JP2000098775A

JP2000098775A - 電子写真方式の画像形成装置における定着装置

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Publication number: JP2000098775A
Application number: JP10263327A
Authority: JP
Inventors: Katsuji Watabe; 勝次渡部; Hidenori Kawabuchi; 秀徳川渕
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1998-09-17
Filing date: 1998-09-17
Publication date: 2000-04-07

Abstract

(57)【要約】【課題】紙詰り時にも、サーミスタの変形及び断線防
止が図れ、安定した動作環境を実現できる電子写真方式
の画像形成装置における定着装置を提供する。【解決手段】電子写真方式の画像形成装置において、
加熱ローラを有する定着装置であって、サーミスタと、
このサーミスタの近傍に設置されたサーミスタ変形防止
部材とが設けられ、通常動作時及び紙詰り発生時にも、
サーミスタと変形防止部材とは互いに接触しない位置に
設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は電子写真方式の画
像形成装置における定着装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から複写機等電子写真方式の画像形
成装置における定着装置に関しては、図１に示すこの発
明の実施形態と多くの部分が重複しているので、先ずこ
の図１を参照して全体構成を簡単に説明する。図１に示
すように、画像形成装置は転写手段９と定着装置10とを
具え、転写手段９は、感光体ベルト１、転写ベルト２、
黒現像ユニット３、カラー現像ユニット４、転写ベルト
２のクリーニングユニット５を有し、定着装置10は、定
着ローラ６、加熱ローラ７を有している。８は各装置
９，10の全体を被覆する外装部である。

【０００３】このような画像形成装置における動作とし
ては、給紙トレイ20又は21によって転写紙を転写手段９
に給紙し、転写ベルト２によって転写紙に未定着画像が
転写され、この転写紙が未定着画像を下側として、再度
転写ベルト２によって転写手段９と定着装置10との中間
に形成されている搬送路を経て定着装置10に搬送され
る。そして、この転写紙は定着装置10の定着ローラ６と
加熱ローラ７とで挟圧されて未定着画像が定着され、排
紙ローラ18によって排紙される。また、図９に示すよう
に、通常は定着装置10における定着ローラ６と加熱ロー
ラ７には転写紙を剥離するための剥離爪11が設けられて
いる。転写紙はこれら剥離爪11によって、強制的に定着
ローラ６と加熱ローラ７から剥離され、定着装置10内で
の紙詰り等が効果的に防止されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで前記のような
従来の定着装置の場合には、定着ローラ６及び加熱ロー
ラ７には剥離爪11以外にも定着温度を制御するために定
着温度制御素子（サーミスタ）が設けられている。すな
わち、図９に示すように、定着装置には定着ローラ６と
加熱ローラ７表面のそれぞれに当接するようにサーミス
タ17（接触型）が設けられている。このサーミスタ17は
サーミスタ素子、ジュメット線（リード線）、板バネ等
を有するもので、紙が詰った場合でもこのジャム紙の接
触によって、サーミスタ17が断線したり損傷する不具合
を防止するため各ローラ６，７の回転方向上流側に設け
られている。また、従来ではサーミスタを保持する板バ
ネの裏側に、サーミスタの変形及び損傷を防止するため
若干（３mm程度）のギャップ（間隙）を設けた変形防止
部材を設けている場合もある。

【０００５】ところが近年では、フルカラー複写機の普
及に伴って、定着ローラにはシリコーンゴム等の剥離性
の良好な材質が使用されている。このため、定着ローラ
表面も脆弱（軟化）となるため、剥離爪の存在により定
着ローラ（加熱ローラ）表面に傷が形成されてしまい、
この傷によりコピー画像に筋状のオイルスジ（図10参
照）やコピー画像に縦状の定着不良（図11参照）が発生
する恐れがある。また、排紙側に設けた排紙検出センサ
（図示せず）のハード的或はソフト的な故障によって
は、定着装置内でのジャム紙がサーミスタの位置まで到
達してしまう場合がある。この結果、ジャム紙の除去時
にサーミスタのジュメット線が断線してしまい、サーミ
スタ自体の交換作業が生じた場合にはサービスマンを必
要とし、これに伴って機械の停止時間が長くなってしま
う等の不具合が生じてしまう。また、サーミスタ自体に
ジャム紙の除去時にも影響がないように十分な強度をも
たせればよいが、サーミスタの特性上不可能であり、非
接触型のサーミスタにおいてもジャム紙の除去時に変形
や断線等同様の不具合が生じる恐れがある。

【０００６】そこでこの発明の目的は、前記のような従
来の電子写真方式の画像形成装置における定着装置のも
つ問題を解消し、紙詰り発生時にもサーミスタの変形及
び断線の防止を図ることができ、安定した動作環境を実
現できる定着装置を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、前記のよう
な目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、電
子写真方式の画像形成装置において、加熱ローラを有す
る定着装置であって、サーミスタと、このサーミスタの
近傍に設置されたサーミスタ変形防止部材とが設けら
れ、通常動作時及び紙詰り発生時にも、サーミスタと変
形防止部材とは互いに接触しない位置に設けられている
ことを特徴とするものである。

【０００８】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
の発明において、サーミスタはバネ押圧式接触型のサー
ミスタであって、変形防止部材がサーミスタを構成する
部材の弾性限度以内の弾性変形のみを許容し、且つ加熱
ローラと変形防止部材との間隙を0.3mm〜３mmに選定し
たことを特徴とするものである。

【０００９】請求項３に記載の発明は、請求項１に記載
の発明において、サーミスタは非接触型のサーミスタで
あって、加熱ローラとサーミスタとの間隙をＡとし、加
熱ローラと変形防止部材との間隙をＢとした場合に、間
隙Ａ寸法を間隙Ｂ寸法よりも大きくなるように、間隙
Ａ，Ｂ寸法をそれぞれ選定したことを特徴とするもので
ある。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図１〜３に示すこの発明の
第１実施形態について詳細に説明する。前記従来例と同
様の部分の説明を省略し、主として異なる部分について
説明する。

【００１１】図１に示すように、転写手段９と定着装置
10との中間に形成されている搬送路を挟んで、クリーニ
ングユニット５に対向して搬送時に転写紙の未定着画像
面側を、負圧吸着によって吸引保持する吸引ファン13を
有する搬送ガイド12を設けている。吸引ファン13は搬送
ガイド12の支持枠14に支持されている。

【００１２】前記のようなものにおいて、転写作業時に
は転写紙Ｐが搬送路中を搬送されることとなるが、その
際吸引ファン13は、搬送ガイド12に転写紙Ｐの先端部が
進入して、その後端部が排出されるまでの時間のみ作動
する。このようにして転写紙Ｐは、定着装置10に進入す
る間、その前部を定着ローラ６、加熱ローラ７で、後部
を転写ベルト２で保持されているため、転写工程中は、
その下側に配置された例えばクリーニングユニット５等
のような他の構成ユニットに転写紙Ｐの裏面が接触する
ことはなく、また転写工程後の転写紙Ｐの後端部も搬送
ガイド12によって、定着装置10に進入する直前まで吸着
保持される。

【００１３】そして、本発明の特徴は、紙詰り除去時に
も定着ローラ及び加熱ローラに設けたサーミスタの変形
及び断線の防止を図ることにある。このため、図２の本
発明の第１実施形態に示すようにサーミスタと変形防止
部材とは互いに接触しない位置にそれぞれ設けられてい
る。すなわち、図３に示すように、サーミスタ17におい
ては（バネ押圧式接触型）定着ローラ６及び加熱ローラ
７の表面に直接当接しており、このサーミスタ17の近傍
に各ローラ６，７との間で所定のギャップα（間隙）を
有する変形防止部材23が設けられている。これによっ
て、本第１実施形態の場合には紙詰り発生時にも変形防
止部材23がサーミスタ17を構成する板バネ17ａ（図３で
は、側面図で示す。）の弾性変形（弾性限度以内）のみ
を許容できることになる。そして、図３において、この
間隙αは0.3mm〜３mmに選定（請求項２）しているた
め、図４に示すように、例えばジャム紙がサーミスタ17
の位置まで到達してしまった場合でも、このジャム紙の
進入は変形防止部材23により阻止され、サーミスタ17の
変形及び電気素子（ジュメット線）等の断線防止を図る
ことができる。さらに、仮にサーミスタ17に対してジャ
ム紙が当接した場合でも、その変形は板バネ17ａによる
弾性限度内にとどめることができるため、ジャム紙除去
時には板バネ17ａが復帰し、機械の再スタートを容易に
行なうことが可能となる。

【００１４】図５〜８は本発明の第２実施形態を示して
いる。すなわち、この実施形態ではサーミスタは非接触
型のサーミスタ25を示すものであって、各ローラ６，７
の表面にはサーミスタ25が直接当接せず、このサーミス
タ25の近傍に各ローラ６，７との間で一定のギャップＢ
（間隙）を有するスリット状の変形防止部材26が設けら
れている。このため、仮にサーミスタ25に対してジャム
紙が当接した場合でも、その変形は板バネ25ａによる弾
性限度内にとどめることができる。そして、この実施形
態では各ローラ６，７とサーミスタとの間隙をＡとし、
各ローラ６，７と変形防止部材との間隙をＢとした場合
に、間隙Ａ寸法を間隙Ｂ寸法よりも大きくなるように、
間隙Ａ，Ｂ寸法をそれぞれ選定（Ａ＞Ｂ）している。す
なわち、例えば間隙Ａを２mmとし間隙Ｂを0.5mmと選定
した場合には、当然間隙Ａよりも間隙Ｂが小さい（狭
い）ため、図８に示すように、変形防止部材26によって
紙詰まり発生時にもジャム紙はサーミスタ25側（間隙β
側）に進入することはない、このためサーミスタ25の変
形及び断線防止が図れ、安定した動作環境を実現でき
る。

【００１５】また、本発明の発明者は発明の効果を確認
するため各サーミスタ（接触型及び非接触型）におい
て、「普通紙・薄紙」、「アート紙等の厚紙」、「ＯＨ
Ｐシート」を使用し、従来のサーミスタとでジャム時の
サーミスタ破損比率の比較実験を実施した。以下の「表
１」はこの実験結果を示したものである。尚、この実験
ではサーミスタの変形防止部材と定着ローラ（加熱ロー
ラ）との間隙Ｂ（図７参照）は１mmに設定するものとす
る。

【表１】

【００１６】この「表１」から明かなように従来の場合
には各転写紙に応じて、ジャム除去時にそれぞれサーミ
スタ（接触型及び非接触型）の破損が確認されている
が、本発明の場合には何れの種類の転写紙を使用した場
合においても、サーミスタには破損が確認できないた
め、本発明は「普通紙・薄紙」、「アート紙等の厚
紙」、「ＯＨＰシート」等の種類（紙厚）の異なる転写
紙を使用する場合にも極めて大きな効果を実現すること
ができる。

【００１７】

【発明の効果】この発明は、上記のようであって、電子
写真方式の画像形成装置において、加熱ローラを有する
定着装置であって、サーミスタと、このサーミスタの近
傍に設置されたサーミスタ変形防止部材とが設けられ、
通常動作時及び紙詰り発生時にも、サーミスタと変形防
止部材とは互いに接触しない位置に設けられているの
で、サーミスタの変形を弾性限度内に防止すると共にサ
ーミスタの変形及び断線防止が図れ、安定した動作環境
を実現できるという効果がある。さらに、剥離爪を必要
としないため、各ローラに対する傷着き防止が図れ、こ
れによって、コピー画像に筋状のオイルスジや縦状の定
着不良が発生することがなくなるという効果がある。

【００１８】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
の発明において、サーミスタはバネ押圧式接触型のサー
ミスタであって、変形防止部材がサーミスタを構成する
部材の弾性限度以内の弾性変形のみを許容し、且つ加熱
ローラと変形防止部材との間隙を0.3mm〜３mmに選定し
たので、サーミスタの変形及び断線防止が図れ、安定し
た動作環境を実現できるという効果がある。

【００１９】請求項３に記載の発明は、請求項１に記載
の発明において、サーミスタは非接触型のサーミスタで
あって、加熱ローラとサーミスタとの間隙をＡとし、加
熱ローラと変形防止部材との間隙をＢとした場合に、間
隙Ａ寸法を間隙Ｂ寸法よりも大きくなるように、間隙
Ａ，Ｂ寸法をそれぞれ選定したので、サーミスタの変形
及び断線防止が図れ、安定した動作環境を実現できると
いう効果がある。

【００２０】

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施形態の全体構成を概略的に
示す断面図である。

【図２】同定着装置を拡大して示す要部断面図である。

【図３】同変形防止部材の位置を示す概略的説明図であ
る。

【図４】同紙詰り時を示す概略的説明図である。

【図５】第２実施形態における定着装置を拡大して示す
要部断面図である。

【図６】同変形防止部材を拡大して示す概略的説明図で
ある。

【図７】同変形防止部材及びサーミスタの位置を示す概
略的説明図である。

【図８】同紙詰り時を示す概略的説明図である。

【図９】従来の定着装置を拡大して示す要部拡大図であ
る。

【図１０】同オイルスジの発生を示す説明図である。

【図１１】同定着不良の発生を示す説明図である。

【符号の説明】

１感光体ベルト２転写ベルト３黒現像ユニット４カラー現像ユニット５クリーニングユニット６定着ローラ７加熱ローラ８外装部９転写手段 10 定着装置 11 剥離爪 12 搬送ガイド 13 吸引ファン 14 支持枠 15 吸引ファン 16 排気通路 17，25 サーミスタ 17ａ，25ａ板バネ 18 排紙ローラ 20，21 給紙トレイ 23，26 変形防止部材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電子写真方式の画像形成装置において、
加熱ローラを有する定着装置であって、サーミスタと、
このサーミスタの近傍に設置されたサーミスタ変形防止
部材とが設けられ、通常動作時及び紙詰り発生時にも、
サーミスタと変形防止部材とは互いに接触しない位置に
設けられていることを特徴とする定着装置。
【請求項２】サーミスタはバネ押圧式接触型のサーミ
スタであって、変形防止部材がサーミスタを構成する部
材の弾性限度以内の弾性変形のみを許容し、且つ加熱ロ
ーラと変形防止部材との間隙を0.3mm〜３mmに選定した
ことを特徴とする請求項１に記載の定着装置。
【請求項３】サーミスタは非接触型のサーミスタであ
って、加熱ローラとサーミスタとの間隙をＡとし、加熱
ローラと変形防止部材との間隙をＢとした場合に、間隙
Ａ寸法を間隙Ｂ寸法よりも大きくなるように、間隙Ａ，
Ｂ寸法をそれぞれ選定したことを特徴とする請求項１に
記載の定着装置。