JP2000097321A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JP2000097321A JP26641198A JP26641198A JP2000097321A JP 2000097321 A JP2000097321 A JP 2000097321A JP 26641198 A JP26641198 A JP 26641198A JP 26641198 A JP26641198 A JP 26641198A JP 2000097321 A JP2000097321 A JP 2000097321A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダウンシフト時に、駆動ベルトのスリップを
防止しながら高い変速速度での変速制御を可能にすると
ともに、急速なダウンシフトにも対応することが出来る
ベルト式無段変速機の制御装置を提供する。 【解決手段】プライマリプーリ1に入力する入力トルク
Tinを変速比iにおいて伝達するのに必要なスリップ
限界プライマリ圧Ppnmおよびスリップ限界セカンダ
リ圧Psnmに基づいて判定基準圧力Ppiを設定し、
目標変速速度Vmから算出される目標プライマリ圧Pp
mと比較して、目標プライマリ圧Ppmが判定基準圧力
Ppiよりも小さいときに駆動ベルト3にスリップが発
生すると判定して、目標変速速度Vmから算出される目
標セカンダリ圧Psmを上昇させ、さらに、これにとも
なって、目標プライマリ圧Ppmを上昇させてバランス
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車用ベルト
式無段変速機の制御装置に関し、特に、ダウンシフト時
の駆動ベルトのスリップ防止のための制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】無段変速機における変速は、プライマリ
プーリのプライマリ固定ディスクとプライマリ可動ディ
スクの間に形成されるV字形の溝の幅と、セカンダリプ
ーリのセカンダリ固定ディスクとセカンダリ可動ディス
クの間のV字形の溝の幅が、それぞれ、プライマリ圧P
pとセカンダリ圧Psの制御によって変化され、駆動ベ
ルトの巻き付け径の比率が変化されることによって行わ
れる。上記のような変速制御は、オイルポンプに接続さ
れた油圧コントロールシステムによって行われる。
【0003】この油圧コントロールシステムは、エンジ
ン回転数,プライマリプーリの回転数,セカンダリプーリ
の回転数およびアクセル開度等を示す信号に基づいて、
オイルポンプからプライマリプーリおよびセカンダリプ
ーリに供給されるプライマリ圧Ppおよびセカンダリ圧
Psの油圧制御を行う。
【0004】このようなベルト式無段変速機は、ダウン
シフト時、すなわち、プライマリプーリのプライマリ固
定ディスクとプライマリ可動ディスクとの間隔を広げて
駆動ベルトの巻き付け径を小さくする際に、駆動ベルト
に対する幅方向の締め付け力が弱くなって、プライマリ
プーリにおいて駆動ベルトのスリップが発生するという
問題を有している。
【0005】このプライマリプーリにおける駆動ベルト
のダウンシフト時のスリップ限界を、図10に基づいて
説明する。この図10は、縦軸に変速速度、横軸にプラ
イマリ圧Ppをとり、変速速度=0(固定変速比),セ
カンダリ圧Ps=Ps1,入力限界トルクTin=Ti
n1であるときのプライマリ圧Ppとセカンダリ圧Ps
の関係をグラフにしたものである。
【0006】図10において、点γ11が、セカンダリ
圧Ps=Ps1(実線ω1)におけるスリップ限界での
プライマリ圧Ppnmを示している。このプライマリ圧
Ppnmは、 Ppnm=αPs1 α:変速比によって決まるスリップ限界時のバランス油
圧比 の式によって求めることが出来る。
【0007】セカンダリ圧Psは、実際には、スリップ
限界に対してマージンを持った圧力(Ps2とする)が
使用され、このマージンを持ったセカンダリ圧Ps2が
一定のときに、変速速度=0(固定変速比)にするため
に必要なプライマリ圧Pp2を示すのが、図中の点γ1
2である。このセカンダリ圧PsをPs2で一定にし
て、プライマリ圧PpをPp2から下げてゆくと、変速
速度Vがプライマリ圧Ppの下げ量に比例して増大して
ゆき、ダウンシフトされる。そして、プライマリ圧Pp
がPps1まで下がると、駆動ベルトとプライマリプー
リとの間にスリップが発生する。
【0008】このように、セカンダリ圧Ps=Ps2に
おいて駆動ベルトとプライマリプーリとの間にスリップ
が発生する限界点γ13と、他のセカンダリ圧Psにお
いて求められるスリップが発生する限界点を結んでゆく
と、ほぼ直線の境界線vを描くことができる。この境界
線vよりも左側の部分がベルトスリップ域Eとなる。
【0009】すなわち、セカンダリ圧Psを一定にして
プライマリ圧Ppを下げてゆくと、動作点(プライマリ
圧Ppと変速速度の座標点)が実線ω1(Ps=Ps1
の場合),ω2(Ps=Ps2の場合)またはω3(P
s=Ps3の場合)に沿って移動し、境界線vを越えて
ベルトスリップ域Eに入ると、駆動ベルトとプライマリ
プーリ間にスリップが発生する。上記のようなベルト式
無段変速機における従来の変速制御は、以下のようにし
て行われている。
【0010】すなわち、エンジントルクから無段変速機
に入力される入力トルクが求められ、この求められた入
力トルクと変速比とからセカンダリ圧Psmが決定され
る。その後、セカンダリ圧Psmが一定の条件下で、上
記のようなプライマリ圧Ppと変速速度の直線的関係か
ら、目標プライマリ圧Ppmが決定され、これによっ
て、プライマリプーリにおける駆動ベルトの巻き付け径
が設定される。
【0011】そして、プライマリプーリにおける駆動ベ
ルトのスリップに対しては、無段変速機の変速制御を行
う油圧回路にオリフィスを接続し、このオリフィスの絞
りを試行錯誤的に設定して、最大変速速度が図10にお
いてベルトスリップ域Eに入らないように制限するとい
う対策が講じられている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の無段変速機の変速制御におけるプライマリ
圧Ppおよびセカンダリ圧Psの設定においては、図1
0に示されるような駆動ベルトのスリップ限界域Eにつ
いての考慮が為されていないため、スリップ限界以上の
変速制御を行うことが出来ないという問題が生じてい
る。また、駆動ベルトのスリップ防止のために無段変速
機の変速制御を行う油圧回路にオリフィスを接続する場
合には、このオリフィスによって油圧回路内における油
圧の変動速度が制限されるため、ダウンシフトを急速に
行うといった変速速度の制御を積極的に行うことが出来
ないという問題が生じている。
【0013】この発明は、上記のようなベルト式無段変
速機の従来の制御装置における問題点を解決するために
為されたものである。すなわち、この発明は、ダウンシ
フト時に、駆動ベルトのスリップを防止しながら高い変
速速度での変速制御を可能にするとともに、急速なダウ
ンシフトにも対応することが出来るベルト式無段変速機
の制御装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明による無段変
速機の制御装置は、上記目的を達成するために、プライ
マリプーリと、セカンダリプーリと、このプライマリプ
ーリおよびセカンダリプーリに卷回された駆動ベルトと
を有し、プライマリプーリとセカンダリプーリにプライ
マリ圧とセカンダリ圧をそれぞれ供給してプライマリプ
ーリとセカンダリプーリに対する駆動ベルトの巻き付け
径の比率を設定して無段変速を行う無段変速機の制御装
置において、目標変速速度を設定する目標変速速度設定
手段と、この目標変速速度設定手段によって設定された
目標変速速度に基づいて前記プライマリプーリと駆動ベ
ルトとの間にスリップが発生するか否かを判定するスリ
ップ判定手段と、このスリップ判定手段によってプライ
マリプーリと駆動ベルトとの間にスリップが発生すると
判断されたとき、前記プライマリ圧とセカンダリ圧をそ
れぞれプライマリプーリと駆動ベルトとの間にスリップ
が発生しない圧力に補正する圧力補正手段と、を備えて
いることを特徴としている。
【0015】この第1の発明による無段変速機の制御装
置は、プライマリプーリとセカンダリプーリ間に駆動ベ
ルトを卷回して、プライマリプーリを構成する固定ディ
スクと可動ディスクおよびセカンダリプーリを構成する
固定ディスクと可動ディスクのそれぞれのV字形を形成
する溝の幅を調節して、駆動ベルトの巻き付け径を変化
させることにより、所望の変速比を得る無段変速機に適
用されるものである。
【0016】この種の無段変速機は、ダウンシフト時
に、プライマリプーリの固定ディスクと可動ディスク間
の溝の幅が広がる際に、目標変速速度が高いと、駆動ベ
ルトに対する幅方向の締め付け力の低下によって、プラ
イマリプーリと駆動ベルト間にスリップが発生し、動力
伝達が阻害される場合がある。このような、プライマリ
プーリと駆動ベルト間のスリップの発生は、特に、キッ
クダウン時のように、ダウンシフトが急速に行われるよ
うなときに、顕著に現れる。
【0017】そこで、上記無段変速機の制御装置は、目
標変速速度設定手段がスロットル開度等に基づいて目標
変速速度を設定すると、スリップ判定手段が、設定され
た目標変速速度から、例えばその目標変速速度を達成す
るために算出される目標プライマリ圧と目標セカンダリ
圧から、ダウンシフト時に、プライマリプーリと駆動ベ
ルトとの間にスリップが発生する可能性があるか否かを
判断する。
【0018】そして、スリップ判定手段が、プライマリ
プーリと駆動ベルト間にスリップが発生する可能性があ
ると判定した場合には、プライマリプーリに供給するプ
ライマリ圧とセカンダリプーリに供給するセカンダリ圧
とを、互いにバランスさせながら、プライマリプーリと
駆動ベルト間にスリップを発生させない圧力に補正し
て、所望の変速速度を達成する。
【0019】以上のように、上記第1の発明によれば、
ダウンシフト時に、プライマリ圧とセカンダリ圧がとも
に補正されて、プライマリプーリと駆動ベルト間のスリ
ップが防止されて、高い変速速度での変速制御が可能に
なるとともに、急速なダウンシフトにも対応することが
可能になる。
【0020】第2の発明による無段変速機の制御装置
は、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加
えて、前記スリップ判定手段が、プライマリプーリに入
力する入力トルクを所要の変速比において伝達するのに
必要な最小のスリップ限界プライマリ圧およびスリップ
限界セカンダリ圧に基づいて設定される判定基準圧力と
前記目標変速速度から算出される目標プライマリ圧とを
比較して、目標プライマリ圧が判定基準圧力よりも小さ
いときにプライマリプーリと駆動ベルトとの間にスリッ
プが発生すると判定し、前記圧力補正手段が、スリップ
判定手段によってプライマリプーリと駆動ベルトとの間
にスリップが発生すると判定されたときに、セカンダリ
圧とプライマリ圧をそれぞれ上昇させることによって補
正することを特徴としている。この第2の発明による無
段変速機の制御装置は、スリップ判定手段が、以下のよ
うな手順によってプライマリプーリと駆動ベルト間にス
リップが発生するか否かを判定する。
【0021】すなわち、エンジン側からプライマリプー
リに入力する入力トルクを所要の変速比においてプライ
マリプーリと駆動ベルト間にスリップを発生させないで
セカンダリプーリ側に伝達するのに必要な最小の限界プ
ライマリ圧が、あらかじめ設定されている。そして、ダ
ウンシフトの際に、そのときの入力トルクと達成しよう
とする変速比に基づいて求められた最小のスリップ限界
プライマリ圧およびスリップ限界セカンダリ圧から、そ
のときの判定基準圧力を算出する。そして、次に、この
判定基準圧力と、目標変速速度から算出される目標プラ
イマリ圧とを比較して、目標プライマリ圧が判定基準圧
力よりも小さいときに、プライマリプーリにおける駆動
ベルトの締め付け力が不足しているとして、駆動ベルト
のスリップが発生するとの判定を行う。
【0022】圧力補正手段は、上記のようにして駆動ベ
ルトのスリップが発生するとの判定が行われると、目標
セカンダリ圧を上昇させることによってセカンダリプー
リにおける駆動ベルトの締め付け力を増大させて、プラ
イマリプーリ側での駆動ベルトのスリップの発生を防止
する。そして、目標変速速度の達成のために、目標セカ
ンダリ圧とのバランスによって、目標プライマリ圧も目
標セカンダリ圧の上昇に対応して上昇させる。
【0023】以上のように、上記第2の発明によれば、
判定基準圧力との比較によって、達成しようとする目標
変速速度から算出される目標プライマリ圧Ppが、駆動
ベルトのスリップを発生させる虞のある圧力であるか否
かを判定するので、確実に駆動ベルトのスリップを防止
することができ、目標変速速度の達成を可能にする。
【0024】第3の発明による無段変速機の制御装置
は、前記目的を達成するために、第2の発明の構成に加
えて、前記判定基準圧力は、前記最小のスリップ限界プ
ライマリ圧に基準圧力補正値を加えることによって設定
され、前記基準圧力補正値は、目標変速速度から算出さ
れる目標セカンダリ圧とプライマリプーリに入力する入
力トルクを所要の変速比において伝達するのに必要な最
小のスリップ限界セカンダリ圧との差に変速比に基づい
て定められる比例定数を乗じることによって設定され、
前記セカンダリ圧の補正は、前記目標セカンダリ圧にセ
カンダリ補正圧力を加えることによって行われ、前記セ
カンダリ補正圧力は、前記判定基準圧力と前記目標プラ
イマリ圧力との差に変速比と入力トルクに基づいて定め
られる比例定数を乗じることによって設定され、前記プ
ライマリ圧の補正は、目標プライマリ圧にプライマリ補
正圧力を加えることによって行われ、前記プライマリ補
正圧力は、前記セカンダリ補正圧力に変速比と入力トル
クに基づいて定められる比例定数を乗じることによって
設定されることを特徴としている。
【0025】この第3の発明による無段変速機の制御装
置は、前記第2の発明の構成に加えて、スリップ判定手
段における判定基準圧力の設定およびセカンダリ圧とプ
ライマリ圧の補正を、以下の手順で行なう。
【0026】すなわち、まず、目標セカンダリ圧と最小
のスリップ限界セカンダリ圧との差を求め、この求めら
れた差に、変速比に基づいて定められる比例定数を乗じ
ることによって基準圧力補正値を求める。そして、最小
のスリップ限界プライマリ圧に、上記のようにして求め
られた基準圧力補正値を加算して、判定基準圧力を設定
する。
【0027】この判定基準圧力に基づいて、駆動ベルト
のスリップが発生するとの判定が行われたときには、判
定基準圧力と目標プライマリ圧力との差に変速比と入力
トルクに基づいて定められる比例定数を乗じることによ
ってセカンダリ補正圧力を求め、このセカンダリ補正圧
力を目標セカンダリ圧に加算することによって、セカン
ダリ圧の補正を行う。さらに、上記のセカンダリ補正圧
力に変速比と入力トルクに基づいて定められる比例定数
を乗じることによってプライマリ補正圧力を求め、この
プライマリ補正圧力を目標プライマリ圧Pに加算するこ
とによって、プライマリ圧の補正を行う。
【0028】以上のように、上記第3の発明によれば、
スリップ判定の基準となる判定基準圧力の設定を、スリ
ップ限界プライマリ圧,目標セカンド圧,スリップ限界セ
カンダリ圧および変速比などの種々の変速要素を加味し
て行い、さらに、セカンダリ圧およびプライマリ圧の補
正値も、同様に、種々の変速要素を加味して設定するの
で、確実なスリップ判定と、適正なセカンダリ圧とプラ
イマリ圧の補正を行って、所望の変速速度の達成を可能
にすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の最も最適と思わ
れる実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説
明を行う。図9は、この発明による無段変速機の制御装
置の構成を示す説明図である。まず、無段変速機の駆動
系について説明する。
【0030】符号1は無段変速機を示す。この無段変速
機1は、プライマリプーリ2と、セカンダリプーリ3
と、このプライマリプーリ2とセカンダリプーリ3に巻
回された駆動ベルト4とを備えている。そして、エンジ
ン5のクランク軸6からトルクコンバータ装置7、前後
進切換装置8を介して伝達される駆動力を、プライマリ
プーリ2から駆動ベルト4を介してセカンダリプーリ3
に伝達し、さらに減速ギヤ列9、ディファレンシャル装
置Dを介して車輪Wに伝達することによって自動車を走
行させる。
【0031】プライマリプーリ2は、プライマリシャフ
ト2Aと一体回転するプライマリ固定ディスク2Bと、
プライマリシャフト2Aに対して軸方向にスライド自在
なプライマリ可動ディスク2Cとを有している。そし
て、プライマリ可動ディスク2Cが、プライマリシャフ
ト2Aの軸方向にスライドすることにより、プライマリ
可動ディスク2Cとプライマリ固定ディスク2Bとの間
隔が調整される。
【0032】セカンダリプーリ3は、セカンダリシャフ
ト3Aと一体回転するセカンダリ固定ディスク3Bと、
セカンダリシャフト3Aに対して軸方向にスライド自在
なセカンダリ可動ディスク3Cとを有している。そし
て、セカンダリ可動ディスク3Cが、セカンダリシャフ
ト3Aの軸方向にスライドすることにより、セカンダリ
可動ディスク3Cとセカンダリ固定ディスク3Bとの間
隔が調整される。それぞれのディスク間隔は、プライマ
リシリンダ2Dに導入されるプライマリ圧Pbとセカン
ダリシリンダ3Dに導入されるセカンダリ圧Psとの関
係に応じて設定される。
【0033】次いで、無段変速機1の油圧制御系につい
て説明する。まず、オイルパン40と連通するオイルポ
ンプ34からの油路41がセカンダリ制御弁50に連通
して所定のセカンダリ圧Psが生じており、このセカン
ダリ圧Psが油路42によりセカンダリシリンダ3Dに
常時供給される。セカングリ圧Psは油路43を介して
プライマリ制御弁60に導かれ、油路44によりプライ
マリシリンダ21に吸排油してプライマリ圧Ppが生じ
るように構成される。
【0034】セカンダリ制御弁50は、比例電磁リリー
フ弁式であり、その比例ソレノイド51に制御装置70
からソレノイド電流Isが供給される。セカンダリ制御
弁50は、ソレノイド電流Isに対して1対1の比例関
係でセカングリ圧Psを可変設定する。
【0035】プライマリ制御弁60は、比例電磁減圧弁
式であり、セカンダリ制御弁50と同様に、その比例ソ
レノイド61に制御装置70からソレノイド電流Ipが
供給される。従って、プライマリ制御弁60は、ソレノ
イド電流Ipに対して1対1の比例関係でプライマリ圧
Ppを可変設定する。
【0036】図1は、この発明によるベルト式無段変速
機の制御装置の動作原理を説明するためのグラフであ
る。この図1は、図10と同様の図であり、縦軸に変速
速度、横軸にプライマリ圧Ppをとり、変速速度=0
(固定変速比),セカンダリ圧Ps=Ps1,入力限界ト
ルクTin=Tin1であるときのプライマリ圧Ppと
セカンダリ圧Psの関係をグラフにしたものである。
【0037】まず、この図1に基づいて、この実施形態
における制御装置の動作原理について説明を行う。図1
において、セカンダリ圧Psがマージンを含む圧力Ps
2であるとき、目標変速速度Vmを達成しようとする
と、この目標変速速度Vmを達成するための目標プライ
マリ圧Ppmが、セカンダリ圧Ps2におけるスリップ
限界プライマリ圧Ppiよりも小さくなる。したがっ
て、その動作点γ1が境界線vの左側のベルトスリップ
域E内にあり、プライマリプーリ1において駆動ベルト
3(図9参照)のスリップが発生して、目標変速速度V
mを達成することが出来ない。また、駆動ベルト3のス
リップを防止するために、プライマリ圧Ppをセカンダ
リ圧Ps2におけるスリップ限界プライマリ圧Ppiま
で上昇させると、変速速度がVm2に減少し、やはり、
目標変速速度Vmを達成することが出来ない。
【0038】ここで、図10において求めたベルトスリ
ップ域Eとの境界線vから、セカンダリ圧Psが高いほ
どスリップ限界変速速度が高く、入力トルクが一定の場
合に、駆動ベルト3がスリップを起こさずに達成出来る
最大の変速速度は、セカンダリ圧Psによって決定され
ることが分かる。そこで、目標変速速度Vmを達成で
き、しかも動作点がベルトスリップ域Eから外れるセカ
ンダリ圧Psを図1から求めると、そのセカンダリ圧P
sは、図1において、変速速度Vmの水平線と境界線v
との交点γ3を通る実線ω3が示す圧力Ps3となる。
【0039】そして、セカンダリ圧Psを圧力ps3に
上昇させるとき、プライマリ圧Ppを、セカンダリ圧P
s2におけるスリップ限界プライマリ圧Ppi(これ
が、後述する判定基準圧力となる)のまま維持した場合
には、その動作点γ4が、図1から分かるように、ベル
トスリップ域E内にあって、目標変速速度Vmを達成で
きない。そこで、セカンダリ圧Psを増加させると同時
に、プライマリ圧Ppを動作点γ3における圧力Ppm
mまで増加させることによって、駆動ベルト3のスリッ
プを防止するとともに、目標変速速度Vmの達成が可能
になる。
【0040】上記のように目標変速速度を達成する際の
セカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppの油圧制御を一般
式で表したのが、下記の式である。すなわち、入力トル
クとこの入力トルクに対応するマージンを見込んだセカ
ンダリ圧Psmが求められているとき、目標変速速度V
mが与えられて、その動作点におけるプライマリ圧Pp
mが、セカンダリ圧Psmにおけるスリップ限界プライ
マリ圧(以下、判定基準圧力という)Ppiよりも下回
った場合に、目標変速速度を達成する目標セカンダリ圧
Psmmと目標プライマリ圧Ppmmは、 Psmm=Psm+Psh Ppmm=Ppi+Ppy Psh:セカンダリ補正圧力(図1参照) Ppy:プライマリ補正圧力(図1参照) で表される。
【0041】また、セカンダリ補正圧力Pshとプライ
マリ補正圧力Ppyは、 Psh=k1×(Ppi−Ppm) Ppy=k2×Psh で表される。この比例定数k1およびk2は、駆動ベル
トとプーリ系の力学的関係と、摩擦力の関係と、変速比
によって決定されるものであり、実験的に求められる。
【0042】判定基準圧力Ppiは、以下のようにして
求められる。すなわち、図2は、横軸をセカンダリ圧P
s(つまりセカンダリプーリのクランプ力Fs),縦軸
をプライマリ圧Pp(つまりセカンダリプーリのクラン
プ力Fs)とし、固定変速比(変速速度=0)における
セカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppの関係を表したも
のである。
【0043】この図2において、直線uがトルク比10
0%(Fp/Fs=1)におけるセカンダリ圧Psとプ
ライマリ圧Ppとの油圧バランスを表しており、入力ト
ルクTin1のときの直線u上の動作点γ5におけるセ
カンダリ圧Psとプライマリ圧Ppを、それぞれ、Ps
nm,Ppnmとする。前述したように、セカンダリ圧
Psは、通常、マージンを考慮して圧力Psnmよりも
大きい圧力Psmに設定される。このとき、入力トルク
Tin=Tin1で一定の場合には、セカンダリ圧Ps
を圧力PsnmからPsmに増加させるのにともなっ
て、このセカンダリ圧Psmとバランスするプライマリ
圧Ppも増加して圧力Ppmとなる。このときの動作点
がγ6(Psm,Ppm)である。
【0044】したがって、直線u上の動作点γ5と上記
動作点γ6を通る右上がりの直線zが、入力トルクTi
n=Tin1のときのスリップ限界線となり、直線uの
原点0と動作点γ5の間の区間および直線zが、セカン
ダリ圧Psに対する判定基準圧力Ppiの変化を表すこ
とになる。
【0045】以下、この直線uの原点0と動作点γ5の
間の区間および直線zを、判定基準線と呼ぶ。この直線
uおよび直線zの下側の領域が、ベルトスリップ域Fと
なり、このベルトスリップ域F内に動作点(例えばγ
7)があるときは、プライマリプーリにおいて駆動ベル
トのスリップが発生することになる。この図2におい
て、入力トルクTinがTin1よりも大きくなると、
そのスリップ限界を示す直線z’は直線uよりも上側に
位置し、入力トルクTinがTin1よりも小さくなる
と、そのスリップ限界を示す直線z”は直線uよりも下
側に位置することになる。この直線z,z’およびz”
の傾きは、それぞれkhで等しく、この傾きkhは、入
力トルクと出力トルクのトルク比および変速比によって
変化する。したがって、駆動ベルトのスリップ判定は、
セカンダリ圧Ps,プライマリ圧Pp,変速比iおよび入
力トルクTinの四つのパラメータによって行うことが
できる。
【0046】変速比iが変化するときの判定基準線の変
化は、下記の様な傾向を示す。すなわち、変速比iがL
oω側に変化すると、図3に示されるように、直線u1
の傾きが小さくなるとともに、セカンダリ圧Psnm’
が増加し、さらにスリップ限界線z1の傾きkh
(i)’が大きくなる。また、変速比iがOD側に変化
すると、図4に示されるように、直線u2の傾きが大き
くなるとともに、セカンダリ圧Psnm”が減少し、さ
らにスリップ限界線z2の傾きkh(i)”が大きくな
る。
【0047】次に、このベルト式無段変速機の電子制御
系について説明を行う。図5は、ベルト式無段変速機の
制御装置70の機能を示すブロック図である。この図5
において、制御装置70は、プライマリ回転数センサ1
0,セカンダリ回転数センサ11,スロットル開度センサ
12,セカンダリ圧力センサ13およびエンジン回転数
センサ14を備えている。そして、この制御装置70の
変速比算出部15は、プライマリ回転数センサ10によ
って検出されるプライマリ回転数Npとセカンダリ回転
数センサ11によって検出されるセカンダリ回転数Ns
に基づいて、変速比i(=Np/Ns)の算出を行う。
さらに、目標プライマリ回転数算出部16は、変速比算
出部15で算出された変速比iおよびスロットル開度セ
ンサ12によって検出されたスロットル開度θに基づい
て、目標プライマリ回転数Npdの算出を行う。
【0048】目標変速比算出部17は、目標プライマリ
回転数算出部16によって算出された目標プライマリ回
転数Npdとセカンダリ回転数センサ11によって検出
されたセカンダリ回転数Nsに基づいて、目標変速比i
s(Npd/Ns)の算出を行う。
【0049】目標変速速度算出部18は、変速比算出部
15によって算出された変速比iと目標変速比算出部1
7によって算出された目標変速比isに基づいて、目標
変速速度Vmの算出を行う。
【0050】変速圧力算出部19は、目標変速速度算出
部18によって算出された目標変速速度Vmに基づい
て、変速圧力ΔPpの算出を行う。必要セカンダリ圧設
定部20は、変速比算出部15によって算出された変速
比iに基づいて、必要セカンダリ圧Psuの設定を行
う。
【0051】入力トルク算出部21は、スロットル開度
センサ12によって検出されたスロットル開度θとエン
ジン回転数センサ14によって検出されたエンジン回転
数Neに基づいて、入力トルクTinの算出を行う。
【0052】目標セカンダリ圧算出部22は、セカンダ
リ回転数センサ11によって検出されたセカンダリ回転
数Ns,必要セカンダリ圧設定部20によって設定され
た必要セカンダリ圧Psuおよび入力トルク算出部21
によって算出された入力トルクTinに基づいて、目標
セカンダリ圧Psm(=Tin・Psu−gs+Pm)
の算出を行う。なお、上記において、gsはセカンダリ
シリンダ3Dの遠心油圧J(Ns)であり、Pmはマー
ジンである。
【0053】ソレノイド電流設定部23は、目標セカン
ダリ圧算出部22によって算出された目標セカンダリ圧
Psmに基づいて、ソレノイド電流Isの設定を行う。
このソレノイド電流設定部23によって設定されたソレ
ノイド電流Isは、駆動部24を介して比例ソレノイド
51に供給される。そして、この比例ソレノイド51に
よって、セカンダリプーリ3に供給されるセカンダリ圧
Psの油圧制御を行うセカンダリ制御弁50が可動され
て、ソレノイド電流Isに比例したセカンダリ圧Psを
セカンダリプーリ3に供給する。
【0054】トルク比算出部26は、必要セカンダリ圧
設定部20によって設定された必要セカンダリ圧Psu
と入力トルク算出部21によって算出された入力トルク
Tinに基づいて、トルク比Kt(=Tin・Psu/
Ps)の算出を行う。
【0055】油圧比設定部27は、変速比算出部15に
よって算出された変速比iとトルク比算出部26によっ
て算出されたトルク比Ktに基づいて、油圧比Kpの設
定を行う。
【0056】必要プライマリ圧算出部28は、プライマ
リ回転数センサ10によって検出されたプライマリ回転
数Np,セカンダリ圧力センサ13によって検出された
セカンダリ圧Psおよび油圧比設定部27によって設定
された油圧比Kpに基づいて、必要プライマリ圧Ppd
(=Kp・Ps−gp)の算出を行う。なお、上記にお
いて、gpはプライマリシリンダ2Dの遠心油圧J(N
p)である。
【0057】目標プライマリ圧算出部29は、必要プラ
イマリ圧算出部28によって算出された必要プライマリ
圧Ppdに基づいて、目標プライマリ圧Ppmの算出を
行う。ソレノイド電流設定部30は、目標プライマリ圧
算出部29によって算出された目標プライマリ圧Ppm
に基づいて、ソレノイド電流Ipの設定を行う。このソ
レノイド電流設定部30によって設定されたソレノイド
電流Ipは、駆動部31を介して比例ソレノイド61に
供給される。そして、この比例ソレノイド61によっ
て、プライマリプーリ2に供給されるプライマリ圧Pp
の油圧制御を行うプライマリ制御弁60が可動されて、
ソレノイド電流Ipに比例したプライマリ圧Ppをプラ
イマリプーリ2に供給する。
【0058】次に、上記制御装置70におけるプライマ
リ圧とセカンダリ圧の設定の手順を、図6ないし図8の
フローチャートに基づいて説明する。図5において、変
速比算出部15により、変速比iを、 i=Np/NS Np:プライマリ回転数 NS:セカンダリ回転数 の式から求める(ステップS1)。
【0059】次に、目標プライマリ回転数算出部16に
より、目標プライマリ回転数Npdを、あらかじめ設定
されているNpd=f(i,θ)のマップを参照して算
出する(ステップS2)。
【0060】次に、あらかじめ設定されているTe=f
(Ne,θ)のマップを参照してエンジントルクTeを
算出し(ステップS3)、このエンジントルクTeか
ら、入力トルク算出部21によって、入力トルクTin
を、 Tin=Te・t−gi t:トルクコンバータによるトルク増幅率 gi:慣性力 の式から求める(ステップS4)。
【0061】次に、必要セカンダリ圧設定部20によ
り、必要セカンダリ圧Psuを、あらかじめ設定されて
いるPsu=f(i)のマップを参照して算出する(ス
テップS5)。
【0062】次に、目標セカンダリ圧算出部22によっ
て、目標セカンダリ圧Psmを、 Psm=Tin・Psu−gs+Pm gs:セカンダリシリンダの遠心油圧f(Ns) Pm:マージン の式から求める(ステップS6)。
【0063】次に、目標変速比算出部17によって、目
標変速比isを、 is=Npd/Ns の式から求める(ステップS7)。
【0064】次に、目標変速速度算出部18によって、
目標変速速度Vmを、あらかじめ設定されているVm=
f(i−is)のマップを参照して算出する(ステップ
S8)。
【0065】次に、変速圧力算出部19によって、変速
圧力ΔPpを、あらかじめ設定されている変速圧力ΔP
p=f(Vm)のマップを参照して算出する(ステップ
S9)。
【0066】次に、トルク比算出部26によって、トル
ク比Ktを、 Kt=Tin/(Ps/Psu) Ps:実セカンダリ圧 の式から求める(ステップS10)。
【0067】次に、油圧比設定部27によって、油圧比
Kpを、あらかじめ設定されているKp=f(i,K
t)のマップを参照して算出する(ステップS11)。
【0068】次に、必要プライマリ圧算出部28によっ
て、必要プライマリ圧Ppdを、 Ppd=Kp・Ps−gp gp:プライマリシリンダの遠心油圧f(Np) の式から求める(ステップS12)。
【0069】次に、目標プライマリ圧算出部29によっ
て、目標プライマリ圧Ppmを、 Ppm=Ppd±ΔPp の式から求める(ステップS13)。
【0070】そして、目標プライマリ圧算出部29は、
判定基準圧力Ppiを決定し(ステップS14)、さら
に、決定された判定基準圧力Ppiと求められた目標プ
ライマリ圧Ppmとを比較する(ステップS15)。な
お、上記の判定基準圧力Ppiの決定の手順について
は、後述する。ステップS15において、目標プライマ
リ圧Ppmが判定基準圧力Ppiよりも大きいと判定し
た場合には、プライマリプーリ2において駆動ベルト4
のスリップが発生する虞がないため、プライマリ圧Pp
=Ppmの設定を行って(ステップS16)、前述した
ソレノイド電流Ipの設定を行う。
【0071】さらに、目標プライマリ圧算出部29にお
いてプライマリ圧Pp=Ppmの設定が行われた際に
は、その信号を受けて、目標セカンダリ圧算出部22に
おいて、セカンダリ圧Ps=Psmの設定を行って(ス
テップS17)、前述したソレノイド電流Isの設定を
行う。
【0072】また、ステップS15において、目標プラ
イマリ圧Ppmが判定基準圧力Ppiよりも小さいと判
定した場合には、プライマリプーリ2において駆動ベル
ト4のスリップが発生するものと判断して、目標プライ
マリ圧Ppmと目標セカンダリ圧Psmの補正を行う
(ステップS18)。そして、補正後の目標プライマリ
圧Ppmmおよび目標セカンダリ圧Psmmによって、
ソレノイド電流Ipおよびソレノイド電流Isの設定を
行う。この目標プライマリ圧Ppmと目標セカンダリ圧
Psmの補正の手順については、後述する。
【0073】上記ステップS14における判定基準圧力
Ppiの決定は、図7のフローチャートに示されるよう
な手順によって行われる。すなわち、図7において、ス
リップ限界セカンダリ圧Psnm(図2の説明参照)
を、あらかじめ設定されている図2のマップから求める
(ステップS141)。
【0074】次に、トルク比100%時の油圧比αを、
あらかじめ設定されているα=f(i)のマップから求
める(ステップS142)。次に、スリップ限界プライ
マリ圧Ppnm(図2の説明参照)を、 Ppnm=α×Psnm の式から求める(ステップS143)。
【0075】次に、スリップ限界線の傾きkh(図2の
説明参照)を、あらかじめ設定されているkh=f
(i)またはkh=f(i,Tin)のマップから求め
る(ステップS144)。
【0076】そして、判定基準圧力Ppiを、上記のよ
うにして求められたスリップ限界セカンダリ圧Psn
m,スリップ限界プライマリ圧Ppnmおよびスリップ
限界線の傾きkhと、目標セカンダリ圧算出部22によ
って求められている目標セカンダリ圧Psmに基づい
て、 Ppi=Ppnm+kh(Psm−Psnm) の式から求める(ステップS145)。
【0077】前記の目標プライマリ圧Ppmと目標セカ
ンダリ圧Psmの補正は、図8のフローチャートに示さ
れるような手順によって行われる。すなわち、図8おい
て、比例定数k1およびk2(図1の説明参照)をあら
かじめ設定されているk1=f(i,Tin,Psm),
k2=f(i,Tin,Psm)のマップから、それぞれ
求める(ステップS181,182)。
【0078】次に、セカンダリ補正圧力Psh(図1の
説明参照)を、 Psh=k1×(Ppi−Ppm) の式から求める(ステップS183)。
【0079】次に、プライマリ補正圧力Ppy(図1の
説明参照)を、 Ppy=k2×Psh の式から求める(ステップS184)。
【0080】次に、プライマリ補正圧Ppmm(図1の
説明参照)を、 Ppmm=Ppi+Ppy の式から求める(ステップS185)。
【0081】次に、セカンダリ補正圧Psmm(図1の
説明参照)を、 Psmm=Psm+Psh の式から求める(ステップS186)。
【0082】そして、求められたプライマリ補正圧Pp
mmによって、目標プライマリ圧算出部29においてプ
ライマリ圧Pp=Ppmmの設定を行い(ステップS1
87)、前述したソレノイド電流Ipの設定を行う。さ
らに、求められたセカンダリ補正圧Psmmによって、
目標セカンダリ圧算出部22においてセカンダリ圧Ps
=Psmmの設定を行い(ステップS188)、前述し
たソレノイド電流Isの設定を行う。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における作動原理を説明する
ためのグラフである。
【図2】同原理における判定基準圧力の設定方法を説明
するためのグラフである。
【図3】同原理において変速比の変化に伴う判定基準圧
力の変化を説明するためのグラフである。
【図4】同原理において変速比の変化に伴う判定基準圧
力の変化を説明するためのグラフである。
【図5】本発明の実施形態における制御系の構成を示す
ブロック図である。
【図6】同実施形態における制御の手順を示すフローチ
ャートである。
【図7】同実施形態における判定基準圧力の設定の手順
を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態におけるプライマリ圧およびセカン
ダリ圧の補正の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明のベルト式無段変速機の制御装置の構成
を示す説明図である。
【図10】ベルト式無段変速機において駆動ベルトのス
リップが発生する状態を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
1 …無段変速機 2 …プライマリプーリ 2B …プライマリ固定ディスク 2C …プライマリ可動ディスク 2D …プライマリシリンダ 3 …セカンダリプーリ 3B …セカンダリ固定ディスク 3C …セカンダリ可動ディスク 3D …セカンダリシリンダ 4 …駆動ベルト 70 …制御装置 10 …プライマリ回転数センサ 11 …セカンダリ回転数センサ 12 …スロットル開度センサ 13 …セカンダリ圧力センサ 14 …エンジン回転数センサ 15 …変速比算出部 16 …目標プライマリ回転数算出部 17 …目標変速比算出部 18 …目標変速速度算出部 19 …変速圧力算出部 20 …必要セカンダリ圧設定部 21 …入力トルク算出部 22 …目標セカンダリ圧算出部 23 …ソレノイド電流設定部 24 …駆動部 26 …トルク比算出部 27 …油圧比設定部 28 …必要プライマリ圧算出部 29 …目標プライマリ圧算出部 30 …ソレノイド電流設定部 31 …駆動部 51 …比例ソレノイド 61 …比例ソレノイド Pp …プライマリ圧 Ps …セカンダリ圧 Ppm…目標プライマリ圧 Psm…目標セカンダリ圧 Ppnm…スリップ限界プライマリ圧 Psnm…スリップ限界セカンダリ圧 Ppi…判定基準圧力 Ppy…プライマリ補正圧力 Pph…セカンダリ補正圧力 Ppi…判定基準圧力 Tin…入力トルク i …変速比 kh …スリップ限界線の傾きkh(比例定数) k1,k2…比例定数 Vm …目標変速速度

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プライマリプーリと、セカンダリプーリ
    と、このプライマリプーリおよびセカンダリプーリに卷
    回された駆動ベルトとを有し、プライマリプーリとセカ
    ンダリプーリにプライマリ圧とセカンダリ圧をそれぞれ
    供給してプライマリプーリとセカンダリプーリに対する
    駆動ベルトの巻き付け径の比率を設定して無段変速を行
    う無段変速機の制御装置において、 目標変速速度を設定する目標変速速度設定手段と、 この目標変速速度設定手段によって設定された目標変速
    速度に基づいて前記プライマリプーリと駆動ベルトとの
    間にスリップが発生するか否かを判定するスリップ判定
    手段と、 このスリップ判定手段によってプライマリプーリと駆動
    ベルトとの間にスリップが発生すると判断されたとき、
    前記プライマリ圧とセカンダリ圧をそれぞれプライマリ
    プーリと駆動ベルトとの間にスリップが発生しない圧力
    に補正する圧力補正手段と、 を備えていることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記スリップ判定手段が、プライマリプ
    ーリに入力する入力トルクを所要の変速比において伝達
    するのに必要な最小のスリップ限界プライマリ圧および
    スリップ限界セカンダリ圧に基づいて設定される判定基
    準圧力と前記目標変速速度から算出される目標プライマ
    リ圧とを比較して、目標プライマリ圧が判定基準圧力よ
    りも小さいときにプライマリプーリと駆動ベルトとの間
    にスリップが発生すると判定し、 前記圧力補正手段が、スリップ判定手段によってプライ
    マリプーリと駆動ベルトとの間にスリップが発生すると
    判定されたときに、セカンダリ圧とプライマリ圧をそれ
    ぞれ上昇させることによって補正する、 請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記判定基準圧力は、前記最小のスリッ
    プ限界プライマリ圧に基準圧力補正値を加えることによ
    って設定され、 前記基準圧力補正値は、目標変速速度から算出される目
    標セカンダリ圧とプライマリプーリに入力する入力トル
    クを所要の変速比において伝達するのに必要な最小のス
    リップ限界セカンダリ圧との差に変速比に基づいて定め
    られる比例定数を乗じることによって設定され、 前記セカンダリ圧の補正は、前記目標セカンダリ圧にセ
    カンダリ補正圧力を加えることによって行われ、 前記セカンダリ補正圧力は、前記判定基準圧力と前記目
    標プライマリ圧力との差に変速比と入力トルクに基づい
    て定められる比例定数を乗じることによって設定され、 前記プライマリ圧の補正は、目標プライマリ圧にプライ
    マリ補正圧力を加えることによって行われ、 前記プライマリ補正圧力は、前記セカンダリ補正圧力に
    変速比と入力トルクに基づいて定められる比例定数を乗
    じることによって設定される、 請求項2に記載の無段変速機の制御装置。
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