JP2000082454A - 二次電池用セパレータ - Google Patents

二次電池用セパレータ

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JP2000082454A
JP2000082454A JP10253428A JP25342898A JP2000082454A JP 2000082454 A JP2000082454 A JP 2000082454A JP 10253428 A JP10253428 A JP 10253428A JP 25342898 A JP25342898 A JP 25342898A JP 2000082454 A JP2000082454 A JP 2000082454A
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viscose
separator
thin film
secondary battery
nonwoven fabric
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Teruhisa Miki
輝久 三木
Masaru Ishikawa
勝 石川
Katsuhiko Kurose
勝彦 黒瀬
Hiroshi Uramoto
弘 浦本
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MIKI TOKUSHU SEISHI KK
Miki Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
MIKI TOKUSHU SEISHI KK
Miki Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水化処理を必要とせず、容易に製造できる
二次電池用セパレータを提供する。 【解決手段】 微孔が多数形成された親水性の多孔性ビ
スコース薄膜そのものをセパレータとする。あるいは、
親水化処理を施さない撥水性不織布にビスコース原液を
付着させて、多孔性ビスコース薄膜を不織布の両面ある
いは片面のみに形成したセパレータとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池用セパレ
ータに関し、詳しくは多孔性ビスコース薄膜から形成さ
れるアルカリ二次電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
的に電池は正極、負極、電解質を必須の三大構成要素と
するが、これらに加えて直接的には起電反応には寄与し
ないにもかかわらず、セパレータも電池の必須構成部材
のひとつとされている。
【0003】上記の電池構成要素の中でも正極は反応物
質として正極活物質、負極は同じく反応物質として負極
活物質をそれぞれの電極内に包含しており、両者の活物
質から生じた正負イオンが電解質中を移動し電気化学的
に反応することによって、電池は起電力を発生する。
【0004】アルカリ二次電池の例としては、ニッケル
カドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッケル
亜鉛二次電池などが知られている。これらの電池は、正
極活物質には共通して酸化ニッケルを用いており、負極
活物質材料として金属カドミウム、水素吸収合金、金属
亜鉛をそれぞれ用いている。また、アルカリ電解液とし
ては共通して通常、20〜40重量%の濃度の苛性カリ
水溶液が用いられることが多い。
【0005】ニッケルカドミウム二次電池のようなアル
カリ二次電池に用いられるセパレータには、歴史的にナ
イロン不織布が多く使用されてきた。ナイロン不織布
は、物理的に強靭であり、親水性に富み、高濃度のアル
カリ電解液に対する耐久性に優れている。
【0006】また、同じアルカリ電解液を使用するとい
う理由から、ニッケル水素二次電池の開発初期において
も、ナイロン不織布セパレータが使用されていたことが
あった。しかし開発が進むにつれて、ナイロン不織布セ
パレータを用いたニッケル水素二次電池では、自己放電
が増加したり、電池に内部短絡が増えるという不都合が
多く報告されるようになった。
【0007】すなわち、ナイロン不織布は、充放電によ
って発生する酸素ガスあるいは水素ガスと言った水分解
ガスや、それ自体が酸化剤である正極活物質と接触する
ことにより、化学的分解による品質劣化が生じ、そのた
め亜硝酸イオンや硝酸イオンが生成し、これらがニッケ
ル水素二次電池の自己放電を促進したり、寿命を短縮す
ることが解明された。
【0008】そこで、近来は親水性処理を施したポリオ
レフィン不織布が用いられるようになった。ここで、ポ
リプロピレンやポリエチレンで代表されるポリオレフィ
ン系材料から構成される不織布に施される親水性処理に
は、一般的に硫酸あるいは発煙硫酸によるスルホン化処
理が知られている。スルホン化処理とは、ポリオレフィ
ン不織布を一定の時間、濃硫酸に浸漬し、本来は撥水性
である高分子の表面をスルホン化することにより、濡れ
やすく改質するものである。
【0009】しかし、強力な化学処理に伴う繊維の脆化
が大きいため、電極巻回時や充放電中に内部短絡が発生
しやすくなり、さらにスルホン化処理工程自体がゆっく
りと進行する化学反応であるため、工業生産性に劣ると
いう欠点があった。
【0010】また、スルホン化処理は、劇薬として知ら
れる発煙硫酸や98%濃硫酸が使用される。そのため、
スルホン化処理後の後始末に費用がかかる。しかも、内
部まで深くスルホン化処理すれば繊維の材質を損ねるの
で、繊維の表面のみしかスルホン化処理は実施されず、
親水性効果は機械的摩擦により失われやすく、長期間の
効果維持が困難とされてきた。
【0011】一方、ニッケル亜鉛二次電池は、正極活物
質に酸化ニッケル、負極活物質として金属亜鉛、電解液
として苛性カリ水溶液を用いる二次電池である。ニッケ
ル亜鉛二次電池は、大電流放電に適した二次電池として
酸化銀亜鉛電池ともども古くから注目されている電池で
はあるが、主として亜鉛に起因する問題が未解決である
ために未だに広く実用化されるには至っていない。
【0012】ニッケル亜鉛二次電池に残された未解決の
問題とは、亜鉛のデンドライト結晶成長による電池の内
部短絡の問題である。ニッケル亜鉛二次電池では、放電
時に負極活物質である金属亜鉛はアルカリ電解液中に亜
鉛イオンとなって溶解することにより起電反応が起こ
り、充電時には電解液中の亜鉛イオンが電気化学的に還
元反応を受けて金属亜鉛に復する。しかし、亜鉛イオン
は金属亜鉛に復する際にすべてが旧の場所に戻ることな
く、一部はデンドライト結晶と呼ばれる針状結晶とな
り、この針状結晶が正極と負極の間に細長い針状の橋を
架け、やがて電池の内部短絡を招く。
【0013】亜鉛のデンドライト結晶による内部短絡と
して知られるこの問題を解決するために、ニッケル亜鉛
二次電池のセパレータとしてはセロファン薄膜が用いら
れてきた。セロファン薄膜は無孔性であり、針状結晶の
成長を妨げるからである。
【0014】セロファン膜の製造方法は、ビスコース原
液と呼ばれるセルロースの溶液を作成することに始ま
る。最初にアルカリ溶液で処理したパルプ原料を二硫化
炭素に溶解し、化学反応で得られたキサントゲン酸セル
ロースを多く含有する溶液を作成する。この溶液をビス
コース原液という。得られたビスコース原液を薄く流し
て、これを硫酸に接触させることでセロファン薄膜を容
易に製造することができる。これは、キサントゲン酸セ
ルロース中のセルロース分が硫酸と接触することによ
り、薄膜に再生されるからである。したがって、セロフ
ァン膜の主成分は再生セルロースである。
【0015】こうして再生されたセロファン膜は硬質で
あるが、グリセリンなどの柔軟剤を加えることにより、
セロファン膜は柔軟性を帯びる。
【0016】一般的に電池のセパレータは正極と負極の
直接的な接触を防ぐとともに、イオンの通過を妨げるも
のであってはならない。そのために電池のセパレータと
しては、内部に多数の微孔が存在し、電解液の流通が可
能な多孔性薄膜が用いられる。
【0017】ところが、ニッケル亜鉛二次電池に使用さ
れるセロファン薄膜セパレータには微孔がない。セロフ
ァン薄膜セパレータは、常時、アルカリ電解液の中に浸
漬されることによって、膜全体が膨潤している。したが
って、電解液で膨潤したセロファン膜は、それ自体が無
孔性でありながら、亜鉛イオンを容易に通過せしめるこ
とができる。ニッケル亜鉛二次電池においてセロファン
膜をセパレータとして用いることにより、金属亜鉛によ
るデンドライト結晶によるトラブルをかなり改善するこ
とができたのは、このようなセロファン薄膜特有の性質
による。
【0018】しかしながら、ニッケル水素二次電池やニ
ッケルカドミウム二次電池では、ニッケル亜鉛二次電池
のような問題が存在しないので、セロファン薄膜セパレ
ータは用いられていない。
【0019】本発明は、上記に鑑み、従来のポリオレフ
ィン不織布セパレータが有する問題を解決するものであ
り、親水化処理を必要とせず、容易に製造できる二次電
池用セパレータの提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、二次電池用セパレータが、微孔を多数形成した多
孔性ビスコース薄膜からなるものである。あるいは、多
孔性ビスコース薄膜を有する撥水性不織布からなるもの
であり、撥水性ポリオレフィン繊維を用いた不織布に、
ビスコースを含浸させることにより多孔性ビスコース薄
膜が形成されたものである。
【0021】さらに、前記不織布の一面にのみ多孔性ビ
スコース薄膜が形成されたものであり、一面が親水性と
なり、他面は撥水性である。
【0022】このように、ビスコース薄膜は多孔性であ
りかつ親水性であるので、電解液の流通が可能となる。
しかも、セロファン膜とほぼ同様の製造方法によって容
易に製造できる。そして、ビスコース薄膜中に撥水性不
織布を内蔵させることにより、膜としての機械的強度が
増すとともに、表面には親水性が得られ、化学的親水化
処理が不要となる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の二次電池用セパレータと
して、発明者らの研究により、多孔性ビスコース薄膜が
ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池と
いったアルカリ二次電池のセパレータに適していること
が判明した。すなわち、セパレータは、微孔が多数形成
された多孔性ビスコース薄膜そのものから形成されたも
の、あるいは撥水性不織布にビスコース原液を付着させ
て、多孔性ビスコース薄膜を不織布の両面あるいは片面
のみに形成したものである。
【0024】ここで、通常のキサントゲン酸セルロース
からなるビスコース原液の濃度は約3%程度である。ま
た最高濃度は約8%であり、それ以上の濃厚原液を得よ
うとしても工業的に困難とされる。このようなビスコー
ス原液を用いた本発明のビスコース薄膜は、本来無孔性
であるセロファン膜の製造方法を少し変更することによ
り達成できる。
【0025】すなわち、揮発性の高いアルコールを溶解
したビスコース原液を用いることに特徴があり、その他
の製造方法はセロファン膜の場合と同じである。これに
より、ビスコースが固化する前にアルコールが揮発して
できた微孔が残留して、多孔性のビスコース薄膜が得ら
れる。あるいは、ビスコース原液に粉体を混合して、製
膜後に粉体を除去することによっても、薄膜中に微孔が
形成される。いずれの方法でも、セロファン膜の製造方
法を応用することにより、多孔性ビスコース薄膜セパレ
ータを容易に製造することができる。なお、膜厚は20
〜30μmであるが、これに限定されるものではなくア
ルカリ二次電池の特性に応じて変更される。
【0026】また、ビスコース薄膜中に不織布を包含さ
せたセパレータは、ビスコース薄膜だけのセパレータに
比べて膜の機械的強度が増大し、セパレータとしての特
性が向上する。このセパレータは、撥水性不織布をビス
コース原液に浸漬して、不織布中にビスコース原液を含
浸させ、乾燥することにより得られる。あるいは、撥水
性不織布の表面にビスコース原液を塗布して、乾燥する
ことによっても得られる。なお、ビスコース薄膜の膜厚
は平均150μmであるが、これに限定されるものでは
なくアルカリ二次電池の特性に応じて変更される。ま
た、片面だけに塗布すれば、片面のみをビスコース薄膜
化処理したことになる。
【0027】ところで、従来技術で述べたセロファン膜
の製造に用いられるビスコース原液を不織布に含浸せし
めたものにケーシング材がある。このケーシング材は、
ハムやソーセージを製造する際、生肉を詰め込んで燻製
処理するために使用される多孔性のホース状の容器のこ
とであり、例えばマニラ麻繊維、あるいはパルプ繊維と
マニラ麻繊維の混合抄紙からできている不織布にビスコ
ース原液を塗布し、これを固化したものである。マニラ
麻繊維、あるいはパルプ繊維とマニラ麻繊維の混合抄紙
が用いられるのは、それらが親水性であり、ビスコース
原液との馴染みがよいからである。
【0028】このように、ケーシング材は、セロファン
膜と同様にビスコース原液を出発物質としながら、セロ
ファン膜は無孔性であり、ケーシング材は多孔性である
点で異なっている。
【0029】ケーシング材に用いられる不織布は、マニ
ラ麻繊維やレーヨン繊維などの本来が親水性の繊維を用
いている。親水性の不織布は、ビスコース原液と馴染み
がよいからである。ケーシング材に用いられる不織布の
坪量は25〜40g/m2であり、これにビスコース原
液を付着せしめて厚み50〜100μm程度の製品を得
る。ビスコース付着量は10〜30g/m2であり、柔
軟剤であるグリセリン付着量は1〜10g/m2程度で
ある。ケーシング材では、その目的から柔軟剤は不可欠
とされる。また、セロファン膜も柔軟剤を付加すること
で包装材としての用途が開発された。
【0030】ここで、薄膜の多孔度を示す特性のひとつ
として透気度がある。透気度は、一定の圧力のもとで1
00cm3の空気が通過するために必要な時間を秒単位
で表したものであるが、ケーシング材の透気度は数秒か
ら数十秒のものが多い。
【0031】ケーシング材は、ビスコース付着量を増大
すると急激に透気度が増大することが知られている。こ
れは親水性不織布の微孔がビスコース薄膜によって塞が
れてしまうためである、と説明されている。
【0032】この目詰まり現象は、ケーシング材がセロ
ファン膜に近づいた傾向とも言え、ケーシング材にとっ
てもっとも避けねばならない。例えば、発明者らによれ
ば、坪量25g/m2で厚みが100μmのマニラ麻1
00%の不織布に、10g/m2のビスコースを塗布し
た場合、透気度は12秒であるのに対して、ビスコース
が15g/m2の場合は透気度が1200秒に増大する
試作品が得られた。また、多孔度は前者が42%、後者
が46%であった。これらの結果は、親水性不織布を使
用するケーシング材の場合、ビスコース付着量を制御し
ても、多孔度の変化量は少ないが、透気度は大きく変化
することを示している。このことは、不織布の微孔がビ
スコース薄膜によって塞がれてしまう、という上記の事
柄の正しさを示している。しかしながら、本発明の撥水
性不織布では、ビスコース原液との馴染みの悪さからビ
スコース薄膜が不織布の微孔を塞ぐことがない。
【0033】一般的に二次電池のセパレータは不織布型
セパレータと多孔性薄膜セパレータに大別できる。主と
してニッケルカドミウム二次電池やニッケル水素二次電
池に用いられる不織布型セパレータは、親水性不織布を
用いることが必要であり、そのために、本質的に親水性
であるナイロン不織布や、後から親水性処理が施された
ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維といったポリオ
レフィン不織布が用いられる。セパレータが親水性であ
るのは、ニッケルカドミウム二次電池やニッケル水素二
次電池の電解液がアルカリ水溶液だから、セパレータも
親水性でなければイオンが通りにくいからである。
【0034】一方、鉛電池には、ポリエチレンを材料と
した、多孔性薄膜セパレータが用いられる。この場合で
も、撥水性であるポリエチレンを何らかの方法で親水性
にする必要がある。撥水性材料の化学的親水化処理であ
るスルホン化処理は、酸化力が大きく、どのような撥水
性繊維でも比較的容易に親水性化できるところが特徴で
ある。しかし、この方式は、あまりにも大きな酸化力ゆ
えに、材料を損傷する危険性があり、繊維の表面だけを
選択的に処理することが求められるが、技術的な困難性
が残されている。
【0035】以上の点から、多孔性ビスコース薄膜セパ
レータは、無孔性セロファン膜セパレータとは決定的に
異なり、また親水性不織布を採用しないことにおいて、
ケーシング材とも決定的に異なっている。このように、
多孔性ビスコース薄膜セパレータに用いる不織布は、ポ
リプロピレンやポリエチレン等の撥水性で耐アルカリ性
に富むポリオレフィン繊維であり、これに親水性のビス
コース薄膜を付着せしめることにより、まったく新しい
タイプのアルカリ二次電池用セパレータとなる。
【0036】ところで、鉛電池やリチウムイオン電池に
用いられる多孔性薄膜セパレータの平均微孔直径は0.
2〜20μmであり、それ以上大きくなると電池の内部
短絡が増大することが知られている。また、これらの多
孔度は30〜40%程度であり、これ以上の多孔度では
機械的強度が低下し、製造時の組み立て能率を悪くし、
これ以下では電気抵抗値が大きすぎて、電池の放電性能
に悪影響が出ることが知られている。
【0037】これに対して、本発明の多孔性ビスコース
薄膜における微孔は、膜を貫通するように形成された連
続孔になっており、形状としては円形に限らないが、平
均直径が30μm、最大径50μmであり、セパレータ
としての要求特性を充分に満たしている。微孔の直径が
これ以上大きくなると、内部短絡が増える。また、多孔
度も40%〜70%であり、これ以上では機械的強度が
低下し、これ以下では電気抵抗値が大きくなりすぎる。
また、セパレータの主体をなすビスコース薄膜は、本質
的にピンホールが発生し難いという利点があり、これに
よりセパレータの信頼性が高まる。
【0038】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることは勿論である。ビスコ
ース薄膜セパレータに柔軟剤を添加することについて言
及していないが、むろん柔軟剤の有無による制限を受け
ない。
【0039】
【実施例】以下に、本発明の効用を各種の多孔性ビスコ
ース薄膜セパレータの実施例にしたがって述べる。
【0040】<実施例1>濃度が約3%のビスコース原
液に5%のイソプロピルアルコールを溶解し、これをゆ
っくりと5時間かけて撹拌混合した後、平滑なガラス平
面上に厚み500μmとなるように流す。全体を無水硫
酸ガス雰囲気のチャンバーに約2時間静置し、柔軟性に
富む固形薄膜を得た後、20%の希硫酸に浸漬し、完全
に凝固させた。充分に水洗いして余分の酸分を除去して
から、これを相対湿度が65%、温度が35℃の恒温室
でゆっくりと乾燥した。15時間の乾燥によって厚み2
2μmの多孔性ビスコース薄膜を得た。多孔度は42
%、透気度は25秒であった。
【0041】<実施例2>約3%のビスコース原液に5
%のアミルアルコールを溶解し、これをゆっくりと5時
間かけて撹拌混合した後、平滑なガラス平面上に厚み5
00μmとなるように流す。全体を無水硫酸ガス雰囲気
のチャンバーに約2時間静置し、柔軟性に富む固形薄膜
を得た後、20%の希硫酸に浸漬し、完全に凝固させ
た。充分に水洗いして余分の酸分を除去してから、これ
を相対湿度が65%、温度が35℃の恒温室でゆっくり
と乾燥した。15時間の乾燥によって厚み24μmの多
孔性ビスコース薄膜を得た。多孔度は45%、透気度は
21秒であった。
【0042】<実施例3>約3%のビスコース原液に1
2重量%の平均粒径1.8μmの二酸化チタンを混合
し、これをゆっくりと5時間かけて混合した後、平滑な
ガラス平面上に厚み500μmとなるように流す。全体
を無水硫酸ガス雰囲気のチャンバーに約2時間静置し、
柔軟性に富む固形薄膜を得た。この固形薄膜を温度55
℃、48%の硫酸に浸漬し、最初に添加した二酸化チタ
ンを硫酸オキシチタニウムとして膜中より溶出せしめた
後、流水で洗浄して、これを相対湿度が65%、温度が
35℃の恒温室でゆっくりと乾燥した。15時間の乾燥
によって厚み24μmの多孔性ビスコース薄膜を得た。
多孔度は49%、透気度は22秒であった。
【0043】<実施例4>親水性処理を施さない原繊維
直径12μmのポリプロピレン繊維を90%、残りをポ
リエチレンとポリプロピレンの芯鞘繊維を接着用繊維と
して用いて、坪量40g/m2、厚み150μmの不織
布を湿式抄造した。この不織布を約3%のビスコース原
液に浸漬して、不織布中に完全に含浸せしめ、10%の
硫酸で中和した後に、流水で洗浄して、これを相対湿度
が65%、温度が35℃の恒温室でゆっくりと乾燥し
た。15時間の乾燥によって厚み140μmの多孔性ビ
スコース薄膜を得た。多孔度は48%、透気度は15秒
であった。
【0044】<実施例5>親水性処理を施した原繊維直
径12μmのポリプロピレン繊維を90%、残りをポリ
エチレンとポリプロピレンの芯鞘繊維を接着用繊維とし
て用いて、坪量40g/m2、厚み150μmの不織布
を湿式抄造した。この不織布を約3%のビスコース原液
に浸漬して、不織布中に完全に含浸せしめ、10%の硫
酸で中和した後に、流水で洗浄して、これを相対湿度が
65%、温度が35℃の恒温室でゆっくりと乾燥した。
15時間の乾燥によって厚み142μmの多孔性ビスコ
ース薄膜を得た。多孔度は42%、透気度は18250
秒であった。
【0045】<実施例6>親水性処理を施さない原繊維
直径12μmのポリプロピレン繊維を90%、残りをポ
リエチレンとポリプロピレンの芯鞘繊維を接着用繊維と
して用いて、坪量40g/m2、厚み150μmの不織
布を湿式抄造した。この不織布を約5%のビスコース原
液に浸漬して、不織布中に完全に含浸せしめ、10%の
硫酸で中和した後に、流水で洗浄して、これを相対湿度
が65%、温度が35℃の恒温室でゆっくりと乾燥し
た。15時間の乾燥によって厚み146μmの多孔性ビ
スコース薄膜を得た。多孔度は40%、透気度は28秒
であった。
【0046】<実施例7>親水性処理を施さない原繊維
直径12μmのポリプロピレン繊維を90%、残りをポ
リエチレンとポリプロピレンの芯鞘繊維を接着用繊維と
して用いて、坪量40g/m2、厚み150μmの不織
布を湿式抄造した。この不織布を約8%のビスコース原
液に浸漬して、不織布中に完全に含浸せしめ、10%の
硫酸で中和した後に、流水で洗浄して、これを相対湿度
が65%、温度が35℃の恒温室でゆっくりと乾燥し
た。15時間の乾燥によって厚み145μmの多孔性ビ
スコース薄膜を得た。多孔度は34%、透気度は35秒
であった。
【0047】<実施例8>親水性処理を施さない原繊維
直径12μmのポリプロピレン繊維を70%、残りをポ
リエチレンとポリプロピレンの芯鞘繊維を接着用繊維と
して用いて、坪量40g/m2、厚み150μmの不織
布を湿式抄造した。この不織布を約3%のビスコース原
液に浸漬して、不織布中に完全に含浸せしめ、10%の
硫酸で中和した後に、流水で洗浄して、これを相対湿度
が65%、温度が35℃の恒温室でゆっくりと乾燥し
た。15時間の乾燥によって厚み145μmの多孔性ビ
スコース薄膜を得た。多孔度は42%、透気度は25秒
であった。
【0048】<実施例9>親水性処理を施さない原繊維
直径12μmのポリプロピレン繊維を50%、残りをポ
リエチレンとポリプロピレンの芯鞘繊維を接着用繊維と
して用いて、坪量40g/m2、厚み150μmの不織
布を湿式抄造した。この不織布を約3%のビスコース原
液に浸漬して、不織布中に完全に含浸せしめ、10%の
硫酸で中和した後に、流水で洗浄して、これを相対湿度
が65%、温度が35℃の恒温室でゆっくりと乾燥し
た。15時間の乾燥によって厚み146μmの多孔性ビ
スコース薄膜を得た。多孔度は42%、透気度は20秒
であった。
【0049】<実施例10>親水性処理を施さない原繊
維直径12μmのポリプロピレン繊維を90%、残りを
ポリエチレンとポリプロピレンの芯鞘繊維を接着用繊維
として用いて、坪量40g/m2、厚み150μmの不
織布を湿式抄造した。このポリプロピレン不織布の片面
に、ローラーコート法により約3%のビスコース原液を
塗布し、10%の硫酸で中和した後に、流水で洗浄し
て、これを相対湿度が65%、温度が35℃の恒温室で
ゆっくりと乾燥した。15時間の乾燥によって厚み14
8μmの多孔性ビスコース薄膜を得た。本サンプルの断
面を観察すると、ビスコース層厚みは約45μmであっ
たが、ビスコースの浸透は完全に片面のみで停止してお
り、残りの約100μmの部分にはほとんどビスコース
が含浸していなかった。多孔度は65%、透気度は20
秒であった。
【0050】<比較例>親水性処理を施さない原繊維直
径12μmのポリエチレン繊維を90%、残りをポリエ
チレンとポリプロピレンの芯鞘繊維を接着用繊維として
用いて、坪量40g/m2、厚み150μmの不織布を
湿式抄造し、これをスルホン化した。
【0051】なお、多孔度はBET法で、透気度はフラ
ージール法で測定した。また、比較例の多孔度や透気度
の測定には30KN/m2の緊圧を加えて実施した。
【0052】上記実施例で得られた諸特性を次表にまと
めた。表中のPPはポリプロピレンを意味する。
【0053】
【表1】
【0054】上記実施例中、実施例1から実施例3は多
孔性ビスコース薄膜であり、内部に不織布を有していな
い。実施例5は親水性処理を施した不織布を内蔵する多
孔性ビスコース薄膜であるが、多孔度は他の実施例と大
きな差がないにもかかわらず、透気度だけは著しく大き
くなっていることがわかる。また、実施例4、実施例
6、実施例7はビスコース原液濃度の影響を調べたもの
であるが、多孔度や透気度に対して濃度が大きくなるこ
とによる多少の影響が認められた。
【0055】また、実施例8および実施例9は不織布の
繊維組成の違いによる影響を調べたものであるが、ほと
んど差は認められなかった。実施例10は不織布の片面
のみをビスコース処理したものであるが、期待されたよ
うに多孔度は大きくなったが透気度には大きな差が認め
られなかった。
【0056】これらの各実施例のセパレータサンプルに
次の2種類の耐久性試験を試みた。その耐久性試験の方
法を以下に記す。
【0057】耐久性試験(A) 35%苛性カリ水溶液を95℃に加熱し、サンプルを液
中で120時間保持した後、取り出して、流水で洗浄
し、105℃の空気中で2時間乾燥する。試験前後の重
量の変化を調べる。
【0058】耐久性試験(B) 35%苛性カリ水溶液に5%の過マンガン酸カリウムを
混合したアルカリ溶液を65℃に加熱し、サンプルを液
中で1時間保持し、流水で洗浄し、105℃の空気中で
2時間乾燥する。試験前後の引張強度と透気度の変化量
を調べる。
【0059】耐久性試験(A)の結果を次表に示す。
【0060】
【表2】
【0061】実施例5の減量程度がやや大きいのは、不
織布が親水性であり、気体の透過性を阻害するビスコー
ス薄膜が全体的に張り巡らされており、しかもそのビス
コース薄膜は高温アルカリ水溶液による攻撃を受けやす
いことを意味するものと理解される。また、実施例10
は耐久性試験による評価が高い。しかも、ビスコース付
着面は親水性であり、その部分のビスコース薄膜全体は
膨潤するので、アルカリ電解液を常に保持するが、反対
面は撥水性不織布面であるので比較的、乾燥しているの
が特徴である。これをニッケル水素二次電池のセパレー
タとして使用する場合、膨潤面を正極側に乾燥面を負極
面に対応させることで、負極面の湿潤化を防止し、水素
ガスの出入りを容易にする効果がある。
【0062】次に、耐久性試験(B)の結果を示す。
【0063】
【表3】
【0064】耐久性試験(B)の結果をみると、実施例
1から実施例3までは比較的大きな引張強度の低下が認
められるものの、いずれも比較例と対比すると充分に実
用的であることがわかる。また、引張強度および透気度
の変化量の大きい比較例は、セパレータ本体の損傷が目
だって観察された。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、ビスコース薄膜に微孔を多数形成することによ
り、セパレータとしての要求特性を充分に満たした、セ
ロファン膜セパレータとは異なる従来にはないセパレー
タとなる。
【0066】また、撥水性でしかも耐アルカリ性に富む
ポリオレフィン繊維からなる不織布の表面にビスコース
薄膜を形成することにより、何らかの化学的親水性処理
を加えることなく製造でき、優れた特性を有するアルカ
リ二次電池用セパレータを提供することを可能にした。
【0067】したがって、長期間の貯蔵においても電池
容量保持率が高く、また充放電に際してサイクル寿命が
長い二次電池用セパレータ、特にニッケル水素二次電池
に適したセパレータを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦本 弘 愛媛県川之江市川之江町156番地 三木特 種製紙株式会社内 Fターム(参考) 4L033 AA05 AB01 AB07 AC03 BA11 DA06 5H021 BB12 BB13 CC01 EE04 EE12 5H028 AA01 AA05 EE06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微孔が多数形成されたビスコース薄膜か
    らなることを特徴とする二次電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 微孔が多数形成されたビスコース薄膜を
    有する撥水性不織布からなることを特徴とする二次電池
    用セパレータ。
  3. 【請求項3】 前記不織布の一面にのみ前記ビスコース
    薄膜が形成されたことを特徴とする請求項2記載の二次
    電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】 撥水性ポリオレフィン繊維を用いた不織
    布に、ビスコースを含浸させることにより多孔性ビスコ
    ース薄膜が形成されたことを特徴とする二次電池用セパ
    レータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013166362A (ja) * 2012-02-17 2013-08-29 Futamura Chemical Co Ltd 帯電防止積層セロハンの製造方法

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