JP3599427B2 - バタフライ弁の軸封装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バタフライ弁の軸封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の軸封装置として、たとえば実公昭55−50439号公報に示されたような構成のものが知られている。これは、図5に示すように、円筒形弁箱101における軸受筒102内に環状の軸封部材103を、上記軸受筒102に支承された弁棒104に外嵌させて嵌入保持させ、さらに上記軸受筒102内に上記軸封部材103に対する押え筒105を上記弁棒104に外嵌させて嵌入し、上記軸受筒102の軸方向外端側に螺入されて上記押え筒105を軸方向内方へ変位させるボルト106を設けたものである。上記軸受部材103は、上記弁棒104に外嵌された金属製リング107と、この金属製リング107に嵌着される環状の弾性シール材108とからなり、この弾性シール材108は、上記金属製リング107の軸方向内端面、つまり弁体ボス部109との対向面を被う基部108aと上記金属製リング107の外周面を被う周壁部108bとから構成されている。
【0003】
上記構成の軸封装置において、ボルト106を螺じ込んで押え筒105を締め付けると、この押え筒105により上記軸封部材103が弁体ボス部109側に押圧されるので、弾性シール材108の基部108aが弁体ボス部109に圧接されて、この部位がシールされる一方、弾性シール材108の周壁部108bが弾性的に圧縮されて軸受筒102の内周面に圧接して、この部位がシールされ、また上記弾性シール材108の基部108aの内周面も上記弁棒104の外周に圧接する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような構成の従来のバタフライ弁の軸封装置は、軸封部材103における弾性シール材108の基部108aが押え筒105の押圧力を受けて平坦面のままで弁体ボス部109に圧接しているだけであるから、弁体(図示せず)の取付姿勢に傾きなどが生じると、その影響を受けてシール性が低下するおそれがあり、また、弾性シール材108の内周面が弁棒104の外周面に面接触するだけで、圧接力は比較的小さく、このため、上記軸封部材103と弁棒104との間からも漏れが生じる恐れがあり、シール機能の面で十分でなかった。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、弁体の傾きなどの影響を受けることなく、高いシール性能を発揮させることができるとともに、軸封部材と弁棒との間の漏れも確実に防止することができるバタフライ弁の軸封装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明に係るバタフライ弁の軸封装置は、弁軸における軸受筒に支承された弁棒に外嵌させて上記軸受筒内に嵌入保持された環状の軸封部材と、上記弁棒に外嵌させて上記軸受筒内に嵌入される押え筒とを備え、
上記軸封部材が、上記弁棒に外嵌される金属製リングと、この金属製リングの軸方向の内端面および外周面を被う状態で該リングに嵌着された環状の弾性シール材とから構成され、
上記押え筒が軸方向内方への締付力を受けて上記軸封部材を弁体ボス部側に向って押圧する状態を組付状態とし、
上記組付状態において、上記軸封部材によって軸受筒と弁棒との間がシールされるバタフライ弁の軸封装置において、
上記弾性シール材の内周面に上記弁棒の外周面に圧接する環状の突部が一体形成されているとともに、この弾性シール材の軸方向内端面がその内周側に至るにつれて軸方向の厚さが漸次増大し、かつ上記組付状態で圧縮変形して平坦化される傾斜面に形成されており、上記押え筒を軸方向内方に締め付けることで上記傾斜面が圧縮変形することにより、上記突部が径方向内方へ膨出して弁棒に対する圧接力が増大するものである。
【0007】
本第1発明によれば、押し筒を軸方向内方に締め付けることにより、この押し筒で環状の軸封部材が弁体ボス部側に押圧されて該軸封部材の弾性シール材が弾性的に圧縮される。このとき、弾性シール材の基部の内周面には、環状の突部が一体形成されているので、上記弾性シール材の内周面が弁棒の外周面に線接触する。一方、上記弾性シール材の基部の軸方向の内端面は径方向内方に向うにつれて軸方向の厚さが漸次増大する傾斜面に形成されているので、上記押し筒と弁体ボス部との間で圧縮された際の大きな弾性反力により弁体ボス部に対する圧接力が大きくなり、弁体に傾きなどがあっても、この部位でのシール性を良好に確保することが可能である。さらに、上記弾性シール材の基部が圧縮されることにより、上記突部を膨出させるので、弁軸の外周面に対しても大きな圧接力が得られ、上記弁軸と軸封部材との間の漏れも有効に防止することが可能である。
また、本第2発明に係るバタフライ弁の軸封装置は、弁軸における軸受筒に支承された弁棒に外嵌させて上記軸受筒内に嵌入保持された環状の軸封部材と、上記弁棒に外嵌させて上記軸受筒内に嵌入される押え筒とを備え、
上記軸封部材が、上記弁棒に外嵌される金属製リングと、この金属製リングの軸方向の内端面および外周面を被う状態で該リングに嵌着された環状の弾性シール材とから構成され、
上記押え筒が軸方向内方への締付力を受けて上記軸封部材を弁体ボス部側に向って押圧する状態を組付状態とし、
上記押え筒が軸方向内方への締付力を受けず上記軸封部材を弁体ボス部側に向って押圧していない状態を組付けていない状態とし、
上記組付状態において、上記軸封部材によって軸受筒と弁棒との間がシールされるバタフライ弁の軸封装置において、
上記弾性シール材の内周面に上記弁棒の外周面に圧接する環状の突部が一体形成されているとともに、この弾性シール材の軸方向内端面がその内周側に至るにつれて軸方向の厚さが漸次増大し、かつ上記組付状態で平坦化される傾斜面に形成されており、
上記組付けていない状態で上記突部が弁棒と接触せず、上記組付状態で上記突部が弁棒の外周面に圧接するように、上記突部の内径を弁棒の直径よりも大きく形成しているものである。
本第2発明によれば、組付性が良くなり、突部の損傷が防止される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態による軸封装置が適用されたバタフライ弁を示す縦断正面図である。
【0009】
図1において、1は円筒形の弁箱、2は該弁箱1内に配設された円板状の弁体である。上記弁箱1の上部および下部には、それぞれ該弁箱1内に連通する軸受筒3,3がそれぞれ形成されており、これら上下の軸受筒3,3には、上記弁体2の上部および下部に連結された弁棒4,4がそれぞれ支承されている。上部の弁棒4は軸受筒3の上方に突出して、たとえば減速回転駆動機構(図示せず)により回転駆動されるようになっている。上記上下の弁棒4,4の支承部位には、軸封装置5,5がそれぞれ装備されている。これら上下の軸封装置5,5は同じ構成であるので、上部の軸封装置5を代表として図2で説明する。
【0010】
図2において、11は環状の軸封部材であり、上記軸受筒3内に、弁棒4に外嵌させて嵌入保持されている。12は上記軸封部材11に対する押え筒であり、軸方向外端にフランジ12aが一体形成されており、上記軸受筒3内に上記弁棒4に外嵌させて嵌入されている。13は上記押え筒12の内周面側に配設されたブッシュである。上記押え筒12のフランジ12aに形成されたボルト挿通孔14には、上記軸受筒3の軸方向の外端面側に形成されたねじ孔部15に螺入されて上記押え筒12を軸方向内方に締め付けるボルト16が挿通されている。17は弁棒4を取り囲んで形成された弁体ボス部、18は弁体ボス部17よりも軸方向外方側に位置させて該ボス部17に固定されたリングである。
【0011】
上記環状の軸封部材11は、図3および図4に示すように、弁棒4に外嵌された金属製リング19と、この金属製リング19に嵌着されたゴムなどからなる環状の弾性シール材20とで構成されている。この弾性シール材20は、上記金属製リング19の軸方向内端面、つまり弁体ボス部17との対向面を被う基部20aと、上記金属製リング19の外周側を被い、かつ該リング19の軸方向外端より僅かに突出する周壁部20bとが一体連設されて横断面略L形に形成されている。20cは上記周壁部20bに形成されて上記金属製リング19の係合凹所19aに係合する係止突起である。上記弾性シール材20における基部20aの内周面には、上記弁棒4の外周面に圧接する環状の突部20dが一体形成されており、また、上記基部20aの軸方向内端面20eは弁体ボス部17に対する摺動面として構成されるとともに、組付前の状態では、図4に示すように、径方向内方に向うにつれて軸方向の厚さが漸次増大するような傾斜面に形成されている。なお、上記金属製リング19の軸方向外端面には、図3に示すように、周方向に等間隔を隔てて複数の軸孔21が形成されており、この軸孔21に、上記押え筒12側の軸孔22に嵌入される連結軸23が植立されるようになっている。
【0012】
図2において、24は上記押え筒12と弁棒4との間に介在されたVパッキン、25はパッキン押え部材、26は上記押え筒12に設けられて上記パッキン押え部材25をナット27で締め付ける植込ボルトである。
【0013】
上記構成の軸封装置においては、軸孔21に連結軸23を植立させた軸封部材11を軸受筒3内に弁棒4に外嵌させて嵌入保持した後、押え筒12を上記軸受筒3内に嵌入し、この押え筒12側の軸孔22を上記連結軸23に嵌合させる。この状態で、上記押え筒12のフランジ12a側のボルト16を螺じ込み操作して上記押え筒12を軸方向内方へ締め付けると、上記軸封部材11が押圧されるので、弾性シール材20の基部20aの傾斜面20eがリング18を介して弁体ボス部17に圧接し、図3の鎖線で示す状態から同図の実線で示すように弾性的に圧縮変形して平坦化する。この時の弾性反力で大きな圧接力が作用するので、弁体2の取付姿勢に傾きなどがあっても、この部分を確実にシールすることができる。また、上記押え筒12により弾性シール材20の周壁部20bが軸方向に圧縮されて厚肉となるので、軸受筒3の内周面に強く圧接し、この部位も有効にシールされる。とくに、上記弾性シール材20における基部20aの内周面に形成されている環状の突部20dが上記弁棒4の外周面に接触し、しかも上記基部20aの摺動面20eが組付状態で圧縮されることにより、これが上記突部20dを径方向内方へさらに膨出させることになる。このため、上記弁棒4に対して高い接圧を得ることができ、弁棒4の外周面と押え筒12の内周面との間からの漏れを確実に防止することができる。上記突部20dの横断面形状は、半球状のものに限らず、三角形状など、任意の形状を選択できるものである。
【0014】
ところで、上記弾性シール材20の突部20dの内径φdが弁棒4の直径φD以下になると、弾性シール材20の組付作業性が悪く、上記突部20dを損傷させるおそれがある。したがって、上記内径φdは直径φDよりも数mm(約1〜1.5mm)大きくしておくことで、組付性も良くなり、突部20dの損傷が防止される。この場合、上記突部20dが弁棒4の外周面に対して圧接することによる効果は、軸封部材11に対する締付力を強くすることにより、十分発揮される。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、本第1発明によれば、弁棒に外嵌させて軸受筒内に嵌入保持された環状の軸封部材における弾性シール材の内周面に上記弁棒に圧接する環状の突部を形成するとともに、上記弾性シール材の基部における軸方向内端面を径方向内方に向うにつれて軸方向の厚さが漸次増大し、かつ組付状態で平坦化される傾斜面に形成しているので、弁体の傾きなどに関係なく、弁体ボス部との間のシール性を良好に発揮させることができる。しかも、弁棒の外周面と押え筒の内周面とのシール性能も高めて、この部位での漏れも確実に防止することができる。
また、本第2発明によれば、組付性が良くなり、突部の損傷が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による軸封装置が適用されたバタフライ弁を示す縦断正面図である。
【図2】同上実施の形態における軸封装置を示す縦断正面図である。
【図3】同軸封装置における軸封部材を組付状態で示す半分縦断正面図である。
【図4】同軸封部材を組付前の状態で示す半分縦断正面図である。
【図5】従来のバタフライ弁の軸封装置を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 弁箱
3 軸受筒
4 弁棒
11 軸封部材
12 押え筒
17 弁体ボス部
19 金属製リング
20 弾性シール材
20d 環状の突部
20e 傾斜面
【発明の属する技術分野】
本発明は、バタフライ弁の軸封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の軸封装置として、たとえば実公昭55−50439号公報に示されたような構成のものが知られている。これは、図5に示すように、円筒形弁箱101における軸受筒102内に環状の軸封部材103を、上記軸受筒102に支承された弁棒104に外嵌させて嵌入保持させ、さらに上記軸受筒102内に上記軸封部材103に対する押え筒105を上記弁棒104に外嵌させて嵌入し、上記軸受筒102の軸方向外端側に螺入されて上記押え筒105を軸方向内方へ変位させるボルト106を設けたものである。上記軸受部材103は、上記弁棒104に外嵌された金属製リング107と、この金属製リング107に嵌着される環状の弾性シール材108とからなり、この弾性シール材108は、上記金属製リング107の軸方向内端面、つまり弁体ボス部109との対向面を被う基部108aと上記金属製リング107の外周面を被う周壁部108bとから構成されている。
【0003】
上記構成の軸封装置において、ボルト106を螺じ込んで押え筒105を締め付けると、この押え筒105により上記軸封部材103が弁体ボス部109側に押圧されるので、弾性シール材108の基部108aが弁体ボス部109に圧接されて、この部位がシールされる一方、弾性シール材108の周壁部108bが弾性的に圧縮されて軸受筒102の内周面に圧接して、この部位がシールされ、また上記弾性シール材108の基部108aの内周面も上記弁棒104の外周に圧接する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような構成の従来のバタフライ弁の軸封装置は、軸封部材103における弾性シール材108の基部108aが押え筒105の押圧力を受けて平坦面のままで弁体ボス部109に圧接しているだけであるから、弁体(図示せず)の取付姿勢に傾きなどが生じると、その影響を受けてシール性が低下するおそれがあり、また、弾性シール材108の内周面が弁棒104の外周面に面接触するだけで、圧接力は比較的小さく、このため、上記軸封部材103と弁棒104との間からも漏れが生じる恐れがあり、シール機能の面で十分でなかった。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、弁体の傾きなどの影響を受けることなく、高いシール性能を発揮させることができるとともに、軸封部材と弁棒との間の漏れも確実に防止することができるバタフライ弁の軸封装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明に係るバタフライ弁の軸封装置は、弁軸における軸受筒に支承された弁棒に外嵌させて上記軸受筒内に嵌入保持された環状の軸封部材と、上記弁棒に外嵌させて上記軸受筒内に嵌入される押え筒とを備え、
上記軸封部材が、上記弁棒に外嵌される金属製リングと、この金属製リングの軸方向の内端面および外周面を被う状態で該リングに嵌着された環状の弾性シール材とから構成され、
上記押え筒が軸方向内方への締付力を受けて上記軸封部材を弁体ボス部側に向って押圧する状態を組付状態とし、
上記組付状態において、上記軸封部材によって軸受筒と弁棒との間がシールされるバタフライ弁の軸封装置において、
上記弾性シール材の内周面に上記弁棒の外周面に圧接する環状の突部が一体形成されているとともに、この弾性シール材の軸方向内端面がその内周側に至るにつれて軸方向の厚さが漸次増大し、かつ上記組付状態で圧縮変形して平坦化される傾斜面に形成されており、上記押え筒を軸方向内方に締め付けることで上記傾斜面が圧縮変形することにより、上記突部が径方向内方へ膨出して弁棒に対する圧接力が増大するものである。
【0007】
本第1発明によれば、押し筒を軸方向内方に締め付けることにより、この押し筒で環状の軸封部材が弁体ボス部側に押圧されて該軸封部材の弾性シール材が弾性的に圧縮される。このとき、弾性シール材の基部の内周面には、環状の突部が一体形成されているので、上記弾性シール材の内周面が弁棒の外周面に線接触する。一方、上記弾性シール材の基部の軸方向の内端面は径方向内方に向うにつれて軸方向の厚さが漸次増大する傾斜面に形成されているので、上記押し筒と弁体ボス部との間で圧縮された際の大きな弾性反力により弁体ボス部に対する圧接力が大きくなり、弁体に傾きなどがあっても、この部位でのシール性を良好に確保することが可能である。さらに、上記弾性シール材の基部が圧縮されることにより、上記突部を膨出させるので、弁軸の外周面に対しても大きな圧接力が得られ、上記弁軸と軸封部材との間の漏れも有効に防止することが可能である。
また、本第2発明に係るバタフライ弁の軸封装置は、弁軸における軸受筒に支承された弁棒に外嵌させて上記軸受筒内に嵌入保持された環状の軸封部材と、上記弁棒に外嵌させて上記軸受筒内に嵌入される押え筒とを備え、
上記軸封部材が、上記弁棒に外嵌される金属製リングと、この金属製リングの軸方向の内端面および外周面を被う状態で該リングに嵌着された環状の弾性シール材とから構成され、
上記押え筒が軸方向内方への締付力を受けて上記軸封部材を弁体ボス部側に向って押圧する状態を組付状態とし、
上記押え筒が軸方向内方への締付力を受けず上記軸封部材を弁体ボス部側に向って押圧していない状態を組付けていない状態とし、
上記組付状態において、上記軸封部材によって軸受筒と弁棒との間がシールされるバタフライ弁の軸封装置において、
上記弾性シール材の内周面に上記弁棒の外周面に圧接する環状の突部が一体形成されているとともに、この弾性シール材の軸方向内端面がその内周側に至るにつれて軸方向の厚さが漸次増大し、かつ上記組付状態で平坦化される傾斜面に形成されており、
上記組付けていない状態で上記突部が弁棒と接触せず、上記組付状態で上記突部が弁棒の外周面に圧接するように、上記突部の内径を弁棒の直径よりも大きく形成しているものである。
本第2発明によれば、組付性が良くなり、突部の損傷が防止される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態による軸封装置が適用されたバタフライ弁を示す縦断正面図である。
【0009】
図1において、1は円筒形の弁箱、2は該弁箱1内に配設された円板状の弁体である。上記弁箱1の上部および下部には、それぞれ該弁箱1内に連通する軸受筒3,3がそれぞれ形成されており、これら上下の軸受筒3,3には、上記弁体2の上部および下部に連結された弁棒4,4がそれぞれ支承されている。上部の弁棒4は軸受筒3の上方に突出して、たとえば減速回転駆動機構(図示せず)により回転駆動されるようになっている。上記上下の弁棒4,4の支承部位には、軸封装置5,5がそれぞれ装備されている。これら上下の軸封装置5,5は同じ構成であるので、上部の軸封装置5を代表として図2で説明する。
【0010】
図2において、11は環状の軸封部材であり、上記軸受筒3内に、弁棒4に外嵌させて嵌入保持されている。12は上記軸封部材11に対する押え筒であり、軸方向外端にフランジ12aが一体形成されており、上記軸受筒3内に上記弁棒4に外嵌させて嵌入されている。13は上記押え筒12の内周面側に配設されたブッシュである。上記押え筒12のフランジ12aに形成されたボルト挿通孔14には、上記軸受筒3の軸方向の外端面側に形成されたねじ孔部15に螺入されて上記押え筒12を軸方向内方に締め付けるボルト16が挿通されている。17は弁棒4を取り囲んで形成された弁体ボス部、18は弁体ボス部17よりも軸方向外方側に位置させて該ボス部17に固定されたリングである。
【0011】
上記環状の軸封部材11は、図3および図4に示すように、弁棒4に外嵌された金属製リング19と、この金属製リング19に嵌着されたゴムなどからなる環状の弾性シール材20とで構成されている。この弾性シール材20は、上記金属製リング19の軸方向内端面、つまり弁体ボス部17との対向面を被う基部20aと、上記金属製リング19の外周側を被い、かつ該リング19の軸方向外端より僅かに突出する周壁部20bとが一体連設されて横断面略L形に形成されている。20cは上記周壁部20bに形成されて上記金属製リング19の係合凹所19aに係合する係止突起である。上記弾性シール材20における基部20aの内周面には、上記弁棒4の外周面に圧接する環状の突部20dが一体形成されており、また、上記基部20aの軸方向内端面20eは弁体ボス部17に対する摺動面として構成されるとともに、組付前の状態では、図4に示すように、径方向内方に向うにつれて軸方向の厚さが漸次増大するような傾斜面に形成されている。なお、上記金属製リング19の軸方向外端面には、図3に示すように、周方向に等間隔を隔てて複数の軸孔21が形成されており、この軸孔21に、上記押え筒12側の軸孔22に嵌入される連結軸23が植立されるようになっている。
【0012】
図2において、24は上記押え筒12と弁棒4との間に介在されたVパッキン、25はパッキン押え部材、26は上記押え筒12に設けられて上記パッキン押え部材25をナット27で締め付ける植込ボルトである。
【0013】
上記構成の軸封装置においては、軸孔21に連結軸23を植立させた軸封部材11を軸受筒3内に弁棒4に外嵌させて嵌入保持した後、押え筒12を上記軸受筒3内に嵌入し、この押え筒12側の軸孔22を上記連結軸23に嵌合させる。この状態で、上記押え筒12のフランジ12a側のボルト16を螺じ込み操作して上記押え筒12を軸方向内方へ締め付けると、上記軸封部材11が押圧されるので、弾性シール材20の基部20aの傾斜面20eがリング18を介して弁体ボス部17に圧接し、図3の鎖線で示す状態から同図の実線で示すように弾性的に圧縮変形して平坦化する。この時の弾性反力で大きな圧接力が作用するので、弁体2の取付姿勢に傾きなどがあっても、この部分を確実にシールすることができる。また、上記押え筒12により弾性シール材20の周壁部20bが軸方向に圧縮されて厚肉となるので、軸受筒3の内周面に強く圧接し、この部位も有効にシールされる。とくに、上記弾性シール材20における基部20aの内周面に形成されている環状の突部20dが上記弁棒4の外周面に接触し、しかも上記基部20aの摺動面20eが組付状態で圧縮されることにより、これが上記突部20dを径方向内方へさらに膨出させることになる。このため、上記弁棒4に対して高い接圧を得ることができ、弁棒4の外周面と押え筒12の内周面との間からの漏れを確実に防止することができる。上記突部20dの横断面形状は、半球状のものに限らず、三角形状など、任意の形状を選択できるものである。
【0014】
ところで、上記弾性シール材20の突部20dの内径φdが弁棒4の直径φD以下になると、弾性シール材20の組付作業性が悪く、上記突部20dを損傷させるおそれがある。したがって、上記内径φdは直径φDよりも数mm(約1〜1.5mm)大きくしておくことで、組付性も良くなり、突部20dの損傷が防止される。この場合、上記突部20dが弁棒4の外周面に対して圧接することによる効果は、軸封部材11に対する締付力を強くすることにより、十分発揮される。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、本第1発明によれば、弁棒に外嵌させて軸受筒内に嵌入保持された環状の軸封部材における弾性シール材の内周面に上記弁棒に圧接する環状の突部を形成するとともに、上記弾性シール材の基部における軸方向内端面を径方向内方に向うにつれて軸方向の厚さが漸次増大し、かつ組付状態で平坦化される傾斜面に形成しているので、弁体の傾きなどに関係なく、弁体ボス部との間のシール性を良好に発揮させることができる。しかも、弁棒の外周面と押え筒の内周面とのシール性能も高めて、この部位での漏れも確実に防止することができる。
また、本第2発明によれば、組付性が良くなり、突部の損傷が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による軸封装置が適用されたバタフライ弁を示す縦断正面図である。
【図2】同上実施の形態における軸封装置を示す縦断正面図である。
【図3】同軸封装置における軸封部材を組付状態で示す半分縦断正面図である。
【図4】同軸封部材を組付前の状態で示す半分縦断正面図である。
【図5】従来のバタフライ弁の軸封装置を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 弁箱
3 軸受筒
4 弁棒
11 軸封部材
12 押え筒
17 弁体ボス部
19 金属製リング
20 弾性シール材
20d 環状の突部
20e 傾斜面
Claims (2)
- 弁軸における軸受筒に支承された弁棒に外嵌させて上記軸受筒内に嵌入保持された環状の軸封部材と、上記弁棒に外嵌させて上記軸受筒内に嵌入される押え筒とを備え、
上記軸封部材が、上記弁棒に外嵌される金属製リングと、この金属製リングの軸方向の内端面および外周面を被う状態で該リングに嵌着された環状の弾性シール材とから構成され、
上記押え筒が軸方向内方への締付力を受けて上記軸封部材を弁体ボス部側に向って押圧する状態を組付状態とし、
上記組付状態において、上記軸封部材によって軸受筒と弁棒との間がシールされるバタフライ弁の軸封装置において、
上記弾性シール材の内周面に上記弁棒の外周面に圧接する環状の突部が一体形成されているとともに、この弾性シール材の軸方向内端面がその内周側に至るにつれて軸方向の厚さが漸次増大し、かつ上記組付状態で圧縮変形して平坦化される傾斜面に形成されており、上記押え筒を軸方向内方に締め付けることで上記傾斜面が圧縮変形することにより、上記突部が径方向内方へ膨出して弁棒に対する圧接力が増大することを特徴とするバタフライ弁の軸封装置。 - 弁軸における軸受筒に支承された弁棒に外嵌させて上記軸受筒内に嵌入保持された環状の軸封部材と、上記弁棒に外嵌させて上記軸受筒内に嵌入される押え筒とを備え、
上記軸封部材が、上記弁棒に外嵌される金属製リングと、この金属製リングの軸方向の内端面および外周面を被う状態で該リングに嵌着された環状の弾性シール材とから構成され、
上記押え筒が軸方向内方への締付力を受けて上記軸封部材を弁体ボス部側に向って押圧する状態を組付状態とし、
上記押え筒が軸方向内方への締付力を受けず上記軸封部材を弁体ボス部側に向って押圧していない状態を組付けていない状態とし、
上記組付状態において、上記軸封部材によって軸受筒と弁棒との間がシールされるバタフライ弁の軸封装置において、
上記弾性シール材の内周面に上記弁棒の外周面に圧接する環状の突部が一体形成されているとともに、この弾性シール材の軸方向内端面がその内周側に至るにつれて軸方向の厚さが漸次増大し、かつ上記組付状態で平坦化される傾斜面に形成されており、
上記組付けていない状態で上記突部が弁棒と接触せず、上記組付状態で上記突部が弁棒の外周面に圧接するように、上記突部の内径を弁棒の直径よりも大きく形成していることを特徴とするバタフライ弁の軸封装置。
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