JP2000080522A - 親水性ポリオレフィン系繊維およびこれを用いた不織布 - Google Patents
親水性ポリオレフィン系繊維およびこれを用いた不織布Info
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Abstract
1000の親水化剤(A):0.2-10wt%と重量平均分子量1000-10
0000の親水化剤(B):0.2-10wt% を混合することにより、
初期親水性に優れ、かつ耐久親水性にも優れ長期にわた
り安定し、かつ高度な親水性が持続できるポリオレフィ
ン系繊維および不織布を提供する。 【解決手段】親水化剤(A)として例えば下記式(化1)か
らなるアルカンスルホン酸金属塩(ただし、R1,R2は両者
の炭素数の合計が7-29のアルキル基で、かつR1,R2の炭
素数は両者とも1以上の整数、Mは金属)を用い、親水
化剤(B)として例えば炭素数2-4のアルキレン基を有する
アルキレンオキシド付加物を用いる。初期親水性には、
主として早期にブリードする親水化剤(A)が有効に寄与
し、耐久親水性には、主として親水化剤(B)が寄与する
ので、長期にわたり安定し、かつ高度な親水性を持続す
ることができる。 【化1】
Description
耐久親水性に優れた親水性ポリオレフィン系繊維に関す
るものであり、さらに詳しくは、セメント補強に好適な
繊維、あるいは吸収性物品の表面シートなどの衛生材
料、ウェットティッシュ、ワイパー、フィルター、ティ
ーパックなどに有用な不織布に関するものである。
性であるため、親水性を付与する方法が開示されてお
り、繊維処理剤として親水性の油剤を繊維表面に付着さ
せる方法と親水化剤を繊維に混合する方法に大別され
る。後者としては、例えば、特開平5−272006号
公報には、炭素数10〜20個のアルキルスルホン酸N
a塩を0.5〜5重量%を混合した親水性ポリオレフィ
ン系繊維が開示されている。また、複数の親水化剤を含
有するポリオレフィン系繊維として、特開平10−83
67号公報には、アルキル、アリール、またはアルキル
アリールスルホン酸アルカリ金属塩および脂肪酸モノエ
タノールアミド、アルキルジエタノールアミン、または
脂肪族高級アルコールのいずれかからなる親水化助剤を
繊維表面の40%以上を占めるポリオレフィン系長繊維
不織布が提案されており、特開平8−157650号公
報には、熱可塑性ポリエチレンオキサイドおよびアルキ
ルスルホン酸アルカリ金属塩および/またはアリールス
ルホン酸アルカリ金属塩を混合したポリオレフィン系不
織布が開示されている。
水性繊維および不織布には以下の問題点がある。前者の
親水性の油剤を繊維表面に付着させる方法は、初期親水
性に優れているが、すぐに油剤が洗い流されてしまい、
耐久性に劣る。
6号公報および特開平10−8367号公報の親水性ポ
リオレフィン系繊維は、アルキルスルホン酸金属塩や前
記親水化剤が比較的早期に繊維表面へブリード(しみ出
す)し易く、親水性が長期に持続せず、耐久性は十分と
はいえない。
フィン系不織布は、熱可塑性ポリエチレンオキサイドの
重量平均分子量が200000以上と大きいため、繊維
表面へ極端にブリードし難く、長期にわたり安定し、か
つ高度な親水性が持続できないという問題がある。
め、初期親水性に優れ、かつ耐久親水性にも優れた長期
にわたり安定し、かつ高度な親水性が持続できるポリオ
レフィン系繊維および不織布を提供することを目的とす
る。
本発明のポリオレフィン系繊維は、ポリオレフィン系樹
脂の少なくとも一部に、下記の親水化剤が混合されてい
ることを特徴とする。 (1)重量平均分子量200〜1000の親水化剤
(A):0.2〜10重量% (2)重量平均分子量1000〜100000の親水化
剤(B):0.2〜10重量%
り安定し、かつ高度な親水性能を持続することのできる
ポリオレフィン系繊維が得られる。本発明のポリオレフ
ィン系繊維に用いる親水化剤(A)は、有機スルホン酸
金属塩であることが好ましく、さらには下記式(化2)
からなるアルカンスルホン酸金属塩であることが好まし
い。
は、R1 ,R2 の炭素数の合計は9〜23の範囲であ
り、かつR1 ,R2 の炭素数は両者とも1以上の整数で
あるアルキル基であると、初期親水性能が向上するので
好ましい。
水化剤(B)は、炭素数2〜4のアルキレン基を有する
アルキレンオキシド付加物であることが好ましく、前記
アルキレンオキシド付加物が、多価アルコール脂肪酸エ
ステルのエチレンオキシド付加物であると、耐久親水性
が向上するので好ましい。さらに、多価アルコール脂肪
酸エステルのエチレンオキシド付加物が、80モル%以
上エステル結合していると、耐熱性が向上する点で好ま
しく、多価アルコール脂肪酸エステルのエチレンオキシ
ド付加物の脂肪酸は、ヒドロキシ脂肪酸であることが好
ましい。前記親水性ポリオレフィン系繊維を少なくとも
20重量%含有させると、長期にわたり安定し、かつ高
度な親水性能を持続することのできる不織布が得られ
る。
系繊維の少なくとも一部に、所定範囲の重量平均分子量
の異なる親水化剤を混合することにより、初期親水性に
は、主として早期にブリードする親水化剤(A)が有効
に寄与し、耐久親水性には、主として親水化剤(B)が
寄与するので、長期にわたり安定し、かつ高度な親水性
を持続することができる。
明する。本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂とし
ては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン−
1、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン
−アクリル酸メチル共重合体などから任意に一あるいは
二以上選択して使用することができる。
混合される親水化剤(A)は、重量平均分子量200〜
1000の親水化剤(A)が0.2〜10重量%である
ことが好ましい。より好ましくは、重量平均分子量25
0〜500の親水化剤(A)が0.5〜5重量%であ
る。親水化剤(A)の重量平均分子量が200未満であ
ると、繊維表面へブリードし易く、繊維表面がべとつい
た触感となり、重量平均分子量が1000を超えると、
初期親水性が不十分となる。また、親水化剤(A)の含
有量が0.2重量%未満であると、十分な親水性が得ら
れず、10重量%を超えると、溶融紡糸時の曳糸性に劣
る。
親水化剤(A)としては、例えば、高級アルコールのア
ルキレンオキシド付加物、アルキルフェノールのアルキ
レンオキシド付加物、高級脂肪酸のアルキレンオキシド
付加物、高級アルキルアミンのアルキレンオキシド付加
物、高級脂肪酸アミドのアルキレンオキシド付加物、ポ
リプロピレンオキシドのエチレンオキシド付加物などの
アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤、グリセ
ロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪
酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エ
ステルなどのエステル型非イオン界面活性剤、アルカノ
ールアミンの脂肪酸アミド、アルキルリン酸エステル
塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルエ
ーテルの硫酸エステル塩などの陰イオン型界面活性剤、
あるいはアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコ
ハク酸アルキルエステルナトリウム塩、アルカンスルホ
ン酸塩などの有機スルホン酸系陰イオン型界面活性剤な
どが挙げられる。中でも、下記式(化3)からなるアル
キルスルホン酸金属塩またはアルキルアリルスルホン酸
金属塩、
ルキルアリル基)、あるいは、前記式(化2)からなる
アルカンスルホン酸金属塩、あるいは、スルホコハク酸
アルキルエステル金属塩などのスルホン酸基を有する有
機スルホン酸金属塩が、親水性を有し、化学的に安定で
あり、耐熱性が高い点で好ましく使用できる。中でも、
アルキルスルホン酸金属塩、アルキルアリルスルホン酸
金属塩、およびアルカンスルホン酸金属塩は、すべての
pH域に対して親水性を有する点で優れている。
ち、前記式(化2)で示される、R1,R2 の炭素数の
合計が7〜29のアルキル基を有するアルカンスルホン
酸金属塩であることが好ましい。アルカンスルホン酸金
属塩は、アルキルスルホン酸金属塩あるいはアルキルア
リルスルホン酸金属塩と異なり、スルホン酸基(親水
基)が疎水基の片末端に存在するのではなく、末端以外
の部分に結合しているため、浸透性、湿潤性に富み、特
に親水性に優れているので好ましい。
R2 の炭素数の合計が9〜23であり、かつR1 ,R2
の炭素数が両者とも1以上の整数であるアルキル基を有
するアルカンスルホン酸金属塩が、初期親水性とその持
続性の点で好ましい。前記金属塩としては、アルカリ金
属塩あるいはアルカリ土類金属塩が挙げられ、中でもリ
チウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が好ましい。
ィン系樹脂の少なくとも一部に混合される親水化剤
(B)は、重量平均分子量1000〜100000の親
水化剤(B)が0.2〜10重量%であることが好まし
い。より好ましくは、重量平均分子量1000〜100
00の親水化剤(B)が0.2〜10重量%であり、さ
らに好ましくは、重量平均分子量1000〜10000
の親水化剤(B)が0.5〜5重量%である。親水化剤
(B)の重量平均分子量が1000未満であると、親水
化剤(A)の繊維表面へのブリード速度と同程度とな
り、耐久親水性が不十分となり、重量平均分子量が10
0000を超えると、繊維表面へブリードし難く、親水
化剤(A)における繊維表面へのブリード速度と大差が
生じ、長期にわたり安定し、かつ高度な親水性が持続で
きないからである。また、親水化剤(B)の含有量が
0.2重量%未満であると、十分な耐久親水性が得られ
ず、10重量%を超えると、溶融紡糸時の曳糸性に劣
る。
満たす親水化剤(B)としては、例えば、炭素数9〜5
0のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキル
エーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエー
テル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、あるい
はグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ベンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン
等の多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキシ
ド付加物および/またはその脂肪酸エステル、あるいは
水酸基、カルボキシル基、あるいはアミノ基等の活性水
素基を有するオリゴマーのアルキレンオキシド付加物な
どが挙げられる。
するアルキレンオキシド付加物であることが好ましく、
さらに多価アルコール脂肪酸エステルのエチレンオキシ
ド付加物が、耐熱性が高く、かつ親水性が良好であり、
分子量を所定の範囲に調整しやすい点で好ましい。
オキシド付加物は、一般に脂肪酸モノエステルからフル
エステルまで種々のものが存在するが、エステル化率が
増大するにつれて耐熱性も増大する傾向にある。したが
って、エステル化率が80モル%以上の多価アルコール
脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物を用いると、
耐熱性が向上する点でより好ましい。
ルのエチレンオキシド付加物の脂肪酸は、ヒドロキシ脂
肪酸であることが好ましい。多価アルコール脂肪酸エス
テルのエチレンオキシド付加物をアルカリ触媒下で合成
する際、脂肪酸がヒドロキシ脂肪酸でない場合、エチレ
ンオキシドを直接付加することは一般的に困難である。
そこで、従来から水またはグリセリン等の多価アルコー
ルを添加し、ケン化して部分エステルにしたのちエチレ
ンオキシド付加する方法や、グリセリン等の多価アルコ
ールにエチレンオキシドを付加し、続いて脂肪酸により
エステル化する方法などが試みられている。しかし、前
者の場合にはエステル化率を80モル%以上に維持する
ことは困難であり、後者においてはエチレンオキシド付
加反応とエステル化反応からなる2段階での反応を取ら
ざるを得ないため、製造方法が繁雑となり、またコスト
高となる。それに比して、脂肪酸が、例えばヒマシ油や
水添ヒマシ油などのヒドロキシ脂肪酸からなる多価アル
コール脂肪酸エステルであると、1段階反応で目的とす
る付加物を得ることができるため、製造が容易であり、
コストも低減される点で特に優れている。
も一部に、前記重量平均分子量の異なる親水化剤を混合
して公知の溶融紡糸により繊維化する。ポリオレフィン
系繊維の繊維形状は、特に限定されず、単一繊維、鞘芯
型複合繊維、偏心鞘芯型複合繊維、並列型複合繊維、海
島型複合繊維、分割型複合繊維などの断面が円状、異形
状などいずれであってもよい。例えば、複合繊維として
用いる場合、少なくとも1成分に親水化剤が添加してい
ればよく、特に、親水化剤が複合繊維の繊維表面の少な
くとも一部を占めるように形成するとよい。
方法としては、公知の混合装置を用いればよく、例え
ば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどで混合
し、公知の単軸または2軸押出機等で溶融混合して、あ
らかじめマスターバッチ化しておくと都合がよい。この
ときポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて、酸化防
止剤、紫外線防止剤などの安定剤や酸化チタン、金属セ
ッケン、カーボンブラック、顔料、抗菌剤、防黴剤など
の添加剤を混合させてもよい。
ィン系樹脂は、公知の溶融紡糸機を用い、溶融紡糸され
る。紡糸温度は、親水化剤が実質的に変質しない温度で
実施され、紡糸温度230〜300℃で樹脂を押し出
し、所定の繊度の紡糸フィラメントを作製する。紡糸フ
ィラメントは、必要に応じて延伸される。延伸は、延伸
温度90〜130℃、延伸倍率2倍以上で処理すると、
繊維強力が向上するので好ましい。得られたフィラメン
トには、繊維処理剤を付着させてもよい。親水性の繊維
処理剤を付着させると、さらに初期親水性が向上するの
で好ましい。そして、必要に応じて、捲縮付与装置で捲
縮を与え、所定の長さに切断されて本発明の親水性ポリ
オレフィン系繊維を得る。
不織布、織編物などの布帛に加工することができる。不
織布の形態としては、サーマルボンド不織布、ケミカル
ボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不
織布などの主としてステープル繊維からなる不織布、ス
パンボンド不織布、メルトブロー不織布などの長繊維か
らなる不織布、湿式抄造法による湿式不織布、エアレイ
不織布などの短繊維からなる不織布、あるいはこれらの
積層体を用途に応じて決定することができる。
リオレフィン系繊維の含有量は、少なくとも20重量%
であることが好ましい。より好ましくは少なくとも40
重量%である。含有量が20重量%未満であると、長期
にわたり安定し、かつ高度な親水性が得られないからで
ある。親水性ポリオレフィン系繊維以外に混合する他の
素材としては、特に限定はされないが、綿、麻、レーヨ
ンなどのセルロース系繊維、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系
繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊
維、アクリル系繊維、あるいはポリオレフィン系繊維な
どから任意に一あるいは二以上選択して使用することが
できる。また繊維形状においても特に限定されず、単一
繊維、鞘芯型複合繊維、偏心鞘芯型複合繊維、並列型複
合繊維、海島型複合繊維、分割型複合繊維等の断面が円
状、異形状等いずれであってもよい。
繊維表面の少なくとも一部が低融点樹脂からなる熱接着
性繊維がよい。熱接着性繊維としては、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリブテン−1、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの低融点成分
を含有する単一繊維、鞘芯型複合繊維、偏心鞘芯型複合
繊維、並列型複合繊維、海島型複合繊維、分割型複合繊
維等の断面が円状、異形状等が挙げられる。中でも、鞘
成分の融点が芯成分の融点の10℃以上低い鞘芯型複合
繊維が熱接着性に優れているので都合がよい。
場合であれば、分割型複合繊維や海島型複合繊維のよう
な極細繊維を発生させる繊維を混綿すると捕集効率に優
れたものが得られる。勿論、分割型複合繊維や海島型複
合繊維自身に親水性を付与させてもよい。
具体的に説明する。なお、得られた不織布の厚み、引張
強力、破断伸度、保水率、耐久保水率、吸水高さ、耐久
吸水高さは以下のとおり測定した。 (1)厚み 厚み測定機(商品名:THICKNESS GAUGE モデル CR-60A
、株式会社大栄科学精器製作所製)を用い、試料1cm2
あたり20gの荷重を加えた状態で測定した。 (2)引張強力、破断伸度 JIS L 1096に準じ、幅5cm、長さ15cmの試
料片をつかみ間隔10cmで把持し、定速伸長型引張試験
機を用いて引張速度30cm/分で伸長し、切断時の荷重
値および伸長率をそれぞれ引張強力、破断伸度とした。 (3)保水率、耐久保水率 上辺の長さが150mm、隣り合う2辺の長さが120m
m、上辺の中央から150mmの長さの尖り部分を有する
ホームベース型試験片の水分平衡状態の重量(W)を1
mgまであらかじめ測定しておき、この試験片を蒸留水中
に1時間浸漬する。その後、試験片の尖り部分を下にし
て吊し、10分間水分を自然落下させる。その後、重量
(W1 )を測定して、その重量変化から親水性を次式
(数1)で算出し、保水率とした。
分平衡状態まで乾燥させる。その後上記と同様の方法で
保水率を測定し、これを耐久保水率とした。 (4)吸水高さ 試料幅方向より25mm×250mmの試験片を採取し水分
平衡状態にした後、蒸留水中にその一端が5mm浸かるよ
うに垂直に立てて、毛細管現象により蒸留水が上昇した
高さを3分後に測定し、吸水高さとした。また試験片を
蒸留水中に3ヶ月浸漬した後に、一旦水分平衡状態まで
乾燥させる。その後上記と同様の方法で吸水高さを測定
し、これを耐久吸水高さとした。
0℃)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社
製)に親水化剤(A)として、重量平均分子量314の
アルカンスルホン酸ナトリウム塩を20重量%混合し、
マスターバッチAを作製した。
のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製)に親
水化剤(B)として、重量平均分子量9700の水添ヒ
マシ油のエチレンオキシド200モル付加物を20重量
%混合し、前記と同様の方法でマスターバッチBを作製
した。
プロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製)にマスター
バッチAおよびマスターバッチBをそれぞれ2.5重量
%ずつ混合した樹脂を用いて、紡糸温度270℃、引取
速度500m/minで溶融紡糸を行い、2.3dtexの紡糸
フィラメントを得た。前記紡糸フィラメントを130℃
の乾熱状態で3倍の延伸を行い、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテルを主体とする親水性の繊維処理剤を1.
4重量%付与し、10mmに切断して、最終的に0.9dt
exの繊維を得た。得られた親水性ポリプロピレン繊維に
は、親水化剤(A)が0.5重量%、親水化剤(B)が
0.5重量%含有されていた。得られた繊維を60重量
%と熱接着性繊維として、芯部がポリプロピレン、鞘部
がポリエチレンの繊度1.5dtex、繊維長:10mmの鞘
芯型複合繊維(大和紡績(株)製:NBF(H))40
重量%を用いて湿式抄紙法により湿式不織布を得た。
%、親水化剤(B)を1.5重量%混合したポリプロピ
レン樹脂を用いた以外は実施例1と同様の方法で湿式不
織布を得た。
重量%混合したポリプロピレン樹脂を用いた以外は実施
例1と同様の方法で湿式不織布を得た。
重量%混合したポリプロピレン樹脂を用いた以外は実施
例1と同様の方法で湿式不織布を得た。実施例1,2お
よび比較例1,2の物性を表1に示す。
および吸水高さ並びにその耐久性において、優れた親水
性能を有するものであった。一方、比較例1は、初期の
親水性能は実施例と同等であったが、耐久性に劣り、比
較例2は、親水化剤が徐々にブリードするため、初期の
親水性能は十分とはいえなかった。
ポリオレフィン系繊維の少なくとも一部に、所定範囲の
重量平均分子量の異なる親水化剤を混合することによ
り、初期親水性には、主として早期にブリードする親水
化剤(A)が有効に寄与し、耐久親水性には、主として
親水化剤(B)が寄与するので、長期にわたり安定し、
かつ高度な親水性を持続することができる。
2)で示される、R1 ,R2 の炭素数の合計が9〜23
のアルキル基を有するアルカンスルホン酸金属塩を使用
すると、高度な初期親水性とその持続性に優れたポリオ
レフィン系繊維が得られる。親水化剤(B)として、多
価アルコール脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加
物を使用すると、親水化剤(A)のブリード速度との速
度バランスに優れ、安定した親水性能を持続することが
できる。
繊維を含有する不織布は、初期親水性および耐久親水性
に優れているので、セメント補強に好適な繊維、あるい
は吸収性物品の表面シートなどの衛生材料、ウェットテ
ィッシュ、ワイパー、フィルター、ティーパックなどに
有用である。
Claims (9)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂の少なくとも一部
に、下記の親水化剤が混合されていることを特徴とする
親水性ポリオレフィン系繊維。 (1)重量平均分子量200〜1000の親水化剤
(A):0.2〜10重量% (2)重量平均分子量1000〜100000の親水化
剤(B):0.2〜10重量% - 【請求項2】 親水化剤(A)が、有機スルホン酸金属
塩である請求項1に記載の親水性ポリオレフィン系繊
維。 - 【請求項3】 親水化剤(A)が、下記式(化1)から
なるアルカンスルホン酸金属塩である請求項1または2
に記載の親水性ポリオレフィン系繊維。 【化1】 - 【請求項4】 前記式(化1)で示される、R1 ,R2
の炭素数の合計が9〜23であり、かつR1 ,R2 の炭
素数が両者とも1以上の整数であるアルキル基を有する
アルカンスルホン酸ナトリウム塩である請求項3に記載
の親水性ポリオレフィン系繊維。 - 【請求項5】 親水化剤(B)が、炭素数2〜4のアル
キレン基を有するアルキレンオキシド付加物である請求
項1に記載の親水性ポリオレフィン系繊維。 - 【請求項6】 アルキレンオキシド付加物が、多価アル
コール脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物である
請求項5に記載の親水性ポリオレフィン系繊維。 - 【請求項7】 多価アルコール脂肪酸エステルのエチレ
ンオキシド付加物が、80モル%以上エステル結合して
いる請求項6に記載の親水性ポリオレフィン系繊維。 - 【請求項8】 多価アルコール脂肪酸エステルのエチレ
ンオキシド付加物の脂肪酸が、ヒドロキシ脂肪酸である
請求項7に記載の親水性ポリオレフィン系繊維。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の親水性
ポリオレフィン系繊維を少なくとも20重量%含有する
不織布。
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