JP2000097823A - マーキング方法、マーキングしたマークの除去方法、並びにマークを利用した加工方法及び被加工物 - Google Patents

マーキング方法、マーキングしたマークの除去方法、並びにマークを利用した加工方法及び被加工物

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JP2000097823A
JP2000097823A JP10269766A JP26976698A JP2000097823A JP 2000097823 A JP2000097823 A JP 2000097823A JP 10269766 A JP10269766 A JP 10269766A JP 26976698 A JP26976698 A JP 26976698A JP 2000097823 A JP2000097823 A JP 2000097823A
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mark
sample
ion beam
marked
marking
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Toshiaki Aeba
利明 饗場
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料をエッチング(あるいは破壊)しないで
マークを形成することが可能で、使用後に除去可能なマ
ークを形成することが可能で、且つ試料の表裏の両面か
ら容易に見えるマークを形成することが可能なマーキン
グ方法の提供。 【解決手段】 ガス雰囲気中において集束させたイオ
ンビームを試料上に照射することにより、試料上に形成
された堆積物をマークとして使用するマーキング方法、
このマーキング方法によって形成されたマーク上に、集
束させたイオンビームを照射することによって、該マー
クをエッチングして除去するマーキングしたマークの除
去方法、及びこのマーキング方法によってマークを形成
後、試料の表裏に微細加工を施すマークを利用した加工
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マーキング方法、
マーキングしたマークの除去方法、並びにマークを利用
した加工方法及び被加工物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年試料の一部(特に微小部)にマーキ
ングを行なうことが必要な場合が増えている。例えばデ
バイスは年々微細化しており、同一パターンの繰り返し
の中から目的箇所(例えば故障箇所など)を選択するこ
とは困難になっている。そのために目的箇所の選択を容
易にする方法の1つとして、デバイスの目的箇所の周囲
にマーキングを行ない、このマークを頼りにして目的箇
所を選択する方法が採られている。
【0003】また例えば微細加工において試料の両面か
ら加工を行なう場合に、試料の表裏の位置合わせをする
ためにマーキングを行なうことも必要になってきてい
る。
【0004】従来、試料上でマーキングを行なう方法と
しては、被マーク部にイオンビームあるいはレーザービ
ームを照射して、エッチング(あるいは破壊)すること
によりマーキングを行なう方法が採られていた。
【0005】図12にイオンビーム照射によるエッチン
グ加工によるマーキングに用いられる集束イオンビーム
加工装置の一構成例の該略図を示す。
【0006】図12中、1はイオン光学系で、イオン源
(不図示)で発生させたイオンをこのイオン光学系1で
集束してイオンビーム2とし、試料3の加工部4にイオ
ンビーム2を走査して試料3の加工部4をエッチング加
工するものである。また6は2次電子検出系であり、イ
オンビーム2の試料3への照射時に加工部4から発生す
る2次電子7を検出するものである。ここでイオンビー
ム2の各走査位置において2次電子検出系6で検出され
た信号を用いて走査イオン顕微鏡(SIM)像を形成す
ることが可能であり、このSIM像を用いて試料3の観
察を行なったり、加工部4の位置を選択したりすること
ができる。なおこれらは通常、真空チャンバー(不図
示)内に配置されている。なお、20は装置の制御系で
ある。
【0007】図8にイオンビーム照射によるエッチング
加工によるマーキング方法の一例を示す。まず図12の
装置を用いて、図8(a)に示すようにSIM像を参照
して試料3の目的箇所50の周囲に被マーク部5を選択
する。次に図8(b)に示すように試料3の被マーク部
5にイオンビーム2を走査する。すると図8(c)に示
すように、被マーク部5は深さ方向にエッチングされて
エッチング孔11が形成され、これをマークとして使用
することができる。
【0008】一方、レーザービーム照射によるエッチン
グ加工によるマーキングに用いられるレーザービーム加
工装置は、光学顕微鏡により試料の加工部を選択し、こ
の位置にレーザービームを照射して試料の加工部をエッ
チング加工するという構成になっている。またレーザー
ビーム照射によるエッチング加工によるマーキング方法
は、光学顕微鏡像より試料の目的箇所の周囲に被マーク
部を選択し、この被マーク部にレーザービームを照射し
てエッチング部を形成してやり、これをマークとして使
用するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の方法においては、マーキング時に試料をエッチン
グ(あるいは破壊)するので、目的箇所の周囲といえど
も試料の一部をエッチング(あるいは破壊)してしま
い、その後に追加の作業を行なおうとしたときに好まし
くない場合があった。
【0010】また、かかる従来の方法においては、マー
キング時に試料をエッチング(あるいは破壊)するの
で、目的箇所の周囲ではなくて目的箇所そのものにイオ
ンビームあるいはレーザーを誤って照射してしまった場
合には、目的箇所をエッチング(あるいは破壊)してし
まうこととなり、作業のやり直しは不可能であった。
【0011】また、かかる従来の方法においては、マー
キング時に試料をエッチング(あるいは破壊)するの
で、マーキングして必要な作業を行なった後にマークを
除去することは不可能であった。
【0012】さらに、かかる従来の方法においては、マ
ーキング時に試料をエッチングするので、試料の表裏の
両面から見えるようなマーキングを行なうことは不可能
であった。
【0013】本発明は、従来技術のかかる問題点に鑑
み、マーキング時に試料をエッチング(あるいは破壊)
しないマーキング方法を提供することを目的とする。
【0014】また、従来の方法では困難であったマーク
の除去が可能なマーキング方法を提供することを目的と
する。
【0015】また、従来の方法では困難であった、試料
の表裏から容易に見えるマークを形成することが可能な
マーキング方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を完
成した。
【0017】すなわち本発明の要旨とするところは、
(1) ガス雰囲気中において集束させたイオンビーム
を試料上に照射することにより、試料上に形成された堆
積物をマークとして使用することを特徴とするマーキン
グ方法、(2) 上記(1)のマーキング方法によって
形成されたマーク上に、集束させたイオンビームを照射
することによって、該マークをエッチングして除去する
ことを特徴とするマーキングしたマークの除去方法、
(3) 上記(1)のマーキング方法によってマークを
形成後、試料の表裏に微細加工を施すことを特徴とする
マークを利用した加工方法、(4) 上記(3)のマー
クを利用した加工が終了した後に、上記(2)のマーキ
ングしたマークの除去方法によってマークを除去するこ
とを特徴とするマークを利用した加工方法、(5) 上
記(3)又は(4)のマークを利用した加工方法におけ
る微細加工が集束イオンビーム加工であることを特徴と
するマークを利用した加工方法、(6) 上記(3)、
(4)又は(5)のマークを利用した加工方法を用いて
加工した被加工物、にある。
【0018】本発明により、マーキング時に試料をエッ
チング(あるいは破壊)することなく、形成されたマー
クが除去可能で、且つ形成されたマークが試料の表裏か
ら容易に見えるマーキング方法が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。
【0020】図1及び図2は、本発明のマーキング方
法、及びマーキングしたマークの除去方法の一実施態様
を示す概略見取り図である。
【0021】ここで本発明は、その構成の概略を図3に
示す集束イオンビーム加工装置、すなわち堆積部形成用
ガス9を試料3の近傍に供給するガス供給系8が付加さ
れていること以外は図12に示すものと同様な集束イオ
ンビーム加工装置を用いて実施する。
【0022】まずマーキング方法について説明する。ま
ず図3の集束イオンビーム加工装置を用いて、図1
(a)に示すようにSIM像を参照して試料3の目的箇
所50の周囲に被マーク部5を選択する。次に図1
(b)に示すように、ガス供給系8より堆積物形成用ガ
ス9を試料3の近傍に供給している状態で、被マーク部
5にイオンビーム2を走査する。すると図1(c)に示
すように被マーク部5に堆積物10が形成されて、これ
をマークとして使用することができる。
【0023】次にマーキングしたマーク除去方法につい
て説明する。まず図1(c)に示すようにSIM像を参
照して試料3の被マーク部5、すなわち堆積物10を選
択する。次に図2(a)に示すように試料3の堆積物1
0にイオンビーム2を走査する。すると図2(b)に示
すように、堆積物10は深さ方向にエッチングされて除
去される、すなわちマークが除去される。
【0024】尚、本発明による堆積物形成用ガスとして
は、ピレンガス、フエナントレンガスのような炭化水素
ガスや、タングステンカルボニルやモリブデンカルボニ
ルのような金属カルボニルを蒸発させたガスなどが挙げ
られるが、イオンビーム照射による堆積物の形成に不都
合がなければ、特に制限されるものではない。
【0025】尚、本発明によるマーク除去時のイオンビ
ームの照射方向としては、堆積物に対して垂直方向、水
平方向などが挙げられるが、イオンビーム照射による堆
積物の除去に不都合がなければ、特に制限されるもので
はない。
【0026】更に、本発明による目的箇所と被マーク部
との位置関係としては、目的箇所と被マーク部が同一面
内にある場合や、目的箇所と被マーク部が互いに直交す
る場合などが挙げられるが、被マーク部に形成した堆積
物を用いての目的箇所の選択に不都合がなければ、特に
制限されるものではない。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に依って限定され
るものではない。
【0028】[実施例1]本実施例は、FIB−TEM
観察用試料作製のために本発明のマーキング方法を適用
したものであり、図1(斜めから見た概略見取り図)、
図4(上方から見た概略平面図)を用いて説明する。
【0029】図3に示したのと同様な集束イオンビーム
加工装置を用いた。ここでイオンビームのイオン種はG
aイオンであった。またイオンビームの加速電圧は30
kVであった。
【0030】図1(a)に示すように、試料3としてL
SIを用い、試料3の上面にある目的箇所50の周囲に
被マーク部5を形成することにした。
【0031】まず、図1(a)に示すように、SIM像
を参照して試料3の目的箇所50の周囲に被マーク部5
を選択した。ここで被マーク部のサイズは30×30μ
m程度とした。次に図1(b)に示すように、ガス供給
系8より堆積物形成用ガス9を試料3の近傍に供給して
いる状態で、被マーク部5にイオンビーム2を走査し
た。ここで、堆積物形成用ガス9として、蒸発させたタ
ングステンカルボニルを用いた。
【0032】このイオンビームの走査を繰り返すと、図
1(c)に示すように、被マーク部5に堆積物10が形
成された。ここで堆積物10のサイズは30×30×
0.5μm程度であった。この堆積物10は光学顕微鏡
で観察可能であり、この堆積物10を用いて目的箇所5
0の位置を容易に探すことが可能であった。すなわち、
マークとして使用することが可能であった。また図1
(c)を上方からみると、図4(a)のようになる。
【0033】次にこの堆積物10をマークとして使用し
て、図4(b)に示すように、目的箇所50を含むよう
に試料をダイシングすることが可能であった。さらにこ
の堆積物10をマークとして使用して、図4(c)に示
すように、目的箇所50を含むように集束イオンビーム
加工により薄片化を行ない、目的箇所50の断面TEM
観察用試料を作製することが可能であった。
【0034】ところが、その後の調査によって被マーク
部5を断面TEM観察する必要が生じた。ここで図4
(c)に示すように、堆積物10の下の被マーク部5は
破壊されていないので、図4(d)に示すように、被マ
ーク部5を含むように集束イオンビーム加工により薄片
化を行ない、被マーク部の断面TEM観察用試料を作製
することが可能であった。
【0035】[比較例1]本比較例は、FIB−TEM
観察用試料作製のために従来の技術のマーキング方法を
適用したものであり、図8(斜めから見た概略見取り
図)、図9(上方から見た概略平面図)を用いて説明す
る。
【0036】図12に示したのと同様な構成の集束イオ
ンビーム加工装置を用いた。ここでイオンビームのイオ
ン種はGaイオンであった。またイオンビームの加速電
圧は30kVであった。
【0037】図8(a)に示すように、試料3としてL
SIを用い、試料3の上面にある日的箇所50の周囲に
被マーク部5を形成することにした。
【0038】まず図8(a)に示すようにSIM像を参
照して試料3の目的箇所50の周囲に被マーク部5を選
択した。ここで被マーク部のサイズは30×30μm程
度とした。次に図8(b)に示すように試料3の被マー
ク部5にイオンビーム2を走査した。イオンビームの走
査を繰り返すと、図8(c)に示すように、被マーク部
5は深さ方向にエッチングされてエッチング孔11が形
成された。ここでエッチング孔11のサイズは30×3
0×0.5μm程度であった。このエッチング孔11は
光学顕微鏡で観察可能であり、このエッチング孔11を
用いて目的箇所50の位置を探すことが可能であった。
すなわちマークとして使用することが可能であった。ま
た図8(c)を上方からみると、図9(a)のようにな
る。
【0039】次にこのエッチング孔11をマークとして
使用して、図9(b)に示すように、目的箇所50を含
むように試料をダイシングすることが可能であった。さ
らにこのエッチング孔11を使用して、図9(c)に示
すように、目的箇所50を含むように集束イオンビーム
加工により薄片化を行ない、目的箇所50の断面TEM
観察用試料を作製することが可能であった。
【0040】ところが、その後の調査によって被マーク
部5を断面TEM観察する必要が生じた。しかしながら
図9(c)に示すように、被マーク部5は破壊されてエ
ッチング孔11が形成されてしまっており、被マーク部
5の断面TEM観察用試料を作製することは不可能であ
った。
【0041】[実施例2]本実施例も、FIB−TEM
観察用試料作製のために本発明のマーキング方法を適用
したものであり、図1(斜めから見た概略見取り図)、
図4(上方から見た概略平面図)を用いて説明する。
【0042】図3に示したのと同様な集束イオンビーム
加工装置を用いた。ここでイオンビームのイオン種はG
aイオンであった。またイオンビームの加速電圧は30
kVであった。
【0043】図1(a)に示すように、試料3としてL
SIを用い、試料3の上面にある日的箇所50の周囲に
被マーク部5を形成することにした。
【0044】まず、図1(a)に示すように、SIM像
を参照して試料3の目的箇所50の周囲に被マーク部5
を選択した。ここで被マーク部のサイズは30×30μ
m程度とした。次に図1(b)に示すように、ガス供給
系8より堆積物形成用ガス9を試料3の近傍に供給して
いる状態で、被マーク部5にイオンビーム2を走査し
た。ここで、堆積物形成用ガス9として、蒸発させたタ
ングステンカルボニルを用いた。
【0045】このイオンビームの走査を繰り返すと、図
1(c)に示すように、被マーク部5に堆積物10が形
成された。ここで堆積物10のサイズは30×30×
0.5μm程度であった。この堆積物10は光学顕微鏡
で観察可能であり、この堆積物10を用いて目的箇所5
0の位置を容易に探すことが可能であった。すなわち、
マークとして使用することが可能であった。また図1
(c)を上方からみると、図4(a)のようになる。
【0046】次にこの堆積物10をマークとして使用し
て、図4(b)に示すように、目的箇所50を含むよう
に試料をダイシングすることが可能であった。ところ
が、このとき目的箇所50と被マーク部5とを取り違え
ており、本来TEM観察すべき箇所は被マーク部5であ
ることが判明した。このとき堆積物10の下の被マーク
部5は破壊されていないので、この堆積物10をマーク
として使用して、図4(c')に示すように、被マーク
部5(本来の目的箇所)を含むように集束イオンビーム
加工により薄片化を行ない、被マーク部5(本来の目的
箇所)の断面TEM観察用試料を作製することが可能で
あった。
【0047】[比較例2]本比較例は、FIB−TEM
観察用試料作製のために従来の技術のマーキング方法を
適用したものであり、図8(斜めから見た概略見取り
図)、図9(上方から見た概略平面図)を用いて説明す
る。
【0048】図12に示したのと同様な構成の集束イオ
ンビーム加工装置を用いた。ここでイオンビームのイオ
ン種はGaイオンであった。またイオンビームの加速電
圧は30kVであった。
【0049】図8(a)に示すように、試料3としてL
SIを用い、試料3の上面にある日的箇所50の周囲に
被マーク部5を形成することにした。
【0050】まず図8(a)に示すようにSIM像を参
照して試料3の目的箇所50の周囲に被マーク部5を選
択した。ここで被マーク部のサイズは30×30μm程
度とした。次に図8(b)に示すように試料3の被マー
ク部5にイオンビーム2を走査した。イオンビームの走
査を繰り返すと、図8(c)に示すように、被マーク部
5は深さ方向にエッチングされてエッチング孔11が形
成された。ここでエッチング孔11のサイズは30×3
0×0.5μm程度であった。このエッチング孔11は
光学顕微鏡で観察可能であり、このエッチング孔11を
用いて目的箇所50の位置を探すことが可能であった。
すなわちマークとして使用することが可能であった。ま
た図8(c)を上方からみると、図9(a)のようにな
る。
【0051】ところが、このとき目的箇所50と被マー
ク部5を取り違えており、本来TEM観察すべき箇所は
被マーク部5であることが判明した。しかしながら図9
(c)に示すように、被マーク部5は破壊されてエッチ
ング孔11が形成されてしまっており、被マーク部5の
断面TEM観察用試料を作製することは不可能であっ
た。
【0052】[実施例3]本実施例は、試料の表裏の両
面から見えるようなマーキングを行ない、このマークを
利用して試料の表裏からエッチング加工を行ない、貰通
孔を形成するものであり、図5及び6(斜めから見た概
略見取り図)、図7(上方、表面、裏面から見た概略平
面図及び概略側面図)を用いて説明する。
【0053】図3に示したのと同様な集束イオンビーム
加工装置を用いた。ここでイオンビームのイオン種はG
aイオンであった。またイオンビームの加速電圧は30
kVであった。
【0054】図5(a)に示すように、試料3として縦
1000×横2500×厚さ100μmのSiを用い、
目的箇所51、52は試料の縦×横面内にあり、試料3
の表面の目的箇所を51、裏面の目的箇所を52とし、
被マーク部5は試料の端面とした。
【0055】まず、図5(a)に示すように、SIM像
を参照して試料3の目的箇所51、52の周囲に被マー
ク部5を選択した。ここで被マーク部のサイズは5×5
μm程度とした。次に図5(b)に示すように、ガス供
給系8より堆積物形成用ガス9を試料3の近傍に供給し
ている状態で、被マーク部5にイオンビーム2を走査し
た。ここで、堆積物形成用ガス9として、蒸発させたタ
ングステンカルボニルを用いた。
【0056】このイオンビームの走査を繰り返すと、図
5(c)に示すように、被マーク部5に堆積物10が形
成された。ここで堆積物10のサイズは5×5×1μm
程度であった。また図5(c)を上方からみると、図7
(a)のようになる。
【0057】次に図7(b)に示すように、試料を90
度回転して試料3の表側をSIM像で観察したところ、
この堆積物10が観察可能であり、この堆積物10を用
いて目的箇所51の位置を容易に探すことが可能であっ
た。すなわち、マークとして使用することが可能であっ
た。
【0058】次に図7(c)に示すように、試料を裏返
して試料3の裏側をSIM像で観察したところ、この堆
積物10が観察可能であり、この堆積物10を用いて目
的箇所52の位置を容易に探すことが可能であった。す
なわち、マークとして使用することが可能であった。し
たがって、この堆積物10を試料の表裏の両側から観察
可能なマークとして使用することが可能であった。
【0059】次にこの堆積物10をマークとして使用し
て、表面の目的箇所51の10×10μmの領域にイオ
ンビームを走査して厚さの半分程度の深さまでエッチン
グを行なった。次にこの堆積物10をマークとして使用
して、表面の目的箇所51の10×10μmの領域にイ
オンビームを走査してエッチングを行ない、図6(a)
に示すように貰通孔12を形成した。この貫通孔12は
表側と裏側の孔の位置ずれがほとんどない良好なもので
あった。
【0060】次に貰通孔の形成後にはマークとして使用
した堆積物10は不必要になったので、堆積物10の除
去を行なった。まず、図6(b)に示すように、試料3
の堆積物10にイオンビーム2を走査した。すると、図
6(c)に示すように、堆積物10は深さ方向にエッチ
ングされて除去された。すなわちマークを除去すること
が可能であった。
【0061】[比較例3]本比較例は、試料の表裏の両
面から見えるようなマーキングを行ない、このマークを
利用して試料の表裏からエッチング加工を行ない、賞通
孔を形成するものであり、図10(斜めから見た概略見
取り図)、図11(上方、表面、裏面から見た概略平面
図及び概略側面図)を用いて説明する。
【0062】図12に示したのと同様な構成の集束イオ
ンビーム加工装置を用いた。ここでイオンビームのイオ
ン種はGaイオンであった。またイオンビームの加速電
圧は30kVであった。
【0063】図10(a)に示すように、試料3として
縦1000×横2500×厚さ100μmのSiを用
い、目的箇所51、52は試料の縦×横面内にあり、試
料3の表面の目的箇所を51、裏面の目的箇所を52と
し、被マーク部5は試料の端面とした。
【0064】まず、図10(a)に示すように、SIM
像を参照して試料3の目的箇所51、52の周囲に被マ
ーク部5を選択した。ここで被マーク部のサイズは5×
5μm程度とした。次に図10(b)に示すように、試
料3の被マーク部5にイオンビーム2を走査した。イオ
ンビームの走査を繰り返すと、図10(c)に示すよう
に、被マーク部5は深さ方向にエッチングされてエッチ
ング孔11が形成された。ここでエッチング孔11のサ
イズは5×5×1μm程度であった。また図10(c)
を上方からみると、図11(a)のようになる。
【0065】次に図11(b)に示すように、試料を9
0度回転して試料3の表側をSIM像で観察したとこ
ろ、このエッチング孔11は観察が困難であり、このエ
ッチング孔11を用いて目的箇所51の位置を探すこと
が困難であった。すなわち、マークとして使用すること
が困難であった。
【0066】次に図11(c)に示すように、試料を裏
返して試料3の裏側をSIM像で観察したところ、この
エッチング孔11が観察が困難であり、このエッチング
孔11を用いて目的箇所52の位置を探すことが困難で
あった。すなわち、マークとして使用することが不可能
であった。
【0067】したがって、このエッチング孔11を試料
の表裏の両側から観察可能なマークとして使用すること
が困難であった。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように構成した
ことにより、試料をエッチング(あるいは破壊)しない
でマークを形成することが可能であり、また、使用後に
除去可能なマークを形成することが可能であり、更に、
試料の表裏の両面から容易に見えるマークを形成するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマーキング方法の一実施態様を示す概
略見取り図である。
【図2】本発明のマーキングしたマークの除去方法の一
実施態様を示す概略見取り図である。
【図3】本発明で使用する集束イオンビーム加工装置の
一構成例の概略を示す図面である。
【図4】本発明のマーキング方法を断面TEM観察用試
料作製に適用した実施例を上方か見た概略平面図であ
る。
【図5】本発明のマーキング方法を試料の表裏からのエ
ッチング加工に適用した実施例の概略(マークの形成ま
で)を示す斜めから見た概略見取り図である。
【図6】本発明のマーキング方法及びマーク除去方法を
試料の表裏からのエッチング加工に適用した実施例の概
略(マークを利用してのエッチング加工、及びマークの
除去工程)を示す斜めから見た概略見取り図である。
【図7】本発明のマーキング方法を試料の表裏からのエ
ッチング加工に適用した実施例を上方、表面、及び裏面
から見た概略平面図及び概略側面図である。
【図8】従来のマーキング方法を示す斜めから見た概略
見取り図である。
【図9】従来のマーキング方法を断面TEM観察用試料
作製に適用した例を上方から見た概略平面図である。
【図10】従来のマーキング方法を試料の表裏からのエ
ッチング加工に適用した例の概略を示す斜めから見た概
略見取り図である。
【図11】従来のマーキング方法を試料の表裏からのエ
ッチング加工に適用した例を上方、表面、及び裏面から
見た概略平面図及び概略側面図である。
【図12】従来のマーキング方法で使用する集束イオン
ビーム加工装置の一構成例の概略を示す図面である。
【符号の説明】
1 イオン光学系 2 イオンビーム 3 試料 4 加工部 5 被マーク部 6 2次電子検出系 7 2次電子 8 ガス供給系 9 堆積物形成用ガス 10 堆積物 11 エッチング孔 12 貰通孔 20 装置の制御系 50、51、52 目的箇所
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01N 23/225 G01N 23/225 1/28 F G

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス雰囲気中において集束させたイオン
    ビームを試料上に照射することにより、試料上に形成さ
    れた堆積物をマークとして使用することを特徴とするマ
    ーキング方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のマーキング方法によっ
    て形成されたマーク上に、集束させたイオンビームを照
    射することによって、該マークをエッチングして除去す
    ることを特徴とするマーキングしたマークの除去方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のマーキング方法によっ
    てマークを形成後、試料の表裏に微細加工を施すことを
    特徴とするマークを利用した加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のマークを利用した加工
    が終了した後に、請求項2に記載のマーキングしたマー
    クの除去方法によってマークを除去することを特徴とす
    るマークを利用した加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載のマークを利用し
    た加工方法における微細加工が集束イオンビーム加工で
    あることを特徴とするマークを利用した加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項3、4又は5に記載のマークを利
    用した加工方法を用いて加工した被加工物。
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