度を保持した上で基板に付着した
材料が基板処理時に基板表面に拡散するのを抑制できる
基板処理装置を実現することができる。
【0057】また、請求項5の発明は、デュロメータ硬
さD60以下の合成樹脂材料が、テトラフルオロエチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又は
ポリテトラフルオロエチレンであるので、基板に付着し
た材料が基板処理時に基板表面に拡散するのを抑制でき
る基板処理装置が容易に実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略
構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す基板処理装置の基板移載部の構成を
説明するための要部断面図である。
【図3】図2に示す基板移載部の移載動作を説明するた
めの図であり、(a)は一方のカセット内の基板をカセ
ット上方に取り出した状態を示す図、(b)は他方のカ
セット内の基板を取り出すために平板テーブルを移動さ
せた状態を示す図、(c)は他方のカセット内の基板を
カセット上方に取り出した状態を示す図である。
【図4】図1に示す基板処理装置の基板搬送ロボットの
構成を説明するための図で、(a)はその斜視図、
(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図5】図1に示す基板処理装置のリフタの構成を説明
するための斜視図である。
【図6】基板表面に付着した各種合成樹脂材料の拡散状
態を示す図である。
【図7】基板表面に付着した材料の拡散状態の確認方法
を説明するための図である。
【符号の説明】
10 基板処理装置 20 カセット搬入出ステージ 30 カセット搬送ロボット 40 基板移載部 44 第1基板受渡し部 45 第2基板受渡し部 50 基板搬送ロボット 53,54 基板チャック(基板保持具) 60 基板処理部 61 処理槽 62 リフタ 70 基板乾燥部 80 カセット洗浄部 442,452 ヘッド部(基板保持具) 443,453 基板載置部(基板保持具) 624 基板保持部(基板保持具)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理液内に基板を浸漬して処理を施す処
    理槽と、該処理槽で処理されるべき基板を保持する基板
    保持具とを備えた基板処理装置において、前記基板保持
    具の少なくとも基板との接触部分をデュロメータ硬さD
    60以下の合成樹脂材料で構成したことを特徴とする基
    板処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の基板処理装置において、
    前記基板保持具は、起立姿勢の基板に対して相対的に昇
    降し、基板の下端部を保持するものであることを特徴と
    する基板処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の基板処理装置において、
    基板を保持した基板保持具を移動し、基板を前記処理槽
    に貯留された処理液に対して搬入出させる駆動手段を備
    えたことを特徴とする基板処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の基板
    処理装置において、前記基板保持具は、デュロメータ硬
    さD60よりも大きい母材からなり、該母材表面の少な
    くとも基板との接触部分にデュロメータ硬さD60以下
    の合成樹脂材料を設けてなることを特徴とする基板処理
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の基板
    処理装置において、デュロメータ硬さD60以下の合成
    樹脂材料は、テトラフルオロエチレン−パーフルオロア
    ルキルビニルエーテル共重合体又はポリテトラフルオロ
    エチレンであることを特徴とする基板処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100921638B1 (ko) 2007-12-26 2009-10-14 주식회사 케이씨텍 습식 세정 장치

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