JP3773669B2 - トラクタのドラフト制御方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタに装着されたプラウ等の対地作業機に作用する負荷抵抗を検出し、常に負荷抵抗を一定に保つためのトラクタのドラフト制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プラウ等の対地作業機を装着したトラクタにおいては、作業機に作用する負荷抵抗、即ち、牽引力を一定に保つためのドラフト制御が行われている。例えば、3点リンク機構のロアリンクに取り付けた牽引力センサにより牽引力を検出して制御機構にフィードバックし、予め設定された目標牽引力からのずれ量に応じた分だけ作業機を昇降して耕深を制御することで、牽引力を一定に保つように構成していた。
【0003】
このようなトラクタのドラフト制御方法において、牽引力センサをロアリンクに取り付けて検出した牽引力によりドラフト制御を行うと、作業機が上下動した際に牽引力センサにより検出される牽引力に誤差が生じて適切な制御を行うことができない場合があるとともに、牽引力センサを付設することによるコストアップが生じていた。
【0004】
このようなトラクタのドラフト制御方法において、ドラフト制御を牽引力のみによって行うと、作業時の車速が異なる場合でも、検出された牽引力の目標牽引力からのずれ量が同じであれば、同じ量だけ耕深が変更されることとなるので、車速が大きい場合と小さい場合とで仕上がり面の凹凸状態が変わってしまっていた。
【0005】
また、ロアリンクに取り付けられる牽引力センサは、左右のロアリンクピンの位置に配置されており、例えば、プラウ作業を行った場合、土質や走行状態により、作業機が真っ直ぐに牽引されずに斜め方向に牽引されて、ロアリンクピンとロアリンクとの間に架設されたチェックチェーンに引っ張り力がかかることにより、左右いずれか一方の牽引力センサに圧縮力が生じ、正確な牽引力が検出されないことがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、プラウ作業中には、プラウへ上下方向の力がかかるが、このプラウにかかる上下方向の力によって、牽引力センサに前方向への力が加わるため、該牽引力センサにより検出される牽引力に誤差が発生して、高精度なドラフト制御を行うことが出来なかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
本発明においては、左右ロアリンクのロアリンクピン部に牽引力センサをそれぞれ取り 付けて、対地作業中において作業機の牽引力を検出するものとし、各牽引センサの検出値の符号は、牽引力センサにて検出する力の向きにより異なるものとし、両牽引センサの検出値に基づいて算出した入力値を制御部に入力して作業機の耕深制御を行う対地作業機装着式トラクタにおいて、左右の牽引力センサによる検出値の符号が互いに異なる場合は、左右の検出値に対して予め記憶された異なる係数をそれぞれ乗じ、係数を乗じた左右の検出値の合計を入力値として該制御部に入力するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
図1は後端部にプラウを装着し本発明のドラフト制御方法により制御されるトラクタを示す側面図、図2はトラクタに搭載される機関を示す側面図、図3は機関の負荷検出方法を示す図、図4は本発明のドラフト制御方法を示すブロック線図、図5は同じくドラフト制御方法の第二の構成例を示すブロック線図、図6は同じくドラフト制御方法の第三の構成例を示すブロック線図である。
【0009】
図7は図6のドラフト制御方法における車速と牽引力との関係を示す図、図8はトラクタの三点リンク部及びプラウを示す側面図、図9は同じく平面図、図10はドラフト制御方法の第四の構成例を示すブロっク線図、図11は作業機にかかる上下方向の荷重の大きさと牽引力センサ値及び補正牽引力センサ値との関係を示す図、図12はリフトシリンダを複動シリンダに構成したトラクタの三点リンク部及びプラウを示す側面図、図13はドラフト制御方法の第五の構成例を示すブロック線図である。
【0010】
まず、本発明のドラフト制御方法により制御されるトラクタの概略構成について図1により説明する。
トラクタ1の機体前部には機関11としてのエンジン等を内蔵したボンネット6が配設され、該ボンネット6の下方に前輪4が配置されている。ボンネット6の後方にはステアリングハンドル10が配設され、その後方にはシート20が設けられ、シート20の下方に後輪5が配置されている。
また、トラクタ1の後端部には、3点リンクのアッパリンク16及び左右ロアリンク17・17を介して、牽引式作業機であるプラウ3が装着されている。
左右各ロアリンク17は、上下回動可能に構成された左右各リフトアーム18に対し、リフトロッド19を介して連結され、該リフトアーム18の上下回動に伴って昇降するように構成されており、リフトアーム18のリフト角を変化することでプラウ3の耕深を調節するようにしている。
【0011】
図2に示すように、ボンネット6に内蔵される機関11のクランク軸22の端部にはフライホイール23が取り付けられ、該フライホイール23の外周にはリングギア24が固設されている。
また、機関11には、電磁ピックアップ等により構成された機関回転数検出手段である回転数検出センサ25が、リングギア24の外周面に近接して取り付けられ、該回転数検出センサ25により機関11の回転数を検出するように構成している。
さらに、機関11は燃料噴射ポンプ26を具備しており、該燃料噴射ポンプ26には燃料噴射量を調節するための燃料ラックが設けられ、燃料ラック位置はガバナ装置により制御されている。また、燃料噴射ポンプ26には、燃料ラック位置を検出する燃料ラック位置センサ27が取り付けられている。
【0012】
そして、機関11においては、回転数検出センサ25により検出した機関11の回転数と、燃料ラック位置センサ27により検出した燃料ラック位置とによって、該機関11にかかっている負荷を検出するように構成している。
次に、これらセンサ25・27に基づいての機関11にかかる負荷の検出方法について説明する。
例えば、図3には、回転数検出センサ25により検出される機関回転数12、及び、燃料ラック位置センサ27により検出される燃料ラック位置13を経時的に示している。
まず、検出した機関回転数12に対して、機関11の任意の一燃焼サイクルに要した時間Δt0 の間における機関回転数の変化ΔN0 を求めるとともに、その時点における燃料ラック位置13の値R0 を検出する。そして、求めた機関回転数の変化ΔN0 と検出した燃料ラック位置13の値R0 とを用いて、次式(1)によりその時点において機関1にかかっている負荷として第一機関負荷トルクT1を算出する。
T1=K1 ×R0 +K2 ×ΔN0 /Δt0 … (1)
但し、(1)式においてK1 及びK2 は比例定数である。
【0013】
また、前述の一燃焼サイクルより後の任意の時刻における、ある任意の時間Δtの間の機関回転数の変化ΔNi+1 −ΔNi を求めるとともに、その時点における燃料ラック位置13の値R1 を検出する。そして、求めた機関回転数の変化ΔNi+1 −ΔNi と検出した燃料ラック位置13の値R1 とを用いて、次式(2)によりその時点において機関1にかかっている負荷として第二機関負荷トルクT2を算出する。
T2=K1 ×R1 +K2 ×[ΔN0 /Δt0 +(ΔNi+1 −ΔNi )/Δt] … (2)
但し、(2)式においてK1 及びK2 は比例定数である。
【0014】
そして、算出した第一機関負荷トルクT1と第二機関負荷トルクT2との差から機関負荷の変化を検出するように構成している。
このように、機関の負荷を二点、例えば、一点目を定常状態における負荷として算出するとともに、二点目を過渡状態における負荷として算出して、この2点間の差により機関負荷の変化状態を検出することで、機関負荷状態を応答性良く検出することを可能としている。
【0015】
次に、ドラフト制御方法について説明する。尚、本発明における各構成例によるドラフト制御方法は、プラウ3以外の作業機(例えば、ロータリー等)をトラクタ1に装着した場合における耕深制御を行う場合にも適用することが可能である。
図4図示の第一構成例と図5図示の第2構成例は、リフト角(耕深)検出に基づく耕深制御を機関負荷の検出に対応させて、ドラフト制御を行う方法である。
まず、図4に示す第一構成例について説明する。
前記プラウ3の耕深は、設定ダイヤル34でのリフトアーム18のリフト角設定により予め初期設定されており、作業時のリフト角が検出されて、検出リフト角の初期設定値からの偏差(耕深偏差)Δθが求められる。
一方、前述の回転数検出センサ25及び燃料ラック位置センサ27の検出値に基づく機関11の負荷(機関負荷検出値32)の算出は、トラクタ1に設けられたコントローラ28により行われ、また、該コントローラ28において、燃料消費量や排気状態や機関効率等に対して最適な機関負荷状態が、機関負荷初期設定値31として予め設定されていて、機関負荷における検出値32の初期設定値31からの偏差(負荷偏差)ΔHを求め、更に該偏差ΔHにゲインKを乗じた値(耕深偏差補正量ΔH’)を算出する。該ゲインKは比例定数である。
【0016】
コントローラ28内には、本来、入力される耕深偏差Δθに基づいて、該耕深偏差Δθを0とすべくリフトアーム18の制御量を演算する耕深制御部28aが設けられている。単にリフトアーム18を初期設置位置に戻すだけであれば(即ち、単なる耕深制御)、耕深偏差Δθのみを該耕深制御部28aに入力してリフト角制御量を算出すればよい。
しかし、ここでは、ドラフト制御、即ち、機関負荷を一定制御することを目的とするため、コントローラ28におけるリフト制御量演算部への入力値である耕深偏差Δθを、負荷偏差ΔHより求められる耕深偏差補正量ΔH’により補正(Δθ−ΔH’)した上で補正後の耕深偏差(Δθ−ΔH’)を該耕深制御部28aに入力し、機関負荷に対応したリフト角の制御量を出力させる。
そして、出力された制御量の分だけリフトアーム18のリフト角を変化させ、プラウ3を昇降して耕深37を調節し、機関負荷を一定に保つように制御するようにしているのである。
【0017】
このように、第一構成例においては、コントローラ28内の耕深制御室28aに対する入力値である耕深偏差Δθを、負荷偏差ΔHに基づく補正量ΔH’にて補正した上で該リフト制御量演算部28aに入力することで、作業機の昇降量をドラフト制御に対応したものとし、プラウ3等の作業機の牽引力を検出するための牽引力センサを用いずにドラフト制御を行うことが可能となり、コストダウンを図ることができる。
また、前記機関負荷初期設定値31を、燃料消費量や排気状態や機関効率等が最適な状態となるように設定しておくことにより、作業効率の改善を図ることができる。
【0018】
次に、図5より、第二構成例によるドラフト制御方法を説明する。
前記のコントローラ28内の耕深制御部28aにおいては、本来、固定ゲインを設定しており、耕深偏差Δθを入力して、この入力値に固定ゲインを乗じ、リフトアーム18の制御量を出力する。この耕深制御部28aにて正確なドラフト制御を可能とすべく、該固定ゲインを、機関負荷検出値32に応じて変化する可変ゲインK’としたのが、第二構成例である。
即ち、第一構成例では、耕深制御部28aにおける制御ゲインを固定値として入力値である耕深偏差Δθを負荷偏差ΔHに応じて補正した上で入力する方法を用いていたが、第二構成例では、入力値自体は補正しない耕深偏差Δθとし、耕深制御部28aの中で、機関負荷検出値32に応じて可変ゲインK’を変化させ(例えば、機関負荷検出値32が大きな値になる程、可変ゲインK’が大きくなり、逆に、機関負荷検出値32が小さな値になる程、可変ゲインK’が小さくなるように構成している。)、入力した耕深偏差Δθに乗じて、リフトアーム18の制御量の出力値を演算するのである。
【0019】
ロータリー等の作業機の耕深の制御はリフトアーム18のリフト角を変化させて行い、該リフトアーム18は油圧シリンダの伸縮により上下回動されるが、機関11の負荷状態が変化すると、油圧シリンダを駆動する油圧ポンプの能率が変化するため、固定ゲインにて演算した出力制御を行うと、機関負荷検出値32の大きさによって作業機の昇降速度が変化することとなる。
例えば、該ゲインを機関11が低負荷状態であるときに適した一定値に設定すると、機関11が高負荷状態となったときにドラフト制御の応答性が悪化し、機関11が高負荷状態であるときに適した一定値に設定すると、機関11が低負荷状態となったときにドラフト制御の応答性が過敏になり過ぎてハンチングが発生してしまうこととなる。
【0020】
そこで、本構成例の如く、耕深制御部28aにおけるゲインを、機関負荷検出値32に基づき変化する可変ゲインK’とすることで、機関11の負荷状態にかかわらず、負荷状態に適した応答性で安定して制御を行うことができるようにしている。
尚、図5図示の本構成例では、対地作業をロータリー耕耘とし、耕深検出値はリアカバーの位置検出に基づいて検出され、ロータリーの耕深制御を利用してドラフト制御を行っているが、このようなロータリーによる耕深制御のみならず、水平制御及び負荷制御にも適用可能で、プラウによるドラフト制御に適用することもできる。
【0021】
図6乃至図13図示の第三乃至第五構成例は、牽引力の検出に基づき耕深制御をすることによるドラフト制御方法に関する。
プラウ耕深制御におけるドラフト制御方法については、元来、牽引力の検出値を入力値として、耕深制御量を演算する方法がある。図6図示の第三構成例は、このドラフト制御方法に、第二構成例図示の制御方法を加味して改良したものである。
即ち、作業時の作業機の牽引力48を検出し、検出した牽引力48と、予め設定された牽引力設定値47との偏差(牽引力偏差)ΔFを算出し、この牽引力偏差ΔFをコントローラ28内の耕深制御部28bに入力して演算を行い、リフトアーム18の制御量を出力して、耕深を制御するように構成している。
構成例における耕深制御部28bには、前記の図5図示の第二構成例と同様に、入力値(本構成例では牽引力偏差ΔF)に乗ずる制御ゲインを、可変ゲインK”としており、車速Vの大きさによって変化する値としている。即ち、出力される耕深制御量が車速Vの値に対応するように構成しているのである。
【0022】
この場合、出力される制御量をΔZ(V)で表すと、検出された牽引力48と牽引力設定値47との偏差ΔFと、次式(3)の関係が成り立つような制御量ΔZ(V)が出力されるように構成している。
ΔF=c×ΔZ(V) … (3)
但し、式(3)におけるcは定数である。
このように出力された制御量ΔZ(V)に応じて、プラウ3等の作業機を昇降させて牽引力を一定し保つように制御している。
尚、式(3)に示す関係は、例えば、図7に示すような関係としている。
【0023】
このように、ドラフト制御を行う際の制御量がトラクタ1の速度Vに対応した値となるように構成することで、トラクタ1の速度Vが変化した場合においても、仕上がり面の状態を均一な凹凸状態に仕上げることが可能となり、トラクタ1の速度Vに関係なく仕上がり面の状態を改善することができる。
【0024】
尚、作業機の牽引力は、牽引力センサにより検出するように構成しており、該牽引力センサは、図8、図9に示す、左右のロアリンクピン54・54の部分に取り付けられている。該ロアリンクピン54にはロアリンク17の基端部が連結されており、また、ロアリンクピン54とロアリンク17の途中部との間にはチェックチェーン53が架設されている。また、リフトアーム18の上下回動は、リフトシリンダ51の伸縮動作により行うように構成している。
このように、左右のロアリンクピン54・54の部分に取り付けられた牽引力センサへは、例えば、プラウ作業時には通常引っ張り方向の力がかかっており、左右の牽引力センサにより検出された値を合計して、その合計値を検出された牽引力としている。
【0025】
本発明は、プラウ作業を行っている土質や走行状態によっては、プラウ3が真っ直ぐに牽引されずに斜め方向に牽引される場合があり、この場合には左右のチェックチェーン53の何れか一方に引っ張り力がかかり、引っ張り力がかかったチェックチェーン53側の牽引力センサに圧縮力が生じる。
このような状態、即ち、一方の牽引力センサに引っ張り力がかかり、他方の牽引力センサに圧縮力がかかった状態で、左右の牽引力センサにより検出された値を合計して牽引力を求めると、正確な牽引力が示されないこととなる。
【0026】
そこで、本発明において、ドラフト制御のための耕深制御部28bにおいては、一方の牽引力センサに圧縮力がかかった状態となった場合には、左右の牽引力センサによる検出値に、該検出値を補正する係数をそれぞれ乗じた後に左右の検出値を加えて、その合計を牽引力検出値とし、これに前記の可変ゲインK”を乗ずるようにしている。この場合、前記の左右の牽引力検出値の補正係数は、互いに異なる値となっている。
【0027】
例えば、左方の牽引力センサに引っ張り力がかかり、右方の牽引力センサに圧縮力がかかっている場合に、左方の牽引力センサにより検出される値をFlとし、右方の牽引力センサにより検出される値をFrとすると、検出された牽引力Ftは次式(4)により表されることになる。
Ft=a×Fl−b×Fr … (4)
但し、式(4)におけるaはFlの値を補正する正の係数、bはFrの値を補正する正の係数であり、該係数a及び、係数bは予め前記耕深制御部28b内に記憶されている。また、牽引力検出値は、引っ張り方向に働いている時に正の値、圧縮方向に働いている時に負の値としている。
逆に、右方の牽引力センサに引っ張り力がかかり、左方の牽引力センサに圧縮力がかかっている場合は、別のFl・Fr各検出値の補正値a’・b’を該耕深制御部28b内に記憶させておき、次式(5)の如く牽引力Ftを求めるものである。
Ft=b’×Fr−a’×Fl … (5)
【0028】
このように、左右のロアリンク17のロアリンクピン54部に牽引力センサをそれぞれ取り付けて作業機の牽引力を検出するように構成し、左右の牽引力センサにより検出される値の符号が互いに異なる場合は、予め記憶された異なる係数をそれぞれ乗じた後の左右の検出値の合計を牽引力値とし、該牽引力値に基づいて作業機の昇降制御を行うことにより、例えば、作業機が斜め方向に牽引されて一方の牽引力センサに圧縮力がかかった状態となった場合においても、牽引力を正確に検出することが可能となり、適切なドラフト制御を行うことができるのである。以上が本発明の説明である。
【0029】
また、プラウ作業中においては、図8に示す矢印の如く、作業機であるプラウ3には下方への力が加わる傾向があるが、該プラウ3へ下方の力が加わると、ロアリンクピン54の部分に取り付けられた牽引力センサには、前方への力、即ち牽引力発生方向とは逆方向の力がかかり、リフトシリンダ51には縮小方向への力がかかる。
従って、牽引力センサにより検出される牽引力の値は、実際の牽引力から前方へかかる力を除いた値となり、実際の値よりも小さく検出されて、検出誤差が発生することとなる。
【0030】
そこで、図10図示の第四構成例においては、牽引力センサにより検出される牽引力の検出誤差を補正して、高精度な制御を行うように構成している。
即ち、リフトシリンダ51のボトム圧力51aを検出し、該ボトム圧力51aにより牽引力センサにより検出された牽引力を補正するようにしている。
図10に示すように、牽引力センサにより検出した牽引力検出値を、検出したボトム圧力51aを用いてコントローラ28内で演算して補正し、補正後の牽引力検出値の、予め設定された設定ダイヤルにて設定した牽引力設定値47からの偏差(牽引力偏差)ΔFをコントローラ28内の耕深制御部28b内に入力して演算を行い、リフトアーム18の制御量を出力して、耕深を制御するように構成している。
【0031】
牽引力検出値の補正に関しては、図11に示すように、横軸をプラウ3へ加わる下方の力(ロアリンクピンにかかる前方への力)、縦軸を牽引力とすると、牽引力の真値61が一定であっても、プラウ3へ加わる下方の力が大きくなる程(図11の右側へ行く程)、牽引力センサにより検出された牽引力センサ値62は小さくなり、リフトシリンダ51のボトム圧力51aである補正牽引力センサ値63は大きくなる。
そして、牽引力センサ値62に補正牽引力センサ値63を加えて補正することで、牽引力センサにより検出される牽引力値を、牽引力の真値61とほぼ等しくすることができるのである。
【0032】
このように、牽引力センサにより検出された牽引力を補正してドラフト制御を行うことで、牽引力センサにより検出される牽引力値を正確に検出することが可能となり、高精度なドラフト制御を行うことができることとなる。
【0033】
図12及び図13図示の第五構成例では、トラクタ1において、リフトアーム18を駆動する前記リフトシリンダ51を、図12に示すリフトシリンダ52のように複動シリンダに構成して、該リフトシリンダ52のロッド圧力52b及びボトム圧力52aを検出し、検出したロッド圧力52b及びボトム圧力52aに基づいて牽引力を推定し、該推定値に基づいて耕深を制御して、ドラフト制御を行うものである。
即ち、図13に示すように、リフトシリンダ52のロッド圧力52b及びボトム圧力52aを検出し、検出したロッド圧力52b及びボトム圧力52aに基づいて、コントローラ28内にて牽引力を推定し、推定した牽引力推定値55の予め設定された牽引力設定値47からの偏差を牽引力偏差ΔFとし、これをコントローラ28の耕深制御部28bに入力して演算を行い、リフトアーム18の制御量を出力して、耕深を制御するように構成するのである。
【0034】
リフトシリンダ52においては、プラウ3に後方向の荷重が加わるとロッド圧力52bが上昇する。また、プラウ3に下方向の荷重が加わるとボトム圧力52aが上昇し、プラウ3に上方向の荷重が加わるとロッド圧力52bが上昇する。このような、リフトシリンダ52におけるロッド圧力52b及びボトム圧力52aの特徴を利用して牽引力を推定しているのである。
【0035】
但し、リフトシリンダ52を伸縮動作させる指令制御信号が入力されて、該リフトシリンダ52が伸縮動作を行っている間はシリンダ内圧力、即ち、ロッド圧力52b及びボトム圧力52aが変動するので、この間は牽引力の推定を行わないように構成している。
【0036】
以上のように、リフトシリンダ52を複動シリンダに構成して、該リフトシリンダ52のロッド圧力52b及びボトム圧力52aを検出し、検出したロッド圧力52b及びボトム圧力52aに基づいてドラフト制御を行うことにより、牽引力センサを用いて牽引力の検出を行った場合のように、プラウにかかる上下方向の荷重によって検出誤差が生じることがなく、正確な牽引力を検出することが可能となる。これにより、高精度なドラフト制御を行うことができる。また、牽引力センサが不要となるので、コストダウンを図ることができる。
【0037】
対地作業中に機関負荷を検出して、検出した機関負荷検出値の初期機関負荷設定値に対する偏差を求め、この機関負荷検出値の偏差に基づいて耕深検出値の偏差を補正して、該制御部に入力することにより、プラウ等の作業機の牽引力を検出するための牽引力センサを用いずにドラフト制御を行うことが可能となり、コストダウンを図ることができる。
また、前記機関負荷初期設定値を、燃料消費量や排気状態や機関効率等が最適な状態となるように設定しておくことにより、作業効率の改善を図ることができる。
【0038】
さらに、対地作業中に機関負荷を検出して、検出した機関負荷検出値の初期機関負荷設定値に対する偏差を求め、該制御部における制御ゲインを機関負荷検出値の偏差に応じて変化するものとし、該制御部にて、耕深検出値の偏差の入力値を、機関負荷検出値の偏差に対応する制御ゲインに基づいて演算し、作業機の昇降制御量を出力することにより、プラウやロータリー等の作業機の牽引力を検出するための牽引力センサを用いずにドラフト制御を行うことが可能となり、コストダウンを図ることができる。
また、前記機関負荷初期設定値を、燃料消費量や排気状態や機関効率等が最適な状態となるように設定しておくことにより、作業効率の改善を図ることができる。
さらに、機関の負荷状態にかかわらず、負荷状態に適した応答性で安定して制御を行うことができる
【0039】
さらに、対地作業中に車速を検出し、該制御部における制御ゲインを車速検出値に応じて変化するものとし、該制御部にて、牽引力検出値の偏差の入力値を、車速検出値に対応する制御ゲインに基づいて演算し、作業機の昇降制御量を出力することにより、トラクタの速度が変化した場合においても、仕上がり面の状態を均一な凹凸状態に仕上げることが可能となり、トラクタの速度に関係なく仕上がり面の状態を改善することができる。
【0041】
さらに、作業機の昇降を行うリフトシリンダを複動シリンダに構成し、該リフトシリンダのロッド圧力及びボトム圧力を検出し、検出したロッド圧力及びボトム圧力に基づいて作業機の耕深制御を行うことにより、牽引力センサを用いて牽引力の検出を行った場合のように、プラウにかかる上下方向の荷重によって検出誤差が生じることがなく、正確な牽引力を検出することが可能となる。
これにより、高精度なドラフト制御を行うことができる。
また、牽引力センサが不要となるので、コストダウンを図ることができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
即ち、左右の牽引力センサによる検出値の符号が互いに異なる場合は、左右の検出値に対して予め記憶された異なる係数をそれぞれ乗じ、係数を乗じた左右の検出値の合計を入力値として該制御部に入力することにより、例えば、作業機が斜め方向に牽引されて一方の牽引力センサに圧縮力がかかった状態となった場合においても、作業機が真っ直ぐに牽引されている場合と同様に、牽引力を正確に検出することが可能となり、適切なドラフト制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 後端部にプラウを装着し本発明のドラフト制御方法により制御されるトラクタを示す側面図である。
【図2】 トラクタに搭載される機関を示す側面図である。
【図3】 機関の負荷検出方法を示す図である。
【図4】 本発明のドラフト制御方法を示すブロック線図である。
【図5】 同じくドラフト制御方法の第二の構成例を示すブロック線図である。
【図6】 同じくドラフト制御方法の第三の構成例を示すブロック線図である。
【図7】 図6のドラフト制御方法における車速と牽引力との関係を示す図である。
【図8】 トラクタの三点リンク部及びプラウを示す側面図である。
【図9】 同じく平面図である。
【図10】 ドラフト制御方法の第四の構成例を示すブロック線図である。
【図11】 作業機にかかる上下方向の荷重の大きさと牽引力センサ値及び補正牽引力センサ値との関係を示す図である。
【図12】 リフトシリンダを複動シリンダに構成したトラクタの三点リンク部及びプラウを示す側面図である。
【図13】 ドラフト制御方法の第五の構成例を示すブロック線図である。
【符号の説明】
ΔH (機関負荷の)偏差
Δθ (リフト角の)偏差
ΔF (牽引力の)偏差
1 トラクタ
3 プラウ
11 機関
16 アッパリンク
17 ロアリンク
18 リフトアーム
28 コントローラ
31 機関負荷初期設定値
32 機関負荷検出値
34 設定ダイヤル
37 耕深

Claims (1)

  1. 左右ロアリンクのロアリンクピン部に牽引力センサをそれぞれ取り付けて、対地作業中において作業機の牽引力を検出するものとし、各牽引センサの検出値の符号は、牽引力センサにて検出する力の向きにより異なるものとし、両牽引センサの検出値に基づいて算出した入力値を制御部に入力して作業機の耕深制御を行う対地作業機装着式トラクタにおいて、左右の牽引力センサによる検出値の符号が互いに異なる場合は、左右の検出値に対して予め記憶された異なる係数をそれぞれ乗じ、係数を乗じた左右の検出値の合計を入力値として該制御部に入力することを特徴とするトラクタのドラフト制御方法。
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