JP3099043B2 - セラミック焼成用治具及びその製造方法 - Google Patents

セラミック焼成用治具及びその製造方法

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JP3099043B2 JP09336815A JP33681597A JP3099043B2 JP 3099043 B2 JP3099043 B2 JP 3099043B2 JP 09336815 A JP09336815 A JP 09336815A JP 33681597 A JP33681597 A JP 33681597A JP 3099043 B2 JP3099043 B2 JP 3099043B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック電子部
品などを焼成する際に、被焼成物を載せたセラミックセ
ッターを保持するために使用するセラミック製の焼成用
治具、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、セラミックコンデンサ、アル
ミナ基板、フェライト、圧電素子、サーミスタ、バリス
タ、ICのラミネートパッケージなどのセラミック電子
部品を焼成する場合、セラミック製の台盤などの窯道具
又は治具の上にセラミック製のセッターを載せ、このセ
ラミックセッターの上に被焼成物を載置して焼成を行っ
ている。
【0003】上記台盤などの焼成用治具は、Al2
3質、SiC質、ZrO2質、又はムライト質などからな
り、かさ密度が2.0〜4.0g/cm3の範囲の緻密な
セラミック焼結体である。一方、この台盤に載せるセラ
ミックセッターとしては、台盤と同質の緻密なセラミッ
ク焼結体からなるものと、かさ密度が0.6〜1.5g/
cm3の範囲のセラミックファイバー成形体からなる軽
量なものとがある。
【0004】しかし、台盤などのセラミック製の焼成用
治具とセラミックセッターは共に平板状であり、互いの
表面が広い面積で密着するため、高温の焼成炉内でセッ
ターと治具が反応したり、或はセッターの両面(被焼成
物載置側と台盤側)の加熱が不均一になって、セッター
が変形したりする危険があった。特に、被焼成物がセラ
ミック電子部品の場合には、焼成中にセラミック電子部
品が治具と反応して特性が劣化しやすいという問題もあ
った。
【0005】また、従来のセラミック焼成用治具は熱容
量の大きい緻密なセラミック焼結体からなるため、軽量
なセラミックセッターと組合せしても全体の軽量化には
ならないうえ、セラミック焼成用治具の昇温に多くの熱
エネルギーを必要とし、また昇温及び降温に時間がかか
るなど、温度コントロールも容易ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の事情に鑑み、セラミック電子部品などを焼成する
際に、セッターや被焼成物を均一に加熱でき、セッター
や被焼成物との反応を防ぐことができると共に、熱容量
が小さく、省エネルギー化が可能で且つ温度コントロー
ルが容易であり、しかも軽量で取り扱いやすいセラミッ
ク焼成用治具、及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供するセラミック焼成用治具は、平行な
2枚のセラミック側板と、該2枚のセラミック側板の間
に並列して保持された複数のセラミック棒とからなり、
各セラミック棒はセラミック側板の各支持孔内に該セラ
ミック側板の熱収縮により固着されていることを特徴と
するものである。尚、上記のセラミック棒は、中実であ
っても又は中空であってもよい。
【0008】このセラミック焼成用治具は、前記セラミ
ック側板が、アルミナ質ファイバーと、アルミノシリケ
ート質ファイバーと、耐火粒子を主成分とするセラミッ
クファイバー成形体であるものと、アルミナを主成分と
する焼結体であるものとがある。このセラミック側板と
しては、特に、5〜50重量%のアルミナ質ファイバー
と、5〜40重量%のアルミノシリケート質ファイバー
と、20〜80重量%の平均粒径0.2〜15μmの耐
火粒子を主成分とするセラミックファイバー成形体が好
ましい。
【0009】本発明のセラミック焼成用治具の製造方法
は、セラミック側板がセラミックファイバー成形体から
なる場合には、アルミナ質ファイバーとアルミノシリケ
ート質ファイバーと耐火粒子を含むスラリーを吸引成形
し、800〜1100℃の温度で1次焼成して、得られ
たセラミックファイバー成形体に複数の支持孔を設け、
平行に対向させた2枚の該セラミックファイバー成形体
の各支持孔にセラミック棒の両端部をそれぞれ挿入した
後、1200℃以上の温度で2次焼成してセラミックフ
ァイバー成形体を熱収縮させることにより、セラミック
ファイバー成形体からなるセラミック側板の支持孔にセ
ラミック棒を固着させることを特徴とする。
【0010】また、セラミック側板がアルミナを主成分
とする焼結体からなる場合には、焼結助剤を含むアルミ
ナ粉末を加圧成形し、得られた粉末成形体に複数の支持
孔を設け、平行に対向させた2枚の該粉末成形体の各支
持孔にセラミック棒の両端部をそれぞれ挿入した後、1
300℃以上の温度で焼成して粉末成形体を焼結すると
同時に熱収縮させることにより、アルミナを主成分とす
る焼結体からなるセラミック側板の支持孔にセラミック
棒を固着させることを特徴とする方法により製造する。
【0011】いずれの場合のセラミック焼成用治具の製
造方法においても、前記セラミックファイバー成形体又
は前記粉末成形体のセラミック棒に対して直角な高さ方
向の収縮率を2〜15%に、同じく長さ方向の収縮率を
7%以下に調整することが好ましい。また、前記セラミ
ックファイバー成形体におけるファイバーの配向方向、
又は前記粉末成形体における針状粒子の配向方向を、該
セラミックファイバー成形体又は粉末成形体の長さ方向
と一致させることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のセラミック焼成用治具
は、図1に示すように、平行な2枚のセラミック側板1
と、2枚のセラミック側板1の間に並列し、セラミック
側板1の各支持孔1aに両端部が固着された複数のセラ
ミック棒2とからなる。各セラミック棒2は、セラミッ
ク側板1の各支持孔1a内にセラミック側板1の熱収縮
により固着されているので、接着剤などの余分な付着物
がなく美麗な外観を有すると共に、高温下で繰り返し使
用してもセラミック棒2とセラミック側板1との固着力
に全く変化がない。
【0013】このセラミック焼成用治具を用いて被焼成
物を焼成する際には、図2に示すように、2枚のセラミ
ック側板1の間の複数のセラミック棒2の上にセラミッ
クセッター3を載置し、このセラミックセッター3の上
にセラミック電子部品などの被焼成物を載せ、炉内にお
いて適当な温度で焼成を行う。従って、セラミックセッ
ター3の両面を均一に加熱することができ、セラミック
セッター3の変形を防止することができる。
【0014】本発明のセラミック焼成用治具において
は、セラミック側板がセラミックファイバー成形体から
なる場合と、セラミック焼結体からなる場合の2種類が
ある。一方、セラミック棒は、中実であっても中空であ
ってもよく、十分な耐熱性を有する限り材質は限定され
ないが、通常はセラミック側板の主成分と同じアルミナ
質のほか、ムライト質、ジルコニア質などであってよ
い。
【0015】まず、セラミック側板がセラミックファイ
バー成形体からなる場合について説明する。セラミック
ファイバー成形体としては、アルミナ質ファイバーと、
アルミノシリケート質ファイバーと、耐火粒子とを主成
分とするものが好ましい。アルミナ質ファイバーはAl
23:SiO2の重量比が97〜70:3〜30の範囲
にあり、例えばイギリスICI社の商品名サフィル、三
菱化学(株)の商品名マフテックバルクファイバーなどが
ある。また、アルミノシリケート質ファイバーは、アル
ミナ質ファイバーよりもSiO2が多いものであり、具
体的にはイソライト工業(株)の商品名イソウールなどが
ある。更に、耐火粒子としては、アルミナ、ムライト、
チタン酸アルミニウム、ジルコニアなどがある。
【0016】アルミナ質ファイバーは、融点が1800
℃以上であり、セラミック側板の高温耐熱性を高めるた
めに、5重量%以上含まれることが好ましい。しかし、
アルミナ質ファイバーは互いに焼結しにくく且つ熱収縮
率が小さいので、添加量が50重量%を越えると焼結困
難となってセラミック側板の強度が低下し、また熱収縮
によるセラミック棒の固着力も弱くなる。従って、アル
ミナ質ファイバーの含有量は、5〜50重量%の範囲が
好ましく、10〜30重量%の範囲が更に好ましい。
【0017】アルミノシリケート質ファイバーは、Si
2含有量が多いため、耐熱性が低いものの、熱収縮率
が大きく且つ焼結し易いという特徴がある。このアルミ
ノシリケート質ファイバーをアルミナ質ファイバーに5
重量%以上混合することによって、ファイバー同士の接
着が促進されてセラミック側板の強度が増し、且つ熱収
縮が大きくなるため、セラミック側板へのセラミック棒
の固着をより強固にすることができる。しかし、添加量
が40重量%を越えると耐熱性が低下すると共に、熱収
縮が大きくなり過ぎてセラミック側板が変形する恐れが
あるので、アルミノシリケート質ファイバーの含有量
は、5〜40重量%の範囲が好ましく、15〜30重量
%の範囲が更に好ましい。
【0018】尚、セラミック電子部品の焼成において
は、セラミック電子部品との反応を避けるために、セラ
ミック焼成用治具中のSi含有量を少なくすることが好
ましい。この点からも、アルミノシリケート質ファイバ
ーの量を40重量%以下とすることが望ましい。また、
同じ趣旨から、耐火粒子としてSiO2やSiCを使用
する場合、その含有量は数%重量以下、具体的には8重
量%以下に抑えることが望ましい。
【0019】耐火粒子としては、平均粒径0.2〜15
μmのものが好ましいが、平均粒径0.5〜6μmの容
焼結性粒子が更に好ましい。粒子の大きさはセラミック
ファイバー成形体の収縮率及び強度に影響し、平均粒径
が小さいほど収縮率が大きく、強度も高くなる。しか
し、平均粒径が0.2μm未満では分散が難しく、凝集
体となりやすいため、セラミック側板の強度の増加が得
られない。逆に、平均粒径が15μmを越えると、収縮
率が小さくなるためセラミック棒の固着力が低下し、強
度も低下する。また、耐火粒子の含有量は20〜80重
量%の範囲が好ましく、40〜60重量%の範囲が更に
好ましい。耐火粒子が20重量%未満ではファイバーと
粒子との結合接点が少なすぎるうえ、収縮率も小さくな
り、セラミック棒の固着力が低下する。また、80重量
%を越えると、逆に収縮率が大きくなりすぎるため、セ
ラミック側板が変形しやすくなる。
【0020】次に、セラミック側板がセラミックファイ
バー成形体からなるセラミック焼成用治具の製造方法に
ついて説明する。まず、アルミナ質ファイバーとアルミ
ノシリケート質ファイバーと耐火粒子を含むスラリーを
調整し、澱粉などの凝集剤を加えて凝集させ、吸引成形
した後、800〜1100℃の温度で1次焼成する。こ
の1次焼成によりファイバーや粒子が互いに軽度に結合
し、セラミックファイバー成形体が得られる。
【0021】このセラミックファイバー成形体を、その
まま又は所定の寸法に切断加工した後、複数の支持孔を
形成する。その後、2枚のセラミックファイバー成形体
を平行に対向させて、その各支持孔にセラミック棒の両
端部を挿入した後、1200℃以上、好ましくは130
0〜1400℃の温度で2次焼成する。この2次焼成に
よって、セラミックファイバー成形体が熱収縮し、得ら
れるセラミック側板の支持孔にセラミック棒を強固に固
着させることができる。
【0022】この2次焼成におけるセラミックファイバ
ー成形体の収縮率を、セラミック棒に対して直角な高さ
方向で2〜15%の範囲に、好ましくは5〜10%の範
囲に、同じく長さ方向で7%以下に調整することが望ま
しい。セラミック棒に対して直角なセラミックファイバ
ー成形体の高さ方向の収縮は、収縮率が少なくてもセラ
ミック棒を求心方向に押えるので、強固に固着すること
ができる。しかし、この高さ方向にの収縮率が15%を
越えたり、セラミック棒に対して直角なセラミックファ
イバー成形体の長さ方向の収縮率が7%を越えると、セ
ラミック側板が変形しやすくなるので好ましくない。
【0023】セラミックファイバー成形体の収縮率は、
アルミノシリケート質ファイバーの含有率、耐火粒子の
平均粒径とその含有率、2次焼成の温度などによって変
えることができる。また、セラミックファイバー成形体
中のセラミックファイバーの配向方向を、セラミックフ
ァイバー成形体(セラミック側板)の長さ方向と一致さ
せることによって、即ちセラミックファイバーの積層方
向をセラミックファイバー成形体の高さ方向と一致させ
ることによって、セラミックファイバー成形体の高さ方
向の収縮率をより大きくすることが可能である。
【0024】このようにして製造されたセラミックファ
イバー成形体からなるセラミック側板は、70kg/c
2以上の十分な強度を持ち、かさ密度が0.6〜1.5
g/cm3と小さく、且つ熱容量も小さい。従って、治
具全体としても非常に軽量であり、取り扱いが容易であ
ると同時に、短時間で加熱昇温することができ、省エネ
ルギー化を達成することができる。
【0025】次に、セラミック側板がアルミナを主成分
とする焼結体からなる場合について説明する。この場合
の焼結体は、主成分のアルミナ以外に、ムライトやジル
コニアなど他の成分を含むこともできる。焼結体の製造
に使用するアルミナ粉末の粒径に特に制限はないが、製
造上は5〜30μmの平均粒径が好ましく、特に針状の
アルミナ粒子が好ましい。また、焼成時の熱収縮を調整
するために、炭化ケイ素粉末などを添加することもでき
る。尚、この場合も、セラミック電子部品との反応を避
けるために、SiO2、SiC、Si34などの粉末は
数重量%以下、具体的には8重量%以下の含有量にとど
めることが好ましい。
【0026】このセラミック側板が焼結体からなるセラ
ミック焼成用治具の製造方法としては、アルミナ粉末に
MgO、SiO2、CaOなどの焼結助剤を添加し、更
にPVAやパラフィンなどの有機バインダーを加えて混
合する。この混合粉末をプレス成形などにより成形した
後、得られた粉末成形体に複数の支持孔を形成する。次
に、平行に対向させた2枚の粉末成形体の各支持孔にセ
ラミック棒の両端部をそれぞれ挿入し、1300℃以上
の温度で焼成する。この焼成によって、粉末成形体は焼
結されると同時に熱収縮するので、得られた焼結体から
なるセラミック側板の支持孔にセラミック棒を強固に固
着させることができる。
【0027】この焼結体のセラミック側板の場合におい
ても、前記セラミックファイバー成形体の場合と同様の
理由により、セラミック棒に対して直角な粉末成形体の
高さ方向の収縮率を2〜15%の範囲に、好ましくは5
〜10%の範囲に、同じく長さ方向の収縮率を7%以下
に調整することが好ましい。また、粉末成形体における
針状のアルミナ粒子の配向方向を、粉末成形体の長さ方
向と一致させることが好ましい。更に、粉末成形体をプ
レス成形により作製する場合、そのプレス方向を粉末成
形体に形成する支持孔の軸方向と一致させることが好ま
しい。
【0028】尚、粉末成形体の焼成による熱収縮も、粉
末成形体の組成や粉末の粒径、焼成温度などによって調
整することができ、例えばSiC粉末の添加により熱収
縮を抑制することが可能である。
【0029】
【実施例】実施例1 アルミナ質ファイバー(イギリスICI社製のサフィル
HA、Al23含有量97重量%)20重量%と、アル
ミノシリケート質ファイバー(イソライト工業(株)製の
イソウールAl23:SiO2=47:53)30重量
%と、Al23粒子(平均粒径7μm)45重量%と、
SiO2ゾル(日産化学(株)製のST−40、SiO2
有率40重量%)5重量%(固形分)とを25リットル
の水に添加し、撹拌しながら分散させてスラリーとし
た。
【0030】このスラリーに凝集剤として固形分2重量
%の澱粉水溶液を加えて凝集させ、吸引加圧成形を行っ
て成形体を得た。この成形体を90℃で乾燥させ、10
00℃にて1時間の1次焼成を行った。1次焼成により
得られたセラミックファイバー成形体を、ファイバーの
配向方向が長さ方向と一致するように、長さ150×高
さ30×厚さ15mmに加工した。更に、このセラミッ
クファイバー成形体を厚さ方向に貫通させて、その長さ
方向に沿い一直線上に直径8.1mmの支持孔を3個形
成した。
【0031】得られたセラミックファイバー成形体2枚
を支持孔が対向するように平行に位置させ、対向する各
支持孔に中空のセラミック棒(ニッカトー(株)製、直径
8mm×長さ170mm)の端部を挿入した。尚、セラ
ミック棒の長さ方向はファイバーの配向方向及び積層方
向とそれぞれ直角になっている。その後、1400℃に
て2時間の2次焼成を行った。この2次焼成によって、
セラミックファイバー成形体は6%熱収縮し、セラミッ
ク棒を収縮した支持孔内に強く固着することができた。
【0032】かくして得られたセラミック焼成用治具の
2枚のセラミック側板に固着された複数のセラミック棒
上に、両面にZrO2コーティングを施したアルミナ製
のセッターを載せ、そのセッターの上に被焼成物である
BaTi3コンデンサーを載置した。このセラミック焼
成用治具を4段積みにし、1300℃×2時間の条件で
30回繰り返して焼成を行った。その結果、各セラミッ
ク棒とセラミック側板とは強く固着していて、全く緩み
が生じなかった。また、セラミックセッター及び被焼成
物は、セラミック棒やセラミック側板と全く反応せず、
これらに変形も起こらなかった。
【0033】比較例 上記実施例1と同様にして成形体を作製し、90℃で乾
燥した後、通常のごとく1350℃で2時間焼成してセ
ラミックファイバー成形体を得た。得られたセラミック
ファイバー成形体を、実施例1と同一寸法に加工してセ
ラミック側板とし、これに実施例1と同様の支持孔を穿
設した。その後、実施例1と同じセラミック棒の両端部
に下記3種類の無機接着剤を付け、対向させた2枚のセ
ラミック側板の各支持孔に挿入し、1400℃で2時間
焼成した。
【0034】これにより、2枚のセラミック側板の間に
複数のセラミック棒を固定した焼成用治具が得られた。
しかし、セラミック側板の白色の表面には、各支持孔か
ら溢れ出た有機接着剤が黄色ないし褐色に変色して付着
していた。
【0035】この焼成用治具の上に、実施例1と同様に
セッターと被焼成物のBaTi3コンデンサーを載せ、
4段積みにして、実施例1と同様に1300℃×2時間
の条件で焼成を行った。その結果、セッターや被焼成物
は反応せず、変形も認められなかったが、いずれの無機
接着剤の場合も下記表1のごとくセラミック棒とセラミ
ック側板との間に緩みが生じ、使用することが出来なく
なった。
【0036】
【表1】 使用した無機接着剤の種類 繰り返し使用後の固定状態 イソタップ(イソライト工業(株)製) 2〜3回で緩み発生 ベッタク(坂井化学工業(株)製) 2〜3回で緩み発生 アロンセラミック(東亜合成(株)製) 5〜6回で緩み発生
【0037】実施例2 平均粒径5μmのAl23粉末95重量%と、平均粒径
1.5μmのSiC粉末4重量%と、焼結助剤としての
平均粒径1μmのMgO粉末1重量%とに、有機バイン
ダーのPVA溶液(添加量固形分3重量%)を混合し、
造粒した。この造粒粉末を金型に入れ、一軸プレスによ
り圧力2トン/cm2で加圧成形して、長さ153×高
さ34×厚さ15mmの粉末成形体を得た。
【0038】この粉末成形体に実施例1と同様の支持孔
(直径8.1mm)を3個形成し、実施例1と同じセラ
ミック棒(直径8mm)の両端部を2枚の対向した粉末
成形体の支持孔に挿入した後、1450℃で2時間焼成
した。これにより、粉末成形体の焼結によりセラミック
側板が得られると同時に、11%の熱収縮が生じ、支持
孔内にセラミック棒が固着された。
【0039】かくして得られたセラミック焼成用治具の
2枚のセラミック側板に固着された複数のセラミック棒
上に、実施例1と同様に、セッターと被焼成物であるB
aTi3コンデンサーを載せ、4段積みにして、130
0℃×2時間の条件で30回繰り返して焼成を行った。
その結果、各セラミック棒とセラミック側板とは強く固
着していて全く緩みが生じず、セラミックセッター及び
被焼成物はセラミック棒やセラミック側板と全く反応せ
ず、変形も起こらなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、セラミックファイバー
成形体又はセラミック焼結体からなるセラミック側板
に、複数のセラミック棒を熱収縮により固着させること
により、外観が美麗であり、使用中にセラミック棒に緩
みが生じることのない、長寿命のセラミック焼成用治具
を提供することができる。
【0041】このセラミック焼成用治具は、特にセラミ
ック電子部品などの焼成用として好適であり、セラミッ
ク電子部品などの被焼成物と接触しているセラミックセ
ッターの変形を防ぐことができ、且つ被焼成物の加熱を
均一にすることができる。また、セラミック側板がセラ
ミックフィバー成形体からなるセラミック焼成用治具で
は、重量が格段に軽く取り扱いが容易であると共に、熱
容量が小さいため省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック焼成用治具の一具体例を示
す概略の斜視図である。
【図2】本発明のセラミック焼成用治具にセラミックセ
ッターを載せた状態を示す概略の断面図である。
【符号の説明】 1 セラミック側板 1a 支持孔 2 セラミック棒 3 セラミックセッター

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行な2枚のセラミック側板と、該2枚
    のセラミック側板の間に並列して保持された複数のセラ
    ミック棒とからなり、各セラミック棒はセラミック側板
    の各支持孔内に該セラミック側板の熱収縮により固着さ
    れていることを特徴とするセラミック焼成用治具。
  2. 【請求項2】 前記セラミック側板が、アルミナ質ファ
    イバーと、アルミノシリケート質ファイバーと、耐火粒
    子を主成分とするセラミックファイバー成形体であるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載のセラミック焼成用治
    具。
  3. 【請求項3】 前記セラミック側板が、5〜50重量%
    のアルミナ質ファイバーと、5〜40重量%のアルミノ
    シリケート質ファイバーと、20〜80重量%の平均粒
    径0.2〜15μmの耐火粒子を主成分とするセラミッ
    クファイバー成形体からなることを特徴とする、請求項
    2に記載のセラミック焼成用治具。
  4. 【請求項4】 前記セラミック側板が、アルミナを主成
    分とする焼結体であることを特徴とする、請求項1に記
    載のセラミック焼成用治具。
  5. 【請求項5】 アルミナ質ファイバーとアルミノシリケ
    ート質ファイバーと耐火粒子を含むスラリーを吸引成形
    し、800〜1100℃の温度で1次焼成して、得られ
    たセラミックファイバー成形体に複数の支持孔を設け、
    平行に対向させた2枚の該セラミックファイバー成形体
    の各支持孔にセラミック棒の両端部をそれぞれ挿入した
    後、1200℃以上の温度で2次焼成してセラミックフ
    ァイバー成形体を熱収縮させることにより、セラミック
    ファイバー成形体からなるセラミック側板の支持孔にセ
    ラミック棒を固着させることを特徴とするセラミック焼
    成用治具の製造方法。
  6. 【請求項6】 焼結助剤を含むアルミナ粉末を加圧成形
    し、得られた粉末成形体に複数の支持孔を設け、平行に
    対向させた2枚の該粉末成形体の各支持孔にセラミック
    棒の両端部をそれぞれ挿入した後、1300℃以上の温
    度で焼成して粉末成形体を焼結すると同時に熱収縮させ
    ることにより、アルミナを主成分とする焼結体からなる
    セラミック側板の支持孔にセラミック棒を固着させるこ
    とを特徴とするセラミック焼成用治具の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記セラミックファイバー成形体又は前
    記粉末成形体のセラミック棒に対して直角な高さ方向の
    収縮率を2〜15%に、同じく長さ方向の収縮率を7%
    以下に調整することを特徴とする、請求項5又は6に記
    載のセラミック焼成用治具の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記セラミックファイバー成形体におけ
    るファイバーの配向方向、又は前記粉末成形体における
    針状粒子の配向方向を、該セラミックファイバー成形体
    又は粉末成形体の長さ方向と一致させることを特徴とす
    る、請求項5〜7のいずれかに記載のセラミック焼成用
    治具の製造方法。
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