JP2000081563A - 測距装置 - Google Patents
測距装置Info
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- JP2000081563A JP2000081563A JP25140498A JP25140498A JP2000081563A JP 2000081563 A JP2000081563 A JP 2000081563A JP 25140498 A JP25140498 A JP 25140498A JP 25140498 A JP25140498 A JP 25140498A JP 2000081563 A JP2000081563 A JP 2000081563A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 不均一な抵抗層のPSDがもつワイドレンジ
で高精度という利点を生かしつつ定常光成分のアンバラ
ンスによる精度劣化に対処して高精度な測距装置を提供
すること。 【解決手段】 被写体に対してスポット状の測距用光を
投射する投光手段と、該被写体からの反射信号光を受光
しこの反射信号光の位置を2つの電気信号に変換して検
出する受光手段6とを有する測距装置であり、この受光
手段6を構成する半導体素子6aが、その信号光の位置
変化に対しての変化量に応じて2つの電気信号の関係が
位置によって異なる所定関数で変化し、その信号光以外
の均一な照明に対しては上記2つの電気信号量が同じ割
合で変化するようなるように構成する。
で高精度という利点を生かしつつ定常光成分のアンバラ
ンスによる精度劣化に対処して高精度な測距装置を提供
すること。 【解決手段】 被写体に対してスポット状の測距用光を
投射する投光手段と、該被写体からの反射信号光を受光
しこの反射信号光の位置を2つの電気信号に変換して検
出する受光手段6とを有する測距装置であり、この受光
手段6を構成する半導体素子6aが、その信号光の位置
変化に対しての変化量に応じて2つの電気信号の関係が
位置によって異なる所定関数で変化し、その信号光以外
の均一な照明に対しては上記2つの電気信号量が同じ割
合で変化するようなるように構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラの測距装置
(AF装置)に関し、詳しくは、カメラから被写体に対
し測距用光を投射して、その反射信号光の位置を検出
し、三角測距の原理にて測距を行うアクティブAFの改
良に関する。
(AF装置)に関し、詳しくは、カメラから被写体に対
し測距用光を投射して、その反射信号光の位置を検出
し、三角測距の原理にて測距を行うアクティブAFの改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、カメラから被写体に対し投射
した測距用光の反射信号光を検出するアクティブ方式の
測距には、一般にPSD(Position Sensitive Detector
s)と呼ばれる半導体位置検出素子が使われている。この
位置検出素子は、「光電変換効果」と表面の抵抗層によ
る2つの電極への「光電流分流効果」とによって、信号
光入射位置に応じて取り出される2つの光電流比を変化
させる構造が極めて単純な素子であり、被写体の連続的
な位置情報を得ることができる。
した測距用光の反射信号光を検出するアクティブ方式の
測距には、一般にPSD(Position Sensitive Detector
s)と呼ばれる半導体位置検出素子が使われている。この
位置検出素子は、「光電変換効果」と表面の抵抗層によ
る2つの電極への「光電流分流効果」とによって、信号
光入射位置に応じて取り出される2つの光電流比を変化
させる構造が極めて単純な素子であり、被写体の連続的
な位置情報を得ることができる。
【0003】また本出願人は、例えば特開平5−118
848号公報に開示したような測距装置の発明によっ
て、このようなPSDを改良して遠距離から近距離まで
の広範囲にわたる良好な測距性能を達成しながら良好な
ピントを得ることができる自動焦点カメラ(AFカメ
ラ)の提案を行ってきた。
848号公報に開示したような測距装置の発明によっ
て、このようなPSDを改良して遠距離から近距離まで
の広範囲にわたる良好な測距性能を達成しながら良好な
ピントを得ることができる自動焦点カメラ(AFカメ
ラ)の提案を行ってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、P
SDを構成する抵抗層の分布を均一ではなくし、所定の
関数で切り換るようにしたものであったが、抵抗層にこ
のような工夫をすると、信号光に対しては想定どおりの
働きをするものの、PSDに定常的に入射する人工照明
や、太陽光による定常光に対しては、想定外の「アンバ
ランス」な働きをすることがあることがわかっている。
SDを構成する抵抗層の分布を均一ではなくし、所定の
関数で切り換るようにしたものであったが、抵抗層にこ
のような工夫をすると、信号光に対しては想定どおりの
働きをするものの、PSDに定常的に入射する人工照明
や、太陽光による定常光に対しては、想定外の「アンバ
ランス」な働きをすることがあることがわかっている。
【0005】例えば、PSDの2つの出力電流を増幅す
る回路は一般的に集積回路(IC)で構成されるが、こ
の様なICは開発費が多くかかり、設計も困難である故
に、上述の不均一な抵抗層のPSDのアンバランスな出
力信号を扱うには手軽に設計変更をすることが困難であ
った。もしもこのとき何も対策をしないと、例えば強い
光で照明された被写体からの背景光がそのPSDに均一
に入射した場合においては、出力光電流にアンバランス
が生じ、この結果、IC回路の定常光除去回路が正しく
作動せず、測距精度の劣化を招くことがあった。
る回路は一般的に集積回路(IC)で構成されるが、こ
の様なICは開発費が多くかかり、設計も困難である故
に、上述の不均一な抵抗層のPSDのアンバランスな出
力信号を扱うには手軽に設計変更をすることが困難であ
った。もしもこのとき何も対策をしないと、例えば強い
光で照明された被写体からの背景光がそのPSDに均一
に入射した場合においては、出力光電流にアンバランス
が生じ、この結果、IC回路の定常光除去回路が正しく
作動せず、測距精度の劣化を招くことがあった。
【0006】そこで本発明の目的とする処は、不均一な
抵抗層のPSDがもつワイドレンジで高精度という利点
を生かしつつ、定常光成分のアンバランスによる精度劣
化に対処して測距の高精度化を達成できる測距装置を提
供することにある。
抵抗層のPSDがもつワイドレンジで高精度という利点
を生かしつつ、定常光成分のアンバランスによる精度劣
化に対処して測距の高精度化を達成できる測距装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決と目的の
達成のため、本発明は次のような手段を講じている。 [1] 被写体に対してスポット状の測距用光を投射す
る投光手段と、上記被写体からの反射信号光を受光し
て、この反射信号光の位置を2つの電気信号に変換して
検出する受光手段とを有する測距装置において、上記受
光手段を構成する半導体素子が、上記信号光の位置変化
に対しての変化量に応じて2つの電気信号の関係が位置
によって異なる所定関数で変化し、信号光以外の均一な
照明に対しては、上記2つの電気信号量が同じ割合で変
化するように構成した測距装置を提案する。また、上記
半導体素子の信号出力の変化量は、上記半導体素子の有
効受光部の形状によることを特徴とする[1]の測距装
置を提案する。また、この変化量が、上記半導体素子の
抵抗層の配分によることを特徴とする[1]の測距装置
を提案する。また同じく、この変化量が、上記受光手段
の電極に取り付けた抵抗素子によることを特徴とする
[1]の測距装置を提案する。
達成のため、本発明は次のような手段を講じている。 [1] 被写体に対してスポット状の測距用光を投射す
る投光手段と、上記被写体からの反射信号光を受光し
て、この反射信号光の位置を2つの電気信号に変換して
検出する受光手段とを有する測距装置において、上記受
光手段を構成する半導体素子が、上記信号光の位置変化
に対しての変化量に応じて2つの電気信号の関係が位置
によって異なる所定関数で変化し、信号光以外の均一な
照明に対しては、上記2つの電気信号量が同じ割合で変
化するように構成した測距装置を提案する。また、上記
半導体素子の信号出力の変化量は、上記半導体素子の有
効受光部の形状によることを特徴とする[1]の測距装
置を提案する。また、この変化量が、上記半導体素子の
抵抗層の配分によることを特徴とする[1]の測距装置
を提案する。また同じく、この変化量が、上記受光手段
の電極に取り付けた抵抗素子によることを特徴とする
[1]の測距装置を提案する。
【0008】さらに、[5] 被写体に対して測距用光
を投射する投光手段と、この被写体からの反射信号光を
受光して、この反射信号光の位置を電気信号に変換して
検出する受光手段とを有する測距装置において、上記受
光手段の受光面に入射した上記反射信号光と、上記電気
信号の関係が、検出方向に対して非対称な特性を有する
と共に、上記受光面に対して均一に入射した光に対して
は上記非対称な特性を打ち消すような形状の遮光部を設
けていることを特徴とする測距装置を提案する。また、
上記遮光部は、上記測距装置を製造する製造工程におい
て、上記受光面を有する受光素子を調整装置によって位
置調整する際に、この調整装置が保持する部材に設けら
れているものであることを特徴とする[5]の測距装置
を提案する。
を投射する投光手段と、この被写体からの反射信号光を
受光して、この反射信号光の位置を電気信号に変換して
検出する受光手段とを有する測距装置において、上記受
光手段の受光面に入射した上記反射信号光と、上記電気
信号の関係が、検出方向に対して非対称な特性を有する
と共に、上記受光面に対して均一に入射した光に対して
は上記非対称な特性を打ち消すような形状の遮光部を設
けていることを特徴とする測距装置を提案する。また、
上記遮光部は、上記測距装置を製造する製造工程におい
て、上記受光面を有する受光素子を調整装置によって位
置調整する際に、この調整装置が保持する部材に設けら
れているものであることを特徴とする[5]の測距装置
を提案する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、複数の実施形態例を挙げ
て本発明の要旨を詳説する。 (第1実施形態例)図1には、本発明の測距装置に係わ
る構成として、被写体に投光し測距する方式を採用した
アクティブAF装置(測距装置)の基本構成を例示す
る。
て本発明の要旨を詳説する。 (第1実施形態例)図1には、本発明の測距装置に係わ
る構成として、被写体に投光し測距する方式を採用した
アクティブAF装置(測距装置)の基本構成を例示す
る。
【0010】この装置には、投光するための発光素子と
その反射光を受ける受光素子が設けられている。すなわ
ち、この発光素子としては、被写体4に対し投光レンズ
2を介しパルス状の測距用スポット光3を投射するため
赤外発光ダイオード(IRED)1が採用され、受光素
子としては、受光レンズ5を介して測距用スポット光3
の反射信号光を受光するためPSD6が採用されてい
る。ここで投光レンズ2と受光レンズ5との間の距離を
基線長Sとし、受光レンズ5の焦点距離を図示の如くf
とすると、投光レンズ2からの距離Lに在る被写体4か
らは、「三角測距の原理」によって、PSDの幅(有効
域)xの位置に信号光が入射する。このとき、x=S・
f/L という関係式が成立する。
その反射光を受ける受光素子が設けられている。すなわ
ち、この発光素子としては、被写体4に対し投光レンズ
2を介しパルス状の測距用スポット光3を投射するため
赤外発光ダイオード(IRED)1が採用され、受光素
子としては、受光レンズ5を介して測距用スポット光3
の反射信号光を受光するためPSD6が採用されてい
る。ここで投光レンズ2と受光レンズ5との間の距離を
基線長Sとし、受光レンズ5の焦点距離を図示の如くf
とすると、投光レンズ2からの距離Lに在る被写体4か
らは、「三角測距の原理」によって、PSDの幅(有効
域)xの位置に信号光が入射する。このとき、x=S・
f/L という関係式が成立する。
【0011】PSD6には長手方向に沿った一次元の検
出有効域があり、被写体4が図示のような近距離側から
遠距離側に移動するに従って、反射されたスポット光は
その有効域の右端から左端に連続的に移動することにな
る。
出有効域があり、被写体4が図示のような近距離側から
遠距離側に移動するに従って、反射されたスポット光は
その有効域の右端から左端に連続的に移動することにな
る。
【0012】またPSD6には、このスポット光である
信号光以外の周辺からの光(定常光)も入射しているの
で、PSD6の2つの出力電流は、定常光除去回路を有
する定常光除去部8によって、定常光成分を除去され、
それ以外のスポット光のパルス成分が測距に利用できる
信号光であるとして、両極からの出力信号がアンプ7
a,7bにて増幅され、比演算回路を有する比演算部9
に入力される。増幅された信号光電流I1 とI2 の比
は、上記PSD6の幅xによって変化するので、比演算
部9において、I1 /(I1 +I2 )という式に基づく
比演算処理を行うと、図3のグラフに示されたように、
距離Lに応じた信号が得られる。
信号光以外の周辺からの光(定常光)も入射しているの
で、PSD6の2つの出力電流は、定常光除去回路を有
する定常光除去部8によって、定常光成分を除去され、
それ以外のスポット光のパルス成分が測距に利用できる
信号光であるとして、両極からの出力信号がアンプ7
a,7bにて増幅され、比演算回路を有する比演算部9
に入力される。増幅された信号光電流I1 とI2 の比
は、上記PSD6の幅xによって変化するので、比演算
部9において、I1 /(I1 +I2 )という式に基づく
比演算処理を行うと、図3のグラフに示されたように、
距離Lに応じた信号が得られる。
【0013】このように、CPU10の指令により、投
光回路を有する投光器11を介してIRED1を駆動
し、比演算部9の出力に応じてピント合せ部12を適宜
制御するようにこのAFシステムを構成する。
光回路を有する投光器11を介してIRED1を駆動
し、比演算部9の出力に応じてピント合せ部12を適宜
制御するようにこのAFシステムを構成する。
【0014】ここで、本発明の特徴であるPSDの動作
について図2(a),(b)に示したPSDの模式図で
説明する。なお、部位によるPSDの抵抗率の違いを模
式的に表わすため、図示の如くPSDの中央には抵抗線
のようなピッチの異なる波線が描かれており、そのピッ
チが密なほど高い抵抗率であることを示している。
について図2(a),(b)に示したPSDの模式図で
説明する。なお、部位によるPSDの抵抗率の違いを模
式的に表わすため、図示の如くPSDの中央には抵抗線
のようなピッチの異なる波線が描かれており、そのピッ
チが密なほど高い抵抗率であることを示している。
【0015】PSD6は光を電流に変換し、かつその抵
抗層によって発生した光電流を分流する効果をもつので
あるが、図2(a)のように抵抗方向のまん中に信号光
スポット3aが入射すると、光電流は電極までの抵抗比
に応じて、I1 =I2 という関係を満たして矢印が示す
両方向に分流する。
抗層によって発生した光電流を分流する効果をもつので
あるが、図2(a)のように抵抗方向のまん中に信号光
スポット3aが入射すると、光電流は電極までの抵抗比
に応じて、I1 =I2 という関係を満たして矢印が示す
両方向に分流する。
【0016】しかし、前述したようにこのPSD6には
周囲からの定常光も入射するので、明るい屋外などで
は、各電極から10μAもの大きな定常光電流が出力さ
れる。それに反し、信号光電流はnA(ナノ・アンペ
ア)オーダーなので、明るいシーンでは10000倍も
の定常光の中からパルス状の信号を抽出するといった作
用が要求される。これが、アクティブAFで技術的に最
も困難な「定常光除去の技術」であると言える。
周囲からの定常光も入射するので、明るい屋外などで
は、各電極から10μAもの大きな定常光電流が出力さ
れる。それに反し、信号光電流はnA(ナノ・アンペ
ア)オーダーなので、明るいシーンでは10000倍も
の定常光の中からパルス状の信号を抽出するといった作
用が要求される。これが、アクティブAFで技術的に最
も困難な「定常光除去の技術」であると言える。
【0017】上述した抵抗の効果によって、被写体距離
Lの逆数(1/L)と、光信号電流の比I1 /(I1 +
I2 )の関係は、一般のPSDでは、図3中の実線のよ
うな関係となるが、抵抗値の均一性を乱せば、入射光3
aの位置が遠距離側にずれたときに、I1 /(I1 +I
2 )が急激な変化をするような構成とすることができ
る。例えばこれは、図3中の変位30aと変位30bの
比較からもわかる。
Lの逆数(1/L)と、光信号電流の比I1 /(I1 +
I2 )の関係は、一般のPSDでは、図3中の実線のよ
うな関係となるが、抵抗値の均一性を乱せば、入射光3
aの位置が遠距離側にずれたときに、I1 /(I1 +I
2 )が急激な変化をするような構成とすることができ
る。例えばこれは、図3中の変位30aと変位30bの
比較からもわかる。
【0018】このときの状態におけるPSD6の各部位
の抵抗率は図2(b)に示した如く、図3のグラフでは
点線でその特性を示す。PSD6の遠距離側(左端)で
の抵抗値変化を近距離側(右端)より大きくすることに
より、こうした効果が得られる。
の抵抗率は図2(b)に示した如く、図3のグラフでは
点線でその特性を示す。PSD6の遠距離側(左端)で
の抵抗値変化を近距離側(右端)より大きくすることに
より、こうした効果が得られる。
【0019】このような構成にすれば、信号光が減少し
て精度の劣化した遠距離側で、距離変化に敏感なAF装
置を設計できる。つまり、信号光の強い近距離はもちろ
ん、遠距離でも高精度の測距特性が得られ、近い所はい
わゆる「マクロ域」から、遠い所の風景のようなシーン
まで、ワイドレンジでカバーできる測距装置となる。
て精度の劣化した遠距離側で、距離変化に敏感なAF装
置を設計できる。つまり、信号光の強い近距離はもちろ
ん、遠距離でも高精度の測距特性が得られ、近い所はい
わゆる「マクロ域」から、遠い所の風景のようなシーン
まで、ワイドレンジでカバーできる測距装置となる。
【0020】このように、単なる一次関数に基づく方式
の従来技術と比べて、本発明の測距装置が採用する技術
は複雑な関数に基づくものとなる。そこで、このような
測距装置では、電気的に書込み可能なメモリとして例え
ばEEPROM13(図1参照)を備えている。そし
て、生産上の製品毎のバラつき情報をこのメモリ内に記
憶しておくことで、どのような測定データが得られた場
合にどの距離にピント合せを行えばよいかが、その記憶
された情報に基づいて簡単に求めることができる。
の従来技術と比べて、本発明の測距装置が採用する技術
は複雑な関数に基づくものとなる。そこで、このような
測距装置では、電気的に書込み可能なメモリとして例え
ばEEPROM13(図1参照)を備えている。そし
て、生産上の製品毎のバラつき情報をこのメモリ内に記
憶しておくことで、どのような測定データが得られた場
合にどの距離にピント合せを行えばよいかが、その記憶
された情報に基づいて簡単に求めることができる。
【0021】このような特徴的な不均一な特性のPSD
の場合、例えば図2(b)のPSD6の例でいえば、I
1 =I2 の信号電流を得ようとすれば、抵抗値が近距離
側で少ないので、図2(a)に示したPSD6よりも遠
距離側に信号光スポット3aが入射しなければならな
い。この時、I1 /(I1 +I2 )=0.5となるの
で、測距結果としては図3に示したグラフのようにな
る。
の場合、例えば図2(b)のPSD6の例でいえば、I
1 =I2 の信号電流を得ようとすれば、抵抗値が近距離
側で少ないので、図2(a)に示したPSD6よりも遠
距離側に信号光スポット3aが入射しなければならな
い。この時、I1 /(I1 +I2 )=0.5となるの
で、測距結果としては図3に示したグラフのようにな
る。
【0022】このようなPSD6を用いる時に特に注意
するべき事項は、信号光だけでなく、上述した定常光に
基づく光電流も「アンバランス」(但し英語ではimbala
nce)に出力されることである。均一な定常光が入射し
ても、この抵抗値の変化ゆえに、近距離側には多くの光
電流が出力される。定常光成分の除去の困難さについて
は、10000倍という数字で前述したが、この「アン
バランス」ゆえに、例えば、一方の電極からもう一方の
3倍もの定常光成分が出力されると、一方の定常光除去
回路のダイナミックレンジを越えてしまったり、回路の
オフセットやリークの影響で除去性能が劣化してしまっ
たりして精度劣化をきたすことがある。
するべき事項は、信号光だけでなく、上述した定常光に
基づく光電流も「アンバランス」(但し英語ではimbala
nce)に出力されることである。均一な定常光が入射し
ても、この抵抗値の変化ゆえに、近距離側には多くの光
電流が出力される。定常光成分の除去の困難さについて
は、10000倍という数字で前述したが、この「アン
バランス」ゆえに、例えば、一方の電極からもう一方の
3倍もの定常光成分が出力されると、一方の定常光除去
回路のダイナミックレンジを越えてしまったり、回路の
オフセットやリークの影響で除去性能が劣化してしまっ
たりして精度劣化をきたすことがある。
【0023】例えば、タンタルコンデンサに定常光成分
を記憶させる場合などは、誘電体吸収等の影響がアンバ
ランスとなって一方の電極からの信号光電流のみが減少
してしまい、測距結果が大きな誤差となる。
を記憶させる場合などは、誘電体吸収等の影響がアンバ
ランスとなって一方の電極からの信号光電流のみが減少
してしまい、測距結果が大きな誤差となる。
【0024】本発明の第1実施形態例では、このような
問題に対処するために、図4(a)の斜視図に示すよう
に、PSDチップ6aのPSDパッケージ6上に、その
PSDチップ6aの長手方向に幅が徐々に広がる如き形
状を成す開口を有した遮光部材20を設けて遮光してい
る。これは、定常光の入射を規制する非透過性部材であ
り、この開口形状は受光量を漸進的または幾何級数的に
変化させられるものである。このような遮光部材20お
よびPSDパッケージ6が光学レンズ5と組み合わされ
接着されて図4(b)に示すような1つのユニットで提
供される。
問題に対処するために、図4(a)の斜視図に示すよう
に、PSDチップ6aのPSDパッケージ6上に、その
PSDチップ6aの長手方向に幅が徐々に広がる如き形
状を成す開口を有した遮光部材20を設けて遮光してい
る。これは、定常光の入射を規制する非透過性部材であ
り、この開口形状は受光量を漸進的または幾何級数的に
変化させられるものである。このような遮光部材20お
よびPSDパッケージ6が光学レンズ5と組み合わされ
接着されて図4(b)に示すような1つのユニットで提
供される。
【0025】また図4(c)の断面図に示すようにPS
Dパッケージ6は、透明部材の中に固定された端子15
と、端子15’が設けられ、端子15上にはPSDチッ
プ6aが載置され、リード線6cでPSDチップ6aと
端子15’が接続されていることがわかる。
Dパッケージ6は、透明部材の中に固定された端子15
と、端子15’が設けられ、端子15上にはPSDチッ
プ6aが載置され、リード線6cでPSDチップ6aと
端子15’が接続されていることがわかる。
【0026】この遮光手段(マスク)を設けた構成によ
り、図2(b)で説明したPSD6では例えば合計20
μAの電流が二方向に分流して近距離側で15μAもの
光電流がアンバランスに出力していたものを、図4
(d)に示すようにPSD受光面6aに対して、近距離
側の開口の幅を相対的に狭くして遮光することによって
両電極からの出力光電流を例えば5μAというバランス
がとれた出力にしているものである。
り、図2(b)で説明したPSD6では例えば合計20
μAの電流が二方向に分流して近距離側で15μAもの
光電流がアンバランスに出力していたものを、図4
(d)に示すようにPSD受光面6aに対して、近距離
側の開口の幅を相対的に狭くして遮光することによって
両電極からの出力光電流を例えば5μAというバランス
がとれた出力にしているものである。
【0027】近距離側では、図4(e)に示す入射スポ
ットと受光面との関係を示す図のように、位置によって
信号光スポット3aも規制を受けるが、近距離の被写体
からは遠距離に比べ相対的に多量の光が反射してくるの
で、受光量は充分でありS/N的な問題はないと言え
る。開口の形状において、遠距離側からの光が通る開口
は幅を広くして、すべての信号光スポットが入射できる
ようにしたので、これまたS/N的な問題はない。
ットと受光面との関係を示す図のように、位置によって
信号光スポット3aも規制を受けるが、近距離の被写体
からは遠距離に比べ相対的に多量の光が反射してくるの
で、受光量は充分でありS/N的な問題はないと言え
る。開口の形状において、遠距離側からの光が通る開口
は幅を広くして、すべての信号光スポットが入射できる
ようにしたので、これまたS/N的な問題はない。
【0028】上記遮光部材は、図4(b)に示すように
受光レンズ5の枠21に対しPSD6を調整して接着さ
せる遮光部材20と一体成形すれば部材費のアップはな
い。この遮光部材20はあらかじめPSDパッケージ6
と所定の接着剤で接着しておき、図5に示すようなPS
D6の製造工程中において、枠21と接着剤で接着する
ものである。工場内の作業者37によるパソコン40の
操作に従って、PSDのための調整機に設けられたリニ
アステージ36を矢印方向に移動可能なアーム35が遮
光部材20の突起部20aをつかむみ、IRED1の光
3が投光レンズ2を介して正しくチャート30に投射さ
れるように調整する。また、PSD6の枠21の突起部
20aをアーム35でつかみ、受光レンズ5を介して反
射信号光が正しい位置に入射するようにリニアステージ
36を制御し、接着剤容器31から接着剤を塗布して、
本発明の測距装置を組み立てる。ただし、レンズと各素
子の間の枠については、図面を簡単にするためにここで
は省略している。
受光レンズ5の枠21に対しPSD6を調整して接着さ
せる遮光部材20と一体成形すれば部材費のアップはな
い。この遮光部材20はあらかじめPSDパッケージ6
と所定の接着剤で接着しておき、図5に示すようなPS
D6の製造工程中において、枠21と接着剤で接着する
ものである。工場内の作業者37によるパソコン40の
操作に従って、PSDのための調整機に設けられたリニ
アステージ36を矢印方向に移動可能なアーム35が遮
光部材20の突起部20aをつかむみ、IRED1の光
3が投光レンズ2を介して正しくチャート30に投射さ
れるように調整する。また、PSD6の枠21の突起部
20aをアーム35でつかみ、受光レンズ5を介して反
射信号光が正しい位置に入射するようにリニアステージ
36を制御し、接着剤容器31から接着剤を塗布して、
本発明の測距装置を組み立てる。ただし、レンズと各素
子の間の枠については、図面を簡単にするためにここで
は省略している。
【0029】なお、前述した遮光部材20に付属する突
起部20aは、測距装置を製造する製造工程において調
整機によって受光素子を位置調整する際に、この調整機
が保持する部材として既に設けられたものを兼用しても
よい。
起部20aは、測距装置を製造する製造工程において調
整機によって受光素子を位置調整する際に、この調整機
が保持する部材として既に設けられたものを兼用しても
よい。
【0030】(作用効果1)本第1実施形態例によれ
ば、ワイドレンジでかつ遠距離でも良好な測距特性をも
つような抵抗層の抵抗成分の不均一な分布の設計のPS
Dを受光素子として採用し、その欠点であった定常光に
伴なうこの2つの電極から出力される定常光電流がアン
バランスになるという問題を、PSDへの入射光を所定
の開口形状を有する遮光手段によって距離に基づく光量
の調整を行うことで解決している。ただし、この方式で
は、遮光部開口と受光面の細かい合わせ(調整)は必要
である。
ば、ワイドレンジでかつ遠距離でも良好な測距特性をも
つような抵抗層の抵抗成分の不均一な分布の設計のPS
Dを受光素子として採用し、その欠点であった定常光に
伴なうこの2つの電極から出力される定常光電流がアン
バランスになるという問題を、PSDへの入射光を所定
の開口形状を有する遮光手段によって距離に基づく光量
の調整を行うことで解決している。ただし、この方式で
は、遮光部開口と受光面の細かい合わせ(調整)は必要
である。
【0031】このようにして、既存のPSDという受光
素子を採用した場合でも定常光に起因する問題は解消さ
れ、スポット光だけに基づく信号光によって測距できる
ので精度の高い測距装置が実現する。
素子を採用した場合でも定常光に起因する問題は解消さ
れ、スポット光だけに基づく信号光によって測距できる
ので精度の高い測距装置が実現する。
【0032】上述した第1実施形態例の他にも、次のよ
うな幾つかの変形例が考えられる。 (変形例1−1)図6(a)に示すように、PSDチッ
プ6a上に電極と同じ層の所定のアルミパターンのチッ
プ領域6bによって遮光することによって、前述の第1
実施形態例と同様な作用効果を得ることができる。
うな幾つかの変形例が考えられる。 (変形例1−1)図6(a)に示すように、PSDチッ
プ6a上に電極と同じ層の所定のアルミパターンのチッ
プ領域6bによって遮光することによって、前述の第1
実施形態例と同様な作用効果を得ることができる。
【0033】(変形例1−2)また、受光面を所定の間
隔にアイソレーション部7で隔離して分割し、2つの領
域6bに入射した光による電流は、図示する別の電極に
それぞれ捨てるように構成してもよく、この構成でも同
様な作用効果を得ることができる。 (変形例1−3)また、図7(a)に示すように,受光
素子6の形状そのものを工夫して、均一な定常光に対し
ては、同一の光電流が2つの電極から出力されるように
してもよい。図7(b)中の入射スポットと受光面との
関係を示す3aが示す如く、近距離時では強い光量の一
部のみを得るようになり、距離により適切な出力が得ら
れることがわかる。また、このような方式では、別部材
としての遮光部材は不要となり、それらの位置決めに伴
なう製造上の問題も解消される。
隔にアイソレーション部7で隔離して分割し、2つの領
域6bに入射した光による電流は、図示する別の電極に
それぞれ捨てるように構成してもよく、この構成でも同
様な作用効果を得ることができる。 (変形例1−3)また、図7(a)に示すように,受光
素子6の形状そのものを工夫して、均一な定常光に対し
ては、同一の光電流が2つの電極から出力されるように
してもよい。図7(b)中の入射スポットと受光面との
関係を示す3aが示す如く、近距離時では強い光量の一
部のみを得るようになり、距離により適切な出力が得ら
れることがわかる。また、このような方式では、別部材
としての遮光部材は不要となり、それらの位置決めに伴
なう製造上の問題も解消される。
【0034】(第2実施形態例)以上のような例の他に
も、定常光のアンバランス問題は次のような第2実施形
態例として教示する手法でも解決される。例えば図8
(a)に摸式的に示すようなPSDの構成にしてもよ
い。すなわち、例示したPSD6のように、抵抗比の不
連続性を両端の2つの電極に対して左右対称となるよう
に設計し、一方の変化域のみを測距のための出力信号と
して用いるものである。
も、定常光のアンバランス問題は次のような第2実施形
態例として教示する手法でも解決される。例えば図8
(a)に摸式的に示すようなPSDの構成にしてもよ
い。すなわち、例示したPSD6のように、抵抗比の不
連続性を両端の2つの電極に対して左右対称となるよう
に設計し、一方の変化域のみを測距のための出力信号と
して用いるものである。
【0035】このような設計に基づくPSD6では、図
8(c)に示すように照射された均一の定常光に対して
は、その照射される対称性ゆえに、両端の電極からは同
一な定常光電流値が得られる。ただしこの例では、図8
(b)のグラフ曲線が示す如く、信号光位置とその信号
光電流I1 とI2 の関係は、従来のPSDの直線的特性
を示す「リニア」ではなく、図示のような屈曲した「ノ
ンリニア」となるが、このノンリニアを示す領域の一方
のみを測距のための出力信号として用いるようにすれば
よい。
8(c)に示すように照射された均一の定常光に対して
は、その照射される対称性ゆえに、両端の電極からは同
一な定常光電流値が得られる。ただしこの例では、図8
(b)のグラフ曲線が示す如く、信号光位置とその信号
光電流I1 とI2 の関係は、従来のPSDの直線的特性
を示す「リニア」ではなく、図示のような屈曲した「ノ
ンリニア」となるが、このノンリニアを示す領域の一方
のみを測距のための出力信号として用いるようにすれば
よい。
【0036】つまり、図9に示した一般のPSDと本発
明のような不均一性をもつPSDの特性を表わすグラフ
でもわかるように、従来PSDの直線状のグラフに比べ
てノンリニアであると言える。そこで、例えばPSDの
一端から出力される信号光電流に基づく比演算処理によ
り規定されるこの特性曲線の最至近距離を超過した警告
域以外を用いて近距離から遠距離の値をみつけることが
できる。
明のような不均一性をもつPSDの特性を表わすグラフ
でもわかるように、従来PSDの直線状のグラフに比べ
てノンリニアであると言える。そこで、例えばPSDの
一端から出力される信号光電流に基づく比演算処理によ
り規定されるこの特性曲線の最至近距離を超過した警告
域以外を用いて近距離から遠距離の値をみつけることが
できる。
【0037】このような設計では、S/N的にバラつき
の大きい遠距離では従来より敏感な変化を示し、一方、
近距離域では変化率は小さいが、S/Nが良好で、しか
もバラつきが少なくできるので、不均一抵抗のPSD利
用のAFの特徴である処の「ワイドレンジでかつ高精
度」という点は満足させながら、測距可能域以近では、
遠距離側と同様の変化をさせ、定常光電流は2つの電極
で等しくとったことにより、定常光電流のアンバランス
による精度劣化をひき起こすことはなくなる。
の大きい遠距離では従来より敏感な変化を示し、一方、
近距離域では変化率は小さいが、S/Nが良好で、しか
もバラつきが少なくできるので、不均一抵抗のPSD利
用のAFの特徴である処の「ワイドレンジでかつ高精
度」という点は満足させながら、測距可能域以近では、
遠距離側と同様の変化をさせ、定常光電流は2つの電極
で等しくとったことにより、定常光電流のアンバランス
による精度劣化をひき起こすことはなくなる。
【0038】(作用効果2)本第2実施形態例によれ
ば、PSDが左右対称なので組立等のまちがいを少なく
することができ、歩留まりを高める長所がある。また、
遮光部材も不要であるので製造工程と共にコストの削減
にも寄与する。
ば、PSDが左右対称なので組立等のまちがいを少なく
することができ、歩留まりを高める長所がある。また、
遮光部材も不要であるので製造工程と共にコストの削減
にも寄与する。
【0039】さらにこの第2実施形態例の変形例として
は、次のものが考えられる。 (変形例2−1)図10(a)のように両端電極近くの
抵抗層をアンバランスに設計し、PSD6のうち、受光
可能な領域のうち領域6Aと領域6Bの有効域部分を用
いて測距し、領域6Cのような高い抵抗の部分は単なる
電流規制用の抵抗部としている。このように設計された
PSD6の電流特性は、図10(b)のグラフが示すよ
うになり、領域6Cに対応する電流は急峻な変化となる
ことがわかる。このような方式のPSDでも、均一な定
常光に対しては、2つの電極から同一の定常光電流が出
力される。この変形例では、PSDは非対称ながら、領
域Aと領域Bの部分を大きくとれるので、より広い範囲
での測距ができる。
は、次のものが考えられる。 (変形例2−1)図10(a)のように両端電極近くの
抵抗層をアンバランスに設計し、PSD6のうち、受光
可能な領域のうち領域6Aと領域6Bの有効域部分を用
いて測距し、領域6Cのような高い抵抗の部分は単なる
電流規制用の抵抗部としている。このように設計された
PSD6の電流特性は、図10(b)のグラフが示すよ
うになり、領域6Cに対応する電流は急峻な変化となる
ことがわかる。このような方式のPSDでも、均一な定
常光に対しては、2つの電極から同一の定常光電流が出
力される。この変形例では、PSDは非対称ながら、領
域Aと領域Bの部分を大きくとれるので、より広い範囲
での測距ができる。
【0040】(第3実施形態例)さらに、前述した定常
光のアンバランス問題は、PSDに接続させ所定の調整
を行うための付属回路や電気要素を付加することで解決
する手法も考えられる。図11(a)に示す一例は、P
SD6の外に抵抗rをつけて、電流を規制するものであ
り、PSD6に均一な定常光が入射しても、この外付け
抵抗rによってこれがついた電極側には電流が流れ難く
なり、元々PSD6上の抵抗が不均一である検出素子で
も、均一な出力電流を得ることができる。ただし、抵抗
rの付加した方のPSD端部まで信号光3aが動いたと
しても、電流I2 が決して0(ゼロ)とはならないの
で、外付け抵抗r分だけ、図11(b)のグラフが示す
範囲だけは出力レンジが小さくなるという欠点はある。
光のアンバランス問題は、PSDに接続させ所定の調整
を行うための付属回路や電気要素を付加することで解決
する手法も考えられる。図11(a)に示す一例は、P
SD6の外に抵抗rをつけて、電流を規制するものであ
り、PSD6に均一な定常光が入射しても、この外付け
抵抗rによってこれがついた電極側には電流が流れ難く
なり、元々PSD6上の抵抗が不均一である検出素子で
も、均一な出力電流を得ることができる。ただし、抵抗
rの付加した方のPSD端部まで信号光3aが動いたと
しても、電流I2 が決して0(ゼロ)とはならないの
で、外付け抵抗r分だけ、図11(b)のグラフが示す
範囲だけは出力レンジが小さくなるという欠点はある。
【0041】(変形例3−1)そこで、図12に示す一
例では、外付け抵抗rの両端に更に図示のようなスイッ
チング素子25を付けた付属回路(スイッチング回路)
を更に設けている。つまり、カメラの露出を決める回路
を有する測光部14(図1参照)等で被写体の輝度が低
い傾向がある。つまり定常光電流が小さい(低輝度)と
判断された時には、これによる誤差は小さいとしてスイ
ッチON状態で外付け抵抗rを短絡するようにすれば、
低輝度でも出力レンジを多くとることができる。つまり
低定輝度の場合にはこのスイッチング素子25をONに
CPU10(図1参照)で制御する。このように、付属
回路におけるスイッチング素子25によってON/OF
F切替え制御を行うようにすれば、測距時の場合に応じ
て、図13のグラフが示すような低輝度時の特性と高輝
度時の特性を適宜に選択できるようになる。これは光電
変換素子としての位置検出素子の検出感度を選択的に切
り替えることに等しく、測距装置の測距特性を切り替え
ることができる。
例では、外付け抵抗rの両端に更に図示のようなスイッ
チング素子25を付けた付属回路(スイッチング回路)
を更に設けている。つまり、カメラの露出を決める回路
を有する測光部14(図1参照)等で被写体の輝度が低
い傾向がある。つまり定常光電流が小さい(低輝度)と
判断された時には、これによる誤差は小さいとしてスイ
ッチON状態で外付け抵抗rを短絡するようにすれば、
低輝度でも出力レンジを多くとることができる。つまり
低定輝度の場合にはこのスイッチング素子25をONに
CPU10(図1参照)で制御する。このように、付属
回路におけるスイッチング素子25によってON/OF
F切替え制御を行うようにすれば、測距時の場合に応じ
て、図13のグラフが示すような低輝度時の特性と高輝
度時の特性を適宜に選択できるようになる。これは光電
変換素子としての位置検出素子の検出感度を選択的に切
り替えることに等しく、測距装置の測距特性を切り替え
ることができる。
【0042】なお、このようにスイッチによるON/O
FF切替えでその測距特性が変化するが、製品ごとのこ
の変化の特性もEEPROM13(図1参照)にあらか
じめ記憶させておいて、CPU10が制御の際に選択的
に参照するように設定すればよい。
FF切替えでその測距特性が変化するが、製品ごとのこ
の変化の特性もEEPROM13(図1参照)にあらか
じめ記憶させておいて、CPU10が制御の際に選択的
に参照するように設定すればよい。
【0043】(作用効果3)本第3実施形態例によれ
ば、電気的な手法をとっていることで、遮光部材などは
不要であると共に、PSD自体には特別の工夫がいらな
いという長所があることがわかる。
ば、電気的な手法をとっていることで、遮光部材などは
不要であると共に、PSD自体には特別の工夫がいらな
いという長所があることがわかる。
【0044】(その他の変形例)本発明のような所謂
「ノンリニアPSD」とも呼べるPSDの構造およびこ
れを実現するための付属回路に関する技術は広く応用で
きるものであり、そのほかにも本発明の要旨を著しく逸
脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
「ノンリニアPSD」とも呼べるPSDの構造およびこ
れを実現するための付属回路に関する技術は広く応用で
きるものであり、そのほかにも本発明の要旨を著しく逸
脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0045】以上説明したように、複数実施形態例とそ
れらの変形例に基づいて説明したが、本明細書中には次
の発明が含まれる。 (1) 測距装置に適用可能な位置検出のための受光素
子ユニットであって、受光面の長手方向の光電変換特性
が所定の関数によって規定される一次元光電変換素子
と、所定の開口形状を有し、上記光電変換素子の受光面
を覆う光学マスク部材とを具備したことを特徴とする受
光素子ユニット。
れらの変形例に基づいて説明したが、本明細書中には次
の発明が含まれる。 (1) 測距装置に適用可能な位置検出のための受光素
子ユニットであって、受光面の長手方向の光電変換特性
が所定の関数によって規定される一次元光電変換素子
と、所定の開口形状を有し、上記光電変換素子の受光面
を覆う光学マスク部材とを具備したことを特徴とする受
光素子ユニット。
【0046】(2) 上記一次元光電変換素子を規定す
る上記関数は、光の位置に関して、被写体が遠距離にあ
るときの変化率が大きく、被写体が近距離にあるときの
変化率が小さいように規定されて成ることを特徴とする
(1)に記載の受光素子ユニット。
る上記関数は、光の位置に関して、被写体が遠距離にあ
るときの変化率が大きく、被写体が近距離にあるときの
変化率が小さいように規定されて成ることを特徴とする
(1)に記載の受光素子ユニット。
【0047】(3) 上記一次元光電変換素子は、電気
的に変化させ調整するための付属回路または電気要素を
更に具備することを特徴とする(1)に記載の受光素子
ユニットを有する測距装置。 (4) 上記付属回路は、被写体距離に基づいて上記光
電変換素子の端部に接続された外部抵抗を選択的に切り
替えるスイッチング回路であることを特徴とする(3)
に記載の受光素子ユニットを有する測距装置。 (5) 上記光学マスク部材の開口形状は、被写体から
の反射光の強さに反比例して漸進的または幾何級数的に
その開口の幅を狭く形成されて成ることを特徴とする
(1)に記載の受光素子ユニット。
的に変化させ調整するための付属回路または電気要素を
更に具備することを特徴とする(1)に記載の受光素子
ユニットを有する測距装置。 (4) 上記付属回路は、被写体距離に基づいて上記光
電変換素子の端部に接続された外部抵抗を選択的に切り
替えるスイッチング回路であることを特徴とする(3)
に記載の受光素子ユニットを有する測距装置。 (5) 上記光学マスク部材の開口形状は、被写体から
の反射光の強さに反比例して漸進的または幾何級数的に
その開口の幅を狭く形成されて成ることを特徴とする
(1)に記載の受光素子ユニット。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の測距装置
によれば、ワイドレンジでかつ遠距離でも良好な測距特
性をもつような抵抗層の抵抗成分の不均一な分布の設計
のPSDを採用した場合にも、その欠点であった定常光
に伴なうこのPSDの2つの電極から出力される定常光
電流がアンバランスになる問題を、PSDへの入射光を
制限する遮光手段の工夫や、PSD周辺における抵抗ま
たはスイッチ等の電気回路的な工夫によって防止して、
測距装置としての測距特性を改善している。その結果、
いかなるシーンであっても定常光に影響されずピントの
はずれのない高精度な例えばAFカメラに適用すること
ができる。
によれば、ワイドレンジでかつ遠距離でも良好な測距特
性をもつような抵抗層の抵抗成分の不均一な分布の設計
のPSDを採用した場合にも、その欠点であった定常光
に伴なうこのPSDの2つの電極から出力される定常光
電流がアンバランスになる問題を、PSDへの入射光を
制限する遮光手段の工夫や、PSD周辺における抵抗ま
たはスイッチ等の電気回路的な工夫によって防止して、
測距装置としての測距特性を改善している。その結果、
いかなるシーンであっても定常光に影響されずピントの
はずれのない高精度な例えばAFカメラに適用すること
ができる。
【図1】図1は、本発明の測距装置に係わるアクティブ
方式の測距装置の基本構成を示す構成図。
方式の測距装置の基本構成を示す構成図。
【図2】 図2(a),(b)は、PSDの動作につい
てその受光部位によるPSDの抵抗率の違いを模式的に
示す模式図。
てその受光部位によるPSDの抵抗率の違いを模式的に
示す模式図。
【図3】図3は、一般のPSDと第1実施形態例に採用
する不均一性をもつPSDの特性を表わすグラフ。
する不均一性をもつPSDの特性を表わすグラフ。
【図4】 図4(a)〜(e)は本発明の第1実施形態
例のPSDパッケージを示し、(a)は、PSDチップ
を含むPSDパッケージとこの上に装着される遮光部材
を示す斜視図、(b)は、光学レンズと組み合わされた
PSDおよび遮光部材の組立図、(c)は、PSDパッ
ケージの内部構造を示す断面図、(d)は、PSD受光
面に対する開口の位置を示す説明図、(e)は、入射ス
ポットとこのPSD受光面との関係を示す説明図。
例のPSDパッケージを示し、(a)は、PSDチップ
を含むPSDパッケージとこの上に装着される遮光部材
を示す斜視図、(b)は、光学レンズと組み合わされた
PSDおよび遮光部材の組立図、(c)は、PSDパッ
ケージの内部構造を示す断面図、(d)は、PSD受光
面に対する開口の位置を示す説明図、(e)は、入射ス
ポットとこのPSD受光面との関係を示す説明図。
【図5】 図5は工場におけるPSDパッケージの製造
工程を示す説明図。
工程を示す説明図。
【図6】 図6(a),(b)は第1実施形態例のPS
Dの変形例を示し、(a)は、電極と同層のアルミパタ
ーンで遮光する例の概略図、(b)は、アイソレーショ
ン部を設けた例の概略図。
Dの変形例を示し、(a)は、電極と同層のアルミパタ
ーンで遮光する例の概略図、(b)は、アイソレーショ
ン部を設けた例の概略図。
【図7】 図7(a),(b)は第1実施形態例のPS
Dのもう1つの変形例を示し、(a)は、PSDの形状
を変形した例の摸式図、(b)は、入射スポットとこの
PSDの受光面との関係を示す説明図。
Dのもう1つの変形例を示し、(a)は、PSDの形状
を変形した例の摸式図、(b)は、入射スポットとこの
PSDの受光面との関係を示す説明図。
【図8】 図8(a)〜(c)は本発明の第2実施形態
例のPSDを示し、(a)は、この例のPSDの摸式
図、(b)は、このPSDから得られる信号光電流と受
光位置との関係を示すグラフ、(c)は、PSDに照射
される定常光と両端電極からの定常光電流を示す説明
図。
例のPSDを示し、(a)は、この例のPSDの摸式
図、(b)は、このPSDから得られる信号光電流と受
光位置との関係を示すグラフ、(c)は、PSDに照射
される定常光と両端電極からの定常光電流を示す説明
図。
【図9】図9は、一般のPSDと第2実施形態例に採用
する不均一性をもつPSDの特性を表わすグラフ。
する不均一性をもつPSDの特性を表わすグラフ。
【図10】 図10(a),(b)は第2実施形態例の
変形例を示し、(a)は、このPSDの摸式図、(b)
は、このPSDの出力特性を示すグラフ。
変形例を示し、(a)は、このPSDの摸式図、(b)
は、このPSDの出力特性を示すグラフ。
【図11】図11(a),(b)は本発明の第3実施形
態例のPSDユニットを示し、(a)は、このPSDユ
ニットの摸式図、(b)は、このPSDユニットの特性
を示すグラフ。
態例のPSDユニットを示し、(a)は、このPSDユ
ニットの摸式図、(b)は、このPSDユニットの特性
を示すグラフ。
【図12】図12は、第3実施形態例の変形例としての
PSDユニットを示す回路図。
PSDユニットを示す回路図。
【図13】図13は、この変形例における被写体輝度に
対応する検出感度特性をグラフ。
対応する検出感度特性をグラフ。
1…赤外発光ダイオード、 2…投光レンズ、 3…測距用光スポット、 5…受光レンズ、 6…位置検出素子(PSD)、 6a…PSDチップ、 6b…チップ領域、 6c…リード線、 7a,7b…アンプ、 8…定常光除去部、 9…比演算部、 10…制御部(CPU)、 11…投光部、 12…ピント合せ部、 13…メモリ(EEPROM)、 15,15’…チップ端子、 20…遮光部材(マスク)、 20a…突起部、 21…枠、 25…スイッチング素子、 30…チャート、 31…接着剤容器、 32…接着器、 33…位置検出器、 34…投光器、 35…アーム、 36…リニアステージ、 40…パソコン(制御卓)。
フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA02 AA06 DD12 FF09 HH04 JJ16 LL04 LL30 2F112 AA06 BA07 BA20 CA02 DA13 2H011 AA01 BA14 BB02 BB04 2H051 AA01 BB20 BB24 CA16 CA18 CB05 CB24 CB27 CC03 CD01 CD28 CD30 CE08
Claims (6)
- 【請求項1】 被写体に対してスポット状の測距用光を
投射する投光手段と、上記被写体からの反射信号光を受
光して、この反射信号光の位置を2つの電気信号に変換
して検出する受光手段とを有する測距装置において、 上記受光手段を構成する半導体素子が、上記信号光の位
置変化に対しての変化量に応じて2つの電気信号の関係
が位置によって異なる所定関数で変化し、信号光以外の
均一な照明に対しては、上記2つの電気信号量が同じ割
合で変化するように構成したことを特徴とする測距装
置。 - 【請求項2】 上記半導体素子の信号出力の変化量は、
上記半導体素子の有効受光部の形状によることを特徴と
する、請求項1に記載の測距装置。 - 【請求項3】 上記半導体素子の信号出力の変化量は、
上記半導体素子の抵抗層の配分によることを特徴とす
る、請求項1に記載の測距装置。 - 【請求項4】 上記半導体素子の信号出力の変化量は、
上記受光手段の電極に取り付けた抵抗素子によることを
特徴とする、請求項1に記載の測距装置。 - 【請求項5】 被写体に対して測距用光を投射する投光
手段と、この被写体からの反射信号光を受光して、この
反射信号光の位置を電気信号に変換して検出する受光手
段とを有する測距装置において、 上記受光手段の受光面に入射した上記反射信号光と、上
記電気信号の関係が、検出方向に対して非対称な特性を
有すると共に、上記受光面に対して均一に入射した光に
対しては上記非対称な特性を打ち消すような形状の遮光
部を設けていることを特徴とする測距装置。 - 【請求項6】 上記遮光部は、上記測距装置を製造する
製造工程において、上記受光面を有する受光素子を調整
装置によって位置調整する際に、この調整装置が保持す
る部材に設けられているものであることを特徴とする、
請求項5に記載の測距装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25140498A JP2000081563A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 測距装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP25140498A JP2000081563A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 測距装置 |
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WO2013136825A1 (ja) * | 2012-03-15 | 2013-09-19 | オムロン株式会社 | 反射型光センサ |
JP2016048223A (ja) * | 2014-08-28 | 2016-04-07 | シャープ株式会社 | 表面プラズモン検出装置および表面プラズモン検出方法 |
-
1998
- 1998-09-04 JP JP25140498A patent/JP2000081563A/ja not_active Withdrawn
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