JPH10251071A - 高熱伝導率の多孔質セラミックスセッター及びその製造方法 - Google Patents

高熱伝導率の多孔質セラミックスセッター及びその製造方法

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JPH10251071A JP9060797A JP6079797A JPH10251071A JP H10251071 A JPH10251071 A JP H10251071A JP 9060797 A JP9060797 A JP 9060797A JP 6079797 A JP6079797 A JP 6079797A JP H10251071 A JPH10251071 A JP H10251071A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1200℃の高温まで使用可能であり、優れ
た通気性と高い熱伝導率とを兼ね備えた、セラミックス
電子部品焼成用のセラミックスセッターを提供する。 【解決手段】 セラミックスファイバー又はウイスカー
5〜30重量%と、平均粒径5〜100μmのSiC、
BN、AlN、BeO、MoSi2、TiN、ZrB2
ら選ばれた少なくとも1種のセラミックス粒子70〜9
5重量%とが、耐熱性無機質結合剤で結合された繊維間
での絡み合い構造を有し、かさ密度が0.8〜1.7g/
cm3で、通気性に優れると同時に、熱伝導率が0.5W
/mK以上である高熱伝導率の多孔質セラミックスセッ
ター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス製の
電子部品及び回路基板の焼成に使用されるセラミックス
セッターであって、多孔質で通気性を有すると同時に熱
伝導率に優れたセラミックスセッター、及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、セラミックスコンデンサ、ア
ルミナ基板、フェライト、圧電体、ICパッケジ、セラ
ミックス製回路基板などのセラミックス電子部品を焼成
する場合、Al23質、ZrO2質、ムライト質などか
らなるセラミックスセッターの上に載せて焼成を行って
いる。
【0003】従来のセラミックスセッターは、ほぼ2種
類に大別される。その一つは、かさ密度が約2.0〜4.
0g/cm3の緻密なセッターであり、熱伝導率はおよ
そ0.5〜1.5W/mK程度であるが、通気性が殆どな
い。他の一つは、かさ密度が0.2〜1.5g/cm3
度の軽量なセッターであって、良好な通気性を有する
が、熱伝導率は0.5W/mKよりも小さい。
【0004】この緻密なセラミックスセッターは、セラ
ミックス粒子を耐熱性無機結合剤と共に乾式プレスで成
形して、焼成することにより製造される。一方、軽量な
セラミックスセッターは、アルミナ質やアルミノシリケ
ート質のセラミックスファイバーと、Al23粒子及び
/又はムライト粒子に、耐熱性無機結合剤を混合し、脱
水成形し、焼成して製造される。
【0005】しかし、最近のセラミックス電子部品の進
歩に伴い、セラミックスセッターに対しても今までにな
い様々な特性が要求されるようになってきた。例えば、
従来のICパッケージやセラミックス製回路基板等の組
成は、Al23含有量が90〜94重量%であり、メタ
ライズ金属はMo又はWなどが使われ、焼成は1300
℃以上の高温で行っていた。この場合、焼成温度が高い
ため、使用できるメタライズ金属が制限され、また高温
焼成による熱の歪を非常に受けやすかった。そこで、こ
の焼成温度を下げるため、Al23に各種のガラス質の
酸化物を添加したり、或はホットプレスを採用する方法
などが開発されている。
【0006】これに加えて、生産効率を向上させるた
め、セラミックスセッターの間にセラミックス電子部品
のグリーンテープを挟持し、これを複数重ねて1200
℃以下で焼成する方法が研究されている。この焼成方法
では、セラミックスセッターに挟持されたグリーンテー
プ中の有機バインダーが、焼成時にセラミックスセッタ
ーの気孔を通して排出される必要がある。また、グリー
ンテープは全体にできるだけ均一な温度で焼成すること
が好ましい。焼成温度が不均一になると、得られるセラ
ミックス電子部品が変形したり、その特性に悪影響がで
る恐れがあるからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなセラミック
スセッターの間にグリーンテープを挟んで焼成を行う方
法では、従来のセラミックスセッターは殆ど使用できな
かった。なぜなら、かさ密度が2.0〜4.0g/cm3
の緻密なセッターでは通気性が殆どないため、焼成時に
グリーンテープ中の有機バインダーがセッターを通して
排出されないからである。一方、かさ密度が0.2〜1.
5g/cm3の軽量なセッターは通気性があるが、高温
熱伝導率が小さいため焼成時におけるグリーンテープの
中心部と外側部の温度差が大きくなり易いため、加熱に
長い時間を要することとなり、焼成効率が悪く、生産性
が低いという欠点があった。
【0008】本発明は、かかる従来の事情に鑑み、セラ
ミックス電子部品や回路基板の焼成のため1200℃程
度の高温まで使用可能であり、良好な通気性を備えると
同時に、高温での熱伝導率が高い多孔質のセラミックス
セッターを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する多孔質セラミックスセッターは、
セラミックスファイバー及び/又はウイスカー5〜30
重量%と、平均粒径5〜100μmのSiC、BN、A
lN、BeO、MoSi2、TiN、ZrB2から選ばれ
た少なくとも1種のセラミックス粒子70〜95重量%
とからなり、これらが耐熱性無機質結合剤で結合された
繊維間での絡み合い構造を有し、かさ密度が0.8〜1.
7g/cm3で、熱伝導率が0.5W/mK以上であるこ
とを特徴とする高熱伝導率の多孔質セラミックスセッタ
ーである。
【0010】また、この高熱伝導率の多孔質セラミック
スセッターの製造方法は、セラミックスファイバー及び
/又はウイスカー5〜30重量%と、平均粒径5〜10
0μmのSiC、BN、AlN、BeO、MoSi2
TiN、ZrB2から選ばれた少なくとも1種のセラミ
ックス粒子70〜95重量%とを、耐熱性無機質結合剤
と共に混合し、その混合物を凝集させて成形した後、8
00〜1200℃で焼成することを特徴とするものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、本発明のセラミックスセッ
ターの代表的な製法の概要を説明する。骨格部分となる
Al23ファイバー及び/又はアルミノシリケートファ
イバーを水中に撹拌しながら分散させ、次にSiCなど
の熱伝導率の高いセラミックス粒子を添加し、更に耐熱
性無機質結合剤としてSiO2ゾル又はAl23ゾルを
添加撹拌してスラリー状とする。このスラリーに澱粉を
加えて凝集させ、圧力を加えながら吸引成形して成形体
を形成する。最後に、この成形体を120℃で乾燥し、
800〜1200℃の温度で焼成することにより本発明
のセラミックスセッターが得られる。
【0012】原料のセラミックスファイバーとしては、
アルミナファイバー(Al23含有率70%以上)、ア
ルミノシリケートファイバー(Al23:SiO2の比
が30〜60:70〜40)、SiCファイバー、Zr
2ファイバーなどが好ましい。尚、アルミナファイバ
ーには、イギリスICI社製のサフィル(商品名)、三
菱化学(株)製のマフテックバルクファイバー(商品
名)等がある。アルミノシリケートファイバーとして
は、イソライト工業(株)製の結晶質又は非晶質のもの
がある。
【0013】セラミックスウィスカーとしては、SiC
ウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカーなどが好ま
しい。また、セラミックス粒子は、SiC、BN、Al
N、BeO、MoSi2、TiN、ZrB2のいずれか1
種、又はこれらの2種以上を組合せて使用する。使用す
るセラミックス粒子の平均粒径は5〜100μmの範囲
とし、全体の平均粒径が上記範囲内にあれば、平均粒径
の異なる複数の粒子を組合せて用いることもできる。
尚、耐熱性無機質結合剤とは、焼成時にセラミックスフ
ァイバーやウイスカー同士又はこれらとセラミックス粒
子との接触部に融着し、これらを結合するために従来か
ら使用されているバインダーであって、例えばシリカゾ
ルやアルミナゾルなどが一般的に使用されている。
【0014】このようにして得られる本発明のセラミッ
クスセッターは、本質的にセラミックスファイバー及び
/又はウイスカーとセラミックス粒子とで構成され、こ
れらが耐熱性無機結合剤で相互に結合された繊維間での
絡み合い構造を有している。このため、本発明のセラミ
ックスセッターは、内部に多数の連通気孔を有する多孔
質であり、かさ密度が0.8〜1.7g/cm3の範囲に
あって非常に軽量であり、空気中においても1200℃
の高温まで十分な耐熱性を備えている。
【0015】かかる本発明の多孔質セラミックスセッタ
ーの大きな特徴は、優れた通気性と高い熱伝導率とを兼
ね備えている点にある。具体的には、従来の軽量なセラ
ミックスセッターと同程度の通気性を備えると同時に、
熱伝導率が0.5W/mK以上、好ましくは0.6〜0.
8W/mKであり、従来の緻密なセラミックスセッター
と同程度に高い。
【0016】このため、本発明のセラミックスセッター
は、ICパッケージや回路基板などのセラミックス電子
部品の焼成用として好適であり、特にセラミックスセッ
ターの間にグリーンテープを挟持して焼成する場合に、
グリーンテープの中心部と外側部の温度差が小さく、具
体的には5℃以下の温度差を達成でき、このため均一な
加熱を実現できると同時に、グリーンテープ中の有機バ
インダーの排出に優れている。この有機バインダーの排
出に適したセラミックスセッターは、通気率が0.5×
10-3cm2以上の場合に良好であり、更に好ましくは
0.9×10-3〜1.0cm2の範囲である。
【0017】この通気性と熱伝導率の二つの特性はもと
もと相反するものであり、一般に通気性が高いと熱伝導
率が小さくなり、逆に通気性が悪くなると熱伝導率が大
きくなる。このため、この二つの特性を兼ね備えたセラ
ミックスセッターは従来存在しなかったのである。
【0018】一般的に、通気性を得るためには、内部に
連続した気孔を持つ必要がある。この連通気孔を積極的
に形成する手段として、原料スラリー中にポリスチレン
ビーズ、木屑、泡剤などの気泡付与剤を添加し、この気
泡付与剤を焼成時に焼失させて気孔を形成する方法があ
る。しかし、この方法で形成される気孔はかなり大き
く、例えば直径100μm以上となり、このため表面が
非常に粗くなるので、高い表面寸法精度又は表面粗さ精
度を必要とするセラミックス製回路基板用のグリーンテ
ープなどの焼成には使用できない。また、この方法で
は、大きな気孔が増える分かさ密度が小さくなり、それ
に伴って熱伝導率が低くなるという問題がある。
【0019】逆に、表面が滑らかなセラミックスセッタ
ーは、粒径の小さいセラミックス粒子のみを使い、小さ
い気孔を造る気泡付与剤を用いることにより製造でき
る。しかし、得られるセッターは、かさ密度が大きくな
り過ぎたり、満足すべき通気性が得られないなどの問題
がある。
【0020】そこで、本発明においては、セラミックス
ファイバー又はウイスカーが湿式成形時に繊維間で絡み
合うことにより形成される凝集フロックを利用して連通
気孔を形成させ、優れた通気性を保持すると同時に、熱
伝導率の高い特定のセラミックス粒子の使用並びにファ
イバーやウイスカーの添加量の制御により、高い熱伝導
率を達成し、更には満足すべき表面平滑性を得るもので
ある。
【0021】即ち、セラミックスファイバーやセラミッ
クスウイスカーは、大きなアスペクト比を持っているの
で、スラリー中でランダムに凝集したフロックを形成す
ることができ、従って繊維間での絡み合った構造が得ら
れ、これを焼成することにより多数の連通気孔が簡単に
形成される。しかも、ファイバーやウイスカーのアスペ
クト比を変えることにより、フロック並びに気孔の大き
さをコントロールできる。しかし、ファイバー又はウイ
スカーの添加量が5重量%未満では、多数の凝集フロッ
クの形成が難しく、従って通気性が低下する。ファイバ
ー又はウィスカーの添加量が30重量%を越えると、セ
ッターの通気率が良くなるが、かさ密度が小さくなり、
これに伴って熱伝導率が低下する。
【0022】本発明のセラミックスセッターの熱伝導率
は、粒子とファイバー又はウイスカーの両方の熱伝導率
を含んでいる。一般に、熱伝導率を上げるためには気孔
率を小さくすればよいが、同時に通気性も必要なので、
所定の気孔率を保ちながら、いかに熱伝導率を上げるか
が重要なポイントになる。
【0023】ところが、ファイバーやウイスカーは粒子
と比べるとアスペクト比が高く、またセッター内で曲っ
ているため、熱の伝達の抵抗が大きい。このため、ファ
イバーやウイスカーの量が30重量%を越えると、同じ
かさ密度の場合、熱伝導率が低下する傾向がある。ま
た、ファイバーやウイスカーは高価なため、添加量が多
くなるとコストの増加につながる。高温熱伝導率を大き
くするためには、一般的にかさ密度を高くするのも一つ
の方法であるが、ファイバーやウイスカーの添加量が3
0重量%以上を越えると高いかさ密度が得にくくなる。
これらの点からも、セラミックスファイバー又はウイス
カーの添加量は30重量%以下とする。
【0024】一方、セラミックス粒子の熱伝導率は、セ
ッターの熱伝導率に直接影響する。そこで本発明では、
セッターの熱伝導率を上げるため、材質的に高温での熱
伝導率の高いセラミックス粒子を使用することとした。
具体的には、SiC、BN、AlN、BeO、MoSi
2、TiN、ZrB2の粒子を使用することができ、特に
SiC粒子が好ましい。これらのセラミックス粒子は、
いずれを使用しても高熱伝導率のセラミックスセッター
を得ることができるが、製造時又は使用時の雰囲気に差
がある。即ち、焼成して製造する際の及びセラミックス
製の基板や部品の焼成時における雰囲気として、Si
C、BeO又はMoSi2は特に制限がなく空気中でも
よいが、他の粒子の場合は真空又は窒素などの不活性雰
囲気とする必要がある。
【0025】これらのセラミックス粒子の添加量と粒径
は、セッターの通気性と熱伝導率に関係し、同じかさ密
度の場合、粒子添加量が70重量%未満では高温熱伝導
率が小さくなり、逆に95重量%を越えると通気性が低
下する傾向がある。従って、セラミックス粒子の添加量
は70〜95重量%の範囲とする。また、セラミックス
粒子の平均粒径が5μm未満では、同じ気孔率の場合、
連続しない独立な且つ小さな気孔が増えるため通気性が
低下し、熱伝導率も下がることになる。逆に平均粒径が
100μmを越えると、通気性と熱伝導率にとっては有
利になるが、セッターの表面が大きな粒子のために非常
に粗くなり、この上に載せる焼成用のグリーンテープな
どの焼成後の表面の平滑性を低下させる原因となる。こ
のため、セラミックス粒子の平均粒径は5〜100μm
の範囲とする。
【0026】本発明のセラミックスセッターは、上記し
たようにセラミックス製の電子部品及び回路基板の焼成
に使用でき、1200℃の高温まで十分に耐えるもので
ある。しかし、含まれるセラミックス粒子がSiC、B
eO又はMoSi2の場合には大気中を含むあらゆる雰
囲気中で使用できるが、それ以外のBN、AlN、Ti
N、ZrB2の粒子を使用したセラミックスセッターで
は、高温での焼成時には真空又は窒素などの不活性雰囲
気を用いる。ただし、この場合でも、300℃程度の脱
バインダー処理は大気中で行ってもよい。
【0027】尚、本発明において、セラミックスセッタ
ーの熱伝導率と通気率は、JISに準拠して測定した値
である。
【0028】
【実施例】実施例1 33gのAl23ファイバー(イギリスICI社製のサ
フィルHA、Al23:97重量%)と、594gのS
iC粒子(昭和電工(株)社製のGreen Silic
on Carbide粒子、平均粒径20μm)を、8
3gのSiO2ゾル(日産化学(株)社製ST−40、S
iO2含有率40重量%)と共に15リットルの水に入
れ、撹拌しながら分散させてスラリーを得た。このスラ
リーに、凝集剤として固形分2%の澱粉水溶液を加えて
凝集させ、吸引加圧成形によって板状の成形体を得た。
この成形体を90℃で乾燥させ、大気中において110
0℃で2時間焼成した。
【0029】得られたセラミックスセッターは、寸法を
縦250mm×横250mm×厚さ5mmに調整した。
このセラミックスセッターは表面の平滑性に優れ、気孔
率が50%で、JISの平板比較法で測定した900℃
での熱伝導率は0.7W/mK、及び通気率は11×1
-2cm2であった。このセラミックスセッター2枚の
間に回路基板用のグリーンテープを挟持し、これを更に
数段を重ねて大気中にて1200℃で加圧焼成を行った
結果、脱バインダー性が良好であり、且つ焼成時にグリ
ーンテープの中心部と外側部の温度差が5℃以下と小さ
くなり、均一な品質のセラミックス製回路基板が得られ
た。
【0030】比較のために、SiC粒子の代わりにAl
23粒子(住友化学(株)社製、平均粒径20μm)を用
いた以外は上記実施例1と同様にして、セラミックスセ
ッターを製造した。ただし、成形体の焼成は1300℃
で2時間とした。得られたセラミックスセッターは、気
孔率が50%、通気率が8.3×10-3cm2であった
が、900℃での熱伝導率は0.4W/mKと低い値で
あった。
【0031】この比較例のセラミックスセッターを用い
て、上記と同様に回路基板用のグリーンテープの焼成を
行ったところ、脱バインダー性は良好であったが、焼成
時にグリーンテープの中心部と外側部の温度差が最大で
35℃と極めて大きく、得られた回路基板は焼成特性の
バラツキが大きいものであった。
【0032】実施例2 上記SiC粒子とAl23粒子の平均粒径を変化させる
と共に、これらセラミックス粒子とAl23ファイバー
の合計量に対するSiC粒子又はAl23粒子とAl2
3ファイバーの添加量を、それぞれ下記表1のごとく
変化させ、上記実施例1と同様の方法によりセラミック
スセッターを製造した。ただし、SiO2ゾルの添加量
はスラリー全体の固形分の5重量%とした。また、この
セラミックスセッターの寸法は、縦250mm×横25
0mm×厚さ5mmに調整した。
【0033】
【表1】 Al2O3ファイハ゛ー SiC粒子 Al2O3粒子 試料 添加量(wt%) 粒径(μm) 添加量(wt%) 粒径(μm) 添加量(wt%) 1 5 10 95 − − 2 10 30 90 − − 3 30 30 70 − − 4 5 80 95 − − 5* 3 3 97 − − 6* 40 40 60 − − 7* 10 120 90 − − 8* 10 − − 30 90 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0034】得られた各セラミックスセッターについ
て、上記と同様に気孔率、熱伝導率、及び通気率を測定
し、更に表面の平滑性を観察評価して、その結果を表2
に示した。また、各セラミックスセッターを用いて上記
と同様にグリーンテープを焼成し、そのときの有機バイ
ンダーの排気性能、及びグリーンテープの中心部と外側
部における温度差を評価し、併せて表2に示した。尚、
表2における表面の平滑性の評価は、良好なものを○、
表面が粗でありグリーンテープの焼成後の品質に支障を
きたすものを×とした。
【0035】
【表2】 気孔率 熱伝導率 通 気 率 表面の試料 (%) (W/mK) (cm2) 排気性能 温度差 平滑性 1 50 0.69 1.8×10-3 良好 5℃未満 ○ 2 50 0.68 7×10-3 良好 5℃未満 ○ 3 50 0.65 11×10-3 良好 5℃未満 ○ 4 50 0.72 11×10-3 良好 3℃未満 ○ 5* 50 0.65 0.18×10-3 不良 6℃未満 ○ 6* 60 0.44 17×10-3 良好 32℃ ○ 7* 50 0.72 15.7×10-3 良好 3℃未満 × 8* 50 0.40 1.3×10-3 良好 35℃ ○ (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0036】本発明の試料1〜4のセラミックスセッタ
ーは、高い通気率に伴う優れた排気性能と、要求される
グリーンテープの中心部と外側部における温度差5℃以
下の条件を満たしている。一方、比較例の試料5、6、
8のセラミックスセッターは排気性能か又は温度差が要
求される条件を満たさず、また試料7のセラミックスセ
ッターは、熱伝導率及び通気率ともに本発明の範囲内に
あり、グリーンテープを挟持して複数重ねて焼成したと
き有機バインダーの排気に支障なく且つグリーンテープ
の中心部と外側部との温度差も殆どなかったが、大きな
SiC粒子の存在によりセッター表面が粗面であるた
め、焼成により得られたセラミックス製品の表面にその
模様がはっきり写し出されていた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、セラミックスファイバ
ー又はウィスカーと、SiC粒子などのセラミックス粒
子とを含む多孔質のセラミックスセッターであって、軽
量で平滑な表面を有しており、通気性に優れると同時に
高い高温熱伝導率を備え、1200℃の高温まで十分に
使用可能なセラミックスセッターを提供することができ
る。
【0038】従って、本発明の多孔質セラミックスセッ
ターは、アルミナ基板のような回路基板、セラミックス
コンデンサー、フェライト、圧電体、ICパッケージな
どのセラミックス電子部品の焼成に適しており、特にそ
の間にセラミックス電子部品のグリーンテープを挟んで
焼成する場合に、焼成時におけるグリーンテープ中の有
機バインダーの排出性及び温度の均一性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 耕次 山口県美祢市大嶺町東分字岩倉2701番1 株式会社住友金属エレクトロデバイス内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスファイバー及び/又はウイ
    スカー5〜30重量%と、平均粒径5〜100μmのS
    iC、BN、AlN、BeO、MoSi2、TiN、Z
    rB2から選ばれた少なくとも1種のセラミックス粒子
    70〜95重量%とからなり、これらが耐熱性無機質結
    合剤で結合された繊維間での絡み合い構造を有し、かさ
    密度が0.8〜1.7g/cm3で、熱伝導率が0.5W/
    mK以上であることを特徴とする高熱伝導率の多孔質セ
    ラミックスセッター。
  2. 【請求項2】 通気率が0.5×10-3cm2以上である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の高熱伝導率の多孔
    質セラミックスセッター。
  3. 【請求項3】 セラミックスファイバー及び/又はウイ
    スカー5〜30重量%と、平均粒径5〜100μmのS
    iC、BN、AlN、BeO、MoSi2、TiN、Z
    rB2から選ばれた少なくとも1種のセラミックス粒子
    70〜95重量%とを、耐熱性無機質結合剤と共に混合
    し、その混合物を凝集させて成形した後、800〜12
    00℃で焼成することを特徴とする高熱伝導率の多孔質
    セラミックスセッターの製造方法。
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