JP2000073551A - 低床用床支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低床化を図り、部品点数を減らして組立てを
容易にし、施工時及び施工後の支持脚部分の強度及び安
定性を高め、床鳴りを防止する。 【解決手段】 上部に仕上材１が設けられる床下地パネ
ル２の隣り合う外周縁の内側下面を受けるパネル受材３
を円筒状に形成しその外周又は内周に雄ねじ部３Ａ又は
雌ねじ部４Ａを形成し、このパネル受材３の雄ねじ部３
Ａと螺合する雌ねじ部４Ａを又はパネル受材３の雌ねじ
部４Ａと螺合する雄ねじ部３Ａを円筒状をなした脚体４
の内周又は外周に形成し、この脚体４の下面に緩衝体５
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、集合住宅や体育
館などの床構造に用いられる低床用床支持構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】遮音性能を付与し、コンクリートスラブ
などの床基盤から所定の高さに支持される床構造として
は、図５以下に示すものが知られている。すなわち、上
部に仕上材１００が設けられる床下地パネル１０１を受
ける受部材１０２を支持ボルト１０３でコンクリートス
ラブなどの床基盤１１０から所定の高さに支持したもの
が知られている。支持ボルト１０３の上下には互いに逆
ねじとなる雄ねじ部１０３Ａ，１０３Ｂを形成し、受部
材１０２に設けた金具１０４の内周に形成された雌ねじ
部１０４Ａに雄ねじ部１０３Ａをねじ込み、下端の雄ね
じ部１０３Ｂは金具１０５の図示しない雌ねじ部にねじ
込み、この金具１０５はゴムなどから成る緩衝体１０６
に取付けてある。受部材１０２は、図６に示すように、
１８００mm×６００mmの大きさの床下地パネル１０１に
対し８ヶ所ないし１０ヶ所で支持する。そして、レベル
調整を図るには、図７に示すように隣り合う床下地パネ
ル１０１を受部材１０２上に載せる前にドライバーなど
で支持ボルト１０３を回転させて調整した後、図８に示
すように隣り合う床下地パネル１０１を受部材１０２上
に載せる。この工程では新たに載置した床下地パネル１
０１の図面上右端でも受部材１０２を設置し、ここで図
７と同様のレベル調整を図る。このようにして１つ１つ
の受部材１０２のレベル調整を図った後に、仕上材１０
０を床下地パネル１０１上に貼り付ける。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の床支持構造で
は、構造上床高さを６０mm前後の低いものとすることは
困難であった。また、部品点数も多く、工場又は現場で
の組立て工数が増え、作業が煩雑となっていた。さら
に、施工後に受部材１０２から離れた床上の個所に荷重
がかかると、図９に示すように、受部材１０２に曲げモ
ーメントが発生し、受部材１０２と金具１０４の取付部
分に応力が集中し、長期的な強度安定性の確保が困難で
あるとともに床鳴り発生の原因ともなっていた。また、
施工途中、すなわち図７及び図８の状態においても、受
部材１０２に偏荷重が作用し転倒するおそれがあるた
め、図７に示す工程の前後で床下地パネル１０１を受部
材１０２に粘着材、ビス、釘などで固定しておく必要が
あった。さらに、支持脚部分（受部材１０２、金具１０
４，１０５、支持ボルト１０３、緩衝体１０６）は、そ
れ自体での直立安定性に欠けるので、支持脚部分のみの
レベル調整を先に行い、後から床下地パネル１０１を載
置していく方法をとることは不可能ないしは困難であっ
た。

【０００４】そこで、この発明は、低床化が図れ、部品
点数も減らして組立ても簡単にし、施工時及び施工後の
支持脚部分の強度及び安定性を高め、床鳴りを防止した
低床用床支持構造を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、上部に仕上材が設けられる床下地パネ
ルの隣り合う外周縁の内側下面を受けるパネル受材を円
筒状に形成しその外周又は内周に雄ねじ部又は雌ねじ部
を形成し、このパネル受材の雄ねじ部と螺合する雌ねじ
部を又はパネル受材の雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を円
筒状をなした脚体の内周又は外周に形成し、この脚体の
下面に緩衝体を設けたものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に、この発明の好適な実施例
を図面を参照にして説明する。

【０００７】図１に示す実施例において、上部に仕上材
１が設けられる床下地パネル２の隣り合う外周縁の内側
下面を受けるパネル受材３を円筒状に形成しその外周に
雄ねじ部３Ａを形成してある。このパネル受材３の雄ね
じ部３Ａと螺合する雌ねじ部４Ａを円筒状をなした脚体
４の内周に形成してある。この脚体４の下面に緩衝体５
を設けてある。この緩衝体５はコンクリートスラブなど
の床基盤１０に接地する。

【０００８】図２はパネル受材３を示す斜視図であり、
その上面には回転させるための孔３Ｂを形成してあり、
この孔３Ｂに指または治具を差し込んでパネル受材３を
回転させる。このパネル受材３は、雄ねじ部３Ａが形成
できる材料であればよく、金属材料やプラスチック材料
が好適に用いられる。また、図示する実施例では、パネ
ル受材３を下面開口の短い中空筒状に形成したが、中空
筒状には形成せずに中実筒状に形成することもできる。

【０００９】図３は脚体４を示す斜視図であり、上面開
口の短い中空筒状に形成し、内周に雌ねじ部４Ａが形成
してある。この脚体４を形成する材料もパネル受材３と
同様に雌ねじ部４Ａが加工できる材料であればよい。脚
体４の周壁部の高さは、パネル受材３の周壁部の高さと
ほぼ同一にしてある。

【００１０】図４はパネル受材３を脚体４から最大限に
高くした状態を示し、この状態において床基盤１０と床
下地パネル２の間隔は最大となる。図１に示す状態が床
基盤１０と床下地パネル２の間隔が最小の状態であり、
この図４に示す状態との間でレベル調整が可能である。

【００１１】図１に示す実施例において、パネル受材３
の外周ではなく内周に雌ねじ部を形成し、この雌ねじ部
に脚体４の外周に形成された雄ねじ部が螺合するように
構成することもできる。すなわち、パネル受材３と脚体
４の関係を反対にすることもできる。また、緩衝体５と
しては、ゴムの他に弾性樹脂、金属ばね等も用いること
もできる。さらに、この緩衝体５は脚体４の下面全体に
わたる大きさで設けることができ、十分な遮音性能を付
与することができるとともに、緩衝体５の接地面積も大
きくなり支持構造部分の強度と安定性が向上する。

【００１２】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、上部に仕上材が設けられる床下地パネルの隣り合う
外周縁の内側下面を受けるパネル受材を円筒状に形成し
その外周又は内周に雄ねじ部又は雌ねじ部を形成し、こ
のパネル受材の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を又はパネ
ル受材の雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を円筒状をなした
脚体の内周又は外周に形成し、この脚体の下面に緩衝体
を設けたので、部品点数も少なく、かつ筒状のパネル受
材と脚体とを重ね合わせる構造であるために、低床化も
図れる。さらに、この発明では部品点数も少ないので、
組立工数を削減し、容易かつ迅速に現場での施工も行え
る。また、施工時及び施工後の支持構造部分の強度面及
び自立性での安定性が高まり、床鳴りなどの発生も抑制
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の好適な実施例を示す断面図。

【図２】パネル受材の斜視図。

【図３】脚体の斜視図。

【図４】支持構造を最も高くした状態の断面図。

【図５】従来例を示す断面図。

【図６】従来における床下地パネルに対する受部材の一
般的配列を示す平面略図。

【図７】施工工程の第一段階を示す正面図。

【図８】施工工程の次の段階を示す正面図。

【図９】従来の完成された床構造を示す正面図。

【符号の説明】

１ 仕上材 ２ 床下地パネル ３ パネル受材 ３Ａ 雄ねじ部 ４ 脚体 ４Ａ 雌ねじ部 ５ 緩衝体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に仕上材が設けられる床下地パネル
   の隣り合う外周縁の内側下面を受けるパネル受材を円筒
   状に形成しその外周又は内周に雄ねじ部又は雌ねじ部を
   形成し、 このパネル受材の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を又はパ
   ネル受材の雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を円筒状をなし
   た脚体の内周又は外周に形成し、 この脚体の下面に緩衝体を設けたことを特徴とする低床
   用床支持構造。