JPS6229745Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はメカニカル管継手に関する。

従来のメカニカル管継手は、受口内面と挿口外
面の間に配置されたシール材に受口開口側から押
輪を当接させ、周方向に複数配置された管軸方向
のボルトにより押輪を受口に締付けることによつ
て、押輪によりシール材を圧縮させ、これにより
シール機能を得るとともに受口と挿口とを互いに
固定するのが主となつている。しかし、ボルト締
めは時間を要し、管が大口径になればなるほどボ
ルト本数も増えて施工時間が増大するため、この
ボルト締め作業が施工上のネツクになるという問
題がある。

そこで本考案は、上記従来のメカニカル管継手
における問題点を解消し、シール材の圧縮作業を
簡単化して施工時間の短縮化を図ることを目的と
するものである。

この目的を達成するため本考案は、受口内面と
挿口外面との間に、環状のシール材と、このシー
ル材に当接する押輪とを、受口奥側から開口側に
向けてこの順に配置し、前記押輪よりも開口側に
おける受口部分に半径方向の貫通孔を周方向に複
数設け、前記貫通孔に挿通される軸棒と、この軸
棒と一体的に構成されかつこの軸棒の回動により
前記押輪を押圧して前記シール材を圧縮可能なカ
ム部材とを有する圧縮用カムを、各貫通孔ごとに
設けたものである。

したがつて、軸棒を半回転させる程度の簡単な
操作で確実にシール材を圧縮できるため、シール
材の圧縮作業を短時間のうちに完了でき、しかも
受口の開口端部および押輪は、従来のボルト式の
もののようなフランジ形とする必要がないため、
継手部の小形化が可能となる。

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。第１図において、１は受口、２は挿口で
あり、受口１の内部には開口側に向けて拡径する
テーパ状のシール材圧接面３が形成されている。
このシール材圧接面３と挿口２の外面４との間に
は、ゴム製の環状シール材５が介装されている。
シール材圧接面３よりも開口側には、挿口２の外
面４から半径方向の距離をおいた内周面６が形成
され、この内周面６と挿口２の外面４との間に環
状空間７が形成されている。環状空間７内には、
シール材５に当接する周方向ひとつ割りの押輪８
が配置されている。

押輪８よりも開口側における受口１部分には、
半径方向の貫通孔９が周方向に複数形成されてお
り、各貫通孔９ごとに圧縮用カム１０が設けられ
ている。この圧縮用カム１０において、１１は貫
通孔９に挿通される軸棒であり、受口１からの半
径方向外方への突出部には六角頭部１２が形成さ
れている。１３は軸棒１１と一体に形成されたカ
ム部材であり、軸棒１１の回動により環状空間７
内で旋回可能とされている。カム部材１３の突端
には広幅の当接面１４が形成され、軸棒１１の回
動によりこの当接面１４が押輪８の側面に当接す
るように構成されている。当接面１４を挟んだ両
肩にはアール部１５が形成されている。なお１６
は抜け止めワツシヤであり、軸棒１１に形成され
た環状溝１７に嵌め込まれ、受口１の外面１８に
係止することにより圧縮用カム１０が貫通孔９か
ら抜け落ちるのを防止している。

このような構成において、管を接続する場合に
は、まず受口１の内面にシール材５と押輪８とを
預け、次に貫通孔９に軸棒１１を挿通させ、かつ
環状溝１７に抜け止めワツシヤ１６を嵌め込ん
で、複数の圧縮用カム１０を受口１に取り付け
る。この状態で挿口２を受口１内に徐々に挿入す
る。図示のように、挿口２の先端がシール材５よ
りも受口奥側の所定位置に達したならその挿入を
停止し、軸棒１１の六角頭部１２にスパナ等を係
合させてこの軸棒１１を回動させ、カム部材１３
を旋回させて当接面１４を押輪８の側面に当接さ
せる。

すると、シール材５は圧縮カム１０の作用によ
り押輪８を介して圧縮されることになり、所定の
シール機能が得られるとともに、受口１と挿口２
との固定がなされる。その後は、シール材５の反
発力により当接面１４が押輪８にて押圧され、圧
縮用カム１０の回り止めが施されることになつ
て、締付状態が保持される。また、カム部材１３
にはアール部１５が形成されているため、軸棒１
１の回動時には前記シール材５の反発力に抗して
カム部材１３を旋回しやすいという利点がある。

このように本考案によれば、軸棒１１を半回転
させる程度の簡単な操作で確実にシール材５を圧
縮できるため、シール材５の圧縮作業を短時間の
うちに完了できる。また、受口１には貫通孔９を
形成するだけでよく、従来のボルト式のメカニカ
ル管継手のように受口１の開口端部および押輪８
をフランジ形とする必要がないため、継手部の小
形化が可能となる。

以上の実施例においては、軸棒１１とカム部材
１３とが一体の部材により構成された圧縮用カム
１０を示したが、この圧縮用カム１０は、第２図
に示すように、カム部材１９に軸棒２０をねじ込
んで一体化するようにしたものであつてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案の一実施例を示す図、第
２図ａ，ｂは圧縮用カムの他の実施例を示す図で
ある。 １……受口、２……挿口、４……外面、５……
シール材、８……押輪、９……貫通孔、１０……
圧縮用カム、１１，２０……軸棒、１３，１９…
…カム部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受口内面と挿口外面との間に、環状のシール材
   と、このシール材に当接する押輪とを、受口奥側
   から開口側に向けてこの順に配置し、前記押輪よ
   りも開口側における受口部分に半径方向の貫通孔
   を周方向に複数設け、前記貫通孔に挿通される軸
   棒と、この軸棒と一体的に構成されかつこの軸棒
   の回動により前記押輪を押圧して前記シール材を
   圧縮可能なカム部材とを有する圧縮用カムを、各
   貫通孔ごとに設けたことを特徴とするメカニカル
   管継手。