JP2000074572A - セラミック製焼成用治具及びその製造方法 - Google Patents

セラミック製焼成用治具及びその製造方法

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JP2000074572A JP10244471A JP24447198A JP2000074572A JP 2000074572 A JP2000074572 A JP 2000074572A JP 10244471 A JP10244471 A JP 10244471A JP 24447198 A JP24447198 A JP 24447198A JP 2000074572 A JP2000074572 A JP 2000074572A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セッターや被焼成物を均一に加熱でき、セッ
ターや被焼成物との反応を防ぎ、省エネルギー化が可能
であって、被焼成物からの脱バインダーが容易なセラミ
ック製焼成用治具を提供する。 【解決手段】 上端縁部及び下端縁部にそれぞれ切欠部
5を有する平行な2枚のセラミック側板1と、2枚のセ
ラミック側板1の間に並列し且つ両端部が各セラミック
側板1の支持孔3a内に固着された複数のセラミック棒
2とを備える。セラミック側板1の切欠部5は、矩形の
セラミック平板3の上端縁と下端縁にそれぞれ2個以上
のセラミック板片4を無機接着剤で焼成固着して形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック電子部
品などを焼成する際に、被焼成物を載せたセラミックセ
ッターを保持するために使用するセラミック製の焼成用
治具、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、セラミックコンデンサ、アル
ミナ基板、フェライト、圧電素子、サーミスタ、バリス
タ、ICのラミネートパッケージなどのセラミック電子
部品を焼成する場合、セラミック製の台盤などの窯道具
又は治具の上にセラミック製のセッターを載せ、このセ
ラミックセッターの上に被焼成物を載置して焼成を行っ
ている。
【0003】上記台盤などの焼成用治具は、Al2
3質、SiC質、ZrO2質、又はムライト質などからな
り、かさ密度が2.0〜4.0g/cm3の範囲の緻密な
セラミック焼結体である。一方、この台盤に載せるセラ
ミックセッターとしては、台盤と同質の緻密なセラミッ
ク焼結体からなるものと、かさ密度が0.6〜1.5g/
cm3の範囲のセラミックファイバー成形体からなる軽
量なものとがある。
【0004】しかし、台盤などのセラミック製の焼成用
治具とセラミックセッターは共に平板状であり、互いの
表面が広い面積で密着するため、高温の焼成炉内でセッ
ターと治具が反応したり、或はセッターの両面(被焼成
物載置側と台盤側)の加熱が不均一になって、セッター
が変形したりする危険があった。特に、被焼成物がセラ
ミック電子部品の場合には、焼成中にセラミック電子部
品が治具と反応して特性が劣化しやすいという問題もあ
った。
【0005】また、従来の焼成用治具は熱容量の大きい
緻密なセラミック焼結体からなるため、軽量なセラミッ
クセッターと組合せしても全体の軽量化にはならないう
え、焼成用治具の昇温に多くの熱エネルギーを必要と
し、また昇温及び降温に時間がかかるなど、温度コント
ロールも容易ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、このよう
な問題点を解決するため、特願平9−336815号に
おいて、平行に配置した2枚のセラミック側板の間に複
数のセラミック棒を固着した新しい構造のセラミック製
焼成用治具を提案した。
【0007】このセラミック製焼成用治具は、軽量で取
り扱いやすいうえ、セラミック電子部品などを焼成する
際に、セッターや被焼成物を均一に加熱でき、セッター
や被焼成物との反応を防ぐことができると共に、省エネ
ルギー化が可能で且つ温度コントロールが容易である等
の利点を備えている。しかしながら、このセラミック製
焼成用治具においては、セラミック棒上のセッターにセ
ラミック電子部品などの被焼成物を載せて焼成する際
に、被焼成物からの脱バインダーが不十分になりやすい
という欠点があった。
【0008】本発明は、このような事情に鑑み、セッタ
ーや被焼成物を均一に加熱でき、セッターや被焼成物と
の反応を防ぐことができ、省エネルギー化が可能で且つ
温度コントロールが容易であるうえ、被焼成物からの脱
バインダーが容易なセラミック製焼成用治具、及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供するセラミック製焼成用治具は、上端
縁部及び下端縁部にそれぞれ少なくとも1カ所の切欠部
を有する平行な2枚のセラミック側板と、該2枚のセラ
ミック側板の間に並列し且つ両端部が各セラミック側板
の支持孔内に固着された複数のセラミック棒とを備える
ことを特徴とするものである。
【0010】上記本発明のセラミック製焼成用治具の製
造方法は、2枚の矩形のセラミック平板の上端縁と下端
縁にそれぞれ2個以上のセラミック板片を無機接着剤を
用いて焼成固着して、上端縁部及び下端縁部にそれぞれ
少なくとも1カ所の切欠部を有する2枚のセラミック側
板を作製する工程と、平行に対向させた2枚の前記セラ
ミック平板又はセラミック側板の各支持孔にそれぞれセ
ラミック棒を固定する工程とを備えることを特徴とす
る。
【0011】このセラミック製焼成用治具の好ましい製
造方法としては、2枚の矩形のセラミックファイバー成
形体又はセラミック粉末成形体を平行に対向させ、その
各支持孔にセラミック棒の両端部をそれぞれ挿入し、焼
成して2枚の矩形のセラミック平板を得ると同時にその
支持孔にセラミック棒を固着させた後、各セラミック平
板の上端縁と下端縁にそれぞれ2個以上のセラミック板
片を無機接着剤を介して載置し、焼成により固着して上
端縁部及び下端縁部にそれぞれ少なくとも1カ所の切欠
部を有するセラミック側板とする方法がある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のセラミック製焼成用治具
は、図1及び図2に示すように、上端縁部と下端縁部に
それぞれ少なくとも1カ所の切欠部5を有する平行な2
枚のセラミック側板1と、2枚のセラミック側板1の間
に並列して固着された複数のセラミック棒2とからな
る。上記セラミック側板1は、矩形のセラミック平板3
の上端縁及び下端縁に固着された2個以上のセラミック
板片4によって、上端縁部と下端縁部にそれぞれ少なく
とも1カ所の切欠部5が形成されている。各セラミック
板片4の位置は、セラミック平板3の割れ防止の観点か
ら、後述する支持孔3aを通る直線上にあることが好ま
しい。
【0013】2枚のセラミック側板1の間に並列した複
数のセラミック棒2は、セラミック側板1のうちのセラ
ミック平板3に設けた各支持孔3aに両端部が挿入固着
されている。セラミック棒2の支持孔3aへの固着は、
通常の無機接着剤によっても可能であるが、セラミック
平板3の熱収縮により固着することもできる。特に熱収
縮による固着では、無機接着剤などのが表面に付着する
ことがないので美麗な外観を有すると共に、高温下で繰
り返し使用してもセラミック棒2の固着力に全く変化が
ないので好ましい。
【0014】このセラミック製焼成用治具を用いて被焼
成物を焼成する際には、図2に示すように、2枚のセラ
ミック側板1の間の複数のセラミック棒2の上にセラミ
ックセッター6を載置し、このセラミックセッター6の
上にセラミック電子部品などの被焼成物(図示せず)を
載せ、炉内において適当な温度で焼成を行う。
【0015】従って、セラミックセッター6の両面を均
一に加熱することができ、セラミックセッター6の変形
を防止できると共に、被焼成物を均一に焼成することが
できる。しかも、セラミック側板1の上端縁部と下端縁
部にはそれぞれ切欠部5が形成してあるので、2枚のセ
ラミック側板1の内側と外側との間にガスの流通が行わ
れやすくなり、焼成時に被焼成物から脱離したバインダ
ーが内側に停滞せず切欠部5を通って外側に逃げるた
め、脱バインダーを容易に且つ完全に行うことができ
る。
【0016】本発明のセラミック製焼成用治具において
は、セラミック平板3とセラミック板片4からなるセラ
ミック側板1の材質は、従来から焼成用治具に使用され
ていきたセラミックであれば特に制限はないが、その中
でもアルミナ質のものが好ましい。また、セラミック側
板1を構成するセラミック平板3とセラミック板片4と
は、同一の材質であっても、異なる材質であってもよ
い。一方、セラミック棒2は、中実であっても中空であ
ってもよく、十分な耐熱性を有する限り材質は限定され
ないが、通常はセラミック側板1の主成分と同じアルミ
ナ質のほか、ムライト質、ジルコニア質などであってよ
い。
【0017】セラミック製焼成用治具におけるセラミッ
ク側板としては、アルミナ質ファイバーと、アルミノシ
リケート質ファイバーと、耐火粒子を主成分とするセラ
ミックファイバー成形体か、又はアルミナを主成分とす
るセラミック焼結体が好ましい。このセラミック側板を
構成する好ましいセラミックファイバー成形体として
は、5〜50重量%のアルミナ質ファイバーと、5〜4
0重量%のアルミノシリケート質ファイバーと、20〜
80重量%の平均粒径0.2〜15μmの耐火粒子を主
成分とするセラミックファイバー成形体がある。
【0018】アルミナ質ファイバーはAl23:SiO
2の重量比が97〜70:3〜30の範囲にあり、例え
ばイギリスICI社の商品名サフィル、三菱化学(株)の
商品名マフテックバルクファイバーなどがある。また、
アルミノシリケート質ファイバーは、アルミナ質ファイ
バーよりもSiO2が多いものであり、具体的にはイソ
ライト工業(株)の商品名イソウールなどがある。更に、
耐火粒子としては、アルミナ、ムライト、チタン酸アル
ミニウム、ジルコニアなどがある。
【0019】アルミナ質ファイバーは、融点が1800
℃以上であり、セラミック側板の高温耐熱性を高めるた
めに、5重量%以上含まれることが好ましい。しかし、
アルミナ質ファイバーは互いに焼結しにくく且つ熱収縮
率が小さいので、添加量が50重量%を越えると焼結困
難となってセラミック側板の強度が低下し、また熱収縮
によるセラミック棒の固着力も弱くなる。従って、アル
ミナ質ファイバーの含有量は、5〜50重量%の範囲が
好ましく、10〜30重量%の範囲が更に好ましい。
【0020】アルミノシリケート質ファイバーは、Si
2含有量が多いため、耐熱性が低いものの、熱収縮率
が大きく且つ焼結し易いという特徴がある。このアルミ
ノシリケート質ファイバーをアルミナ質ファイバーに5
重量%以上混合することによって、ファイバー同士の接
着が促進されてセラミック側板の強度が増し、且つ熱収
縮が大きくなるため、セラミック側板へのセラミック棒
の固着をより強固にすることができる。しかし、添加量
が40重量%を越えると耐熱性が低下すると共に、熱収
縮が大きくなり過ぎてセラミック側板が変形する恐れが
あるので、アルミノシリケート質ファイバーの含有量
は、5〜40重量%の範囲が好ましく、15〜30重量
%の範囲が更に好ましい。
【0021】尚、セラミック電子部品の焼成において
は、セラミック電子部品との反応を避けるために、セラ
ミック製焼成用治具中のSi含有量を少なくすることが
好ましい。この点からも、アルミノシリケート質ファイ
バーの量を40重量%以下とすることが望ましい。ま
た、同じ趣旨から、後述する耐火粒子としてSiO2
SiCを使用する場合、その含有量は数%重量以下、具
体的には8重量%以下に抑えることが望ましい。
【0022】耐火粒子としては、平均粒径0.2〜15
μmのものが好ましいが、平均粒径0.5〜6μmの容
焼結性粒子が更に好ましい。粒子の大きさはセラミック
ファイバー成形体の収縮率及び強度に影響し、平均粒径
が小さいほど収縮率が大きく、強度も高くなる。しか
し、平均粒径が0.2μm未満では分散が難しく、凝集
体となりやすいため、セラミック側板の強度の増加が得
られない。逆に、平均粒径が15μmを越えると、収縮
率が小さくなるためセラミック棒の固着力が低下し、強
度も低下する。
【0023】また、耐火粒子の含有量は20〜80重量
%の範囲が好ましく、40〜60重量%の範囲が更に好
ましい。耐火粒子が20重量%未満ではファイバーと粒
子との結合接点が少なすぎるうえ、収縮率も小さくな
り、セラミック棒の固着力が低下する。また、80重量
%を越えると、逆に収縮率が大きくなりすぎるため、セ
ラミック側板が変形しやすくなる。
【0024】このようなセラミックファイバー成形体か
らなるセラミック側板は、70kg/cm2以上の十分
な強度を持ち、かさ密度が0.6〜1.5g/cm3と小
さく、且つ熱容量も小さい。従って、治具全体としても
非常に軽量であり、取り扱いが容易であると同時に、短
時間で加熱昇温することができ、省エネルギー化を達成
することができる。
【0025】セラミック製焼成用治具におけるセラミッ
ク側板は、前記したようにセラミック焼結体であっても
よく、中でもアルミナを主成分とする焼結体は好まし
い。この場合の焼結体は、主成分のアルミナ以外に、ム
ライトやジルコニアなど他の成分を含むこともできる。
焼結体の製造に使用するアルミナ粉末の粒径に特に制限
はないが、製造上は5〜30μmの平均粒径が好まし
く、特に針状のアルミナ粒子が好ましい。また、焼成時
の熱収縮を調整するために、炭化ケイ素粉末などを添加
することもできる。尚、この場合も、セラミック電子部
品との反応を避けるために、SiO2、SiC、Si3
4などの粉末は数重量%以下、具体的には8重量%以下
の含有量にとどめることが好ましい。
【0026】次に、本発明のセラミック製焼成用治具の
製造方法について説明する。一般的に、セラミック側板
としては、図3に示すように、上端縁部と下端縁部に予
め凹部10aと凸部10bを一体的に形成したセラミッ
ク側板10用いることも可能である。しかしながら、成
形を初めとする加工が難しくなるうえ、製造工程におけ
るセラミック棒2を固着するための焼成中などに凹部1
0aが変形しやすい。また、このようにして製造した治
具は、被焼成物の焼成中に凹部10aの角部Aに亀裂が
発生しやすく、強度的にも同じ角部Aで折れやすい。
【0027】そこで、本発明におけるセラミック製焼成
用治具の製造方法では、例えば図1及び図2に示すよう
に、矩形のセラミック片3の上端縁と下端縁にセラミッ
ク板片4を固定することにより、1カ所以上の切欠部5
を有するセラミック側板1を作製する。即ち、本発明の
セラミック製焼成用治具の製造方法は、セラミック平板
3の上端縁と下端縁にそれぞれ2個以上のセラミック板
片4を無機接着剤を用いて焼成固着する工程と、2枚の
セラミック平板3又はこれにセラミック板片4を固着し
たセラミック側板1を平行に対向させ、各セラミック平
板3又はセラミック側板1の各支持孔3aにそれぞれセ
ラミック棒2を固定する工程とを備えている。尚、セラ
ミック板片4はセラミック平板3の上端縁及び下端縁で
あって、セラミック平板3に設けた各支持孔3aを通る
直線上にそれぞれ位置せしめることが好ましい。
【0028】好ましいセラミック製焼成用治具の製造方
法を、セラミック側板がセラミックファイバー成形体か
らなる場合について具体的に説明する。まず、アルミナ
質ファイバーと、アルミノシリケート質ファイバーと、
耐火粒子を含むスラリーを調整し、澱粉などの凝集剤を
加えて凝集させ、矩形の平板状に吸引成形した後、80
0〜1100℃の温度で1次焼成する。この1次焼成に
よりファイバーや粒子が互いに軽度に結合し、セラミッ
クファイバー成形体が得られる。
【0029】このセラミックファイバー成形体を、その
まま又は所定の寸法に切断加工した後、複数の支持孔を
形成する。尚、支持孔は吸引成形の際に形成することも
可能である。その後、2枚のセラミックファイバー成形
体を平行に対向させて、その各支持孔にセラミック棒の
両端部を挿入した後、1200℃以上、好ましくは13
00〜1400℃の温度で2次焼成する。この2次焼成
によって、セラミックファイバー成形体が熱収縮し、得
られるセラミック側板の支持孔にセラミック棒を強固に
固着させることができる。尚、セラミック棒は無機接着
剤を用いて、焼成により支持孔に固着することもでき
る。
【0030】この2次焼成でのセラミックファイバー成
形体の収縮率は、セラミック棒に対して直角な高さ方向
で2〜15%の範囲に、好ましくは5〜10%の範囲に
調整することが好ましく、同じく長さ方向で7%以下に
調整することが望ましい。特にセラミックファイバー成
形体の高さ方向の収縮は、収縮率が少なくてもセラミッ
ク棒を求心方向に押えて強固に固着することができる。
しかし、この高さ方向にの収縮率が15%を越えたり、
セラミック棒に対して直角なセラミックファイバー成形
体の長さ方向の収縮率が7%を越えると、セラミック側
板が変形しやすくなるので好ましくない。
【0031】セラミックファイバー成形体の収縮率は、
アルミノシリケート質ファイバーの含有率、耐火粒子の
平均粒径とその含有率、2次焼成の温度などによって変
えることができる。また、セラミックファイバー成形体
中のセラミックファイバーの配向方向を、セラミックフ
ァイバー成形体(セラミック側板)の長さ方向と一致さ
せることによって、即ちセラミックファイバーの積層方
向をセラミックファイバー成形体の高さ方向と一致させ
ることによって、セラミックファイバー成形体の高さ方
向の収縮率をより大きくすることが可能である。
【0032】最後に、各セラミック平板の上端縁と下端
縁に、それぞれ2個以上の別に作製したセラミック板片
を載せ、両者の間に通常の無機接着剤を介在させて、無
機接着剤に応じた温度で3次焼成することにより固着す
る。無機接着剤としては、イソライト工業(株)製のイ
ソタップ、坂井化学工業(株)製のベッタク、東亜合成
(株)製のアロンセラミックなどを用いることができ
る。
【0033】一方、セラミック側板がセラミック焼結体
からなるセラミック製焼成用治具の好ましい製造方法で
は、例えばアルミナ粉末に、MgO、SiO2、CaO
などの焼結助剤を添加し、更にPVAやパラフィンなど
の有機バインダーを加えて混合する。この混合粉末をプ
レス成形などにより矩形の平板状に成形し、同時に又は
その後、粉末成形体に複数の支持孔を形成する。次に、
平行に対向させた2枚の粉末成形体の各支持孔にセラミ
ック棒の両端部をそれぞれ挿入し、1300℃以上の温
度で焼成する。この焼成によって、粉末成形体は焼結さ
れると同時に熱収縮するので、得られた焼結体からなる
セラミック平板の支持孔にセラミック棒を強固に固着さ
せることができる。
【0034】このセラミック焼結体からなるセラミック
平板の場合においても、前記セラミックファイバー成形
体の場合と同様の理由により、セラミック棒に対して直
角な粉末成形体の高さ方向の収縮率を2〜15%の範囲
に、好ましくは5〜10%の範囲に、同じく長さ方向の
収縮率を7%以下に調整することが好ましい。また、粉
末成形体における針状のアルミナ粒子の配向方向を、粉
末成形体の長さ方向と一致させることが好ましい。更
に、粉末成形体をプレス成形により作製する場合には、
そのプレス方向を粉末成形体に形成する支持孔の軸方向
と一致させることが好ましい。尚、粉末成形体の焼成に
よる熱収縮も、粉末成形体の組成や粉末の粒径、焼成温
度などによって調整することができ、例えばSiC粉末
の添加により熱収縮を抑制することが可能である。
【0035】また、このセラミック焼結体からなるセラ
ミック平板に上端縁と下端縁には、それぞれ2個以上の
別に作製したセラミック板片を載せ、両者の間に通常の
無機接着剤を介在させて、無機接着剤に応じた温度で焼
成することにより固着する。セラミック板片は同じくセ
ラミック焼結体からなるものでも、セラミックファイバ
ー成形体からなるものでもよい。また、使用する無機接
着剤も、前記セラミックファイバー成形体からなるセラ
ミック側板の製造の場合と同様に、通常使用されている
ものであってよい。
【0036】
【実施例】実施例1 アルミナ質ファイバー(イギリスICI社製のサフィル
HA、Al23含有量97重量%)20重量%と、アル
ミノシリケート質ファイバー(イソライト工業(株)製の
イソウールAl23:SiO2=47:53)30重量
%と、Al23粒子(平均粒径7μm)45重量%と、
SiO2ゾル(日産化学(株)製のST−40、SiO2
有率40重量%)5重量%(固形分)とを25リットル
の水に添加し、撹拌しながら分散させてスラリーとし
た。
【0037】このスラリーに凝集剤として固形分2重量
%の澱粉水溶液を加えて凝集させ、吸引加圧成形を行っ
て矩形平板状の成形体を得た。この成形体を90℃で乾
燥させ、1000℃にて1時間の1次焼成を行った。1
次焼成により得られたセラミックファイバー成形体を、
ファイバーの配向方向が長さ方向と一致するように、長
さ150×高さ30×厚さ15mmに加工した。更に、
このセラミックファイバー成形体を厚さ方向に貫通させ
た直径8.1mmの支持孔を、長さ方向に沿い一直線上
に3個形成した。
【0038】得られたセラミックファイバー成形体から
なるセラミック平板2枚を支持孔が対向するように平行
に位置させ、各支持孔に中空のセラミック棒(ニッカト
ー(株)製、直径8mm×長さ170mm)の端部を挿入
した。尚、セラミック棒の長さ方向はファイバーの配向
方向及び積層方向とそれぞれ直角になっている。その
後、1400℃にて2時間の2次焼成を行った。この2
次焼成によって、セラミックファイバー成形体は6%熱
収縮し、セラミック棒を収縮した支持孔内に強く固着す
ることができた。
【0039】一方、上記と同様の方法により、セラミッ
クファイバー成形体からなる長さ16×幅14×厚さ8
mmのセラミック板片を作製した。このセラミック板片
を、セラミック棒を固着した各セラミック平板の上端縁
と下端縁に、それぞれ3個ずつセラミック棒の上方に位
置せしめて、両者の間に無機接着剤イソタップを介在さ
せて、1400℃で2時間の3次焼成を行った。これに
より、上端縁部及び下端縁部にそれぞれ4カ所の切欠部
を有するセラミック側板を有するセラミック製焼成用治
具が得られた。
【0040】かくして得られたセラミック製焼成用治具
の2枚のセラミック側板に固着された複数のセラミック
棒上に、セラミックファイバー製の軽量セッターを載
せ、そのセッターの上に被焼成物であるセラミック多層
基板を載置した。このセラミック製焼成用治具を4段積
みにし、1100℃×2時間の条件で30回繰り返して
焼成を行った。その結果、各セラミック棒とセラミック
側板とは強く固着していて、全く緩みが生じなかった。
また、セラミックセッター及び被焼成物は、セラミック
棒やセラミック側板と全く反応せず、変形も起こらなか
った。また、セラミック多層基板は十分脱バインダーが
でき、基板表面には変色及び亀裂が全く認められなかっ
た。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、セラミックファイバー
成形体又はセラミック焼結体からなるセラミック側板
に、複数のセラミック棒を固着させることにより、セラ
ミック電子部品などの焼成用として好適で、軽量で強度
にも優れ、長寿命のセラミック製焼成用治具を提供する
ことができる。
【0042】また、本発明のセラミック製焼成用治具
は、セラミックセッター及びその上に載置されたセラミ
ック電子部品などの被焼成物を均一に加熱でき、セラミ
ックセッターの変形を防ぐと共に、熱容量が小さいため
省エネルギー化を図ることができる。しかも、セラミッ
ク側板に切欠部を設けてあるので、被焼成物からの脱バ
インダーを支障なく完全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック製焼成用治具の一具体例を
示す概略の斜視図である。
【図2】本発明のセラミック製焼成用治具の一具体例を
示す概略の断面図である。
【図3】セラミック側板が一体に形成された焼成用治具
を示す概略の断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック側板 2 セラミック棒 3 セラミック平板 3a 支持孔 4 セラミック板片 5 切欠部 6 セラミックセッター

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端縁部及び下端縁部にそれぞれ少なく
    とも1カ所の切欠部を有する平行な2枚のセラミック側
    板と、該2枚のセラミック側板の間に並列し且つ両端部
    が各セラミック側板の支持孔内に固着された複数のセラ
    ミック棒とを備えることを特徴とするセラミック製焼成
    用治具。
  2. 【請求項2】 請求項1のセラミック製焼成用治具の製
    造方法であって、2枚の矩形のセラミック平板の上端縁
    と下端縁にそれぞれ2個以上のセラミック板片を無機接
    着剤を用いて焼成固着して、上端縁部及び下端縁部にそ
    れぞれ少なくとも1カ所の切欠部を有する2枚のセラミ
    ック側板を作製する工程と、平行に対向させた2枚の前
    記セラミック平板又はセラミック側板の各支持孔にそれ
    ぞれセラミック棒を固定する工程とを備えることを特徴
    とするセラミック製焼成用治具の製造方法。
  3. 【請求項3】 2枚の矩形のセラミックファイバー成形
    体又はセラミック粉末成形体を平行に対向させ、その各
    支持孔にセラミック棒の両端部をそれぞれ挿入し、焼成
    して2枚の矩形のセラミック平板を得ると同時にその支
    持孔にセラミック棒を固着させた後、各セラミック平板
    の上端縁と下端縁にそれぞれ2個以上のセラミック板片
    を無機接着剤を介して載置し、焼成により固着して上端
    縁部及び下端縁部にそれぞれ少なくとも1カ所の切欠部
    を有するセラミック側板とすることを特徴とする、請求
    項2に記載のセラミック製焼成用治具の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003014378A (ja) * 2001-06-27 2003-01-15 Maruju:Kk 焼成用治具
KR101124631B1 (ko) 2010-10-19 2012-03-20 주식회사 포스코 세라믹 제조용 세터 및 세터 제조방법
CN105180659A (zh) * 2015-10-19 2015-12-23 广东热金宝新材料科技有限公司 一种改进的应用于烧制陶瓷洗手盆多功能框架结构的窑具窑车

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