JP2000079387A - 光触媒利用の臭素酸分解方法およびその装置 - Google Patents

光触媒利用の臭素酸分解方法およびその装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒反応により水中の臭素酸イオンを効率
的かつ安定的に除去する。 【解決手段】 光触媒反応槽11に臭素酸イオンを含ん
だ被処理液を注入し、この被処理液中には粉末状または
ガラス等の担体に担持した光触媒を懸濁または投与す
る。光触媒反応槽11内には撹拌子12を設け、この撹
拌子12はマグネティックスターラ13により駆動さ
れ、光触媒反応槽11内の被処理液が撹拌される。反応
槽11に被処理液を注入する際に、被処理液のpHを、
利用する光触媒の種類に応じて、等電点以下となるよう
に予め調整しておく。反応槽11には、光源(ランプ)
14を設け、この光源14は、光触媒のバンドギャップ
以上のエネルギを有する光を発するものである。光源1
4はランプ保護管15に収納されて反応槽11内の被処
理液に浸される。光源14はランプ安定器16により点
灯され、この点灯による光が光触媒に照射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光触媒を利用し
て水中の臭素酸イオンを分解処理する光触媒利用の臭素
酸分解方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】臭素酸イオン(BrO3 -)の毒性の指摘は、
1986年に発表された黒川らによる報告に端を発して
いる。臭素酸イオンは、オゾン処理や促進酸化処理にお
ける副生成物の一つであり、水中に溶存する臭化物イオ
ン(Br-)が酸化されて生成される。IARC(Internatioal
Agency for Reseach on Cancer)では臭素酸イオンを発
ガン性物質としてグループ2B(発ガンの可能性のある
もの)に分類している。日本国内では近年、塩素による
消毒の副生成物であるトリハロメタンの低減化や異臭味
除去を目的として、浄水処理仮定にオゾン処理を導入す
る事例が増加しつつある。国外では、ヨーロッパを中心
に殺菌等の目的で古くから浄水処理でオゾン処理が用い
られている。このような流れの中で、臭素酸イオンの毒
性の問題がクローズアップされて来た。
【0003】WHOでは、1993年に黒川等の報告書
をもとにリスクレベルを計算し、その結果から25μg/L
のガイドライン値を設定した。米国環境保護庁(USEPA)
では1994年に消毒剤/消毒副生成物規制(D/DBPrul
e)の第1ステージで臭素酸イオンの最大許容度を10μg/
Lとする提案を行っており、さらにD/DBPruleの第2ステ
ージでは厳しい基準を設定しようとしている。オランダ
ではオゾン処理の目的に応じて臭素酸イオンの規制値を
分けて設定する方向で検討しており、殺菌目的の場合は
10μg/L、有機性の汚染物質除去でオゾン/過酸化水素
処理を導入する場合には0.5μg/Lを提案してしいる。殺
菌で高い規制値としているのは、殺菌効果と臭素酸生成
が同時に進行するためやむ得ないという考え方である。
【0004】国内でも臭素酸イオンの毒性の問題が検討
されており、国立公衆衛生院(浅見真理他:“オゾン処
理における臭素酸イオンの生成における共存物質の影
響”、水環境学会誌Vol.19(11),p930-936(1996))や大
阪市(宮田雅典他:“高度浄水処理における臭素酸イオ
ン生成とその挙動”、水道協会雑誌、Vol.663,p16(199
7))などの研究の報告があり、その対策の準備がなされ
ている。また、オゾン処理以外からの臭素酸イオンの混
入例として、大阪の淀川での検出例があり、毛髪用のパ
ーマネント液が汚染源の一つであると考えられている。
【0005】臭素酸イオンに対する対策法は大きく2つ
に分かれる。第1は、オゾン処理過程での臭素酸イオン
の生成を抑制する方法である。この方法は、オゾンの注
入量を厳密にコントロールして、過剰注入による臭素酸
イオンの生成を避けるものである。過酸化水素の共存下
では臭素酸イオンが生成しにくいことを利用して、過酸
化水素との併用により抑制する。あるいは、水中の臭化
物(Br-)をイオン交換法などにより予め除去すること
により臭素酸イオンが生成しないようにする方法もあ
る。その他アンモニア添加やpHを下げることによる抑
制法も検討されている。第2は、生成した臭素酸イオン
を除去する方法である。現在のところ臭素酸イオンの除
去法として有効とされているのは活性炭処理である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】現在、凝集沈殿→急速
ろ過→塩素消毒の一般的な浄水方法では混入した臭素酸
イオンの除去はできない。従って、取水源での混入ある
いはオゾン処理導入による臭素酸イオンの除去対策とし
ては活性炭処理法が検討されている。活性炭処理として
は粒状活性炭の利用が一般的である。しかし、粒状活性
炭を利用する場合には、溶存有機物等の吸着による活性
炭の劣化の問題があり、長期間使用した活性炭では臭素
酸イオンの吸着率が低下することが報告されている。劣
化した活性炭が交換、再生等の操作が必要になる。
【0007】オゾン処理において、臭素酸イオンの生成
量は、溶存オゾン濃度と処理時間の積、つまりCT値に
比例することが判っている。一方で、オゾンによる殺菌
効果もまたCT値に比例する。確実な殺菌効果を得るた
めには、CT値が一定値以上になるよう処理条件を設定
する必要がある。殺菌効果と臭素酸イオン生成の抑制に
ついてのトレードオフの関係を表した例が図16であ
る。図16はジアルジア(Giardia)の殺菌条件と臭素酸
イオンの生成量との関係を示したものであるが、オゾン
注入量1.8mg/Lで殺菌に必要なCT値条件を満たすこと
ができるが、このとき臭素酸イオンの生成量は3μg/L程
度となっている。オランダ等で殺菌目的でオゾンを用い
る場合に、臭素酸イオンの規制値を10μg/Lと高く設定
しているのは、このような実験事実に基づいている。オ
ゾン処理において、臭素酸イオン生成を抑制するために
は、厳密なオゾン注入条件の管理が必要なばかりでな
く、殺菌等を目的にオゾンを適用する場合には、一定量
の臭素酸イオンの生成は免れないというのが現状であ
り、深刻な問題となっている。
【0008】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、光触媒反応により水中の臭素酸イオンを効率的か
つ安定的に除去するようにし、しかも維持管理を容易に
した光触媒利用の臭素酸分解方法およびその装置を提供
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を達成するために、第1発明は、臭素酸イオンを含んだ
被処理液中に光触媒を投与した後、その光触媒にバンド
ギャップ以上のエネルギを有する光線を照射して光触媒
反応を生じさせるようにしたことを特徴とするものであ
る。第2発明は、前記被処理液に酸溶液を注入し、その
被処理液のpHを光触媒の等電点以下に調整することを
特徴とするものである。
【0010】第3発明は、臭素酸イオンを含んだ被処理
液が注入され、その被処理液中に光触媒を投与するか、
予め設けられた光触媒を有し、その光触媒にバンドギャ
ップ以上のエネルギを有する光線を照射させて被処理液
中で光触媒反応を生じさせる光触媒反応槽と、この光触
媒反応槽に被処理液を流入させる前に、被処理液にpH
調整用の酸溶液を注入混合させる装置とからなることを
特徴とするものである。第4発明は、前記光触媒反応槽
にpH計を設け、このpH計からのpH出力信号に応じ
て前記酸溶液の注入量を可変させるようにしたことを特
徴とするものである。第5発明は、前記光触媒反応槽の
前段に酸素を含まないガスで被処理液を曝気する脱酸素
部を設けて被処理液中の溶存酸素を除去することを特徴
とするものである。第6発明は、前記光触媒反応槽と脱
酸素部とを一体化させることを特徴とするものである。
第7発明は、前記光触媒反応槽に被処理液を流入させる
前に、被処理液に正孔補足剤を注入することを特徴とす
るものである。第8発明は、前記被処理液のpHを4以
下にすることを特徴とするものである。
【0011】第9発明は、臭化物イオン又は臭素酸イオ
ンを含んだ被処理液が注入され、その被処理液中の有機
物の除去と殺菌をオゾン処理にて行うオゾン処理槽と、
このオゾン処理槽でオゾン処理された被処理液が供給さ
れ、この被処理液からオゾンを除去する脱オゾン槽と、
この脱オゾン槽でオゾンが除去された被処理液が供給さ
れ、その被処理液中に光触媒を投与するか、予め設けら
れた光触媒を有し、その光触媒にバンドギャップ以上の
エネルギを有する光線を照射させて被処理液中で光触媒
反応を生じさせる光触媒反応槽とからなることを特徴と
するものである。
【0012】第10発明は、前記光触媒反応槽の被処理
液流入側および処理液放流側にそれぞれ各別にpH調整
可能槽を設けたことを特徴とするものである。
【0013】第11発明は、臭化物イオン又は臭素酸イ
オンを含んだ被処理液が注入され、その被処理液中の有
機物の除去と殺菌を酸化力の強い成分で行う促進酸化処
理槽と、この促進酸化処理槽で有機物の除去と殺菌が行
われた被処理液が供給され、その被処理液中に光触媒を
投与するか、予め設けられた光触媒を有し、その光触媒
にバンドギャップ以上のエネルギを有する光線を照射さ
せて被処理液に光触媒反応を生じさせる光触媒反応槽と
からなることを特徴とするものである。第12発明は、
前記光触媒反応槽の被処理液流入側および処理液放流側
にそれぞれ各別にpH調整可能槽を設けたことを特徴と
するものである。
【0014】第13発明は、臭化物イオン又は臭素酸イ
オンを含んだ被処理液が注入され、その被処理液中の有
機物の除去と殺菌をオゾン処理にて行うオゾン処理槽
と、このオゾン処理槽でオゾン処理された被処理液が供
給され、その被処理液中の有機物の除去と殺菌を酸化力
の強い成分で行う促進酸化処理槽と、この促進酸化処理
槽で有機物の除去と殺菌が行われた被処理液が供給さ
れ、その被処理液中に光触媒を投与するか、予め設けら
れた光触媒を有し、その光触媒にバンドギャップ以上の
エネルギを有する光線を照射させて被処理液中で光触媒
反応を生じさせる光触媒反応槽とからなることを特徴と
するものである。第14発明は、前記光触媒反応槽の被
処理液流入側および処理液放流側にそれぞれ各別にpH
調整可能槽を設けたことを特徴とするものである。
【0015】第15発明は、臭化物イオン又は臭素酸イ
オンを含んだ被処理液が注入され、脱炭酸に必要なpH
に調整されるとともに、脱炭酸に必要なガスが注入され
る脱炭酸処理槽と、この脱炭酸処理槽で脱炭酸された被
処理液が供給され、その被処理液中の有機物の除去と殺
菌を酸化力の強い成分で行う促進酸化処理槽と、この促
進酸化処理槽で有機物の除去と殺菌が行われた被処理液
が供給され、その被処理液中に光触媒を投与するか、予
め設けられた光触媒を有し、その光触媒にバンドギャッ
プ以上のエネルギを有する光線を照射させて被処理液中
で光触媒反応を生じさせる光触媒反応槽とからなること
を特徴とするものである。第16発明は、前記光触媒反
応槽に脱酸素のためのガスを曝気させることを特徴とす
るものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
に基づいて説明するに当たり、この発明の実施の形態で
使用する光触媒について述べる。光触媒にバンドギャッ
プ以上のエネルギを有する光を照射すると、価電子帯か
ら伝導帯へ電子が励起され、伝導帯に電子を価電子帯に
正孔を生じる。伝導帯に励起された電子は還元力を持
ち、価電子帯の正孔は酸化力を持つ。電子と正孔が還元
と酸化を行った後は、価電子帯と伝導帯は元の状態に戻
り、光が照射されると再び電子と正孔が生じて還元と酸
化を行う。光触媒のひとつである酸化チタンの場合に
は、バンドギャップは約3.0eVであり、410nm以下の紫外
線を照射することにより酸化還元反応が進行する。
【0017】光触媒上で生じる電子の還元力を利用する
ことにより、水中の臭素酸イオンを還元分解することが
できる。BrO3 -/Br-および水分子の酸化還元電位と酸化
チタン上で生じる電子(TiO2(e-))、正孔(TiO2(h+))のエ
ネルギ準位を表1にまとめて示した。
【0018】
【表1】
【0019】光触媒上で生じる電子のポテンシャルエネ
ルギ準位がBrO3 -/Br-の酸化還元電位より低い位置にあ
れば、臭素酸イオンの還元反応が進行する。酸化チタン
の場合には電子のポテンシャルエネルギ準位は-0.54Vで
あり、BrO3 -/Br-の酸化還元電位1.423より低いので次の
反応が進行する。
【0020】 BrO3 -+6H++6e- → Br-+3H2O (1) 水中に有機物のような正孔を補足する溶存物質が存在し
ない場合には、正孔側では水の酸化分解が進行する。 (電子側)BrO3 -+6H++6e- → Br-+3H2O (2) (正孔側)2H20 +4h+→ O2+4H+ (3) 従って、全体では次の反応となる。
【0021】 2BrO3 - → 2Br-+3O2 (4) 正孔(h+)と反応するような物質が存在する場合には、
2−プロパノールを例にすれば次の反応となる。
【0022】 (電子側)BrO3 -+6H++6e- → Br-+3H2O (5) (正孔側)(CH3)2CHOH+h+ → (CH3)2C・OH+H+ (6) 従って、全体では次の反応となる。
【0023】 BrO3 -+6(CH3)2C・OH → Br-+6(CH3)2C・OH+3H2O (7) 共存物質によって正孔側の反応は異なるが、いずれにし
ても還元側での電子の働きにより臭素酸イオンを分解す
ることができる。その他の光触媒のエネルギ準位とバン
ドギャップを図1に示す。この図1に示した全ての光触
媒で臭素酸イオンが分解可能になる。
【0024】図1に示す光触媒のうちで酸化チタンのよ
うな光触媒を用いて臭素酸イオンを還元分解するために
は、もう一つの条件が必要である。つまり、酸化物の表
面電荷が陽に帯電しているという条件である。光触媒に
より分解反応が進行するためには、分解される基質が光
触媒表面に吸着する必要がある。一般に、光触媒では、
図2に示すように等電点を境にして、等電点より酸性側
では陽に帯電して陰イオンを吸着し、等電点よりアルカ
リ側では負に帯電して陽イオンを吸着する。臭素酸イオ
ンは陰イオンであるので、光触媒上に吸着するために
は、光触媒が陽に帯電している必要がある。光触媒が陽
に帯電していれば、表面に臭素イオンが吸着し、光照射
で生じた電子を受け取って臭素酸イオンの還元分解が進
行するようになる。表2は各種酸化物の等電点の測定例
を示すもので、表2から例えば酸化チタン(TiO2)の場合
には、等電点が5〜6であるので、臭素酸イオンを吸着
分解するためには、pHを5〜6以下の酸性条件にする
必要がある。
【0025】
【表2】
【0026】以上から臭素酸イオン分解に利用できる光
触媒を分類すると、次の表3に示すようになる。
【0027】
【表3】
【0028】表3からWO3,SnO2,TiO2,γFe2O3の場合
には酸性条件で、またαFe2O3,ZnO,SrTiO3,BaTiO3
場合には中性条件(pH7付近)で臭素酸イオンの分解
が可能となる。なお、表3には、バンドギャップとそれ
を換算した波長の値を併せて示してある。表3中に示し
た波長以下の光を照射することにより光触媒反応を起こ
すことができ、臭素酸イオンを分解することができる。
【0029】以上の原理に基づいて水中の臭素酸イオン
を分解するこの発明の実施の形態について以下述べる。 〔実施の第1形態〕図3はこの発明の実施の第1形態を
示す概略構成説明図で、図1において、11はバッチ処
理用の光触媒反応槽である。この光触媒反応槽11に臭
素酸イオンを含んだ被処理液(被処理水)を注入する。
この被処理液中には粉末状またはガラス等の担体に担持
した光触媒を懸濁または充填する。12は反応槽11内
に設けられた撹拌子で、この撹拌子12はマグネティッ
クスターラ13により駆動されて、反応槽11内の被処
理液を撹拌する。反応槽11に被処理液を注入する際
に、被処理液のpHを、利用する光触媒の種類に応じ
て、表4の等電点以下となるように予め調整しておく。
反応槽11には光源(ランプ)14を設ける。この光源
14は光触媒のバンドギャップ以上のエネルギを発す
る。すなわち、表4に示す波長以下の光を発するもの
で、この光源14はランプ保護管15に収納されて反応
槽11内の被処理液に浸される。光源14はランプ安定
器16により点灯され、この点灯による光が光触媒に照
射される。
【0030】
【表4】
【0031】上記表4に示す光触媒に、そのバンドギャ
ップ以上のエネルギを持つ光が照射されると、価電子帯
から伝導帯へ電子が励起され、伝導帯に電子が、価電子
帯に正孔が発生する。発生した電子の還元力により以下
に示す反応が生じ、臭素酸イオン(BrO3 -)が臭化物イオ
ン(Br-)に分解される。
【0032】BrO3 -+6H++6e- → Br-+3H2O 図4は上記第1形態の被処理液中に光触媒として酸化チ
タン粉末(等電点6.4)を、光源14としてブラックラ
イト(波長域300〜410nm,ピーク366nm)を使用したと
きの臭素酸イオンの分解時間を示したものである。な
お、被処理液のpH条件は約5とした。図4に示すよう
に初期濃度(2000ppb,200ppb)によって分解時間は異
なるが、約5分から15分で臭素酸イオンを完全に分解
できた。
【0033】〔実施の第2形態〕図5はこの発明の実施
の第2形態を示す概略構成図で、この第2形態は光触媒
として固定化酸化チタンを利用した連続処理式の臭素酸
分解装置である。図5において、図3と同一部分には同
一符号を付して、その説明を省略して述べるに、21は
光触媒反応槽で、この反応槽21内には、後述のように
pH調整された被処理液に、光触媒を担持した担体(光
触媒担体)が充填されて流入される。22は塩酸、硫酸
等の酸溶液槽で、この酸溶液槽22の酸溶液はポンプ2
3を介して混合器24で被処理液と混合される。混合器
24における酸溶液の注入量は利用する光触媒に応じて
第1形態と同様に適正なpHとなるように予め計算また
実験的に決定しておく。
【0034】光触媒反応槽21内では第1形態の反応器
と同様な反応が進行して、臭素酸イオンが分解処理され
た後、その処理液が流出部から流出される。流出した処
理液は混合器25でアルカリ液と混合されて放流され
る。アルカリ液はポンプ26によりアルカリ槽27から
供給される。なお、被処理液のpHが予め臭素酸イオン
を分解できるpH域にある場合には、光触媒反応槽21
の流入前に酸溶液と混合させることは不要である。ま
た、放流水のpHを特に指定されない場合には、光触媒
反応槽21から流出する処理液にアルカリ液を注入する
ことも不要である。
【0035】〔実施の第3形態〕図6はこの発明の実施
の第3形態を示す概略構成図で、この第3形態は第2形
態にpH計28と、このpH計28で計測したpHの値
を演算する演算器29とを設けたものである。このよう
に構成した第3形態においては、まず、光触媒反応槽2
1内の被処理液のpHをpH計28で計測する。その
後、この計測信号を演算器29で演算して酸溶液の必要
注入量を計算し、この注入量の計算値に基づいてポンプ
23の運転速度が制御される。ポンプ23は計算された
注入量により酸溶液槽22からの酸溶液を被処理液に供
給し、混合器24にて混合することにより、被処理液が
光触媒反応槽21へ流入する前に酸溶液を自動注入する
ことができる。pH調整後の被処理液は前記第2形態と
同様に処理される。
【0036】〔実施の第4形態〕図7はこの発明の実施
の第4形態を示す概略構成図で、この第4形態は第2形
態に示す光触媒反応槽21の前段に脱酸素部である窒素
ガス曝気槽31を設けたものである。図7において、混
合器24から送出された被処理液は窒素ガス曝気槽31
に流入された後、この曝気槽31に設置された散気装置
32から窒素ガスが被処理液中に曝気される。曝気され
た窒素ガスは大気中に放出される。なお、窒素ガスはポ
ンプ33から供給される。
【0037】上記のように被処理液に窒素ガスを曝気さ
せるのは、被処理液中に溶存酸素が存在する場合、溶存
酸素が光触媒反応で生じた電子の受容体となり、臭素酸
イオンと酸素が競合的に電子を受け取るようになり、溶
存酸素により臭素酸イオンの分解速度が低下するのを防
止するためである。すなわち、被処理液中の溶存酸素を
除去することで、被処理液の臭素酸イオンの分解速度を
向上させることができるようになる。被処理液中の溶存
酸素を除去した後の光触媒反応以降の処理は、第2形態
と同様に行われて処理される。なお、窒素ガスの代わり
にアルゴンガス等の酸素を含有しないガスで代用するよ
うにしても良い。
【0038】図8は酸素存在条件下と第4形態の無酸素
条件下における臭素酸イオンの分解速度を比較した特性
図で、この特性図から第4形態の無酸素条件下では、臭
素酸イオンの分解速度が速くなっていることが判る。
【0039】〔実施の第5形態〕図9はこの発明の実施
の第5形態を示す概略構成図で、この第5形態は脱酸素
部である窒素ガス曝気槽と光触媒反応部である光触媒反
応槽とを一体化させた脱酸素光触媒反応装置35を使用
したものである。この脱酸素光触媒反応装置35には、
窒素ガスがポンプ33を介して散気装置32から直接注
入される。すなわち、脱酸素光触媒反応装置35の被処
理液に窒素ガスが曝気されて溶存酸素が除去される。そ
の他の処理は第3および第4形態の処理動作と同様に行
われる。
【0040】〔実施の第6形態〕図10はこの発明の実
施の第6形態を示す概略構成図で、この第6形態は第2
形態に、有機物として2−プロパノール溶液をその溶液
槽36からポンプ37により光触媒反応槽21への流入
前に注入するようにしたものである。この2−プロパノ
ール溶液はその前段で注入された酸溶液とともに混合器
24で混合されて光触媒反応槽21に供給される。光触
媒反応槽21での反応は、第2形態の動作と同様である
が正孔側の反応は次式のように行われる。 (正孔側)(CH3)2CHOH+h+ → (CH3)2C・OH+H+ 上記第6形態のように2−プロパノール溶液を使用する
のは次のような理由からである。光触媒反応により生じ
た電子は、臭素酸イオンの分解で消費されるが、同時に
生じる正孔は共存物質の有無により異なった反応形態を
とる。溶液中に有機物のような正孔補足剤がない場合に
は、正孔は水分子と反応し、次に示す反応式のように酸
素を発生する。 2H2O+4h+ → O2+4H+ このため、2−プロパノールのような有機物を投入すれ
ば、水分子の代わりに有機物は正孔と反応する。正孔と
の反応は水分子より有機物の方が速いため、有機物を添
加することで光触媒反応を促進することができ、臭素酸
イオンの分解速度の向上を図ることができる。図11は
有機物なし(正孔補足剤なし)と2−プロパノール存在
下(正孔補足剤あり)における臭素酸イオン分解速度を
比較した特性図で、この特性図から正孔補足剤がある場
合には臭素酸イオン分解速度が向上していることが検証
された。
【0041】〔実施の第7形態〕この第7形態は、溶液
中のpHを「4」以下にすれば、臭素酸イオンは臭素に
還元されて、曝気条件では臭素が気中に放出されて、溶
液中に臭化物イオンBr-は残らなくなるようにしたもの
である。このように臭素酸イオンを臭素に還元すること
により、臭化物イオンが溶液中に残留していると、不飽
和性の有機物等の共存によってプロモホルムのような発
ガン性のあるトリハロメタンが生成される可能性を除去
できるようになる。この第7形態の構成としては、図9
に示す第5形態を使用して、脱酸素光触媒反応装置35
に被処理液が流入する前のpHを光触媒の種類によらず
常にpH=4以下に制御するようにすれば良い。この場
合には次のような反応となる。 2BrO3 -+12H++12e- → Br2+6H2O 〔実施の第8形態〕図12はこの発明の実施の第8形態
を示すシステム構成図で、この第8形態は光触媒処理で
臭素酸イオンが有効に分解されるpH範囲が存在するこ
とを利用して、前段のオゾン処理で水中の有機物除去、
殺菌を十分行った後、オゾン酸化で生成することが予測
される臭素酸イオンを後段の光触媒処理で除去する総合
的な処理システムである。
【0042】図12において、図示左上の流入口51か
ら被処理水(被処理液)がオゾン処理槽52に流入する
と、オゾン処理槽52で有機物の除去と殺菌が行われ
る。オゾン処理槽52にはオゾン発生装置53により発
生したオゾンガスが散気管54を通して注入され、水中
の有機物等とオゾンが反応する。このオゾン処理槽52
で十分な有機物の除去と殺菌が行われると同時に、流入
水中に臭化物イオンが含まれていると、この槽52で臭
素酸イオンが生成してしまうが、後述のようにしてこの
臭素酸イオンは分解される。
【0043】オゾン処理槽52で有機物の除去と殺菌が
十分行われた被処理水は脱オゾン槽55に送られる。こ
の脱オゾン槽55には、ブロア又はボンベ等のガス供給
部56から送られるガスが散気管57から脱オゾン槽5
5内に送気され、この槽55の水中に残留していたオゾ
ンが除去される。脱オゾン槽55の被処理水出口には溶
存オゾン(DO3)センサ58が設置される。このセン
サ58で脱オゾン槽55において十分に残留オゾンが除
去されているかどうかが監視される。DO3センサ58
からの信号はコントローラ59に送られてガス供給部5
6のブロア等の出力が制御される。
【0044】脱オゾン槽55で脱オゾンされた水は、p
H第1調整槽60に送られる。この第1調整槽60に
は、pH調整試薬第1注入ポンプ61により適量のpH
調整試薬が投与されて適切なpHに調整される。pH値
が適正かどうかはpH第1調整槽60の出口に設置され
たpHセンサ62により監視され、その監視信号はコン
トローラ59に供給されてpH調整試薬第1注入ポンプ
61の試薬注入量が制御されるのに用いられる。適正な
pHに調整された水は、光触媒反応槽63に送られる。
この光触媒反応槽63では、その槽内にコーティングさ
れているか、もしくは固定材に固定された酸化チタンな
どの光触媒と、光源64から発せられる紫外線との光触
媒反応により、直ちに臭素酸イオンが分解される。光源
64は、光触媒のバンドギャップ以上のエネルギを発す
る。すなわち、表4に示す波長以下の光を発するもの
で、この光源64は通常水中に設置されるために、ラン
プ保護管65で覆われている。なお、光源64の発光力
は、ランプ電源66によって操作される。
【0045】光触媒反応槽63で十分に臭素酸イオンが
除去された処理水は、pH第2調整槽67に送られ、p
H調整試薬第2注入ポンプ68から投与される試薬によ
り適切なpH値に調整された後、図示右方下の流出口6
9から流出される。この流出される処理水のpH値はp
H第2調整槽67に設置されたpHセンサ70により監
視され、その監視信号はコントローラ59に送られてp
H調整試薬第2注入ポンプ68の試薬投与量を制御する
ために用いられる。なお、オゾン処理槽52と脱オゾン
槽55で反応に使用されずに気中に残留したオゾンは、
全て収集されて排オゾン処理塔71に送られて無害化さ
れた後に、大気中に放出される。また、図12におい
て、実線矢印は水系統を、一点鎖線はガス系統を、破線
は電気信号系統をそれぞれ表している。
【0046】上記した第8形態のようなシステムによ
り、オゾン投与量とpH第1、第2調整槽60、67の
pHとを監視、制御して被処理水を処理することによ
り、水中の有機物を分解し、十分な殺菌を施すばかりで
なく、オゾン処理で生成される臭素酸イオンも完全に分
解することができる。このため、水質の安全な処理水を
得ることができるようになる。
【0047】〔実施の第9形態〕図13はこの発明の実
施の第9形態を示すシステム構成図で、前記第8形態と
同一部分は同一符号を付し、その詳細な説明を省略して
述べる。図13において、流入口51から被処理水が促
進酸化処理槽81に流入されると、この処理槽81で有
機物の除去と殺菌が行われる。促進酸化処理槽81は、
ランプ保護管82で保護されたUVランプ83と、オゾ
ン発生装置53で発生されたオゾンガスが注入される散
気管54から構成される。UVランプ83は、254nm付
近に主波長を持つ紫外線光を発するもので、ランプ電源
84により操作される。
【0048】上記のように構成された促進酸化処理槽8
1には、オゾン発生装置53により発生したオゾンガス
が散気管54により注入され、UVランプ83から発せ
られる紫外線が照射されると、オゾンが分解され、オゾ
ンよりも酸化力の強いOHラジカルが生成される。OH
ラジカルと処理槽81の被処理水中の有機物等が素早く
反応し、十分な有機物の除去と殺菌が行われると同時
に、流入被処理水中に臭化物イオンが含まれると、臭素
酸イオンが生成されてしまうこともあるが、この臭素酸
イオンは後述のように処理される。促進酸化処理槽81
で被処理水中の有機物の除去と殺菌が行われた水は、脱
オゾン槽55に送られ、以後の処理は第8形態のように
行われる。
【0049】上記した第9形態のようなシステムによ
り、オゾン投与量とpH第1、第2調整槽60、67の
pHとを監視、制御して排水(被処理水)を処理するこ
とにより、特に促進酸化処理を行うことにより、水中の
難分解性の有機物を分解除去し、十分な殺菌を施すばか
りでなく、促進酸化処理で生成される臭素酸イオンも完
全に分解することができる。このため、水質の安全な処
理水を得ることができるようになる。
【0050】なお、第9形態における促進酸化処理とし
ては、オゾンを紫外線で処理する場合について述べて来
たが、オゾンを過酸化水素で処理するようにしても良
い。また、促進酸化処理としては、過酸化水素と紫外
線、オゾン、紫外線および光触媒を使用して処理しても
良い。
【0051】〔実施の第10形態〕図14はこの発明の
実施の第10形態を示すシステム構成図で、第8、第9
形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を
省略して述べる。図14に示す第10形態は、第9形態
に第8形態で述べたオゾン処理槽52を促進酸化処理槽
81の前段に設けたものである。図14において、オゾ
ン処理槽52には、オゾンガス注入用の散気管54aを
設け、促進酸化処理槽81にはオゾンガス注入用の散気
管54bを設けたものである。
【0052】上記のようにオゾン処理槽52に流入口5
1から被処理水が流入されると、まず、オゾン処理槽5
2にはオゾン発生装置53により発生したオゾンガスが
散気管54aより注入され、水中の有機物等と反応して
有機物の低分子化と殺菌が行われる。その後、オゾン単
独では分解しきれない難分解性の有機物が含まれた水
は、促進酸化処理槽81へ送られる。促進酸化処理槽8
1では、オゾン発生装置53により発生したオゾンガス
が散気管54bより注入され、同時に促進酸化処理槽8
1に設置されたUVランプ83から発せられる紫外線が
オゾンを含んだ水に照射されると、オゾンが分解され、
オゾンよりも酸化力の強いOHラジカルが生成される。
このOHラジカルと水中の有機物等が素早く反応し、十
分に難分解性の有機物の分解除去と殺菌が行われる。そ
の後の水は脱オゾン槽55に送られて第8形態で述べた
ように処理される。
【0053】上記第10形態は、被処理水を、オゾン処
理した後、促進酸化処理して水中の有機物を除去し、殺
菌を十分行った後に、オゾン酸化や促進酸化で生成する
ことが予測される臭素酸イオンを、光触媒処理で除去す
る処理システムである。この処理システムを使用するこ
とにより、効率的に殺菌から難分解性有機物の除去まで
行うことができるようになる。
【0054】上記した第10形態のようなシステムによ
り、オゾン投与量とpH第1、第2調整槽60、67の
pHとを監視、制御して被処理水を処理することによ
り、特にオゾン処理と促進酸化処理を行うことにより、
効率的に水中の難分解性の有機物を分解除去し、十分な
殺菌を施すばかりでなく、オゾン処理や促進酸化処理で
生成される臭素酸イオンも完全に分解することができ
る。このため、水質の安全な処理水を得ることができる
ようになる。
【0055】〔実施の第11形態〕図15はこの発明の
実施の第11形態を示すシステム構成図で、この第11
形態は脱炭酸、脱酸素による効率の向上を図ったもので
ある。通常の水には炭酸が溶存しており、pH緩衝作用
を持つため、上記第8から第10形態のようなシステム
でpH調整する際、多量のpH調整試薬を添加する必要
があることが多い。また、促進酸化処理で分解反応の担
い手となるOHラジカルは、反応に選択性がなく、炭酸
などのラジカルスカベンジャーの存在によって無駄に使
用されるため、炭酸の存在は、促進酸化処理の分解効率
を低下させることにつながる。従って、この第11形態
では処理の前段で脱炭酸処理を行い、pH緩衝作用をな
くすことによって、より臭素酸イオン分解反応を進行し
やすくするだけでなく、促進酸化反応の効率も向上させ
ることができる。脱炭酸処理は、pHを必要な値に下
げ、再溶解を防ぐために窒素ガス等で曝気する手段を採
用する。
【0056】図15の第11形態において、第8形態か
ら第10形態と同一部分には同一符号を付して、その詳
細な説明を省略して述べる。図15において、流入口5
1からの被処理水がpH第1調整槽60に流入される
と、pH調整試薬第1注入ポンプ61より試薬が、第1
調整槽60に投与され、脱炭素に必要なpHに調整され
る。pH値が適正かどうかは、常にpHセンサ62によ
って監視され、その監視信号はコントローラ59に送ら
れてpH調整試薬第1注入ポンプ61の投与量を制御す
るのに使用される。
【0057】また、第1調整槽60には、窒素ガスが充
填されたボンベ91から送気された窒素ガスが散気管9
2を通して注入され、溶存されている炭酸が完全に気中
に気散される。脱炭酸された被処理水は、促進酸化処理
槽81に送られる。被処理水には、オゾン発生装置53
により発生したオゾンガスが散気管54から注入される
とともに、促進酸化処理槽81に設置されたUVランプ
83から発せられる紫外線が照射される。これらによ
り、被処理水中のオゾンが分解され、オゾンよりも酸化
力の強いOHラジカルが生成される。OHラジカルと被
処理水中の有機物等が素早く反応し、十分な難分解性有
機物の除去と殺菌が行われる。このとき、被処理水中に
臭化物イオンが含まれると、臭素酸イオンが生成される
けれども、この臭素酸イオンは前述した各実施の形態に
より分解されるので、問題はない。上記のようにして被
処理水中の有機物除去と殺菌が行われた被処理水は、脱
オゾン槽55に送られ、散気管57から注入されるブロ
アやボンベ56からのガスにより水中に残留していたオ
ゾンが除去される。残留オゾンが十分に除去されている
かどうかをDO3センサ58で監視し、その監視信号を
コントローラ59に送ってブロア等の出力をコントロー
ルする。なお、脱オゾン槽55は促進酸化処理槽81の
条件が適切であれば、水中にオゾンが残留しないので、
省略される場合もある。脱オゾンされた被処理水は、光
触媒反応槽63に送られて、上記各実施の形態と同様に
処理され、流出口69から流出する。
【0058】上記した第11形態のようなシステムによ
り、オゾン投与量とpH第1、第2調整槽60、67の
pHとを監視、制御して被処理水を処理することによ
り、効率的に水中の難分解性の有機物を分解除去し、十
分な殺菌を施すばかりでなく、オゾン処理や促進酸化処
理で生成される臭素酸イオンも完全に分解することがで
きる。このため、水質の安全な処理水を得ることができ
るようになる。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
以下のような効果が得られる。 a.光触媒反応により、被処理水中の臭素酸イオンを効
率的かつ安定的に除去することができるとともに、活性
炭処理のような劣化による処理材の交換が不要となるた
めに、維持管理の簡便化を図ることができる。
【0060】b.オゾン投与量とpHとを監視、制御し
て被処理水を処理することにより、効率的に水中の難分
解性の有機物を分解除去し、十分な殺菌を施すばかりで
なく、オゾン処理や促進酸化処理で生成される臭素酸イ
オンも完全に分解することができて、水質の安全な処理
水を得ることができる。
【0061】c.活性炭による方法や、イオン交換法な
どに比較して、比較的低コストで臭素酸イオンを分解す
ることができる。
【0062】d.脱炭酸処理を行うことにより、促進酸
化処理で問題となるラジカルスカベンジャーによる反応
の無駄がなくなるとともに、より効率的に臭素酸イオン
を分解することができる。
【0063】e.既存のオゾン処理システムや促進酸化
処理システムに容易に付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光触媒のエネルギ準位とバンドギャップの説明
図。
【図2】等電点の説明図。
【図3】この発明の実施の第1形態を示す概略構成説明
図。
【図4】臭素酸イオンの分解時間特性図。
【図5】この発明の実施の第2形態を示す概略構成説明
図。
【図6】この発明の実施の第3形態を示す概略構成説明
図。
【図7】この発明の実施の第4形態を示す概略構成説明
図。
【図8】酸素存在条件下と無酸素条件下における臭素酸
イオンの分解速度を比較した特性図。
【図9】この発明の実施の第5形態を示す概略構成説明
図。
【図10】この発明の実施の第6形態を示す概略構成説
明図。
【図11】有機物なし(正孔補足剤なし)と2−プロパ
ノール存在下(正孔補足剤あり)における臭素酸イオン
分解速度を比較した特性図。
【図12】実施の第8形態を示すシステム構成図。
【図13】実施の第9形態を示すシステム構成図。
【図14】実施の第10形態を示すシステム構成図。
【図15】実施の第11形態を示すシステム構成図。
【図16】ジアルジアの殺菌条件と臭素酸イオンの生成
量との関係を示した特性図。
【符号の説明】
11…光触媒反応槽 12…撹拌子 13…マグネティックスターラ 14…光源(ランプ) 15…ランプ保護管 16…ランプ安定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 531 C02F 1/50 531R 531L 540 540A 540B 550 550B 560 560C 1/76 1/76 A Z 1/78 1/78 (72)発明者 佐藤 茂雄 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 久住 美代子 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 Fターム(参考) 4D037 AA01 AB03 AB11 AB14 AB18 BA18 BA23 BB01 BB02 BB04 BB05 BB09 CA09 CA12 CA14 4D050 AA02 AB06 AB12 BB02 BB09 BC04 BC09 BD02 BD06 BD08 CA03 CA07 CA13 4G069 AA01 AA03 BA04B BA48A BB04B BB06B BC12B BC13B BC22B BC35B BC50B BC51B BC60B BC66B CB35 DA06 EA01Y EA11

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 臭素酸イオンを含んだ被処理液中に光触
    媒を投与した後、その光触媒にバンドギャップ以上のエ
    ネルギを有する光線を照射して光触媒反応を生じさせる
    ようにしたことを特徴とする光触媒利用の臭素酸分解方
    法。
  2. 【請求項2】 前記被処理液に酸溶液を注入し、その被
    処理液のpHを光触媒の等電点以下に調整することを特
    徴とする請求項1記載の光触媒利用の臭素酸分解方法。
  3. 【請求項3】 臭素酸イオンを含んだ被処理液が注入さ
    れ、その被処理液中に光触媒を投与するか、予め設けら
    れた光触媒を有し、その光触媒にバンドギャップ以上の
    エネルギを有する光線を照射させて被処理液中で光触媒
    反応を生じさせる光触媒反応槽と、 この光触媒反応槽に被処理液を流入させる前に、被処理
    液にpH調整用の酸溶液を注入混合させる装置とからな
    ることを特徴とする光触媒利用の臭素酸分解装置。
  4. 【請求項4】 前記光触媒反応槽にpH計を設け、この
    pH計からのpH出力信号に応じて前記酸溶液の注入量
    を可変させるようにしたことを特徴とする請求項1記載
    の光触媒利用の臭素酸分解装置。
  5. 【請求項5】 前記光触媒反応槽の前段に酸素を含まな
    いガスで被処理液を曝気する脱酸素部を設けて被処理液
    中の溶存酸素を除去することを特徴とする請求項3およ
    び4記載の光触媒利用の臭素酸分解装置。
  6. 【請求項6】 前記光触媒反応槽と脱酸素部とを一体化
    させることを特徴とする請求項5記載の光触媒利用の臭
    素酸分解装置。
  7. 【請求項7】 前記光触媒反応槽に被処理液を流入させ
    る前に、被処理液に正孔補足剤を注入することを特徴と
    する請求項3、4および5記載の光触媒利用の臭素酸分
    解装置。
  8. 【請求項8】 前記被処理液のpHを4以下にすること
    を特徴とする請求項3から7記載の光触媒利用の臭素酸
    分解装置。
  9. 【請求項9】 臭化物イオン又は臭素酸イオンを含んだ
    被処理液が注入され、その被処理液中の有機物の除去と
    殺菌をオゾン処理にて行うオゾン処理槽と、このオゾン
    処理槽でオゾン処理された被処理液が供給され、この被
    処理液からオゾンを除去する脱オゾン槽と、この脱オゾ
    ン槽でオゾンが除去された被処理液が供給され、その被
    処理液中に光触媒を投与するか、予め設けられた光触媒
    を有し、その光触媒にバンドギャップ以上のエネルギを
    有する光線を照射させて被処理液中で光触媒反応を生じ
    させる光触媒反応槽とからなることを特徴とする光触媒
    利用の臭素酸分解装置。
  10. 【請求項10】 前記光触媒反応槽の被処理液流入側お
    よび処理液放流側にそれぞれ各別にpH調整可能槽を設
    けたことを特徴とする請求項9記載の光触媒利用の臭素
    酸分解装置。
  11. 【請求項11】 臭化物イオン又は臭素酸イオンを含ん
    だ被処理液が注入され、その被処理液中の有機物の除去
    と殺菌を酸化力の強い成分で行う促進酸化処理槽と、こ
    の促進酸化処理槽で有機物の除去と殺菌が行われた被処
    理液が供給され、その被処理液中に光触媒を投与する
    か、予め設けられた光触媒を有し、その光触媒にバンド
    ギャップ以上のエネルギを有する光線を照射させて被処
    理液中で光触媒反応を生じさせる光触媒反応槽とからな
    ることを特徴とする光触媒利用の臭素酸分解装置。
  12. 【請求項12】 前記光触媒反応槽の被処理液流入側お
    よび処理液放流側にそれぞれ各別にpH調整可能槽を設
    けたことを特徴とする請求項11記載の光触媒利用の臭
    素酸分解装置。
  13. 【請求項13】 臭化物イオン又は臭素酸イオンを含ん
    だ被処理液が注入され、その被処理液中の有機物の除去
    と殺菌をオゾン処理にて行うオゾン処理槽と、このオゾ
    ン処理槽でオゾン処理された被処理液が供給され、その
    被処理液中の有機物の除去と殺菌を酸化力の強い成分で
    行う促進酸化処理槽と、この促進酸化処理槽で有機物の
    除去と殺菌が行われた被処理液が供給され、その被処理
    液中に光触媒を投与するか、予め設けられた光触媒を有
    し、その光触媒にバンドギャップ以上のエネルギを有す
    る光線を照射させて被処理液中で光触媒反応を生じさせ
    る光触媒反応槽とからなることを特徴とする光触媒利用
    の臭素酸分解装置。
  14. 【請求項14】 前記光触媒反応槽の被処理液流入側お
    よび処理液放流側にそれぞれ各別にpH調整可能槽を設
    けたことを特徴とする請求項13記載の光触媒利用の臭
    素酸分解装置。
  15. 【請求項15】 臭化物イオン又は臭素酸イオンを含ん
    だ被処理液が注入され、脱炭酸に必要なpHに調整され
    るとともに、脱炭酸に必要なガスが注入される脱炭酸処
    理槽と、この脱炭酸処理槽で脱炭酸された被処理液が供
    給され、その被処理液中の有機物の除去と殺菌を酸化力
    の強い成分で行う促進酸化処理槽と、この促進酸化処理
    槽で有機物の除去と殺菌が行われた被処理液が供給さ
    れ、その被処理液中に光触媒を投与するか、予め設けら
    れた光触媒を有し、その光触媒にバンドギャップ以上の
    エネルギを有する光線を照射させて被処理液に光触媒反
    応を生じさせる光触媒反応槽とからなることを特徴とす
    る光触媒利用の臭素酸分解装置。
  16. 【請求項16】 前記光触媒反応槽に脱酸素のためのガ
    スを曝気させることを特徴とする請求項9から請求項1
    5記載の光触媒利用の臭素酸分解装置。
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