JP2000086997A - 瞬間硬化水性接着剤 - Google Patents

瞬間硬化水性接着剤

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JP2000086997A JP10279324A JP27932498A JP2000086997A JP 2000086997 A JP2000086997 A JP 2000086997A JP 10279324 A JP10279324 A JP 10279324A JP 27932498 A JP27932498 A JP 27932498A JP 2000086997 A JP2000086997 A JP 2000086997A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1液と第2液を別々の状態で長期間保管し
てもそれぞれは安定であり、しかも接着に際して、別々
に被接着面に塗布された第1液と第2液を接触させた場
合、急速に架橋反応して高度な耐水接着強度、初期接着
力を発現する2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤を提供
する。 【解決手段】 (A)ジアセトンアクリルアミド−脂肪
酸ビニルエステルの共重合体のケン化物を乳化・分散剤
とし、エチレン性不飽和単量体の重合体を分散質とする
水性エマルジョンを含有する第1液と(B)ヒドラジン
系化合物を含有する水性液からなる第2液とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着強度および耐
水接着強度に優れた2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木材やスレート板などの接着剤には、酢
酸ビニル系樹脂エマルジョン、尿素樹脂、ゴムのり、エ
ポキシ樹脂、イソシアネート化合物などが用いられてき
たが、これらの従来の接着剤は、一部の有機溶剤系接着
剤を除き、初期接着力が低いという問題がある。一方、
初期接着力の比較的高い有機溶剤系接着剤も工場などの
密閉された場所で使用する場合には、有機溶剤による毒
性と火災の危険があり、用途が限定されるという問題が
ある。また、水性の接着剤の中でも近年環境問題への関
心が高まるとともに、ホルマリン等の有害成分を放出す
る尿素樹脂等の使用は減少し、それらの問題のない酢酸
ビニル系樹脂エマルジョンは耐水接着強度が低く、初期
接着力、耐水接着強度、安全性の観点から、すべてのレ
ベルを満足させる接着剤がないというのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この問題を解決する手
段として、2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤が提案さ
れており、この接着剤は、第1液と第2液を別々に調整
し、保管しておき、接着に際しては、第1液を一方の被
着面に塗布し、第2液を他方の被着面に塗布し、塗布面
同士を接触、反応させて接着するものであって、特公平
1−60192号公報には分子内にアセトアセチル基を
有する高分子化合物の水溶液および/または水性エマル
ジョンからなる第1液とヒドラジン化合物の水溶液から
なる第2液とからなる2液別塗布型の瞬間硬化水性接着
剤が提案されている。この接着剤は、調製直後に使用し
た場合には、初期接着力は比較的高いが、アセトアセチ
ル基がヒドラジン化合物以外にもアルデヒド化合物とも
架橋反応をするため、第1液として保管中に大気中ある
いはエマルジョン中に存在するアルデヒド化合物と架橋
反応することにより第1液の保存安定性が劣り、水溶
液、エマルジョンの状態で保存した場合、経時的な粘度
上昇が見られると同時に、第2液と接触した場合の架橋
反応性が保存時間の経過とともに低下するという問題が
ある。また、上記のアセトアセチル基を有する高分子化
合物として、アセトアセチル基を有するポリビニルアル
コール(以下、PVAと略記する)を製造する場合に
は、固体状のPVAと液体状のジケテンを不均一系で反
応させるため、アセトアセチル基の導入にむらが生じ、
耐水接着強度等の性能が良くないという問題がある。
【0004】本発明は、このような従来の欠点を解決
し、第1液と第2液を別々の状態で長期間保管してもそ
れぞれは安定であり、しかも接着に際して、別々に被接
着面に塗布された第1液と第2液を接触させた場合、急
速に架橋反応して高度な耐水接着強度、初期接着力を発
現する2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するものであって、(A)ジアセトンアクリルアミ
ド−脂肪酸ビニルエステルの共重合体のケン化物を乳化
・分散剤とし、エチレン性不飽和単量体の重合体を分散
質とする水性エマルジョンを含有する第1液と(B)ヒ
ドラジン系化合物を含有する水性液からなる第2液とか
らなることを特徴とする2液別塗布型の瞬間硬化水性接
着剤、および第1液(A)、第2液(B)の少なくとも
一方に(C)酸性化合物を配合してなることを特徴とす
る2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤は、第1液
(A)と第2液(B)とからなるものであって、第1液
(A)は、ジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエ
ステルの共重合体のケン化物を乳化・分散剤とし、エチ
レン性不飽和単量体の重合体を分散質とする水性エマル
ジョンを含有する水性液であり、第2液(B)は、ヒド
ラジン系化合物を含有する水性液からなるものである。
【0007】第1液(A)において用いられるジアセト
ンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステル共重合体のケ
ン化物 (以下、DAVESと略記する) は、脂肪酸ビニ
ルエステルとジアセトンアクリルアミドとを共重合して
得た重合体をケン化するなどの公知の方法により製造す
ることができる。
【0008】上記の共重合に使用する脂肪酸ビニルエス
テルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ピバリン酸ビニルが挙げられ、中でも酢酸ビニ
ルが工業的に好ましい。
【0009】上記の脂肪酸ビニルエステルとジアセトン
アクリルアミドとの共重合方法は、従来から公知の塊状
重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの各種の方法
を採用することができ、中でもメタノールを溶剤として
用いる溶液重合が工業的に好ましい。
【0010】脂肪酸ビニルエステルとジアセトンアクリ
ルアミドとを共重合して得た重合体のケン化方法は、従
来から公知のアルカリケン化および酸ケン化を適用する
ことができ、中でも重合体のメタノール溶液またはメタ
ノールと水、酢酸メチル、ベンゼン等の混合溶液に水酸
化アルカリを添加して加アルコール分解する方法が工業
的に好ましい。
【0011】上記のDAVESは、本発明の効果を阻害
しない範囲で、脂肪酸ビニルエステルまたはジアセトン
アクリルアミドと共重合可能な、例えばクロトン酸、ア
クリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸お
よびそのエステル・塩・無水物・アミド・ニトリル類、
マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカル
ボン酸およびその塩、マレイン酸モノメチル、イタコン
酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアルキルエステル
類、炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニ
ルエーテル類、ビニルピロリドン類とともに共重合した
ものであっても良い。この他、得られたDAVESを本
発明の効果を阻害しない範囲で、アセタール化、ウレタ
ン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化、ア
セトアセチル化などの反応によって後変性したものでも
良い。
【0012】上記のDAVESのジアセトンアクリルア
ミド単位の含有量は特に制限はないが、0.1〜15モ
ル%が望ましく、より好ましくは0.5〜10モル%で
ある。ジアセトンアクリルアミド単位の含有量が少なす
ぎると、耐水接着強度および初期接着力が小さく、また
DAVESは水溶性ポリマーであるが、含有量が多くな
りすぎると、水溶性が低下し、作業性に問題を生じるお
それがある。
【0013】また、上記のDAVESの重合度、ケン化
度は特に制限されないが、20℃における4%水溶液粘
度が3mPa.s以上、ケン化度85モル%以上が好ま
しい。
【0014】第1液(A)の水性エマルジョンの分散質
に使用されるエチレン性不飽和単量体の例としては、エ
チレン、プロピレン、イソプレンなどのオレフィン、塩
化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
リデンなどのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、
ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸2ーエチルヘキシル、メ
タクリル酸ドデシル、メタクリル酸2ーヒドロキシエチ
ルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルア
ミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよび
これらの4級化物、さらには、アクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、N,Nージメチルアクリルア
ミドなどのアクリルアミド系単量体、その他Nービニル
ピロリドン、ブタジエン、イソブチレン、クロロプレン
などのジエン系単量体などが挙げられ、これらは単独あ
るいは2種以上を混合して用いられる。
【0015】また、上記水性エマルジョンの製造方法と
しては、DAVESの水溶液を乳化・分散剤に用いて重
合開始剤の存在下に前記エチレン性不飽和単量体を一時
または連続的に添加して乳化重合させる方法、またエチ
レン性不飽和単量体をDAVESの水溶液を用いて乳化
した混合物を、連続的に反応系に添加して乳化重合させ
る方法などがあり、その他にも、界面活性剤およびPV
A等の水溶性高分子を用いて従来公知の方法で得られた
水性エマルジョンにDAVESを後添加する方法などが
挙げられる。
【0016】なお、前記水性液中のDAVESの含有量
については、水性液100重量部に対して、DAVES
0.5重量部以上が好ましく、より好ましくは2重量部
以上である。DAVESの含有量が少なすぎる場合は耐
水接着強度、初期接着力の改良効果が小さくなる恐れが
ある。
【0017】また、第1液(A)のDAVESを含有す
る水性液には、DAVES以外の水溶性樹脂、例えばP
VA、変性PVA、デンプン、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸誘導体、ゼラ
チン等の天然高分子、合成高分子、クレー、カオリン、
タルク、シリカ、炭酸カルシウム等の無機充填剤、グリ
セリン、ソルビトール等の可塑剤、界面活性剤、消泡
剤、キレート剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配
合することができる。
【0018】第2液(B)において用いられるヒドラジ
ン系化合物としては、例えばヒドラジン、ヒドラジンヒ
ドラート、ヒドラジンの1水和物もしくは塩、カルボヒ
ドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジ
ド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、
アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、ス
ベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セ
バシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキ
サデカンジオヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、
イソフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒド
ラジド、4,4′−ビスベンゼンジヒドラジド、1,4
−ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラ
ジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジ
ヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒ
ドラジド、N,N′−ヘキサメチレンビスセミカルバジ
ド、イタコン酸ジヒドラジド、エチレンジアミン四酢酸
テトラヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,
3−ベンゼントリヒドラジド、1,4,5,8−ナフト
エ酸テトラヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、
シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、ピロメ
リット酸テトラヒドラジド、およびN−アミノポリアク
リルアミドなどのヒドラジノ基を有する高分子化合物お
よびこれらのヒドラジン系化合物にケトン基を有するア
セトン、メチルエチルケトンを反応させた例えばアジピ
ン酸ジヒドラジドジアセトンヒドラゾン、アジピン酸ジ
ヒドラジドジメチルエチルケトンヒドラゾンなどのヒド
ラジン系化合物の誘導体などが挙げられるが、これらに
限らない。
【0019】第2液(B)において用いられるヒドラジ
ン系化合物の水性液は、ヒドラジン系化合物を含有する
水溶液または水分散液であって、その濃度は特に制限は
無いが、1〜50重量%が好ましく、より好ましくは3
〜25重量%である。
【0020】第1液(A)、第2液(B)の少なくとも
一方に(C)酸性化合物を配合することができる。ここ
で(C)として用いられる酸性化合物としては、例えば
塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、リン酸、クエン酸、コ
ハク酸、マレイン酸、フマル酸、アスコルビン酸、スル
ホン酸、シュウ酸、乳酸、グルコン酸、硫酸アルミニウ
ム、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミ
ニウムカリウムなどが挙げられるが、これらに限られな
い。また、酸性化合物の添加量には、特に制限は無い
が、第1液(A)、第2液(B)の少なくとも一方に混
合した際の溶液、または分散液のpHが2.0〜6.0
になることが好ましい。
【0021】本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着
剤は、接着に際しては、DAVESを含む水性液からな
る第1液を一方の被着面に塗布し、ヒドラジン系化合物
の水性液からなる第2液を他方の被着面に塗布し、両被
着面を密着、貼り合わせるのであるが、その際の塗布量
については特に制限は無いが、第1液が5〜300g/
m2(固形分として)であり、第2液が0.1〜50g/
m2(ヒドラジン系化合物として)であることが好まし
い。
【0022】本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着
剤の作用機構については十分解明されたわけではない
が、DAVESの水性液からなる第1液とヒドラジン系
化合物の水性液からなる第2液がそれぞれ別々に塗布さ
れた被着面を貼り合わせる際に、DAVES分子中のカ
ルボニル基とヒドラジン系化合物のヒドラジド基が急速
に架橋反応を生ずるため、初期接着力が高く、高度な耐
水接着強度が得られると考えられる。また、これらの第
1液、第2液の少なくとも一方に酸性化合物を添加する
と、反応時のpHが低下し、カルボニル基とヒドラジド
基の反応速度が高くなるため、初期接着力がより高くな
ると考えられる。
【0023】本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着
剤は、短時間の圧締で十分な初期接着力が得られ、比較
的低温で乾燥しても優れた耐水性を示すことから、木
材、合板、パーティクルボード、ハードボード等の繊維
質材料、スレート板、珪カル板、モルタル、タイル等の
無機質材料、メラミン化粧板、ベークライト、発泡スチ
ロール等のプラスチック材料、段ボール、板紙、クラフ
ト紙等の紙質材料などの高速接着に有用である。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。同実施例中、特にことわりのないかぎり、「%」
および「部」は重量基準を表す。なお、実施例中の諸物
性の測定方法を以下に示す。
【0025】(1).初期接着力(セットタイム) 25mm×30mm×10mmの2片の木材試験片のうちの一
方の試験片の接着面(25mm×30mm)に第1液を10
0g/m2塗布し、他方の試験片の接着面に第2液を50
g/m2塗布し、その後、塗布面同士を密着し、直ちに2
kgf の荷重で圧締した。各種圧締時間後に解圧して、2
片の試験片の一方を固定し、他方に5kgf の荷重をかけ
て両試験片が剥離しないかどうかを調べ、両試験片が剥
離しなくなった最短の圧締時間(秒)をセットタイムと
した。このセットタイムは実用上の初期接着力が得られ
る最短の時間(秒)を意味する。
【0026】(2).耐水接着強度 JISK−6852に基づき、25mm×30mm×10mm
の2片の試験片の一方の接着面(25mm×30mm)に第
1液を100g/m2塗布し、他方の試験片の接着面に第
2液を50g/m2塗布し、その後、塗布面同士を密着し
直ちに5kgf の荷重で4分間圧締した。解圧後、20℃
×65%RHで72時間養生し、接着試験片を20℃の
水に3時間浸漬した後、取り出して直ちに圧縮剪断接着
強度(kgf/cm2 ) を測定した。
【0027】(3).保存安定性(粘度上昇率) 第1液として用いた水溶液またはエマルジョンの作成直
後の30℃での粘度と30℃で1ケ月放置した後の粘度
を測定し、その粘度上昇率 (倍) を求めた。粘度上昇が
見られない場合は1.0とし、その数値が大きいほど、
保存安定性が良くないことを意味する。
【0028】(4).総合評価 セットタイムが60秒以下で、耐水接着強度が50kgf
/cm2 以上で、1ケ月放置後の粘度上昇率が1.2倍以
下である場合を○、いずれかが前記目標レベルに達して
いない場合を×として評価を行った。
【0029】実施例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
ガラス製重合容器に、イオン交換水500重量部、ジア
セトンアクリルアミド単位を6.0モル%含有するDA
VES(重合度1,700、ケン化度98.5モル%)
39重量部を仕込み、95℃で完全に溶解した。これを
70℃まで冷却し、過硫酸アンモニウム0.5重量部を
添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、酢酸ビニル46
0重量部を2時間かけて連続的に添加した後、80℃に
昇温し、さらに2時間熟成反応を行い、乳化重合を完結
させ、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0030】第1液として上記の酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョン、第2液としてアシピン酸ジヒドラジドの10
%水溶液を使用し、木材の接着を行い、セットタイム、
耐水接着強度および第1液の保存安定性を測定した。結
果を表1に示す。表1より明らかなように、セットタイ
ムは短く、耐水接着強度も高く、また第1液の保存安定
性も良好であった。
【0031】実施例2 第2液としてカルボヒドラジドの10%水溶液を使用し
た以外は実施例1と同様にして、木材の接着を行い、セ
ットタイム、耐水接着強度および第1液の保存安定性を
測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなよう
に、セットタイムは短く、耐水接着強度も高く、また第
1液の保存安定性も良好であった。
【0032】実施例3 第2液としてアジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液1
00部に塩化アルミニウム5部を添加した混合水溶液を
使用した以外は実施例1と同様にして、木材の接着を行
い、セットタイム、耐水接着強度および第1液の保存安
定性を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかな
ように、セットタイムは短く、耐水接着強度も高く、ま
た第1液の保存安定性も良好であった。
【0033】実施例4 第1液として実施例1で使用した酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョン100重量部とジアセトンアクリルアミド単位
を6.0モル%含有するDAVES(重合度1,70
0、ケン化度98.5モル%)の15%水溶液10部と
を混合した混合液を使用した以外は実施例1と同様にし
て、木材の接着を行い、セットタイム、耐水接着強度お
よび第1液の保存安定性を測定した。結果を表1に示
す。表1より明らかなように、セットタイムは短く、耐
水接着強度も高く、また第1液の保存安定性も良好であ
った。
【0034】実施例5 第2液としてアジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液1
00部に50%リン酸水溶液2部を添加した混合水溶液
を使用した以外は実施例1と同様にして、木材の接着を
行い、セットタイム、耐水接着強度および第1液の保存
安定性を測定した。結果を表1に示す。表1より明らか
なように、セットタイムは短く、耐水接着強度も高く、
また第1液の保存安定性も良好であった。
【0035】実施例6 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
ガラス製重合容器に、イオン交換水500重量部、ジア
セトンアクリルアミド単位を4.5モル%含有するDA
VES(重合度600、ケン化度98.6モル%)39
重量部を仕込み、95℃で完全に溶解した。これを70
℃まで冷却し、過硫酸アンモニウム0.5重量部を添加
し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、酢酸ビニル460重
量部を2時間かけて連続的に添加した後、80℃に昇温
し、さらに2時間熟成反応を行い、乳化重合を完結さ
せ、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0036】第1液として上記の酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョン、第2液としてアジピン酸ジヒドラジドの10
%水溶液を使用し、木材の接着を行い、セットタイム、
耐水接着強度および第1液の保存安定性を測定した。結
果を表1に示す。表1より明らかなように、セットタイ
ムは短く、耐水接着強度も高く、また第1液の保存安定
性も良好であった。
【0037】実施例7 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
ガラス製重合容器に、イオン交換水500重量部、重合
度1,700、ケン化度98.5モル%の未変性PVA
39重量部を仕込み、95℃で完全に溶解した。これを
70℃まで冷却し、過硫酸アンモニウム0.5重量部を
添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、酢酸ビニル46
0重量部を2時間かけて連続的に添加した後、80℃に
昇温し、さらに2時間熟成反応を行い、乳化重合を完結
させ、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0038】第1液として上記の酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョン100重量部とジアセトンアクリルアミド単位
を6.0モル%含有するDAVES(重合度1,70
0、ケン化度98.5モル%)の15%水溶液10部と
を混合した混合液を使用した以外は実施例1と同様にし
て、木材の接着を行い、セットタイム、耐水接着強度お
よび第1液の保存安定性を測定した。結果を表1に示
す。表1より明らかなように、セットタイムは短く、耐
水接着強度も高く、また第1液の保存安定性も良好であ
った。
【0039】比較例1 第1液として実施例1で作製した酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョンを使用し、第2液を使用せず、2片の木材の一
方に第1液だけを塗布し、木材の接着を行い、セットタ
イム、耐水接着強度および第1液の保存安定性を測定し
た。結果を表1に示す。表1より明らかなように、セッ
トタイムは長く、耐水接着強度も低く、実用レベルに達
しなかった。
【0040】比較例2 第1液として実施例7で作製した酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョン、第2液としてアジピン酸ジヒドラジドの10
%水溶液を使用し、木材の接着を行い、セットタイム、
耐水接着強度および第1液の保存安定性を測定した。結
果を表1に示す。表1より明らかなように、セットタイ
ムは長く、耐水接着強度も低く、実用レベルに達しなか
った。
【0041】比較例3 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
ガラス製重合容器に、イオン交換水500重量部、アセ
トアセチル基を6モル%含有するアセトアセチル化PV
A(重合度1700、ケン化度98.5モル%)39重
量部を仕込み、95℃で完全に溶解した。これを70℃
まで冷却し、過硫酸アンモニウム0.5重量部を添加
し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、酢酸ビニル460重
量部を2時間かけて連続的に添加した後、80℃に昇温
し、さらに2時間熟成反応を行い、乳化重合を完結さ
せ、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0042】第1液として上記の酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョン、第2液としてアジピン酸ジヒドラジドの10
%を使用し、木材の接着を行い、セットタイム、耐水接
着強度および第1液の保存安定性を測定した。結果を表
1に示す。表1より明らかなように、セットタイムは短
かったものの、耐水接着強度は低く、第1液の保存安定
性も実用レベルに達しなかった。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、第1液と第2液を別々の状態で長期間保管し
てもそれぞれは安定であり、しかも接着に際して、それ
ぞれ被接着面に別々に塗布した第1液と第2液を接触さ
せた場合、急速に反応し、短い圧締時間で十分な初期接
着力を有し、比較的低温で乾燥しても高い耐水接着強度
を発現する2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤を提供す
ることができる。
【0045】本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着
剤は、木材、合板、パーティクルボード、ハードボード
等の繊維質材料、スレート板、珪カル板、モルタル、タ
イル等の無機質材料、メラミン化粧板、ベークライト、
発泡スチロール等のプラスチック材料、段ボール、板
紙、クラフト紙等の紙質材料などの高速接着に特に有用
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ジアセトンアクリルアミド−脂肪
    酸ビニルエステルの共重合体のケン化物を乳化・分散剤
    とし、エチレン性不飽和単量体の重合体を分散質とする
    水性エマルジョンを含有する第1液と(B)ヒドラジン
    系化合物を含有する水性液からなる第2液とからなるこ
    とを特徴とする2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の第1液(A)と第2液
    (B)の少なくとも一方に(C)酸性化合物を配合して
    なることを特徴とする請求項1記載の2液別塗布型の瞬
    間硬化水性接着剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006316133A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Konishi Co Ltd 2液硬化型水性接着剤
CN110684487A (zh) * 2018-07-06 2020-01-14 上海必霖化工科技有限公司 一种双组分水性粘合剂、基于其将第一表面粘合到第二表面的方法及其制品

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CN110684487B (zh) * 2018-07-06 2022-01-14 上海必霖化工科技有限公司 一种双组分水性粘合剂、基于其将第一表面粘合到第二表面的方法及其制品

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