JP2000082440A5 - - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JP2000082440A5
JP2000082440A5 JP1998280826A JP28082698A JP2000082440A5 JP 2000082440 A5 JP2000082440 A5 JP 2000082440A5 JP 1998280826 A JP1998280826 A JP 1998280826A JP 28082698 A JP28082698 A JP 28082698A JP 2000082440 A5 JP2000082440 A5 JP 2000082440A5
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
indium
auxiliary amalgam
support member
discharge lamp
wells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1998280826A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000082440A (ja
JP3925591B2 (ja
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP28082698A priority Critical patent/JP3925591B2/ja
Priority claimed from JP28082698A external-priority patent/JP3925591B2/ja
Priority to TW087116916A priority patent/TW384496B/zh
Priority to KR1019980044954A priority patent/KR19990037402A/ko
Priority to CN98123820A priority patent/CN1216857A/zh
Publication of JP2000082440A publication Critical patent/JP2000082440A/ja
Publication of JP2000082440A5 publication Critical patent/JP2000082440A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3925591B2 publication Critical patent/JP3925591B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【書類名】 明細書
【発明の名称】 放電ランプ、放電ランプ装置、蛍光ランプおよび蛍光ランプ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バルブと;
このバルブ内に設けられた線状の支持部材と;
この支持部材に接続され水銀を吸着する金属メッキが施された繊維状のメッキ体と;
を具備していることを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】 バルブと;
このバルブ内に設けられた線状の支持部材と;
この支持部材に一面が接続された平板状の取付体と;
この取付体の支持部材に接続された面と反対の面に取り付けられ表面に水銀を吸着する金属メッキが施されたメッキ体と;
を具備していることを特徴とする放電ランプ。
【請求項3】 バルブと;
このバルブ内に設けられた線状の支持部材と;
表面に水銀を吸着する金属メッキが施され、それぞれ相似形状に切り出した細長い基体金属の支持部材に近い側の表面積が小さくなるように支持部材に接続されたメッキ体と;
を具備していることを特徴とする放電ランプ。
【請求項4】 支持部材に一面が接続された平板状の取付体を具備し、
メッキ体は、取付体の支持部材に接続された面に支持部材に接続された箇所を除いた箇所に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の放電ランプ。
【請求項5】 メッキ体は、湾曲した板状に形成され凸面側が支持部材に接続され凹面側に水銀を吸着する金属メッキが施された
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の放電ランプ。
【請求項6】 メッキ体は、メッシュ状である
ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の放電ランプ。
【請求項7】 水銀を吸着する金属は、インジウムで、
支持部材は、ニッケルでそれぞれ構成された
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか一記載の放電ランプ。
【請求項8】 支持部材に取り付けられこの支持部材に取り付けられる部分を除いて表面にメッキが形成されるとともに、この支持部材の長手方向に沿って折り返し形成された板体の補助アマルガムを具備している
ことを特徴とする請求項1ないし7いずれか一記載の放電ランプ。
【請求項9】 メッキは、インジウムである
ことを特徴とする請求項8記載の放電ランプ。
【請求項10】 金属基体の少なくとも片面に被覆されたインジウムを有し、このインジウムが支持部材と化学的に遮断して接続された補助アマルガムを具備した
ことを特徴とする請求項3ないし9いずれか一記載の放電ランプ。
【請求項11】 金属基体の少なくとも片面に被覆されたインジウムを有し、このインジウムが支持部材と化学反応を生じないように離間して接続された補助アマルガムとを具備した
ことを特徴とする請求項3ないし9いずれか一記載の放電ランプ。
【請求項12】 支持部材は、バルブ内に封装されインジウムと化学反応しにくい材料で形成された被覆部を有し、
金属基体の少なくとも片面にインジウムが被覆され、このインジウムが支持部材の被覆部に接続された補助アマルガムを具備した
ことを特徴とする請求項1ないし11いずれか一記載の放電ランプ。
【請求項13】 金属基体の少なくとも片面に被覆されたインジウムを有し、このインジウムの一部にインジウムと化学反応しにくい材料を被覆部を有し、このインジウムの被覆部が支持部材に接続された補助アマルガムとを具備した
ことを特徴とする請求項3ないし8いずれか一記載の放電ランプ。
【請求項14】 インジウムと化学反応しにくい材料は、亜鉛、鉄、クロム、アルミニウム、バナジウム、鉛およびモリブデンのうちの少なくとも一種、これらの酸化物、およびステンレスのいずれかである
ことを特徴とする請求項12または13記載の放電ランプ。
【請求項15】 支持部材に支持され電子放射物質が塗布された熱陰極を具備している
ことを特徴とする請求項1ないし14いずれか一記載の放電ランプ。
【請求項16】 請求項1ないし15いずれか一記載の放電ランプが取り付けられるとともに放電ランプを点灯する点灯回路が収納されたカバーと;
このカバーに取り付けられ放電ランプを内包するとともにカバーとともにほぼ電球状の形状となるグローブと;
を具備したことを特徴とする放電ランプ装置。
【請求項17】 バルブは、内面に蛍光体層が形成され水銀および希ガスが放電媒体として封入されている請求項1ないし16いずれか一記載の放電ランプを具備した
ことを特徴とした蛍光ランプ。
【請求項18】 請求項17記載の放電ランプが取り付けられるとともに蛍光ランプを点灯する点灯回路が収納されたカバーと;
このカバーに取り付けられ蛍光ランプを内包するとともにカバーとともにほぼ電球状の形状となるグローブと;
を具備したことを特徴とする蛍光ランプ装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、寿命末期まで光束立ち上がりを向上した放電ランプ、放電ランプ装置、蛍光ランプおよび蛍光ランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の放電ランプとしての蛍光ランプで、管内の最冷部温度が40℃を越えるものでは、定常点灯時にバルブ内の水銀蒸気圧を適正な範囲に制御する主アマルガム、消灯時にバルブ内の浮遊水銀を吸着しかつ始動時を含む点灯初期に吸着した水銀を放出する補助アマルガムを使用する場合がある。
【0003】
そして、この補助アマルガムを用いたものとして、たとえば特許掲載第2563028号公報に記載の電球形蛍光ランプ装置が知られている。この特許掲載第2563028号公報に記載の電球形蛍光ランプ装置は、ビスマス(Bi)−インジウム(In)アマルガムをガラスバルブ内に収容したグローブを有している。
【0004】
ところが、インジウムは融点が156℃と低いため、常温では固体であるが蛍光ランプが点灯して高温になると液体となり、同様に高温になっているサポートワイヤ方向にインジウムが流れてしまう。このため、インジウムがサポートワイヤのニッケルと合金を形成してしまい、蛍光ランプの製造直後では十分に水銀吸着能力を有しているものの、次第に水銀吸着能力がなくなり、始動時の光束立ち上がり特性が低下してしまう。
【0005】
また、このようにインジウムが流れてしまうことを防止する構成として、たとえば特開昭61−121252号公報に記載の構成が知られている。この特開昭61−121252号公報には、フィラメントのインナーワイヤにインジウムのメッキを施したメッシュ体が知られている。このメッシュ体には、インナーワイヤに取り付けられる領域を除いてインジウムメッキが施されており、これにより溶融したインジウムがインナーワイヤに流れることを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特開昭61−121252号公報に記載のように、メッシュ体に一部の領域を除いてインジウムメッキを施すものでは、メッシュ体の表面積があまり大きくないので、多くのインジウムをメッキする場合、メッキ自体が煩雑になるとともに、面積が大きくなり小形化を図れないとともに、メッシュ体のコストが高い。
【0007】
また、メッシュ体にインジウムをメッキする領域が小さくなると、始動時の光束立上がり特性向上のために必要なインジウムの量を確保できなくなるおそれがある問題を有している。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、簡単に形成でき寿命末期まで光束立ち上がり特性を低下させない放電ランプ、放電ランプ装置、蛍光ランプおよび蛍光ランプ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の放電ランプは、バルブと;このバルブ内に設けられた線状の支持部材と;この支持部材に接続され水銀を吸着する金属メッキが施された繊維状のメッキ体とを具備しているもので、金属メッキが施された繊維状のメッキ体を取り付けたので、簡単な構成で、金属メッキが支持部材に流れることを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持する。
【0010】
請求項2記載の放電ランプは、バルブと;このバルブ内に設けられた線状の支持部材と;この支持部材に一面が接続された平板状の取付体と;この取付体の支持部材に接続された面と反対の面に取り付けられ表面に水銀を吸着する金属メッキが施されたメッキ体とを具備しているもので、支持部材に取り付けられる平板状の取付体の支持部材に接続された面と反対の面に金属メッキが施されたメッキ体を取り付けたので、簡単な構成で、金属メッキが支持部材に流れることを防止でき、光束立ち上がり性を寿命末期まで維持する。
【0011】
請求項3記載の放電ランプは、バルブと;このバルブ内に設けられた線状の支持部材と;表面に水銀を吸着する金属メッキが施され、それぞれ相似形状に切り出した細長い基体金属の支持部材に近い側の表面積が小さくなるように支持部材に接続されたメッキ体とを具備しているもので、メッキ体は、細長い基体金属をそれぞれ相似形状に切り出して形成され、簡単に無駄なく効率よく形成可能であるとともに、支持部材に近い側の表面積が小さくなるように支持部材に接続され、金属メッキは支持部材側に流れにくいため、金属メッキが支持部材に流れることを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持する。
【0012】
請求項4記載の放電ランプは、請求項1ないし3いずれか一記載の放電ランプにおいて、支持部材に一面が接続された平板状の取付体を具備し、メッキ体は、取付体の支持部材に接続された面に支持部材に接続された箇所を除いた箇所に取り付けられているもので、支持部材に取り付けられる平板状の取付体の支持部材に接続された面の支持部材に接続された箇所を除いた箇所に金属メッキが施されたメッキ体を取り付けたので、簡単な構成で、金属メッキが支持部材に流れることを防止でき、光束立ち上がり性を寿命末期まで維持する。
【0013】
請求項5記載の放電ランプは、請求項1ないし4いずれか一記載の放電ランプにおいて、メッキ体は、湾曲した板状に形成され凸面側が支持部材に接続され凹面側に水銀を吸着する金属メッキが施されたもので、湾曲した板状の凸面側に支持部材を接続し凹面側に水銀を吸着する金属メッキを施したので、簡単な構成で、金属メッキが支持部材に流れることを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持する。
【0014】
請求項6記載の放電ランプは、請求項2ないし5いずれか一記載の放電ランプにおいて、メッキ体は、メッシュ状であるもので、小さな平面形状で十分に金属メッキを施せる。
【0015】
請求項7記載の放電ランプは、請求項1ないし6いずれか一記載の放電ランプにおいて、支持部材に取り付けられこの支持部材に取り付けられる部分を除いて表面にメッキが形成されるとともに、この支持部材の長手方向に沿って折り返し形成された板体の補助アマルガムを具備しているもので、水銀を吸着する金属は、インジウムで、支持部材は、ニッケルでそれぞれ構成されたもので、インジウムは確実に水銀を吸着可能で、ニッケルはスパッタに強く安定した放電を妨げる不純ガスを持ち込まず放電が安定し、インジウムは流れないのでニッケルと合金を形成せず、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持する。
【0016】
請求項8記載の放電ランプは、請求項1ないし7いずれか一記載の放電ランプにおいて、支持部材に取り付けられこの支持部材に取り付けられる部分を除いて表面にメッキが形成されるとともに、この支持部材の長手方向に沿って折り返し形成された板体の補助アマルガムを具備しているもので、折り返し形成された板体にメッキを施すことにより、板体のメッキが溶融しても、折り返した部分にメッキが凝集されて支持部材にメッキが流れることを防止するとともに、板体の表面積は比較的大きいので単位面積当たりのメッキ量を増加させ、小形化する。
【0017】
請求項9記載の放電ランプは、請求項8記載の放電ランプにおいて、メッキは、インジウムであるもので、インジウムのメッキとすることにより、補助アマルガムとして好適に機能する。
【0018】
請求項10記載の放電ランプは、請求項3ないし9いずれか一記載の放電ランプにおいて、金属基体の少なくとも片面に被覆されたインジウムを有し、このインジウムが支持部材と化学的に遮断して接続された補助アマルガムを具備したもので、インジウムが化学的に遮断されて支持部材に接続されているため、インジウムが流れても支持部材と化学的に結合することを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持する。
【0019】
請求項11記載の放電ランプは、請求項3ないし9いずれか一記載の放電ランプにおいて、金属基体の少なくとも片面に被覆されたインジウムを有し、このインジウムが支持部材と化学反応を生じないように離間して接続された補助アマルガムとを具備したもので、インジウムが支持部材と化学反応を生じないように離間して支持部材に接続されているため、インジウムが流れても支持部材と化学反応することを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持する。
【0020】
請求項12記載の放電ランプは、請求項1ないし11いずれか一記載の放電ランプにおいて、支持部材は、バルブ内に封装されインジウムと化学反応しにくい材料で形成された被覆部を有し、金属基体の少なくとも片面にインジウムが被覆され、このインジウムが支持部材の被覆部に接続された補助アマルガムを具備したもので、支持部材の被覆部がインジウムと化学反応しにくい材料で形成され、この被覆部にインジウムが接続されて支持部材に接続されているため、インジウムが流れても支持部材と化学反応することを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持する。
【0021】
請求項13記載の放電ランプは、請求項3ないし8いずれか一記載の放電ランプにおいて、金属基体の少なくとも片面に被覆されたインジウムを有し、このインジウムの一部にインジウムと化学反応しにくい材料を被覆部を有し、このインジウムの被覆部が支持部材に接続された補助アマルガムとを具備したもので、支持部材の被覆部がインジウムと化学反応しにくい材料で形成され、この被覆部にインジウムが接続されて支持部材に接続されているため、インジウムが流れても支持部材と化学反応することを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持する。
【0022】
請求項14記載の放電ランプは、請求項12または13記載の放電ランプにおいて、インジウムと化学反応しにくい材料は、亜鉛、鉄、クロム、アルミニウム、バナジウム、鉛およびモリブデンのうちの少なくとも一種、これらの酸化物、およびステンレスのいずれかであるもので、好適な材料を選定したため、容易かつ安価に製造可能である。
【0023】
請求項15記載の放電ランプは、請求項1ないし14いずれか一記載の放電ランプにおいて、支持部材に支持され電子放射物質が塗布された熱陰極を具備しているもので、熱陰極が高温になっても支持部材と化学結合することを防止し、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持する。
【0024】
請求項16記載の放電ランプ装置は、請求項1ないし15いずれか一記載の放電ランプが取り付けられるとともに放電ランプを点灯する点灯回路が収納されたカバーと;このカバーに取り付けられ放電ランプを内包するとともにカバーとともにほぼ電球状の形状となるグローブとを具備したもので、それぞれの作用を有して電球代替用の電球形放電ランプとして用いることができる。
【0025】
請求項17記載の蛍光ランプは、バルブは、内面に蛍光体層が形成され水銀および希ガスが放電媒体として封入されている請求項1ないし16いずれか一記載の放電ランプを具備したもので、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持する。
【0026】
請求項18記載の蛍光ランプ装置は、請求項17記載の放電ランプが取り付けられるとともに蛍光ランプを点灯する点灯回路が収納されたカバーと;このカバーに取り付けられ蛍光ランプを内包するとともにカバーとともにほぼ電球状の形状となるグローブとを具備したもので、それぞれの作用を有して電球代替用の電球形蛍光ランプとして用いることができる。
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電球形蛍光ランプおよび照明器具の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0029】
図1は第1の実施の形態の発光管の一部断面図、図2は電球形蛍光ランプを示すグローブを透視した側面図、図3は電球形蛍光ランプのグローブを透視した底面図、図4は電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた側面図である。
【0030】
図2ないし図4において、11は放電ランプ装置、蛍光ランプ装置としての電球形蛍光ランプで、この電球形蛍光ランプ11は、口金12を有するカバー14と、このカバー14に収納されたインバータ回路などの点灯回路16と、透光性を有するグローブ17と、このグローブ17に収納された放電ランプである蛍光ランプとしての発光管18とを備えている。そして、グローブ17とカバー14とから構成される外囲器は、60W形の白熱電球の規格寸法に近似する外形に形成されている。すなわち、口金12を含む高さは100mmないし125mm程度、直径すなわちグローブ17の外径が60mm程度に形成されている。
【0031】
まず、カバー14は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにて形成されたカバー本体21を備えている。そして、このカバー本体21は、下方に拡開する略円筒状をなし、上端部に、E26形などの口金12が被せられ、接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0032】
また、グローブ17は、透明あるいは光拡散性を有する乳白色などで、ガラスあるいは合成樹脂により、白熱電球のガラス球とほぼ同一形状の滑らかな曲面状に形成されているとともに、開口部の縁部には、カバー14の下端の開口部の内側に嵌合する嵌合縁部22が形成されている。なお、このグローブ17は、拡散膜などの別部材を組み合わせ、輝度の均一性を向上することもできる。このようなグローブ17と発光管18との組み合わせによって、白熱電球に近い配光特性を得ることができる。
【0033】
そして、カバー14に収納される点灯回路16は、平面形状を小さくするために第1の回路基板25と第2の回路基板26とが上下に水平状に配置されている。また、上側に位置する第1の回路基板25は上面には比較的熱に弱い電解コンデンサ、フィルムコンデンサなどの電気部品27が実装されているとともに、下側に位置する第2の回路基板26は下面に比較的熱に強く、また、高さ寸法の小さい電気部品27、たとえば抵抗あるいは整流用などのチップ部品などの電気部品27が実装され、第1の回路基板25と第2の回路基板26とは互いに半田面を向かい合わせて配置されている。さらに、これら第1の回路基板25および第2の回路基板26同士は、2本あるいは3本など複数本のスズメッキ電線によるジャンパ線28あるいはフィルム状の柔軟なケーブルなどにより電気的に接続されており、これら第1の回路基板25および第2の回路基板26は、組み込み時に、このジャンパ線28を折り曲げ第1の回路基板25および第2の回路基板26の半田面が向かい合う形で実装される。
【0034】
また、これら第1の回路基板25および第2の回路基板26の半田面同士の間には、絶縁性および耐熱性を有し、断熱性が良好なシリコン系のフィルムなどである厚さ1mm程度の絶縁シート29が配置され、半田面同士が絶縁されるとともに、発光管18から第1の回路基板25に熱が伝わることが抑制される。また、第2の回路基板26からは、出力部となる2対すなわち4本の回路側ワイヤ30が導出されている。
【0035】
なお、電気部品27の放熱を促進するとともに、発光管18からの熱が電気部品27に伝わることを防止するために、熱に弱いフィルムコンデンサ、発熱が多いバラストチョークなどの電気部品27については、シリコン接着剤を載せるいわゆるシリコンポッティングをし、第2の回路基板26と絶縁シート29との間の空気層31にシリコン系の樹脂ラバーを介装してもよい。
【0036】
また、グローブ17に収納される発光管18は、透光性を有するガラス製のバルブ34を有し、このバルブ34は略同形状のU字形の3本の管体35を所定の位置に配置し、連通管36で順次接続して、1本の放電路が形成され、管体35は内面に可視光線を発するハロリン酸蛍光体あるいは三波長発光形蛍光体などで蛍光体膜を形成するとともに、内部にアルゴンなどの希ガスおよび水銀が封入されている。なお、希ガスとしてはアルゴン(Ar)の他、不活性ガスであるキセノン(Xe)、クリプトン(Kr)、ネオン(Ne)あるいはヘリウム(He)などが含まれていても良い。
【0037】
また、発光管18は、蛍光ランプ固定部材でありまた点灯回路固定部材である支持部材としての仕切板37に取り付けられ、この仕切板37がカバー14に固定されている。すなわち、仕切板37は円板状の基板部38を備え、この基板部38に各管体35の端部を挿入したうえ接着剤にて接着などして、発光管18が仕切板37に固定されている。また、基板部38の外周部からは、上側に向かいさらに外側に向かう嵌合段部39が形成されている。そして、この嵌合段部39をカバー14の内側に嵌合し、さらに、この嵌合段部39とカバー14との間にグローブ17の嵌合縁部22を嵌合した状態で、嵌合段部39とカバー14との間に接着剤40を充填することにより互いに固定され、第2の回路基板26が取り付けられている。
【0038】
また、このように電球形蛍光ランプ11が組み付けられた状態で、発光管18は、グローブ17内の所定の位置に収納され、各管体35の頂部は、この電球形蛍光ランプ11の上下方向を長手方向とする中心軸を中心とする一つの円周上に等間隔で位置し、また、各管体35も、中心軸を中心とする所定の円周上に略等間隔で位置するようになっている。したがって、3本の管体35を正多角形状に配置して各管体35に設けた丸形の頂部を同一円周上に配置し、かつ、各管体35は互いに外径寸法以下の間隔を介して配置することにより、電球の形状に近い小形化されたグローブ17に発光管18を収納することができるとともに、このような小形化されたグローブ17に発光管18を収納する場合であっても、角形の発光管を用いる場合と比べて、発光管18とグローブ17との間隔を確保できるため、グローブ17で光を十分に拡散させ、輝度むらを低減でき、照明効果を向上できる。
【0039】
図1に示すように、第1の実施の形態の蛍光ランプの各管体35は、一端部が封着されているとともに、他端部には排気管としての機能を有する細管41が溶着され、排気するとともに必要に応じてたとえばビスマス(Bi)−インジウム(In)系の主アマルガム42が収納される。この主アマルガム42は、インジウム、ビスマス、スズ、鉛およびそれらの合金に水銀を吸着させ、バルブ34内の水銀蒸気圧を適正な範囲に制御する。
【0040】
また、発光管18の両端部に位置する各管体35の端部には、マウントを用いたラインシールなどにより、電子放射物質が塗布された熱陰極となるフィラメントコイル44が、サポートワイヤとしての一対の直径0.2mm程度のニッケル(Ni)製あるいは鉄(Fe)あるいは銅(Cu)の芯線にニッケルをメッキした折り曲げ可能な線状の支持部材としてのウエルズ45に支持されて配置されている。そして、各ウエルズ45は、管体35の端部のガラスに封着されたジュメット線46を介して、管体35の外部に導出されたランプ側ワイヤ48に接続されている。なお、一方のウエルズ45には、補助アマルガム51が設けられ、この補助アマルガム51ではウエルズ45には消灯時に発光管18内の浮遊水銀を吸着しかつ始動時を含む点灯初期に吸着した水銀を放出して立ち上がり特性を向上する。
【0041】
この補助アマルガム51は、平板状の取付体である0.1mm厚で9mm×3mmのSUS製の取付体としての取付板52の一面がウエルズ45に溶接して取り付けられ、取付板52のこの取付板52がウエルズ45に取り付けられている面に、ウエルズ45に接続されている部分を避けて表面に水銀(Hg)を吸着する金属であるインジウム(In)が5μmの厚さでメッキされた7mm×2mmのメッキ体としてのリボン53が溶接などにより貼着されている。ここで、このようにリボン53を取付板52のウエルズ45が取り付けられている面のウエルズ45の部分を避けて取り付けることにより、インジウムが溶けてウエルズ45に達し、ウエルズ45のニッケルとリボン53のインジウムとで合金を形成することがなくなり、経時的な使用による始動時の光束立ち上がり特性の低下を防止できる。
【0042】
そして、このように構成された電球形蛍光ランプ11は、入力電力定格14Wで、発光管18には、12.5Wの電力の高周波で加わり、ランプ電流は280mA、ランプ電圧は65Vとなり、3波長発光形蛍光体の使用により全光束810lmとなる。
【0043】
なお、実験によれば、単にSUS製の板体の全面にインジウムをメッキし、ウエルズに取り付けた従来例と図1に示す第1の実施の形態のものとを比較して考えると、図5に示すように、従来例は製造後の初期の比光束cに比べ、5000時間点灯させた後の比光束dは著しく低下しているのに対し、第1の実施の形態のものでは、製造後の初期の比光束aに比べ、5000時間点灯させた後の比光束bもほとんど比光束が低下せず、寿命末期まで光束の立ち上がり特性が低下しないことがわかる。
【0044】
そして、電球形蛍光ランプ11を白熱電球用などのソケットを備えた器具本体に装着することにより、照明器具を構成できる。
【0045】
次に、第2の実施の形態を図6を参照して説明する。
【0046】
図6は第2の実施の形態の発光管の一部の断面図で、第1の実施の形態において、補助アマルガム51を補助アマルガム55に代えたものである。この補助アマルガム55は、平板状の取付体である9mm×3mmのSUS製の取付板56の一面がウエルズ45に溶接して取り付けられ、取付板52のこの取付板52がウエルズ45に取り付けられている面と反対の面に、表面にインジウム(In)がメッキされた7mm×2mmのメッキ体としてのリボン57が溶接などにより貼着されている。ここで、このようにリボン57を取付板52のウエルズ45が取り付けられている面と反対の面に取り付けることにより、インジウムが溶けてウエルズ45に達し、ウエルズ45のニッケルとリボン57のインジウムとで合金を形成することがなくなり、経時的な使用による始動時の光束立ち上がり特性の低下を防止できる。
【0047】
また、第3の実施の形態を図7を参照して説明する。
【0048】
図7は第3の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図で、第1の実施の形態において、補助アマルガム51をメッキ体としての補助アマルガム58に代えたものである。この補助アマルガム58は、極細のSUS製のワイヤを編み込んで形成された繊維状の構造を有しており、インジウムがメッキされて形成されている。このように金属製の繊維体にインジウムをメッキすることにより、インジウムが溶けても表面張力が働かず、インジウムがウエルズ45に達しにくくなり、ウエルズ45のニッケルと補助アマルガム58のインジウムとで合金を多く形成することがなくなり、経時的な使用による始動時の光束立ち上がり特性の低下を防止できる。
【0049】
なお、繊維体の金属ワイヤは編み込む他に、ワイヤ同士を溶融固着させて形成してもよい。また、金属ワイヤを綿状にしたステンレスウールなどのような材質を平板状に加工したものでもよい。
【0050】
さらに、第4の実施の形態を図8を参照して説明する。
【0051】
図8は第4の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図で、第1の実施の形態において、補助アマルガム51を補助アマルガム61に代えたものである。この補助アマルガム61は、平板状の取付体である3mm幅のSUS製の取付板62の一面がウエルズ45に溶接して取り付けられ、取付板62のこの取付板62がウエルズ45に取り付けられている面と反対の面に、表面にインジウム(In)がメッキされた2mm幅のメッキ体としての極細のSUS製のメッシュのリボン63が溶接などにより貼着されている。ここで、このようにメッシュのリボン63を取付板62のウエルズ45が取り付けられている面と反対の面に取り付けることにより、インジウムの表面積を増加できるとともに、インジウムが溶けてウエルズ45に達し、ウエルズ45のニッケルとリボン63のインジウムとで合金を形成することがなくなり、経時的な使用による始動時の光束立ち上がり特性の低下を防止できる。
【0052】
またさらに、第5の実施の形態を図9および図10を参照して説明する。
【0053】
図9は第5の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図、図10はこの補助アマルガム周辺を示す側面図で、第1の実施の形態において、補助アマルガム51をメッキ体としての補助アマルガム64に代えたものである。この補助アマルガム64は、断面U字状の板体の凹面側にのみインジウムがメッキされて形成され、凸面側がウエルズ45に接続されている。このようにウエルズ45に接続されていない凹面側にのみインジウムをメッキすることにより、インジウムが溶けてウエルズ45に達し、ウエルズ45のニッケルと補助アマルガム64のインジウムとで合金を形成することがなくなり、経時的な使用による始動時の光束立ち上がり特性の低下を防止できる。
【0054】
そしてまた、第6の実施の形態を図11を参照して説明する。
【0055】
図11は第6の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図で、第1の実施の形態において、補助アマルガム51をメッキ体としての補助アマルガム65に代えたものである。この補助アマルガム65は、三角形状の板体にインジウムがメッキされ、三角形の頂角近傍がウエルズ45に接続されている。このように三角形の頂角の近傍がウエルズ45に接続されることにより、ウエルズ45に向かって表面積が小さくなるため、インジウムが溶けてもウエルズ45側に流れにくく、インジウムが溶けて流れてウエルズ45に達し、ウエルズ45のニッケルと補助アマルガム65のインジウムとで合金を形成することがなくなり、経時的な使用による始動時の光束立ち上がり特性の低下を防止できる。
【0056】
また、第7の実施の形態を図12を参照して説明する。
【0057】
図12は第7の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図で、第1の実施の形態において、補助アマルガム51をメッキ体としての補助アマルガム66に代えたものである。この補助アマルガム66は、矩形状の矩形部67の一辺側に矩形部67より幅狭の突出部68,68を形成し全面にインジウムがメッキされたもので、突出部68,68がウエルズ45に接続されている。このように突出部68,68がウエルズ45に接続されることにより、ウエルズ45に向かって表面積が小さくなるため、インジウムが溶けてもウエルズ45側に流れにくく、インジウムが溶けて流れてウエルズ45に達し、ウエルズ45のニッケルと補助アマルガム66のインジウムとで合金を形成することがなくなり、経時的な使用による始動時の光束立ち上がり特性の低下を防止できる。
【0058】
さらに、第8の実施の形態を図13および図14を参照して説明する。
【0059】
図13は第8の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図で、第1の実施の形態において、補助アマルガム51をメッキ体としての補助アマルガム71に代えたものである。この補助アマルガム71は、ひらがなのく字状の板体の全面にインジウムがメッキされたもので、く字状の板体の先端の部分がそれぞれウエルズ45に接続されている。このように先端の部分がウエルズ45に接続されることにより、ウエルズ45に向かって表面積が小さくなるため、インジウムが溶けてもウエルズ45側に流れにくく、インジウムが溶けて流れてウエルズ45に達し、ウエルズ45のニッケルと補助アマルガム71のインジウムとで合金を形成することがなくなり、経時的な使用による始動時の光束立ち上がり特性の低下を防止できる。
【0060】
また、く字状の補助アマルガム71は、凹部の形状と凸部の形状が等しいため、図14に示すように、テープ状の細長金属片を打ち抜くなどして切り取って用いることができるため、無駄がなくなり効率よく材料取りできる。
【0061】
またさらに、第9の実施の形態を図15および図16を参照して説明する。
【0062】
図15は第9の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図で、第1の実施の形態において、補助アマルガム51をメッキ体としての補助アマルガム74に代えたものである。この補助アマルガム74は、矩形状の矩形部75の一辺側に矩形部75より幅狭の突出部76,76を形成し、突出部76,76の反対側に突出部76,76間の凹部77の形状と等しい凸部78を形成し、全面にインジウムがメッキされたもので、突出部76,76がウエルズ45に接続されている。このように突出部76,76がウエルズ45に接続されることにより、ウエルズ45に向かって表面積が小さくなるため、インジウムが溶けてもウエルズ45側に流れにくく、インジウムが溶けて流れてウエルズ45に達し、ウエルズ45のニッケルと補助アマルガム74のインジウムとで合金を形成することがなくなり、経時的な使用による始動時の光束立ち上がり特性の低下を防止できる。
【0063】
また、この補助アマルガム74は、凹部77の形状と凸部78の形状が等しいため、図16に示すように、テープ状の細長金属片を打ち抜くなどして切り取って用いることができるため、無駄がなくなり効率よく材料取りできる。
【0064】
なお、図9ないし図16に示す実施の形態はそれぞれ板体ではなく、金属メッシュを用いても同様の効果を得ることができ、さらにメッシュを用いることにより表面積を大きくできる。
【0065】
次に、第10の実施の形態を図17を参照して説明する。
【0066】
図17は第10の実施の形態の電球形蛍光ランプを示す断面図で、電球形の蛍光ランプ81は、たとえばPBT樹脂などの耐熱性合成樹脂製のカバー82を備え、このカバー82の一端には円筒部83が一体に形成されている。この円筒部83にはエジソンタイプのE26形などのねじ込み形の口金84が接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0067】
また、カバー82の他端は仕切板85により閉塞され、この仕切板85は、たとえばPBT樹脂などの耐熱性合成樹脂によってほぼ円形の皿形に形成されている。この仕切板85は、立ち上がり形状の側壁86の上端開口縁にフランジ部87が形成されている。そして、カバー82と仕切板85を突き合わせ、カバー82と仕切板85を相対的に円周方向に回動させることにより、カバー82と仕切板85がフランジ部87の係合によって結合される。
【0068】
さらに、仕切板85上には互いに180゜対称の位置つまり中心を通る対角線上に位置して一対のランプ取付孔88が開口形成されている。
【0069】
また、仕切板85のフランジ部87の内側には、インバータ回路などの点灯回路91の回路基板92が嵌め込まれている。
【0070】
さらに、仕切板85の下側には、蛍光ランプ93が取り付けられている。蛍光ランプ93は、屈曲形成されたガラス製の1本のバルブ90を備えている。このバルブ90は、両端に封止端部94を備え、この両封止端部94間に同一方向に向けてほぼU字形に屈曲された3本のU字状部95が形成され、これらU字状部95が互いに離間してほぼ平行に並設されている。各U字状部95は一対の直線部96とこの一対の直線部96の一端間で屈曲された曲成部97とを備え、中央に位置するU字状部95の曲成部97は両側のU字状部95の曲成部97よりバルブ軸方向に長く形成されており、各U字状部95の直線部96が同一円周上に位置されている。中央のU字状部95の各直線部96の他端と両側のU字状部95の封止端部94を備えない一方の直線部96の他端との間には、曲成部97とは逆方向にほぼU字形に屈曲された屈曲部98が形成されている。したがって、バルブ90は、両封止端部94間に屈曲形の1本の放電路が形成されている。
【0071】
また、バルブ90の各封止端部94の内部には線状の支持部材としてのウエルズ99を介してフィラメント電極としての電極コイル100が封装され、ウエルズ99には補助アマルガム101が接続され、この補助アマルガム101は第1ないし第9の実施の形態いずれかの構成であり、電極コイル100に接続された一対の外部リード線102 が封止端部94から導出されている。
【0072】
さらに、各封止端部94の外部には排気管部103,103が突出され、一方の排気管部103には点灯中のバルブ90内の水銀蒸気圧を制御するアマルガムが収容されている。
【0073】
また、バルブ90の内面には図示しない蛍光体被膜が形成されているとともに、バルブ90の内部には水銀およびアルゴンなどの希ガスが封入されている。
【0074】
さらに、透光性を有するグローブ106が装着され、ボール形に形成される。
【0075】
そして、補助アマルガム101は、第1ないし第9の実施の形態のいずれかの構成であるため、それぞれの場合と同様の作用を奏し、同様の効果を得ることができる。
【0076】
図18は、SUS製の板体の全面にインジウムをメッキした補助アマルガムを、ウエルズに取り付けた従来例の電球形蛍光ランプと第10の実施の形態の電球形蛍光ランプとの光束立ち上がり特性を比較した実験結果を示すグラフである。図18に示すように、500時間点灯させた後の従来例の電球形蛍光ランプcに比べ、第1の実施の形態の補助アマルガムを用いた電球形蛍光ランプa、第6ないし第9の実施の形態の補助アマルガムを用いた電球形蛍光ランプbでは、いずれも光束の立ち上がり特性が低下しないことがわかる。
【0077】
さらに、第11の実施の形態を図19および図20を参照して説明する。
【0078】
図19は電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた側面図、図20は補助アマルガムの形成工程を示す工程図で、第1の実施の形態において、補助アマルガム51を補助アマルガム110に代えたものである。
【0079】
ここで、補助アマルガム110の製造方法について説明すると、ウエルズ45に取り付けられた補助アマルガム110を、ウエルズ45に取り付けられる部分を除いて板体111にインジウムメッキ112を施し、図19(a)に示すように、このインジウムメッキ112が施されていない部分をウエルズ45に接合し、次に、図19(b)に示すように、インジウムメッキ112が施されている部分をウエルズ45に沿った方向で120°以下の角度で折り曲げて折返部113 を形成し、さらに、図19(c)に示すように、この折返部113と平行にこの折返部113とは反対方向に120°の角度で折り曲げて折返部113 を形成し、このように2つの折返部113,113を形成して完成する。
【0080】
なお、折返部113 を形成して補助アマルガム110を形成した後、ウエルズ45にこの補助アマルガム110を接合してもよい。
【0081】
そして、点灯によりフィラメントコイル44が発熱して、補助アマルガム110のインジウムメッキ112が溶融しても、ウエルズ45との接合部分はインジウムメッキ112が施されていないとともに、板体111の折返部113に溶融したインジウムが凝集するので、ウエルズ45にインジウムが流れることを防止する。
【0082】
なお、インジウムメッキ112を板体に形成することにより、網込みあるいは打ち抜きによるメッシュ体に比べて安価に形成できるとともに、単位面積当たりの表面積を増加できるため、同一厚さでメッキを形成する場合には、面積を小さくでき、小形化を図ることができる。
【0083】
次に、第12の実施の形態を図21を参照して説明する。
【0084】
図21は無電極放電ランプを示す一部を切り欠いた断面図で、図21において、121は放電ランプ装置、蛍光ランプ装置としての無電極放電ランプで、この無電極放電ランプ121は、E26形の口金122 を有するカバー123、このカバー123内に収容されたインバータ回路などの高周波点灯用のインバータ回路などの点灯回路124、透光性を有する放電ランプとしての発光管125を備えている。そして、カバー123と発光管125とを有する構成される外囲器は、60W形の白熱電球の規格寸法に近似する外形に形成されている。すなわち、口金122 を含む高さは100mmないし125mm程度、直径すなわち発光管125の外径が60mm程度に形成されている。
【0085】
そして、カバー123は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにて形成され、上方に拡開するほぼ円筒形状をなし、下部に口金122が被せられて接着またはかしめなどにより固定されている。
【0086】
また、点灯回路124には芯126が取り付けられ、この芯126には高周波磁界を発生するコイル127が巻回されている。さらに、発光管125は、透明あるいは光拡散性を有する乳白色などで、ガラスあるいは合成樹脂により、白熱電球のガラス球とほぼ同一形状の滑らかな曲面状に形成されて内部に水銀および希ガスが封入された容器を形成し、中心部には芯126が挿入される芯126よりやや大きな芯挿入部128が形成され、下面がカバー123の上端の開口部の内側に嵌合されるとともに、芯挿入部128に芯126が挿入されてて固着されている。
【0087】
また、発光管125の下面には図示しない凹部131が形成され、この凹部131にはインジウム、ビスマス、スズ、鉛およびそれらの合金に水銀を吸着させ、発光管125内の水銀蒸気圧を適正な範囲に制御する主アマルガム132が封入されている。
【0088】
さらに、発光管125内の芯挿入部128 には支持部材としてのワイヤ133が取り付けられ、このワイヤ133には消灯時にバルブ内の浮遊水銀を吸着しかつ始動時を含む点灯初期に吸着した水銀を放出して立ち上がり特性を向上する図1と同様に形成されている補助アマルガム134が装着されている。
【0089】
そして、このように構成された無電極放電ランプ121は、点灯回路124 で高周波を発生してコイル127に高周波を供給することにより、コイル127で高周波磁界を誘起させ、この高周波磁界により管体35内で発光させる。
【0090】
また、点灯により管体35内が発熱して、補助アマルガム134のインジウムメッキが溶融しても、ワイヤ133との接合部分はインジウムメッキが施されていないとともに、板体の折返部に溶融したインジウムが凝集するので、ワイヤ133にインジウムが流れることを防止する。
【0091】
次に、第13の実施の形態を図22を参照して説明する。
【0092】
図22は第13の実施の形態の電球形蛍光ランプを示す一部を切り欠いた断面図で、図22は補助アマルガムの接続を示す正面図、図22は補助アマルガムの接続を拡大して示す断面図で、図22に示すように、141は放電ランプ装置、蛍光ランプ装置としての電球形蛍光ランプで、入力電力15W、ランプ電流200mA、管壁負荷1100W/mで点灯し、この電球形蛍光ランプ141は、口金142を有するカバー143と、このカバー143に収納されたインバータ回路などの点灯回路144と、透光性を有するグローブ145と、このグローブ145に収納された放電ランプである蛍光ランプとしての発光管146 とを備えている。そして、グローブ145とカバー143で構成される外囲器は、白熱電球に近似する外形に形成されている。また、グローブ145とカバー143との間には、仕切板147 が設けられている。
【0093】
まず、カバー143は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにて形成されたカバー本体151を備えている。そして、このカバー本体151は、下方に拡開する略円筒状をなし、上端部に、E26形などの口金142が被せられ、接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0094】
また、グローブ145は、透明あるいは光拡散性を有する乳白色などで、ガラスあるいは合成樹脂により、白熱電球のガラス球とほぼ同一形状の滑らかな曲面状に形成され、カバー143の下端の開口部の内側に嵌合されている。
【0095】
さらに、グローブ145に収納される発光管146 は、透光性を有する鞍状に折り曲げられた外径約12mmのソーダライムガラス製のバルブ152を有し、このバルブ152の内面に可視光線を発する膜厚10μmないし20μmの希土類金属付活三波長発光形蛍光体などで蛍光体膜153を形成するとともに、内部にアルゴンなどの希ガスおよび水銀が封入されている。
【0096】
そして、端部にはステム154が形成され、このステム154には排気管としての機能を有する細管155が溶着され、排気するとともに必要に応じてたとえばビスマス(Bi)−インジウム(In)系の主アマルガム156が収納される。この主アマルガム156は、インジウム、ビスマス、スズ、鉛およびそれらの合金に水銀を吸着させ、バルブ152内の水銀蒸気圧を適正な範囲に制御する。
【0097】
また、バルブ152の端部には、電子放射物質が塗布された熱陰極となるフィラメントコイル157がサポートワイヤとしての一対の線状の支持部材としてのウエルズ158に支持され、このウエルズ158は、図23および図24に示すように、直径0.2mmの銅(Cu)の芯線161にニッケル(Ni)162が3μmの膜厚でメッキして形成されている。また、一方のウエルズ158には、インジウムと化学反応しにくい材料のクロム(Cr)がメッキして被覆部162 が形成され、この被覆部162 に補助アマルガム163が取り付けられている。なお、被覆部162は、膜厚約3μmで、長さL1は補助アマルガム163 の縦寸法の約3倍の寸法の約15mmで、被覆部162の縦方向のほぼ中央部に位置して、補助アマルガム163のインジウム165が被覆されている片面が溶接により支持されている。
【0098】
さらに、この補助アマルガム163は、厚さ約0.1mm、縦約3mm、横約9mmの偏平長方形状のステンレス製の金属基体164に膜厚約5μmのインジウム165が両面にメッキ形成されている。なお、補助アマルガム163は消灯時に発光管146 内の浮遊水銀を吸着しかつ始動時を含む点灯初期に吸着した水銀を放出して立ち上がり特性を向上する。また、各ウエルズ158は、バルブ152の端部のガラスに封着されたジュメット線166を介して、点灯回路144の給電ピン167に接続されている。
【0099】
そして、発光管146を点灯させると、バルブ152の温度が上昇するとともに、補助アマルガム163の温度が上昇し、補助アマルガム163の温度がインジウム165の融点を越えるとインジウム165が液化する。このインジウム165の液化により、インジウム165の自重または表面張力によりインジウム165が移動可能になるが、ウエルズ158の被覆部162はインジウム165と化学反応しにくい材料のクロムで形成されているため、インジウム165が移動しない。
【0100】
したがって、ウエルズ158 と補助アマルガム163との間でインジウム合金が形成されることがなくなり、補助アマルガム163の水銀吸着特性が低下することを抑制でき、始動時の光束立上がり特性を長期的に維持できる。
【0101】
また、被覆部162は、クロムに限らず、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)、鉛(Pb)およびモリブデン(Mo)のうちの少なくとも一種、これらの酸化物、およびステンレスを用いても同様の効果を得ることができ、これら被覆部162を形成するに際しては、メッキあるいは塗布などの任意の方法により形成すれば良い。
【0102】
さらに、被覆部162の幅寸法は、被覆部162に対するウエルズ158の製造面における取り付け位置のばらつきを考慮して、ウエルズ158の軸方向の長さは補助アマルガム163の幅より長く設定したが、被覆部162の材料費低減およびインジウム165による作用を阻害させないためには、被覆部162の幅はウエルズ158の直径とほぼ等しい幅に設定すればよく、また、補助アマルガム163の全周に巻回することなく接続する面のみに形成してもよい。
【0103】
また、第14の実施の形態を図25を参照して説明する。
【0104】
図25は第14の実施の形態の補助アマルガムの接続を拡大して示す断面図で、この図25に示すものは、図22ないし図24に示すものにおいて、被覆部162に換えてスリーブ166をウエルズ158に嵌挿し、このスリーブ166に補助アマルガム163を接続する。
【0105】
このスリーブ166は、外径約0.4mm、内径約0.2mm、長さ約15mmの、インジウムと化学反応しにくいステンレス製で、このスリーブ166 の内径とウエルズ158の外径とがほぼ等しいので、摩擦係合によりスリーブ166 をウエルズ158に被着し、必要に応じて固着をより強固にするためにスポット溶接する。
【0106】
この場合にも、インジウム165が液化されてもスリーブ166がインジウム165と化学反応しにくいステンレス製であるため、インジウム165が移動しない。
【0107】
したがって、インジウム165とスリーブ166との間でインジウム合金が形成されることがなくなり、補助アマルガム163の水銀吸着特性が低下することを抑制でき、始動時の光束立上がり特性を長期的に維持できる。
【0108】
また、このようにウエルズ158にスリーブ166を嵌挿すればよいので、製造も簡単にできる。
【0109】
なお、スリーブ166は、ステンレスに限らず、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)、鉛(Pb)およびモリブデン(Mo)のうちの少なくとも一種、これらの酸化物を用いても同様の効果を得ることができ、ウエルズ158の全周に亘り位置するものに限らず、少なくとも補助アマルガム163が接続される部分のみ有すれば一部が切り欠かれた円弧状のものでもよい。
【0110】
また、第15の実施の形態を図26を参照して説明する。
【0111】
図26は第15の実施の形態の補助アマルガムの接続を拡大して示す断面図で、この図26に示すものは、図22ないし図24に示すものにおいて、被覆部162に換えて金属箔167をウエルズ158に巻回し、この金属箔167 に補助アマルガム163を接続する。
【0112】
この金属箔167は、厚さ約3μm、縦約15mm、横約1mmの長方形のインジウムと化学反応しにくいモリブデン製の箔で形成され、ウエルズ158に巻回して被着する。
【0113】
この場合にも、インジウム165 が液化されても金属箔167がインジウム165と化学反応しにくいモリブデン製であるため、インジウム165が移動しない。
【0114】
したがって、金属箔167とインジウム165との間でインジウム合金が形成されることがなくなり、補助アマルガム163の水銀吸着特性が低下することを抑制でき、始動時の光束立上がり特性を長期的に維持できる。
【0115】
また、このようにウエルズ158に金属箔167を巻回すればよいので、製造も簡単にできる。
【0116】
なお、金属箔167は、モリブデンに限らず、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)および鉛(Pb)のうちの少なくとも一種、これらの酸化物、あるいは、ステンレスを用いても同様の効果を得ることができる。
【0117】
また、金属箔167は必ずしもウエルズ158の全周に亘り巻回する必要がなく、少なくとも補助アマルガム163と接触する部分にのみ形成されていればよく、ウエルズ158の軸方向の長さについても補助アマルガム163が接触する部分にのみ形成すればよい。
【0118】
さらに、第16の実施の形態を図27を参照して説明する。
【0119】
図27は第16の実施の形態の補助アマルガムの接続を拡大して示す断面図で、この図27に示すものは、図22ないし図24に示すものにおいて、被覆部162に換えてウエルズ158と補助アマルガム163とを離間する中間部材である金属柱168の一端をウエルズ158に溶接し、この金属柱168の他端に補助アマルガム163を溶接して、金属柱168を橋状にして固着する。
【0120】
そして、接続に際しては金属柱168の一端をまずウエルズ158に溶接し、その後金属柱168の他端に補助アマルガム163を溶接して取り付ける。
【0121】
この金属柱168 は、断面の直径0.2mmで、長さ5mmの円柱状でインジウムと化学反応しにくいモリブデン製である。
【0122】
この場合にも、インジウム165が液化されても補助アマルガム163とウエルズ158との間に5mmの物理的、機械的な間隙があるとともに、金属柱168 がインジウム165と化学反応しにくいモリブデン製であるため、インジウム165が移動しない。
【0123】
したがって、ウエルズ158とインジウム165との間でインジウム合金が形成されることがなくなり、補助アマルガム163の水銀吸着特性が低下することを抑制でき、始動時の光束立上がり特性を長期的に維持できる。
【0124】
また、このようにウエルズ158 に金属箔167 を巻回すればよいので、製造も簡単にできる。
【0125】
なお、金属柱168は、モリブデンに限らず、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)および鉛(Pb)のうちの少なくとも一種、これらの酸化物、あるいは、ステンレスを用いても同様の効果を得ることができる。
【0126】
また、接続に際しては金属柱168の一端をまずウエルズ158に溶接し、その後金属柱168の他端に補助アマルガム163を溶接して取り付けたが、反対に補助アマルガム163に金属柱168の一端を溶接し、その後金属柱168の他端をウエルズ158に溶接するようにしてもよい。
【0127】
なお、ウエルズ158と補助アマルガム163とを離間する中間部材としては、金属柱168に限らず、どのような形状でもよく、また、ガラス材料その他の任意の材料を用いることができ、好適にはインジウムと化学反応を生じにくい材料である。
【0128】
さらに、第17の実施の形態を図28を参照して説明する。
【0129】
図28は第17の実施の形態の補助アマルガムの接続を示す斜視図で、この図28に示すものは、図22ないし図24に示すものにおいて、ウエルズ158の被覆部162に換えて補助アマルガム163のインジウム165上にインジウムと化学反応しにくいクロムの被覆部171をメッキまたは塗布により形成したものである。
【0130】
この被覆部171は、膜厚約3μm、長さは補助アマルガム163の金属基体164の縦寸法と等しい約3mm、幅L2はウエルズ158の直径0.2mmの約3倍の0.5mmないし0.6mmに形成され、この被覆部171のほぼ中央にウエルズ158の外周面が溶接によって接続されている。
【0131】
この場合にも、インジウム165が液化されても、被覆部171がインジウム165と化学反応しにくいクロムであるため、インジウム165が移動しない。
【0132】
したがって、ウエルズ158とインジウム165との間でインジウム合金が形成されることがなくなり、補助アマルガム163の水銀吸着特性が低下することを抑制でき、始動時の光束立上がり特性を長期的に維持できる。
【0133】
また、このようにウエルズ158が線形の細いものであったとしても、補助アマルガム163上に偏平細長状に被覆部171を形成すればよいので、ウエルズ158に被覆部を形成するものに比べて製造を簡単にできる。
【0134】
なお、被覆部171は、クロムに限らず、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)、鉛(Pb)およびモリブデン(Mo)のうちの少なくとも一種、これらの酸化物、あるいは、ステンレスを用いても同様の効果を得ることができる。
【0135】
また、被覆部171の幅寸法は、被覆部171に対するウエルズ158の製造面における取り付け位置のばらつきを考慮して、取付代としてウエルズ158の直径の約3倍に設定したが、クロムの材料費低減およびインジウム165による作用を阻害させないためには、被覆部171の幅はウエルズ158の直径とほぼ等しい幅に設定すればよい。
【0136】
さらに、第18の実施の形態を図29を参照して説明する。
【0137】
図29は第18の実施の形態の補助アマルガムの接続を示す斜視図で、この図29に示すものは、図28に示すものにおいて、クロムの被覆部171を金属箔172をリング状に巻回して形成したものである。
【0138】
この金属箔172は、膜厚約3μm、幅L3はウエルズ158の直径0.2mmの約3倍の0.5mmないし0.6mm、長さは7mmで形成され、補助アマルガム163の一端側の外周に巻回し、金属箔172の終端部をスポット溶接により固定し、この金属箔172のほぼ中央にウエルズ158の外周面が溶接によって接続されている。
【0139】
この場合にも、インジウム165が液化されても、金属箔172がインジウム165と化学反応しにくいクロムであるため、インジウム165が移動しない。
【0140】
したがって、ウエルズ158とインジウム165との間でインジウム合金が形成されることがなくなり、補助アマルガム163の水銀吸着特性が低下することを抑制でき、始動時の光束立上がり特性を長期的に維持できる。
【0141】
また、このようにウエルズ158が線形の細いものであったとしても、補助アマルガム163上にリング状に金属箔172を巻回すればよいので、製造を簡単にできる。
【0142】
なお、金属箔172は、クロムに限らず、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)、鉛(Pb)およびモリブデン(Mo)のうちの少なくとも一種、これらの酸化物、あるいは、ステンレスを用いても同様の効果を得ることができる。
【0143】
また、金属箔172の幅寸法は、金属箔172に対するウエルズ158の製造面における取り付け位置のばらつきを考慮して、取付代としてウエルズ158の直径の約3倍に設定したが、金属箔172の材料費低減およびインジウム165による作用を阻害させないためには、金属箔172の幅はウエルズ158の直径とほぼ等しい幅に設定すればよく、また、補助アマルガム163の全周に巻回することなく接続する面のみに形成してもよい。
【0144】
なお、いずれの場合にも補助アマルガム163のインジウム165は、金属基体164の両面および端面のみに形成されたものでもよく、金属基体164の前面に亘り形成されるものに限らず、インジウム165の作用を阻害しない範囲で部分的に被覆されていない部分が存在していてもよく、メッキあるいは他の塗布方法により形成すればよい。
【0145】
また、インジウムと化学反応しにくい材料で形成された被覆部などは、ウエルズ158あるいは補助アマルガム163 のいずれか一方に形成するものに限らず、双方に形成してもよい。
【0146】
なお、いずれの実施の形態においても、バルブ34,90,152は、ガラス、セラミックスなどの透光性材料で形成され、内部に放電空間を有するものであればよく、形状は鞍形に限らず、直管形、U字形、W字形あるいはH字形に折曲または端部同士を連結したもの、さらには、平板形でもよい。
【0147】
また、グローブ17,106,145を設けずにバルブ34,90,152を直接外部に直接露出させたものでもよい。
【0148】
さらに、支持手段も上述のようにウエルズ45,99,158に限らず、ワイヤ133などを用いることができる。
【0149】
またさらに、電極は熱陰極形あるいは冷陰極形の内部電極、高周波電磁界を印加する励起コイルなど任意のものを用いればよい。
【0150】
また、点灯回路を内部に有するものについて説明したが、点灯回路を有しないものあるいは高周波に限らず商用周波数で点灯するもののいずれでもよい。
【0151】
【発明の効果】
請求項1記載の放電ランプによれば、金属メッキが施された繊維状のメッキ体を取り付けたので、簡単な構成で、金属メッキが支持部材に流れることを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持できる。
【0152】
請求項2記載の放電ランプによれば、支持部材に取り付けられる平板状の取付体の支持部材に接続された面と反対の面に金属メッキが施されたメッキ体を取り付けたので、簡単な構成で、金属メッキが支持部材に流れることを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持できる。
【0153】
請求項3記載の放電ランプによれば、メッキ体は、細長い基体金属をそれぞれ相似形状に切り出して形成され、簡単に無駄なく効率よく形成可能であるとともに、支持部材に近い側の表面積が小さくなるように支持部材に接続され、金属メッキは支持部材側に流れにくいため、金属メッキが支持部材に流れることを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持できる。
【0154】
請求項4記載の放電ランプによれば、請求項1ないし3いずれか一記載の放電ランプに加え支持部材に取り付けられる平板状の取付体の支持部材に接続された面の支持部材に接続された箇所を除いた箇所に金属メッキが施されたメッキ体を取り付けたので、簡単な構成で、金属メッキが支持部材に流れることを防止でき、光束立ち上がり性を寿命末期まで維持できる。
【0155】
請求項5記載の放電ランプによれば、請求項1ないし4いずれか一記載の放電ランプに加え、湾曲した板状の凸面側に支持部材を接続し凹面側に水銀を吸着する金属メッキを施したので、簡単な構成で、金属メッキが支持部材に流れることを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持できる。
【0156】
請求項6記載の放電ランプによれば、請求項2ないし5いずれか一記載の放電ランプに加え、メッキ体はメッシュ状であるので、小さな平面形状で十分に金属メッキを施すことができる。
【0157】
請求項7記載の放電ランプによれば、請求項1ないし7いずれか一記載の放電ランプに加え、水銀を吸着する金属は、インジウムで、支持部材は、ニッケルでそれぞれ構成されたもので、インジウムは確実に水銀を吸着可能で、ニッケルはスパッタに強く安定した放電を妨げる不純ガスを持ち込まず放電が安定し、インジウムは流れないのでニッケルと合金を形成せず、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持できる。
【0158】
請求項8記載の放電ランプによれば、請求項1ないし7いずれか一記載の放電ランプに加え、折り返し形成された板体にメッキを施すことにより、板体のメッキが溶融しても、折り返した部分にメッキが凝集されて支持部材にメッキが流れることを防止するとともに、板体の表面積は比較的大きいので単位面積当たりのメッキ量を増加させ、小形化できる。
【0159】
請求項9記載の放電ランプによれば、請求項8記載の放電ランプに加え、インジウムのメッキとすることにより、補助アマルガムとして好適に機能できる。
【0160】
請求項10記載の放電ランプによれば、請求項3ないし9いずれか一記載の放電ランプに加え、インジウムが化学的に遮断されて支持部材に接続されているため、インジウムが流れても支持部材と化学的に結合することを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持できる。
【0161】
請求項11記載の放電ランプによれば、請求項3ないし9いずれか一記載の放電ランプに加え、インジウムが支持部材と化学反応を生じないように離間して支持部材に接続されているため、インジウムが流れても支持部材と化学反応することを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持できる。
【0162】
請求項12記載の放電ランプによれば、請求項1ないし11いずれか一記載の放電ランプに加え、支持部材の被覆部がインジウムと化学反応しにくい材料で形成され、この被覆部にインジウムが接続されて支持部材に接続されているため、インジウムが流れても支持部材と化学反応することを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持できる。
【0163】
請求項13記載の放電ランプによれば、請求項3ないし8いずれか一記載の放電ランプに加え、支持部材の被覆部がインジウムと化学反応しにくい材料で形成され、この被覆部にインジウムが接続されて支持部材に接続されているため、インジウムが流れても支持部材と化学反応することを防止でき、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持できる。
【0164】
請求項14記載の放電ランプによれば、請求項12または13記載の放電ランプに加え、インジウムと化学反応しにくい材料は、亜鉛、鉄、クロム、アルミニウム、バナジウム、鉛およびモリブデンのうちの少なくとも一種、これらの酸化物、およびステンレスのいずれかであるので、好適な材料を選定したため、容易かつ安価に製造できる。
【0165】
請求項15記載の放電ランプによれば、請求項1ないし14いずれか一記載の放電ランプに加え、熱陰極が高温になっても支持部材と化学結合することを防止し、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持する。
【0166】
請求項16記載の放電ランプ装置によれば、請求項1ないし15いずれか一記載の放電ランプが取り付けられ、放電ランプを内包するとともにカバーとともにほぼ電球状の形状となるグローブとを具備したので、それぞれの効果を奏して電球代替用の電球形放電ランプとして用いることができる。
【0167】
請求項17記載の蛍光ランプは、バルブは内面に蛍光体層が形成され水銀および希ガスが放電媒体として封入されている請求項1ないし16いずれか一記載の放電ランプを具備したので、光束立ち上がり特性を寿命末期まで維持できる。
【0168】
請求項18記載の蛍光ランプ装置によれば、請求項17記載の放電ランプが取り付けられ、蛍光ランプを内包するとともにカバーとともにほぼ電球状の形状となるグローブとを具備したので、それぞれの効果を奏して電球代替用の電球形蛍光ランプとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施の形態を示す発光管の一部の断面図である。
【図2】
同上電球形蛍光ランプのグローブを透視した側面図である。
【図3】
同上電球形蛍光ランプのグローブを透視した底面図である。
【図4】
同上電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた側面図である。
【図5】
同上時間と比光束比との関係を示すグラフである。
【図6】
同上第2の実施の形態の発光管の一部の断面図である。
【図7】
同上第3の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図である。
【図8】
同上第4の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図である。
【図9】
同上第5の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図である。
【図10】
同上補助アマルガム周辺を示す側面図である。
【図11】
同上第6の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図である。
【図12】
同上第7の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図である。
【図13】
同上第8の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図である。
【図14】
同上細長金属片の形取りを示す正面図である。
【図15】
同上第9の実施の形態の補助アマルガム周辺を示す正面図である。
【図16】
同上細長金属片の形取りを示す正面図である。
【図17】
同上第10の実施の形態の電球形蛍光ランプを示す断面図である。
【図18】
同上時間と相対光出力との関係を示すグラフである。
【図19】
同上電球形蛍光ランプの補助アマルガムの形成工程を示す工程図である。
【図20】
同上第11の実施の形態の電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた側面図である。
【図21】
同上第12の実施の形態の無電極放電ランプを示す一部を切り欠いた断面図である。
【図22】
同上第13の実施の形態の電球形蛍光ランプを示す一部を切り欠いた断面図である。
【図23】
同上補助アマルガムの接続を示す正面図である。
【図24】
同上補助アマルガムの接続を拡大して示す断面図である。
【図25】
同上第14の実施の形態の補助アマルガムの接続を拡大して示す断面図である。
【図26】
同上第15の実施の形態の補助アマルガムの接続を拡大して示す断面図である。
【図27】
同上第16の実施の形態の補助アマルガムの接続を拡大して示す断面図である。
【図28】
同上第17の実施の形態の補助アマルガムの接続を示す斜視図である。
【図29】
同上第18の実施の形態の補助アマルガムの接続を示す斜視図である。
【符号の説明】
11,141 放電ランプ装置、蛍光ランプ装置としての電球形蛍光ランプ
14,82,143 カバー
16,91,124,144 点灯回路
17,106 ,145 グローブ
34,90,152 バルブ
45,99,158 支持部材としてのウエルズ
52,56,62 取付体としての取付板
53,57,63 メッキ体としてのリボン
58,64,65,66,71,74 メッキ体としての補助アマルガム
133 支持部材としてのワイヤ
110,134,163 補助アマルガム
111 板体
112 インジウムメッキ
121 放電ランプ装置、蛍光ランプ装置としての無電極放電ランプ
162,171 被覆部
166 被覆部としてのスリーブ
167,172 被覆部としての金属箔
JP28082698A 1997-10-31 1998-10-02 放電ランプ、放電ランプ装置、蛍光ランプおよび蛍光ランプ装置 Expired - Fee Related JP3925591B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28082698A JP3925591B2 (ja) 1997-10-31 1998-10-02 放電ランプ、放電ランプ装置、蛍光ランプおよび蛍光ランプ装置
TW087116916A TW384496B (en) 1997-10-31 1998-10-12 Discharging lamp, discharging lamp apparatus, fluorescent lamp and fluorescent lamp apparatus
KR1019980044954A KR19990037402A (ko) 1997-10-31 1998-10-27 방전 램프, 방전 램프 장치, 형광 램프 및 형광 램프 장치
CN98123820A CN1216857A (zh) 1997-10-31 1998-10-30 放电灯和放电灯装置以及荧光灯和荧光灯装置

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30110697 1997-10-31
JP35902197 1997-12-26
JP15627198 1998-06-04
JP18433998 1998-06-30
JP10-156271 1998-06-30
JP9-301106 1998-06-30
JP10-184339 1998-06-30
JP9-359021 1998-06-30
JP28082698A JP3925591B2 (ja) 1997-10-31 1998-10-02 放電ランプ、放電ランプ装置、蛍光ランプおよび蛍光ランプ装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000082440A JP2000082440A (ja) 2000-03-21
JP2000082440A5 true JP2000082440A5 (ja) 2005-04-07
JP3925591B2 JP3925591B2 (ja) 2007-06-06

Family

ID=27528109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28082698A Expired - Fee Related JP3925591B2 (ja) 1997-10-31 1998-10-02 放電ランプ、放電ランプ装置、蛍光ランプおよび蛍光ランプ装置

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP3925591B2 (ja)
KR (1) KR19990037402A (ja)
CN (1) CN1216857A (ja)
TW (1) TW384496B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4702618B2 (ja) 2003-02-17 2011-06-15 東芝ライテック株式会社 蛍光ランプ、電球形蛍光ランプ、及び照明器具
ITMI20042516A1 (it) * 2004-12-27 2005-03-27 Getters Spa Processo per produrre mediante deposizione di lega bassofondente dispositivi portanti almeno un materiale attivo

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4702618B2 (ja) 蛍光ランプ、電球形蛍光ランプ、及び照明器具
US6417615B1 (en) Fluorescent lamp with auxiliary amalgam secured to single lead wire
KR100548942B1 (ko) 전구형 형광램프 및 조명기구
JP4099702B2 (ja) 電球形蛍光ランプおよび照明装置
JP2000082440A5 (ja)
JP2005347236A (ja) 電球形蛍光ランプおよび照明装置
JP3925591B2 (ja) 放電ランプ、放電ランプ装置、蛍光ランプおよび蛍光ランプ装置
JP4780281B2 (ja) 電球形蛍光ランプおよび照明装置
JP4196668B2 (ja) 電球形蛍光ランプ及び照明器具
JP3262168B2 (ja) 電球形蛍光ランプ
JP4139997B2 (ja) 電球形蛍光ランプおよび照明器具
JP4221654B2 (ja) 電球形蛍光ランプおよび照明装置
JP2008218040A (ja) 白熱電球および照明装置
JP3906696B2 (ja) 低圧水銀蒸気放電灯
JP3384451B2 (ja) 蛍光ランプおよび電球形蛍光ランプ
JP4822078B2 (ja) 電球形蛍光ランプおよび照明器具
JP4304605B2 (ja) 電球形蛍光ランプおよび照明装置
JP4310676B2 (ja) 蛍光ランプおよび照明器具
JP3778278B2 (ja) 電球形蛍光ランプ
JP2003059307A (ja) 電球形蛍光ランプおよび照明器具
JP2000048768A (ja) 蛍光ランプおよび電球形蛍光ランプ
JP2006114224A (ja) 蛍光ランプ、電球形蛍光ランプ及び照明器具
JP2002289143A (ja) 蛍光ランプ装置および電球形蛍光ランプ
JPH11354074A (ja) 蛍光ランプおよび蛍光ランプ装置
JP2006004718A (ja) 蛍光ランプ、コンパクト蛍光ランプおよび電球形蛍光ランプ