JP2000073123A - 加工性に優れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

加工性に優れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間圧延における再結晶の挙動を制御し、優
れた加工性を有するTi含有フェライト系ステンレス鋼板
の製造技術を提案する。 【解決手段】 C:0.010 wt%以下、N:0.010 wt%以
下、かつ、C+N:0.015 wt%以下、Cr:6wt%以上、
25wt%以下、Ti:6× (C+N) wt%以上、0.5 wt%以
下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなるス
ラブを、1160℃以下に加熱して、累積圧下率を85%以
上、かつ、最終パス終了温度を 950℃以上とする粗圧延
を行い、次いで、累積圧下率を85%以上、かつ、最終パ
ス終了温度を800 ℃以下、650 ℃以上とする仕上げ圧延
を行い、 680℃以下、350 ℃以上でコイルに巻き取り
し、その後、焼鈍、冷間圧延および仕上げ焼鈍を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた加工性を有
するTi含有フェライト系ステンレス鋼板の製造技術に関
し、特に、優れた加工性のほか、耐食性や溶接性が必要
な自動車排気系のパイプやマフラーなどに供されるフェ
ライト系ステンレス鋼板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】Tiを含有するフェライト系ステンレス鋼
板は、耐食性と溶接性とを兼ね備え、比較的安価である
ことから、最近、自動車排気系の部材などに使用される
ようになってきた。このTi含有フェライト系ステンレス
鋼板は、一般に、連続鋳造したスラブに粗圧延−仕上げ
圧延からなる熱間圧延を行い、コイルに巻き取り、焼鈍
(バッチ式または連続式)により軟質化と均質化をはか
った後、冷間圧延、仕上げ焼鈍を行うことによって製造
される。Ti含有フェライト系ステンレス鋼の熱間圧延で
は、一般には、操業性の観点から、汎用鋼種であるSU
S430における圧延方法が踏襲されてきた。SUS4
30は、Ti含有フェライト系ステンレス鋼板に比べて、
固溶状態のC、Nの含有量が多いために、高温強度が高
く、圧延負荷は高い。そこで、SUS430の熱間圧延
では、圧延負荷軽減のために、スラブ加熱温度を高温に
して高温のうちに圧延すること、また、パス回数を多く
して1パス当たりの圧下率を小さくして圧延することが
肝要であるとされてきた。したがって、Ti含有フェライ
ト系ステンレス鋼においても、このような圧延負荷軽減
のための条件が採用されてきた。
【0003】このような条件で圧延したときに、Ti含有
フェライト系ステンレス鋼で最も問題となるのは、1パ
ス当たりの圧下率が小さいために、板厚中央部の帯状組
織が十分に分断されず、冷延、仕上げ焼鈍した後の鋼板
(冷延焼鈍板)の加工性(例えばr値や伸び)が十分に
得られないことであった。ところで、Ti含有フェライト
系ステンレス鋼板の加工性を改善する方法について、こ
れまでにも幾つかの提案がある。例えば、特開昭57−13
7427号公報には、スラブ加熱温度を低く、仕上げ圧延開
始温度を高く、仕上げ圧延終了温度を低くし、さらに仕
上げ圧延の圧下率の下限を規定することにより、冷延焼
鈍板の加工性を改善する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この方法は、仕上げ圧
延中の再結晶により加工性を改善しようとするものであ
るが、5段スタンド〜7段スタンドのタンデム圧延によ
る通常の仕上げ圧延では、パス間の時間が短いので、十
分に再結晶しないという問題があった。また、特開平 9
−194937号公報には、1000℃以上、1100℃以下の温度域
で圧下率80%以上の圧延を行い、30秒以上放冷後、仕上
げ圧延する方法が記載されている。しかしながら、この
方法は、スラブ加熱温度が高い場合には、初期の結晶粒
が粗大化し、その後の強圧下でも、結晶粒を十分に微細
化できないなどの問題があった。そこで、この発明は、
これら従来技術が抱えていた上記問題点の解決を図るも
のであり、熱間圧延条件により再結晶の挙動を有利に制
御し、従来にない優れた加工性を有するTi含有フェライ
ト系ステンレス鋼板の製造技術を提案することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上掲の目的
を達成すべく、Ti含有フェライト系ステンレス鋼の熱延
条件について詳細に検討した。その結果、粗圧延と仕上
げ圧延とを適正範囲に制御することによって解決できる
との知見を得て、本発明を完成するに至った。その要旨
構成は以下のとおりである。
【0006】(1) C:0.010 wt%以下、N:0.010 wt
%以下、かつ、C+N:0.015 wt%以下、Cr:6wt%以
上、25wt%以下、Ti:6× (C+N) wt%以上、0.5 wt
%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からな
るスラブを、1160℃以下に加熱して、累積圧下率を85%
以上、かつ、最終パス終了温度を 950℃以上とする粗圧
延を行い、次いで、累積圧下率を85%以上、かつ、最終
パス終了温度を800 ℃以下、650 ℃以上とする仕上げ圧
延を行い、 680℃以下、350 ℃以上でコイルに巻き取り
し、その後、焼鈍、冷間圧延および仕上げ焼鈍を施すこ
とを特徴とする、加工性に優れたTi含有フェライト系ス
テンレス鋼板の製造方法。
【0007】(2) 上記 (1)に記載の製造方法におい
て、スラブが、上記成分のほかに、さらにNi:1.0 wt%
以下、Mo:3.0 wt%以下の1種または2種を含有するこ
とを特徴とする、加工性に優れたTi含有フェライト系ス
テンレス鋼板の製造方法。
【0008】(3) 上記 (1)または (2)に記載の製造方
法において、粗圧延の少なくとも1パスの圧下率を35%
以上として圧延することを特徴とする、加工性に優れた
Ti含有フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
【0009】(4) 上記 (1)〜 (3)のいずれか1つに記
載の製造方法において、粗圧延の終了から仕上げ圧延の
開始までの間に、粗圧延で得たシートバーを、900 ℃以
上の温度域で20秒間以上保持することを特徴とする、加
工性に優れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板の製造
方法。
【0010】
【発明の実施の形態】発明者らは、先ず、従来技術につ
いてあらためて見直しを行い、従来の熱間圧延方法で
は、粗圧延での強圧下の程度が不十分であり、帯状組織
が分断されていないこと、また、粗圧延後の再結晶に必
要な条件が満たされておらず、仕上げ圧延前における再
結晶による軟質化が十分にはかられていないことが明ら
かになった。そして、これらの結果として、仕上げ圧延
時の負荷が高くなり、ミルパワーの上限から、仕上げ圧
延での強圧下が制限されてしまい、帯状組織は圧延後ま
で残存し、冷延焼鈍板の加工性を悪化させていることも
わかった。
【0011】そこで、発明者らは、これらの状況を踏ま
えて、粗圧延および仕上げの圧延における圧延条件を総
合的に検討した。そして、詳細な実験の結果、加工性を
改善するためには、以下の点について留意する必要があ
るとの結論に達した。 (1)まず、スラブ加熱温度をできるだけ低くすることに
より、加熱中の結晶粒の粗大化を抑制し、初期粒径を小
さくすること。 (2)粗圧延では、低温強圧下を行うこと
により結晶粒をより微細化しておくこと。 (3)粗圧延
後、仕上げ圧延開始までに、再結晶温度以上で十分な時
間保持することにより、一旦再結晶組織とすること。
(4)その後の仕上げ圧延でさらに強圧下し、しかも低温
域で巻き取りを行うことにより十分な歪みを蓄積するこ
と。 (5)この蓄積歪みにより、熱延板の焼鈍において、
再結晶を促進させること。
【0012】次に、上記項目を実現するための製造条件
について、具体的に説明する。 ・加熱温度 スラブ加熱温度は、1160℃以下とする。というのは、11
60℃を超えると結晶粒が粗大化し、粗圧延後の組織の微
細化が阻害され、結果的に、冷延−焼鈍した鋼板の加工
性が改善されないからである。熱間圧延が可能な範囲で
あれば、スラブ加熱温度は低いぼど加工性の向上が大き
くなるので、好ましくは、このスラブ加熱温度は1120℃
以下とすることが望ましい。
【0013】・粗圧延 粗圧延は、結晶粒を十分に微細化するために強圧下が有
効であり、スラブから粗圧延終了までの累積圧下率を8
5%以上とすると加工性改善の効果がある。さらに、粗
圧延圧下パスのうちの少なくとも1パスは、圧下率35
%以上とすると一層高い効果が得られる。また、粗圧延
後にシートバーを再結晶温度以上に保持して、圧延前で
の再結晶を促進させるためには、本発明に従うTi含有フ
ェライト系ステンレス鋼の再結晶温度が900 ℃以上であ
ることから、粗圧延最終パス終了温度は950 ℃以上とす
ることが必要である。そして、再結晶の一層の促進を図
るためには、かかる粗圧延終了温度のもとで、仕上げ圧
延までに、粗圧延で得たシートバーを900 ℃以上で20
秒以上保持することが望ましい。なお、スラブ加熱温度
が低いときに、粗圧延最終パス終了温度を高くするに
は、粗圧延パスを少なくするか、または粗圧延速度を上
げることが必要となるが、今日では熱間圧延ミルの能力
が向上されて、従来は不可能であったこのような圧延負
荷の高い製造が可能である。
【0014】図1は、実験室で0.006 wt%C−0.008 wt
%N−18wt%Cr−0.3 wt%Tiをベースとしたフェライト
系ステンレス鋼を溶製し、1120℃に加熱後、粗圧延する
に際し、圧延終了時のシートバー厚さを変えて累積圧下
率を変化させ、また、圧延終了温度を850 ℃から1000℃
の範囲で変えて、その温度で20秒間保持した後、直ちに
水冷した鋼板の組織中の再結晶率を調べたものである。
図1から、圧延終了温度を950 ℃以上とし、かつ累積圧
下率を85%以上とすることにより、50%以上の再結晶組
織が得られることが分かる。
【0015】・仕上げ圧延 このような粗圧延ののち、仕上げ圧延での圧延条件と巻
き取り温度を適正範囲に制御することも、冷延焼鈍板の
優れた加工性を発揮させる上で重要である。すなわち、
仕上げ圧延では、終了温度を低くするほど、帯状組織が
分断され、また歪みが蓄積し、次工程の焼鈍で再結晶が
促進される。このような効果は、仕上げ圧延終了温度が
800 ℃を超えると少なくなる。一方、圧延終了温度が65
0 ℃を下回った場合には、圧延材が硬化し、圧延荷重が
著しく大きくなるため、圧下率を大きくした場合に圧延
材表面に圧延ロールとの接触による疵が発生する。ま
た、仕上げ圧延では、累積圧下率をできるだけ高くする
ことにより、帯状組織が分断され、また歪みが蓄積し、
次工程の焼鈍で再結晶が促進される。累積圧下率が85%
に満たないと、このような効果が期待されなくなる。よ
って、仕上げ圧延は、累積圧下率を85%以上とするとと
もに、最終パス終了温度を800 ℃以下、650 ℃以上とす
ることが必要となる。なお、本発明においては、粗圧延
後に再結晶が行われているため、仕上げ圧延終了温度を
800 ℃以下としても、累積圧下率85%以上の圧延は十分
可能である。
【0016】・巻き取り さらに、仕上げ圧延後の巻き取り温度は、圧延で与えた
歪みを解放することなく十分に蓄積させるために、680
℃以下とすることが必要である。ただし、巻き取りの温
度が350 ℃を下回ると、圧延材が著しく硬化し、巻取り
が困難になり、無理に巻き取った場合には表面にすり疵
が発生することになる。そのため、仕上げ圧延後のコイ
ル巻き取りは、 680℃以下、350 ℃以上の温度範囲で行
う必要がある。なお、圧延歪みを十分に蓄積させるため
の好ましい巻き取り温度は600 ℃以下である。
【0017】上記工程に続いて行う、熱延板の焼鈍、冷
延および仕上げ焼鈍の条件については、常法に従って実
施すればよく、特に定める必要はないが、以下の条件が
特に推奨される。熱延板の焼鈍は、800 ℃以上で1分以
上保持、冷延は、圧下率65%以上、仕上げ焼鈍は、850
℃以上で30秒以上保持である。また、熱延焼鈍後および
仕上げ焼鈍後、必要な場合には、酸洗による脱スケール
をおこなう。脱スケールは硝酸塩中での電解酸洗などが
好適である。
【0018】以下に、成分組成を限定した理由について
説明する。 C:0.010 wt%以下 Cは、加工性に悪影響をおよぼす元素であり、0.010 wt
%を超えると、その影響が顕著に現れるので、0.010 wt
%以下に限定する。なお、より良好な加工性を得るため
には、C含有量は0.005 wt%以下に制限するのが望まし
い。
【0019】N:0.010 wt%以下、かつ、C+N:0.01
5 wt%以下 Nは、Cと同様に、加工性に悪影響をおよぼす元素であ
り、0.010 wt%を超えると、その影響が顕著となるの
で、0.010 wt%以下に限定する。なお、より良好な加工
性を得るためには、0.007 wt%以下に制限するのが望ま
しい。また、加工性向上の点から、C量とN量の合計量
(C+N) は0.015 wt%以下に限定する。
【0020】Ti:6× (C+N) wt%以上、0.5 wt%以
下 Tiは、鋼中のCおよびNを固定し、加工性および溶接性
を向上させる元素である。これらの効果は、Tiを6×
(wt%C+wt%N) 以上含有させることにより発揮され
る。しかし、0.5 wt%を超えて添加しても、その効果が
飽和するばかりでなく、固溶Tiが鋼の再結晶温度を上昇
させて、粗圧延終了後の鋼の軟化を妨げてしまう。よっ
て、Tiは、6× (C+N) wt%以上、0.5 wt%以下の範
囲で添加する。なお、粗圧延後の再結晶により、加工性
を一層高めるには、Ti含有量は0.3wt%以下とすること
が望ましい。
【0021】Cr:6wt%以上、25wt%以下 Crは、耐食性を向上させる元素である。この効果は、6
wt%未満の含有量では不十分であり、一方、25wt%を超
えて添加すると、脆化が生じて実用上の障害となる。よ
って、Cr含有量は6〜25wt%の範囲に限定する。
【0022】Ni:1.0 wt%以下、Mo:3.0 wt%以下 NiおよびMoは、いずれも耐食性を向上させるのに有用な
元素であり、これらの1種または2種を必要に応じて添
加する。しかし、Ni:1.0 wt%、Mo:3.0 wt%を超えて
添加しても、その効果が飽和するばかりでなく、製造性
および経済性を損なうので、それぞれこれらの値を上限
として添加する。
【0023】以上記載したもの以外の成分は、材質上、
不可避的に含まれるものである。このうちSi、Mn、Alは
製鋼工程での脱酸に必要な元素であり、通常、それぞれ
1.0wt%以下、1.0wt %以下、0.1 wt%以下の範囲で鋼
中に含有される。
【0024】
【実施例】表1に示す化学組成のフェライト系ステンレ
ス鋼を、連続鋳造により200 mm厚のスラブとし、このス
ラブを加熱後、表2のイ〜ニに示すパススケジュールと
圧下率を採用して、種々の最終パス終了温度で粗圧延し
た。引き続き、7段からなる仕上げ圧延機を用いて、最
終パス終了温度および累積圧下率を変えて圧延し、水冷
後、表1の温度でコイルに巻き取った。これらの各圧延
条件を表3にまとめて示す。ここで、発明例はすべて、
粗圧延から仕上げ圧延に移行するまでの間で、900 ℃以
上で30秒間保持された。このようにして得られた熱延板
を焼鈍したのち、酸洗、冷延、仕上げ焼鈍および酸洗を
施すことにより、0.6 mm厚の冷延鋼板とした。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】以上の条件によって製造した鋼板について
加工性を評価した。評価の方法として、引張り試験の結
果から算出される平均r値および伸びを採用した。ここ
で、r値 (r) および伸び (El )は、圧延方向に対し
て0度、45度、90度の方向からJIS 13号B形状の引張試
験片を採取し、各方向の測定値から、それぞれ、r=
(r0 +2×r45+r90)/4およびEl =(El0+2
×El45 +El90 ) /4の式により算出した値である。
得られたr値および伸びを表3に合わせて示す。表3か
ら明らかなように、本発明に従った成分および工程の組
合せで製造した場合には、r値および伸びは良好な値を
示し、優れた加工性を有する鋼板が製造可能であること
がわかる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来技術では得られなかった優れた加工性を有するTi含
有フェライト系ステンレス鋼板を製造することが可能と
なる。そしてこの鋼板は、厳しい加工性とともに、耐食
性、溶接性が求められる自動車排気系のパイプおよびチ
ューブ等に好適に使用でき、産業上優れた効果をもたら
すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】18wt%Cr−0.3 wt%Ti鋼における粗圧延後の再
結晶率に及ぼす、粗圧延の累積圧下率および終了温度の
影響を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 和秀 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 佐藤 進 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K037 EA04 EA12 EA17 EA18 EA20 EA31 EB02 EB03 EB13 FA01 FA02 FB06 FB07 FC02 FC03 FE01 FE02 FE03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.010 wt%以下、 N:0.010 wt%以下、かつ、C+N:0.015 wt%以下、 Cr:6wt%以上、25wt%以下、 Ti:6× (C+N) wt%以上、0.5 wt%以下 を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなるスラ
    ブを、1160℃以下に加熱して、累積圧下率を85%以上、
    かつ、最終パス終了温度を 950℃以上とする粗圧延を行
    い、次いで、累積圧下率を85%以上、かつ、最終パス終
    了温度を800 ℃以下、650 ℃以上とする仕上げ圧延を行
    い、 680℃以下、350 ℃以上でコイルに巻き取りし、そ
    の後、焼鈍、冷間圧延および仕上げ焼鈍を施すことを特
    徴とする、加工性に優れたTi含有フェライト系ステンレ
    ス鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製造方法において、スラ
    ブの組成が、上記成分のほかに、さらに Ni:1.0 wt%以下、 Mo:3.0 wt%以下 の1種または2種を含有することを特徴とする、加工性
    に優れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の製造方法におい
    て、粗圧延の少なくとも1パスの圧下率を35%以上とし
    て圧延することを特徴とする、加工性に優れたTi含有フ
    ェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造
    方法において、粗圧延の終了から仕上げ圧延の開始まで
    の間に、粗圧延で得たシートバーを、900 ℃以上の温度
    域で20秒間以上保持することを特徴とする、加工性に優
    れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
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