JP2000077752A - 光触媒励起装置 - Google Patents

光触媒励起装置

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JP2000077752A
JP2000077752A JP10242403A JP24240398A JP2000077752A JP 2000077752 A JP2000077752 A JP 2000077752A JP 10242403 A JP10242403 A JP 10242403A JP 24240398 A JP24240398 A JP 24240398A JP 2000077752 A JP2000077752 A JP 2000077752A
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layer
optical waveguide
light
waveguide layer
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Shinichi Mizuno
真一 水野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光源からの光パワーを有効に利用
して、光触媒作用を安定且つ高効率に発揮させると共
に、使用範囲の制限を招く光源の独立した設置スペース
を不要とし、紫外光等の照射による人体ヘの悪影響を防
止することができる光触媒励起装置を提供することを目
的とする。 【解決手段】 不透明なセラミック基板22上に、光触
媒の励起光の波長よりも厚いバッファ層24、PMMA
光導波路層26、光触媒の励起光の波長よりも薄い非酸
化性樹脂からなるバッファ層28、及びアナターゼ型の
TiO2 光触媒層30が順に積層され、このTiO2
触媒層30上に、GaN半導体レーザ32、コリメータ
レンズ34、及びプリズム36が設置されている。Ga
N半導体レーザ32から出射された光触媒の励起光がP
MMA光導波路層26内に入射されて伝搬する際、その
漏洩光がTiO2 光触媒層30を裏面全体から照射す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒励起装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から光の照射によって触媒作用を発
揮する光触媒材料として、二酸化チタン、酸化タングス
テン、酸化バナジウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、
硫化亜鉛、酸化錫が知られているが、その優れた酸化分
解機能、防汚機能、親水機能などから、近年特に二酸化
チタン(TiO2 )が注目されている。このような光触
媒材料を用いた光触媒励起装置は、その用途に応じて種
々の構造をとるが、一般には、図6に示されるように、
例えばタイル、ガラス、プラスチック等からなる基板8
0上に、TiO2 光触媒層82を形成し、その上方から
例えば紫外線等の光触媒の励起光84が照射されるよう
になっている。
【0003】そして、TiO2 光触媒層82が光触媒の
励起光84によって照射されると、光電効果によって電
子が励起され、電子と正孔(ホール)が発生し、TiO
2 光触媒層82表面に移動する。電子は空気中の酸素を
還元してスーパーオキサイドイオン(O2 - )に変え、
正孔は表面の水分(吸着水)を分解して水酸基ラジカル
(・OH)に変える。これらのスーパーオキサイドイオ
ンと水酸基ラジカルは活性酸素種と呼ばれ、強力な酸化
作用を示す。
【0004】このため、TiO2 光触媒層82に有機系
の汚れが付着すると、スーパーオキサイドイオンが有機
化合物の炭素を奪い、水酸基ラジカルが有機化合物の水
素を奪って分解する。このようにバラバラになった炭素
と水素はそれぞれ酸化されて二酸化炭素と水に変化す
る。こうして、有機物の酸化分解機能、防汚機能が発揮
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の光触媒励起
装置においては、TiO2 光触媒層82を照射する光触
媒の励起光84として、例えば紫外線を含む太陽光や室
内光、又は専用の人工光源から出射された紫外線等が使
用される。このように、いずれの場合も光触媒励起装置
の外部に分離して配置された光源が使用されているた
め、光源とTiO2 光触媒層82との間に存在する空気
や水などの媒質によって光触媒の励起光84が光吸収さ
れたり、光散乱されたりして、TiO2 光触媒層82に
到達するまでに光触媒の励起光84が減衰してしまう恐
れがある。従って、光源からの光パワーを有効に利用す
ることができないという問題があった。
【0006】また、例えば光触媒の励起光84として太
陽光を利用する場合、屋外においては天候によって太陽
光の照射強度が大きく左右され、屋内においては太陽光
が遮蔽されるか又は減少することから、TiO2 光触媒
層82における光触媒作用が安定して発揮されないとい
う問題があった。
【0007】また、例えば光触媒の励起光84の光源と
して蛍光ランプのような指向性のない光源を使用する場
合には、TiO2 光触媒層82を照射しないで散逸して
しまう光があるため、光源からの光パワーを有効に利用
することができないという問題があった。他方、半導体
レーザやLED(Light Emitting Diode;発光ダイオー
ド)のように指向性の高い光源を使用する場合において
も、光源の照射領域とTiO2 光触媒層82の設置位置
とが一致しないときは、TiO2 光触媒層82以外の領
域に光源からの照射光が散逸してしまうために、やはり
光源からの光パワーを有効に利用することができないと
いう問題があった。
【0008】また、例えば光触媒の励起光84の光源と
して紫外光源を使用する場合には、TiO2 光触媒層8
2以外に向かう紫外光が眼や皮膚等を照射する恐れがあ
り、人体ヘの影響、特に皮膚癌の発生原因となることが
心配される。特に、テレビのブラウン管面や自動車のフ
ロントガラスやのように人が見たり近くに居る時間が長
いものに光触媒励起装置を用いる場合には、このような
危険性は看過することができない深刻な問題となる。
【0009】また、例えば光触媒の励起光84の光源と
して専用の人工光源を使用する場合には、この光源を独
立して設置するスペースが必要となるため、光触媒励起
装置の使用範囲が制限されるばかりではなく、美感を損
なう恐れがある。
【0010】また、一般にTiO2 光触媒層82はその
厚さが厚い方が触媒の活性度は高いとされるが、光触媒
の励起光84としてTiO2 光触媒層82の光吸収が大
きい波長の光を用いて照射する場合には、TiO2 光触
媒層82の表面から浅い部分で吸収されてしまうため
に、深い部分まで均一に励起することができない。ま
た、光触媒の励起光84としてTiO2 光触媒層82の
光吸収が小さい波長の光を用いて照射する場合には、T
iO2 光触媒層82の表面から深い部分まで均一に励起
することができるものの、光吸収が小さいために励起効
率が低くなる。従って、いずれの場合においても、Ti
2 光触媒層82の活性度を高めるためにその厚さを十
分に厚くしても、その厚くしたことを効率的に活用する
ことができないという問題があった。
【0011】そこで本発明は、上記問題点を鑑みてなさ
れたものであり、光源からの光パワーを有効に利用し
て、光触媒作用を安定かつ高効率に発揮させると共に、
使用範囲の制限を招く光源の独立した設置スペースを不
要とし、紫外光等の照射による人体ヘの悪影響を防止す
ることができる光触媒励起装置を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明に係る光触媒励起装置により達成される。即ち、請求
項1に係る光触媒励起装置は、基板と、この基板上に形
成された光導波路層と、この光導波路層内に光触媒の励
起光を出射する光源と、光導波路層上に形成された光触
媒層とを有し、光源から出射された光触媒の励起光が光
導波路層内を伝搬する際に、光導波路層からの漏洩光に
よって光触媒層が活性化される光触媒励起装置であっ
て、光源が光導波路層の端面に密着して設置されている
ことを特徴とする。このように請求項1に係る光触媒励
起装置においては、基板上に光導波路層が形成され、こ
の光導波路層上に光触媒層が形成されていることによ
り、基板として光触媒の励起光を透過し且つ表面が光触
媒の励起光の波長のオーダーで平滑なものを用いれば、
基板と光導波路層と光触媒層と光触媒層とからなる積層
構造と更に光触媒層に接する空気層によって多モードの
4層構造ステップ型スラブ光導波路とみなされることか
ら、光源から光導波路層内に入射された光触媒の励起光
は光導波路層内を伝搬すると共に、その際に光導波路層
から漏洩して光触媒層を裏面全体から照射し、更にその
照射光は光触媒層内を長い距離にわたって透過していく
ため、光触媒層はその全体において高効率に活性化され
る。
【0013】また、光源が光導波路層の端面に密着して
設置されていることにより、光源から出射された光触媒
の励起光は無駄なく光導波路層内に入射されると共に、
光源と光触媒層との間に空気や水などの媒質が存在せ
ず、こうした媒質による光吸収や光散乱のために生じる
光量ロスもないために、光源からの光パワーが極めて有
効に利用される。また、光触媒の励起光が伝搬する光導
波路層の材料として、光触媒の励起光の光吸収の小さな
ものを選択すれば、この光導波路層における光吸収によ
る光量ロスも低減される。
【0014】また、光触媒の励起光として太陽光を利用
する場合のように外部環境によって左右されることはな
く、光触媒層における光触媒作用が安定して発揮され
る。
【0015】また、光触媒の励起光として紫外光を使用
する場合であっても、光源から光導波路層を経て光触媒
層に至る過程は光触媒の励起光が装置内に閉じ込められ
る構造となっており、光触媒層の表面に付着した塵など
による散乱光以外には励起光が外部に漏れることはなく
なるため、たとえテレビのブラウン管面や自動車のフロ
ントガラスやのように人が見たり近くに居る時間が長い
ものに光触媒励起装置を用いても、人体に悪影響を及ぼ
し、特に皮膚癌の発生原因となるという心配はなくな
る。
【0016】また、光源は光導波路層の端面に密着して
設置され、装置としては基板や光触媒層等と一体になっ
ていることから、光源を独立して設置するスペースが不
必要となり、装置全体としても小型化されるため、光触
媒励起装置の使用範囲が拡大されると共に、美感を損な
う恐れも殆どなくなる。
【0017】また、請求項2に係る光触媒励起装置は、
基板と、この基板上に形成された光導波路層と、この光
導波路層内に光触媒の励起光を出射する光源と、光導波
路層上に形成された光触媒層とを有し、光源から出射さ
れた光触媒の励起光が光導波路層内を伝搬する際に、光
導波路層からの漏洩光によって光触媒層が活性化される
光触媒励起装置であって、光源が光触媒層上に設置され
ており、この光源から出射された光触媒の励起光が光源
に隣接して光触媒層上に設置されているプリズムを介し
て光導波路層内に入射されることを特徴とする。このよ
うに請求項2に係る光触媒励起装置においては、基板上
に光導波路層及び光触媒層が順に積層されていることに
より、上記請求項1に係る光触媒励起装置の場合と同様
に、基板として光触媒の励起光を透過し且つ表面が光触
媒の励起光の波長のオーダーで平滑なものを用いれば、
光源から光導波路層内に入射された光触媒の励起光が光
導波路層内を伝搬すると共に、その際に光導波路層から
漏洩して光触媒層を裏面全体から照射し、更にその照射
光は光触媒層内を長い距離にわたって透過していくた
め、光触媒層はその全体において高効率に活性化され
る。
【0018】また、光源が光触媒層上に設置されてお
り、この光源から出射された光触媒の励起光が光源に隣
接して光触媒層上に設置されているプリズムを介して光
導波路層内に入射されることにより、上記請求項1に係
る光触媒励起装置の場合と同様に、光源から出射された
光触媒の励起光は無駄なく光導波路層内に入射されると
共に、光源と光触媒層との間に光吸収や光散乱の原因と
なる空気や水などの媒質が殆ど存在せず、光導波路層の
材料として光触媒の励起光の光吸収の小さなものを選択
することが可能なため、光源からの光パワーが極めて有
効に利用され、また太陽光の場合のように外部環境によ
って左右されることはないため、光触媒層における光触
媒作用が安定して発揮され、また紫外光などの励起光が
外部に漏れることは殆どないため、人体ヘの悪影響の心
配はなく、また光源を独立して設置するスペースが不必
要となり、装置の小型化も図れるため、光触媒励起装置
の使用範囲が拡大され、美感を損なう恐れも殆どなくな
る。
【0019】また、請求項3に係る光触媒励起装置は、
基板と、この基板上に形成された光導波路層と、この光
導波路層内に光触媒の励起光を出射する光源と、光導波
路層上に形成された光触媒層とを有し、光源から出射さ
れた光触媒の励起光が光導波路層内を伝搬する際に、光
導波路層からの漏洩光によって光触媒層が活性化される
光触媒励起装置であって、光源が基板の端面にプリズム
を介して密着して設置されており、光源から出射された
光触媒の励起光がプリズムを介して光導波路層内に入射
されることを特徴とする。このように請求項3に係る光
触媒励起装置においては、基板上に光導波路層及び光触
媒層が順に積層されていることにより、上記請求項1に
係る光触媒励起装置の場合と同様に、基板として光触媒
の励起光を透過し且つ表面が光触媒の励起光の波長のオ
ーダーで平滑なものを用いれば、光源から光導波路層内
に入射された光触媒の励起光が光導波路層内を伝搬する
と共に、その際に光導波路層から漏洩して光触媒層を裏
面全体から照射し、更にその照射光は光触媒層内を長い
距離にわたって透過していくため、光触媒層はその全体
において高効率に活性化される。
【0020】また、光源が基板の端面にプリズムを介し
て密着して設置されており、光源から出射された光触媒
の励起光がプリズムを介して光導波路層内に入射される
ことにより、上記請求項1に係る光触媒励起装置の場合
と同様に、光源から出射された光触媒の励起光は無駄な
く光導波路層内に入射されると共に、光源と光触媒層と
の間に光吸収や光散乱の原因となる空気や水などの媒質
が存在せず、光導波路層の材料として光触媒の励起光の
光吸収の小さなものを選択することが可能なため、光源
からの光パワーが極めて有効に利用され、また太陽光の
場合のように外部環境によって左右されることはないた
め、光触媒層における光触媒作用が安定して発揮され、
また紫外光などの光触媒の励起光が外部に漏れることは
ないため、人体ヘの悪影響の心配はなく、また光源を独
立して設置するスペースが不必要となり、装置の小型化
も図れるため、光触媒励起装置の使用範囲が拡大され、
美感を損なう恐れも殆どなくなる。
【0021】また、請求項4に係る光触媒励起装置は、
上記請求項2又は3に係る光触媒励起装置において、基
板、光導波路層、又は光触媒層にグレーティングが形成
されており、光源から出射された光触媒の励起光がこの
グレーティングによって回折されて光導波路層内に入射
される構成とすることにより、光源から出射された光触
媒の励起光が光触媒層上方から光触媒層を通過して光導
波路層内に入射される場合であっても、基板の端面から
基板を通過して光導波路層内に入射される場合であって
も、容易に且つ安定的に光源からの光触媒の励起光が光
導波路層内に導入される。なお、ここで、「基板、光導
波路層、又は光触媒層にグレーティングが形成され」と
は、これらの各層自体にグレーティングが形成されてい
る場合とこれらの各層の界面にグレーティングが形成さ
れている場合の両方が含まれているものとする。
【0022】また、請求項5に係る光触媒励起装置は、
上記請求項1〜3のいずれかに係る光触媒励起装置にお
いて、光源が半導体レーザ又は発光ダイオードである構
成とすることにより、半導体レーザ又は発光ダイオード
からは指向性の高い光が出射されると共に、こうした光
源の設置位置及びその設置方向を入射対象となる光導波
路層に対して高精度に調整することが可能であるため、
光触媒の励起光が光導波路層内に容易に且つ安定して効
率的に入射され、その光パワーが有効に利用される。し
かも、このとき、光触媒の励起光を光導波路層内に集中
して伝搬させ、その漏洩光によって光触媒層を照射する
ことから、従来のように光触媒層の表面に直接に照射す
る場合と比較して照明強度が強くなるため、半導体レー
ザや発光ダイオードのように光パワーの小さい光源であ
っても、光導波路層は高効率に活性化される。
【0023】また、請求項6に係る光触媒励起装置は、
基板と、この基板上に形成された光導波路層と、この光
導波路層内に光触媒の励起光を出射する光源と、光導波
路層上に形成された光触媒層とを有し、光源から出射さ
れた光触媒の励起光が光導波路層内を伝搬する際に、光
導波路層からの漏洩光によって光触媒層が活性化される
光触媒励起装置であって、光触媒の励起光を透過し且つ
光導波路層よりも屈折率の小さい第1のバッファ層が、
基板と光導波路層との間に介在していることを特徴とす
る。このように請求項6に係る光触媒励起装置によれ
ば、光触媒の励起光を透過し且つ光導波路層よりも屈折
率の小さい第1のバッファ層が基板と光導波路層との間
に介在していることにより、たとえ基板が光触媒の励起
光を透過しない不透明なものであっても、また基板の表
面が光触媒の励起光の波長のオーダーで平滑でない場合
であっても、この第1のバッファ層と光導波路層と光触
媒層とからなる積層構造と更に光触媒層に接する空気層
によって多モードの4層構造ステップ型スラブ光導波路
とみなされることから、光源から光導波路層内に入射さ
れた光触媒の励起光は光導波路層内を伝搬すると共に、
その際に光導波路層から漏洩して光触媒層を裏面全体か
ら照射し、更にその照射光は光触媒層内を長い距離にわ
たって透過していくため、光触媒層はその全体において
高効率に活性化される。
【0024】また、請求項7に係る光触媒励起装置は、
上記請求項6に係る光触媒励起装置において、基板、第
1のバッファ層、光導波路層、又は光触媒層にグレーテ
ィングが形成されており、光源から出射された光触媒の
励起光がこのグレーティングによって回折されて光導波
路層内に入射される構成とすることにより、光源から出
射された光触媒の励起光が光触媒層上方から光触媒層を
通過して光導波路層内に入射される場合であっても、基
板の端面から基板を通過して光導波路層内に入射される
場合であっても、光触媒の励起光が容易に且つ安定的に
光導波路層内に導入される。なお、ここで、「基板、第
1のバッファ層、光導波路層、又は光触媒層にグレーテ
ィングが形成され」とは、これらの各層自体にグレーテ
ィングが形成されている場合とこれらの各層の界面にグ
レーティングが形成されている場合の両方が含まれてい
るものとする。
【0025】また、請求項8に係る光触媒励起装置は、
基板と、この基板上に形成された光導波路層と、この光
導波路層内に光触媒の励起光を出射する光源と、光導波
路層上に形成された光触媒層とを有し、光源から出射さ
れた光触媒の励起光が光導波路層内を伝搬する際に、光
導波路層からの漏洩光によって光触媒層が活性化される
光触媒励起装置であって、光触媒の励起光を透過する非
酸化性材料からなる第2のバッファ層が、光導波路層と
光触媒層との間に介在していることを特徴とする。この
ように請求項8に係る光触媒励起装置によれば、光触媒
の励起光を透過する非酸化性材料からなる第2のバッフ
ァ層が光導波路層と光触媒層との間に介在していること
により、たとえ光触媒層として例えばTiO2 光触媒層
のように酸化力が著しく大きいものを用いる場合であっ
ても、光触媒層によって光導波路層が酸化されることが
防止されるため、光触媒励起装置の劣化が防止され、そ
のライフタイムが長くなる。
【0026】また、請求項9に係る光触媒励起装置は、
上記請求項8に係る光触媒励起装置において、基板、光
導波路層、第2のバッファ層、又は光触媒層にグレーテ
ィングが形成されており、光源から出射された光触媒の
励起光がこのグレーティングによって回折されて光導波
路層内に入射される構成とすることにより、光源から出
射された光触媒の励起光が光触媒層上方から光触媒層を
通過して光導波路層内に入射される場合であっても、基
板の端面から基板を通過して光導波路層内に入射される
場合であっても、光源からの光触媒の励起光が容易に且
つ安定的に光導波路層内に導入される。なお、ここで、
「基板、光導波路層、第2のバッファ層、又は光触媒層
にグレーティングが形成され」とは、これらの各層自体
にグレーティングが形成されている場合とこれらの各層
の界面にグレーティングが形成されている場合の両方が
含まれているものとする。
【0027】また、請求項10に係る光触媒励起装置
は、基板と、この基板上に形成された光導波路層と、こ
の光導波路層内に光触媒の励起光を出射する光源と、光
導波路層上に形成された光触媒層とを有し、光源から出
射された光触媒の励起光が光導波路層内を伝搬する際
に、光導波路層からの漏洩光によって光触媒層が活性化
される光触媒励起装置であって、光触媒の励起光を透過
し、光触媒の励起光の波長より薄いか又は同程度の厚さ
をもち、且つ前記光導波路層よりも屈折率の小さい第3
のバッファ層が、光導波路層と光触媒層との間に介在し
ていることを特徴とする。このように請求項10に係る
光触媒励起装置によれば、光触媒の励起光を透過し光触
媒の励起光の波長より薄いか又は同程度の厚さをもつ第
3のバッファ層が光導波路層と光触媒層との間に介在し
ていることにより、この第3のバッファ層が光導波路層
よりも屈折率の小さい場合であっても、光導波路層内を
伝搬する光触媒の励起光が光導波路層と第3のバッファ
層との境界面で全反射されることなく、光導波路層から
第3のバッファ層を介して光触媒層に入射されると共
に、その際に光触媒の励起光の光強度が低下するため、
光触媒層における光吸収が小さくなるため、大面積で厚
さの厚い光触媒層であっても、光触媒層全体が均一に活
性化される。
【0028】しかも、このとき、第3のバッファ層の屈
折率が光導波路層の屈折率よりも小さいことから、第3
のバッファ層を介して光触媒層に入射される光触媒の励
起光の光強度が第3のバッファ層の厚さによって容易に
制御されるために、大面積で厚さの厚い光触媒層全体を
均一に活性化する最適な厚さを選択することが可能にな
る。
【0029】また、請求項11に係る光触媒励起装置
は、上記請求項10に係る光触媒励起装置において、基
板、光導波路層、第3のバッファ層、又は光触媒層にグ
レーティングが形成されており、光源から出射された光
触媒の励起光がこのグレーティングによって回折されて
前記光導波路層内に入射される構成とすることにより、
光源から出射された光触媒の励起光が光触媒層上方から
光触媒層を通過して光導波路層内に入射される場合であ
っても、基板の端面から基板を通過して光導波路層内に
入射される場合であっても、光源からの光触媒の励起光
が容易に且つ安定的に光導波路層内に導入される。な
お、ここで、「基板、光導波路層、第3のバッファ層、
又は光触媒層にグレーティングが形成され」とは、これ
らの各層自体にグレーティングが形成されている場合と
これらの各層の界面にグレーティングが形成されている
場合の両方が含まれているものとする。
【0030】また、請求項12に係る光触媒励起装置
は、上記請求項1〜3、6、8、及び10のいずれかに
係る光触媒励起装置において、光導波路層の厚さが光触
媒層の厚さより厚い構成とすることにより、厚さが相対
的に厚い光導波路層内を伝搬する光触媒の励起光の光量
が相対的に大きくなる一方において、厚さが相対的に薄
い光触媒層に入射される光触媒の励起光の光量が相対的
に小さくなるため、光触媒層における光吸収が小さくな
り、大面積で厚さの厚い光触媒層であっても、光触媒層
全体が均一に活性化される。
【0031】また、請求項13に係る光触媒励起装置
は、上記請求項1〜3、6、8、及び10のいずれかに
係る光触媒励起装置において、光源が出射する光触媒の
励起光の波長が光触媒層のバンドギャップに相当する吸
収端付近の波長である構成とすることにより、光触媒層
に入射される光触媒の励起光の光触媒層における光吸収
が小さくなるため、大面積で厚さの厚い光触媒層であっ
ても、光触媒層全体が均一に活性化される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の実施の形態を説明する。 (第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態に係
る光触媒励起装置を示す断面図である。図1に示される
ように、本実施形態に係る光触媒励起装置10において
は、透明な合成石英基板12上に、Ta2 5 光導波路
層14が形成されており、更にこのTa2 5 光導波路
層14上に、アナターゼ型のTiO2 光触媒層16が形
成されている。また、光源としてのGaN半導体レーザ
18が、その射出開口をTa2 5 光導波路層14の端
面に密着して設置されている。
【0033】ここで、合成石英基板12の屈折率は1.
5、Ta2 5 光導波路層14の屈折率は1.9〜2.
2、TiO2 光触媒層16の屈折率は2.5である。こ
のため、これら合成石英基板12とTa2 5 光導波路
層14とTiO2 光触媒層16とからなる積層構造と更
にこのTiO2 光触媒層16に接する空気層とによって
4層構造ステップ型スラブ光導波路とみなすことができ
る。
【0034】また、TiO2 光触媒層16は、その厚さ
を薄くすると活性度が低下することから、厚くする方が
望ましい。しかし、ゾルゲル法により成膜したTiO2
光触媒層16は超微粒子が堆積されたものであるため、
余り厚くすると光散乱が大きくなり光損失が大きくな
る。従って、TiO2 光触媒層16の厚さは、光散乱を
無視できる程度に厚くする。
【0035】また、Ta2 5 光導波路層14の厚さ
は、TiO2 光触媒層16の厚さよりも厚くする。この
ことにより、Ta2 5 光導波路層14内に光触媒の励
起光を伝搬させる場合に、Ta2 5 光導波路層14に
おける光量が相対的に大きくなる一方において、TiO
2 光触媒層16に入射される光触媒の励起光の光量が相
対的に小さくなる。
【0036】なお、Ta2 5 光導波路層12は、CV
D(Chemical Vapor Deposition )法やスパッタ法を用
いた製膜によって形成する。また、TiO2 光触媒層1
6は、ゾルゲル法等を用いた製膜によって形成する。
【0037】次に、図1に示される光触媒励起装置10
の動作を説明する。Ta2 5 光導波路層14の端面に
密着して設置されているGaN半導体レーザ18から、
TiO2 光触媒層16のバンドギャップに相当する吸収
端付近の波長の光、即ち約400nmの波長の光を光触
媒の励起光として出射し、その射出開口に密着している
Ta2 5 光導波路層14に入射する。このGaN半導
体レーザ18からTa2 5 光導波路層14に入射され
た波長約400nmの光触媒の励起光は、全体が4層構
造ステップ型スラブ光導波路とみなされるTa2 5
導波路層14内を、図1中に矢印で示される方向に伝搬
する。
【0038】Ta2 5 光導波路層14に入射された光
触媒の励起光の伝搬をより具体的に説明すると、次のよ
うになる。即ち、この光触媒の励起光は、TiO2 光触
媒層と外部の空気層の境界面およびTa2 5 光導波路
層と合成石英基板の境界面において全反射を繰り返しな
がら、Ta2 5 光導波路層14内を進行する。また、
このTa2 5 光導波路層14内を伝搬する光触媒の励
起光は、光吸収等による減衰を無視すれば原理的には減
衰がなく、十分に遠くまで透過することが可能である。
そして、その際のTa2 5 光導波路層14からの漏洩
光がTiO2 光触媒層16に入射する。即ち、TiO2
光触媒層16は、Ta2 5 光導波路層14に接する裏
面全体から波長約400nmの光触媒の励起光によって
照射されることになる。こうして、裏面全体から光触媒
の励起光によって照射されたTiO2 光触媒層16は、
この光触媒の励起光を吸収して活性化され、光触媒作用
により有機物の酸化分解機能や防汚機能等を発揮する。
【0039】以上のように本実施形態によれば、TiO
2 光触媒層16がTa2 5 光導波路層14内を伝搬す
る際に漏洩する光触媒の励起光によって裏面全体から照
射されることにより、光触媒の励起光はTiO2 光触媒
層16内を長い距離にわたって透過していくため、Ti
2 光触媒層16をその全体において高効率に活性化す
ることができる。
【0040】なお、このとき、光触媒の励起光がTiO
2 光触媒層16内を透過していく距離は、従来のように
光触媒の励起光が上方からTiO2 光触媒層16にほぼ
垂直に照射する場合と比較すると桁違いに長くなり、T
iO2 光触媒層16における光吸収も大きくなるため、
従来の場合の光触媒の励起光の波長では光吸収が大きく
なり過ぎて、大面積の場合のTiO2 光触媒層16を十
分に活性化することができない恐れがある。しかし、本
実施形態においては、次の2つのことによってこの問題
に対処している。
【0041】即ち、その1つは、Ta2 5 光導波路層
14の厚さをTiO2 光触媒層16の厚さよりも厚くす
ることにより、TiO2 光触媒層16に入射される光触
媒の励起光の光量を相対的に小さくしているため、Ti
2 光触媒層16における光吸収が小さくなり、大面積
で厚さの厚いTiO2 光触媒層16であっても、その全
体を均一且つ高効率に活性化することが可能になる。ま
た、他の1つは、GaN半導体レーザ18から出射する
光触媒の励起光の波長を約400nmに、即ちTiO2
光触媒層16のバンドギャップに相当する吸収端付近の
波長に設定していることにより、TiO2 光触媒層16
における光吸収が小さくなり、大面積で厚さの厚いTi
2 光触媒層16であっても、その全体を均一且つ高効
率に活性化することが可能になる。
【0042】また、Ta2 5 光導波路層14はその膜
厚に反比倒して伝搬光の強度が増大する特徴があること
から、Ta2 5 光導波路層14を介してTiO2 光触
媒層16に入射される光触媒の励起光の光強度は、同じ
光量で従来のようにTiO光触媒層16にほぼ垂直に
入射される場合よりも強くなるため、GaN半導体レー
ザ18のような出力の小さい光源であっても大面積で厚
さの厚いTiO光触媒層16を十分に活性化するこ
とが可能になる。
【0043】また、このGaN半導体レーザ18がTa
2 5 光導波路層14の端面に密着して設置されている
ことにより、GaN半導体レーザ18から出射された指
向性の高い光触媒の励起光は無駄なくTa2 5 光導波
路層14内に入射されると共に、GaN半導体レーザ1
8とTa2 5 光導波路層14との間には空気や水など
の光吸収や光散乱を生じる媒質が存在しないため、こう
した光吸収や光散乱による光量ロスもなく、GaN半導
体レーザ18からの光パワーを極めて有効に利用するこ
とができる。
【0044】同時に、光触媒の励起光として太陽光を利
用する場合のように外部環境によって左右されることは
なく、TiO2 光触媒層16における光触媒作用を安定
して発揮することができる。また、GaN半導体レーザ
18からTa2 5 光導波路層14を経てTiO2 光触
媒層16に至る過程は光触媒の励起光が装置内に閉じ込
められる構造となっているため、TiO2 光触媒層16
の表面に付着した塵などによる散乱光以外には光触媒の
励起光が外部に漏れることはなくなるため、たとえテレ
ビのブラウン管面や自動車のフロントガラスやのように
人が見たり近くに居る時間が長いものに本実施形態に係
る光触媒励起装置10を用いても、人体に悪影響を及ぼ
し、特に皮膚癌の発生原因となるという心配はなくな
る。
【0045】また、光源としてのGaN半導体レーザ1
8がTa2 5 光導波路層14の端面に密着して設置さ
れることにより、例えばテレビのブラウン管面や自動車
のフロントガラスの枠に埋め込むことが可能になり、光
触媒励起装置10としては独立して光源を設置するため
のスペースが不必要となって目立たなくなるため、光触
媒励起装置10が小型化されてその使用範囲を拡大する
ことが可能になると共に、美感を損なう恐れも殆どなく
なる。
【0046】(第2の実施形態)図2は本発明の第2の
実施形態に係る光触媒励起装置を示す断面図である。図
2に示されるように、本実施形態に係る光触媒励起装置
20においては、表面が光触媒の励起光の波長のオーダ
ーで平滑でない不透明なセラミック基板22上に、光触
媒の励起光を透過するパーフルオロ化合物、例えばテト
ラフルオロエチレンとPDD(パーフルオロ−2、2−
ジメチル−1、3−ジオキソール)との重合体(デュポ
ン社製の商品名「テフロンAF」)からなるバッファ層
24が、光触媒の励起光の波長よりも十分に厚く形成さ
れている。こうして、不透明なセラミック基板22の表
面が平滑でなくとも、その上に塗布された透明なバッフ
ァ層24によって平滑な表面が形成されている。
【0047】また、このバッファ層24上には、PMM
A(ポリメチルメタクリレート)からなるPMMA光導
波路層26が形成されており、このPMMA光導波路層
26上には、光触媒の励起光を透過する非酸化性樹脂か
らなるバッファ層28が、光触媒の励起光の波長よりも
十分に薄く形成されている。また、このバッファ層28
上には、アナターゼ型のTiO2 光触媒層30が形成さ
れている。
【0048】なお、このバッファ層28の材料となる非
酸化性樹脂としては、フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂
がある。フッ素系樹脂の例としてはバッファ層24と同
じテトラフルオロエチレンとPDDとの重合体がある。
シリコーン系樹脂としては、例えばオルガノシラン系
(テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシランを主
成分とする)樹脂がある。
【0049】また、光源としてのGaN半導体レーザ3
2が、TiO2 光触媒層30上に設置されている。ま
た、このGaN半導体レーザ32の射出開口に密着し
て、コリメータレンズ34がTiO2 光触媒層30上に
設置されている。更に、このコリメータレンズ34に隣
接して、例えばルチル型TiO2 結晶やGaN結晶から
なるプリズム36がTiO2 光触媒層30上に設置され
ている。
【0050】ここで、バッファ層24の屈折率はPMM
A光導波路層26の屈折率より小さく、PMMA光導波
路層26の屈折率は1.5であり、バッファ層28の屈
折率もPMMA光導波路層26の屈折率より小さく、T
iO2 光触媒層30の屈折率は2.5である。このた
め、これらバッファ層24とPMMA光導波路層26と
バッファ層28とTiO2 光触媒層30とからなる積層
構造と更にこのTiO2光触媒層30に接する空気層と
によって多モードの5層構造ステップ型スラブ光導波路
とみなすことができる。
【0051】また、上記第1の実施形態の場合と同様
に、TiO2 光触媒層30の厚さは、光散乱を無視でき
る程度に厚くする。また、PMMA光導波路層26の厚
さは、TiO2 光触媒層30の厚さよりも厚くする。
【0052】なお、バッファ層24は、パーフルオロ化
合物を溶融して塗布するか、又は溶剤を用いて溶液状に
して塗布した後に、自然乾燥、及びベーキング処理を行
って形成する。また、PMMA光導波路層26は、PM
MAを溶融して塗布するか、又は溶剤を用いて溶液状に
して塗布した後に、自然乾燥、及びベーキング処理を行
って形成する。また、バッファ層28は、例えばオルガ
ノシラン系樹脂を塗布した後に、温度70〜80℃にお
いて熱硬化することによって形成する。また、TiO2
光触媒層30は、TiO2 粒子を接着するバインダとし
て例えばシリコーン系樹脂を使用し、バッファ層28の
場合と同様に、このシリコーン系樹脂を塗布した後に、
温度70〜80℃において熱硬化することによって形成
する。ここで、各膜の塗布は、例えばディップコーティ
ング法やスピンコーティング法、キャスティング法、ラ
ミネーション法などによって行う。
【0053】次に、図2に示される光触媒励起装置20
の動作を説明する。TiO2 光触媒層30上に設置され
ているGaN半導体レーザ32の射出開口から、TiO
2 光触媒層30のバンドギャップに相当する吸収端付近
の波長の光、即ち約400nmの波長の光を光触媒の励
起光として出射し、コリメータレンズ34によって平行
光束にした後、プリズム36に入射する。このプリズム
36は、例えばルチル型TiO2 結晶やGaN結晶から
なり、その屈折率が2.7であることから、プリズム3
6に入射された光触媒の励起光は、図2中の矢印で示さ
れるように屈折され、TiO2 光触媒層30及びバッフ
ァ層28を通過して、PMMA光導波路層26内に入射
される。
【0054】そして、このPMMA光導波路層26内に
入射された波長約400nmの光触媒の励起光は、全体
が5層構造ステップ型スラブ光導波路とみなされるPM
MA光導波路層26内を伝搬する。即ち、光触媒の励起
光は、TiO2 光触媒層と外部の空気層の境界面および
PMMA光導波路層とバッファ層との境界面において全
反射を繰り返しながら、Ta2 5 光導波路層14内を
進行する。ここで、セラミック基板22とPMMA光導
波路層26との間に介在するバッファ層24は、その厚
さが光触媒の励起光の波長よりも十分に厚く、平滑な表
面を有しているため、PMMA光導波路層26との境界
面において光触媒の励起光を全反射する。また、PMM
A光導波路層26とTiO2 光触媒層30との間に介在
するバッファ層28は、その厚さが光触媒の励起光の波
長よりも十分に薄いため、その屈折率がPMMA光導波
路層26の屈折率より小さくても、PMMA光導波路層
26との境界面において光触媒の励起光を全反射するこ
となく、光触媒の励起光を通過させる。
【0055】このように光触媒の励起光がPMMA光導
波路層26内を伝搬する際に、その漏洩光がTiO2
触媒層30に入射する。即ち、TiO2 光触媒層30
は、バッファ層28を介してPMMA光導波路層26に
接する裏面全体から波長約400nmの光触媒の励起光
によって照射されることになる。なお、TiO2 光触媒
層30に入射された光触媒の励起光は、TiO2 光触媒
層30と外部の空気層との境界面において全反射され
て、再びTiO2 光触媒層30を透過していく。こうし
て、裏面全体から光触媒の励起光によって照射されたT
iO2 光触媒層30は、この光触媒の励起光を吸収して
活性化され、光触媒作用により有機物の酸化分解機能や
防汚機能等を発揮する。
【0056】以上のように本実施形態によれば、TiO
2 光触媒層30がPMMA光導波路層26内を伝搬する
際に漏洩する光触媒の励起光によって裏面全体から照射
されることにより、光触媒の励起光はPMMA光導波路
層26内を長い距離にわたって透過していくため、Ti
2 光触媒層30をその全体において高効率に活性化す
ることができる。しかも、このとき、PMMA光導波路
層26を介してTiO2 光触媒層30に入射される光触
媒の励起光の光強度は、同じ光量で従来のようにTiO
2 光触媒層30にほぼ垂直に入射される場合よりも強く
なるため、GaN半導体レーザ32のような出力の小さ
い光源であっても大面積で厚さの厚いTiO2 光触媒層
30であっても十分に活性化することが可能になる。
【0057】また、光触媒の励起光を透過し且つPMM
A光導波路層26よりも屈折率の小さいバッファ層24
がセラミック基板22とPMMA光導波路層26との間
に光触媒の励起光の波長よりも十分に厚く形成され、P
MMA光導波路層26との間に平滑な境界面を形成して
いることにより、このバッファ層24やPMMA光導波
路層26を含む積層構造がステップ型スラブ光導波路と
みなされ、PMMA光導波路層26内に入射された光触
媒の励起光をPMMA光導波路層26内に伝搬させるこ
とができるため、セラミック基板22のように光触媒の
励起光を透過しない不透明なものであっても、その表面
が光触媒の励起光の波長のオーダーで平滑でないもので
あっても、基板として使用することが可能になる。
【0058】また、非酸化性樹脂からなるバッファ層2
8がPMMA光導波路層26とTiO2 光触媒層30と
の間に介在していることにより、酸化力が著しく大きい
TiO2 光触媒層30によってPMMA光導波路層26
が酸化されることを防止することができるため、光触媒
励起装置20の劣化を防止して、そのライフタイムを長
くすることができる。
【0059】また、このバッファ層28は、その屈折率
がPMMA光導波路層26の屈折率よりも小さいため、
その厚さを制御することにより、PMMA光導波路層2
6からこのバッファ層28を介してTiO2 光触媒層3
0に入射される光触媒の励起光の光強度、即ち照射強度
を容易に調節することが可能になる。例えばバッファ層
28の厚さを厚くする程TiO2 光触媒層30に入射さ
れる光触媒の励起光の光強度が低下して、TiO2 光触
媒層30における光吸収が小さくなるため、大面積で厚
さの厚いTiO2 光触媒層30であってもその全体を均
一に活性化することができる。従って、光触媒の励起光
の波長よりも薄い範囲においてバッファ層28の厚さを
制御することにより、大面積で厚さの厚いTiO2 光触
媒層30全体を均一に活性化する最適条件を選択するこ
とができる。
【0060】また、上記第1の実施形態の場合と同様
に、PMMA光導波路層26の厚さをTiO2 光触媒層
30の厚さよりも厚くすることにより、また、GaN半
導体レーザ32から出射する光触媒の励起光の波長を約
400nmに、即ちTiO2 光触媒層30のバンドギャ
ップに相当する吸収端付近の波長に設することにより、
TiO2 光触媒層30における光吸収を小さくし、大面
積で厚さの厚いTiO2光触媒層30であっても、その
全体を均一且つ高効率に活性化することを可能にしてい
る。
【0061】また、GaN半導体レーザ32、コリメー
タレンズ34、及びプリズム36が互いに隣接してTi
2 光触媒層30上に設置されていることにより、Ga
N半導体レーザ32から出射された指向性の高い光触媒
の励起光は無駄なくPMMA光導波路層26内に入射さ
れると共に、その間に空気や水などの光吸収や光散乱を
生じる媒質が殆ど存在しないため、こうした光吸収や光
散乱による光量ロスも殆どなく、GaN半導体レーザ3
2からの光パワーを極めて有効に利用することができ
る。
【0062】同時に、上記第1の実施形態の場合と同様
に、光触媒の励起光として太陽光を利用する場合のよう
に外部環境によって左右されることはなく、TiO2
触媒層30における光触媒作用を安定して発揮すること
ができる。また、GaN半導体レーザ32からPMMA
光導波路層26を経てTiO2 光触媒層30に至る過程
において光触媒の励起光が装置外に放射されることは殆
どないため、たとえテレビのブラウン管面や自動車のフ
ロントガラスやのように人が見たり近くに居る時間が長
いものに本実施形態に係る光触媒励起装置20を用いて
も、人体ヘの悪影響、特に皮膚癌の発生原因となるとい
う心配はなくなる。また、GaN半導体レーザ32等が
TiO2 光触媒層30上に設置されていることにより、
光触媒励起装置20としては独立して光源を設置するた
めのスペースが不必要となって目立たなくなるため、光
触媒励起装置20が小型化されてその使用範囲を拡大す
ることが可能になると共に、美感を損なう恐れも殆どな
くなる。
【0063】(第3の実施形態)図3は本発明の第3の
実施形態に係る光触媒励起装置を示す断面図である。な
お、上記図2に示した光触媒励起装置20の構成要素と
同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。図
3に示されるように、本実施形態に係る光触媒励起装置
40においては、上記第2の実施形態に係る光触媒励起
装置20におけるPMMA光導波路層26の代わりに、
例えばフッ化ポリイミドからなるポリイミド光導波路層
が形成されており、これに伴ってバッファ層28が除去
されている点に特徴がある。即ち、表面が光触媒の励起
光の波長のオーダーで平滑でない不透明なセラミック基
板22上に、光触媒の励起光を透過するパーフルオロ化
合物からなるバッファ層24が光触媒の励起光の波長よ
りも十分に厚く形成され、平滑な表面を形成している。
【0064】また、このバッファ層24上には、ポリイ
ミド光導波路層42が形成されており、このポリイミド
光導波路層42上には、光触媒の励起光を透過する非酸
化性樹脂からなるバッファ層28が、光触媒の励起光の
波長よりも十分に薄く形成されている。また、このバッ
ファ層24上には、アナターゼ型のTiO2 光触媒層3
0が形成されている。また、光源としてのGaN半導体
レーザ32が、TiO2 光触媒層30上に設置され、ま
たこのGaN半導体レーザ32の射出開口に密着して、
コリメータレンズ34がTiO2 光触媒層30上に設置
され、更にこのコリメータレンズ34に隣接して、プリ
ズム36がTiO2 光触媒層30上に設置されている。
【0065】ここで、バッファ層24の屈折率はPMM
A光導波路層26の屈折率より小さく、ポリイミド光導
波路層42の屈折率は1.7であり、TiO2 光触媒層
30の屈折率は2.5である。このため、これらバッフ
ァ層24とポリイミド光導波路層42とTiO2 光触媒
層30とからなる積層構造と更にこのTiO2 光触媒層
30に接する空気層とによって多モードの4層構造ステ
ップ型スラブ光導波路とみなすことができる。
【0066】次に、図3に示される光触媒励起装置40
の動作を説明する。TiO2 光触媒層30上に設置され
ているGaN半導体レーザ32の射出開口から、TiO
2 光触媒層30のバンドギャップに相当する吸収端付近
の波長の光、即ち約400nmの波長の光を光触媒の励
起光として出射し、コリメータレンズ34によって平行
光束にした後、プリズム36に入射する。このプリズム
36に入射された光触媒の励起光は、図3中の矢印で示
されるように屈折され、TiO2 光触媒層30を通過し
て、ポリイミド光導波路層42内に入射される。
【0067】そして、このポリイミド光導波路層42内
に入射された波長約400nmの光触媒の励起光は、全
体が多モードの4層構造ステップ型スラブ光導波路とみ
なされるポリイミド光導波路層42内を伝搬する。即
ち、光触媒の励起光は、ポリイミド光導波路層42を上
下に挟むTiO2 光触媒層30とバッファ層24との2
つ境界面において全反射を繰り返しながら、Ta2 5
光導波路層14内を進行する。
【0068】このように光触媒の励起光がポリイミド光
導波路層42内を伝搬する際に、その漏洩光がTiO2
光触媒層30に入射する。即ち、TiO2 光触媒層30
は、ポリイミド光導波路層42に接する裏面全体から波
長約400nmの光触媒の励起光によって照射されるこ
とになる。なお、TiO2 光触媒層30に入射された光
触媒の励起光は、TiO2 光触媒層30と外部の空気層
との境界面において全反射されて、再びTiO2 光触媒
層30を透過していく。こうして、裏面全体から光触媒
の励起光によって照射されたTiO2 光触媒層30は、
この光触媒の励起光を吸収して活性化され、光触媒作用
により有機物の酸化分解機能や防汚機能等を発揮する。
【0069】以上のように本実施形態によれば、上記第
2の実施形態におけるPMMA光導波路層26の代わり
にポリイミド光導波路層42が形成されており、TiO
2 光触媒層30上に設置されているGaN半導体レーザ
32から出射された光触媒の励起光がポリイミド光導波
路層42内を伝搬する際の漏洩光によってTiO2 光触
媒層30がその裏面全体から照射されることにより、上
記第2の実施形態の場合と同様の効果を奏することがで
きる。
【0070】また、上記第2の実施形態におけるPMM
A光導波路層26の耐熱温度が約80℃と低く、高温処
理に耐えられないのに対して、ポリイミド光導波路層4
2の耐熱温度はそれよりも高い約300℃であることか
ら、高温処理にも耐えることができ、且つ不燃性である
ために、TiO2 光触媒層30によって酸化分解される
ことがない。従って、上記第2の実施形態におけるバッ
ファ層28なしにポリイミド光導波路層42上に直接に
TiO2 光触媒層30を形成することが可能になるた
め、本実施形態に係る光触媒励起装置40の構造及びそ
の製造方法を簡略化することができる。また、ポリイミ
ド光導波路層42上にTiO2 光触媒層30を形成する
際、高温処理が可能になることから、TiO2 光触媒層
30を高強度に付着することができるため、光触媒励起
装置40の信頼性を向上させることができる。
【0071】(第4の実施形態)図4は本発明の第4の
実施形態に係る光触媒励起装置を示す断面図である。な
お、上記図2に示した光触媒励起装置20の構成要素と
同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。図
4に示されるように、本実施形態に係る光触媒励起装置
50においては、透明な合成石英基板52上に、PMM
A光導波路層26が形成されており、このPMMA光導
波路層26上には、光触媒の励起光を透過する非酸化性
樹脂からなるバッファ層28が、光触媒の励起光の波長
よりも十分に薄く形成されている。また、このバッファ
層28上には、アナターゼ型のTiO2 光触媒層30が
形成されている。そして、これらのバッファ層28とT
iO2 光触媒層30との境界面の一部には、ブレーズグ
レーティング54が形成されている。
【0072】また、光源としてのLED56がその射出
開口をコリメータレンズ58に密着させて設置されてお
り、また、このコリメータレンズ58がプリズム60に
密着して設置されており、更に、このプリズム60が合
成石英基板52の端面に密着して設置されている。
【0073】ここで、合成石英基板52の屈折率は1.
5であり、PMMA光導波路層26の屈折率は1.5で
あり、バッファ層28の屈折率はPMMA光導波路層2
6の屈折率より小さく、TiO2 光触媒層30の屈折率
は2.5である。このため、これら合成石英基板52と
PMMA光導波路層26とバッファ層28とTiO2
触媒層30とからなる積層構造と更にこのTiO2 光触
媒層30に接する空気層とによって多モードの5層構造
ステップ型スラブ光導波路とみなすことができる。
【0074】また、ブレーズグレーティング54のピッ
チは、LED56から出射された光触媒の励起光がPM
MA光導波路層26側から入射される際に、その入射光
がブレーズグレーティング54によって回折されてTi
2 光触媒層30に入射した後にTiO2 光触媒層30
と空気層との境界面において全反射されること、及びこ
の全反射された光触媒の励起光が再びブレーズグレーテ
ィング54に入射し回折されて、PMMA光導波路層2
6内に入射した後にPMMA光導波路層26と合成石英
基板52との境界面において全反射されることの2つの
条件を満足するものとする。
【0075】なお、ブレーズグレーティング54は、P
MMA光導波路層26を硬化させる前に、バッファ層2
8表面に所定のピッチの凹凸形状を有する型を押し付け
て形成する。
【0076】次に、図4に示される光触媒励起装置50
の動作を説明する。コリメータレンズ58及びプリズム
60を介して合成石英基板52の端面に設置されている
LED56の射出開口から、TiO2 光触媒層30のバ
ンドギャップに相当する吸収端付近の波長の光、即ち約
400nmの波長の光を光触媒の励起光として出射し、
コリメータレンズ58によって平行光束にした後、プリ
ズム60、合成石英基板52、PMMA光導波路層2
6、及びバッファ層28を通過して、バッファ層28と
TiO2 光触媒層30との境界面の一部に形成されてい
るブレーズグレーティング54に入射する。
【0077】そして、このブレーズグレーティング54
に入射された波長約400nmの光触媒の励起光は、ブ
レーズグレーティング54によって回折されてTiO2
光触媒層30に入射し、TiO2 光触媒層30と空気層
との境界面において全反射される。この全反射された光
触媒の励起光は、再びブレーズグレーティング54に入
射し、回折されて、PMMA光導波路層26内に入射
し、全体が多モードの5層構造ステップ型スラブ光導波
路とみなされるPMMA光導波路層26内を伝搬する。
即ち、光触媒の励起光は、PMMA光導波路層26を上
下に挟むTiO2光触媒層30と合成石英基板52との
2つ境界面において全反射を繰り返しながら、Ta2
5 光導波路層14内を進行する。
【0078】このとき、PMMA光導波路層26とTi
2 光触媒層30との間に介在するバッファ層28は、
その厚さが光触媒の励起光の波長よりも十分に薄いた
め、その屈折率がPMMA光導波路層26の屈折率より
小さくても、PMMA光導波路層26との境界面におい
て光触媒の励起光を全反射することなく、光触媒の励起
光を通過させる。
【0079】このように光触媒の励起光がPMMA光導
波路層26内を伝搬する際に、その漏洩光がTiO2
触媒層30に入射する。即ち、TiO2 光触媒層30
は、バッファ層28を介してPMMA光導波路層26に
接する裏面全体から波長約400nmの光触媒の励起光
によって照射されることになる。なお、TiO2 光触媒
層30に入射された光触媒の励起光は、TiO2 光触媒
層30と外部の空気層との境界面において全反射され
て、再びTiO2 光触媒層30を透過していく。こうし
て、裏面全体から光触媒の励起光によって照射されたT
iO2 光触媒層30は、この光触媒の励起光を吸収して
活性化され、光触媒作用により有機物の酸化分解機能や
防汚機能等を発揮する。
【0080】以上のように本実施形態によれば、上記第
2の実施形態の場合と同様に、PMMA光導波路層26
内を伝搬する際に漏洩する光触媒の励起光によってTi
2光触媒層30がその裏面全体から照射されることに
より、上記第2の実施形態の場合と同様の効果を奏する
ことができる。また、このとき、バッファ層28とTi
2 光触媒層30との境界面の一部にブレーズグレーテ
ィング54が形成されていることにより、LED56が
プリズム60等を介して合成石英基板52の端面に設置
されている場合であっても、LED56から出射された
光触媒の励起光はプリズム60を介し更に合成石英基板
52等を通過してブレーズグレーティング54に入射さ
れ、このグレーティング54によって回折されてTiO
2 光触媒層30内に入射されるため、容易に且つ安定的
に光触媒の励起光をTiO2 光触媒層30内に導入し
て、伝搬させることができる。
【0081】なお、本実施形態においては、バッファ層
28とTiO2 光触媒層30との境界面の一部にブレー
ズグレーティング54が形成されているが、この代わり
に、PMMA光導波路層26とバッファ層28との境界
面の一部又は合成石英基板52とPMMA光導波路層2
6との境界面の一部にブレーズグレーティングを形成し
てもよい。また、ブレーズグレーティング62の代わり
にブラッググレーティングを用いてもよい。そして、こ
の場合のブラッググレーティングは、合成石英基板5
2、PMMA光導波路層26、バッファ層2、及びTi
2 光触媒層30のいずれに形成してもよい。
【0082】また、本実施形態においては、コリメータ
レンズ58及びプリズム60を介して合成石英基板52
の端面に設置されているLED56から光触媒の励起光
を出射し、合成石英基板52等を通過してブレーズグレ
ーティング54に入射しているが、上記第2及び第3の
実施形態の場合のように、LEDをコリメータレンズや
プリズムと共にTiO2 光触媒層30上に設置し、LE
Dから出射した光触媒の励起光をTiO2 光触媒層30
の上方からTiO2 光触媒層30を通過させてブレーズ
グレーティング54に入射してもよい。
【0083】(第5の実施形態)図5は本発明の第5の
実施形態に係る光触媒励起装置を示す断面図である。な
お、上記図3及び図4に示した光触媒励起装置30、4
0の構成要素と同一の要素には同一の符号を付して説明
を省略する。図5に示されるように、本実施形態に係る
光触媒励起装置70においては、上記第4の実施形態に
係る光触媒励起装置40におけるPMMA光導波路層2
6の代わりに、例えばフッ化ポリイミドからなるポリイ
ミド光導波路層が形成されており、これに伴ってバッフ
ァ層28が除去されている点に特徴がある。
【0084】即ち、透明な合成石英基板52上に、ポリ
イミド光導波路層42が形成されており、このポリイミ
ド光導波路層42上には、アナターゼ型のTiO2 光触
媒層30が形成されている。そして、これらのポリイミ
ド光導波路層42とTiO2光触媒層30との境界面の
一部には、ブレーズグレーティング72が形成されてい
る。また、光源としてのLED56がその射出開口をコ
リメータレンズ58に密着させて設置されており、ま
た、このコリメータレンズ58がプリズム60に密着し
て設置されており、更に、このプリズム60が合成石英
基板52の端面に密着して設置されている。
【0085】ここで、合成石英基板52の屈折率は1.
5であり、ポリイミド光導波路層42の屈折率は1.7
であり、TiO2 光触媒層30の屈折率は2.5であ
る。このため、これら合成石英基板52とポリイミド光
導波路層42とTiO2 光触媒層30とからなる積層構
造と更にこのTiO2 光触媒層30に接する空気層とに
よって4層構造ステップ型スラブ光導波路とみなすこと
ができる。
【0086】また、ブレーズグレーティング72のピッ
チは、LED56から出射された光触媒の励起光がポリ
イミド光導波路層42側から入射される際に、その入射
光がブレーズグレーティング72によって回折されてT
iO2 光触媒層30に入射した後にTiO2 光触媒層3
0と空気層との境界面において全反射されること、及び
この全反射された光触媒の励起光が再びブレーズグレー
ティング72に入射し回折されて、ポリイミド光導波路
層42内に入射した後にポリイミド光導波路層42と合
成石英基板52との境界面において全反射されることの
2つの条件を満足するものとする。
【0087】なお、ブレーズグレーティング72は、ポ
リイミド光導波路層42を硬化させる前に、ポリイミド
光導波路層42の表面に所定のピッチの凹凸形状を有す
る型を押し付けて形成する。
【0088】次に、図5に示される光触媒励起装置70
の動作を説明する。コリメータレンズ58及びプリズム
60を介して合成石英基板52の端面に設置されている
LED56の射出開口から、TiO2 光触媒層30のバ
ンドギャップに相当する吸収端付近の波長の光、即ち約
400nmの波長の光を光触媒の励起光として出射し、
コリメータレンズ58によって平行光束にした後、プリ
ズム60、合成石英基板52、及びポリイミド光導波路
層42を通過して、ポリイミド光導波路層42とTiO
2 光触媒層30との境界面の一部に形成されているブレ
ーズグレーティング72に入射する。
【0089】そして、このブレーズグレーティング72
に入射された波長約400nmの光触媒の励起光は、ブ
レーズグレーティング72によって回折されてポリイミ
ド光導波路層42内に入射され、全体が多モードの4層
構造ステップ型スラブ光導波路とみなされるポリイミド
光導波路層42内を伝搬する。即ち、光触媒の励起光
は、ポリイミド光導波路層42を上下に挟むTiO2
触媒層30と合成石英基板52との2つ境界面において
全反射を繰り返しながら、ポリイミド光導波路層42内
を進行する。
【0090】このように光触媒の励起光がポリイミド光
導波路層42内を伝搬する際に、その漏洩光がTiO2
光触媒層30に入射する。即ち、TiO2 光触媒層30
は、ポリイミド光導波路層42に接する裏面全体から波
長約400nmの光触媒の励起光によって照射されるこ
とになる。なお、TiO2 光触媒層30に入射された光
触媒の励起光は、TiO2 光触媒層30と外部の空気層
との境界面において全反射されて、再びTiO2 光触媒
層30を透過していく。こうして、裏面全体から光触媒
の励起光によって照射されたTiO2 光触媒層30は、
この光触媒の励起光を吸収して活性化され、光触媒作用
により有機物の酸化分解機能や防汚機能等を発揮する。
【0091】以上のように本実施形態によれば、上記第
4の実施形態におけるPMMA光導波路層26の代わり
に、耐熱温度が高くて高温処理に耐えることができ、且
つ不燃性であるポリイミド光導波路層42が形成されて
おり、このポリイミド光導波路層42内を伝搬する際に
漏洩する光触媒の励起光によってTiO2 光触媒層30
がその裏面全体から照射されることにより、上記第3の
実施形態の場合と同様の効果を奏することができる。ま
た、このとき、ポリイミド光導波路層42とTiO2
触媒層30との境界面の一部にブレーズグレーティング
72が形成されていることにより、上記第4の実施形態
の場合と同様に、容易に且つ安定的に光触媒の励起光を
TiO2 光触媒層30内に導入して、伝搬させることが
できる。
【0092】なお、本実施形態においては、ポリイミド
光導波路層42とTiO2 光触媒層30との境界面の一
部にブレーズグレーティング72が形成されているが、
その代わりに、合成石英基板52とポリイミド光導波路
層42との境界面の一部にブレーズグレーティングを形
成してもよい。また、ブレーズグレーティング72の代
わりにブラッググレーティングを用いてもよい。その場
合、ブラッググレーティングは、合成石英基板52、ポ
リイミド光導波路層42、及びTiO2 光触媒層30の
いずれに形成してもよい。
【0093】また、本実施形態においては、コリメータ
レンズ58及びプリズム60を介して合成石英基板52
の端面に設置されているLED56から光触媒の励起光
を出射し、合成石英基板52等を通過してブレーズグレ
ーティング72に入射しているが、上記第2及び第3の
実施形態の場合のように、LEDをコリメータレンズや
プリズムと共にTiO2 光触媒層30上に設置し、LE
Dから出射した光触媒の励起光をTiO2 光触媒層30
の上方からTiO2 光触媒層30を通過させてブレーズ
グレーティング72に入射してもよい。
【0094】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明に係
る光触媒励起装置によれば、次のような効果を奏するこ
とができる。即ち、請求項1に係る光触媒励起装置によ
れば、基板上に光導波路層及び光触媒層が順に積層さ
れ、光導波路層の端面に密着して光源が設置されている
ことにより、光源から光導波路層内に入射された光触媒
の励起光が光導波路層内を伝搬する際の漏洩光によって
光触媒層全体を高効率に活性化すると共に、その際に光
源から出射された光触媒の励起光は無駄なく光導波路層
内に入射され、空気や水などの媒質による光吸収や光散
乱のために生じる光量ロスもないために、光源からの光
パワーを極めて有効に利用することができる。また、太
陽光を利用する場合のように外部環境によって左右され
ることもないため、光触媒層における光触媒作用を安定
して発揮することができる。また、紫外光を使用する場
合であっても、装置の外に漏れることはないため、人体
ヘの影響、特に皮膚癌の発生原因となることを防止する
ことができる。また、光源を独立して設置するスペース
が不必要となるため、光触媒励起装置の使用範囲を拡大
することができると共に、美感を損なうことを防止する
ことができる。
【0095】また、請求項2に係る光触媒励起装置によ
れば、基板上に光導波路層及び光触媒層が順に積層さ
れ、光触媒層上に設置された光源から出射された光が光
源に隣接して光触媒層上に設置されているプリズムを介
して光導波路層内に入射されることにより、光源から光
導波路層内に入射された光触媒の励起光が光導波路層内
を伝搬する際の漏洩光によって光触媒層全体を高効率に
活性化すると共に、その際に光源から出射された光触媒
の励起光は無駄なく光導波路層内に入射され、空気や水
などの媒質による光吸収や光散乱のために生じる光量ロ
スも殆どないために、光源からの光パワーを極めて有効
に利用することができる。また、太陽光を利用する場合
のように外部環境によって左右されることもないため、
光触媒層における光触媒作用を安定して発揮することが
できる。また、紫外光を使用する場合であっても、装置
の外に漏れることは殆どないため、人体ヘの影響、特に
皮膚癌の発生原因となることを防止することができる。
また、光源を独立して設置するスペースが不必要となる
ため、光触媒励起装置の使用範囲を拡大することができ
ると共に、美感を損なうことを防止することができる。
【0096】また、請求項3に係る光触媒励起装置によ
れば、基板上に光導波路層及び光触媒層が順に積層さ
れ、基板の端面にプリズムを介して密着して設置された
光源から出射された光がプリズムを介して光導波路層内
に入射されることにより、光源から光導波路層内に入射
された光触媒の励起光が光導波路層内を伝搬する際の漏
洩光によって光触媒層全体を高効率に活性化すると共
に、その際に光源から出射された光触媒の励起光は無駄
なく光導波路層内に入射され、空気や水などの媒質によ
る光吸収や光散乱のために生じる光量ロスもないため
に、光源からの光パワーを極めて有効に利用することが
できる。また、太陽光を利用する場合のように外部環境
によって左右されることもないため、光触媒層における
光触媒作用を安定して発揮することができる。また、紫
外光を使用する場合であっても、装置の外に漏れること
はないため、人体ヘの影響、特に皮膚癌の発生原因とな
ることを防止することができる。また、光源を独立して
設置するスペースが不必要となるため、光触媒励起装置
の使用範囲を拡大することができると共に、美感を損な
うことを防止することができる。
【0097】また、請求項4に係る光触媒励起装置によ
れば、基板、光導波路層、又は光触媒層にグレーティン
グが形成され、光源から出射された光がこのグレーティ
ングによって回折されて光導波路層内に入射されること
により、光触媒層上に設置された光源から出射された光
が光触媒層上方から光触媒層を通過して光導波路層内に
入射される場合であっても、基板の端面にプリズムを介
して密着して設置された光源から出射された光がプリズ
ムを介し基板を通過して光導波路層内に入射される場合
であっても、容易に且つ安定的に光源からの光触媒の励
起光を光導波路層内に導入することができる。
【0098】また、請求項5に係る光触媒励起装置によ
れば、光源が半導体レーザ又は発光ダイオードであるこ
とにより、指向性の高い光を出射することができると共
に、こうした光源の設置位置及びその設置方向を入射対
象である光導波路層に対して高精度に調整することが可
能であるため、光触媒の励起光を光導波路層内に容易に
且つ安定して効率的に入射し、その光パワーを有効に利
用することができる。しかも、このとき、光触媒の励起
光を光導波路層内に集中して伝搬させ、その漏洩光によ
って光触媒層を照射することから、照明強度が強くなる
ため、半導体レーザや発光ダイオードのように光パワー
の小さい光源であっても、光導波路層を高効率に活性化
することができる。
【0099】また、請求項6に係る光触媒励起装置によ
れば、光触媒の励起光を透過し且つ光導波路層よりも屈
折率の小さい第1のバッファ層が基板と光導波路層との
間に介在していることにより、たとえ基板が光触媒の励
起光を透過しない不透明なものであっても、また基板の
表面が光触媒の励起光の波長のオーダーで平滑でない場
合であっても、この第1のバッファ層と光導波路層と光
触媒層と光触媒層とからなる積層構造と更に光触媒層に
接する空気層によって多モードの4層構造ステップ型ス
ラブ光導波路とみなされることから、光源から光導波路
層内に入射された光触媒の励起光を光導波路層内に伝搬
させることができると共に、その際に光導波路層から漏
洩して光触媒層を裏面全体から照射することによって光
触媒層全体を高効率に活性化することができる。
【0100】また、請求項7に係る光触媒励起装置によ
れば、基板、第1のバッファ層、光導波路層、又は光触
媒層にグレーティングが形成されており、光源から出射
された光がこのグレーティングによって回折されて光導
波路層内に入射されることにより、光源から出射された
光触媒の励起光が光触媒層上方から光触媒層を通過して
光導波路層内に入射される場合であっても、基板の端面
から基板を通過して光導波路層内に入射される場合であ
っても、光源からの光触媒の励起光を容易に且つ安定的
に光導波路層内に導入することができる。
【0101】また、請求項8に係る光触媒励起装置によ
れば、光触媒の励起光を透過する非酸化性材料からなる
第2のバッファ層が光導波路層と光触媒層との間に介在
していることにより、たとえ光触媒層として酸化力が著
しく大きいものを用いる場合であっても、光触媒層によ
って光導波路層が酸化されることを防止することができ
るため、光触媒励起装置の劣化を防止して、そのライフ
タイムを長くすることができる。
【0102】また、請求項9に係る光触媒励起装置によ
れば、基板、光導波路層、第2のバッファ層、又は光触
媒層にグレーティングが形成されており、光源から出射
された光がこのグレーティングによって回折されて光導
波路層内に入射されることにより、光源から出射された
光触媒の励起光が光触媒層上方から光触媒層を通過して
光導波路層内に入射される場合であっても、基板の端面
から基板を通過して光導波路層内に入射される場合であ
っても、光源からの光触媒の励起光を容易に且つ安定的
に光導波路層内に導入することができる。
【0103】また、請求項10に係る光触媒励起装置に
よれば、光触媒の励起光を透過し、光触媒の励起光の波
長より薄いか又は同程度の厚さをもち、且つ前記光導波
路層よりも屈折率の小さい第3のバッファ層が光導波路
層と光触媒層との間に介在していることにより、光導波
路層内を伝搬する光触媒の励起光が光導波路層と第3の
バッファ層との境界面で全反射されることなく第3のバ
ッファ層を介して光触媒層に入射することができると共
に、その際に光触媒の励起光の光強度が低下して、光触
媒層における光吸収が小さくなるため、大面積で厚い光
触媒層であっても、光触媒層全体を均一に活性化するこ
とができる。しかも、第3のバッファ層の厚さによって
第3のバッファ層を介して光触媒層に入射される光触媒
の励起光の光強度を容易に制御することが可能になるた
め、大面積で厚い光触媒層全体を均一に活性化する最適
条件を選択することができる。
【0104】また、請求項11に係る光触媒励起装置に
よれば、基板、光導波路層、第3のバッファ層、又は光
触媒層にグレーティングが形成されており、光源から出
射された光がこのグレーティングによって回折されて前
記光導波路層内に入射されることにより、光源から出射
された光触媒の励起光が光触媒層上方から光触媒層を通
過して光導波路層内に入射される場合であっても、基板
の端面から基板を通過して光導波路層内に入射される場
合であっても、光源からの光触媒の励起光が容易に且つ
安定的に光導波路層内に導入することができる。
【0105】また、請求項12に係る光触媒励起装置に
よれば、光導波路層の厚さが光触媒層の厚さより厚いこ
とにより、厚い光導波路層内を伝搬する光触媒の励起光
の光量が相対的に大きくなる反面、光触媒層に入射され
る光触媒の励起光の光量が相対的に小さくなるため、光
触媒層における光吸収が小さくなり、大面積で厚い光触
媒層であっても、光触媒層全体を均一に活性化すること
ができる。
【0106】また、請求項13に係る光触媒励起装置に
よれば、光源が出射する光触媒の励起光の波長が光触媒
層のバンドギャップに相当する吸収端付近の波長である
ことにより、光触媒層に入射される光触媒の励起光の光
触媒層における光吸収が小さくなるため、大面積で厚い
光触媒層であっても、光触媒層全体を均一に活性化する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光触媒励起装置
を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る光触媒励起装置
を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る光触媒励起装置
を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る光触媒励起装置
を示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る光触媒励起装置
を示す断面図である。
【図6】従来の光触媒励起装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10…光触媒励起装置、12…合成石英基板、14…T
2 5 光導波路層、16…TiO2 光触媒層、18…
GaN半導体レーザ、20…光触媒励起装置、22…セ
ラミック基板、24…バッファ層、26…PMMA光導
波路層、28…バッファ層、30…TiO2 光触媒層、
32…GaN半導体レーザ、34…コリメータレンズ、
36…プリズム、40…光触媒励起装置、42…ポリイ
ミド光導波路層、50…光触媒励起装置、52…合成石
英基板、54…ブレーズグレーティング、56…LE
D、58…コリメータレンズ、60…プリズム、70…
光触媒励起装置、72…ブレーズグレーティング、80
…基板、82…TiO2 光触媒層、84…光触媒の励起
光。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、前記基板上に形成された光導波
    路層と、前記光導波路層内に光触媒の励起光を出射する
    光源と、前記光導波路層上に形成された光触媒層と、を
    有し、前記光源から出射された光触媒の励起光が前記光
    導波路層内を伝搬する際に、前記光導波路層からの漏洩
    光によって前記光触媒層が活性化される光触媒励起装置
    であって、 前記光源が、前記光導波路層の端面に密着して設置され
    ていることを特徴とする光触媒励起装置。
  2. 【請求項2】 基板と、前記基板上に形成された光導波
    路層と、前記光導波路層内に光触媒の励起光を出射する
    光源と、前記光導波路層上に形成された光触媒層と、を
    有し、前記光源から出射された光触媒の励起光が前記光
    導波路層内を伝搬する際に、前記光導波路層からの漏洩
    光によって前記光触媒層が活性化される光触媒励起装置
    であって、 前記光源が、前記光触媒層上に設置されており、前記光
    源から出射された光触媒の励起光が、前記光源に隣接し
    て前記光触媒層上に設置されているプリズムを介して前
    記光導波路層内に入射されることを特徴とする光触媒励
    起装置。
  3. 【請求項3】 基板と、前記基板上に形成された光導波
    路層と、前記光導波路層内に光触媒の励起光を出射する
    光源と、前記光導波路層上に形成された光触媒層と、を
    有し、前記光源から出射された光触媒の励起光が前記光
    導波路層内を伝搬する際に、前記光導波路層からの漏洩
    光によって前記光触媒層が活性化される光触媒励起装置
    であって、 前記光源が、前記基板の端面にプリズムを介して密着し
    て設置されており、前記光源から出射された光触媒の励
    起光が、前記プリズムを介して前記光導波路層内に入射
    されることを特徴とする光触媒励起装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の光触媒励起装置
    において、 前記基板、前記光導波路層、又は前記光触媒層に、グレ
    ーティングが形成されており、前記光源から出射された
    光触媒の励起光が、前記グレーティングによって回折さ
    れて前記光導波路層内に入射されることを特徴とする光
    触媒励起装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、及び3のいずれかに記載
    の光触媒励起装置において、 前記光源が、半導体レーザ又は発光ダイオードであるこ
    とを特徴とする光触媒励起装置。
  6. 【請求項6】 基板と、前記基板上に形成された光導波
    路層と、前記光導波路層内に光触媒の励起光を出射する
    光源と、前記光導波路層上に形成された光触媒層と、を
    有し、前記光源から出射された光触媒の励起光が前記光
    導波路層内を伝搬する際に、前記光導波路層からの漏洩
    光によって前記光触媒層が活性化される光触媒励起装置
    であって、 光触媒の励起光を透過し且つ前記光導波路層よりも屈折
    率の小さい第1のバッファ層が、前記基板と前記光導波
    路層との間に介在していることを特徴とする光触媒励起
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の光触媒励起装置におい
    て、 前記基板、前記第1のバッファ層、前記光導波路層、又
    は前記光触媒層に、グレーティングが形成されており、
    前記光源から出射された光触媒の励起光が、前記グレー
    ティングによって回折されて前記光導波路層内に入射さ
    れることを特徴とする光触媒励起装置。
  8. 【請求項8】 基板と、前記基板上に形成された光導波
    路層と、前記光導波路層内に光触媒の励起光を出射する
    光源と、前記光導波路層上に形成された光触媒層と、を
    有し、前記光源から出射された光触媒の励起光が前記光
    導波路層内を伝搬する際に、前記光導波路層からの漏洩
    光によって前記光触媒層が活性化される光触媒励起装置
    であって、 光触媒の励起光を透過する非酸化性材料からなる第2の
    バッファ層が、前記光導波路層と前記光触媒層との間に
    介在していることを特徴とする光触媒励起装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の光触媒励起装置におい
    て、 前記基板、前記光導波路層、前記第2のバッファ層、又
    は前記光触媒層に、グレーティングが形成されており、
    前記光源から出射された光触媒の励起光が、前記グレー
    ティングによって回折されて前記光導波路層内に入射さ
    れることを特徴とする光触媒励起装置。
  10. 【請求項10】 基板と、前記基板上に形成された光導
    波路層と、前記光導波路層内に光触媒の励起光を出射す
    る光源と、前記光導波路層上に形成された光触媒層と、
    を有し、前記光源から出射された光触媒の励起光が前記
    光導波路層内を伝搬する際に、前記光導波路層からの漏
    洩光によって前記光触媒層が活性化される光触媒励起装
    置であって、 光触媒の励起光を透過し、光触媒の励起光の波長より薄
    いか又は同程度の厚さをもち、且つ前記光導波路層より
    も屈折率の小さい第3のバッファ層が、前記光導波路層
    と前記光触媒層との間に介在していることを特徴とする
    光触媒励起装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の光触媒励起装置にお
    いて、 前記基板、前記光導波路層、前記第3のバッファ層、又
    は前記光触媒層に、グレーティングが形成されており、
    前記光源から出射された光触媒の励起光が、前記グレー
    ティングによって回折されて前記光導波路層内に入射さ
    れることを特徴とする光触媒励起装置。
  12. 【請求項12】 請求項1、2、3、6、8、及び10
    のいずれかに記載の光触媒励起装置において、 前記光導波路層の厚さが、前記光触媒層の厚さより厚い
    ことを特徴とする光触媒励起装置。
  13. 【請求項13】 請求項1、2、3、6、8、及び10
    のいずれかに記載の光触媒励起装置において、 前記光源が出射する光触媒の励起光の波長が、前記光触
    媒層のバンドギャップに相当する吸収端付近の波長であ
    ることを特徴とする光触媒励起装置。
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