JPH0647048Y2 - 室内競技場などの内壁構造 - Google Patents

室内競技場などの内壁構造

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JPH0647048Y2
JPH0647048Y2 JP4044789U JP4044789U JPH0647048Y2 JP H0647048 Y2 JPH0647048 Y2 JP H0647048Y2 JP 4044789 U JP4044789 U JP 4044789U JP 4044789 U JP4044789 U JP 4044789U JP H0647048 Y2 JPH0647048 Y2 JP H0647048Y2
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功雄 石崎
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は室内競技場などの内壁構造に係り、特に基礎壁
に高さ調整可能な支持スタンドと、この支持スタンドに
固定される胴縁材とを配設し、この胴縁材に内装壁材を
順次取付けて内壁面を形成する内壁構造の改良に関す
る。
〔従来の技術と課題〕
一般に体育館等の室内競技場では、床板が防振構造とな
っており、床板の振動によって起こる騒音を防止できる
ようにしているが、内周面を構成する内壁構造は、基礎
コンクリートに直接壁板を貼り付けただけのものが多
く、内壁での吸音効果は望めないものであった。しか
し、競技中に沸き起こる歓声を低く抑えたり、体育館を
講演等競技以外の催しに利用したときの音響効果を良く
したい等の要請がある。
本考案はこのような点に着目してなされたものであり、
優れた吸音特性を有する室内競技場の内壁構造を提供す
るものである。
〔課題を解決するための手段〕 本考案は上記技術的課題を解決するために、基礎壁に高
さ調整可能な支持スタンドを立設し、この支持スタンド
に断面略ハット状の胴縁材を配設し、隣接する胴縁材の
各フランジ間に吸音材を介在させると共に、該吸音材と
基礎壁との間に空気層を設け、更に胴縁材の上面に内装
壁材を所定間隔ごとにスリットを設けて取付け、このス
リットを形成する各内装壁材の上下の端面は傾斜され、
かつこの傾斜面には湾曲状の丸みが付されていることを
特徴とする室内競技場などの内壁構造を手段としてい
る。
〔作用〕
上述の手段によれば、スリットを形成する内装壁材の端
面に湾曲状の丸みが付されているので、スリット内への
吸音効果が良くなるのに加えて、スリットが曲がってい
るためにスリットを通して内部が見えにくくなり見映え
が良くなる。
〔実施例〕
以下添付図面に基いて本考案の実施例を詳細に説明す
る。
第1図及び第2図は本考案に係る室内競技場の内壁構造
を示したものであり、コンクリート基礎壁1の上に支持
スタンド2を所定間隔毎に立設固定し、これら支持スタ
ンド2に胴縁材3を上下方向に掛け渡して所定の高さに
調整した後固定すると共に、この胴縁材3に取付けた固
定金具4に長方形状の内装壁材5を順次取付け、各内装
壁材5の上下の隣接端部に吸音用のスリット6を設けた
内壁面を形成したものである。
上記支持スタンド2は第2図に示すように、胴縁材3の
上下端部を支持する高さ調整支持スタンド2aと、胴縁材
3の中間部を支持する弾性支持スタンド2bとの2種類よ
りなる。
高さ調整支持スタンド2aは第3図にも示すように、コン
クリート基礎壁1にアンカープラグ7によって固定され
るベース板8と、このベース板8に立設される支持ボル
ト9と、この支持ボルト9に高さ調整可能に取付けられ
た胴縁支承体10とで構成されている。そして、この胴縁
支承体10は支持ボルト9に螺合して上下動するナット11
と、このナット11と一体的に動く円板体12と、この円板
体12の上面に載置され円板体12の回転に伴って支持ボル
ト9上を平行移動する取付板13とで構成される。取付板
13は両側部に一対の縦壁14a,14bを備えており、各縦壁1
4a,14bには胴縁材3を係合固定するための係止突起15a,
15bが内方に向けて突出形成されている。
一方、弾性支持スタンド2bは、上述した高さ調整支持ス
タンド2aと同様、第4図に示したように、コンクリート
基礎壁1にアンカープラグ7によって固定されるベース
板16と、このベース板16に立設される支持ボルト17と、
この支持ボルト17に高さ調整可能に取付けられた胴縁支
承体18とで構成されるが、胴縁支承体18は支持ボルト17
に螺合して上下動するナット19と、このナット19の外側
にあって前記胴縁材3のフランジ3aを載置固定する円盤
状の支承板20と、この支承板20とナット19との間に装填
されて両者を一体的に結合するゴム弾性体21とで構成さ
れており、支承板20が胴縁材3から荷重を受けたときに
ゴム弾性体21に剪断方向の引張力が働くようになってい
る。
これらの高さ調整支持スタンド2a及び弾性支持スタンド
2bに取付けられる胴縁材3は、第1図にも示したように
断面略ハット状の長尺部材であり、コンクリート基礎壁
1に対して左右方向に所定間隔毎に配設される。そし
て、胴縁材3の上下端部に配設された高さ調整支持スタ
ンド2aにフランジ3aが嵌め込み固定され、高さ位置を調
整した後に弾性支持スタンド2bのナット19を調整して支
承板20を胴縁材3のフランジ3aに当接させ、両者をタッ
ピングスクリュ22で固定する。
また、胴縁材3に取付けられる内装壁材5は、内壁面を
形成するための各構成体であって、第5図乃至第7図に
示したように、矩形をなす平板状の本体部23と、この本
体部23の表面に被覆される弾性部材24及び表皮材25とで
構成されている。そして、本体部23の上端面及び下端面
は上向きの傾斜面26a,26bとなっている他、この傾斜面2
6a,26bは互いに対応する曲率を持って湾曲状の丸みが付
されている。また、傾斜面26a,26bには本体部23の長手
方向に沿って固定金具4に差し込み固定するための溝部
27a,27bが設けられている。これに対して、本体部23の
左右両端部には一方側に凹部28が、他方側に凸部29がそ
れぞれ設けられており、隣接する内装壁材5の凹部28と
凸部29とが嵌り合って連結していく。
一方、弾性部材24はウレタン等の発泡体をシート状に形
成したもので、本体部23の表面全体を覆って衝突時の緩
衝材の役目をする。また、表皮材25は塩化ビニル等の表
面強度の大きい合成樹脂材によって形成されており長期
間にわたって表面を保護するのと高級感を出すためにレ
ザー仕上となっている。弾性部材24及び表皮材25の本体
部23への取付けは、例えば本体部23の表面に弾性部材24
及び表皮材25を順次重ねて貼付するか、又は弾性部材24
及び表皮材25を予め一体に形成しておき、これを本体部
23に被覆してもよい。その際、表皮材25の端末を本体部
23の上下端部まで廻し込み、溝部27a,27b内に差し込ん
で端末処理を行なっている。なお、この実施例では本体
部23の裏面にも上記弾性部材24と同じ発泡ウレタンによ
って形成された弾性補助部材30が貼付されている。この
弾性補助部材30は、内装壁材5を取付ける際コンクリー
ト基礎壁1の不陸等によって生じる高さ方向の寸法誤差
を吸収するためのものである。
一方、上記内装壁材5を差込むための固定金具4は第8
図に示すように、取付孔31が中心部に設けられた基部32
と、この基部32の両側部に折曲形成され胴縁材3に嵌め
込まれて固定金具4の回転を防止する一対の位置決め片
33a,33bと、基部32の上下に突出形成され上記内装壁材
5の溝部27a,27bに差し込まれる一対の係止片34a,34bと
で構成されており、タッピングスクリュ37によって胴縁
材3の上面3bに止着される。
従って、上述のような構成体を用いて体育館等の内壁面
を構築する場合には、まずコンクリート基礎壁1に高さ
調整支持スタンド2a及び弾性支持スタンド2bを立設固定
し、これに胴縁材3を配設して胴縁材3の高さ調整を行
なう。そして、胴縁材3の上面3bに固定金具4を取付
け、この固定金具4の上下の係止片34a,34bに内装壁材
5の上下端部の溝部27a,27bを差し込み、また隣接する
左右の内装壁材5の凹部28と凸部29を嵌め合せて順次上
方に向って内装壁材5を継ぎ合せて内壁面を形成してい
く。尚、この場合に内装壁材5の裏面に予め吸音材35を
設けておき、内装壁材5の取付け時に胴縁材3のフラン
ジ3a上に吸音材35の端部を載置し、胴縁材3間に吸音材
35を介在させると共に、吸音材35とコンクリート基礎壁
1との間に空気層36を設ける。
このような構成からなる内壁構造では、第9図に示すよ
うに、各内装壁材5の上下の隣接端部にスリット6がそ
れぞれ形成されるが、このスリット6は曲線状に形成さ
れるので、スリット6内での音の反射が少なくなりその
分吸音特性が良くなる。また本実施例では内装壁材5の
裏面に設けた吸音材35および吸音材35とコンクリート基
礎壁1との間に形成した空気層36が一体となって吸音機
能を発揮し、低周波数域から高周波数域まで広い範囲で
騒音の低減および音響特性の向上が図られる。
次に、上記内壁構造の吸音特性について実験した結果を
述べる。この実験は内壁面に形成された上記スリットの
形状が吸音特性にどのように影響するのかを調べたもの
である。第10図に示した試料−1は、本考案に係る内壁
構造と同様、内装壁材5aのスリット6aを曲線状に形成し
た場合であり、また第11図に示した試料−2は、内装壁
材5bのスリット6bを直線状に形成した場合の内壁構造で
ある。なお、その他の条件、例えば空気層36や吸音材35
の厚さは同一である。JIS A1409−1977に基いて行なっ
た実験結果を第12図に示す。
この実験結果によれば、250Hzを境にしてそれより高周
波数域では試料−1の方が試料−2より吸音率が高くな
っているが、この差は上記スリット6a,6bが形状の違い
に基いているものと考えられる。また、一般に人の発す
る音声の周波数域が200〜800Hzの範囲内にあることか
ら、上記吸音特性の違いが競技中の観客の歓声などによ
って起こる騒音の低減率にも影響することにもなる。
なお、この実施例では内装壁材5の表面に弾性部材24が
被覆され、また内装壁材5を弾性支持スタンド2bによっ
て支持しているので、競技者が内壁に衝突したような場
合には、内装壁材5の一次的緩衝効果と弾性支持スタン
ド2bによる二次的緩衝効果が同時に得られることにな
り、衝突部位の衝撃力が和らげられて、裂傷や打撲傷、
脳しんとう等が効果的に防止できる。
〔効果〕
以上説明したように、本考案に係る室内競技場などの内
壁構造によれば、各胴縁材間に設けられた吸音材及びこ
の吸音材と基礎壁との間に設けられた空気層、さらには
各内装壁材の隣接端部に設けられた曲線形状のスリット
によって吸音特性が向上し、室内競技場などで発生する
騒音の低減と共に音響特性の向上も図られ、競技以外の
他用途にも広く利用できることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る室内競技場の内壁構造を示す斜視
図、第2図は内壁構造の縦断面図、第3図は高さ調整支
持スタンドの断面図、第4図は弾性支持スタンドの断面
図、第5図は内装壁材の一実施例を示す斜視図、第6図
は第5図中VI−VI線断面図、第7図は第5図中VII−VII
線断面図、第8図は固定金具の斜視図、第9図は内壁構
造の一部を拡大した縦断面図、第10図は試料−1の内壁
構造を示す断面図、第11図は試料−2の内壁構造を示す
断面図、第12図は周波数に対する吸音特性を示すグラフ
である。 1…コンクリート基礎壁(基礎壁) 2…支持スタンド 3…胴縁材 5…内装壁材 6…スリット 26a,26b…傾斜面 35…吸音材 36…空気層

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】基礎壁に高さ調整可能な支持スタンドを立
    設し、この支持スタンドに断面略ハット状の胴縁材を配
    設し、隣接する胴縁材の各フランジ間に吸音材を介在さ
    せると共に、該吸音材と基礎壁との間に空気層を設け、
    更に胴縁材の上面に内装壁材を所定間隔ごとにスリット
    を設けて取付け、このスリットを形成する各内装壁材の
    上下の端面は傾斜され、かつこの傾斜面には湾曲状の丸
    みが付されていることを特徴とする室内競技場などの内
    壁構造。
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