JP2000082647A - レジスト膜の塗布方法及び塗布装置 - Google Patents

レジスト膜の塗布方法及び塗布装置

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JP2000082647A JP25080498A JP25080498A JP2000082647A JP 2000082647 A JP2000082647 A JP 2000082647A JP 25080498 A JP25080498 A JP 25080498A JP 25080498 A JP25080498 A JP 25080498A JP 2000082647 A JP2000082647 A JP 2000082647A
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resist
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cup
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Masaya Yonaha
真哉 與那覇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大口径ウエハであっても、その周辺部に塗布
ムラを発生させることなく、しかも膜厚及び膜質の面内
均一性の良好なレジスト膜をウエハに塗布する塗布方法
を提供する。 【解決手段】 本方法は、スピンコート法により、8イ
ンチ以上の大口径のウエハ上に膜厚5500Å以下のレ
ジスト膜を塗布する方法である。本方法は、500〜1
200rpmの回転数でウエハを回転させつつレジスト
を滴下し、次いで、ウエハ上全面にレジストを拡散させ
た時点でレジストの滴下を中止する第1のステップと、
第1のステップの回転数から、レジスト膜の膜厚を規定
するウエハ所要回転数の相関関係から求めたウエハ所要
回転数まで、ウエハの回転数を上げ、その回転数で1秒
以上5秒以内の間ウエハを回転させる第2のステップ
と、第2のステップから回転数を下げて、第2のステッ
プのウエハ所要回転数より低い回転数で15秒間以上ウ
エハを回転させる第3のステップとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジスト膜の塗布
方法及び塗布装置に関し、更に詳細には、スピンコート
法により、8インチ以上の大口径のウエハ上に膜厚55
00Å以下のレジスト膜を塗布する際、塗布ムラがな
く、膜厚及び膜質の面内均一性の良好なレジスト膜を塗
布する方法及び塗布装置に関するものである。尚、本明
細書でレジスト膜とは、フォトレジスト膜を含む広い概
念である。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程では、エッチング
によるパターニングの際、所望のパターンを有するレジ
スト膜マスクを被エッチング層上に形成し、それを使っ
て、被エッチング層をエッチングしている。マスクを形
成するためのレジスト膜は、通常、塗布装置を使ってレ
ジストをウエハ上に塗布し、ベーキングすることによ
り、被エッチング層上に成膜されている。
【0003】ところで、半導体装置の高集積化に伴い、
配線を含めて半導体装置の各要素が微細化している。
0.35μm 以下の微細パターンルールの世代では、エ
ッチング加工上の理由から、ウエハ上に塗布するレジス
ト膜の膜厚も益々薄膜化している。特に、反射防止膜塗
布を必要とするレジスト塗布プロセスでは、膜厚均一性
を確保し、またピンホールのようなはじきムラの発生を
防止するために、反射防止膜の膜厚は2000Å以上を
必要としている。一方、レジスト解像パターンのドライ
エッチングの精度を向上させ、レジストパターン倒れを
防止するためには、反射防止膜とレジスト膜と合わせた
膜厚は、7000Å以下にする必要があるので、必然的
に、レジスト膜の膜厚は5500Å以下にする必要があ
る。
【0004】従来の塗布方法を説明する前に、先ず、図
4を参照して、レジストをウエハ上に塗布する際に使用
する塗布装置を説明する。図4はスピンコート式の塗布
装置の構成を示す断面図である。塗布装置10は、図4
に示すように、ウエハ面を上にしてウエハWを保持しつ
つウエハWに直交する軸の周りに回転するウエハ保持テ
ーブル12と、ウエハ保持テーブル12上に保持したウ
エハWにレジストを供給するレジスト供給ノズル14
と、ウエハ保持テーブル12及びレジスト供給ノズル1
4を囲うコータカップ16とを備えている。
【0005】ウエハ保持テーブル12は、コータカップ
16の底部を貫通し、回転装置(図示せず)により回転
する回転軸18の上端に取り付けてあって、ウエハWを
真空吸着するチャック機構をウエハ保持面に備え、回転
軸18と共にウエハ保持面に直交する軸の周りに回転す
る。コータカップ16は、ウエハWの回転に伴って遠心
力によりウエハWから飛散するレジスト粒子を捕捉する
ために設けてあって、側方及び上方に飛散するレジスト
粒子を捕捉する外カップ20と、ウエハWから下方に飛
散するレジスト粒子を外カップ20の底部に誘導する内
カップ22とから構成されている。外カップ20には、
レジスト供給ノズル14等を導入するために、及びウエ
ハWを取り入れ、取り出すために、開口24を上部に有
する。また、内カップ22は、外カップ20の下部に設
けられ、円筒部22aと、その上部開口からコータカッ
プ16の内部に向かって広がる傘部22bとから形成さ
れている。
【0006】レジスト供給ノズル14は、コータカップ
16の開口24を介して上方から下降し、ウエハWの塗
布面に臨む位置に配置されている。また、ウエハWの裏
面エッジを洗浄するために、リンス剤を噴射する第1洗
浄ノズル26がコータカップ16の底部を貫通してウエ
ハWの裏面エッジを指向するように設けてあり、更に、
ウエハWの表面エッジを洗浄するために、リンス剤を噴
射する第2洗浄ノズル28がコータカップ16の上部開
口24を介してウエハWのエッジを指向するように設け
てある。コータカップ16内部を排気する排気装置(図
示せず)に接続された排気管30及び捕捉したコータカ
ップ16で捕捉したレジストを排出するドレイン管32
が、コータカップ16の底部に接続されている。
【0007】次に、5500Å以下の膜厚のレジスト膜
を8インチウエハ上に成膜する場合を例にして、上述の
塗布装置10を使って、レジスト膜を塗布する従来の方
法を説明する。図5は従来の方法に従ってレジスト膜を
塗布する際のタイムスケジュールを示すグラフである。
5500Å以下の膜厚、例えば5000Åのレジスト膜
を8インチウエハ上に塗布する際には、従来、以下のよ
うな手順で行っていた。レジスト膜として例えば粘度7
cp程度の比較的低粘度のレジストを使い、先ず、ウエ
ハをウエハ保持テーブル12上に保持して1000rp
mの低回転数で回転させつつレジスト供給ノズル14か
らレジストをウエハ上に滴下し、4秒間かけて、ウエハ
塗布面全面にレジストが拡散した状態にする。次いで、
レジストの滴下を中止し、ウエハを5000rpmで1
9秒間回転させ、所望の膜厚、即ち5000Åのレジス
ト膜を形成する。続いて、20秒間かけて、第1洗浄ノ
ズル26からリンス液を噴出してウエハ裏面エッジの洗
浄を行い、また第2洗浄ノズル28からリンス液を噴出
してウエハ表面エッジの洗浄を行う。これで、塗布工程
は、終了する。次いで、次のベーク工程に送って、レジ
スト残留溶剤を完全に除去する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の塗布方法に従って8インチ以上のウエハ上に5500
Å以下の膜厚のレジスト膜を塗布した際には、膜厚及び
膜質の面内均一性が好ましくなく、ばらつきが生じ、例
えば、8インチ以上のウエハでは、高速回転塗布の場
合、ウエハ面内には90Å以上のレジスト膜厚ばらつき
が生じる。このために、塗布工程に続くフォトリソグラ
フィ及びエッチング工程で支障が生じる。例えば、エッ
チングで得た配線幅にばらつきが生じ、製品歩留りの向
上が難しいという問題があった。具体的には、8インチ
以上の大口径ウエハでは、レジスト剤を滴下した後、回
転数5000rpmで20秒間以上回転させると、ウエ
ハ外周部から内方に20mmの幅の周縁部に一定の周期で
塗布ムラが発生する。例えば、上述の方法に従った例で
は、ウエハ周辺部に発生した塗布ムラ、及びその塗布ム
ラに起因して、ウエハ中央部とウエハ周辺部の間でレジ
スト膜の膜厚のばらつきが生じ、図6に示すように10
0Åを超える膜厚のばらつきがウエハ面内に発生してい
る。尚、参考のために言えば、6インチウエハでは、レ
ジスト剤を滴下した後、回転数6000rpmで20秒
間以上回転させた場合にも、ウエハ周縁部に塗布ムラが
発生するようなことはない。
【0009】そこで、本発明の目的は、大口径ウエハで
あっても、その周辺部に塗布ムラを発生させることな
く、しかも膜厚及び膜質の面内均一性の良好なレジスト
膜をウエハに塗布する塗布方法を提供すること、更に
は、そのようなレジスト膜を塗布する塗布装置を提供す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の方法
に従って、8インチ以上の大口径のウエハ上に薄膜のレ
ジスト膜を塗布しようとすると、膜厚及び膜質の面内均
一性が悪くなる原因を調べた結果、次のことを見い出し
た。 (1)ウエハを4300rpm以上の高速で回転させる
と、ウエハ上のレジスト流動、拡散が、コータカップ内
の空気の流れに影響され、円滑な流動、拡散が阻害され
ることである。即ち、ウエハ周辺部の線速度が、極めて
速くなり、その結果、ウエハ周辺部と空気との摩擦によ
り、コータカップ内の空気が、気流となったり、或いは
渦流となったりする。このような空気の流れ及び空気と
の摩擦抵抗により、レジストのウエハ上での円滑な流
動、拡散が阻害されて、大きな塗布ムラ及び膜厚のばら
つきが生じる。 (2)40cp以下の低粘度レジストの膜厚は、レジス
ト滴下直後の短時間でのウエハ回転の回転数、実際に
は、3.0秒ないし5.0秒以内に行うウエハ回転の回
転数に大きく依存していて、滴下直後の回転数がレジス
ト膜の膜厚を規定する。従って、滴下直後の短い時間、
即ち1.0秒ないし5.0秒間、所定膜厚を規定する所
定回転数でウエハを回転させることにより、所定膜厚を
得ることができる。逆に、塗布ムラの発生及び膜厚のば
らつきを抑制するために、空気の気流又は空気抵抗の影
響が小さい回転数、例えば4000rpm以下の回転数
でウエハを数十秒間回転させ続けたとしても、5500
Å以下の所定膜厚までレジスト膜を薄くすることは出来
ない。 (3)レジスト滴下後、膜厚を規定する所定回転数でウ
エハを回転させた後、それより低い回転数でウエハを回
転することにより、膜厚及び膜質の面内均一性を維持す
ることができる。
【0011】以上の知見に基づき、本発明者は、実験を
重ね、以下に説明する本発明を完成するに到った。上記
目的を達成するために、本発明に係るレジストの塗布方
法は、レジストを被着させたウエハをウエハ面に直交す
る軸の周りに回転させて塗布するスピンコート法によ
り、8インチ以上の大口径のウエハ上に膜厚5500Å
以下のレジスト膜を塗布する方法であって、500rp
m以上1200rpm以下の回転数でウエハを回転させ
つつ所定量のレジストを滴下しながら、ウエハ上全面に
レジストを拡散させた時点でレジストの滴下を中止する
第1のステップと、第1のステップの回転数から、レジ
スト膜の膜厚を規定するウエハ所要回転数の相関関係か
ら求めたウエハ所要回転数まで、ウエハの回転数を上
げ、その回転数で1秒以上5秒以内の間ウエハを回転さ
せる第2のステップと、第2のステップから回転数を下
げて、第2のステップのウエハ所要回転数より低い回転
数で15秒間以上ウエハを回転させる第3のステップと
を有することを特徴としている。
【0012】本発明では、先ず、第1のステップで、従
来と同様にしてレジストをウエハ上に滴下しつつ低回転
数でウエハを回転することにより、ウエハ全面にレジス
トを拡散させる。第2のステップでは、空気の気流発生
及び空気抵抗の影響によるウエハ周辺部の塗布ムラの発
生を最小限に抑えるために、できるだけ短い時間、即ち
1秒以上5秒以下の間ウエハをウエハ所要回転数で回転
させて、膜厚を所望の膜厚にする。ウエハ所要回転数
は、使用するレジスト膜の性状によって異なり、予め実
験等によりレジスト膜の膜厚とウエハ所要回転数の関
係、例えば図7に示すような関係を求めておき、その関
係から所望の膜厚に応じてウエハ所要回転数を決定す
る。第3のステップでは、ウエハ周辺部に塗布ムラが発
生しない回転数、即ちウエハ所要回転数以下の回転数、
好ましくはウエハ所要回転数に近い回転数でウエハを比
較的長時間回転させ、レジスト膜の膜厚及び膜質の面内
均一性を高める。
【0013】好適には、第2のステップの期間として規
定した1秒以上5秒以内という時間は、第1のステップ
から第2のステップに移行する時間を含めている。これ
により、ウエハ周辺部の塗布ムラの発生を一層確実に抑
制することできる。
【0014】好適な実施態様では、レジストとして流動
性が高い粘度が40cp以下、更に好ましくは10cp
以下の有機性レジストを使用し、第2のステップの所要
回転数は、4300rpm以上6000rpm以下とす
る。また、第3のステップでは、3800rpm以上4
200rpm以下の範囲の回転数でウエハを回転させ
る。これにより、ウエハ周辺部の塗布ムラの発生を一層
確実に防止し、ウエハの膜厚及び膜質の面内均一性を一
層高めることができる。本発明方法で使用する粘度40
cp以下のレジストとしては、例えば東京応化(株)製
の商品名PAG(溶剤の主成分:ニトロ・ベンジル・ト
シレート)、商品名PGMEA(溶剤の主成分:ME
A)を使用することができる。また、実用的には、第3
のステップの後に、第3のステップでの回転数より低い
回転数でウエハを回転させつつウエハ表面及び裏面のエ
ッジを洗浄する第4のステップを有する。
【0015】更に好適には、第1のステップ及び第4の
ステップに要する時間として、それぞれ、10秒以上1
5秒以下の時間、及び10秒以上20秒以下の時間を設
定し、第1のステップから第4のステップまでのシーケ
ンスをプログラム化し、そのプラグラムによって自動的
に塗布処理を行う。これによって、多数枚のウエハにつ
いて同じ塗布手順を適用することができるので、ウエハ
毎の膜厚及び膜質のばらつき発生を防止することができ
る。
【0016】本発明に係る塗布装置は、スピンコート法
により、ウエハ上にレジスト膜を塗布する塗布装置であ
って、ウエハ面を上にしてウエハを保持しつつウエハに
直交する軸の周りに回転するウエハ保持テーブルと、ウ
エハ保持テーブル上に保持したウエハにレジストを供給
するレジスト供給ノズルと、ウエハ保持テーブル及びレ
ジスト供給ノズルを囲うコータカップとを備え、コータ
カップは、密閉式であって、コータカップ内の圧力を減
圧にする減圧装置に接続されていることを特徴としてい
る。
【0017】本発明に係る塗布装置では、コータカップ
が密閉式であって、減圧装置によってコータカップ内を
吸引、減圧にすることにより、コータカップ内の空気及
びレジストの溶剤が吸引され、気体密度が希薄になっ
て、気流の影響及び気体抵抗が減退する。これにより、
ウエハ周辺部の塗布ムラの発生を大幅に抑制することが
でき、しかも膜厚及び膜質の良好な面内均一性を保持す
ることができる。
【0018】好適には、ウエハ裏面エッジを洗浄する裏
面洗浄ノズル、及びウエハ表面エッジを洗浄する表面洗
浄ノズルが設けてある。
【0019】また、コータカップは、上部カップと下部
カップとに2分割され、上部カップと下部カップとは、
相互に連結、分離自在に連結されている。コータカップ
が2分割されている場合には、好適には、レジスト供給
ノズル及び表面洗浄ノズルは、フレキシブル管を介して
上部カップに接続、貫通してウエハ表面の適所に臨み、
裏面洗浄ノズルは、下部カップを貫通してウエハ裏面の
適所に臨んでいるようにする。これにより、ウエハをウ
エハ保持ステージに保持する際、上部カップを下部カッ
プから分離し、ウエハをウエハ保持ステージ上に保持
し、次いで再び上部カップを下部カップに連結すること
が容易にできる。上部カップと下部カップとの連結は、
リング状ガスケットを介して、既知のクランプ結合で
も、ボルト/ナット結合でも、或いはクイック・カップ
リング結合でも、更にはネジ結合でも良い。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照し、実施
形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に
説明する。塗布方法の実施形態例 本実施形態例は、本発明に係るレジスト膜の塗布方法の
実施形態の一例である。本実施形態例の塗布方法は、前
述した塗布装置10を使用して、粘度40cp以下の有
機性レジストレジストを使用してスピンコート法によ
り、8インチウエハ上に膜厚5000Åのレジスト膜を
塗布する方法である。
【0021】先ず、第1のステップでは、500〜12
00rpmの回転数でウエハを回転させつつ所定量のレ
ジストを滴下し、次いで、ウエハ上全面にレジストを拡
散させた時点でレジストの滴下を中止する。次いで、第
1のステップから回転数を上げて第2のステップに移行
し、4300rpm以上6000rpm以下の回転数で
1秒以上5秒以内の間ウエハを回転させる。尚、第2の
ステップの期間として規定した1秒以上5秒以内という
時間は、第1のステップから第2のステップに移行する
時間を含んでいる。第2のステップから回転数を下げて
第3のステップに移行し、3800rpm以上4200
rpmの間の回転数で15秒間以上ウエハを回転させ
る。次いで、第4のステップでは、1000rpm以上
1500rpmの回転数でウエハを回転させつつウエハ
表面及び裏面のエッジを洗浄する。
【0022】実験例 本発明方法を評価するために、上述の実施形態例と基本
的には同じ以下の条件でレジスト膜の塗布実験を行っ
た。図1は本実験例の各手順のタイムスケージュルを示
すグラフである。本実験例では、前述の塗布装置10を
使用し、レジストとして、東京応化(株)製ののレジス
ト(粘度10cp)を使って、8インチウエハ上にレジ
スト膜を塗布した。先ず、第1のステップとして、図4
に示す塗布装置10のウエハ保持ステージ12上にウエ
ハを保持し、回転数1000rpmでウエハを回転させ
つつ、図1に示すように、所定量のレジストを13秒間
かけてウエハ上に滴下し、ウエハ全面に拡散させた。次
いで、レジストの滴下を開始した13秒後、レジストの
滴下を停止し、第2のステップとして、ウエハの回転数
を2秒間で5670rpmに上げ、5670rpmを1
秒間維持した。
【0023】次に、第3のステップに移行し、ウエハの
回転数を4000rpmに低下させ、その回転数を18
秒間保持した。第4のステップでは、ウエハの回転数を
0.5秒間で1200rpmに低下させ、20秒間にわ
たり、ウエハ裏面エッジ及び表面エッジの洗浄を行っ
た。
【0024】本実験例で塗布したフォトレジスト塗膜を
ベーキングし、次いで、塗膜の膜厚を測定したところ、
図2に示すような結果を得た。図2から判る通り、ウエ
ハ中央部とウエハ周辺部との間の膜厚ばらつきは、最大
でも40Åであった。
【0025】本実施形態例では、従来の塗布装置を使っ
た例を挙げて説明しているが、好適には、後述する本発
明に係る塗布装置を使うことによって、ウエハ周辺部の
塗布ムラの発生を確実に防止し、及び膜厚及び膜質の面
内均一性を一層向上させることができる。
【0026】塗布装置の実施形態例 本実施形態例は、本発明に係る塗布装置の実施形態の一
例であって、図3(a)は本実施形態例の塗布装置の構
成を示す模式的断面図、図3(b)は上部カップと下部
カップとの連結方式の別例の断面図である。本実施形態
例の塗布装置40は、図3(a)に示すように、減圧装
置(図示せず)に接続されている密閉式のコータカップ
42を備えている。コータカップ42は、ウエハ保持ス
テージ12の保持面と平行な面で、上部カップ44と下
部カップ46とに2分割されている。上部カップ44と
下部カップ46とは、それぞれ、連結部にフランジを有
し、既知のクイック式ボルト/ナット結合48によりフ
ランジ同士をリング状ガスケット50を介して相互に連
結することにより、連結、分離自在に連結されている。
尚、図3(b)に示すように、ボルト/ナット結合48
に代えて既知の構成のクランプ49によるクランプ結合
を採用することもできる。
【0027】レジスト供給ノズル14及び第2の洗浄ノ
ズル28は、それぞれ、フレキシブルチューブ52、5
4を介して上部カップ44に接続され、貫通してウエハ
W上の適所に臨んでいる。また、コータカップ42は、
下部カップ46の底部に設けられた吸引口56を介して
真空ポンプを備えた減圧装置(図示せず)に接続され、
レジスト膜の塗布過程では、コータカップ42内は減圧
状態に維持されている。上述の構成を除いて、本実施形
態例の塗布装置40は、前述した従来の塗布装置10と
同じ構成を備えている。
【0028】本実施形態例の塗布装置40では、コータ
カップ42が密閉式であって、減圧装置によってコータ
カップ内を減圧にすることにより、コータカップ内の空
気及びレジストの溶剤が吸引され、気体密度が希薄にな
って、気流の影響及び気体抵抗が減退する。これによ
り、従来の塗布方法に従ってウエハ上にレジスト膜を塗
布する際にも、ウエハ周辺部の塗布ムラの発生を大幅に
抑制することができる。
【0029】尚、本実施形態例の塗布装置40を使って
本発明に係る塗布方法に従ってウエハ上にレジスト膜を
塗布することにおり、ウエハ周辺部の塗布ムラの発生を
一層確実に抑制することができ、更には膜厚及び膜質の
面内均一性を一層向上させることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明方法によれば、第2のステップ
で、レジスト膜の膜厚を規定するウエハ所要回転数の相
関関係から求めたウエハ所要回転数で1秒以上5秒以内
の間ウエハを回転させ、次いで、第3のステップでウエ
ハ所要回転数より低い回転数で15秒間以上ウエハを回
転させることにより、ウエハ周辺部の塗布ムラ発生を防
止すると共に膜厚及び膜質の良好な面内均一性を保持し
つつ8インチウエハ上に膜厚5000±50Åのレジス
ト膜を塗布することができる。本発明装置によれば、コ
ータカップを密閉式にし、コータカップ内の圧力を減圧
にする減圧装置に接続することにより、コータカップ内
の気体流及び気体抵抗の影響を減退させ、これによりウ
エハ周辺部の塗布ムラ発生を防止すると共に膜厚及び膜
質の面内均一性を保持することができる塗布装置を実現
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例の方法に従った実験例の各手順のタ
イムスケージュルを示すグラフである。
【図2】実験例で得たフォトレジスト塗膜の面内膜厚変
動を示すグラフである。
【図3】図3(a)は実施形態例の塗布装置の構成を示
す断面図、図3(b)は上部カップと下部カップとの連
結方式の別例の断面図である。
【図4】従来の塗布装置の構成を示す断面図である。
【図5】従来の方法の各手順のタイムスケージュルを示
すグラフである。
【図6】従来の方法で得たフォトレジスト塗膜の面内膜
厚変動を示すグラフである。
【図7】レジスト膜の膜厚とウエハ所要回転数との関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
10 従来の塗布装置 12 ウエハ保持テーブル 14 レジスト供給ノズル 16 コータカップ 18 回転軸 20 外カップ 22 内カップ 22a 円筒部 22b 傘部 24 開口 26 第1洗浄ノズル 28 第2洗浄ノズル 30 排気管 32 ドレイン管 40 実施形態例の塗布装置 42 密閉式のコータカップ 44 上部カップ 46 下部カップ 48 ボルト/ナット結合 49 クランプ 50 リング状ガスケット 52、54 フレキシブルチューブ 56 吸引口

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レジストを被着させたウエハをウエハ面
    に直交する軸の周りに回転させて塗布するスピンコート
    法により、8インチ以上の大口径のウエハ上に膜厚55
    00Å以下のレジスト膜を塗布する方法であって、 500rpm以上1200rpm以下の回転数でウエハ
    を回転させつつ所定量のレジストを滴下しながら、ウエ
    ハ上全面にレジストを拡散させた時点でレジストの滴下
    を中止する第1のステップと、 第1のステップの回転数から、レジスト膜の膜厚を規定
    するウエハ所要回転数の相関関係から求めたウエハ所要
    回転数まで、ウエハの回転数を上げ、その回転数で1秒
    以上5秒以内の間ウエハを回転させる第2のステップ
    と、 第2のステップから回転数を下げて、第2のステップの
    ウエハ所要回転数より低い回転数で15秒間以上ウエハ
    を回転させる第3のステップとを有することを特徴とす
    るレジスト膜の塗布方法。
  2. 【請求項2】 第2のステップの期間として規定した1
    秒以上5秒以内という時間は、第1のステップから第2
    のステップに移行する時間を含めていることを特徴とす
    る請求項1に記載のレジスト膜の塗布方法。
  3. 【請求項3】 粘度が40cp以下の有機性レジストを
    使用し、第2のステップの所要回転数が、4300rp
    m以上6000rpm以下であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のレジスト膜の塗布方法。
  4. 【請求項4】 第3のステップでは、3800rpm以
    上4200rpm以下の範囲の回転数でウエハを回転さ
    せることを特徴とする請求項3に記載のレジスト膜の塗
    布方法。
  5. 【請求項5】 第3のステップの後に、第3のステップ
    での回転数より低い回転数でウエハを回転させつつウエ
    ハ表面及び裏面のエッジを洗浄する第4のステップを有
    することを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか
    1項に記載のレジスト膜の塗布方法。
  6. 【請求項6】 第1のステップ及び第4のステップに要
    する時間として、それぞれ、10秒以上15秒以下の時
    間、及び10秒以上20秒以下の時間を設定し、第1の
    ステップから第4のステップまでのシーケンスをプログ
    ラム化し、そのプラグラムに従って自動的に塗布処理を
    行うことを特徴とする請求項5に記載のレジスト膜の塗
    布方法。
  7. 【請求項7】 スピンコート法により、ウエハ上にレジ
    スト膜を塗布する塗布装置であって、 ウエハ面を上にしてウエハを保持しつつウエハに直交す
    る軸の周りに回転するウエハ保持テーブルと、 ウエハ保持テーブル上に保持したウエハにレジストを供
    給するレジスト供給ノズルと、ウエハ保持テーブル及び
    レジスト供給ノズルを囲うコータカップとを備え、 コータカップは、密閉式であって、コータカップ内の圧
    力を減圧にする減圧装置に接続されていることを特徴と
    する塗布装置。
  8. 【請求項8】 ウエハ裏面エッジを洗浄する裏面洗浄ノ
    ズル、及びウエハ表面エッジを洗浄する表面洗浄ノズル
    が設けてあることを特徴とする請求項7に記載の塗布装
    置。
  9. 【請求項9】 コータカップは、上部カップと下部カッ
    プとに2分割され、上部カップと下部カップとは、相互
    に連結、分離自在に連結されていることを特徴とする請
    求項7又は8に記載の塗布装置。
  10. 【請求項10】 レジスト供給ノズル及び表面洗浄ノズ
    ルは、フレキシブル管を介して上部カップに接続、貫通
    してウエハ表面の適所に臨み、裏面洗浄ノズルは、下部
    カップを貫通してウエハ裏面の適所に臨んでいることを
    特徴とする請求項9に記載の塗布装置。
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