JP2000088000A - ダンパー機構 - Google Patents

ダンパー機構

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JP2000088000A
JP2000088000A JP10264921A JP26492198A JP2000088000A JP 2000088000 A JP2000088000 A JP 2000088000A JP 10264921 A JP10264921 A JP 10264921A JP 26492198 A JP26492198 A JP 26492198A JP 2000088000 A JP2000088000 A JP 2000088000A
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friction
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torque
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秀樹 橋本
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繁群 大下本
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/12Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon
    • F16F15/121Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon using springs as elastic members, e.g. metallic springs
    • F16F15/123Wound springs
    • F16F15/1238Wound springs with pre-damper, i.e. additional set of springs between flange of main damper and hub

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段特性を有するダンパー機構においてヒス
テリシストルクの立ち上がりを緩和することにより音や
振動を生じにくくする。 【解決手段】 ダンパー機構4は、入力回転部材2とハ
ブ3とダンパーとを備えている。ダンパーは入力回転部
材2とハブ3との間に配置され両部材間でトルクを伝達
するとともに捩り振動を減衰するための機構である。ダ
ンパーは、第2バネ21と、バネ206と、第1バネ1
6と、摩擦機構242とを含んでいる。バネ206は第
2バネ21と直列に作用するように配置され、第2バネ
21より剛性が高い。第1バネ16はバネ206に対し
て直列に作用するように配置されている。摩擦機構24
2は第1バネ16と並列に作用するように配置されてい
る。バネ206が発生するトルクは第1バネ16のイニ
シャルトルクと摩擦機構242のヒステリシストルクの
合計より大きくなり得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパー機構、特
に、捩り特性において多段の特性、少なくとも3段の特
性を有するダンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】車輌のクラッチに用いられるクラッチデ
ィスク組立体は、フライホイールに連結及び連結解除さ
れるクラッチ機能と、捩り振動を吸収・減衰するための
ダンパー機能とを有している。クラッチディスク組立体
は、クラッチ連結部と、クラッチ連結部に固定された1
対の入力プレートと、入力プレートの内周側に配置され
たハブと、ハブと入力プレートとを回転方向に弾性的に
連結する弾性部材とを備えている。ここでは、1対の入
力プレート、ハブ及び弾性部材によりダンパー機構が構
成されている。
【0003】クラッチ連結部がフライホイールに連結さ
れると、フライホイールからクラッチディスク組立体に
トルクが入力される。トルクは弾性部材を介してハブに
連結され、さらにトランスミッションから延びるシャフ
トに出力される。エンジンからのトルク変動がクラッチ
ディスク組立体に入力されると、入力プレートとハブと
の間で相対回転が生じ、弾性部材が回転方向に繰り返し
圧縮される。クラッチディスク組立体は、入力側プレー
トとハブとの間に配置され、両部材が相対回転するとき
に摩擦抵抗を発生するための摩擦機構をさらに備えてい
る。摩擦機構は複数のワッシャーや付勢部材から構成さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のクラッチディス
ク組立体においては、音・振動対策を目的として捩り特
性を4段特性化することが行われている。1段目では低
剛性であり、2段目は中剛性であり、3,4段目では高
剛性となっている。4段特性化するためには、4種類の
弾性部材が、捩り角度が大きくなるにつれて順番に圧縮
されるように配置されている。具体的には、2,3及び
4段目の弾性部材は例えばハブのフランジに形成された
窓孔内に配置されており、1対のプレートとの間で弾性
部材同士互いに並列に機能するようになっている。
【0005】摩擦機構は、例えば、1段目においては低
ヒステリシストルクを発生する第1摩擦機構と、1段目
では作用せず2,3,4段目において高ヒステリシスト
ルクを発生する第2摩擦機構とから構成されている。以
上の構造により、例えば、2段目の開始時(1段目と2
段目の境界)では、剛性の変化以外にヒステリシストル
クの大きさが急激に変化する。
【0006】アイドリング時の微少振動は主に正負1段
目で動作し、低剛性・低ヒステリシストルクの特性によ
り吸収される。しかし、正負1段目範囲で作用する振動
が正負2段目まで広がる場合において、正負両端部にお
いて例えば2段目の高ヒステリシストルクの壁によって
跳ね返され、振動が悪化する(ジャンピング現象)こと
が考えられる。
【0007】本発明の目的は、多段特性化されたダンパ
ー機構においてヒステリシストルクの立ち上がりを緩和
することにより音や振動を生じにくくすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダンパ
ー機構は、第1回転部材と、第2回転部材とダンパーと
を備えている。第2回転部材は第1回転部材に相対回転
可能に配置されている。ダンパーは、第1回転部材と第
2回転部材との間に配置され、両部材間でトルクを伝達
するとともに捩じり振動を減衰するための機構である。
ダンパーは、捩じり特性1段目で圧縮される第1弾性部
材と、捩じり特性2段目でのみ圧縮されて1段目より高
い剛性をもたらすための第2弾性部材と、第2弾性部材
に対して直列に作用するように配置された第3弾性部材
と、第3弾性部材と並列に作用するように配置された摩
擦機構とを含んでいる。第2弾性部材が発生するトルク
は第3弾性部材のイニシャルトルクと摩擦機構のヒステ
リシストルクの合計より大きくなり得る。
【0009】請求項1に記載のダンパー機構では、例え
ば第1回転部材にトルクが入力されると、ダンパーを介
して第2回転部材にトルクが伝達される。第1回転部材
と第2回転部材とが捩り振動により相対回転すると、ダ
ンパーにおける第1、第2、第3弾性部材が回転方向に
圧縮され、さらには摩擦機構で滑りが生じる。捩じり特
性1段目では第1弾性部材が圧縮され、2段目では第2
弾性部材が圧縮されて1段目より高い剛性が得られる。
2段目において第2弾性部材の圧縮が進むと第2弾性部
材により発生するトルクが第3弾性部材のイニシャルト
ルク及び摩擦機構で発生するヒステリシストルクの合計
を超え、第3弾性部材が第2弾性部材と回転方向に直列
に作用し、摩擦機構で滑りが生じる。すなわち、2段目
において摩擦機構に滑りが生じ、それまでより高いヒス
テリシストルクが発生する。このため、ヒステリシスト
ルクが急激に立ち上がることはなく、振動を効果的に吸
収できる。
【0010】請求項2に記載のダンパー機構は、請求項
1において、第2弾性部材と第3弾性部材との間にトル
クを伝達するように配置された中間部材をさらに備えて
いる。第1弾性部材と第2弾性部材は第1回転部材と中
間部材との間にトルクを伝達するように配置されてい
る。第3弾性部材は中間部材と第2回転部材との間にト
ルクを伝達するように配置されている。第1回転部材と
中間部材は、円周方向に所定の隙間を有するストッパー
機構を構成している。
【0011】請求項2に記載のダンパー機構では、スト
ッパー機構において第1回転部材と中間部材が当接する
と、第2弾性部材はそれ以上圧縮されず、第3弾性部材
のみが圧縮される。その圧縮中に摩擦機構によって第2
弾性部材が圧縮されていたときに比べて大きな摩擦が発
生する。請求項3に記載のダンパー機構は、第1回転部
材と、第2回転部材とダンパーとを備えている。第2回
転部材は第1回転部材に相対回転可能に配置されてい
る。ダンパーは、第1回転部材と第2回転部材との間に
配置され、両部材間でトルクを伝達するとともに捩じり
振動を減衰するための機構である。ダンパーは、第1回
転部材と第2回転部材の間で第1回転部材側に配置され
た第1中間部材と、第1中間部材と第1回転部材とを回
転方向に弾性的に連結し捩じり特性1段目で圧縮される
第1弾性部材と、第1回転部材と第2回転部材の間で第
2回転部材側に配置された第2中間部材と、第1中間部
材と第2中間部材とを回転方向に弾性的に連結するため
の部材であり第1弾性部材より剛性が高く捩じり特性2
段目でのみ圧縮される第2弾性部材と、第2中間部材と
第2回転部材とを回転方向に弾性的に連結するための第
3弾性部材と、第2中間部材と第2回転部材が相対回転
すると摩擦を発生する摩擦機構とを含む。第2弾性部材
が発生するトルクは第3弾性部材のイニシャルトルクと
摩擦機構のヒステリシストルクの合計より大きくなり得
る。
【0012】請求項3に記載のダンパー機構では、例え
ば第1回転部材にトルクが入力されると、ダンパーを介
して第2回転部材にトルクが伝達される。第1回転部材
と第2回転部材とが捩り振動により相対回転すると、ダ
ンパーにおける第1、第2、第3弾性部材が回転方向に
圧縮され、摩擦機構で滑りが生じる。捩じり特性におい
て1段目では第1弾性部材が圧縮され、2段目では第2
弾性部材が圧縮されて1段目より高い剛性が得られる。
2段目において第2弾性部材の圧縮が進むにつれて第2
弾性部材が発生するトルクが第3弾性部材のイニシャル
トルク及び摩擦機構で発生するヒステリシストルクの合
計を超えると、第3弾性部材が第2弾性部材と回転方向
に直列に作用し、摩擦機構で滑りが生じる。すなわち、
2段目から摩擦機構に滑りが生じ、それまでより高いヒ
ステリシストルクが発生する。このため、ヒステリシス
トルクが急激に立ち上がることはなく、振動を効果的に
吸収できる。
【0013】請求項4に記載のダンパー機構は、請求項
3において、第1回転部材と第2中間部材は、円周方向
に所定の隙間を有するストッパー機構を構成している。
請求項4に記載のダンパー機構では、ストッパー機構に
おいて第1回転部材と第2中間部材が当接すると、第2
弾性部材はそれ以上圧縮されず、第3弾性部材のみが圧
縮される。そのときに摩擦機構によって第2弾性部材が
圧縮されていたときに比べて大きな摩擦が発生する。
【0014】請求項5に記載のダンパー機構は、請求項
3又は4において、第2中間部材と前記第2回転部材
は、前記摩擦機構を構成している。請求項6に記載のダ
ンパー機構では、請求項1〜5のいずれかにおいて、第
3弾性部材は第2弾性部材より剛性が高い。請求項6に
記載のダンパー機構では、第2弾性部材の圧縮が停止さ
れると、それ以降は第2弾性部材のみが圧縮されていた
ときより高い剛性が第3弾性部材によって得られる。
【0015】請求項7に記載のダンパー機構は、請求項
1〜6のいずれかにおいて、第3弾性部材と並列に作用
するように配置され所定捩じり角度までは作用しないよ
うになっている第4弾性部材をさらに備えている。請求
項7に記載のダンパー機構では、第3弾性部材のみが圧
縮されている途中で第4弾性部材の圧縮が開始され、そ
れ以降は第3弾性部材のみが圧縮されているときより高
い剛性が得られる。
【0016】請求項8に記載のダンパー機構は、請求項
1〜7のいずれかにおいて、第2弾性部材と並列に作用
するように配置され、摩擦機構より小さな摩擦を発生す
るようになっている第2摩擦機構をさらに備えている。
請求項8に記載のダンパー機構では、捩じり特性におい
て1段目では第1弾性部材が圧縮され、2段目では第2
弾性部材が圧縮されて1段目より高い剛性が得られる。
また、このとき第2摩擦機構が滑り、所定のヒステリシ
ストルクを発生する。2段目において第2弾性部材の圧
縮が進むと第2弾性部材により発生するトルクが第3弾
性部材のイニシャルトルク及び摩擦機構のヒステリシス
トルクの合計を超え、第3弾性部材が第2弾性部材と回
転方向に直列に作用し、摩擦機構で滑りが生じる。この
とき、第2摩擦機構と摩擦機構が直列に滑り、両者のヒ
ステリシストルクの中間の大きさの中間ヒステリシスト
ルクが発生する。3段目になると第3弾性部材のみが圧
縮され、摩擦機構のみが滑り高ヒステリシストルクを発
生する。ここでは、2段目で発生する中間ヒステリシス
トルクによって、ヒステリシストルクの急激な立ち上が
りがなくなり、振動の吸収・減衰に効果をもたらす。
【0017】
【発明の実施の形態】第1実施形態 図1〜図5に、本発明の一実施形態としてのクラッチデ
ィスク組立体1を示す。クラッチディスク組立体1は車
輌のクラッチに用いられる。図3〜図5のクラッチディ
スク組立体の左側には図示しないエンジン及びフライホ
イールが配置され、図3〜図5の右側には図示しないト
ランスミッションが配置されている。以後、図3〜図5
の左側を第1軸方向側(エンジン側)と呼び、図3〜図
5の右側を第2軸方向側(トランスミッション側)と呼
ぶ。各図のO−Oはクラッチディスク組立体1の回転軸
線すなわち回転中心であり、図1に示す矢印R1はフラ
イホイール及びクラッチディスク組立体1の回転方向
(正側)であり、R2はその反対回転方向(負側)であ
る。
【0018】概略説明 クラッチディスク組立体1は、図6の機械回路図に示す
ように、主に、入力回転体2と、ハブ3(出力回転体)
と、その中間に配置されたダンパー機構4とから構成さ
れている。ダンパー機構4は、さらに、捩り角度の2段
目特性をもたらす第1ダンパー機構5と、捩り特性の1
段目の特性をもたらす第2ダンパー機構6とから構成さ
れている。第1ダンパー機構5と第2ダンパー機構6と
は間にハブフランジ18(中間プレート)を介して入力
回転体2とハブ3との間に直列に作用するように配置さ
れている。
【0019】第1ダンパー機構5は、第1バネ16やバ
ネ17からなる第1弾性機構7と、ハブフランジ18と
入力回転体2とが相対回転するときに摩擦を発生する第
1摩擦機構8と、ハブフランジ18と入力回転体2との
相対回転角度を規制するための機構であり捩じり角度θ
2+θ3だけ入力回転体2とハブフランジ18との相対
回転を許容している第1ストッパー11とから構成され
ている。第1弾性機構7、第1摩擦機構8及び第1スト
ッパー11はハブフランジ18と入力回転体2との間に
並列に作用するように配置されている。
【0020】第2ダンパー機構6は、主に、第2弾性機
構9と、第2摩擦機構10と、第2ストッパー12とか
ら構成されている。第2弾性機構9の第2バネ21は第
1弾性機構7の第1バネ16よりバネ定数が小さく設定
されている。第2摩擦機構10は第1摩擦機構8で発生
する摩擦より小さな摩擦を発生するように設定されてい
る。第2ストッパー12はハブ3とハブフランジ18と
の相対回転を規制するための機構であり、捩り角度θ1
だけハブ3とハブフランジ18との相対回転を許容して
いる。第2弾性機構9,第2摩擦機構10及び第2スト
ッパー12はハブ3とハブフランジ18との間で並列に
作用するように配置されている。
【0021】詳細説明 次に、クラッチディスク組立体1の各構造について詳細
に説明する。入力回転体2は、クラッチプレート31
と、リテーニングプレート32と、クラッチディスク3
3とから構成されている。クラッチプレート31及びリ
テーニングプレート32は円板状又は環状のプレート部
材であり、互いに対して軸方向に所定距離だけ離れて配
置されている。クラッチプレート31は第1軸方向側に
配置されており、リテーニングプレート32は第2軸方
向側に配置されている。クラッチプレート31とリテー
ニングプレート32の外周部は円周方向に並んで配置さ
れた複数のストップピン40により互いに固定されてい
る。これにより、クラッチプレート31とリテーニング
プレート32との軸方向距離が定められ、さらに両プレ
ート31, 32は一体回転する。クラッチプレート31
の外周部には、クラッチディスク33のクッショニング
プレート41が複数のリベット43により固定されてい
る。クッショニングプレート41の両側に環状の摩擦フ
ェーシング42が固定されている。 クラッチプレート
31及びリテーニングプレート32には、円周方向に等
間隔で複数の第1収容部34が形成されている。第1収
容部34は軸方向に僅かに膨らんだ部分であり、円周方
向両側に第1支持部35を有している。第1支持部35
は円周方向に互いに対向している。さらに、クラッチプ
レート31及びリテーニングプレート32には、円周方
向に等間隔で複数の第2収容部36が形成されている。
第2収容部36は各第1収容部34のR1側に隣接して
配置されている。第2収容部36は円周方向両側に第2
支持部37を有している。各第2収容部36は第1収容
部34に対して半径方向及び円周方向に長く形成されて
いる。
【0022】リテーニングプレート32の外周縁には第
2軸方向側に折り曲げられた複数の折り曲げ部51が形
成されている。折り曲げ部51はストップピン40に対
応して形成されている。折り曲げ部51によりストップ
ピン40周辺及びストップピン40の強度が向上してい
る。このためストップピン40をクラッチプレート31
及びリテーニングプレート32に対して最も半径方向外
側に配置でき、その結果ストッパートルクを高くでき
る。さらに折り曲げ部51はリテーニングプレート32
の半径方向を長くしないため、従来の同じ強度のものに
比べて半径方向のスペースを小さくできる。半径方向の
スペースを従来と同様に保つ場合には、ストップピンを
従来よりさらに半径方向外方に配置できる。折り曲げ部
51は部分的にしか形成されていないため、板金材料を
節約できる。
【0023】ハブフランジ18はクラッチプレート31
及びリテーニングプレート32の間すなわち両部材の軸
方向間に配置されている。ハブフランジ18は入力回転
体2とハブ3との間の中間部材として機能する。ハブフ
ランジ18はプレート31,32に比べて厚肉の円板状
又は環状の部材である。ハブフランジ18には、第1収
容部34に対応して第1窓孔57が形成されている。第
1窓孔57は第1収容部34に対して形成されている。
第1窓孔57の円周方向角度は第1収容部34の第1支
持部35間の円周方向角度より小さくなっている。そし
て第1窓孔57の回転方向中心は第1収容部34の回転
方向中心とほぼ一致している。このため、第1窓孔57
の円周方向両端と第1収容部34の第1支持部35との
間には円周方向両側にそれぞれ捩り角度θ2だけの隙間
が確保されている。第1窓孔57内にはバネ17が配置
されている。バネ17はコイルスプリングであり、円周
方向両端が第1窓孔57の円周方向両端に当接してい
る。この状態で、バネ17の円周方向両端は第1収容部
34の第1支持部35に対してそれぞれ捩り角度θ2だ
け隙間をあけている。
【0024】ハブフランジ18には、第2収容部36に
対応した位置に第2窓孔56が形成されている。第2窓
孔56は半径方向及び円周方向長さが第2収容部36に
ほぼ一致している。第1バネ16は第2窓孔56内に配
置されている。第1バネ16は2組のコイルスプリング
が組み合わされてなる弾性部材であり、円周方向両端が
第2窓孔56の円周方向両端に当接している。また、第
1バネ16の円周方向両端は第2収容部36の第2支持
部37に当接している。ハブフランジ18の内周部に
は、軸方向両側に延びる筒状部59が形成されている。
筒状部59には、半径方向内側に延びる複数の内周歯6
1が形成されている。
【0025】ハブ3は、プレート31, 32及びハブフ
ランジ18の内周部すなわち各部材の中心孔内に配置さ
れた筒状の部材である。ハブ3は主に筒状のボス62か
ら構成されている。ボス62の中心孔には複数のスプラ
イン63が形成されている。このスプライン63がトラ
ンスミッションから延びるシャフトのスプラインに係合
することで、ハブ3からシャフトに出力が可能となって
いる。ボス62には半径方向外方に延びるフランジ64
が形成されている。この実施形態ではフランジ64の半
径方向幅は僅かである。フランジ64には、さらに半径
方向外方に延びている複数の外周歯65が形成されてい
る。外周歯65はボス62から半径方向外側に延びるフ
ランジの一部を形成していると考えてもよい。外周歯6
5はハブフランジ18の筒状部59に対応する半径方向
長さを有している。外周歯65は内周歯61の円周方向
間に延びており、円周方向両側にそれぞれ所定の捩じり
角度θ1だけ隙間を有している。また、外周歯65から
見てそのR2側の捩り角度θ1はR1側の捩り角度θ1
に比べてやや大きく設定されている。内周歯61及び外
周歯65はそれぞれ半径方向先端に向かって円周方向幅
が狭くなる形状である。
【0026】内周歯61と外周歯65は円周方向全体に
わたって形成されており、両者の当接可能な面積が増大
している。つまり従来とは異なり、歯の一部を省略して
低剛性弾性部材配置用の切欠きを形成していない。この
結果、内周歯61と外周歯65との接触面積が増大して
いる。すなわち、両部材間での面圧が下がり、摩耗や破
損が生じにくくなっている。このため歯の一部を切り欠
いたものに対し、省スペースで高トルクの特性を実現で
きる。
【0027】次に第2ダンパー機構6について説明す
る。第2ダンパー機構6は、ハブ3とハブフランジ18
との間でトルクを伝達するとともに、捩り振動を吸収・
減衰するためのものである。第2ダンパー機構6の第2
弾性機構9は主に第2バネ21から構成されている。第
2ダンパー機構6の第2摩擦機構10はブッシュ19
と、固定プレート20と第2コーンスプリング78とか
ら構成されている。すなわち、第2ダンパー機構6はハ
ブ3とハブフランジ18の係合部である内周歯61及び
外周歯65から軸方向にずれた位置にある。より具体的
に述べると、第2ダンパー機構6は内周歯61及び外周
歯65からトランスミッション側にずれて配置されてい
る。これにより外周歯65と内周歯61の接触面積を充
分に確保できる。また、第2ダンパー機構6が内周歯6
1と外周歯65との間に配置されていないため、従来と
は異なり、第2バネ21の掛かり代を充分に確保でき
る。この結果、スプリングシートを省略でき、そのため
第2バネ21の組み付け性が向上している。
【0028】固定プレート20は、第2ダンパー機構6
において入力側の部材として機能する。すなわち、固定
プレート20はハブフランジ18からのトルクが入力さ
れる部材である。固定プレート20は、ハブフランジ1
8の内周部とリテーニングプレート32の内周部との間
に配置された板金製の薄肉プレート部材である。固定プ
レート20は、図8〜11に示すように、第1円板状部
71と、第1円板状部71の内周縁から第2軸方向(ト
ランスミッション側)に延びる筒状部72と、筒状部7
2からさらに半径方向内側に延びる第2円板状部73と
から構成されている。
【0029】固定プレート20の第1円板状部71とハ
ブフランジ18との間にはスペーサ80が配置されてい
る。スペーサ80は、ハブフランジ18に固定プレート
20を回転方向に連結するとともに、固定プレート20
からハブフランジ18側へ作用する力を受ける役割を有
している。スペーサ80は環状の樹脂製部材であり、軽
量化のために多数の肉抜き部を有している。スペーサ8
0は、環状部81と、環状部81から半径方向外側に突
出する複数の突出部82とを有している。突出部82に
は、外周縁に2つの切欠き83が形成されている。ま
た、突出部82から第1軸方向側に延び、ハブフランジ
18に形成された係合孔58に挿入された突起84が延
びている。突起84は、係合孔58に対して半径方向に
は僅かに移動可能にかつ回転方向には相対移動不能に係
合している。
【0030】固定プレート20の第1円板状部71に
は、円周方向に等間隔で半径方向外方に突出する複数の
突出部74が形成されている。この突出部74は、スペ
ーサ80の突出部82に対応して形成されている。固定
プレート20の突出部74には、スペーサ80の突出部
82に形成された切欠き83に係合する爪75が形成さ
れている。以上に述べた構造において、固定プレート2
0はスペーサ80を介してハブフランジ18に相対回転
不能となるようにすなわちハブフランジ18からトルク
が入力され得るようになっている。また、固定プレート
20はスペーサ80を介してハブフランジ18に第1軸
方向側を支持されるようになっている。なお、固定プレ
ート20はスペーサ80及びハブフランジ18から第2
軸方向側には移動可能となっている。
【0031】次に、固定プレート20とリテーニングプ
レート32との間に形成された第1摩擦機構8について
説明する。第1摩擦機構8は、第1摩擦ワッシャー48
と、第1コーンスプリング49とから構成されている。
第1摩擦ワッシャー48は、リテーニングプレート32
に対して相対回転不能かつ軸方向に移動自在に係合し、
固定プレート20に対して摺動することで摩擦を発生す
るための摩擦部材である。第1摩擦ワッシャー48は主
に環状の樹脂部材からなる。第1摩擦ワッシャー48は
樹脂製の環状部85を有している。
【0032】環状部85において固定プレート20側に
は摩擦材86がモールド又は接着されている。摩擦材8
6は第1摩擦ワッシャー48と固定プレート20との間
の摩擦係数を高めるための部材であり、環状又は円板状
に延びている。環状部85の内周部には、第2軸方向側
に延びる複数の回転方向係合部87が形成されている。
回転方向係合部87は、リテーニングプレート32の中
心孔52(内周縁)に形成された複数の切欠き53内に
挿入されている。これにより、第1摩擦ワッシャー48
はリテーニングプレート32に対して相対回転不能にか
つ軸方向に移動自在に係合している。さらに、環状部8
5には、外周縁から半径方向外側に延びさらにそこから
第2軸方向側に延びる係合部88が形成されている。係
合部88は比較的細い形状であり、先端に爪部が形成さ
れている。係合部88はリテーニングプレート32に形
成された孔54内に挿入され、爪部がリテーニングプレ
ート32に係合している。係合部88は係合状態で半径
方向外方に自らを付勢しており、孔54に圧接してい
る。このためサブアッシー組み付け後にも第1摩擦ワッ
シャー48はリテーニングプレート32から外れにく
い。このように第1摩擦ワッシャー48においてトルク
を伝達するための係合部(回転方向係合部87)とリテ
ーニングプレート32に対して部材を仮止めするための
係合部(係合部88)とを別々に設け、係合部88を細
く撓み可能な形状にしている。係合部88は剛性が低い
ためサブアッシー時に折れにくい。このため、回転方向
係合部87にはサブアッシー組立時に力が作用せず、従
来の樹脂製摩擦ワッシャーにおいて半径方向係合部にリ
テーニングプレートへの係合の爪部を持たせたものに比
べても破損しにくい。また、サブアッシー組立時に圧入
機が不要になり、設備費が低減できる。
【0033】第1コーンスプリング49は、第1摩擦ワ
ッシャー48とリテーニングプレート32の内周部との
間に配置されており、両部材間で軸方向に圧縮された配
置となっている。第1コーンスプリング49は、外周端
がリテーニングプレート32に支持され、内周端が第1
摩擦ワッシャー48の環状部85に当接している。第1
コーンスプリング49の内周側には、複数の切欠き49
aが形成されている。この切欠き49aによって複数の
突起が内周縁に形成されていると見なしてもよい。切欠
き49a内には第1摩擦ワッシャー48の回転方向係合
部87の外周側に形成された突起部分が挿入されてい
る。これにより、第1コーンスプリング49は第1摩擦
ワッシャー48と相対回転不能に係合している。
【0034】固定プレート20の第2円板状部73に
は、円周方向に等間隔で複数の切り起こし部76が形成
されている。切り起こし部76は、第2円板状部73の
内周側から軸方向に切り起こされた形状であり、第2円
板状部73における他の部分に比べて第2軸方向側に配
置されている。この切り起こし部76が形成された部分
には、第2円板状部73において切欠き部分が形成され
ている。切欠き部分の円周方向両端には支持部77が形
成されている。
【0035】ブッシュ19は、第2ダンパー機構6にお
いて出力側の部材として機能し、ハブ3に相対回転不能
に係合している。さらに詳細に説明すると、ブッシュ1
9は、ハブフランジ18の内周歯61及びハブ3の外周
歯65の第2軸方向側で固定プレート20の筒状部72
の内周側、さらにはボス62の第2軸方向側部分の外周
側の空間に配置された環状の樹脂製部材である。ブッシ
ュ19は、図12〜19に示すように環状部89から主
に構成されている。環状部89には、第2軸方向側面に
円周方向に等間隔で複数のバネ収容部90が形成されて
いる。バネ収容部90は固定プレート20の切り起こし
部76すなわち切欠き部分に対応して形成されている。
バネ収容部90はブッシュ19の第2軸方向側面に形成
された凹部である。この凹部は図14及び15に示すよ
うに断面で円の一部を構成するように滑らかに形成され
ている。また、各バネ収容部90の半径方向及び円周方
向中心には軸方向に貫通する孔が形成されている。さら
には、環状部89の内周部には、第2軸方向側に延びる
筒状の内周支持部91が形成されている。この内周支持
部91を含めたブッシュ19の内周面91aは、ボス6
2の外周面に当接又は近接している。さらに、ブッシュ
19の環状部89に形成された第2軸方向側面89aは
固定プレート20の第2円板状部73の第1軸方向側面
に当接している。ここでは、ブッシュ19の環状部89
と固定プレート20の第2円板状部73との間で第2摩
擦機構10が形成されている。
【0036】各バネ収容部90内には第2バネ21が配
置されている。第2バネ21は、第1バネ16やバネ1
7に対して小型のコイルスプリングであり、バネ定数が
小さい。第2バネ21は、バネ収容部90内に配置さ
れ、円周方向両端がバネ収容部90の円周方向両端に当
接又は近接している。第2バネ21は、バネ収容部90
内において、ブッシュ19によって軸方向内側(第1軸
方向側)及び内周側を支持されている。
【0037】第2バネ21の円周方向両端には、固定プ
レート20の支持部77が回転方向に係合(当接)して
いる。これにより、固定プレート20からのトルクは第
2バネ21を介してブッシュ19に伝達されるようにな
っている。第2バネ21の円周方向端面はバネ収容部9
0の円周方向端部によって第1軸方向側が全面的に支持
されている。また、第2バネ21の円周方向端面は支持
部77が半径方向にわたって支持している。このように
第2バネ21は円周方向両端の掛かり代が大きくなって
いる。言い換えると、第2バネ21の円周方向両端にお
いて支持される部分の面積が増えている。これは第2バ
ネを従来のハブとハブフランジの間から軸方向にずらし
た位置に配置することで可能になっている。以上の結果
スプリングシートを廃止することができ、部品点数が減
っている。
【0038】また、第2バネ切り起こし部76は第2バ
ネ21の軸方向外側(第2軸方向側)を支持するように
配置されている。このようにして、第2バネ21は固定
プレート20によって外周側及び軸方向外側を支持され
ている。ブッシュ19には、環状部89から第1軸方向
側に延びる係合部99が形成されている。係合部99は
第2軸方向側に延びる突起であり、ブッシュ19のトル
クをハブ3に伝達するための構成である。係合部99は
断面が外周歯65間の隙間に合った形状をしており、ハ
ブ3の外周歯65の間に挿入され各外周歯65に対して
円周方向に移動不能に係合している。
【0039】第2コーンスプリング92は第2摩擦機構
10において第2円板状部73と環状部89とを軸方向
に互いに付勢するための付勢部材である。第2コーンス
プリング92は、ハブ3の外周歯65及びハブフランジ
18の内周歯61とブッシュ19との軸方向間に配置さ
れている。第2コーンスプリング92は内周部がハブ3
のフランジ64に支持され、外周部がブッシュ19の環
状部89に当接している。第2コーンスプリング92は
軸方向に圧縮された状態であり、ブッシュ19を第2軸
方向側に付勢している。この結果、ブッシュ19の環状
部89の第2軸方向側面89aと固定プレート20の第
2円板状部73の第1軸方向側面とが所定の力で軸方向
に互いに付勢されている。第2コーンスプリング92は
第1コーンスプリング49に比べて内外径共に小さく、
厚みも大幅に小さい。このようにして第2コーンスプリ
ング92は第1コーンスプリング49に対して付勢力が
大幅に小さくなっている。第2コーンスプリング92の
内周縁には複数の切欠き92aが形成されている。切欠
き92aによって内周縁に複数の突起が形成されている
と見なしてもよい。前述の係合部99は切欠き92a内
を延びている。
【0040】以上に述べたように、固定プレート20
は、第2ダンパー機構6において第2バネ21に係合す
る入力側の部材及び第2摩擦機構10を構成する部材と
して、さらには第1摩擦機構8を構成する部材として機
能している。以下に、この固定プレート20を用いた利
点について説明する。固定プレート20は、前述のよう
に、第2ダンパー機構6において第2バネ21の円周方
向両端を支持する支持部材及び第2摩擦機構10を構成
する部材として機能している。このように1つの部材で
2つの機能を実現しているために部品点数が少なくな
る。さらには、固定プレート20は第2バネ21の軸方
向外側をも支持している。さらには、固定プレート20
は、捩り特性の1段目で摺動して摩擦を発生する第2摩
擦機構10と、捩り特性の2段目で摺動して摩擦を発生
する第1摩擦機構8の両方の摩擦面を構成している。こ
のように1つの部材で両摩擦面を形成しているため、両
摩擦面の摩擦特性を調整・管理するのが容易になってい
る。具体的には、従来のようにボスのフランジ及びハブ
フランジの両方の摺動面を管理する必要がなくなる。特
に、固定プレート20は従来のハブやハブフランジとは
異なり小型で単純な構成であるため摩擦面の管理が容易
である。以上に述べた固定プレート20は板金製であ
り、プレス加工により所望の形状を容易に実現でき、安
価に実現可能である。
【0041】次に、ブッシュ19の利点について説明す
る。ブッシュ19は樹脂製であり所望の形状を容易に実
現できる。特に、樹脂製であるため係合部99を一体成
形でき、製造が容易である。係合部99はハブ3の外周
歯65の円周方向間に係合しているため、ハブ3に係合
のための特別な孔や凹部等を形成する必要がない。この
ため、ハブ3の加工工程が増えることはない。ブッシュ
19は、第2ダンパー機構6の出力側の部材として機能
し、第2バネ21の円周方向両側に係合するとともに第
2摩擦機構10の一部を構成している。このように単一
の部材でトルク伝達と摩擦発生部を実現しているため、
全体の部品点数が少なくなる。
【0042】第2摩擦機構10において摩擦面同士を軸
方向に付勢する部材としての第2コーンスプリング78
はハブ3のフランジ64に支持されている。このように
第2コーンスプリング78が従来のようにリテーニング
プレートに支持されているのでなく他の部材によって支
持されることにより、1段目の特性におけるヒステリシ
ストルクが安定する。このため1段目のヒステリシスト
ルクの調整が容易である。従来は第1付勢部材と第2付
勢部材の両方がリテーニングプレートにより支持されて
いたため、第1弾性部材の付勢力によってリテーニング
プレートの変形が起こる可能性があり、そのため第2付
勢部材の姿勢が変化し第2付勢部材の付勢力が安定しな
いという問題があった。この実施形態では、第1コーン
スプリング49の付勢力と第2コーンスプリング78の
付勢力は固定プレート20に対して軸方向に互いに反対
に働いている。すなわち、第1コーンスプリング49は
第1摩擦ワッシャー48を介して固定プレート20を第
1軸方向側に付勢し、第2コーンスプリング78はブッ
シュ19を介して固定プレート20を第2軸方向側に付
勢している。
【0043】第2ストッパー12はトルクの大きな領域
では第2ダンパー機構6の各部材にトルクを作用させな
い構造である。捩じり特性の2段目範囲ではブッシュ1
9,第2バネ21及び固定プレート20にはトルクが作
用しない。このため各部材の強度を極端に大きくする必
要がなく、設計が容易である。次に、クラッチプレート
の内周側に設けられたブッシュ93について説明する。
ブッシュ93はクラッチプレート31の内周部に設けら
れ、ハブ3の外周面、フランジ64の端面、外周歯6
5,ハブフランジ18の筒状部59及び内周歯61に当
接する部材である。ブッシュ93の機能としては、摩擦
を発生して回転方向の振動を減衰する、クラッチプレー
ト31をハブ3に対して半径方向に位置決めする、ハブ
フランジ18をハブ3に対して半径方向に位置決めする
などがある。ブッシュ93は、図20〜22に示すよう
に、主に、樹脂製の環状部94から主に構成されてい
る。環状部94は半径方向に所定の幅を有し軸方向の厚
みが薄い円板状の部材である。環状部94はクラッチプ
レート31の内周部とハブフランジ18の内周部との軸
方向間に配置されている。環状部94の第2軸方向側に
は環状の摩擦部材95がモールド若しくは接着又は単に
配置されている。摩擦部材95は環状であり、半径方向
に所定の幅を有し軸方向の厚みが薄い円板状の部材であ
る。摩擦部材95は高摩擦係数の例えばゴム系、ガラス
系の混紡もしくは含浸成形品や、セラミック等からな
る。摩擦部材95はブッシュ93に高摩擦係数の特性を
もたらものであり、また材料を選択することで摩擦の大
きさを調整できる。
【0044】図20の平面図で示すように、環状部94
及び摩擦部材95は内外径が円形となっている。摩擦部
材95は、環状部94の第2軸方向側面に当接するよう
に配置されていると見なしても良いし、環状部94の第
2軸方向側面に形成された溝内に配置されていると見な
しても良い。すなわち、環状部94の内周縁には第2軸
方向側に延びる筒状部96が形成され、外周縁には第2
軸方向側に延びる筒状部97が形成されている。筒状部
96,97に囲まれた環状の空間が環状部94の溝を構
成している。この溝は内外径が円であり、この溝内に摩
擦部材95は配置されている。
【0045】筒状部96はハブ3のフランジ64の第1
軸方向側面に当接している。この部分が1段目の捩じり
範囲で摺動するようになっている。摩擦部材95は、ハ
ブフランジ18の筒状部59及び内周歯61の第1軸方
向側端面に当接している。この部分が2段目の捩じり範
囲で摺動するようになっている。摩擦部材95とハブ3
の外周歯65の第1軸方向側面との間にはわずかな隙間
が確保されている。ハブフランジ18の筒状部59及び
内周歯61の第1軸方向側端面は摩擦部材95にのみ軸
方向に当接している。
【0046】摩擦部材95には円周方向に並んだ複数の
孔95aが形成されており、この孔95a内に環状部9
4から突起94aが挿入されている。これにより、環状
部94と摩擦部材95の回り止めが実現されている。特
に、摩擦部材95は円形であるため、このような回り止
めが重要な役割を果たす。従来であれば摩擦部材が円形
の場合にはSPCCからなる裏板に接着しても剥離等の
強度に関する問題が生じる可能性があった。そのため摩
擦部材を四角形状化することで回り止めを図っていた。
本願に係る摩擦部材95では、摩擦部材95を円形とい
う簡単な構造に保ったまま、剥離等の問題も解消してい
る。特に、摩擦部材95の孔95aの形成、及び樹脂製
環状部94の突起94aの形成はともに容易であり、コ
スト低減が実現されている。
【0047】なお、この実施形態では摩擦部材95は環
状部94に対して固定されておらず、軸方向に離脱可能
である。このため接着等の作業が不要である。ただし、
本願発明の構成においても摩擦部材95と環状部94と
を接着等していてもよい。さらには、環状部94には円
周方向に並んだ複数の孔94bが形成されている。孔9
4bは軸方向に延び環状部94の第1軸方向側と第2軸
方向側とを連絡しており、摩擦部材95の第1軸方向側
面の一部を露出させている。また、クラッチプレート3
1の内周部には、孔94bに対応して孔13が形成され
ている。孔13は孔94bより大径で孔94bの周囲に
さらに広がっている。このように同一位置に形成された
孔94b及び孔13によって摩擦部材95の一部がクラ
ッチディスク組立体1の外部に露出している。このた
め、摩擦部材95は充分に冷却され、すなわち摩擦部材
95はクラッチプレート31側への大気にも放熱し、摩
擦部材95の摩擦熱による摩擦特性の変化等が抑えられ
る。さらに、摩擦部材95の耐久強度が向上し、またハ
ブ3及びハブフランジ18の硬度低下が防止される。さ
らに突起94aには軸方向に延び貫通する孔94cが形
成されている。孔94cは環状部94の第1軸方向側と
第2軸方向側とを貫通させている。孔94b,94cは
ブッシュ93全体の体積を低減しており、これにより樹
脂の使用量が減り、コストが低減されている。
【0048】環状部94の内周縁には、第1軸方向側に
延びる筒状部98が形成されている。筒状部96,98
は内周面がボス62の外周面に当接している。これによ
り、クラッチプレート31及びリテーニングプレート3
2のハブ3に対する半径方向の位置決め(芯出し)が行
われている。また、筒状部98の外周面には、クラッチ
プレート31の内周縁に形成された複数の突起に係合す
る溝98aが形成されている。これにより、ブッシュ9
3はクラッチプレート31と一体回転してハブ3のフラ
ンジ64、さらにハブフランジ18の筒状部59に摺動
可能である。
【0049】筒状部97には複数の切り欠き97aが形
成されている。筒状部97の半径方向内側面は、ハブフ
ランジ18の筒状部59の第1軸方向側外周面に当接し
ている。すなわち、ハブフランジ18はこのブッシュ9
3の筒状部97によってハブ3及びクラッチプレート3
1及びリテーニングプレート32に半径方向の位置決め
をされている。
【0050】環状部94の外周縁には第1軸方向に延び
る複数の係合部14が形成されている。係合部14は円
周方向に等間隔で形成されている。係合部14は爪形状
を有しており、クラッチプレート31に形成された孔1
5に係合している。これにより、ブッシュ93はクラッ
チプレート31に対して軸方向に仮止めされている。以
上に述べたブッシュ93は、ボス62の外周面に当接す
ることでクラッチプレート31をハブ3に対して半径方
向の位置決めをし、フランジ64及び筒状部59にそれ
ぞれ当接する摩擦面を有することで1段目と2段目のヒ
ステリシストルクを発生する。このように1つの部材に
複数の機能をもたすことで全体の部品点数が減ってい
る。
【0051】入力回転体2のクラッチディスク33が図
示しないフライホイールに押し付けられると、クラッチ
ディスク組立体1にトルクが入力される。トルクは、ク
ラッチプレート31及びリテーニングプレート32から
第1バネ16,ハブフランジ18,スペーサ80,固定
プレート20,第2バネ21,ブッシュ19の順番で伝
達され、最後にハブ3から図示しないシャフトに出力さ
れる。
【0052】エンジンからのトルク変動がクラッチディ
スク組立体1に入力されると、入力回転体2とハブ3と
の間で捩り振動すなわち相対回転が生じ、第1バネ1
6,バネ17及び第2バネ21が回転方向に圧縮され
る。次に、図6の機械回路図及び図7の捩り特性線図を
用いてクラッチディスク組立体1のダンパー機構として
の動作を説明する。図6に示す機械回路図は、入力回転
体2とハブ3との間に形成されるダンパー機構4を模式
的に描いたものであり、例えばハブ3を入力回転体2に
対して一回転方向(例えばR2方向)に捩じったときの
各部材の動作関係を説明するための図である。
【0053】ハブ3を入力回転体2に対してR2側に捩
って行くと、捩り角度θ1までの角度では主に第2ダン
パー機構6が作動する。すなわち、第2バネ21が回転
方向に圧縮され、第2摩擦機構10で摺動が生じる。こ
こでは、第1摩擦機構8で摺動が生じないために、高ヒ
ステリシストルクの特性となることはない。この結果、
低剛性・低ヒステリシストルクの1段目特性が得られ
る。捩り角度が捩り角度θ1を超えると、第2ストッパ
ー12が当接し、ハブ3とハブフランジ18との相対回
転が停止する。すなわち、捩り角度θ1以上では第2ダ
ンパー機構6が作動しない。このように捩り角度θ1以
上では第2バネ21が圧縮されないため、第2バネ21
の破損が生じにくい。また第2バネ21の強度を心配し
なくて良くなるので設計が容易になる。捩り特性の2段
目では第1ダンパー機構5が作動する。すなわち、第1
バネ16がハブフランジ18と入力回転体2との間で回
転方向に圧縮され、第1摩擦機構8で摺動が生じる。こ
の結果、高剛性・高ヒステリシストルクの2段目特性が
得られる。捩り角度がθ1+θ2を超えると、バネ17
の円周方向端部が第2収容部36の第2支持部37に当
接する。すわなち、第2ダンパー機構6において第1バ
ネ16とバネ17とが並列に圧縮される。この結果、3
段目では2段目より高い剛性が得られる。捩り角度がθ
1+θ2+θ3となると第1ストッパー11が当接し、
入力回転体2とハブ3との相対回転が停止する。
【0054】捩り特性の負側においても各捩り角度θ1
〜θ3の大きさは異なるものの同様の特性が得られる。
なお、捩り特性の1段目では、ブッシュ93とハブ3の
フランジ64及び外周歯65との間で摩擦が発生してい
る。さらには、2段目及び3段目ではブッシュ93とハ
ブフランジ18の内周部との間で摩擦が生じている。
【0055】第2ダンパー機構6において環状部89と
第2円板状部73とによる摩擦面でブッシュ19の摩耗
が進むと、ブッシュ19が他の部材に対して第2軸方向
側に移動することが考えられる。この場合は、第2コー
ンスプリング78の姿勢が変化し、具体的には起き上が
った状態になる。このため、第2コーンスプリング78
の付勢力(セット荷重)が変化し、具体的には一旦増加
した後に減少する。このように第2摩擦機構10におけ
るヒステリシストルクの大きさが変化し安定しない。
【0056】しかし、本願発明では、第1コーンスプリ
ング49により固定プレート20を第1軸方向側に付勢
し、その付勢力はハブフランジ18及びブッシュ93に
作用している。そのため、第2摩擦機構10での摩耗量
とブッシュ93とハブフランジ18との間の摩擦面での
摩耗量とが対応又は一致していると、次のような効果が
得られる。ブッシュ93においてハブフランジ18の筒
状部59に対応する部分(摩擦部材95)か摩耗する
と、その摩耗量だけハブフランジ18、スペーサ80、
固定プレート20及び第1摩擦ワッシャー48は第1軸
方向側に移動する。このため、第2摩擦機構10の摩擦
面においても第2円板状部73が第1軸方向側へと移動
する。ブッシュ19のハブ3に対する軸方向の位置はほ
とんど変化せず、その結果フランジ64とブッシュ19
との間に配置された第2コーンスプリング78の姿勢も
ほとんど変化しない。このようにハブフランジ18や第
1摩擦機構8を用いた摩耗追従機構により、第2摩擦機
構10の摩擦面での摩耗に関わらず第2コーンスプリン
グ78の姿勢を一定に維持し、その結果第2摩擦機構1
0でのヒステリシストルクを安定的に発生させることが
できる。この結果、経時変化の少ないヒステリシストル
クが得られ、音振性能が向上する。また、第2コーンス
プリング78の摩耗代を考慮する必要が少なくなるた
め、第2コーンスプリング78の設計自由度が増大す
る。具体的には、第2コーンスプリング78の応力を低
くかつ荷重を高く設計することができる。
【0057】第2コーンスプリング78のセット荷重を
コーンスプリングにおける荷重特性のピーク付近に設定
されている。ブッシュ19での摩耗量とブッシュ93で
の摩耗量が同等に維持される場合は、第2コーンスプリ
ング78の荷重は最大付近に維持される。ブッシュ19
での摩耗量とブッシュ93での摩耗量が異なる場合には
セット荷重は荷重特性のピークから両側に多少ずれる。
この場合でもセット荷重の変化量は最小限になるように
設定されており、またその変化は予測可能である。 [他の実施例]図23に示すように、前記実施形態のス
ペーサを廃止して、固定プレート20をハブフランジ1
8に直接係合させてもよい。固定プレート20の第1円
板状部71はハブフランジ18の筒状部59に直接支持
されている。また、第1円板状部71の外周縁からは、
ハブフランジ18の係合孔58内に係合爪28が延びて
いる。この構成では、スペーサを省略でき部品点数が少
なくなっている。
【0058】さらには、図6の機械回路図においてスペ
ーサ80の位置に他の弾性部材すわなちバネを配置して
もよい。この場合は、全体で4段の特性が得られる。こ
の実施形態の説明で、「一体回転するように係合してい
る」又は「相対回転不能に係合している」などは、両部
材が円周方向にトルク伝達可能となっている構成を意味
している。すなわち、両部材の間に回転方向に隙間等が
形成され所定角度までは両部材がトルク伝達を行わない
場合も含む。第2実施形態図24〜図37に示すクラッ
チディスク組立体201は、基本的な構造は第1実施形
態と同様である。したがってここでは第1実施形態と異
なる点のみを詳細に説明する。 〔概略説明〕この第2実施形態のクラッチディスク組立
体201は4段特性を有しており、その点で3段特性を
有する第1実施形態のクラッチディスク組立体1と異な
る。具体的には、図36の機械回路図において、固定プ
レート20とハブフランジ18との間に、第1実施形態
のスペーサ80の代わりにサブプレート207,208
とバネ206(第2弾性部材、圧縮バネ)とが配置され
ている。サブプレート207,208は固定プレート2
0からトルクが入力されるようになっている。バネ20
6はサブプレート207,208とハブフランジ18
(フランジ、第2中間部材)とを回転方向に弾性的に連
結している。サブプレート207,208は、ハブ3に
対して回転方向両側にそれぞれθ1だけ相対回転可能で
ある。なお、ハブフランジ18はハブ3に対して回転方
向両側にそれぞれθ1+θ2だけ相対回転可能である
が、ここでのθ1+θ2は第1実施形態のθ1に対応し
ている。すなわち、第1実施形態のθ1までの角度内に
バネ206が機能する2段目の特性を設けていることに
なる。
【0059】なお、この実施形態で用いる機械回路図
は、各部材の回転方向の関係を説明するための模式図で
ある。したがって、回転方向に一体に動作する部材同士
は一つの部材として考えられる。具体的には、ハブ3と
ブッシュ19は回転方向には一体の部材である第1回転
体250を構成している。固定プレート20とサブプレ
ート207,208は第2バネ21とバネ206の間で
機能する第1中間部材251として機能している。第1
中間部材251は、第1回転体250との間に摩擦機構
10を形成し、入力回転体2との間に第1摩擦機構8を
形成し、ハブフランジ18との間に摩擦機構241を形
成している。さらに、第1中間部材251はハブ3との
間に隙間角度θ1のストッパー機構を形成している。入
力回転体2は第1摩擦ワッシャー48,ブッシュ93と
一体回転するようになっており、第2回転体252を構
成している。 〔バネ206の説明〕図36において、バネ206は、
4段特性を実現するダンパー機構において2段目範囲で
圧縮されるバネ又は弾性部材(第2弾性部材)としての
役割を有している。バネ206は1段目範囲で圧縮され
る第2バネ21(第1弾性部材)と直列に作用するよう
に配置され、3段目範囲で圧縮される第1バネ16(弾
性部材、第3弾性部材)と直列に作用するように配置さ
れた第2弾性部材である。バネ206は、固定プレート
20及び第1及び第2サブプレート207,208を介
して第2バネ21に回転方向に連結され、ハブフランジ
18を介して第1バネ16に回転方向に連結されてい
る。バネ206は第2バネ21に対して剛性が大幅に高
く、1段目範囲ではバネ206はほとんど圧縮されな
い。
【0060】バネ206は第1バネ16に対して剛性は
低いが、その程度は大きくない。したがってバネ206
は圧縮の程度が進むと、バネ206は第1バネ16のイ
ニシャルトルクと摩擦機構242のヒステリシストルク
(バネ206が第1バネ16に荷重を作用させたときに
摩擦係合した部分で発生する抵抗力に基づくトルク)の
合計を越えるトルクを発生できる。
【0061】なお、摩擦機構241(第2摩擦機構)
は、バネ206と並列に作用するように配置されてお
り、より厳密にはバネ206が作動するときのみ摩擦を
発生するようになっている。また、摩擦機構241は、
第1バネ16と並列に作用する摩擦機構242と直列に
作用するように配置されている。すなわち摩擦機構24
1と摩擦機構242がともに滑ると、各ヒステリシスト
ルクの中間の大きさの中間ヒステリシストルクが発生す
る。 〔第1及び第2サブプレート207,208の説明〕サ
ブプレート207,208は、ハブフランジ18のエン
ジン側に配置された第1サブプレート207と、ハブフ
ランジ18のトランスミッション側に配置された第2サ
ブプレート208とから構成されている。サブプレート
207,208は互いに一体回転するように係合してい
る。第1及び第2サブプレート207,208は、図3
6から明らかなように、固定プレート20とともに第2
バネ21とバネ206とを回転方向に連結するための中
間部材(第1中間部材)として機能している。また、第
2サブプレート208は内周歯212によってハブ3の
外周歯65とともに前述のストッパー機構を構成してい
る。このストッパー機構によって捩じり角度θ1を越え
ると第2バネ21の圧縮が行われないようになってい
る。 〔詳細説明〕図30に示すように、ハブフランジ18に
複数の第3窓孔230(第2窓)が形成されている。第
3窓孔230は円周方向に等間隔で4個形成されてい
る。第3窓孔230は、半径方向及び円周方向長さが第
2窓孔56(第1窓)や第1窓孔57に比べて小さく形
成されている。また、各第3窓孔230はハブフランジ
18の最も内周側に形成されている。第3窓孔230内
にはバネ206が配置されている。バネ206はコイル
スプリングであり、円周方向に延びている。バネ206
の両端は第3窓孔230の円周方向両端に当接又は近接
している。
【0062】第1サブプレート207は、ハブフランジ
18とクラッチプレート31との間に配置されている。
第1サブプレート207は、図32に示すように、円板
状又は環状の部材である。より具体的には第1サブプレ
ート207は板金製の部材である。第1サブプレート2
07は、主に環状部221から構成されている。環状部
221のエンジン側に突出する筒状部222(環状の支
持部、半径方向位置決め部)が形成されている。筒状部
222の内周面はハブフランジ18の筒状部59外周面
に相対回転可能に当接している。すなわち第1サブプレ
ート207は筒状部222によりハブフランジ18に対
して半径方向の位置決めをされている。さらに、筒状部
222の外周面には、ブッシュ93の筒状部97が当接
している。
【0063】第1サブプレート207において、環状部
221から円周方向に等間隔で複数の突出部223が形
成されている。突出部223は環状部221から連続し
て半径方向外方に延びている。各突出部223はハブフ
ランジ18の第3窓孔230に対応して形成されてい
る。突出部223において、環状部221から突出部2
23にかけて切り起こし部226が形成されている。切
り起こし部226は環状部221及び突出部223から
軸方向に切り起こされて形成された孔であり、切り起こ
し部226はバネ206の円周方向両端、半径方向両側
及び軸方向片側(エンジン側)を支持している。さら
に、切り起こし部226の一部はクラッチプレート31
に対してトランスミッション側から当接している。
【0064】環状部221の外周縁において各突出部2
23の円周方向間には、突起227(係合部)が形成さ
れている。突起227は環状部221の外周縁から折り
曲げられ軸方向(トランスミッション側)に延びる部分
である。突起227には、図33に示すように、軸方向
に突出する2つの爪228が円周方向両側に形成されて
いる。あるいは爪228によって突起227の先端に切
欠き229が形成されていると考えても良い。
【0065】突起227は、第1サブプレート207の
本体である環状部221と一体に形成された板状部分で
ある。突起227の板厚は環状部221の板厚と等し
い。突起227は板の両平面が半径方向を向いている。
次に第2サブプレート208について説明する。第2サ
ブプレート208はハブフランジ18とリテーニングプ
レート32との間に配置された円板状又は環状の部材で
ある。より詳細には、第2サブプレート208は、ハブ
フランジ18と固定プレート20との軸方向間に配置さ
れている。第2サブプレート208は、第1サブプレー
ト207と同様に、板金製の円板状部材である。第2サ
ブプレート208の外径は第1サブプレート207の外
径とほぼ同じであるが、内径は第1サブプレート207
に比べて小さい。すなわち第2サブプレート208の内
周部は第1サブプレート207に比べてさらに内周側に
延びている。
【0066】第2サブプレート208は図31に示すよ
うに主に環状部211から構成されている。環状部21
1の内周縁には、半径方向内側に突出する複数の内周歯
212が形成されている。内周歯212はハブフランジ
18の内周歯61と軸方向に並んで配置されている。内
周歯212は内周歯61に比べて円周方向長さが長くな
っている。図34に示すように、内周歯212の円周方
向両端は内周歯61の円周方向両端よりさらに半径方向
外側に配置されている。内周歯212は、内周歯61と
同様に外周歯65の円周方向間に配置されている。外周
歯65から見て円周方向両側の内周歯212との間には
それぞれθ1だけの隙間が確保されている。さらに、外
周歯65から見て円周方向両側の内周歯61の端面との
間にはそれぞれθ1+θ2だけの隙間が確保されてい
る。
【0067】環状部211には半径方向外方に突出する
複数の突出部213が連続して形成されている。突出部
213は円周方向に等間隔で形成されている。突出部2
13はハブフランジ18の第3窓孔230に対応して形
成されている。突出部213に対応する部分には、窓部
216が形成されている。窓部216は軸方向に貫通す
る孔を有しており、バネ206の円周方向両側、半径方
向両側及び軸方向片側(トランスミッション側)を支持
している。突出部213の半径方向外側縁には、第1係
合部214が形成されている。第1係合部214は2つ
の切欠き部分である。第1係合部214には固定プレー
ト20の爪75が係合している。これにより、第2サブ
プレート208は固定プレート20と一体回転するよう
になっている。爪75は第1係合部214に対して半径
方向には所定距離までは移動可能となっている。また、
爪75は第1係合部214に対して軸方向に移動可能で
ある。
【0068】環状部211の外周縁において各突出部2
13の円周方向間には第2係合部217が形成されてい
る。第2係合部217は2個の切欠きであり、第1サブ
プレート207の爪228が係合している。この結果、
第1サブプレート207,208は一体回転するように
なっている。爪228は第2係合部に対して半径方向に
所定の距離までは移動可能になっている。
【0069】第2サブプレート208の環状部211の
トランスミッション側面は、固定プレート20に当接し
ている。固定プレート20はコーンスプリングによりエ
ンジン側に押圧されており、第2サブプレート208は
固定プレート20によりエンジン側に付勢されている。
第2サブプレート208は、環状部211とハブフラン
ジ18(円板状部材、第2中間部材)の内周部との間に
配置されたワッシャー240によりハブフランジ18に
軸方向を支持されている。ワッシャー240は樹脂製の
部材である。ワッシャー240は、図27に示すよう
に、ハブフランジ18に当接する環状部と、円周方向に
並んだ複数の突起240a(係合部)とを有している。
突起240aはトランスミッション側に延び、第2サブ
プレート208の環状部211に形成された貫通孔(図
31では省略)に挿入されている。これにより、ワッシ
ャー240は第2サブプレート208と一体回転し、ハ
ブフランジ18に対して摺動するようになっている。こ
の実施形態では、ワッシャー240はモールド成形によ
り第2サブプレート208と一体になっている。
【0070】第2サブプレート208とワッシャー24
0をモールド成形しているため、組付け工数、接着工数
及びコストが従来より低減できる。さらに、ワッシャー
をサブプレートの孔部に固定することにより、従来の単
板のワッシャーより強度が向上する。さらに、ワッシャ
ー240を予め第2サブプレート208に固定しておく
ことにより、組忘れや誤って組付けることが防止され
る。
【0071】突起227は第2窓孔56の内周縁に形成
された切欠き56a内を延びている。このように第1サ
ブプレート207と第2サブプレート208とを一体回
転させるための部分が既存の窓孔内を延びているため、
特別な孔やスリットを形成する必要がない。なお、突起
227とその円周方向両側の切欠き56aとの間にはそ
れぞれθ2より大きな隙間が確保されている。
【0072】この実施形態では、第1サブプレート20
7と第2サブプレート208とが板状の突起227によ
り係合しているため、従来のサブピンを用いた係合より
スペースを大幅に省略できる。特に、突起227は板状
であり半径方向には板の厚さのみの幅を有している。こ
のため、半径方向のスペースを大幅に確保できる。また
突起227は第2窓孔56内において半径方向に小さい
ため、第1バネ16の径が小さくなることはない。ま
た、突起227は第2窓孔56の最内周に配置されてお
り、第1バネ16に干渉しにくい。また、突起227が
板状であるため、従来のサブピンに比べて軸方向を大幅
に短縮できる。
【0073】さらに、突起227は第1サブプレート2
07と一体の部材であるため、従来のサブピン構造に比
べて部品点数を減らせる。第1及び第2サブプレート2
07,208の特徴についてまとめると以下のようにな
る。 (1)プレート207,208はともに板金製の加工が
容易な部材である。 (2)プレート207,208は突起227によって互
いに相対回転不能に連結されている。 (3)プレート208は第2バネ21の圧縮を規制する
ためのストッパーを構成する内周歯212を有してい
る。 〔ブッシュ93の構造〕ブッシュ93(半径方向位置決
め部材)の機能について説明する。
【0074】摩擦ブッシュ93は、図20〜22に示す
ように、主に、樹脂製の環状部94から主に構成されて
いる。環状部94は半径方向に所定の幅を有し軸方向の
厚みが薄い円板状の部材である。環状部94の内周縁に
は軸方向エンジン側(第1軸方向側)に突出する筒状部
98が形成されている。筒状部98の内周面はハブ3の
ボス62の外周面に当接している。環状部94の外周縁
には軸方向トランスミッション側(第2軸方向側)に突
出する筒状部97が形成されている。筒状部97の内周
面は第1サブプレート207の筒状部222の外周面に
当接している。
【0075】ブッシュ93は、 (1)筒状部98(第1支持部)によって、自らと、ク
ラッチプレート31,リテーニングプレート32とをハ
ブ3のボス62に対して相対回転可能に半径方向に支持
する。 (2)筒状部97(第2支持部)によって、ハブフラン
ジ18をハブ3のボス62に対して相対回転可能に半径
方向に支持する。筒状部97は、第1実施形態では直接
筒状部59を支持し、第2実施形態では第1サブプレー
ト207の筒状部222を介して筒状部59を支持して
いる。
【0076】以上に述べたようにブッシュ93は、ハブ
3のボス62の外周側に配置された3枚のプレート(プ
レート31,32とハブフランジ18)をボス62に対
して芯出ししている。 〔動作説明〕次に、図37の捩り特性線図を用いてクラ
ッチディスク組立体201の動作について説明する。こ
こでは、入力回転体2を他の部材に固定しておきそれに
対してハブ3を一方向(例えばR2方向)に捩っていく
動作に基づいて説明する。捩り角度の小さな領域では、
最も剛性の低い第2バネ21が圧縮され第2摩擦機構1
0で滑りが生じる。この結果、θA(第1捩じり角度)
までは低剛性・低ヒステリシストルクの特性が得られ
る。捩り角度がθAを超えると、第2バネ21の圧縮が
それ以上進まず、バネ206が回転方向に圧縮される。
このとき第1摩擦機構8で滑りが生じ1段目よりは大き
いヒステリシストルクが発生する。この2段目において
バネ206で発生するトルクが第1バネ16のイニシャ
ルトルクとヒステリシストルクの合計(バネ206が第
1バネ16に荷重を作用させたときに摩擦係合部分、特
に、摩擦機構242において発生する抵抗力に基づくト
ルク)を超えると、第1バネ16の圧縮が開始され、第
1バネ16と並列に配置された摩擦機構242で滑りが
生じる。このように2段目途中からヒステリシストルク
が高くなる。θB(第2捩じり角度)になり、内周歯6
1と外周歯65が当接すると、以後はバネ206の圧縮
は停止される。すなわち、第1バネ16のみが圧縮さ
れ、さらに捩り角度が大きくなるとバネ17が第1バネ
16と並列に圧縮される。
【0077】以上に説明したように、2段目のバネ20
6と3段目の第1バネ16とが直列に作用するように配
置されているため、2段目においてヒステリシストルク
が途中から高くなる。より詳細には、2段目初期ではバ
ネ206のみが主に圧縮され中剛性・中ヒステリシスト
ルク(H2)が発生する。2段目途中のθBからは第1
バネ16とバネ206が直列に圧縮されるため、剛性は
1段目よりは高いが2段目初期よりは低くなる。しか
し、バネ206が圧縮されることでブッシュ93と筒状
部59において滑りが生じ、2段目初期より大きい中間
ヒステリシストルク(Hm)が発生している。この実施
形態では、中間ヒステリシストルク(Hm)の領域は2
段目の大半(8割程度)を占めている。捩じり角度θB
を越えると、バネ206の圧縮が停止され、第1バネ1
6のみが圧縮される。したがって3段目では2段目より
高い剛性が得られる。また、3段目で生じる高ヒステリ
シストルク(H3)は2段目で生じるヒステリシストル
ク(H2,Hm)より大きい。
【0078】以上の説明から明らかなように、第1バネ
16とバネ206が直列に圧縮されているときの中間ヒ
ステリシストルク(Hm)は、第1バネ16のみが圧縮
されているときに発生するヒステリシストルク(H2)
より高く、バネ206のみが圧縮されているときに発生
する高ヒステリシストルク(H3)より低い。この結
果、3段目の開始時(2段目と3段目の境界)であるθ
Bにおいてヒステリシストルクが急激に大きくなること
がない。従来であれば、θBにおいてヒステリシストル
ク(H2)からヒステリシストルク(H3)に変化し、
その変化量は大きかった。また、2段目の開始時(1段
目と2段目の境界)であるθAにおいてもヒステリシス
トルクが急激に大きくなることはない。
【0079】以上の捩じり特性によって、1段目正負全
体にわたって作動するアイドリング時の振動に対してジ
ャンピング現象が生じにくくなっている。具体的には2
段目に中間ヒステリシストルク(Hm)が得られている
ため、振動の吸収が緩やかに行われる。4段特性を実現
しているダンパー機構において、2段目のバネ(バネ2
06)と3段目のバネ(第1バネ16)とを直列に配置
することのさらなる利点について説明する。従来では3
段特性のクラッチディスクを4段特性化するためには、
この実施形態における2段目のバネを新たに追加してい
る。その場合に2段目のバネが3段目及び4段目のバネ
と並列に作用するように配置されている場合は、2段目
のバネを追加した分だけストッパートルクが高くなる。
並列配置の場合においてストッパートルクを3段特性の
ものと一致させるためには、3段目のバネの剛性を低く
する等の新たな設定を施す必要がある。それに対して、
2段目のバネと3段目のバネとを直列に配置した機構で
は、2段目のバネを新たに追加しても、元の3段特性の
ストッパートルクと同じストッパートルクが得られる。
これは、2段目のバネと3段目のバネとが直列に配置さ
れることにより、2段目バネの発生トルクを3段目バネ
の発生トルクが打ち消すからである。この結果、3段目
バネの設定を新たに行う必要がなくなる。
【0080】前記第2実施形態においても、2段目のば
ねと3段目のばねが直列に配置された4段特性を実現し
ているため、本実施形態と同様の効果を得ることができ
る。 〔他の実施例〕第1サブプレート207と第2サブプレ
ート208との嵌合部分つまり突起227の爪228と
第2係合部217とは、溶接、接着、かしめ等により堅
く固定されていても良い。この場合は、嵌合部分にフレ
ッティング摩耗が生じにくい。嵌合部分に摩耗による隙
間が発生しないと、作動遅れが生じにくいし、嵌合部分
の寿命が長くなる。
【0081】第1サブプレート207と第2サブプレー
ト208の連結を行う構造としては、両プレート20
7,208とは別体の板状部材を用いてもよい。この別
体の板状部材はプレート207,208に対して相対回
転不能に係合、又は堅く固定されている。なお、第1サ
ブプレート207と第2サブプレート208とを回転方
向に連結するための構造としては、第1サブプレート2
07と第2サブプレート208の両方から軸方向に延び
互いに係合する突起であってもよい。その場合も前述と
同様の効果が得られる。
【0082】前述したサブプレート構造の利点である、
(1)突起227による第1サブプレート207及び第
2サブプレート208の嵌合、及び(2)第2サブプレ
ート208とフリクションワッシャー240の一体化
は、本実施形態のクラッチディスク組立体のようにハブ
フランジ18とボス3とを連結するダンパーの入力部材
としてのサブプレート構造以外にも採用できる。言い換
えると、本願のサブプレート構造の利点は、円板状のフ
ランジの側方に配置されたサブプレート構造全てに適用
できる。本実施形態に開示されていない他のクラッチデ
ィスク組立体の例としては、ボスとフランジが一体に形
成されたハブのフランジの側方に配置されたサブプレー
トが考えられる。そこではサブプレートはフランジの窓
孔に配置された低剛性弾性部材と高剛性弾性部材とを連
結する中間部材として機能している。
【0083】前記実施形態では、第1バネ16がバネ2
06より剛性が高かったが、低くてもよい。前記実施形
態は4段特性を有するクラッチディスク組立体のダンパ
ー機構に関するものであるが、4段目のバネを有しない
3段特性のダンパー機構にも本発明を採用できる。ま
た、4段以上例えば5段特性のダンパー機構であっても
よい。
【0084】前記実施形態では第2バネ21とバネ20
6が直列に配置されているが、並列に配置されていても
よい。また、第2バネ21は1段目のみで圧縮されてい
るが、2段目でも圧縮されてよい。
【0085】
【発明の効果】本発明に係るダンパー機構では、第2弾
性部材と第3弾性部材が直列に作用するように配置され
ているため、第2弾性部材の圧縮が進む途中で第2弾性
部材により発生するトルクが第3弾性部材のイニシャル
トルク及び摩擦機構のヒステリシストルクの合計を超え
ると、第3弾性部材が第2弾性部材と回転方向に直列に
作用し、摩擦機構で滑りが開始される。すなわち、2段
目から摩擦機構が作用することによりそれまでより高い
ヒステリシストルクが発生する。この結果、ヒステリシ
ストルクが急激に立ち上がることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのクラッチディスク
組立体の平面図。
【図2】図1の部分拡大図。
【図3】図1のIII −III 断面図。
【図4】図1の0-IV断面図。
【図5】図1のO-V 断面図。
【図6】本発明のクラッチディスク組立体のダンパー機
構としての機械回路図。
【図7】クラッチディスク組立体の捩り特性線図。
【図8】固定プレートの平面図。
【図9】図8のIX-IX 断面図。
【図10】図8のX 矢視図。
【図11】図8のXI矢視図。
【図12】ブッシュの平面図。
【図13】図12のXIII矢視図。
【図14】図12のXIV-XIV 矢視図。
【図15】図14の部分拡大図。
【図16】図17のXVI-XVI 断面図。
【図17】ブッシュの裏面図。
【図18】図17のXVII矢視図。
【図19】図17のXIX 矢視図。
【図20】摩擦ブッシュの平面図。
【図21】図20のXXI-XXI 断面図。
【図22】図21の部分拡大図。
【図23】他の実施形態における図3に対応する図
【図24】第2実施形態におけるクラッチディスク組立
体の平面図。
【図25】図24のXXV−O断面図。
【図26】図24のXXVI−O断面図。
【図27】図24のXXVII−O断面図。
【図28】図24の部分拡大図。
【図29】図24の部分拡大図。
【図30】ハブフランジの平面図。
【図31】第2サブプレートの平面図。
【図32】第1サブプレートの平面図。
【図33】図32のXXXIII矢視図。
【図34】第2サブプレートとハブとの係合を示すため
の部分平面図。
【図35】ハブフランジと第1及び第2サブプレートと
の関係を示す断面図。
【図36】クラッチディスク組立体の機械回路図。
【図37】クラッチディスク組立体の捩り特性線図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体 2 入力回転体 3 ハブ 4 ダンパー機構 5 第1ダンパー機構 6 第2ダンパー機構 7 第1弾性機構 8 第1摩擦機構 9 第2弾性機構 10 第2摩擦機構 16 第1バネ 18 ハブフランジ 19 ブッシュ 20 固定プレート 21 第2バネ 31 クラッチプレート 32 リテーニングプレート 48 第1摩擦ワッシャー 49 第1コーンスプリング 78 第2コーンスプリング 206 バネ 207 第1サブプレート 208 第2サブプレート 221 環状部 222 筒状部 223 突出部 226 切り起こし部 227 突起 228 爪 211 環状部 212 内周歯 213 突出部 214 第1係合部 216 窓部 217 第2係合部 240 ワッシャー 212 内周歯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 貴司 大阪府寝屋川市木田元宮1丁目1番1号 株式会社エクセディ内 Fターム(参考) 3J056 AA33 AA38 AA58 AA62 BA03 BB16 BE27 CX01 CX12 CX16 CX25 CX28 CX44 CX82 GA02 GA12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1回転部材(3,19)と、 前記第1回転部材に相対回転可能に配置された第2回転
    部材(2,48,93)と、 前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に配置さ
    れ、両部材間でトルクを伝達するとともに捩じり振動を
    減衰するための機構(4)であって、捩じり特性1段目
    で圧縮される第1弾性部材(21)と、捩じり特性2段
    目でのみ圧縮されて1段目より高い剛性をもたらすため
    の第2弾性部材(206)と、前記第2弾性部材に対し
    て直列に作用するように配置された第3弾性部材(1
    6)と、前記第3弾性部材と並列に作用するように配置
    された摩擦機構(242)とを含むダンパー(4)とを
    備え、 前記第2弾性部材が発生するトルクは前記第3弾性部材
    のイニシャルトルクと前記摩擦機構のヒステリシストル
    クの合計より大きくなり得る、を備えたダンパー機構。
  2. 【請求項2】前記第2弾性部材と前記第3弾性部材との
    間にトルクを伝達するように配置された中間部材(1
    8)をさらに備え、 前記第1弾性部材と前記第2弾性部材は前記第1回転部
    材と前記中間部材との間にトルクを伝達するように配置
    され、 前記第3弾性部材は前記中間部材と前記第2回転部材と
    の間にトルクを伝達するように配置され、 前記第1回転部材と前記中間部材は、円周方向に所定の
    隙間を有するストッパー機構(61,65)を構成して
    いる、請求項1に記載のダンパー機構。
  3. 【請求項3】第1回転部材(3,19)と、 前記第1回転部材に相対回転可能に配置された第2回転
    部材(2,48,93)と、 前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に配置さ
    れ、両部材間でトルクを伝達するとともに捩じり振動を
    減衰するための機構(4)であって、前記第1回転部材
    と前記第2回転部材の間で前記第1回転部材側に配置さ
    れた第1中間部材(20,207,208)と、前記第
    1中間部材と前記第1回転部材とを回転方向に弾性的に
    連結し捩じり特性1段目で圧縮される第1弾性部材(2
    1)と、前記第1回転部材と前記第2回転部材の間で前
    記第2回転部材側に配置された第2中間部材(18)
    と、前記第1中間部材と前記第2中間部材とを回転方向
    に弾性的に連結するための部材であり前記第1弾性部材
    より剛性が高く捩じり特性2段目でのみ圧縮される第2
    弾性部材(206)と、前記第2中間部材と前記第2回
    転部材とを回転方向に弾性的に連結するための第3弾性
    部材(16)と、前記第2中間部材と前記第2回転部材
    が相対回転すると摩擦を発生する摩擦機構(242)と
    を含むダンパーとを備え、 前記第2弾性部材が発生するトルクは前記第3弾性部材
    のイニシャルトルクと前記摩擦機構のヒステリシストル
    クの合計より大きくなり得る、ダンパー機構。
  4. 【請求項4】前記第1回転部材と前記第2中間部材は、
    円周方向に所定の隙間を有するストッパー機構(61,
    65)を構成している、請求項3に記載のダンパー機
    構。
  5. 【請求項5】前記第2中間部材と前記第2回転部材は前
    記摩擦機構を構成している、請求項3又は4に記載のダ
    ンパー機構。
  6. 【請求項6】前記第3弾性部材は前記第2弾性部材より
    剛性が高い、請求項1〜5のいずれかに記載のダンパー
    機構。
  7. 【請求項7】前記第3弾性部材と並列に作用するように
    配置され所定捩じり角度までは作用しないようになって
    いる第4弾性部材をさらに備えている、請求項1〜6の
    いずれかに記載のダンパー機構。
  8. 【請求項8】前記第2弾性部材と並列に作用するように
    配置され、前記摩擦機構より小さな摩擦を発生するよう
    になっている第2摩擦機構(241)をさらに備えてい
    る、請求項1〜7のいずれかに記載のダンパー機構。
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