JP2022024186A - 車両用無段変速機の制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ホイールスピン中にセカンダリプーリの油圧を高めてベルト滑りを抑制しつつ、アクセルペダルからの足離しを行っても、変速比の不安定な挙動やセカンダリプーリの油圧不足の発生を抑制することができるようにする。【解決手段】駆動源によって駆動され、プライマリプーリ及びセカンダリプーリの各油室にベルトを挟圧する推力を付与するための作動油を供給するオイルポンプを備えた車両用無段変速機1の制御装置であって、駆動輪12にホイールスピンが生じている場合に、推力を付与するための作動油の油圧を制御する油圧指令値を、ベルトの滑りを回避するための下限油圧以上であって変速比の変更を妨げないための第1上限油圧以下である値に設定して、油圧指令値に基づいて油圧を制御する変速制御手段7Aを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用無段変速機の制御装置に関するものである。
駆動源に駆動連結されたプライマリプーリと、駆動輪に駆動連結されたセカンダリプーリと、これらのプーリに巻き掛けられた無端状のベルトとを備え、各プーリが油圧によってベルトを挟圧する推力を付与される油圧式の車両用無段変速機が知られている。このような無段変速機では、ベルトを挟圧する推力が不足するとベルトとプーリとの間に滑りが生じてベルトの劣化や損傷を招くので推力が不足しないように油圧が制御される。
特許文献1には、駆動源で駆動されるオイルポンプによって各プーリに作動油が供給される車両用無段変速機を備えた車両において、非良路(例えば、舗装がされていないオフロード)走行時には、セカンダリプーリに供給する作動油の油圧を良路走行時よりも高めてベルトを挟圧する推力を大きくすると共に、プライマリプーリの回転速度を設定された下限回転速度以上になるように制御する技術が開示されている。
つまり、非良路走行時には、駆動輪のスリップ(ホイールスピン)が発生し易く、駆動輪にホイールスピンが発生し、その後にグリップ力が回復する場合、駆動輪は路面から反力トルクを受けながらスリップを解消することになる。この駆動輪が路面から受ける反力トルクがセカンダリプーリに入力されると、セカンダリプーリとベルトとの間の滑りを誘発する。
プライマリプーリの回転速度を下限回転速度以上にするのは、駆動源で駆動されるオイルポンプの作動油の吐出量や吐出圧を確保するためであり、これによりセカンダリプーリに供給する作動油の油圧を高めることができ、ベルトを挟圧する推力を大きくしてベルトの滑りの発生を抑制することができる。
国際公開第2015/133257号
ところで、無段変速機の各プーリの作動油の油圧は通常フィードバック制御を用いて行う。例えば、ベルトを挟圧する推力を所定の大きさに制御するには、各プーリの油圧目標値を設定し油圧に基づくフィードバック制御により各プーリの作動油の油圧を制御し、変速比を変更するには、変速比目標値(目標変速比)を設定し実変速比との差に基づくフィードバック制御によりプーリの作動油の油圧を制御して推力比を操作する。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、ホイールスピン中にセカンダリプーリに供給する油圧の指示圧を単純に高くすると、セカンダリプーリの指示圧が高くなり過ぎて、変速比を維持するための油圧や変速比を変更する(実変速比を目標変速比に変更する)ための油圧までプライマリプーリに供給する油圧を高めることが困難になり、変速比に基づくフィードバック制御では推力比を操作しきれずに、変速不良〔変速比のロー側へのズレ(以下、ロー側ズレと言う)〕が発生する。
例えば、アクセルペダルの踏み込みによって発生したホイールスピン中にアクセルペダルからの足離し(踏み込み解除)を行うと、目標変速比がハイ側に変更されるが、セカンダリプーリの指示圧が高くなり過ぎてしまうと、実変速比を目標変速比に変更できる油圧までプライマリプーリの油圧を高められなくなり、変速比のロー側ズレによる変速比の目標値と実際値との乖離が続くことからハイ側へのフィードバック補正量が累積し、変速比の不安定な挙動を招くこと、及び、これに起因してセカンダリプーリの油圧不足の発生を招くことから、ベルト滑りの可能性が発生する。
本発明は、このような課題に着目して創案されたもので、油圧式の車両用無段変速機において、駆動輪にホイールスピンが生じた場合にセカンダリプーリの油圧を高めてベルト滑りを抑制しつつ、アクセルペダルからの足離しを行っても、変速比の不安定な挙動の発生やセカンダリプーリの油圧不足の発生を抑制することができるようにした、車両用無段変速機の制御装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の車両用無段変速機の制御装置は、駆動源に駆動連結されたプライマリプーリと、駆動輪に駆動連結されたセカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられた無端状のベルトと、前記駆動源によって駆動され、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリの各油室に前記ベルトを挟圧する推力を付与するための作動油を供給するオイルポンプと、を備えた車両用無段変速機の制御装置であって、車両の走行状態に応じて、前記各油室に供給する作動油の油圧を制御して前記推力を制御することにより、変速比を制御する変速制御手段と、前記駆動輪にホイールスピンが生じているか否かを判定するスピン判定手段と、を備え、前記変速制御手段は、前記スピン判定手段により前記ホイールスピンが生じていると判定されたら、前記推力を付与するための作動油の油圧を制御する油圧指令値を、前記ベルトの滑りを回避するための下限油圧以上であって変速比の変更を妨げないための第1上限油圧以下である値に設定して、前記油圧指令値に基づいて前記油圧を制御することを特徴としている。
前記変速制御手段は、前記スピン判定手段により前記ホイールスピンが生じていると判定されたら、前記油圧指令値を、前記ベルトの滑りを回避するための下限油圧以上であって変速比の変更を妨げないための上限油圧以下であり、且つ、油圧収支限界を超えない第2上限油圧以下である値に設定することが好ましい。
前記変速制御手段は、前記セカンダリプーリの油室の作動油の油圧であるセカンダリ油圧を制御することにより前記推力を付与し、前記プライマリプーリの油室の作動油の油圧であるプライマリ油圧を前記セカンダリ油圧に対して制御することにより前記変速比を制御し、前記ホイールスピンが生じていると判定されたときには、前記セカンダリ油圧を前記油圧指令値に基づいて制御することが好ましい。
本発明によれば、ホイールスピンが生じていると判定されたら、推力を付与するための作動油の油圧を制御する油圧指令値を、ベルトの滑りを回避するための下限油圧以上であって変速比の変更を妨げないための第1上限油圧以下である値に設定して油圧を制御するので、駆動輪にホイールスピンが生じた場合にセカンダリプーリの油圧を高めてベルト滑りを抑制しつつ、アクセルペダルからの足離しを行っても、セカンダリプーリの油圧を、変速比の変更を妨げないための第1上限油圧以下の値にしていることから、変速比の不安定な挙動の発生やセカンダリプーリの油圧不足の発生を抑制することができるようにすることができる。
本発明の一実施形態にかかる車両の駆動系及び車両用無段変速機並びにその制御装置の構成図である。 本発明の一実施形態にかかる車両用無段変速機の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の課題となる状態の一例を示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態にかかる車両用無段変速機の変速ストローク速度と油圧低下の関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかる車両用無段変速機における油圧低下メカニズムを示すタイムチャートであり、(a)は油圧に関し、(b)は変速比及びストローク速度を示す。 本発明の一実施形態にかかる車両用無段変速機の制御装置でホイールスピン抑制制御時に用いる油圧指令値の設定を説明する図である。 本発明の一実施形態にかかる車両用無段変速機の制御装置のホイールスピン抑制制御を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態にかかる車両用無段変速機の制御装置のホイールスピン抑制制御による効果を示すタイムチャートであり、(a)は比較例の特性を示し、(b)は本実施形態の特性を示す。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することや適宜組み合わせることが可能である。
[全体システム構成]
図1は本実施形態に係る車両用無段変速機とその制御装置の要部を示す構成図である。
図1に示すように、無段変速機(CVT)1は、駆動源であるエンジン(内燃機関)10の出力軸10aとトルクコンバータ11を介して駆動連結された入力軸2と、入力軸2と平行に配置され、駆動輪12と減速機13及び差動機構14を介して駆動連結された出力軸3と、入力軸2と連結されたプライマリプーリ4と、出力軸3と連結されたセカンダリプーリ5と、プライマリプーリ4とセカンダリプーリ5とに巻き掛けられた無端状のベルト6と、を備えている。
プライマリプーリ4は、固定シーブ41と、可動シーブ42と、可動シーブ42を軸方向に移動させるプライマリ油室43とを有する。
セカンダリプーリ5は、固定シーブ51と、可動シーブ52と、可動シーブ52を軸方向に移動させるセカンダリ油室53とを有する。
無段変速機1は、プライマリ油室43及びセカンダリ油室53に作動油を供給するために、エンジン10で駆動されるオイルポンプ61と、オイルポンプ61から吐出された作動油を所定のライン圧Pに調圧するライン圧制御弁(プレッシャレギュレータ弁)62と、ライン圧Pを元圧としてプライマリ圧Ppriに調圧するプライマリ圧制御弁63と、ライン圧Pを元圧としてセカンダリ圧Psecに調圧するセカンダリ圧制御弁64とを備えている。各制御弁62,63,64はソレノイドで作動する制御弁であって、CVTECU(CVT電子制御ユニット)7によって、各ソレノイド62a,63a,64aへの電流を制御することにより、出力する油圧が調整される。
CVTECU7には、プライマリプーリ4の回転速度(単位時間回転数、プライマリプーリ回転数)Npriを検出するプライマリ回転センサ81、セカンダリプーリ5の回転速度(単位時間回転数、セカンダリプーリ回転数)Nsecを検出するセカンダリ回転センサ82、プライマリ油室43の圧力(プライマリ圧)Ppriを検出するプライマリ圧センサ83、セカンダリ油室53の圧力(セカンダリ圧)Psecを検出するセカンダリ圧センサ84等の各種センサが接続され、これらのセンサ情報やスイッチ情報が入力される。また、CVTECU7は、エンジンECU(エンジン電子制御ユニット)8と情報伝達可能に接続されている。なお、プライマリ圧センサ83で検出した実際のプライマリ圧Ppriについてはプライマリ実圧Ppri_rと称し、セカンダリ圧センサ84で検出した実際のセカンダリ圧Psecについてはセカンダリ実圧Psec_rと称する。
無段変速機1は、ベルト6とプーリ4,5との間で滑りが発生しない範囲でできるだけ低い推力を各プーリ4,5に付与し、変速比Rを変更する際には、プライマリプーリ4とセカンダリプーリ5との間に差推力を加えて目標変速比R_tが達成されるように各可動シーブ42,52を軸方向に駆動する。これらの推力及び差推力は、CVTECU7によってプライマリ圧Ppri及びセカンダリ圧Psecを制御することによって行う。
[油圧制御系の構成]
このため、CVTECU7は、ライン圧Pを制御するライン圧制御部71と、プライマリ圧Ppriを制御するプライマリ圧制御部72と、セカンダリ圧Psecを制御するセカンダリ圧制御部73とを有する変速制御部(変速制御手段)7Aを備えている。
また、CVTECU7は、プライマリプーリ回転数Npri及びセカンダリプーリ回転数Nsecから実変速比R_rを算出する変速比演算部74を備えている。
ライン圧制御部71は、所定の制御指令(ライン圧指示値)をライン圧ソレノイド62aに出力する。
プライマリ圧制御部72は、所定のプライマリ圧目標値Ppri_tを得る制御指令(プライマリ圧指示値Ppri_d)をプライマリ油圧ソレノイド63aに出力する。
セカンダリ圧制御部73は、所定のセカンダリ圧目標値Psec_tを得る制御指令(セカンダリ圧指示値Psec_d)をセカンダリ油圧ソレノイド64aに出力する。
次に、基本的なセカンダリ圧指示値Psec_d,プライマリ圧指示値Ppri_d,ライン圧指示値P_cの設定を説明する。
セカンダリ圧制御部73は、図2に示すように、エンジンECU8からの出力情報及びセカンダリ回転センサ82からの車速に基づいてCVTECU7で算出した出力情報に基づいて無段変速機1により伝達するトルク容量(必要トルク伝達容量)を算出し、この伝達トルク容量から必要推力に応じたセカンダリ圧目標値Psec_tを導出してセカンダリ圧指示値Psec_dを設定する。なお、セカンダリ圧指示値Psec_dはこのセカンダリ圧目標値Psec_tに、セカンダリ実圧Psec_rに基づくフィードバック補正量を加算することで設定する。したがって、セカンダリ圧Psecはセカンダリ実圧Psec_rに基づくフィードバック制御(ここでは、PID制御)によって制御される。
プライマリ圧制御部72は、図2に示すように、エンジンECU8から入手した目標変速比R_tと変速比演算部74で演算した実変速比R_rとセカンダリ圧指示値(セカンダリ指示圧)Psec_dとから、プライマリ圧目標値Ppri_tを設定し、このプライマリ圧目標値Ppri_tとプライマリ実圧Ppri_rとからプライマリ圧指示値(プライマリ指示圧)Ppri_dを設定する。つまり、プライマリ圧制御部72では、目標変速比R_tと実変速比R_rとの偏差(R_t-R_r)に基づくフィードバック制御(ここでは、PID制御)によって、セカンダリ圧指示値Psec_dとの関係が目標差推力に応じたものとなるプライマリ圧目標値Ppri_tを与えてプライマリ実圧Ppri_rを考慮しながらプライマリ圧指示値Ppri_dを設定する。
ライン圧制御部71はセカンダリ圧指示値Psec_d及びプライマリ圧指示値Ppri_dに基づいて、セカンダリ圧指示値Psec_d及びプライマリ圧指示値Ppri_dを達成可能とするように、セカンダリ圧指示値Psec_d及びプライマリ圧指示値Ppri_dのうち大きい方よりもマージン分(差圧ΔP0)だけ高いライン圧指示値P_dを設定する。
ところで、この車両用無段変速機を備えた車両が、例えば、舗装がされていないオフロード等の非良路を走行するときには、アクセルペダルの踏み込みによって駆動輪12にスリップ(ホイールスピン)が発生し易くなる。駆動輪12にホイールスピンが発生し、その後にグリップ力が回復すると、駆動輪12が路面から反力トルクを受けながらスリップを解消する。このとき、駆動輪12が路面から受ける反力トルクがセカンダリプーリ5に入力されると、セカンダリプーリ5とベルト6との間の滑りを誘発する。
このベルト6の滑りを抑制するには、セカンダリ油室53に供給する作動油の油圧を舗装路等の良路走行時よりも高めてベルトを挟圧する推力を大きくすること(これを、スピンリカバー制御という)が有効である。
そこで、CVTECU7には、駆動輪にホイールスピンが発生していることを判定するスピン判定部75を備え、スピン判定部75が、ホイールスピンが発生していることを判定したらセカンダリ圧制御部73でスピンリカバー制御を実施するようになっている。
なお、スピン判定部75は、駆動輪回転センサ85から駆動輪の回転速度Vdwの検出情報を取得し、従動輪回転センサ86から従動輪の回転速度Vnwの検出情報を取得して、駆動輪の回転速度Vdwと従動輪の回転速度Vnwとの偏差(=Vdw-Vnw)と、駆動輪の回転加速度Adw(駆動輪の回転速度Vdwの時間微分値)と推定車体加速度Av(従動輪の回転速度Vnwの時間微分値)との偏差(=Adw-Av)とに基づいて、ホイールスピンの発生を判定する。
つまり、偏差(=Vdw-Vnw)を予め設定された判定基準値ΔVと比較して、この偏差が判定基準値ΔVよりも大きいこと、及び、偏差(=Adw-Av)を予め設定された判定基準値ΔAと比較して、この偏差が判定基準値ΔAよりも大きいこと、の何れかが成立したら駆動輪にホイールスピンが発生していると判定する。ただし、スピン判定は、この2つの何れか一方のみで行ってもよく、他の手法で行ってもよい。
しかしながら、スピンリカバー制御において、セカンダリ圧指示値Psec_dを高め過ぎると、このホイールスピン中にアクセルペダルからの足離し(踏み込み解除)を行うと、プライマリプーリ4に供給する油圧を高められなくなり、変速比Rに基づくフィードバック制御では推力比を操作しきれずに、変速比のロー側ズレが起こることが発明者等の検証により判明した。
これについて、図3を参照して説明する。
図3は、ホイールスピンの発生に対してセカンダリ指示圧Psec_dを最大にするスピンリカバー制御を行った場合のシミュレーション結果の一例を示すタイムチャートであり、アクセル開度、エンジン回転数、車速、セカンダリ指示圧P、セカンダリ実圧Psec_r、目標変速比R_t、実変速比R_rの変化を示している。
ホイールスピン中の時点t1にアクセルペダルからの足離しがされると、この後、エンジン回転数が次第に低下し、これに応じて車速も次第に低下する。エンジン回転数の低下が進んだ時点t2で、それまでセカンダリ指示圧Psec_dに略沿ったレベルに保持されていたセカンダリ実圧Psec_rに低下が生じて(符号※1参照)、その後も繰り返して、セカンダリ実圧Psec_rの低下が発生する(符号※2~※5参照)。なお、ホイールスピンは時点t3で解消される。
また、実変速比R_rは、アクセルペダルからの足離しがされた直後から目標変速比R_tに対して増大側(ロー側)にずれて、その後、目標変速比R_tに接近した後、目標変速比R_tに対して減少側(ハイ側)にずれて、再び目標変速比R_tに接近した後、目標変速比R_tに対して増大側(ロー側)にずれる現象を繰り返し(符号※6~※9の線の交差部分を参照)、目標変速比R_t又はその近傍に安定しない。
このような実変速比R_rの目標変速比R_tに対する増減変動の原因は、セカンダリ指示圧Psec_dが過剰に高い圧に設定されるためと考えられる。
つまり、アクセルペダルからの足離しがされると、通常、目標変速比R_tは現状維持或いは現状よりもハイ側に変更される。
目標変速比が維持されると、プライマリ圧Ppriをセカンダリ圧Psecとの関係で調整して推力バランスを維持することが必要になり、目標変速比がハイ側に変更されると、プライマリ圧Ppriを増大させて推力バランスを変更することが必要になる。
しかし、過剰に高いセカンダリ指示圧Psec_dに応答してセカンダリ実圧Psec_rが高められているため、推力バランスを維持または変更できるだけのプライマリ圧Psecをすぐには確保できず、フィードバック補正量が蓄積されて増大する。やがて、時間遅れしながら実変速比R_rが目標変速比R_tに達するが、フィードバック補正量の蓄積により増大の影響で実変速比R_rが目標変速比R_t又はその近傍に安定しないで、標変速比R_tに対して増減変動するのである。
したがって、実変速比R_rの目標変速比R_tからのずれを防ぐためには、プライマリプーリ41のプライマリ圧Ppriに係る変速比フィードバック制御の補正量が過剰に蓄積しないように、スピンリカバー制御のためのセカンダリ指示圧Psec_dの増大を抑えることが有効である。
上記のセカンダリ実圧Psec_rの低下の原因を検討すると、セカンダリ実圧Psec_rの低下は可動シーブ52のストローク速度が速いためであることが判明した。
図4は変速ストローク速度と油圧低下の関係を示すグラフであり、図5は図3に対応するタイムチャートであり、油圧低下メカニズムを示すものである。図5中の符号※1~※5は図3中の符号※1~※5と対応する。図5に示すように、ストローク速度(線g)は細かく変動しながら、セカンダリ実圧Psec_rが低下するタイミングでロー側又はハイ側に大きな値となっている。
また、このストローク速度の変動と同期するように、発生可能油圧(線a)が変動する。ただし、発生可能油圧は定常収支限界(ポンプの吐出油圧と吐出油量との関係から決まる油圧限界)の油圧(線b)で制限される。
このような発生可能油圧の変動は、ストローク速度が高まると、作動油の量的な増減が大きくなってこの分だけ発生可能油圧が低下するものと考えられる。
さらに、発生可能油圧は、アクセルペダルからの足離し後は、エンジン回転数の低下に伴うオイルポンプの吐出圧の低下によって低下していく。
セカンダリ実圧Psec_rはこの発生可能油圧で制限されるため、発生可能油圧の低下に伴ってセカンダリ実圧Psec_rも減少する(符号※1~※5参照)。
したがって、セカンダリ実圧Psec_rの低下量は、図4に示すように、ストローク速度の大きさに比例する特性となる。
このようなストローク速度の増大は、プライマリプーリ4のプライマリ圧Ppriに係る変速比フィードバック制御の補正量が過剰に蓄積することが原因の一つであり、セカンダリ実圧Psec_rの低下を抑制するにはスピンリカバー制御のためのセカンダリ指示圧Psec_dの増大を抑えることが有効である。
また、セカンダリ指示圧Psec_dが発生可能油圧を超えた値に設定されることもセカンダリ実圧Psec_rの低下原因である。発生可能油圧は油圧収支限界の油圧で制限されるため、セカンダリ実圧Psec_rの低下を抑制するには、セカンダリ指示圧Psec_dを少なくともこの油圧収支限界を超えないように設定することが有効である。
そこで、本装置の変速制御部7Aは、スピン判定部75によりホイールスピンが生じていると判定されたら、セカンダリ指示圧Psec_dを図6に示すような条件1~3を何れも満たす範囲(セカンダリ圧制御領域)内の値に設定している。
つまり、スピンリカバー制御として必要なベルトの滑りを回避するための下限油圧(ベルト保護のために必要な最低油圧)P1以上であること(条件1)。
スピンリカバー制御中にアクセルペダルからの足離しがされても変速比の変更を妨げないための第1上限油圧(実変速比R_rのロー側ずれを防ぎ変速不良を防止するための上限油圧)P3以下であること(条件2)。
油圧収支限界を超えない第2上限油圧(油圧収支上で発生可能な上限油圧)P2以下であること(条件3)。
なお、下限油圧P1,第1上限油圧P3,第2上限油圧P2は車両の走行状態に応じた試験結果或いはシミュレーション結果に基づいて車両の走行状態に応じて設定することができる。
本実施形態にかかる車両用無段変速機の制御装置は、上述のように構成されているので、例えば図7に示すフローチャートのような処理を行って、ホイールスピンの判定、及び、スピンリカバー制御を含むセカンダリ圧Psecの制御を実施することができる。
まず、駆動輪の回転速度Vdwと従動輪の回転速度Vnwとを取得し(ステップS10)、これらに基づいて、駆動輪の回転加速度Adwと推定車体加速度Avとを演算する(ステップS20)。そして、車輪速度差(偏差=Vdw-Vnw)と判定基準値ΔVとを比較し、駆動輪の回転加速度Adwと推定車体加速度Avとの偏差(=Adw-Av)と判定基準値ΔAとを比較して、偏差(=Vdw-Vnw)が判定基準値ΔVよりも大きいこと、及び、偏差(=Adw-Av)が判定基準値ΔAよりも大きいこと、の何れかが成立しているかを判定する(ステップS30)。
上記条件の何れかが成立していれば、ホイールスピン状態であると判定し(ステップS40)、ステップS50~S70のスピンリカバー制御を実施する。上記条件の何れも成立していなければ、ホイールスピン状態ではないと判定し、セカンダリ圧Psecの指示値として通常時の指示油圧Pnorを設定する(ステップS80)。
スピンリカバー制御を実施する場合、スピンリカバー制御として必要なベルトの滑りを回避するための油圧としてその下限油圧(ベルト保護のために必要な最低油圧)P1を設定する(ステップS50)。
そして、下限油圧P1を、油圧収支限界を超えない第2上限油圧P2により規制したものを指示圧Paに設定する(ステップS60)。ベルトの滑りを回避するための油圧P1が油圧収支限界である第2上限油圧P2以下であれば、油圧P1を指示圧Paに設定するが、油圧P1が油圧収支限界である第2上限油圧P2よりも大きければ、第2上限油圧P2を指示圧Paに設定する。
指示圧Paを、変速不良を防止するための第1上限油圧P3により規制したものを指示圧Pbに設定する(ステップS70)。指示圧Paが変速不良を防止するための第1上限油圧P3以下であれば、指示圧Paを最終指示圧Pbに設定するが、指示圧Paが変速不良を防止するための第1上限油圧P3よりも大きければ、上限油圧P3を最終指示圧Pbに設定する。
これにより、ホイールスピン状態であれば最終指示圧はPbに設定され、ホイールスピン状態でなければ最終指示圧はPnorに設定される(ステップS90)。
本制御装置によれば、このように、スピンリカバー制御時に、セカンダリ指示圧Psec_dを条件1~3を満たすセカンダリ圧制御領域の範囲内の値に設定するので、ホイールスピンが発生した際のベルト滑りの発生を抑制しつつ、例えば図8に比較例と対比して示すように、スピンリカバー制御時にアクセルペダルからの足離しを行っても、セカンダリ実圧Psec_rの低下を抑制すると共に、変速不良を防止することができるようになる。
つまり、スピンリカバー制御のためにセカンダリ圧指令値Psec_dが過剰に高く設定されると、図8(a)に示すように、セカンダリ実圧Psec_rの低下が発生し(※10を参照)、実変速比R_rの目標変速比R_tからの大きな乖離(破線内を参照)から所定の変速ができなくなるが、セカンダリ指示圧Psec_dを条件1~3を満たす範囲内の値に設定すると、図8(b)に示すように、セカンダリ実圧Psec_rの低下の発生も抑制され、実変速比R_rの目標変速比R_tからの大きな乖離も抑えられ(破線内を参照)て所定の変速ができるようになる。もちろん、ベルト滑りも抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態を適宜変更して実施してもよい。
例えば、上記実施形態では、セカンダリ指示圧Psec_dを条件1~3を満たす範囲内の値に設定しているが、条件1,2のみを満たす範囲内の値、つまり、スピンリカバー制御として必要なベルトの滑りを回避するための下限油圧P1以上であり、且つ、スピンリカバー制御中にアクセルペダルからの足離しがされても変速比の変更を妨げないための第1上限油圧P3以下である値、に設定しても一定の効果を得ることができる。
1 車両用無段変速機(CVT)
4 プライマリプーリ
5 セカンダリプーリ
6 無端状のベルト
7A 変速制御部(変速制御手段)
72 プライマリ圧制御部
73 セカンダリ圧制御部
75 スピン判定部(スピン判定手段)

Claims (3)

  1. 駆動源に駆動連結されたプライマリプーリと、駆動輪に駆動連結されたセカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられた無端状のベルトと、前記駆動源によって駆動され、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリの各油室に前記ベルトを挟圧する推力を付与するための作動油を供給するオイルポンプと、を備えた車両用無段変速機の制御装置であって、
    車両の走行状態に応じて、前記各油室に供給する作動油の油圧を制御して前記推力を制御することにより、変速比を制御する変速制御手段と、
    前記駆動輪にホイールスピンが生じているか否かを判定するスピン判定手段と、を備え、
    前記変速制御手段は、前記スピン判定手段により前記ホイールスピンが生じていると判定されたら、前記推力を付与するための作動油の油圧を制御する油圧指令値を、前記ベルトの滑りを回避するための下限油圧以上であって変速比の変更を妨げないための第1上限油圧以下である値に設定して、前記油圧指令値に基づいて前記油圧を制御する
    ことを特徴とする車両用無段変速機の制御装置。
  2. 前記変速制御手段は、前記スピン判定手段により前記ホイールスピンが生じていると判定されたら、前記油圧指令値を、前記ベルトの滑りを回避するための下限油圧以上であって変速比の変更を妨げないための上限油圧以下であり、且つ、油圧収支限界を超えない第2上限油圧以下である値に設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用無段変速機の制御装置。
  3. 前記変速制御手段は、前記セカンダリプーリの油室の作動油の油圧であるセカンダリ油圧を制御することにより前記推力を付与し、前記プライマリプーリの油室の作動油の油圧であるプライマリ油圧を前記セカンダリ油圧に対して制御することにより前記変速比を制御し、
    前記ホイールスピンが生じていると判定されたときには、前記セカンダリ油圧を前記油圧指令値に基づいて制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用無段変速機の制御装置。
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