JP2000100254A - 異方導電性シートおよびその製造方法 - Google Patents

異方導電性シートおよびその製造方法

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JP2000100254A
JP2000100254A JP10283537A JP28353798A JP2000100254A JP 2000100254 A JP2000100254 A JP 2000100254A JP 10283537 A JP10283537 A JP 10283537A JP 28353798 A JP28353798 A JP 28353798A JP 2000100254 A JP2000100254 A JP 2000100254A
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sheet
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insulating sheet
forming
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接続すべき導電部が微細でかつ高密度に形成
されている場合でも、前記導電部が形成された被接続体
の材質などに応じて高い接続信頼性を有する電気的接続
が可能な異方導電性シートを提供およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 異方導電性シート30は、熱膨張係数が
10-4/℃以下の絶縁性シート体32と、前記絶縁性シ
ート体の厚さ方向に形成された貫通孔34内に導電性磁
性体粒子を含有する弾性高分子物質が充填された導電部
40と、を有する。異方導電性シートは、以下の工程
(a)〜(c)を含む製造方法によって得られる。 (a) 絶縁性シート体32に、その厚さ方向に貫通孔
34を形成する工程、(b) 硬化されて弾性高分子物
質となる流動性物質中に導電性磁性体粒子が分散された
導電部形成用材料を、絶縁性シート体32上に塗布した
後、貫通孔34中に充填する工程、および(c) 導電
部形成用材料の硬化処理を行う工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異方導電性シート
およびその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】異方導電性エラストマーシートは、厚み方
向にのみ導電性を有するもの、または厚み方向に加圧さ
れたときに厚み方向にのみ導電性を有するものである。
異方導電性エラストマーシートは、ハンダ付けあるいは
機械的嵌合などの手段を用いずにコンパクトな電気的接
続を達成することが可能であること、機械的な衝撃やひ
ずみを吸収してソフトな接続が可能であることなどの特
長を有するため、このような特長を利用して、例えば電
子計算機、電子式デジタル時計、電子カメラ、コンピュ
ーターキーボードなどの分野において、回路素子、例え
ばプリント回路基板とリードレスチップキャリアーある
いは液晶パネルなどとの相互間の電気的な接続を達成す
るためのコネクタとして広く用いられている。
【0003】また、プリント基板などの回路基板の電気
的検査においては、検査対象である回路基板の一面に形
成された被検査電極と、検査用回路基板の表面に形成さ
れた接続用電極との電気的な接続を達成するために、回
路基板の被検査電極領域と検査用回路基板の接続用電極
領域との間に異方導電性エラストマーシートを介在させ
ることが行われている。
【0004】従来、このような異方導電性エラストマー
シートとしては、種々の構造のものが知られている。例
えば特開昭51−93393号公報等には、金属粒子を
エラストマー中に均一に分散して得られる異方導電性エ
ラストマーシート(以下、これを「分散型異方導電性エ
ラストマーシート」という。)が開示されている。ま
た、特開昭53−147772号公報等には、導電性磁
性体粒子をエラストマー中に不均一に分布させることに
より、厚み方向に伸びる多数の導電路形成部と、これら
を相互に絶縁する絶縁部とが形成されてなる異方導電性
エラストマーシート(以下、これを「偏在型異方導電性
エラストマーシート」という。)が開示されている。さ
らに、特開昭61−250906号公報等には、導電路
形成部の表面と絶縁部との間に段差が形成された偏在型
異方導電性エラストマーシートが開示されている。
【0005】そして、偏在型異方導電性エラストマーシ
ートは、回路基板等の電極パターンと対掌のパターンに
従って導電路形成部が形成されているため、分散型異方
導電性エラストマーシートに比較して、接続すべき電極
が小さいピッチで配置されている回路基板などに対して
も電極間の電気的接続を高い信頼性で達成することがで
きる点で、有利である。
【0006】従来、遍在型導電性エラストマーシート
は、例えば、次のようにして製造される。
【0007】すなわち、図20に示すように、例えば検
査対象である回路基板の被検査電極と同一のパターンに
従って強磁性体部分81が配置されると共に、該強磁性
体部分81以外の部分に非磁性体部分82が配置されて
なる一方の型(以下、「上型」という。)80と、検査
対象である回路基板の被検査電極と対掌のパターンに従
って強磁性体部分86が配置されると共に、該強磁性体
部分86以外の部分に非磁性体部分87が配置されてな
る他方の型(以下、「下型」という。)85とを用い
る。そして、上型80と下型85との間に、硬化されて
弾性高分子物質となる高分子物質形成材料中に導電性磁
性体粒子が分散されてなる異方導電性エラストマー形成
材料層90Aを形成する。
【0008】次いで、図21に示すように、上型80の
上面および下型85の下面に一対の電磁石83,88を
配置して該電磁石83,88を作動させることにより、
上型80の強磁性体部分81からこれに対応する下型8
5の強磁性体部分86に向かう方向に平行磁場を作用さ
せる。その結果、異方導電性エラストマー形成材料層9
0Aにおいては、該異方導電性エラストマー形成材料層
90A中に分散されていた導電性磁性体粒子が、上型8
0の強磁性体部分81と下型85の強磁性体部分86と
の間に位置する部分に集合し、更に厚さ方向に並ぶよう
配向する。
【0009】そして、この状態で、異方導電性エラスト
マー形成材料層90Aに対して例えば加熱による硬化処
理を行うことにより、図22に示すように、厚さ方向に
伸びる多数の導電路形成部91と、これらを相互に絶縁
する絶縁部92とが形成されてなる偏在型異方導電性エ
ラストマーシート90が製造される。
【0010】ところで、極めて小さい電極間隔(ピッ
チ)例えば100μm以下のピッチで被検査電極が配置
された検査対象回路基板に対応する偏在型異方導電性エ
ラストマーシートを例えば300μmの厚さで製造する
場合には、当然のことながら強磁性体部分81,86が
極めて小さいピッチで配置された上型80および下型8
5を用いることが必要である。
【0011】しかし、このような上型80および下型8
5を用い、上述のようにして例えば厚みが300μmの
偏在型異方導電性エラストマーシートを製造する場合に
は、図23に示すように、上型80および下型85の各
々において、ある強磁性体部分81a,86aとこれに
隣接する強磁性体部分81b,86bとの離間距離が小
さく、しかも、上型80および下型85の間隔が大き
い。そのため、上型80の強磁性体部分81aからこれ
に対応する下型85の強磁性体部分86aに向かう方向
(矢印Xで示す)のみならず、例えば上型80の強磁性
体部分81aからこれに対応する下型85の強磁性体部
分86aに隣接する強磁性体部分86bに向かう方向
(矢印Yで示す)にも磁場が作用することとなる。その
結果、異方導電性エラストマー形成材料層90Aにおい
て、導電性磁性体粒子を、上型80の強磁性体部分81
aとこれに対応する下型85の強磁性体部分86aとの
間に位置する部分に集合させることが困難となる。そし
て、上型80の強磁性体部分81aと下型85の強磁性
体部分86bとの間に位置する部分にも導電性磁性体粒
子が集合してしまい、所期の偏在型異方導電性エラスト
マーシートが得られない。
【0012】また、上述の製造方法によれば、導電性磁
性体粒子を磁場配向させるための上下一組の金型が必要
であり、これがコストを上げる一因となっていた。
【0013】また、従来の異方導電性エラストマーシー
トの製造法においては、マトリックス材料として、硬化
されて弾性高分子物質となる低粘度高分子物質に使用が
限定されるため、使用できる材料種に制約があった。そ
のため、接続すべき電極が形成された基板の材質、ある
いは厚み方向の寸法精度に対応して、低熱膨張係数およ
び最適な硬度を有する異方導電性エラストマーシートの
製造が極めて困難であった。
【0014】特に、接続すべき電極が形成された基板と
遍在型異方導電性シートとの熱膨張係数の差が大きい場
合、前記電極のパターンが微細、かつ高密度である時、
温度変化により前記電極と前記遍在型異方導電性シート
の導電部との間で位置ずれが発生し、この結果、電気接
続の信頼性が低下するといった問題が発生する。
【0015】たとえば、異方導電性シートと接続される
回路基板(被接続体)がガラス、シリコン、ガラスエポ
キシなどの低熱膨張係数を有する材料である場合、高い
接続信頼性を得るためには前記異方導電性シートの熱膨
張係数が小さいことが望まれる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、接続
すべき導電部が微細でかつ高密度に形成されている場合
でも、前記導電部が形成された被接続体の材質などに応
じて高い接続信頼性を有する電気的接続が可能な異方導
電性シートを提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、磁場配向時に磁場を
制御するための型を必要とせず、上述の異方導電性シー
トを簡易な方法で製造することができる製造方法を提供
することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る異方導電性
シートは、熱膨張係数が10-4/℃以下の絶縁性シート
体と、前記絶縁性シート体の厚さ方向に形成された貫通
孔内に導電性磁性体粒子を含有する弾性高分子物質が充
填された導電部と、を含む。
【0019】この異方導電性シートによれば、その導電
部は、絶縁性シート体、好ましくは弾性を有する絶縁性
シート体の貫通孔内に形成されることから、貫通孔の相
互の間隔を狭めることにより、極めて小さなピッチの導
電路を形成することができる。従って、接続すべき導電
部(以下、これを「被接続部」という。)のピッチが極
めて小さいときにも、この被接続部のピッチに対応させ
た導電部を形成することができる。そして、各導電部の
相互は、絶縁性シート体によって電気的に確実に分離さ
れる。
【0020】さらに本発明においては、異方導電性シー
トを構成する絶縁性シート体の材料種を選択することに
より、目的とする熱膨張係数を有する異方導電性シート
が得られる。
【0021】そして、本発明においては、熱膨張係数が
10-4/℃以下の絶縁性シート体を使用することによ
り、被接続体がガラス、シリコン、ガラスエポキシ樹脂
などの低熱膨張係数を有する材料であっても、温度変化
に対して高い接続信頼性を得ることができる。
【0022】前記導電性磁性体粒子は、前記絶縁性シー
ト体の厚さ方向に配向していることが望ましい。このよ
うに導電性磁性体粒子が配向することで、導電部の導電
性がより高まる。
【0023】本発明の異方導電性シートは、以下の工程
(a)〜(c)を含む製造方法によって得ることができ
る。
【0024】(a) 絶縁性シート体に、その厚さ方向
に貫通孔を形成する工程、(b) 硬化されて弾性高分
子物質となる流動性物質中に導電性磁性体粒子が分散さ
れた導電部形成用材料を、前記絶縁性シート体上に塗布
した後、前記貫通孔中に充填する工程、および(c)
前記導電部形成用材料の硬化処理を行う工程。
【0025】本発明の製造方法によれば、絶縁性シート
体にあらかじめ貫通孔を形成し、これに導電部形成用材
料を充填するため、磁場配向によって導電性磁性体粒子
を導電部を形成するための所定領域に集める必要がな
い。したがって、磁力線を集中させるための型を要せ
ず、この点で製造装置のコストを大幅に低減できる。さ
らに、磁力線を集中させるための型を要しないことによ
り、この型の精度から規定される導電部のピッチの制約
がないので、高密度で微細なパターンの導電部を形成す
ることができる。
【0026】さらに好ましくは、磁気引力により導電部
形成用材料を貫通孔内に強制的に引き込むことにより、
アスペクト比の大きい貫通孔内への導電部形成用材料の
充填が可能であり、この点からも高密度で微細なパター
ンの導電部を形成することができる。
【0027】この製造方法においては、前記工程(b)
の後に、前記絶縁性シート体の厚さ方向に磁場を形成す
ることにより、前記貫通孔内に充填された導電部形成用
材料中の導電性磁性体粒子を前記厚さ方向に配向させる
工程を有することが望ましい。導電性磁性体粒子を配向
させる利点については、前述のとおりである。
【0028】また、前記工程(b)は、減圧状態で行わ
れることが望ましい。この工程を減圧状態で行うことに
より、貫通孔への導電部形成用材料の充填がより確実に
行われる。
【0029】本発明の異方導電性シートは、前述した回
路素子のコネクタ、回路基板の検査装置と該回路基板と
の間に介在される検査用コネクタをはじめとし、回路基
板検査用アダプタ装置などに適用できる。回路基板検査
用アダプタ装置は、たとえば、被検査回路基板の被検査
電極および検査装置の電極に対応する導電部が基板の両
面にそれぞれ形成された、ピッチ変換機能を有するアダ
プタ本体と、このアダプタ本体に一体的に設けられた本
発明の異方導電性シートとから構成されることが好まし
い。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】[第1の実施の形態] (異方導電性シートの構造)図1は、本発明の第1の実
施の形態に係る異方導電性シートの一例を模式的に示す
断面図である。
【0032】異方導電性シート30は、絶縁性シート体
32と、この絶縁性シート体32に形成された導電部4
0とを有する。
【0033】導電部40は、絶縁性シート体32の厚さ
方向に形成された、貫通孔34内に充填されている。そ
して、導電部40は、弾性高分子層42と、この弾性高
分子層42内に分散された導電性磁性体粒子44とを有
する。導電性磁性体粒子44は、絶縁性シート体32の
厚さ方向に配向する状態で充填されている。これらの導
電性磁性体粒子44により、絶縁性シート体32の厚さ
方向に導電路が形成される。また、導電部40は、その
一方の端部が絶縁性シート体32の表面より突出した状
態で形成されている。導電部40が絶縁性シート体32
の表面より突出することにより、回路基板などの被接続
部との電気的接続をより確実に行うことができる。
【0034】導電部40は、絶縁性シート体32の厚さ
方向に加圧されて圧縮されたときに抵抗値が減少して導
電路が形成される、加圧導電素子とすることもできる。
【0035】この異方導電性シート30によれば、導電
部40が、絶縁性シート体32に形成された貫通孔34
内に形成されることから、貫通孔34の相互の間隔を狭
めることにより、極めて小さなピッチの導電路を形成す
ることができる。従って、被接続部のピッチが極めて小
さいときにも、この被接続部のピッチに対応させた導電
部40を形成することができる。そして、各導電部40
の相互は、絶縁性シート体32によって電気的に確実に
分離される。
【0036】(各部材の材料)異方導電性シート30を
構成する絶縁性シート体32は、シート加工が可能であ
る絶縁性材料でかつ熱膨張係数が10-4/℃以下であれ
ばよい。絶縁性シート体の熱膨張係数は前記異方導電性
シートと接続される被接続部(電極)が形成された基板
(被接続体)の熱膨張係数と同じか、あるいは近似して
いることが好ましい。例えば被接続体の材料がガラス、
シリコン、ガラスエポキシ樹脂である場合、絶縁性シー
ト体の熱膨張係数は、好ましくは5×10-5/℃以下、
特に好ましくは2×10-5〜1×10-7/℃であること
が好ましい。
【0037】絶縁性シート体の材料の具体例としては、
ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂;ポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂などのポリエステル樹脂;塩化ビニル樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂、アルキ
ド樹脂、アクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリオキシメチ
レンなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0038】特に、低熱膨張係数を有する絶縁性シート
体を得るためには、上記材料とガラス、アラミド樹脂な
ど低熱膨張係数を有する材料で形成された織布やメッシ
ュ板との複合材料が好ましい。
【0039】また、絶縁性シート体32にエラストマー
材料を使用する場合は、通常、エラストマー材料の熱膨
張係数は10-4/℃より大きいので、前記織布、メッシ
ュ板、ガラス繊維などとの複合材料とすることが好まし
い。
【0040】前記エラストマー材料の具体例としては、
ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、
スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、アクリルニトリル
・ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴム、お
よびこれらの水素添加物;スチレン・ブタジエン・ジエ
ンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソブチレンブロ
ック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれら
の水素添加物;クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエス
テル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴ
ム、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プ
ロピレン・ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。
【0041】得られる異方導電性シートに耐候性が要求
される場合には、共役ジエン系ゴム以外のものを用いる
ことが好ましく、特に、成形加工性および電気特性の観
点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0042】シリコーンゴムとしては、液状シリコーン
ゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコ
ーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105
アズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のも
の、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのい
ずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン
生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニ
ルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0043】これらの中で、ビニル基を含有する液状シ
リコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)
は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジア
ルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたは
ジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加
水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の
繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
【0044】また、ビニル基を両末端に含有する液状シ
リコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサン
のような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオ
ン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシ
ロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロ
キサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択すること
により得られる。ここで、アニオン重合の触媒として
は、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−
ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラ
ノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例
えば80〜130℃である。
【0045】このようなビニル基含有ポリジメチルシロ
キサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量
平均分子量をいう。以下同じ。)が10,000〜4
0,000のものであることが好ましい。また、異方導
電性シートの耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準
ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレ
ン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。
以下同じ。)が2以下のものが好ましい。
【0046】一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリ
コーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサ
ン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチル
ジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランま
たはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下におい
て、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−
沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
【0047】また、環状シロキサンを触媒の存在下にお
いてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチ
ルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランま
たはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その
他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合
停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。
ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメ
チルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウム
などのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを
用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃
である。
【0048】このようなヒドロキシル基含有ポリジメチ
ルシロキサンは、その分子量Mwが10,000〜4
0,000のものであることが好ましい。また、異方導
電性シートの耐熱性の観点から、分子量分布指数が2以
下のものが好ましい。
【0049】本発明においては、上記のビニル基含有ポ
リジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジ
メチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、
両者を併用することもできる。
【0050】高分子物質形成材料には、これを硬化させ
るための硬化触媒を含有させることができる。このよう
な硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合
物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができる。
【0051】硬化触媒として用いられる有機過酸化物の
具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシク
ロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリー
ブチルなどが挙げられる。
【0052】硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合
物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなど
が挙げられる。
【0053】ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得
るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白
金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシ
ロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジ
ビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、
トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金と
のコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、
環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のもの
が挙げられる。
【0054】硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料
の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮
して適宜選択されるが、通常、高分子物質形成材料10
0重量部に対して3〜15重量部である。
【0055】また、異方導電性シート30の貫通孔34
内に充填された導電部40は、硬化されて弾性高分子物
質となる高分子物質形成材料中に導電性磁性体粒子が分
散された導電部形成用材料が硬化処理されて形成され
る。高分子物質形成材料としては、上述した絶縁性シー
ト体32を形成するためのエラストマー材料と同様のも
のを例示することができる。
【0056】導電部形成用材料に用いられる導電性磁性
体粒子の具体例としては、鉄、コバルト、ニッケルなど
の磁性を示す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子ま
たはこれらの金属を含有する粒子;またはこれらの粒子
を芯粒子とし、該芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、
ロジウムなどの導電性の良好な金属のメッキを施したも
の;あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなど
の無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、該芯
粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体
のメッキを施したもの;あるいは芯粒子に、導電性磁性
体および導電性の良好な金属の両方を被覆したものなど
が挙げられる。
【0057】これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子と
し、その表面に金や銀などの導電性の良好な金属のメッ
キを施したものを用いることが好ましい。
【0058】芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段
としては、特に限定されるものではないが、例えば化学
メッキまたは無電解メッキにより行うことができる。
【0059】導電性磁性体粒子として、芯粒子の表面に
導電性金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良
好な導電性が得られる観点から、粒子表面における導電
性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の
被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、
さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜9
5%である。
【0060】また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の
2.5〜50重量%であることが好ましく、より好まし
くは3〜30重量%、さらに好ましくは3.5〜25重
量%、特に好ましくは4〜20重量%である。被覆され
る導電性金属が金である場合には、その被覆量は、芯粒
子の3〜30重量%であることが好ましく、より好まし
くは3.5〜15重量%、さらに好ましくは3〜20重
量%、特に好ましくは4.5〜10重量%である。ま
た、被覆される導電性金属が銀である場合には、その被
覆量は、芯粒子の3〜30重量%であることが好まし
く、より好ましくは4〜25重量%、さらに好ましくは
5〜23重量%、特に好ましくは6〜20重量%であ
る。更に、被覆される導電性金属として金と銀の両方を
用いる場合には、金の被覆量は、芯粒子の0.1〜5重
量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜4
重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%であり、銀
の被覆量は、芯粒子の3〜30重量%であることが好ま
しく、より好ましくは4〜25重量%、さらに好ましく
は5〜20重量%である。
【0061】また、導電性磁性体粒子の粒子径は、1〜
1,000μmであることが好ましく、より好ましくは
2〜500μm、さらに好ましくは5〜300μm、特
に好ましくは10〜200μmである。
【0062】また、導電性磁性体粒子の粒子径分布(D
w/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好
ましくは1.01〜7、さらに好ましくは1.05〜
5、特に好ましくは1.1〜4である。
【0063】このような条件を満足する導電部形成用材
料を用いることにより、得られる導電部40は、加圧変
形が容易なものとなり、また、該導電部40において導
電性磁性体粒子間に十分な電気的接触が得られる。
【0064】また、導電性磁性体粒子の形状は、特に限
定されるものではないが、高分子物質用材料中に容易に
分散させることができる点で、球状のもの、星形状のも
のあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のもの
であることが好ましい。
【0065】また、導電性磁性体粒子の含水率は、5%
以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、
さらに好ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下
である。このような条件を満足する導電性磁性体粒子を
用いることにより、後述する製造方法において、導電部
形成用材料層を硬化処理する際に、該導電部形成用材料
層内に気泡が生ずることが防止または抑制される。
【0066】また、導電性磁性体粒子の表面がシランカ
ップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを
適宜用いることができる。導電性磁性体粒子の表面がカ
ップリング剤で処理されることにより、該導電性磁性体
粒子と弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結
果、得られる導電部40は、繰り返しの使用における耐
久性が高いものとなる。
【0067】カップリング剤の使用量は、導電性磁性体
粒子の導電性に影響を与えない範囲で適宜選択される
が、導電性磁性体粒子表面におけるカップリング剤の被
覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の
被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ま
しく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さら
に好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜1
00%となる量である。
【0068】このような導電性磁性体粒子は、高分子物
質用材料に対して体積分率で10〜60%、好ましくは
35〜50%となる割合で用いられることが好ましい。
この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の
小さい導電部が得られないことがある。一方、この割合
が60%を超える場合には、得られる導電部は脆弱なも
のとなりやすく、導電部として必要な弾性が得られない
ことがある。
【0069】導電部形成用材料中には、必要に応じて、
通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリ
カ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができ
る。このような無機充填材を含有させることにより、該
導電部形成用材料のチクソトロピー性が確保され、その
粘度が高くなり、しかも、導電性磁性体粒子の分散安定
性が向上すると共に、硬化処理されて得られる導電部の
強度が高くなる。
【0070】このような無機充填材の使用量は、特に限
定されるものではないが、あまり多量に使用すると、後
述する製造方法において、磁場による導電性磁性体粒子
の配向を十分に達成することができなくなる。
【0071】また、導電部形成用材料の粘度は、温度2
5℃において10,000〜1000,000cpの範
囲内であることが好ましい。
【0072】そして、以上のような導電部形成用材料が
硬化処理されることにより、導電部40が形成される。
【0073】(異方導電性シートの製造方法)つぎに、
本実施の形態の異方導電性シートの製造方法について、
図2から図8を参照しながら説明する。
【0074】(1)まず、図2に示すように、基板10
上に絶縁性シート体32を形成する。この工程では、絶
縁性シート体32は、例えば基板10の表面に、高分子
物質形成材料を塗布し、これを硬化することにより形成
することができる。あるいは、絶縁性シート体32は、
高分子材料を塗布,硬化する代わりに、高分子物質から
なる絶縁性シート体を圧着,接着あるいは熱圧着等によ
り基板10の表面に一体化させて形成してもよい。基板
10としては、特に限定されないが、ガラス、樹脂など
のシートあるいは板を用いることができる。
【0075】ついで、絶縁性シート体32上に、剥離層
70を形成する。この剥離層70は、導電部40の突出
高さに対応した厚みを有する。
【0076】剥離層70の材料としては、例えばポリイ
ミド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、例えばポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂などのポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリ
ブタジエン樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリアミド、ポリオキシメチレン等
の熱可塑性樹脂などが用いられる。
【0077】(2)ついで、図3に示すように、絶縁性
シート体32および剥離層70の積層体において、後の
工程で形成される導電部40に対応する位置に貫通孔3
4を形成する。
【0078】貫通孔34を形成する手段としては、レー
ザー加工、ドリルによる機械的加工、フォトリソグラフ
ィーおよびエッチングによるフォトリソグラフィー加工
などを利用することができ、特に簡易な方法で微細、高
密度かつ高アスペクトの貫通孔を形成できるレーザ加工
による手段が好ましい。
【0079】(3)ついで、図4および図5に示すよう
に、硬化されて弾性高分子物質となる流動性物質中に導
電性磁性体粒子が分散されたペースト状の導電部形成用
材料36を、上記工程(2)で形成された貫通孔34内
に充填する。
【0080】導電部形成用材料36を貫通孔34に充填
するには、まず図4に示すように、導電部形成用材料3
6を剥離層70上に塗布する。導電部形成用材料を塗布
する手段としては、ロール塗布、ブレード塗布などの手
段を用いることができる。
【0081】ついで、塗布された導電部形成用材料36
を磁気引力によって貫通孔34内に充填する。具体的に
は、図5に示すように、導電部形成用材料36が塗布さ
れた剥離層70と反対側の、基板10の表面側に磁石5
0を設置することにより、この磁石50の磁気引力によ
り導電性磁性体粒子を含む導電部形成用材料を貫通孔3
4内に引き込む。磁石50は、その磁気引力により導電
部形成用材料を貫通孔内に導入できればよく、その形状
や配置は特に限定されない。例えば、磁石50は、図5
に示すように、一方の磁極面が基板10の面に対向する
状態で設置されてもよいし、あるいは磁極が線状の棒状
磁石を基板10に対して走査させてもよい。
【0082】また、この工程においては、例えば1×1
-3atm以下、好ましくは1×10-4〜1×10-5
tmに減圧された雰囲気下において、剥離層70の表面
に導電部形成用材料36を塗布した後、雰囲気圧を上昇
させて例えば常圧にすることが望ましい。このことによ
り、貫通孔34内により確実に導電部形成用材料を充填
でき、さらに充填された導電部形成用材料に気泡が生ず
ることを防止することができる。
【0083】この工程においては、磁気引力によって貫
通孔34内に導電性磁性体粒子を引き込むことにより、
貫通孔34内に確実に導電部形成用材料を充填すること
ができる。そして、磁気引力によって強制的に導電部形
成用材料を貫通孔34内に引き込むことにより、アスペ
クト比の大きな貫通孔であっても導電部形成用材料の充
填を達成することができる。
【0084】(4)ついで、剥離層70の表面に残留し
た導電部形成用材料をスキージ等により除去することが
できる。
【0085】これらの工程によって、図6に示すよう
に、絶縁性シート体32および剥離層70に形成された
貫通孔34内に導電部形成用材料の充填部38が形成さ
れる。
【0086】(5)ついで、絶縁性シート体32の厚さ
方向に磁場を形成することにより、貫通孔34内に充填
された導電部形成用材料中の導電性磁性体粒子を前記厚
さ方向に配向させる。
【0087】具体的には、図7に示すように、基板1
0,充填部38を有する絶縁性シート体32,および剥
離層70を一対の電磁石62および64の間に配置す
る。そして、電磁石62,64を作動させることによ
り、導電部形成用材料が充填された充填部38の厚さ方
向に平行磁場が作用する。その結果、充填部38中に分
散されていた導電性磁性体粒子が絶縁性シート体32の
厚さ方向に配向し、導電部40が形成される。
【0088】このとき、導電部形成用材料の充填部38
に作用される平行磁場の強度は、平均で200〜20,
000ガウスとなる大きさが好ましい。
【0089】(6)前記工程(5)において前記導電性
磁性体粒子の磁場配向とともに、あるいはそれに引き続
いて、導電部形成用材料の流動性物質を硬化させること
により弾性高分子層を形成する。導電部形成用材料の硬
化処理は、使用される材料によって適宜選定されるが、
通常、加熱処理によって行われる。加熱により導電部形
成用材料の硬化処理を行う場合には、電磁石62,64
にヒーターを設ければよい。具体的な加熱温度および加
熱時間は、導電部形成用材料を構成する高分子物質形成
材料などの種類、導電性磁性体粒子の移動に要する時間
などを考慮して適宜選定される。
【0090】(7)そして、以上の工程が終了した後、
図8に示す積層体を取り出し、基板10および剥離層7
0を剥離することにより、例えば図1に示す構成の異方
導電性シート30が製造される。
【0091】上述の製造方法では、絶縁性シート体32
にあらかじめ貫通孔34を形成し、これに導電部形成用
材料を充填するため、磁場配向によって導電性磁性体粒
子を導電部を形成するための所定領域に集める必要がな
く、単に磁場配向によって導電性磁性体粒子の配向が達
成できればよい。したがって、磁力線を集中させるため
の型を要せず、この点で製造装置のコストを大幅に低減
できる。さらに、磁力線を集中させるための型を要しな
いことは、この型の精度から規定される導電部のピッチ
の制約がないので、高密度で微細なパターンの導電部を
形成することができる。
【0092】また、この製造方法においては、磁気引力
によって貫通孔34内に導電性磁性体粒子を引き込むこ
とにより、導電部40を形成できる。そして、磁気引力
によって強制的に導電部形成用材料を貫通孔34内に引
き込むことにより、アスペクト比の大きな貫通孔であっ
ても導電部形成用材料を確実に充填できる。
【0093】[第2の実施の形態] (異方導電性シートの構造)図9は、本発明の第2の実
施の形態に係る異方導電性シートの一例を模式的に示す
断面図である。
【0094】異方導電性シート30は、絶縁性シート体
32と、この絶縁性シート体32に形成された導電部4
0と、この導電部40の下端に形成された電極部31と
を有する。本実施の形態では、第1の実施の形態と、電
極部31を有する点で異なる。
【0095】導電部40は、絶縁性シート体32の厚さ
方向に形成された、貫通孔34内に充填されている。そ
して、導電部40は、弾性高分子層42と、この弾性高
分子層42内に分散された導電性磁性体粒子44とを有
する。導電性磁性体粒子44は、絶縁性シート体32の
厚さ方向に配向する状態で充填されている。これらの導
電性磁性体粒子44により、絶縁性シート体32の厚さ
方向に導電路が形成される。また、導電部40は、その
上端部が絶縁性シート体32の表面より突出した状態で
形成されている。導電部40が絶縁性シート体32の表
面より突出することにより、回路基板などの被接続部と
の電気的接続をより確実に行うことができる。
【0096】導電部40は、絶縁性シート体32の厚さ
方向に加圧されて圧縮されたときに抵抗値が減少して導
電路が形成される、加圧導電素子とすることもできる。
【0097】電極部31は、絶縁性シート体32の表面
に露出して形成されている。また、電極部31は、少な
くとも回路基板などの被接続部に対応する所定のパター
ンで形成され、かつ、強磁性および導電性を有する材料
から構成されている。そして、電極部31の相互は絶縁
性シート体32によって相互に電気的に分離されてい
る。
【0098】この異方導電性シート30によれば、導電
部40が、絶縁性シート体32に形成された貫通孔34
内に形成されることから、貫通孔34の相互の間隔を狭
めることにより、極めて小さなピッチの導電路を形成す
ることができる。従って、被接続部のピッチが極めて小
さいときにも、この被接続部のピッチに対応させた導電
部40を形成することができる。そして、各導電部40
の相互は、絶縁性シート体32によって電気的に確実に
分離される。
【0099】さらに、電極部31を磁性体によって形成
することにより、後に詳述するように、導電性磁性体粒
子44を磁場で配向させる場合に、電極部31が磁極
(磁石)になるため、導電性磁性体粒子44の配向をよ
り確実に行うことができる。
【0100】本実施の形態の異方導電性シート30を構
成する各部材の材料は、第1の実施の形態で例示したも
のを例示できる。
【0101】(異方導電性シートの製造方法)つぎに、
本実施の形態の異方導電性シートの製造方法について、
図10から図17を参照しながら説明する。
【0102】(1)まず、図10に示すように、基板1
0の一方の面上において、少なくとも回路基板などの被
接続部に対応する所定のパターンで、強磁性および導電
性を有する電極部31を形成する。この導電部31は、
後の磁場配向において、磁場を制御する機能を有する。
【0103】(2)ついで、図11に示すように、基板
10上に絶縁性シート体32を形成する。絶縁性シート
体32は、第1の実施の形態で述べたと同様の方法で形
成できる。ついで、絶縁性シート体32上に、剥離層7
0を形成する。この剥離層70は、導電部40の突出高
さに対応した厚みを有する。
【0104】剥離層70の材料としては、第1の実施の
形態で述べたと同様のものを例示できる。
【0105】(3)ついで、図12に示すように、絶縁
性シート体32および剥離層70の積層体において、後
の工程で形成される導電部40に対応する位置に、電極
部31に連続する貫通孔34を形成する。
【0106】貫通孔34を形成する手段としては、第1
の実施の形態で述べたと同様な手段を用いることができ
る。
【0107】(4)ついで、図13および図14に示す
ように、硬化されて弾性高分子物質となる流動性物質中
に導電性磁性体粒子が分散されたペースト状の導電部形
成用材料36を、上記工程(3)で形成された貫通孔3
4内に充填する。
【0108】導電部形成用材料36を貫通孔34に充填
するには、まず図13に示すように、導電部形成用材料
36を剥離層70上に塗布する。導電部形成用材料を塗
布する手段としては、ロール塗布、ブレード塗布などの
手段を用いることができる。
【0109】ついで、塗布された導電部形成用材料36
を磁気引力によって貫通孔34内に充填する。具体的に
は、図14に示すように、導電部形成用材料36が塗布
された剥離層70と反対側の、基板10の表面側に磁石
50を設置することにより、この磁石50の磁気引力に
より導電性磁性体粒子を含む導電部形成用材料を貫通孔
34内に引き込む。この工程で、磁石50あるいは導電
部形成材料の充填条件などは、第1の実施の形態で述べ
たと同様である。
【0110】この工程においては、磁気引力によって貫
通孔34内に導電性磁性体粒子を引き込むことにより、
貫通孔34内に確実に導電部形成用材料を充填すること
ができる。そして、磁気引力によって強制的に導電部形
成用材料を貫通孔34内に引き込むことにより、アスペ
クト比の大きな貫通孔であっても導電部形成用材料の充
填を達成することができる。
【0111】(5)ついで、剥離層70の表面に残留し
た導電部形成用材料をスキージ等により除去することが
できる。
【0112】これらの工程によって、図15に示すよう
に、絶縁性シート体32および剥離層70に形成された
貫通孔34内に導電部形成用材料の充填部38が形成さ
れる。
【0113】(6)ついで、絶縁性シート体32の厚さ
方向に磁場を形成することにより、貫通孔34内に充填
された導電部形成用材料中の導電性磁性体粒子を前記厚
さ方向に配向させる。
【0114】具体的には、図16に示すように、基板1
0,電極部31と充填部38とを有する絶縁性シート体
32,および剥離層70を一対の電磁石62および64
の間に配置する。そして、電磁石62,64を作動させ
ることにより、導電部形成用材料が充填された充填部3
8の厚さ方向に平行磁場が作用し、特に、磁極として機
能する導電部31に磁力線が集中する。その結果、充填
部38中に分散されていた導電性磁性体粒子が絶縁性シ
ート体32の厚さ方向に配向し、導電部40が形成され
る。
【0115】このとき、導電部形成用材料の充填部38
に作用される平行磁場の強度は、第1の実施の形態と同
様である。
【0116】(7)前記工程(6)において前記導電性
磁性体粒子の磁場配向とともに、あるいはそれに引き続
いて、導電部形成用材料の流動性物質を硬化させること
により弾性高分子層を形成する。導電部形成用材料の硬
化処理は、第1の実施の形態と同様である。
【0117】(8)そして、以上の工程が終了した後、
図17に示す積層体を取り出し、基板10および剥離層
70を剥離することにより、例えば図9に示す構成の異
方導電性シート30が製造される。
【0118】本実施の形態の製造方法でも、第1の実施
の形態で述べたと同様な作用効果を有する。
【0119】(異方導電性シートの変形例)以上、本発
明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記の実施の
形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能であ
る。
【0120】例えば、図18に示す異方導電性シート3
0においては、導電部40を絶縁性シート体32の表面
から突出させないで、両者の表面がほぼ同じ面を構成す
るように形成している。このような異方導電性シート3
0は、上記の実施の形態の製造方法で、剥離層70を設
けないことにより得ることができる。また、図示しない
が、導電部を絶縁性シート体より窪ました状態で形成す
ることもできる。このような異方導電性シート30は、
上記の実施の形態の製造方法で、絶縁性シート体32の
表面に剥離層70を設けないことにより得ることができ
る。なお、図18において、図1に示す部材と実質的に
同様の機能を有する部材には同じ符号を付し、その説明
を省略する。
【0121】さらに、例えば図19に示す異方導電性シ
ート30においては、導電部40の上端部および下端部
の両者を絶縁性シート体32の表面から突出させてい
る。このような異方導電性シート30は、上記の実施の
形態の製造方法で、剥離層70を絶縁性シート体32の
上面および下面に設けることにより得ることができる。
なお、図19において、図1に示す部材と実質的に同様
の機能を有する部材には同じ符号を付し、その説明を省
略する。
【0122】また、上記の実施の形態で、剥離層70お
よび基板10の少なくとも一方を残すこともできる。こ
の場合、剥離層70あるいは基板10を耐熱性および機
械的強度の優れ、かつ熱膨張係数が小さい樹脂で形成す
れば、寸法安定性や熱安定性のよい異方導電性シートを
得ることができる点で好ましい。これらの剥離層70お
よび基板10は、必要に応じて、例えば使用時などの適
宜の時期に剥離することもできる。
【0123】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る異方導電性シ
ートを模式的に示す断面図である。
【図2】図1に示す異方導電性シートの製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図3】図1に示す異方導電性シートの製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図4】図1に示す異方導電性シートの製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図5】図1に示す異方導電性シートの製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図6】図1に示す異方導電性シートの製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図7】図1に示す異方導電性シートの製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図8】図1に示す異方導電性シートの製造方法の一工
程を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る異方導電性シ
ートを模式的に示す断面図である。
【図10】図9に示す異方導電性シートの製造方法の一
工程を模式的に示す断面図である。
【図11】図9に示す異方導電性シートの製造方法の一
工程を模式的に示す断面図である。
【図12】図9に示す異方導電性シートの製造方法の一
工程を模式的に示す断面図である。
【図13】図9に示す異方導電性シートの製造方法の一
工程を模式的に示す断面図である。
【図14】図9に示す異方導電性シートの製造方法の一
工程を模式的に示す断面図である。
【図15】図9に示す異方導電性シートの製造方法の一
工程を模式的に示す断面図である。
【図16】図9に示す異方導電性シートの製造方法の一
工程を模式的に示す断面図である。
【図17】図9に示す異方導電性シートの製造方法の一
工程を模式的に示す断面図である。
【図18】本発明の異方導電性シートの変形例を模式的
に示す断面図である。
【図19】本発明の異方導電性シートの他の変形例を模
式的に示す断面図である。
【図20】従来の異方導電性エラストマーシートを製造
するために用いられる一方の型と他方の型との間に、異
方導電性エラストマー形成材料層が形成された状態を模
式的に示す断面図である。
【図21】異方導電性エラストマー形成材料層に平行磁
場を作用させた状態を模式的に示す断面図である。
【図22】従来の異方導電性エラストマーシートの一例
における構成を模式的に示す断面図である。
【図23】従来の異方導電性エラストマーシートの形成
材料層に作用される磁場の方向を示す断面図である。
【符号の説明】
10 基板 30 異方導電性シート 31 電極部 32 絶縁性シート体 34 貫通孔 38 充填部 40 導電部 42 弾性高分子層 44 導電性磁性体粒子 50 磁石 62,64 電磁石 70 剥離層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱膨張係数が10-4/℃以下の絶縁性シー
    ト体と、前記絶縁性シート体の厚さ方向に形成された貫
    通孔内に導電性磁性体粒子を含有する弾性高分子物質が
    充填された導電部と、を含む異方導電性シート。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記導電性磁性体粒
    子は、前記絶縁性シート体の厚さ方向に配向している異
    方導電性シート。
  3. 【請求項3】 以下の工程(a)〜(c)を含む異方導
    電性シートの製造方法。 (a) 絶縁性シート体に、その厚さ方向に貫通孔を形
    成する工程、(b) 硬化されて弾性高分子物質となる
    流動性物質中に導電性磁性体粒子が分散された導電部形
    成用材料を、前記絶縁性シート体上に塗布した後、前記
    貫通孔中に充填する工程、および(c) 前記導電部形
    成用材料の硬化処理を行う工程。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記工程(b)にお
    いて、前記導電性磁性体粒子に磁気引力を作用させて導
    電部形成用材料を貫通孔中に充填する、異方導電性シー
    トの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4において、前記工程
    (b)の後に、前記絶縁性シート体の厚さ方向に磁場を
    形成することにより、前記貫通孔内に充填された導電部
    形成用材料中の導電性磁性体粒子を前記厚さ方向に配向
    させる工程を有する、異方導電性シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし5のいずれかにおいて、
    前記工程(b)は、減圧状態で行われる、異方導電性シ
    ートの製造方法。
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