JP2000088109A - オイルシール - Google Patents

オイルシール

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JP2000088109A
JP2000088109A JP10260350A JP26035098A JP2000088109A JP 2000088109 A JP2000088109 A JP 2000088109A JP 10260350 A JP10260350 A JP 10260350A JP 26035098 A JP26035098 A JP 26035098A JP 2000088109 A JP2000088109 A JP 2000088109A
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lip
oil seal
space
oil
seal
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Masatoshi Nishino
正俊 西野
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オイルシールと固定部材との間から、油等が漏
れることがある。 【解決手段】本オイルシール1では、外周に圧接面1b
を弾性部材で形成した。この圧接面1bが、固定部材と
しての周囲部材3の孔3aの内周面3bに圧入される。
内周面3bに接して封止する自封性のリップ18aを設
けた。リップ18aは、圧接面1bに対して傾斜して突
出する固定側シール部18の先端縁に形成されている。
自封性のリップ18aは、内圧に感応して確実に封止で
き、しかも装着し易い。圧接面1bとリップ18aの間
に環状溝20を設けて、リップ18aの背圧を抑制し
て、自封性の低下を防止する。 【効果】温度変化の大きい場合にも、確実に封止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オイルシールに関
する。
【0002】
【従来の技術】オイルシールは、例えば、可動部材であ
る回転軸と、その周囲にあって固定部材としてのハウジ
ングに形成された孔の内周面との間に配置され、回転軸
とハウジングとの間で、ハウジング内の油等を封止する
ものである。オイルシールは、環状の金属製の本体と、
この本体の内周に環状に設けられて回転軸の外周面と摺
接して封止するシールリップと、このシールリップの外
側から内側へ緊縛力を作用させる環状のばねとを有して
いる。シールリップは、弾性部材で形成され、これとと
もに一体に、本体の外周面も弾性部材で形成されてい
る。
【0003】装着時、オイルシールの本体の外周面はハ
ウジングの孔の内周面に圧入されており、外周面の弾性
部材が圧縮変形して内外を封止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ハウジング
の孔とオイルシールの本体の外周面との間を、確実に封
止できない場合がある。例えば、高い圧力がかかる場合
や、温度変化により圧入の締め代が低下する場合であ
る。このような場合であっても確実に封止するために
は、圧入の締め代を大きくすることが考えられるが、こ
れに伴い圧入時に過大な荷重がオイルシールにかかるこ
とが想定される。過大な荷重がかかると、オイルシール
を装着し難くなるうえに、本体の外周面の弾性部材にか
じりが生じて、その結果、かえって封止性能が低下する
こともある。
【0005】このように、オイルシールの装着し易さと
封止の確実性とを両立することは困難であった。そこ
で、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、装着
が容易で、固定部材との間を確実に封止できるオイルシ
ールを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明のオイルシールは、軸とこの
軸を取り囲み軸に対して相対移動する周囲部材との間を
封止するオイルシールであって、上記軸および周囲部材
の何れか一方からなる固定部材と接し、密封空間の内圧
によって封止力を高める自封性のリップを備えたことを
特徴とする。
【0007】この構成によれば、固定部材に容易に装着
できるような柔軟な材料のリップを用いたとしても、リ
ップの自封性により、内圧の上昇時にもオイルシールと
固定部材との間を確実に封止することができる。請求項
2に記載の発明のオイルシールは、請求項1に記載のオ
イルシールにおいて、上記リップよりも反密封空間側
で、固定部材の全周に圧接される環状の圧接面と、リッ
プにかかる反密封空間からの背圧を抑制する背圧抑制手
段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0008】この構成によれば、油等がリップの背後に
侵入する場合であっても、背圧が抑制されるので、リッ
プの自封性の低下を防止することができる。請求項3に
記載の発明のオイルシールは、請求項2に記載のオイル
シールにおいて、上記背圧抑制手段は、圧接面とリップ
との間に形成され、固定部材との間に環状の空間を区画
する環状溝を含むことを特徴とする。
【0009】この構成によれば、圧接面によって、反密
封空間側からリップの背後への油等の侵入を防止でき
る。また、万一、多少の油等が侵入するとしても、環状
溝が区画する環状の空間を広くできるので、ここに上述
の油等を溜めることができる結果、上述の背圧を抑制で
きる。請求項4に記載の発明のオイルシールは、請求項
2に記載のオイルシールにおいて、上記背圧抑制手段
は、リップの背面と固定部材との間に区画される環状の
空間を圧接面で隔たる反密封空間へ連通する連通溝を含
むことを特徴とする。
【0010】この構成によれば、環状の空間が連通溝を
通じて反密封空間へ開放できるので、環状の空間での背
圧の上昇を抑制することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態のオイ
ルシールを、添付図面を参照しつつ説明する。図1は、
本発明の第1の実施の形態を示すオイルシールの断面図
である。本オイルシール1は、移動部材として回転する
回転軸2と、この回転軸2を取り囲む固定部材としての
周囲部材3との間を封止する環状のシール装置である。
周囲部材3には孔3aが形成され、この孔3aの内部に
本オイルシール1は装着されている。本オイルシール1
のシールリップ12aが、回転軸2の軸方向に、密封空
間である油室S1と、反密封空間S2とを仕切ってい
る。オイルシール1は、油室S1にかかる内圧によって
封止力を高めて、周囲部材3と回転軸2との間を確実に
封止できるように構成されている。
【0012】本オイルシール1は、孔3b内に圧縮力を
受けつつ嵌合される圧接面1bを外周に有する環状のシ
ール本体17と、このシール本体17の内周から油室側
に延設された環状の内周シール部12とを有している。
この内周シール部12とシール本体17とは、ゴムや樹
脂材料等の弾性部材で一体に形成されて断面略C字状の
環状をなしている。シール本体17には、環状の金属製
の芯金11の一部が埋設されている。
【0013】芯金11は、反密封空間S2側に配置され
てオイルシール1の端面1cを形成する円板部11f
と、この円板部11fの外周縁部から軸方向に延びる筒
部11gとを有している。この筒部11gがシール本体
17に埋設されている。内周シール部12は、内周面
に、互いに反対方向に傾斜した油室側傾斜面12bおよ
び反密封空間側傾斜面12cを有し、断面くさび状に形
成されている。これら2つの傾斜面12b,12cが交
差する先端にシールリップ12aが形成されている。こ
のシールリップ12aが、回転軸2の外周面と摺接して
封止し、密封空間である油室S1と、その反対側にある
反密封空間S2とを仕切っている。シールリップ12a
に対応して内周シール部12の外周には、ばね13が設
けられている。このばね13は、内周シール部12に径
方向の内方への予め定める緊縛力を作用させ、シールリ
ップ12aを回転軸2に押圧する。また、シールリップ
12aよりも反密封空間側には、内周シール部12の内
周および芯金11の円板部11fの内周寄り部分に沿っ
て、バックアップリング14が設けられている。
【0014】油室S1に内圧がかかると、内周シール部
12の外周面12dを介して、内周シール部12を径方
向の内方に押圧し、シールリップ12aを回転軸2に締
めつける。このように、オイルシール1は、内圧に応じ
て緊縛力を増して、確実に封止することができる。とこ
ろで、油室S1の内圧が高い場合には、孔3aの内周面
3bと圧接面1bとの間から、内圧がかかった油の漏れ
や染み出しが生じる場合がある。このような油の漏れ等
を防止すべく、本オイルシール1は、周囲部材3の孔3
aの内周面3bと接するリップ18aを備えている。
【0015】以下、詳細に説明する。本オイルシール1
は、その外周の端縁から径方向の外方に向けて傾斜状に
延設された環状部分である固定側シール部18を有して
いる。この固定側シール部18の外周側の先端に、上述
のリップ18aが形成されている。このリップ18aが
内周面3bと接することにより、密封空間としての油室
S1と、反密封空間として環状の空間S4とが仕切られ
ている。固定側シール部18の反密封空間側には、空間
S4を区画する環状溝20と、圧接面1bが軸方向に並
んで設けられている。
【0016】固定側シール部18は、シール本体17と
一体に、油室S1に臨んで設けられている。固定側シー
ル部18は、外径寄り部分ほど、軸方向に関して密封空
間側へ向かうように傾斜し、内周に密封空間からの内圧
を受ける傾斜状の受圧面18dを有している。また、固
定側シール部18の外周面は、互いに反対方向に傾斜す
る第1傾斜面18bおよび第2傾斜面18cを有し、第
1傾斜面18bおよび第2傾斜面18cが互いに交差す
る外径側の先端縁に、リップ18aが形成される。この
リップ18aを挟んで密封空間側に第1傾斜面18bが
あり、反密封空間側に第2傾斜面18cがあり、第2傾
斜面18cがリップ18aの背面を形成している。
【0017】ここで、密封空間とは、リップ18aによ
り仕切られて内圧のかかる側の空間であり、反密封空間
とは、リップ18aにより密封空間と反対側に仕切られ
ている空間である。リップ18aは、密封空間としての
油室S1の内圧によって封止力を高める自封性を有して
いる。リップ18aは、全周にわたり内周面3bを自身
の弾性力により押圧しつつ接している。リップ18a
は、受圧面18dで受けた密封空間としての油室S1か
らの内圧により、内周面3bへ押圧されるように配置さ
れている。これにより、リップ18aは、内圧が高くな
ると緊縛力が増すように、内圧に感応して確実に封止す
る。
【0018】なお、リップ18aは、上述の構成に限ら
ない。例えば、上述の2つの傾斜面が交差する端縁が断
面円形のアール面で形成されて、このアール面がリップ
とされて内周面3bと接していてもよい。また、上述の
端縁が細い環状の帯に形成されて、この帯がリップとさ
れて内周面3bと接してもよい。圧接面1bは、オイル
シール1の外周に設けられ、シール本体17と一体に弾
性部材で形成された環状部分であり、リップ18aより
も反密封空間側に設けられている。圧接面1bは、内周
面3bの内径よりも所定量大径に形成され、装着時に、
周囲部材3の孔3aの内周面3bに全周に圧入状態で圧
接されている。
【0019】ところで、オイルシール1を孔3a内に装
着する際に、圧接面1bとリップ18aとの間に油等が
閉じ込められると、リップ18aにかかる反密封空間側
からの背圧が高まることがあり、この背圧が高まると、
リップ18aの自封性が低下することが想定される。こ
れに加えて、内圧が高くなると、油等がリップ18aか
ら漏れ出して、上述の背圧をより一層高めることが想定
される。本オイルシール1では、上述の背圧を抑制する
背圧抑制手段を有している。これにより、背圧が抑制さ
れるので、リップ18aの自封性の低下を防止すること
ができる。
【0020】背圧抑制手段は、圧接面1bとリップ18
aとの間に形成される上述の環状溝20を含んでいる。
環状溝20は、リップ形成のために通常必要である断面
V字形形状の環状溝(例えば、別実施例である図2の環
状溝22を参照。)を、十分な容積が得られるように、
例えば、断面台形形状に拡張して得られるものである。
【0021】環状溝20は、全周にわたって形成され、
その台形断面の底面は円周面からなっている。環状溝2
0の密封空間側部分は、リップ18aの背面で形成され
ている。また、環状溝20の反密封空間側は、圧接面1
bに隣接している。環状溝20は、周囲部材3との間に
環状の空間S4を区画している。この空間S4内に、リ
ップ18aの自封性を維持すべく、予め想定される油量
を溜められるように、環状溝20の大きさが設定されて
いる。上述の油量としては、装着動作時にオイルシール
1や孔3a内に付着する油量を例示できる。
【0022】なお、環状溝20は、固定側シール部18
からシール本体17の外周面にまたがって凹状に設けら
れていてもよいし、固定側シール部18の第2傾斜面1
8cに設けられていてもよい。また、環状溝20は、後
述する環状溝22と、その一部を軸方向に拡張した室と
で構成されるものでもよい。本オイルシール1の装着動
作の際には、オイルシール1を周囲部材3の孔3a内に
圧入する。このとき、先ず、圧接面1bが圧縮変形しつ
つ圧接され、次に、リップ18aが撓みつつ、自身の弾
性力により孔3aの内周面3bに押圧力を作用させなが
ら嵌められる。また、シールリップ12aが回転軸2の
外周面に緊縛力を作用させつつ嵌められる。
【0023】使用時には、固定側シール部材18の撓み
による弾性復元力により、リップ18aと内周面3bと
が接して、その間が封止されている。また、圧接面1b
と内周面3bとの間が、圧接状態で封止されている。本
オイルシール1に油室S1からの内圧が作用すると、こ
の内圧は固定側シール部18の受圧面18dにかかり、
固定側シール部18は弾力的に撓んで、リップ18aが
径方向の外方に押圧される。その結果、リップ18aと
内周面3bとがより強く密着して、密封空間としての油
室S1と反密封空間との間が確実に封止される。
【0024】また、仮に、油室1の内圧が高くて漏れ出
した油や、装着動作時に使用された油が、リップ18a
の背後にある場合には、上述の油を、これに対して十分
に広い環状溝20に溜めることができるので、この油が
高圧になり難い。その結果、リップ18aの自封性を維
持することができる。なお、環状溝20にある油は、圧
接面1bと孔3aの内周面3bとの間で封止されている
ので、漏れる心配はない。
【0025】このように本実施の形態によれば、固定部
材としての周囲部材3に容易に装着できるような柔軟な
材料のリップ18aを用いたとしても、リップ18aの
自封性により、密封空間からの内圧の上昇時にもオイル
シール1と固定部材との間を確実に封止することができ
る。例えば、高圧時の密封空間側からのにじみを防止で
きる。
【0026】このように、自封性のリップ18aでは、
封止性を確保しつつ、装着動作時に過大な荷重が負荷さ
れるのを回避できるので、リップ18aにかじりが生じ
る虞がない。また、オイルシール1の装着動作時には、
まだ内圧はかかっておらず、それに伴い、自封性のリッ
プ18aと周囲部材3の内周面3bとの間に働く荷重も
小さいので、オイルシール1を装着し易い。
【0027】しかも、自封性のリップ18aでは、装着
の容易性を確保しつつリップ18aの締め代(寸法D参
照)を大きくできるので、温度変化が大きい場合であっ
ても、確実な封止性を得ることができる。例えば、熱変
形が相対的に大きいゴムからなるリップ18aと、熱変
形が相対的に小さい金属製の周囲部材3の孔3aの内周
面3bとの接触を、低温時に確実に確保することができ
る。
【0028】また、全周にわたる圧接面1bが、反密封
空間側からリップ18aの背後への油等の侵入を防止で
きるので、リップ18aにかかる背圧が高まる虞が少な
く、リップ18aの自封性の低下を防止することができ
る。また、万一、多少の油等がリップ18aの背後に侵
入したとしても、背圧抑制手段としての環状溝20によ
り背圧を抑制できる。
【0029】また、台形等の断面略四角形形状の環状溝
20は、断面三角形形状のものに比べて、環状の空間S
4を大きく確保できるので、背圧を確実に抑制できる。
また、環状溝20が、固定側シール部18の根元にある
ことで、固定側シール部20の可撓性が高まり、リップ
18aを内周面3bに接し易くできる。その結果、リッ
プ18aによる封止性を高めつつ、オイルシール1をよ
り一層装着し易くできる。
【0030】また、環状溝20は、複数が軸方向に並ん
で設けられていてもよい。この場合には、反密封空間側
からリップ18aの背後に侵入しようとする油は、複数
の環状溝により侵入を妨げられるので、リップ18aの
背圧が高まり難い。このように、リップ18aの自封性
により、オイルシール1の装着し易さと封止の確実性と
を両立することができる。
【0031】次に、第2の実施の形態を説明する。第2
の実施の形態では、図2に示すように、背圧抑制手段
は、圧接面1bに形成された連通溝21を含んでいる。
なお、第1の実施の形態と同様の部分については同じ符
号を付して説明を省略する。本オイルシール1は、リッ
プ18aの背後に、上述の断面略台形形状に拡張された
環状溝20に代えて小断面の環状溝22を有している。
この環状溝22は、リップ形成のために通常必要である
断面V字形形状の環状溝であり、その密封空間側の一辺
はリップ18aの背面で形成されている。環状溝22と
周囲部材3の内周面3bとの間に、環状の空間S5が区
画されている。
【0032】連通溝21は、円筒面からなる圧接面1b
に形成され、環状溝22から軸方向に沿って反密封空間
側に向けて直線状に延びている。すなわち、連通溝21
は、環状の空間S5と、圧接面1bよりも反密封空間S
2側にあり反密封空間S2との間で空気のやりとりがで
きる環状の空間S3とを連通している。この空間S3
は、孔3aの隅とオイルシール1の角とにより区画され
ている。
【0033】また、端面1cと孔3aの端面3cとの間
が封止されて、空間S3と反密封空間S2とが仕切られ
ている場合には、万一、油等が上述の空間S3に流出し
たとしても、漏れる心配はない。また、この場合にも、
空間S5と空間S3とが連通することで、空間が広が
り、背圧を抑制できる。また、連通溝21は、弾性部材
で形成された圧接面1bが孔3a内に圧接された状態
で、連通溝21の周囲の弾性部材により塞がれないよう
な大きさで形成されている。このように連通溝21は、
一端から他端への連通を確実に確保することができる。
【0034】また、連通溝21は、周方向の複数箇所に
設けられており、確実な連通を確保している。ここで、
連通溝21は少なくとも一つあればよい。なお、連通溝
21は、途中で屈曲したり湾曲してもよい。このように
本実施の形態によれば、環状の空間S5が連通溝21を
通じて反密封空間としての空間S3へ開放できるので、
環状の空間S5での背圧の上昇を抑制することができ
る。
【0035】このように、背圧抑制手段としての連通溝
21により、リップ18aの背圧が抑制されるので、リ
ップ18aの自封性の低下を防止することができる。な
お、上述の実施の形態では、リップ18aは、孔3aの
内周面3bとの間を封止していたが、これには限定され
ない。例えば、図3に示すように、リップ18aは、孔
3aの端面3cと当接して封止してもよい。オイルシー
ル1の端面1cに、固定側シール部18が、シール本体
17と一体に設けられている。この固定側シール部18
は、軸方向に反密封空間S2側に向けて突出する環状部
分であり、その突出する先端にリップ18aが形成され
ている。固定側シール部18は、シール本体17寄りに
あって径方向外方の受圧面18dと、先端寄りにあって
互いに反対方向に傾斜する第1傾斜面18bおよび第2
傾斜面18cとを有し、第1傾斜面18bおよび第2傾
斜面18cが互いに交差する先端縁に、リップ18aが
形成されている。リップ18aは、周囲部材3の端面3
cに接して封止する。リップ18aは、径方向の外方に
ある密封空間としての環状の空間S6と、径方向の内方
にある反密封空間S2とを仕切っている。リップ18a
は、密封空間からの内圧によって封止力を高める自封性
を有している。
【0036】このように、図3に示すリップ18aの場
合には、装着時にリップ18aと内周面3bとを擦らず
に済み、オイルシール1を装着し易い。また、圧接面1
bと内周面3bとの間が封止されている場合、密封空間
としての空間S6にかかる内圧は、油室S1にかかる内
圧よりも低圧となるので、リップ18aによる封止も確
実である。また、リップ18aの背後は開放されてお
り、リップ18aの背圧が高まる虞もないので、リップ
18aの自封性が低下する虞もない。従って、図3のオ
イルシール1には、上述の背圧抑制手段は設けられてい
ない。なお、リップ18aの径方向位置は、孔3aの端
面3cと当接できればよい。また、図3のリップ18a
が、上述した図1や図2に示すオイルシール1に設けら
れていてもよい。
【0037】また、固定側シール部18は、上述の構成
に限定されない。例えば、固定側シール部18は、装着
前の状態では傾斜していなくても、装着することにより
傾斜状になるものでもよいし、内圧を受けて傾斜状にな
るものでもよい。また、リップ18aと受圧面18dと
の相互の位置関係は、自封性を実現できればよい。ま
た、背圧を抑制するための構成を、例えば、周囲部材3
の孔3aに設ける場合には、オイルシール1から背圧抑
制手段を省略することも考えられる。
【0038】また、芯金11、シール本体17や内周シ
ール部12等の、移動部材との間を封止するための構成
は上述のものに限定されない。また、オイルシール1
は、固定部材としての軸と、この軸を取り囲み相対移動
する移動部材としての周囲部材3との間に配置されるも
のでもよい。また、上述の移動部材としては、回転軸2
や周囲部材3の他、軸方向に変位する軸や周囲部材3で
あってもよい。要は、軸とこの軸を取り囲み軸に対して
相対移動する周囲部材との間を封止するオイルシールで
あればよく、リップ18aが接する固定部材は、軸およ
び周囲部材の何れか一方であればよい。
【0039】その他、本発明の要旨を変更しない範囲で
種々の設計変更を施すことが可能である。
【0040】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、固定部
材と接する自封性のリップにより、内圧が高い場合であ
っても固定部材とオイルシールとの間を確実に封止する
ことができる。請求項2に記載の発明によれば、請求項
1に記載の発明の効果に加えて、万一、油等がリップの
背後に侵入する場合であっても、背圧抑制手段により背
圧を抑制でき、リップの自封性の低下を防止することが
できる。
【0041】請求項3に記載の発明によれば、圧接面に
より反密封空間からリップの背後への油等の侵入を防止
できる。また、万一、多少の油等が侵入するとしても、
この油等を広い環状溝内に溜めて、上述の背圧を抑制で
きる。請求項4に記載の発明によれば、環状の空間が連
通溝を通じて反密封空間へ開放できるので、環状の空間
での背圧の上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すオイルシール
の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示すオイルシール
の断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示すオイルシール
の断面図である。
【符号の説明】
1 オイルシール 1b 圧接面 2 回転軸 3 周囲部材 18a リップ 18c 第2傾斜面(リップの背面) 20 環状溝(背圧抑制手段) 21 連通溝(背圧抑制手段) S1 油室(密封空間) S2 反密封空間 S3 環状の空間(反密封空間) S4 環状溝と固定部材との間に区画される環状の空間
(反密封空間) S5 リップの背面と固定部材との間に区画される環状
の空間 S6 環状の空間(密封空間)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸とこの軸を取り囲み軸に対して相対移動
    する周囲部材との間を封止するオイルシールであって、 上記軸および周囲部材の何れか一方からなる固定部材と
    接し、密封空間の内圧によって封止力を高める自封性の
    リップを備えたことを特徴とするオイルシール。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のオイルシールにおいて、 上記リップよりも反密封空間側で、固定部材の全周に圧
    接される環状の圧接面と、 リップにかかる反密封空間からの背圧を抑制する背圧抑
    制手段とをさらに備えたことを特徴とするオイルシー
    ル。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のオイルシールにおいて、
    上記背圧抑制手段は、圧接面とリップとの間に形成さ
    れ、固定部材との間に環状の空間を区画する環状溝を含
    むことを特徴とするオイルシール。
  4. 【請求項4】請求項2に記載のオイルシールにおいて、
    上記背圧抑制手段は、リップの背面と固定部材との間に
    区画される環状の空間を圧接面で隔たる反密封空間に連
    通する連通溝を含むことを特徴とするオイルシール。
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