JP5937628B2 - 無段変速機及びその安全率補正方法 - Google Patents

無段変速機及びその安全率補正方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5937628B2
JP5937628B2 JP2014007165A JP2014007165A JP5937628B2 JP 5937628 B2 JP5937628 B2 JP 5937628B2 JP 2014007165 A JP2014007165 A JP 2014007165A JP 2014007165 A JP2014007165 A JP 2014007165A JP 5937628 B2 JP5937628 B2 JP 5937628B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
safety factor
actual
control
continuously variable
variable transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014007165A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015135164A (ja
Inventor
浩介 阿部
浩介 阿部
英晴 山本
英晴 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JATCO Ltd filed Critical JATCO Ltd
Priority to JP2014007165A priority Critical patent/JP5937628B2/ja
Publication of JP2015135164A publication Critical patent/JP2015135164A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5937628B2 publication Critical patent/JP5937628B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は無段変速機の油圧制御に関する。
無段変速機(以下、「CVT」という)は、ベルトが巻き掛けられたプーリの溝幅を変更することで無段変速を実現する変速機であり、プーリにはベルト滑りを抑えることができるだけの油圧が供給される。プーリに供給される油圧は、エンジンからCVTに入力されるトルク、CVTの変速比等に基づきベルト滑りを抑えるのに必要なプーリの推力(以下、「必要推力」という)を演算し、これに安全率を掛けた値に基づき演算される。
このように、安全率を加味するのは、製品バラツキ、制御遅れ、経時劣化、外部環境の影響等によって実推力が必要推力も小さくなる可能性があるからである。安全率を加味し、演算された必要推力よりも大きな値に基づきプーリに供給される油圧を設定すれば、実推力が必要推力を下回るのを抑えることができ、ベルト滑りを抑えることができる。
その一方で、安全率を高めに設定すると、実推力がその分大きくなるので、プーリとベルト間のフリクションが増大し、CVTが搭載される車両の燃費を悪化させる原因となる。
そこで、特許文献1では、アップシフトか否かに応じて異なる安全率を設定することで、また、特許文献2では、変速比及びベルトの伝達効率に応じて異なる安全率を設定することで、CVTが搭載される車両の燃費を向上させることを提案している。
特開2010−223336号公報 特開2010−025289号公報
ベルトが滑るか否かは運転者の運転特性や車両の使用環境によるところが大きく、特定の走行モードで安全率を下げるようにしても、運転者、使用環境によっては、安全率が過大でさらに安全率を下げて燃費を向上させる余地、あるいは逆に、安全率が過小となってベルト滑りが発生する可能性があり、安全率の設定方法に関してはなお改善の余地があった。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、CVTの油圧制御において安全率を適正化することを目的とする。
本発明のある態様によれば、ベルトが掛け回されたプーリの溝幅を変更することで変速比を無段階に変更するベルト無段変速機であって、前記プーリで前記ベルトを滑らないように挟持するのに必要な推力である必要推力に制御用安全率を掛けて得られる値に基づき前記プーリに供給する油圧を演算し、前記演算された油圧に基づき前記プーリに供給する油圧を制御する油圧制御手段と、前記プーリの実推力を前記必要推力で割って実安全率を演算する実安全率演算手段と、前記実安全率の履歴を記憶する記憶手段と、を備え、前記実安全率の履歴に基づき、前記実安全率が上限値を超える頻度が所定値を超える場合は記制御用安全率が減少補正され、前記実安全率の履歴に基づき、前記実安全率が下限値を下回る頻度が所定値を超える場合は記制御用安全率が増大補正されることを特徴とするベルト無段変速機が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、これに対応するベルト無段変速機の安全率補正方法が提供される。
これらの態様によれば、制御用安全率を実安全率の履歴に基づき補正するようにしたことで、制御用安全率を適正化することができる。
本実施形態における無段変速機を示す概略構成図である。 油圧コントロールユニット及びCVTCUの概念図である。 油圧制御の内容を示したフローチャートである。 制御用安全率テーブルの一例である。 プーリ比とバランス推力比との関係を示すマップである。 実安全率履歴テーブル更新処理の内容を示したフローチャートである。 実安全率履歴テーブルの一例である。 制御用安全率テーブル補正制御の内容を示したフローチャートである。 バックアップ制御の内容を示したフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は本実施形態における無段変速機(以下、「CVT」という)10の概略構成図である。CVT10は、プライマリプーリ11と、セカンダリプーリ12と、ベルト13と、CVTコントロールユニット(以下、「CVTCU」という)20と、油圧コントロールユニット30とを備える。
プライマリプーリ11は、CVT10にエンジン1の回転を入力する入力軸側のプーリである。プライマリプーリ11は、入力軸11dと一体となって回転する固定円錐板11bと、この固定円錐板11bに対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、プライマリプーリシリンダ室11cへ作用する油圧によって軸方向へ変位可能な可動円錐板11aとを備える。プライマリプーリ11は、前後進切り替え機構3、ロックアップクラッチを備えたトルクコンバータ2を介してエンジン1に連結され、エンジン1の回転を入力する。プライマリプーリ11の回転速度は、プライマリプーリ回転速度センサ26によって検出される。
ベルト13は、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に巻き掛けられ、プライマリプーリ11の回転をセカンダリプーリ12に伝達する。
セカンダリプーリ12は、ベルト13によって伝達された回転をディファレンシャル4に出力する。セカンダリプーリ12は、出力軸12dと一体となって回転する固定円錐板12bと、この固定円錐板12bに対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、セカンダリプーリシリンダ室12cへ作用する油圧に応じて軸方向へ変位可能な可動円錐板12aとを備える。
セカンダリプーリ12は、アイドラギア14及びアイドラシャフトを介してディファレンシャル4を連結しており、このディファレンシャル4に回転を出力する。セカンダリプーリ12の回転速度は、セカンダリプーリ回転速度センサ27によって検出される。なお、このセカンダリプーリ12の回転速度から車速を算出することができる。
CVTCU20は、インヒビタスイッチ22、アクセル開度センサ24、油温センサ25、プライマリプーリ回転速度センサ26、セカンダリプーリ回転速度センサ27等からの信号や、エンジンコントロールユニット(以下、「ENGCU」という)21からの入力トルク情報(トルク信号)に基づいて、変速比やプーリ11、12の必要推力を決定し、油圧コントロールユニット30に指令を送信して、CVT10を制御する。
油圧コントロールユニット30は、CVTCU20からの指令に基づいて応動する。油圧コントロールユニット30は、必要推力に基づきプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に対する供給油圧を制御し、可動円錐板11a及び可動円錐板12aを回転軸方向に移動させる。
可動円錐板11a及び可動円錐板12aが移動するとプーリ溝幅が変化する。すると、ベルト13が、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12上で移動する。これによって、ベルト13のプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に対する接触半径が変わり、CVT10の変速比が変更される。
エンジン1の回転は、トルクコンバータ2、前後進切り替え機構3を介してCVT10へ入力され、プライマリプーリ11からベルト13、セカンダリプーリ12を介してディファレンシャル4へ伝達される。
アクセルペダルが踏み込まれたり、マニュアルモードでシフトチェンジされると、プライマリプーリ11の可動円錐板11a及びセカンダリプーリ12の可動円錐板12aを軸方向へ変位させて、ベルト13との接触半径を変更することにより、変速比を連続的に変化させる。
図2は油圧コントロールユニット及びCVTCUの概念図である。
油圧コントロールユニット30は、レギュレータバルブ31と、減圧弁32、33とを備え、油圧ポンプ34から供給される油圧を制御してプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に供給する。
レギュレータバルブ31は、ソレノイドを有し、油圧ポンプ34から圧送された油の圧力を、CVTCU20からの指令(例えば、デューティ信号など)に応じて所定のライン圧に調圧する調圧弁である。
油圧ポンプ34から供給され、レギュレータバルブ31によって調圧されたライン圧は、減圧弁32、33にそれぞれ供給される。
減圧弁32、33は、ソレノイドを備え、プライマリプーリシリンダ室11c及びセカンダリプーリシリンダ室12cへの供給圧(以下、「プライマリ圧」、「セカンダリ圧」という)を所望の目標圧に制御する制御弁である。
プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12の変速比は、CVTCU20からの変速指令信号に応じてプライマリ圧及びセカンダリ圧を制御し、溝幅を可変制御することによって、所定の変速比に設定される。
CVTCU20は、インヒビタスイッチ22、ブレーキスイッチ23、アクセル開度センサ24、油温センサ25、プライマリプーリ回転速度センサ26、セカンダリプーリ回転速度センサ27、勾配センサ28、油圧センサ29等からの信号等を読み込んで変速比やベルト13の接触摩擦力を可変制御する。なお、油圧センサ29は、セカンダリプーリシリンダ室12cにかかるセカンダリ圧を検出するセンサである。
また、CVTCU20は、入力トルク情報(トルク信号)、変速比、油温からライン圧の目標値を決定し、レギュレータバルブ31のソレノイドを駆動することでライン圧の制御を行い、また、セカンダリ圧の目標値を決定して、油圧センサ29の検出値と目標値とに応じて減圧弁33のソレノイドを駆動して、フィードバック制御によりセカンダリ圧を制御する。
図3は、上記油圧制御の内容を示したフローチャートであり、CVTCU20において所定時間(例えば10ms)ごとに繰り返し実行される。
まず、S11では、CVTCU20は、制御用安全率Sfcを図4に示す制御用安全率テーブルを参照して設定する。制御用安全率Sfcはセカンダリプーリ12の目標推力tFzsを演算する際に用いられる。
制御用安全率テーブルには、走行モード毎に制御用安全率Sfcの値が格納されており、CVTCU20は、制御用安全率テーブルから現在の走行モードに対応する制御用安全率Sfcの値を検索することで、制御用安全率Sfcを設定する。「走行モード」とは、アクセル開度、ブレーキのON/OFF、路面勾配、選択されたレンジ、CVT10の変速状態等に応じて、車両の走行状態を複数のモードに分類したもので、「走行モード」としては、例えば、「平坦路定常」、「平坦路加速」、「コースト」、「急減速」、「アップシフト」、「ダウンシフト」等が設定される。
制御用安全率テーブルは、CVTCU20のメモリ20mに記憶され、図8に示す制御用安全率テーブル補正処理により、キーON時(車両が走行を開始する直前)に過去の実安全率履歴に基づき更新される。これについては後述する。
S12では、CVTCU20は、S11において設定された制御用安全率Sfcに基づいて、セカンダリプーリ12の目標推力tFzsを次式(1):
tFzs=必要推力×Sfc
={(Tin・cosθ)/(2Rp・μ)}×Sfc・・・(1)
によって演算する。
式(1)中、Tinはプライマリプーリ11に入力されるトルクであり、エンジン1のトルク信号を用いる。θはプーリ11、12の半頂角(シーブ角)、Rpはプライマリプーリ11のベルト巻き付き半径、μはベルト13とプーリ11、12との間の摩擦係数である。プライマリプーリ11のベルト巻き付き半径Rpは、プーリ比Ipと固定値であるベルト周長及びプーリ間の軸間距離とに基づいて演算される。
S13では、CVTCU20は、バランス推力比tFzp/tFzsを演算する。バランス推力比tFzp/tFzsはセカンダリプーリ12の目標推力tFzsに対するプライマリプーリ11の目標推力tFzpの比であり、プーリ比Ipを平衡状態に保つために必要な値として図5に示すテーブルに基づいて演算される。図5はプーリ比Ipとバランス推力比tFzp/tFzsとの関係を示すテーブルであり、プーリ比Ipが高いほどバランス推力比tFzp/tFzsは低く設定され、Low側ではバランス推力比tFzp/tFzsは1.0より低く設定される。
S14では、CVTCU20は、プライマリプーリ11の目標推力tFzpを演算する。プライマリプーリ11の目標推力tFzpはセカンダリ目標推力tFzsにバランス推力比tFzp/tFzsを掛けて演算される。また、アップシフト時は目標変速速度に基づいて設定される差推力分をさらに加算することでプライマリプーリ11の目標推力tFzpが演算される。
S15では、プライマリプーリ11の目標推力tFzp及びセカンダリプーリ12の目標推力tFzsに基づいてプライマリ圧及びセカンダリ圧の目標値をそれぞれ演算する。
S16では、CVTCU20は、プライマリ圧及びセカンダリ圧がそれぞれの目標値となるように、レギュレータバルブ31、減圧弁32、33を制御する。
S17では、CVTCU20は、実安全率履歴テーブルを更新する。実安全率履歴テーブルは、CVTCU20のメモリ20mに記憶されており、図7に示すように、実安全率Sfaが過大になった頻度(走行距離の割合、時間の割合でもよい。以下同じ)、適正だった頻度、過小になった頻度を走行モード毎に格納している。
図6は、S17で行われる実安全率履歴テーブル更新処理の内容を示したフローチャートである。
これによると、CVTCU20は、まず、油圧センサ29で検出される実セカンダリ圧を読み込む(S21)。
次に、CVTCU20は、実安全率Sfaを次式(2):
Sfa=実推力/必要推力
=実推力/{(Tin・cosθ)/(2Rp・μ)}・・・(2)
によって演算する(S22)。
式(2)中、実推力は、実セカンダリ圧に基づき演算によって求めることができる。Tiはプライマリプーリ11に入力されるトルク、θはプーリ11、12の半頂角(シーブ角)、Rpはプライマリプーリ11のベルト巻き付き半径、μはベルト13とプーリ11、12との間の摩擦係数である。
そして、CVTCU20は、S22で演算された実安全率Sfaを、過大(例えば、>1.5)、適正(例えば、1.5〜0.7)、過小(例えば、<0.7)のいずれかに分類し、これに基づき実安全率履歴テーブルを更新する(S23)。
したがって、上記油圧制御によれば、制御用安全率Sfcを用いてプライマリ圧及びセカンダリ圧が制御され、その結果得られた実安全率Sfaに基づき実安全率履歴テーブルが更新される。
続いて、CVTCU20が行う制御用安全率テーブル補正制御について説明する。
工場出荷状態での制御用安全率テーブルには、例えば、1.2前後の同一の値が格納されているが、運転者の運転特性、車両の使用環境によっては、特定の走行モードで制御用安全率が過大又は過小になる場合がある。
このため、CVTCU20は、キーON時に、制御用安全率テーブルを過去の実安全率履歴に基づき補正し、運転者の運転特性、車両の使用環境に応じて各走行モードの制御用安全率が適正化されるようにする。
図8は、CVTCU20が行う制御用安全率テーブル補正処理の内容を示したフローチャートである。
まず、S31では、CVTCU20は、車両がキーONされたか判断する。「キーONされた」とは、イグニッションキー、スタートスイッチ等がOFF位置からON位置(エンジン始動位置)に操作され、車両が走行を開始する直前の状態になったことを意味する。車両がキーONされたかと判断された場合は処理がS32に進む。
S32では、CVTCU20は、実安全率履歴データ(図7)から、安全率過大走行モードを探索する。
安全率過大走行モードとは、実安全率Sfaが上限値(例えば、1.5)を超える頻度が所定値(例えば、3%)を超える走行モードを指し、図7に示した例では、「コースト」が安全率過大走行モードである。
S33では、CVTCU20は、S32の探索で安全率過大走行モードが見つかったか判断する。安全率過大走行モードが見つかったと判断された場合は処理がS34に進む。
S34では、CVTCU20は、安全率過大走行モードの制御用安全率Sfcを所定値(例えば、0.1)だけ減少補正することで、制御用安全率テーブルを更新する。S32の探索で安全率過大走行モードが複数見つかっている場合は、これら複数の安全率過大走行モードの制御用安全率Sfcを減少補正する。
S35では、CVTCU20は、実安全率履歴データ(図7)から、安全率過小走行モードを探索する。
安全率過小走行モードとは、実安全率Sfaが下限値(例えば、0.7)を下回る頻度が所定値(例えば、3%)を超える走行モードを指し、図7に示した例では、「急減速」が安全率過小走行モードである。
S36では、CVTCU20は、S35の探索で安全率過小走行モードが見つかったか判断する。安全率過小走行モードが見つかったと判断された場合は処理がS37に進む。
S37では、CVTCU20は、安全率過小走行モードの制御用安全率Sfcを所定値(例えば、0.1)だけ増大補正することで、制御用安全率テーブルを更新する。S35の探索で安全率過小走行モードが複数見つかっている場合は、これら複数の安全率過小走行モードの制御用安全率Sfcを増大補正する。
以上の制御用安全率テーブル補正制御により、制御用安全率テーブルが過去の実安全率履歴に基づき補正される。
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、プライマリ圧及びセカンダリ圧の制御に用いる制御用安全率Sfcを実安全率Sfaの履歴に基づき補正するようにしたので、制御用安全率Sfcを適正化することができる(請求項1−3、に対応する効果)。
すなわち、実安全率Sfaが上限値を超える頻度が所定値を超える安全率過大走行モード(例えば、図7の「コースト」)では、制御用安全率Sfcが減少補正されるので、実安全率Sfaが過大、すなわち、プーリ11、12の推力が過大となって燃費が悪化するのを抑えることができる(請求項に対応する効果)。
また、実安全率Sfaが下限値よりも下回る頻度が所定値を超える安全率過小走行モード(例えば、図7の「急減速」)では、制御用安全率Sfcが増大補正されるので、実安全率が過小、すなわち、プーリ11、12の推力が不足してベルト13が滑るのを抑えることができる(請求項に対応する効果)。
すなわち、本実施形態によれば、制御用安全率Sfcが実安全率履歴に基づき適正化され、実安全率が過大になることによる燃費の悪化、逆に過小になることによるベルト13の滑りを抑えることができる。
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、制御用安全率Sfcを実安全率履歴に基づき補正するだけでは、ベルト13の滑りを完全に抑えることができない場合もありうることに鑑み、以下に説明するバックアップ制御を併せて行うことによって、ベルト13の滑りをより確実に抑えられるようにする。その他の構成は第1実施形態と同じである。
図9は、CVTCU20が行うバックアップ制御の内容を示したフローチャートであり、CVTCU20において所定時間(例えば10ms)ごとに繰り返し実行される。
これによると、S41では、CVTCU20は、キーONからの走行距離が所定値を超えたか判断する。この判断は、キーON時に制御用安全率Sfcを実安全率履歴に基づき補正したことによる実安全率履歴テーブルの各値の変化が落ち着くのを待ってからS42以降の処理を行うためのものである。キーONからの走行距離が所定値を超えている場合は処理がS42に進む。
S42では、CVTCU20は、実安全率履歴データ(図7)から、安全率過小継続走行モードを探索する。安全率過小継続走行モードとは、キーON時に制御用安全率Sfcが補正され、その後所定の走行距離を走行したにも関わらず、実安全率Sfaが依然として下限値(例えば、0.7)を下回る頻度が所定値(例えば、3%)を超える走行モードを指す。
S43では、CVTCU20は、S42の探索で安全率過小継続走行モードが見つかったか判断する。安全率過小継続走行モードが見つかったと判断された場合は処理がS44に進む。
S44では、CVTCU20は、現在の走行モードが安全率過小継続走行モードであり、かつ、トルクダウンが実行前であるか判断する。肯定的な判断がなされた場合は、処理がS45に進む。
S45では、CVTCU20は、ENGCU21にトルクダウン指令を出し、エンジン1のトルクダウンを行う。
S44で、否定的な判断がなされた場合は、処理がS46に進み、現在の走行モードが安全率過小継続走行モードであり、かつ、S45でのトルクダウンが実行中であるか判断する。肯定的な判断がなされた場合は、処理がS47に進む。
S47では、CVTCU20は、走行モードを、現在の走行モードを安全率過小継続走行モードから別の走行モードに移行させるための走行モード変更処理を実行する。走行モード変更処理は、例えば、現在の走行モードがダウンシフトであればダウンシフトを中断する処理、スポーツモードを前提とする走行モードであればスポーツモードを中断する処理である。
続いて、第2実施形態の作用効果について説明する。
第2実施形態では、上記バックアップ制御を併せて行うようにしたことにより、制御用安全率Sfcを実安全率履歴に基づき補正するだけではベルト滑りを完全に抑えることができない場合であっても、その場合にはトルクダウンが行われ、さらに、トルクダウンでも解消しない場合には走行モード変更処理が行われるので、ベルト滑りをより確実に抑えることができる(請求項に対応する効果)。その他の作用効果は第1実施形態と同じである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、制御用安全率Sfcの補正をキーON時に行っているが、制御用安全率Sfcの補正の時期はこれに限定されない。例えば、制御用安全率Sfcの補正は、定期点検や故障でサービス工場に入庫した時に必要に応じて補正するようにしてもよいし、走行中、時々刻々と変化する実安全率履歴に基づきリアルタイムで制御用安全率Sfcを補正するようにしてもよい。
また、制御用安全率Sfcの補正は、CVTCU20が行ってもよいし、CVTCU20のメモリ20mに記憶されている実安全率履歴をOBD診断機等の外部のコンピュータで読み出し、これに基づき外部のコンピュータがメモリ20mに記憶されている制御用安全率Sfcを書き換えることで、制御用安全率Sfcを補正するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、制御用安全率Sfcを走行モード毎に用意し、これらを個別に補正するようにしているが、制御用安全率Sfcの基本値Sf0を用意し、これを各走行モードの実安全率履歴に応じて補正して、各走行モードの制御用安全率Sfcを都度生成するようにしてもよい。
また、走行モード毎に実安全率履歴を記憶することは必須ではなく、簡略化して全
走行モードを通しての実安全率履歴を記憶しておき、これに基づき制御用安全率Sfcを補正するようにしてもよい。
この場合、走行モード毎に制御用安全率Sfcを細かく設定することはできないが、運転操作の荒い運転者で安全率が全走行モードにわたって過小になる傾向がある場合や、車両の使用条件が厳しい場合(山岳路が多い、寒冷地等)に、実安全履歴に基づき制御用安全率Sfcを増大補正し、ベルト滑りを抑制することが可能である。
11 プライマリプーリ
12 セカンダリプーリ
13 ベルト
20 CVTコントロールユニット(CVTCU、油圧制御手段、実安全率演算手段、記憶手段、制御用安全率補正手段)

Claims (6)

  1. ベルトが掛け回されたプーリの溝幅を変更することで変速比を無段階に変更するベルト無段変速機であって、
    前記プーリで前記ベルトを滑らないように挟持するのに必要な推力である必要推力に制御用安全率を掛けて得られる値に基づき前記プーリに供給する油圧を制御する油圧制御手段と、
    前記プーリの実推力を前記必要推力で割って実安全率を演算する実安全率演算手段と、
    前記実安全率の履歴を記憶する記憶手段と、
    を備え、
    前記実安全率の履歴に基づき、前記実安全率が上限値を超える頻度が所定値を超える場合は前記制御用安全率が減少補正され、
    前記実安全率の履歴に基づき、前記実安全率が下限値を下回る頻度が所定値を超える場合は前記制御用安全率が増大補正される、
    ことを特徴とするベルト無段変速機。
  2. 請求項に記載のベルト無段変速機であって、
    前記記憶手段は、前記実安全率の履歴を走行モード毎に記憶し、
    前記制御用安全率は、現在の走行モードでの前記実安全率の履歴に基づき補正される、ことを特徴とするベルト無段変速機。
  3. 請求項1又は2に記載のベルト無段変速機であって、
    前記制御用安全率は前記走行モード毎に用意される、
    ことを特徴とするベルト無段変速機。
  4. 請求項に記載のベルト無段変速機であって、
    前記制御用安全率を増大補正した後も前記実安全率が下限値を下回る頻度が所定値を超える場合は、前記無段変速機に入力されるトルクを下げる制御を実行するトルクダウン制御手段、
    をさらに備えたことを特徴とするベルト無段変速機。
  5. 請求項に記載のベルト無段変速機であって、
    前記制御用安全率を増大補正し、前記無段変速機に入力されるトルクを下げる制御を実行した後も前記実安全率が下限値を下回る頻度が所定値を超える場合は、走行モードを、前記実安全率が下限値を下回る頻度が所定値を超えることとなった走行モードとは別の走行モードに変更する走行モード変更手段、
    をさらに備えたことを特徴とするベルト無段変速機。
  6. ベルトが掛け回されたプーリの溝幅を変更することで変速比を無段階に変更し、前記プーリで前記ベルトを滑らないように挟持するのに必要な推力である必要推力に制御用安全率を掛けて得られる値に基づき前記プーリに供給する油圧を制御する無段変速機における安全率補正方法であって、
    前記プーリの実推力を前記必要推力で割って実安全率を演算し、
    前記実安全率の履歴を記憶し、
    前記実安全率の履歴に基づき、前記実安全率が上限値を超える頻度が所定値を超える場合は前記制御用安全率を減少補正し、
    前記実安全率の履歴に基づき、前記実安全率が下限値を下回る頻度が所定値を超える場合は前記制御用安全率を増大補正する、
    ことを特徴とするベルト無段変速機の安全率補正方法。
JP2014007165A 2014-01-17 2014-01-17 無段変速機及びその安全率補正方法 Expired - Fee Related JP5937628B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014007165A JP5937628B2 (ja) 2014-01-17 2014-01-17 無段変速機及びその安全率補正方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014007165A JP5937628B2 (ja) 2014-01-17 2014-01-17 無段変速機及びその安全率補正方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015135164A JP2015135164A (ja) 2015-07-27
JP5937628B2 true JP5937628B2 (ja) 2016-06-22

Family

ID=53767112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014007165A Expired - Fee Related JP5937628B2 (ja) 2014-01-17 2014-01-17 無段変速機及びその安全率補正方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5937628B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3750488B2 (ja) * 2000-05-23 2006-03-01 トヨタ自動車株式会社 車両用無段変速機の制御装置
JP2010025289A (ja) * 2008-07-23 2010-02-04 Toyota Motor Corp 無段変速機の制御装置および制御方法
JP4889757B2 (ja) * 2009-03-24 2012-03-07 ジヤトコ株式会社 ベルト式無段変速機及びその変速制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015135164A (ja) 2015-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4889757B2 (ja) ベルト式無段変速機及びその変速制御方法
JP4762875B2 (ja) ベルト式無段変速機の変速制御装置
JP4532384B2 (ja) ベルト式無段変速機の変速比制御装置
JP2004092809A (ja) ベルト式無段変速機
JP4524131B2 (ja) ベルト式無段変速機の変速制御装置
JP2009074668A (ja) ベルト式無段変速機のライン圧制御装置
JP5316692B2 (ja) 無段変速機の制御装置
CN109690142B (zh) 无级变速器的控制装置
KR102042310B1 (ko) 벨트식 무단 변속기의 유압 제어 장치
KR101918429B1 (ko) 무단 변속기의 제어 장치 및 제어 방법
JP2006090474A (ja) ベルト式無段変速機
JPWO2011114488A1 (ja) 無段変速機の制御装置
JP5936633B2 (ja) ベルト式無段変速機の変速制御装置
JP5937628B2 (ja) 無段変速機及びその安全率補正方法
JP2008106896A (ja) ベルト式無段変速機搭載車両の制御装置
JP6327369B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4141377B2 (ja) ベルト式無段変速機
JP6375527B2 (ja) 可変容量形オイルポンプの制御装置
JP2006226513A (ja) ベルト式無段変速機の変速制御装置
JP2010265918A (ja) 無段変速機の制御装置および制御方法
JP4660450B2 (ja) ベルト式無段変速機のライン圧制御装置
JP2022024186A (ja) 車両用無段変速機の制御装置
JP2008039154A (ja) ベルト式無段変速機における油圧制御装置
JP6379065B2 (ja) 変速機及び変速機の制御方法
JP2021050763A (ja) ベルト無段変速機の制御装置、及びベルト無段変速機の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160512

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5937628

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees