JP2000092913A - トラクタのドラフト制御方法 - Google Patents
トラクタのドラフト制御方法Info
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Abstract
けた牽引力センサにより牽引力を検出し、この検出値に
基づいて作業機を昇降して耕深を制御することでドラフ
ト制御を行っていたので、作業機が上下動した際に牽引
力センサにより検出される牽引力に誤差が生じて適切な
制御を行うことができない場合があるとともに、牽引力
センサを付設することによるコストアップが生じてい
た。 【解決手段】 対地作業中に機関負荷を検出して、検出
した機関負荷検出値32の初期機関負荷設定値31に対
する偏差ΔHを求め、この機関負荷検出値32の偏差Δ
Hに基づいて耕深検出値Δθの偏差を補正して、コント
ローラ28の制御部28aに入力する。
Description
れたプラウ等の対地作業機に作用する負荷抵抗を検出
し、常に負荷抵抗を一定に保つためのトラクタのドラフ
ト制御方法に関する。
したトラクタにおいては、作業機に作用する負荷抵抗、
即ち、牽引力を一定に保つためのドラフト制御が行われ
ており、例えば、3点リンク機構のロアリンクに取り付
けた牽引力センサにより牽引力を検出して制御機構にフ
ィードバックし、予め設定された目標牽引力からのずれ
量に応じた分だけ作業機を昇降して耕深を制御すること
で、牽引力を一定に保つように構成していた。
引力センサをロアリンクに取り付けて検出した牽引力に
よりドラフト制御を行うと、作業機が上下動した際に牽
引力センサにより検出される牽引力に誤差が生じて適切
な制御を行うことができない場合があるとともに、牽引
力センサを付設することによるコストアップが生じてい
た。また、ドラフト制御を牽引力のみによって行うと、
作業時の車速が異なる場合でも、検出された牽引力の目
標牽引力からのずれ量が同じであれば、同じ量だけ耕深
が変更されることとなるので、車速が大きい場合と小さ
い場合とで仕上がり面の凹凸状態が変わってしまってい
た。また、ロアリンクに取り付けられる牽引力センサ
は、左右のロアリンクピンの位置に配置されており、例
えば、プラウ作業を行った場合、土質や走行状態によ
り、作業機が真っ直ぐに牽引されずに斜め方向に牽引さ
れて、ロアリンクピンとロアリンクとの間に架設された
チェックチェーンに引っ張り力がかかることにより、左
右いずれか一方の牽引力センサに圧縮力が生じ、正確な
牽引力が検出されないことがある。さらに、例えば、プ
ラウ作業中には、プラウへ上下方向の力がかかるが、こ
のプラウにかかる上下方向の力によって、牽引力センサ
に前方向への力が加わるため、該牽引力センサにより検
出される牽引力に誤差が発生して、高精度なドラフト制
御を行うことが出来なかった。
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。即ち、請求項1においては、対地作
業中において耕深を検出し、耕深検出値の初期耕深設定
値に対する偏差を制御部に入力して作業機の耕深制御を
行う対地作業機装着式トラクタにおいて、対地作業中に
機関負荷を検出して、検出した機関負荷検出値の初期機
関負荷設定値に対する偏差を求め、この機関負荷検出値
の偏差に基づいて耕深検出値の偏差を補正して、該制御
部に入力する。
おいて耕深を検出し、耕深検出値の初期耕深設定値に対
する偏差を制御部に入力して作業機の耕深制御を行う対
地作業機装着式トラクタにおいて、対地作業中に機関負
荷を検出して、検出した機関負荷検出値の初期機関負荷
設定値に対する偏差を求め、該制御部における制御ゲイ
ンを機関負荷検出値の偏差に応じて変化するものとし、
該制御部にて、耕深検出値の偏差の入力値を、機関負荷
検出値の偏差に対応する制御ゲインに基づいて演算し、
作業機の昇降制御量を出力する。
おいて作業機の牽引力を検出し、牽引力検出値の初期牽
引力設定値に対する偏差を制御部に入力して作業機の耕
深制御を行う対地作業機装着式トラクタにおいて、対地
作業中に車速を検出し、該制御部における制御ゲインを
車速検出値に応じて変化するものとし、該制御部にて、
牽引力検出値の偏差の入力値を、車速検出値に対応する
制御ゲインに基づいて演算し、作業機の昇降制御量を出
力する。
クのロアリンクピン部に牽引力センサをそれぞれ取り付
けて、対地作業中において作業機の牽引力を検出するも
のとし、各牽引センサの検出値の符号は、牽引力センサ
にて検出する力の向きにより異なるものとし、両牽引セ
ンサの検出値に基づいて算出した入力値を制御部に入力
して作業機の耕深制御を行う対地作業機装着式トラクタ
において、左右の牽引力センサによる検出値の符号が互
いに異なる場合は、左右の検出値に対して予め記憶され
た異なる係数をそれぞれ乗じ、係数を乗じた左右の検出
値の合計を入力値として該制御部に入力する。
装着したトラクタにおいて、作業機の昇降を行うリフト
シリンダを複動シリンダに構成し、該リフトシリンダの
ロッド圧力及びボトム圧力を検出し、検出したロッド圧
力及びボトム圧力に基づいて作業機の耕深制御を行う。
する。図1は後端部にプラウを装着し本発明のドラフト
制御方法により制御されるトラクタを示す側面図、図2
はトラクタに搭載される機関を示す側面図、図3は機関
の負荷検出方法を示す図、図4は本発明のドラフト制御
方法を示すブロック線図、図5は同じくドラフト制御方
法の第二の実施例を示すブロック線図、図6は同じくド
ラフト制御方法の第三の実施例を示すブロック線図、図
7は図6のドラフト制御方法における車速と牽引力との
関係を示す図、図8はトラクタの三点リンク部及びプラ
ウを示す側面図、図9は同じく平面図、図10はドラフ
ト制御方法の第四の実施例を示すブロック線図、図11
は作業機にかかる上下方向の荷重の大きさと牽引力セン
サ値及び補正牽引力センサ値との関係を示す図、図12
はリフトシリンダを複動シリンダに構成したトラクタの
三点リンク部及びプラウを示す側面図、図13はドラフ
ト制御方法の第五の実施例を示すブロック線図である。
御されるトラクタの概略構成について図1により説明す
る。トラクタ1の機体前部には機関11としてのエンジ
ン等を内蔵したボンネット6が配設され、該ボンネット
6の下方に前輪4が配置されている。ボンネット6の後
方にはステアリングハンドル10が配設され、その後方
にはシート20が設けられ、シート20の下方に後輪5
が配置されている。また、トラクタ1の後端部には、3
点リンクのアッパリンク16及び左右ロアリンク17・
17を介して、牽引式作業機であるプラウ3が装着され
ている。左右各ロアリンク17は、上下回動可能に構成
された左右各リフトアーム18に対し、リフトロッド1
9を介して連結され、該リフトアーム18の上下回動に
伴って昇降するように構成されており、リフトアーム1
8のリフト角を変化することでプラウ3の耕深を調節す
るようにしている。
れる機関11のクランク軸22の端部にはフライホイー
ル23が取り付けられ、該フライホイール23の外周に
はリングギア24が固設されている。また、機関11に
は、電磁ピックアップ等により構成された機関回転数検
出手段である回転数検出センサ25が、リングギア24
の外周面に近接して取り付けられ、該回転数検出センサ
25により機関11の回転数を検出するように構成して
いる。さらに、機関11は燃料噴射ポンプ26を具備し
ており、該燃料噴射ポンプ26には燃料噴射量を調節す
るための燃料ラックが設けられ、燃料ラック位置はガバ
ナ装置により制御されている。また、燃料噴射ポンプ2
6には、燃料ラック位置を検出する燃料ラック位置セン
サ27が取り付けられている。
センサ25により検出した機関11の回転数と、燃料ラ
ック位置センサ27により検出した燃料ラック位置とに
よって、該機関11にかかっている負荷を検出するよう
に構成している。次に、これらセンサ25・27に基づ
いての機関11にかかる負荷の検出方法について説明す
る。例えば、図3には、回転数検出センサ25により検
出される機関回転数12、及び、燃料ラック位置センサ
27により検出される燃料ラック位置13を経時的に示
している。まず、検出した機関回転数12に対して、機
関11の任意の一燃焼サイクルに要した時間Δt0 の間
における機関回転数の変化ΔN0 を求めるとともに、そ
の時点における燃料ラック位置13の値R0 を検出す
る。そして、求めた機関回転数の変化ΔN0 と検出した
燃料ラック位置13の値R0 とを用いて、次式(1)に
よりその時点において機関1にかかっている負荷として
第一機関負荷トルクT1を算出する。 T1=K1 ×R0 +K2 ×ΔN0 /Δt0 … (1) 但し、(1)式においてK1 及びK2 は比例定数であ
る。
の時刻における、ある任意の時間Δtの間の機関回転数
の変化ΔNi+1 −ΔNi を求めるとともに、その時点に
おける燃料ラック位置13の値R1 を検出する。そし
て、求めた機関回転数の変化ΔNi+1 −ΔNi と検出し
た燃料ラック位置13の値R1 とを用いて、次式(2)
によりその時点において機関1にかかっている負荷とし
て第二機関負荷トルクT2を算出する。 T2=K1 ×R1 +K2 ×[ΔN0 /Δt0 +(ΔNi+1 −ΔNi )/Δt] … (2) 但し、(2)式においてK1 及びK2 は比例定数であ
る。
と第二機関負荷トルクT2との差から機関負荷の変化を
検出するように構成している。このように、機関の負荷
を二点、例えば、一点目を定常状態における負荷として
算出するとともに、二点目を過渡状態における負荷とし
て算出して、この2点間の差により機関負荷の変化状態
を検出することで、機関負荷状態を応答性良く検出する
ことを可能としている。
る。尚、本発明における各実施例によるドラフト制御方
法は、プラウ3以外の作業機(例えば、ロータリー等)
をトラクタ1に装着した場合における耕深制御を行う場
合にも適用することが可能である。図4図示の第一実施
例と図5図示の第二実施例は、リフト角(耕深)検出に
基づく耕深制御を機関負荷の検出に対応させて、ドラフ
ト制御を行う方法である。まず、図4に示す第一実施例
について説明する。前記プラウ3の耕深は、設定ダイヤ
ル34でのリフトアーム18のリフト角設定により予め
初期設定されており、作業時のリフト角が検出されて、
検出リフト角の初期設定値からの偏差(耕深偏差)Δθ
が求められる。一方、前述の回転数検出センサ25及び
燃料ラック位置センサ27の検出値に基づく機関11の
負荷(機関負荷検出値32)の算出は、トラクタ1に設
けられたコントローラ28により行われ、また、該コン
トローラ28において、燃料消費量や排気状態や機関効
率等に対して最適な機関負荷状態が、機関負荷初期設定
値31として予め設定されていて、機関負荷における検
出値32の初期設定値31からの偏差(負荷偏差)ΔH
を求め、更に該偏差ΔHにゲインKを乗じた値(耕深偏
差補正量ΔH’)を算出する。該ゲインKは比例定数で
ある。
る耕深偏差Δθに基づいて、該耕深偏差Δθを0とすべ
くリフトアーム18の制御量を演算する耕深制御部28
aが設けられている。単にリフトアーム18を初期設置
位置に戻すだけであれば(即ち、単なる耕深制御)、耕
深偏差Δθのみを該耕深制御部28aに入力してリフト
角制御量を算出すればよい。しかし、ここでは、ドラフ
ト制御、即ち、機関負荷を一定制御することを目的とす
るため、コントローラ28におけるリフト制御量演算部
への入力値である耕深偏差Δθを、負荷偏差ΔHより求
められる耕深偏差補正量ΔH’により補正(Δθ−Δ
H’)した上で、補正後の耕深偏差(Δθ−ΔH’)を
該耕深制御部28aに入力し、機関負荷に対応したリフ
ト角の制御量を出力させる。そして、出力された制御量
の分だけリフトアーム18のリフト角を変化させ、プラ
ウ3を昇降して耕深37を調節し、機関負荷を一定に保
つように制御するようにしているのである。
トローラ28内の耕深制御部28aに対する入力値であ
る耕深偏差Δθを、負荷偏差ΔHに基づく補正量ΔH’
にて補正した上で該リフト制御量演算部28aに入力す
ることで、作業機の昇降量をドラフト制御に対応したも
のとし、プラウ3等の作業機の牽引力を検出するための
牽引力センサを用いずにドラフト制御を行うことが可能
となり、コストダウンを図ることができる。また、前記
機関負荷初期設定値31を、燃料消費量や排気状態や機
関効率等が最適な状態となるように設定しておくことに
より、作業効率の改善を図ることができる。
ト制御方法を説明する。前記のコントローラ28内の耕
深制御部28aにおいては、本来、固定ゲインを設定し
ており、耕深偏差Δθを入力して、この入力値に固定ゲ
インを乗じ、リフトアーム18の制御量を出力する。こ
の耕深制御部28aにて正確なドラフト制御を可能とす
べく、該固定ゲインを、機関負荷検出値32に応じて変
化する可変ゲインK’としたのが、第二実施例である。
即ち、第一実施例では、耕深制御部28aにおける制御
ゲインを固定値として入力値である耕深偏差Δθを負荷
偏差ΔHに応じて補正した上で入力する方法を用いてい
たが、第二実施例では、入力値自体は補正しない耕深偏
差Δθとし、耕深制御部28aの中で、機関負荷検出値
32に応じて可変ゲインK’を変化させ(例えば、機関
負荷検出値32が大きな値になる程、可変ゲインK’が
大きくなり、逆に、機関負荷検出値32が小さな値にな
る程、可変ゲインK’が小さくなるように構成してい
る。)、入力した耕深偏差Δθに乗じて、リフトアーム
18の制御量の出力値を演算するのである。
トアーム18のリフト角を変化させて行い、該リフトア
ーム18は油圧シリンダの伸縮により上下回動される
が、機関11の負荷状態が変化すると、油圧シリンダを
駆動する油圧ポンプの能率が変化するため、固定ゲイン
にて演算した出力制御を行うと、機関負荷検出値32の
大きさによって作業機の昇降速度が変化することとな
る。例えば、該ゲインを機関11が低負荷状態であると
きに適した一定値に設定すると、機関11が高負荷状態
となったときにドラフト制御の応答性が悪化し、機関1
1が高負荷状態であるときに適した一定値に設定する
と、機関11が低負荷状態となったときにドラフト制御
の応答性が過敏になり過ぎてハンチングが発生してしま
うこととなる。
aにおけるゲインを、機関負荷検出値32に基づき変化
する可変ゲインK’とすることで、機関11の負荷状態
にかかわらず、負荷状態に適した応答性で安定して制御
を行うことができるようにしている。尚、図5図示の本
実施例では、対地作業をロータリー耕耘とし、耕深検出
値はリアカバーの位置検出に基づいて検出され、ロータ
リーの耕深制御を利用してドラフト制御を行っている
が、このようなロータリーによる耕深制御のみならず、
水平制御及び負荷制御にも適用可能で、プラウによるド
ラフト制御に適用することもできる。
は、牽引力の検出に基づき耕深制御をすることによるド
ラフト制御方法に関する。プラウ耕深制御におけるドラ
フト制御方法については、元来、牽引力の検出値を入力
値として、耕深制御量を演算する方法がある。図6図示
の第三実施例は、このドラフト制御方法に、第二実施例
図示の制御方法を加味して改良したものである。即ち、
作業時の作業機の牽引力48を検出し、検出した牽引力
48と、予め設定された牽引力設定値47との偏差(牽
引力偏差)ΔFを算出し、この牽引力偏差ΔFをコント
ローラ28内の耕深制御部28bに入力して演算を行
い、リフトアーム18の制御量を出力して、耕深を制御
するように構成している。本実施例における耕深制御部
28bには、前記の図5図示の第二実施例と同様に、入
力値(本実施例では牽引力偏差ΔF)に乗ずる制御ゲイ
ンを、可変ゲインK”としており、車速Vの大きさによ
って変化する値としている。即ち、出力される耕深制御
量が車速Vの値に対応するように構成しているのであ
る。
で表すと、検出された牽引力48と牽引力設定値47と
の偏差ΔFと、次式(3)の関係が成り立つような制御
量ΔZ(V)が出力されるように構成している。 ΔF=c×ΔZ(V) … (3) 但し、式(3)におけるcは定数である。このように出
力された制御量ΔZ(V)に応じて、プラウ3等の作業
機を昇降させて牽引力を一定し保つように制御してい
る。尚、式(3)に示す関係は、例えば、図7に示すよ
うな関係としている。
量がトラクタ1の速度Vに対応した値となるように構成
することで、トラクタ1の速度Vが変化した場合におい
ても、仕上がり面の状態を均一な凹凸状態に仕上げるこ
とが可能となり、トラクタ1の速度Vに関係なく仕上が
り面の状態を改善することができる。
り検出するように構成しており、該牽引力センサは、図
8、図9に示す、左右のロアリンクピン54・54の部
分に取り付けられている。該ロアリンクピン54にはロ
アリンク17の基端部が連結されており、また、ロアリ
ンクピン54とロアリンク17の途中部との間にはチェ
ックチェーン53が架設されている。また、リフトアー
ム18の上下回動は、リフトシリンダ51の伸縮動作に
より行うように構成している。このように、左右のロア
リンクピン54・54の部分に取り付けられた牽引力セ
ンサへは、例えば、プラウ作業時には通常引っ張り方向
の力がかかっており、左右の牽引力センサにより検出さ
れた値を合計して、その合計値を検出された牽引力とし
ている。
行状態によっては、プラウ3が真っ直ぐに牽引されずに
斜め方向に牽引される場合があり、この場合には左右の
チェックチェーン53の何れか一方に引っ張り力がかか
り、引っ張り力がかかったチェックチェーン53側の牽
引力センサに圧縮力が生じる。このような状態、即ち、
一方の牽引力センサに引っ張り力がかかり、他方の牽引
力センサに圧縮力がかかった状態で、左右の牽引力セン
サにより検出された値を合計して牽引力を求めると、正
確な牽引力が示されないこととなる。
のための耕深制御部28bにおいては、一方の牽引力セ
ンサに圧縮力がかかった状態となった場合には、左右の
牽引力センサによる検出値に、該検出値を補正する係数
をそれぞれ乗じた後に左右の検出値を加えて、その合計
を牽引力検出値とし、これに前記の可変ゲインK”を乗
ずるようにしている。この場合、前記の左右の牽引力検
出値の補正係数は、互いに異なる値となっている。
がかかり、右方の牽引力センサに圧縮力がかかっている
場合に、左方の牽引力センサにより検出される値をFl
とし、右方の牽引力センサにより検出される値をFrと
すると、検出された牽引力Ftは次式(4)により表さ
れることになる。 Ft=a×Fl−b×Fr … (4) 但し、式(4)におけるaはFlの値を補正する正の係
数、bはFrの値を補正する正の係数であり、該係数a
及び、係数bは予め前記耕深制御部28b内に記憶され
ている。また、牽引力検出値は、引っ張り方向に働いて
いる時に正の値、圧縮方向に働いている時に負の値とし
ている。逆に、右方の牽引力センサに引っ張り力がかか
り、左方の牽引力センサに圧縮力がかかっている場合
は、別のFl・Fr各検出値の補正値a’・b’を該耕
深制御部28b内に記憶させておき、次式(5)の如く
牽引力Ftを求めるものである。 Ft=b’×Fr−a’×Fl … (5)
リンクピン54部に牽引力センサをそれぞれ取り付けて
作業機の牽引力を検出するように構成し、左右の牽引力
センサにより検出される値の符号が互いに異なる場合
は、予め記憶された異なる係数をそれぞれ乗じた後の左
右の検出値の合計を牽引力値とし、該牽引力値に基づい
て作業機の昇降制御を行うことにより、例えば、作業機
が斜め方向に牽引されて一方の牽引力センサに圧縮力が
かかった状態となった場合においても、牽引力を正確に
検出することが可能となり、適切なドラフト制御を行う
ことができるのである。
す矢印の如く、作業機であるプラウ3には下方への力が
加わる傾向があるが、該プラウ3へ下方の力が加わる
と、ロアリンクピン54の部分に取り付けられた牽引力
センサには、前方への力、即ち牽引力発生方向とは逆方
向の力がかかり、リフトシリンダ51には縮小方向への
力がかかる。従って、牽引力センサにより検出される牽
引力の値は、実際の牽引力から前方へかかる力を除いた
値となり、実際の値よりも小さく検出されて、検出誤差
が発生することとなる。
は、牽引力センサにより検出される牽引力の検出誤差を
補正して、高精度な制御を行うように構成している。即
ち、リフトシリンダ51のボトム圧力51aを検出し、
該ボトム圧力51aにより牽引力センサにより検出され
た牽引力を補正するようにしている。図10に示すよう
に、牽引力センサにより検出した牽引力検出値を、検出
したボトム圧力51aを用いてコントローラ28内で演
算して補正し、補正後の牽引力検出値の、予め設定され
た設定ダイヤルにて設定した牽引力設定値47からの偏
差(牽引力偏差)ΔFをコントローラ28内の耕深制御
部28b内に入力して演算を行い、リフトアーム18の
制御量を出力して、耕深を制御するように構成してい
る。
示すように、横軸をプラウ3へ加わる下方の力(ロアリ
ンクピンにかかる前方への力)、縦軸を牽引力とする
と、牽引力の真値61が一定であっても、プラウ3へ加
わる下方の力が大きくなる程(図11の右側へ行く
程)、牽引力センサにより検出された牽引力センサ値6
2は小さくなり、リフトシリンダ51のボトム圧力51
aである補正牽引力センサ値63は大きくなる。そし
て、牽引力センサ値62に補正牽引力センサ値63を加
えて補正することで、牽引力センサにより検出される牽
引力値を、牽引力の真値61とほぼ等しくすることがで
きるのである。
た牽引力を補正してドラフト制御を行うことで、牽引力
センサにより検出される牽引力値を正確に検出すること
が可能となり、高精度なドラフト制御を行うことができ
ることとなる。
トラクタ1において、リフトアーム18を駆動する前記
リフトシリンダ51を、図12に示すリフトシリンダ5
2のように複動シリンダに構成して、該リフトシリンダ
52のロッド圧力52b及びボトム圧力52aを検出
し、検出したロッド圧力52b及びボトム圧力52aに
基づいて牽引力を推定し、該推定値に基づいて耕深を制
御して、ドラフト制御を行うものである。即ち、図13
に示すように、リフトシリンダ52のロッド圧力52b
及びボトム圧力52aを検出し、検出したロッド圧力5
2b及びボトム圧力52aに基づいて、コントローラ2
8内にて牽引力を推定し、推定した牽引力推定値55の
予め設定された牽引力設定値47からの偏差を牽引力偏
差ΔFとし、これをコントローラ28の耕深制御部28
bに入力して演算を行い、リフトアーム18の制御量を
出力して、耕深を制御するように構成するのである。
に後方向の荷重が加わるとロッド圧力52bが上昇す
る。また、プラウ3に下方向の荷重が加わるとボトム圧
力52aが上昇し、プラウ3に上方向の荷重が加わると
ロッド圧力52bが上昇する。このような、リフトシリ
ンダ52におけるロッド圧力52b及びボトム圧力52
aの特徴を利用して牽引力を推定しているのである。
る指令制御信号が入力されて、該リフトシリンダ52が
伸縮動作を行っている間はシリンダ内圧力、即ち、ロッ
ド圧力52b及びボトム圧力52aが変動するので、こ
の間は牽引力の推定を行わないように構成している。
シリンダに構成して、該リフトシリンダ52のロッド圧
力52b及びボトム圧力52aを検出し、検出したロッ
ド圧力52b及びボトム圧力52aに基づいてドラフト
制御を行うことにより、牽引力センサを用いて牽引力の
検出を行った場合のように、プラウにかかる上下方向の
荷重によって検出誤差が生じることがなく、正確な牽引
力を検出することが可能となる。これにより、高精度な
ドラフト制御を行うことができる。また、牽引力センサ
が不要となるので、コストダウンを図ることができる。
ような効果を奏するのである。即ち、請求項1記載の如
く、対地作業中に機関負荷を検出して、検出した機関負
荷検出値の初期機関負荷設定値に対する偏差を求め、こ
の機関負荷検出値の偏差に基づいて耕深検出値の偏差を
補正して、該制御部に入力することにより、プラウ等の
作業機の牽引力を検出するための牽引力センサを用いず
にドラフト制御を行うことが可能となり、コストダウン
を図ることができる。また、前記機関負荷初期設定値
を、燃料消費量や排気状態や機関効率等が最適な状態と
なるように設定しておくことにより、作業効率の改善を
図ることができる。
に機関負荷を検出して、検出した機関負荷検出値の初期
機関負荷設定値に対する偏差を求め、該制御部における
制御ゲインを機関負荷検出値の偏差に応じて変化するも
のとし、該制御部にて、耕深検出値の偏差の入力値を、
機関負荷検出値の偏差に対応する制御ゲインに基づいて
演算し、作業機の昇降制御量を出力することにより、プ
ラウやロータリー等の作業機の牽引力を検出するための
牽引力センサを用いずにドラフト制御を行うことが可能
となり、コストダウンを図ることができる。また、前記
機関負荷初期設定値を、燃料消費量や排気状態や機関効
率等が最適な状態となるように設定しておくことによ
り、作業効率の改善を図ることができる。さらに、機関
の負荷状態にかかわらず、負荷状態に適した応答性で安
定して制御を行うことができる
に車速を検出し、該制御部における制御ゲインを車速検
出値に応じて変化するものとし、該制御部にて、牽引力
検出値の偏差の入力値を、車速検出値に対応する制御ゲ
インに基づいて演算し、作業機の昇降制御量を出力する
ことにより、トラクタの速度が変化した場合において
も、仕上がり面の状態を均一な凹凸状態に仕上げること
が可能となり、トラクタの速度に関係なく仕上がり面の
状態を改善することができる。
力センサによる検出値の符号が互いに異なる場合は、左
右の検出値に対して予め記憶された異なる係数をそれぞ
れ乗じ、係数を乗じた左右の検出値の合計を入力値とし
て該制御部に入力することにより、例えば、作業機が斜
め方向に牽引されて一方の牽引力センサに圧縮力がかか
った状態となった場合においても、作業機が真っ直ぐに
牽引されている場合と同様に、牽引力を正確に検出する
ことが可能となり、適切なドラフト制御を行うことが可
能となる。
降を行うリフトシリンダを複動シリンダに構成し、該リ
フトシリンダのロッド圧力及びボトム圧力を検出し、検
出したロッド圧力及びボトム圧力に基づいて作業機の耕
深制御を行うことにより、牽引力センサを用いて牽引力
の検出を行った場合のように、プラウにかかる上下方向
の荷重によって検出誤差が生じることがなく、正確な牽
引力を検出することが可能となる。これにより、高精度
なドラフト制御を行うことができる。また、牽引力セン
サが不要となるので、コストダウンを図ることができ
る。
方法により制御されるトラクタを示す側面図である。
る。
である。
ブロック線図である。
ブロック線図である。
との関係を示す図である。
図である。
ック線図である。
引力センサ値及び補正牽引力センサ値との関係を示す図
である。
ラクタの三点リンク部及びプラウを示す側面図である。
ック線図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 対地作業中において耕深を検出し、耕深
検出値の初期耕深設定値に対する偏差を制御部に入力し
て作業機の耕深制御を行う対地作業機装着式トラクタに
おいて、対地作業中に機関負荷を検出して、検出した機
関負荷検出値の初期機関負荷設定値に対する偏差を求
め、この機関負荷検出値の偏差に基づいて耕深検出値の
偏差を補正して、該制御部に入力することを特徴とする
トラクタのドラフト制御方法。 - 【請求項2】 対地作業中において耕深を検出し、耕深
検出値の初期耕深設定値に対する偏差を制御部に入力し
て作業機の耕深制御を行う対地作業機装着式トラクタに
おいて、対地作業中に機関負荷を検出して、検出した機
関負荷検出値の初期機関負荷設定値に対する偏差を求
め、該制御部における制御ゲインを機関負荷検出値の偏
差に応じて変化するものとし、該制御部にて、耕深検出
値の偏差の入力値を、機関負荷検出値の偏差に対応する
制御ゲインに基づいて演算し、作業機の昇降制御量を出
力することを特徴とするトラクタのドラフト制御方法。 - 【請求項3】 対地作業中において作業機の牽引力を検
出し、牽引力検出値の初期牽引力設定値に対する偏差を
制御部に入力して作業機の耕深制御を行う対地作業機装
着式トラクタにおいて、対地作業中に車速を検出し、該
制御部における制御ゲインを車速検出値に応じて変化す
るものとし、該制御部にて、牽引力検出値の偏差の入力
値を、車速検出値に対応する制御ゲインに基づいて演算
し、作業機の昇降制御量を出力することを特徴とするト
ラクタのドラフト制御方法。 - 【請求項4】 左右ロアリンクのロアリンクピン部に牽
引力センサをそれぞれ取り付けて、対地作業中において
作業機の牽引力を検出するものとし、各牽引センサの検
出値の符号は、牽引力センサにて検出する力の向きによ
り異なるものとし、両牽引センサの検出値に基づいて算
出した入力値を制御部に入力して作業機の耕深制御を行
う対地作業機装着式トラクタにおいて、左右の牽引力セ
ンサによる検出値の符号が互いに異なる場合は、左右の
検出値に対して予め記憶された異なる係数をそれぞれ乗
じ、係数を乗じた左右の検出値の合計を入力値として該
制御部に入力することを特徴とするトラクタのドラフト
制御方法。 - 【請求項5】 対地作業機を装着したトラクタにおい
て、作業機の昇降を行うリフトシリンダを複動シリンダ
に構成し、該リフトシリンダのロッド圧力及びボトム圧
力を検出し、検出したロッド圧力及びボトム圧力に基づ
いて作業機の耕深制御を行うことを特徴とするトラクタ
のドラフト制御方法。
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---|---|---|---|
JP27040698A JP3773669B2 (ja) | 1998-09-25 | 1998-09-25 | トラクタのドラフト制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27040698A JP3773669B2 (ja) | 1998-09-25 | 1998-09-25 | トラクタのドラフト制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000092913A true JP2000092913A (ja) | 2000-04-04 |
JP3773669B2 JP3773669B2 (ja) | 2006-05-10 |
Family
ID=17485829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27040698A Expired - Fee Related JP3773669B2 (ja) | 1998-09-25 | 1998-09-25 | トラクタのドラフト制御方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3773669B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002174557A (ja) * | 2000-12-08 | 2002-06-21 | Yanmar Diesel Engine Co Ltd | 牽引力算出装置 |
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US7917434B2 (en) | 2002-08-13 | 2011-03-29 | International Business Machines Corporation | Method for planning commercial financing payment |
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CN107228771A (zh) * | 2017-07-17 | 2017-10-03 | 中国农业大学 | 一种拖拉机犁耕作业性能测试与控制系统和方法 |
-
1998
- 1998-09-25 JP JP27040698A patent/JP3773669B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN107228771B (zh) * | 2017-07-17 | 2023-06-27 | 中国农业大学 | 一种拖拉机犁耕作业性能测试与控制系统和方法 |
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---|---|
JP3773669B2 (ja) | 2006-05-10 |
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