JP2000072854A - 光硬化性組成物、光硬化性組成物の製造方法、光硬化型粘接着シート、光硬化型粘接着シートの製造方法及び接合方法 - Google Patents

光硬化性組成物、光硬化性組成物の製造方法、光硬化型粘接着シート、光硬化型粘接着シートの製造方法及び接合方法

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JP2000072854A JP10243215A JP24321598A JP2000072854A JP 2000072854 A JP2000072854 A JP 2000072854A JP 10243215 A JP10243215 A JP 10243215A JP 24321598 A JP24321598 A JP 24321598A JP 2000072854 A JP2000072854 A JP 2000072854A
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    • C08G59/18Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
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    • C08G59/18Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing
    • C08G59/68Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing characterised by the catalysts used

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラジカル重合及びカチオン重合の双方の重合
モードを利用して光硬化性組成物の製造から硬化までを
行うことができ、かつ接着に際しての可使時間を十分な
長さとすることができると共に、良好な接着性を得るこ
とができる光硬化性組成物を得る。 【解決手段】 1分子中に少なくとも1つのラジカル重
合性不飽和結合を有する化合物(A)と、1分子中に少
なくとも1つのエポキシ基を有する化合物(B)と、ラ
ジカル重合触媒(C)と、カチオン重合触媒(D)と、
下記の式(1)で示す化合物(E)とを含む光硬化性組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化性組成物、
該光硬化性組成物を用いた光硬化型粘接着シート、該光
硬化性組成物及び光硬化型粘接着シートの製造方法並び
にこれらを用いた接合方法に関し、より詳細には、ラジ
カル重合により粘着性付与ポリマーが生成され、カチオ
ン重合を利用することにより最終的に硬化される光硬化
性組成物、光硬化型粘接着シート及びこれらの製造方法
並びに接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、粘着剤の簡便な作業性、揮発
分を含まないことによる安全性、及び接着剤並の接着強
度や被膜強度を併せ持つ、いわゆる粘接着剤が提案され
ている。
【0003】例えば、特開平2−272076号公報に
は、アクリレートモノマーと、エポキシ樹脂とを含む光
重合性組成物からなる感圧性熱硬化性接着剤を用いた粘
接着テープが開示されている。ここでは、光重合性組成
物のうち、アクリレートモノマーのみを重合し、粘着テ
ープとする。この状態で、被着体同士を粘着テープを介
して貼り合わせ、しかる後、加熱によりエポキシ樹脂を
硬化し、それによって十分な接着強度が得られるとされ
ている。
【0004】しかしながら、特開平2−272076号
公報に記載の方法では、熱を利用してエポキシ樹脂を硬
化させて接着力を発現させている。従って、プラスチッ
クなどの耐熱性が十分でない材料からなる被着体には適
用することができず、接着対象である被着体の材質に制
限があった。
【0005】他方、特公表5−506465号公報に
は、アクリレートモノマーのような光ラジカル重合性成
分と、エポキシ化合物のような光カチオン重合性成分
と、有機金属錯塩重合開始剤とを含む感圧性接着剤が開
示されている。この感圧性接着剤は、粘着力を高めるた
めに提案されているものであり、感圧性接着剤の製造に
際しては、光を照射し、上記光ラジカル重合性成分及び
光カチオン重合性成分の双方を重合させている。すなわ
ち、ラジカル重合及びカチオン重合の双方を引き起し
て、感圧性接着剤を構成している。
【0006】従って、重合反応は、感圧性接着剤を例え
ばシート状などに成形した際には既に完了しており、予
め十分なシート強度を有するように構成されている。よ
って、被着体の接合に際して、優れた粘着力を発揮する
ものの、熱や光などの外部刺激を加えても、それ以上接
着強度の向上は望めなかった。
【0007】他方、エポキシ系接着剤は、その接着硬化
物が、耐クリープ性、耐光性、耐水性、耐熱性及び耐薬
品性などに優れていること、接着強度に優れているこ
と、並びに、金属、プラスチックまたはガラスなどの広
範囲にわたる材料を接着し得ることなどから、様々な部
材の貼り合わせに広く用いられている(「新エポキシ樹
脂」、垣内弘編著、昭晃堂、1985年発行)。
【0008】しかしながら、エポキシ樹脂系接着剤は、
一般には液状の形態で用いられている。従って、エポキ
シ樹脂系接着剤の塗布時における塗布むらが生じたり、
過剰塗布時の接着剤の染み出しにより接合部分の端面の
美観が損なわれたりすることがあった。また、液状であ
るため、一度塗布した面に再度塗布し直すことができな
かった。さらに、通常は、二液型の接着剤として構成さ
れているので、主剤と硬化剤との混合比が限定され、混
合ミスによる接着不良も生じ易かった。
【0009】上記のような問題を解決するものとして、
エポキシ樹脂系接着剤をシートまたはフィルム状に成形
したものが提案されている(特開昭60−173076
号公報)。しかしながら、このようなシート状エポキシ
接着剤は、常態において弾性率が高く、初期粘着力が低
いため、仮止め性を有しない。従って、接合時の作業性
が十分でないという問題があった。また、シート状エポ
キシ接着剤は被着体に対する密着性が十分でないため、
被着体を貼り合わせるに際し、高温プレスや高圧プレス
のような過酷な硬化条件を必要とし、このような硬化条
件に耐性を持たない被着体には適用することができなか
った。
【0010】本願発明者らは、先に、2つの異なる重合
モードを利用した光重合性組成物を提案した(特開平9
−279103号公報)。すなわち、アクリル系モノマ
ーのようなラジカル重合し得るモノマーと、ラジカル重
合触媒と、エポキシ基含有化合物と、エポキシ基含有化
合物を硬化させるカチオン重合触媒とを含む光重合性組
成物を提案した。ここでは、予め光を照射しラジカル重
合触媒を活性化し、ラジカル重合性モノマーを重合し、
粘着性付与ポリマーを生成した後、組成物をシート状に
成形する。使用に際しては、このシートに、カチオン重
合触媒を活性化させる光を照射し、エポキシ樹脂を硬化
させ、それによって十分な接着強度が得られる。
【0011】しかしながら、エポキシ樹脂を硬化させる
のに、光を照射してから長時間の養生を要するという問
題があった。また、本願発明者らは、被着体の制限を受
けにくい硬化条件で被着体同士を貼り合わせ得る硬化型
粘接着剤を先に提案した(特開平10−120988号
公報)。ここでは、アクリル系ポリマーと、エポキシ樹
脂と、光カチオン重合開始剤とを含む硬化型粘接着シー
トが開示されている。この硬化型粘接着シートでは、光
の照射により光カチオン重合開始剤が活性化されて、エ
ポキシ樹脂が硬化する。従って、硬化型粘接着シートを
被着体に貼付する前、あるいは貼付後に光を照射するだ
けで、被着体同士を強固に接合することができ、被着体
の耐熱性も問題とはならない。
【0012】しかしながら、上記硬化型粘接着シートに
光を照射すると同時に、上記硬化反応が進行し、しばら
くすると、硬化型粘接着シートの弾性率が著しく上昇す
る。その結果、粘着性が喪失され、もはや硬化型粘接着
シートを被着体に貼り合わせることができないことがあ
った。すなわち、光を照射してから、貼り合わせ可能な
時間、すなわち可使時間が短いという問題があった。
【0013】本願発明者らは、上記硬化型粘接着シート
における可使時間の延長を図るには、ビニルエーテル系
化合物を添加すればよいことを見出したが(EP081
9746A2号公報)、その場合には、硬化後の接着力
が十分に高くならないことがあった。
【0014】他方、特開昭63−248825号公報に
は、ポリ(アルキレンオキサイド)残基部分を含む固着
剤を用いた遅延硬化型のUV硬化性エポキシ樹脂組成物
が開示されている。ここでは、光硬化型のエポキシ樹脂
組成物において、紫外線を露光した後に、すぐに表面が
濡れ性や接着性が喪失する、いわゆる皮貼りと称される
現象が発生することを防止するために、ポリ(アルキレ
ンオキサイド)残基部分を含む固着剤が配合されてい
る。
【0015】しかしながら、上記ポリ(アルキレンオキ
サイド)残基部分を含む固着剤は、皮貼りを抑制するた
めだけでなく、固着性を発現するためにも用いられてい
るため、皮貼りの抑制と接着性を独立に設計することが
困難であった。
【0016】また、特開平3−172378号公報に
は、ニトリルまたはビニルエーテルで置換された有機材
料からなる群から選択されたエポキシド硬化遅延剤を用
いた感光硬化性エポキシ接着剤組成物が開示されてい
る。ここでは、ビニルエーテルで置換された有機材料を
用いることにより、光硬化型エポキシ接着剤組成物の可
使時間が40分程度とされている。しかしながら、接着
性すなわち接着力については特に言及されていない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の現状に鑑み、ラジカル重合及びカチオン
重合の2つの重合モードを利用した組成であって、一方
の重合モードを利用して硬化させることができ、被着体
の制限が少なく、可使時間が長く、かつ硬化後の接着力
に優れた光硬化性組成物を提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、上記光硬化性組成物
をシート化してなり、十分な可使時間を有すると共に、
硬化後の接着力においても優れている光硬化型粘接着シ
ートを提供することにある。
【0019】本発明のさらに他の目的は、上記光硬化性
組成物及び光硬化型粘接着シートの製造方法を提供する
ことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、(A)一分子中に少なくとも1つのラジカル重合性
不飽和結合を有する化合物と、(B)一分子中に少なく
とも1つのエポキシ基を有する化合物と、(C)光を照
射されることにより化合物(A)を重合させるラジカル
重合触媒と、(D)カチオン重合触媒としてのオニウム
塩化合物と、(E)下記の式(1)で表される化合物と
を含むことを特徴とする光硬化性組成物である。
【0021】
【化3】
【0022】(式中、R及びR' は、水素、ハロゲン元
素、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、及び炭素・水
素・酸素・窒素・硫黄等の元素を適宜組み合わせてなる
置換基等から適宜選ばれる。l,nは、2以上の整数) 請求項2に記載の発明では、上記化合物(A)として、
一分子中に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基
と、少なくとも1つの水酸基とを有する化合物(A1)
と、化合物(A1)と共重合可能な不飽和結合を有する
化合物(A2)とが組み合わせて用いられる。
【0023】請求項3に記載の発明では、上記光ラジカ
ル重合開始剤(C)が、370〜800nmの波長成分
を含む光の照射により活性化されて、化合物(A)を重
合する化合物により構成されている。
【0024】請求項4に記載の発明は、(A3)一分子
中にラジカル重合性不飽和結合を有する化合物(A)を
重合してなる粘着性付与ポリマーと、(B)一分子中に
少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物と、(C)
光を照射されることにより化合物(A)を重合させるラ
ジカル重合触媒と、(D)カチオン重合触媒としてのオ
ニウム塩化合物と、(E)式(1)で表される化合物と
を含むことを特徴とする光硬化性組成物である。
【0025】請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の光硬化性組成物にラジカル重合触媒
(C)を活性化させる光を照射し、化合物(A)を重合
することを特徴とする請求項4に記載の光硬化性組成物
の製造方法である。
【0026】請求項6に記載の発明は、請求項4に記載
の光硬化性組成物をシート化したことを特徴とする光硬
化型粘接着シートである。請求項7に記載の発明は、請
求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性組成物を塗工し
た後、塗工された光硬化性組成物にラジカル重合触媒
(C)を活性化する光を照射し、化合物(A)を重合す
ることを特徴とする光硬化型粘接着シートの製造方法で
ある。
【0027】請求項8に記載の発明は、請求項6に記載
の光硬化型粘接着シートを被着体に貼付する前または貼
付後に、光硬化型粘接着シートに光を照射し、オニウム
塩化合物(D)を活性化した後、被着体同士を貼り合わ
せることを特徴とする接合方法である。
【0028】以下、本発明の詳細を説明する。請求項1
に記載の発明に係る光硬化性組成物では、一分子中に少
なくとも1つのラジカル重合性不飽和結合を有する化合
物(A)を含む。化合物(A)が、ラジカル重合触媒
(C)の活性化によりラジカル重合されて請求項4に記
載の発明に係る光硬化性組成物における粘着性付与ポリ
マー(A3)となる。
【0029】一分子中に少なくとも1つのラジカル重合
性不飽和結合を有する化合物(A)は、ラジカル重合性
を示す不飽和結合を有する化合物である限り、特に限定
されず、例えば、スチレン誘導体、ビニルエステル基を
有する化合物、アクリロイル基を有する化合物、メタク
リロイル基を有する化合物等を挙げることができる。ま
た、複数の異なるラジカル重合性を示す不飽和結合を同
時に併せ持つ化合物でもよい。
【0030】より詳しくは、スチレン誘導体としては、
例えば、スチレン、インデン、p−メチルスチレン、α
−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ter
t−ブトキシスチレン、p−クロロメチルスチレン、p
−アセトキシスチレン、ジビニルベンゼン等を挙げるこ
とができる。
【0031】ビニルエステル基を有する化合物として
は、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、カプロン酸ビニル、珪皮酸ビニル等を挙げること
ができる。
【0032】(メタ)アクリロイル基を有する化合物
(以下アクリロイル及びメタクリロイルを総称して(メ
タ)アクリルと呼ぶ、及び、アクリレート及びメタクリ
レートを総称して(メタ)アクリレートと呼ぶ)として
は、例えば、アクリル酸と少なくとも一分子中に1つの
水酸基を持つ化合物をエステル化して得られる化合物、
あるいはメタクリル酸と少なくとも1分子中に1つの水
酸基を持つ化合物をエステル化して得られる化合物を挙
げることができる。
【0033】好ましくは、化合物(A)としては、一分
子中に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基と少な
くとも1つの水酸基とを有する化合物(A1)と、化合
物(A1)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物
(A2)とが組み合わせて用いられる。
【0034】ここで、上記少なくとも1つの(メタ)ア
クリロイル基と少なくとも1つの水酸基とを有する化合
物(A1)については、特に限定されないが、例えば、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリ
レート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレー
ト、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、2−〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エ
チル 2−ヒドロキシエチル フタル酸、2−〔(メ
タ)アクリロイルオキシ〕エチル 2−ヒドロキシプロ
ピル フタル酸、
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】なお、上記化合物(A1)としては、1種
のみを用いてもよく、あるいは複数種併用してもよい。
また、上記化合物(A1)と共重合可能な不飽和結合を
有する化合物(A2)についても特に限定されず、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、N−
フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、
(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N
−アクリロイルモルフォリン、N−ビニルカプロラクト
ン、N−ビニルピペリジン、スチレン、インデン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチ
レン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼ
ン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カ
プロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メ
タ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレー
ト、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフ
リル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート
【0046】
【化14】
【0047】
【化15】
【0048】
【化16】
【0049】
【化17】
【0050】
【化18】
【0051】
【化19】
【0052】などを用いることができる。上記化合物
(A2)についても、1種のみを用いてもよく、複数種
併用してもよい。
【0053】上記化合物(A1)と化合物(A2)とを
用いる場合、これらの配合割合については、特に限定さ
れるわけではないが、好ましくは、化合物(A1)10
0重量部に対し、化合物(A2)を1〜10000重量
部の割合とすることが望ましい。化合物(A2)の配合
割合が1重量部未満の場合には、光照射後の硬化速度が
速くなりすぎ、可使時間を十分な長さとすることができ
ないことがあり、10000重量部を超えると、硬化速
度が遅くなることがあり、実用に耐え得る硬化速度を実
現し得ないことがある。
【0054】一分子中に少なくとも1つのエポキシ基を
有する化合物(B)としては、特に限定されるわけでは
ないが、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水
添ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF
系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族環
式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ゴム変成エポキ
シ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、グリシジルエステ
ル系化合物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化S
BS(SBSは、スチレン−ブタジエン−スチレン共重
合体を示す)などが挙げられるが、特に限定されるもの
ではない。上記エポキシ化合物は、硬化後に高い接着性
及び耐久性を発現する。
【0055】また、上記一分子中に少なくとも1つのエ
ポキシ基を有する化合物(B)については、1種のみを
用いてもよく、複数種併用してもよい。さらに、エポキ
シ基以外のカチオン重合性基を一分子中に持つ化合物を
用いてもよい。このようなエポキシ基以外のカチオン重
合性基とは、例えば、ビニロキシ基、スチリル基、オキ
セタニル基などを挙げることができる。
【0056】ラジカル重合触媒(C)は、光を照射され
ることにより活性化され、上記化合物(A)を重合す
る。このようなラジカル重合触媒については、化合物
(A)を重合させ得る限り特に限定されず、公知の光ラ
ジカル重合開始剤を用いることができる。
【0057】ラジカル重合触媒(C)として用い得る化
合物の例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−
ヒドロキシ−α,α' −ジメチルアセトフェノン、メト
キシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル
等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケ
タール等のケタール誘導体化合物;ハロゲン化ケトン;
アシルフォスフィンオキシド;アシルフォスフォナー
ト;2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノ プロパン−1−オン、2−ベンジ
ル−2−N、N−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォ
リノフェニル)−1−ブタノン;2,4,6−トリメチ
ルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシド ビス
−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ト
リメチルペンチルフォスフィンオキシド;ビス(n5−
シクロペンタジエニル)−ビス(ペンタフルオロフェニ
ル)−チタニウム、ビス(n5−シクロペンタジエニ
ル)−ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピリ−
1−イル)フェニル〕−チタニウムなどを挙げることが
できる。
【0058】ラジカル重合触媒(C)についても、1種
のみを用いてもよく、複数種併用してもよい。また、上
記ラジカル重合触媒の具体的な例として挙げた各種化合
物を含む市販のラジカル重合開始剤を用いてもよい。
【0059】また、上記ラジカル重合触媒(C)は、オ
ニウム塩化合物(D)に対して増感作用を示さないもの
が好ましい。オニウム塩化合物(D)は、光を照射され
ることにより化合物(B)を重合し、最終的に光硬化性
生物を硬化させる。このオニウム塩化合物としては、芳
香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ス
ルホニウム塩などを挙げることができ、特に限定される
ものではない。
【0060】オニウム塩化合物(D)についても、1種
のみを用いてもよく、複数種併用してもよい。上記オニ
ウム塩化合物としては、例えば、オプトマーSP−15
0(旭電化工業社製)、オプトマーSP−151(旭電
化工業社製)、オプトマーSP−170(旭電化工業社
製)、オプトマーSP−171(旭電化工業社製)、U
VE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、C
D−1012(サートマー社製)、サンエイドSI−6
0L(三新化学工業社製)、サンエイドSI−80L
(三新化学工業社製)、サンエイドSI−100L(三
新化学工業社製)、CI−2064(日本曹達社製)、
CI−2639(日本曹達社製)、CI−2624(日
本曹達社製)、CI−2481(日本曹達社製)、RH
ODORSIL Photoinitiator 2074(ローヌ・
プーラン社製)、UVI−6990(ユニオンカーバイ
ド社製)、BBI−103(ミドリ化学社製)、MPI
−103(ミドリ化学社製)、TPS−103(ミドリ
化学社製)、MDS−103(ミドリ化学社製)、DT
S−103(ミドリ化学社製)、DTS−103(ミド
リ化学社製)、NAT−103(ミドリ化学社製)、N
DS−103(ミドリ化学社製)等の市販のものを使用
することができる。また、市販の光カチオン触媒である
金属錯塩を適宜用いてもよい。このような例としては、
IRGACURE261(チバガイギー社製)を挙げる
ことができる。
【0061】請求項1に記載の発明に係る光硬化性組成
物において、重合時あるいは硬化収縮時の内部応力を極
力抑制するには、化合物(A)の重合及び化合物(B)
の重合を分けて行う場合、好ましくは、370〜800
nmの波長成分を含む光の照射により活性化されるラジ
カル重合触媒(C)と、300〜370nm未満の波長
成分を含む光の照射により活性化されるオニウム塩化合
物(D)とを組み合わせて用いることが望ましい。
【0062】すなわち、オニウム塩化合物(D)を感光
させるには、ラジカル重合触媒(C)を感光するよりも
十分な光エネルギーを要するため、ラジカル重合触媒
(C)及びオニウム塩化合物(D)の感光波長領域は、
それぞれ、上記範囲とすることが望ましい。ラジカル重
合触媒(C)が370nm未満の波長を含む光にのみ感
光する場合、ラジカル重合触媒(C)のみを感光させる
ことが困難となる。他方、オニウム塩化合物(D)が8
00nmを超える波長を含む光にのみ感光する場合、重
合もしくは硬化反応は進行するものの、十分な硬化速度
を得るだけの光エネルギーを照射することが現実に困難
となることがある。
【0063】また、オニウム塩化合物(D)が300n
m未満の波長を含む光にのみ感光する場合、照射エネル
ギーを十分に付与し得るが、表面のみで重合もしくは硬
化が起こり、肉厚に塗布した場合には、光硬化性組成物
の光照射面から深部までエポキシ化合物を均一に硬化さ
せることが困難なことがある。逆に、オニウム塩化合物
(D)が370nm以上の波長を含む光にのみ感光する
場合には、エポキシ化合物の硬化反応が均一に進行する
ものの、十分な硬化速度を得る程に光エネルギーを照射
することが困難なことがある。
【0064】本発明において、上記化合物(E)は、式
(1)で示されるようなエーテル結合とアルキレン結合
とを含む環状化合物、あるいは環状構造を置換基として
含む化合物である限り特に限定されない。化合物(E)
として例えば、下記の構造式で示す化合物E1〜E5を
挙げることができる。
【0065】
【化20】
【0066】
【化21】
【0067】
【化22】
【0068】
【化23】
【0069】
【化24】
【0070】ここで、化合物E1〜E5において、R1
〜R10は水素元素、ハロゲン元素、飽和炭化水素基、不
飽和炭化水素基、及び炭素・水素・酸素・窒素・硫黄等
の元素を適宜組み合わせてなる置換基等から適宜選ばれ
る。しかし特に制限を受けない。また、m、n、kは整
数を示す。
【0071】さらに、化合物E2〜E5でのユニットの
連続性は上記構造式で表されるようにブロック的でもよ
いしランダム的でもよいし、特に制限を受けない。より
具体的には、12−クラウン−4、15−クラウン−
5、18−クラウン−6、24−クラウン−8、30−
クラウン−10、2−アミノメチル−12−クラウン−
4、2−アミノメチル−15−クラウン−5、2−アミ
ノメチル−18−クラウン−6、2−ヒドロキシメチル
−12−クラウン−4、2−ヒドロキシメチル−15−
クラウン−5、2−ヒドロキシメチル−18−クラウン
−6、ジシクロヘキサノ−18−クラウン−6、ジシク
ロヘキサノ−24−クラウン−8、ジベンゾ−18−ク
ラウン−6、ジベンゾ−24−クラウン−8、ジベンゾ
−30−クラウン−10、ベンゾ−12−クラウン−
4、ベンゾ−15−クラウン−5、ベンゾ−18−クラ
ウン−6、4' −アミノベンゾ−15−クラウン−5、
4' −ブロモベンゾ−15−クラウン−5、4' −ホル
ミルベンゾ−15−クラウン−5、4' −ニトロベンゾ
−15−クラウン−5、ビス〔(ベンゾ−15−クラウ
ン−5)−15−イルメチル〕ピメレート、ポリ〔(ジ
ベンゾ−18−クラウン−6)−co−ホルムアルデヒ
ド〕等を挙げることができるが、特に制限を受けない。
また、複数種を選択して使用してもよい。
【0072】(配合割合)請求項1に記載の発明に係る
光硬化性組成物における各成分の配合割合については、
特に限定されるわけではないが、化合物(A)100重
量部に対し、化合物(B)が1〜10000重量部、ラ
ジカル重合触媒(C)が0.001〜100重量部、オ
ニウム塩化合物(D)が0.001〜1000重量部、
並びに化合物(E)が0.00001重量部〜1000
0重量部の範囲とすることが望ましい。
【0073】なお、請求項4に記載の発明においても、
上記粘着性付与ポリマー(A3)が、化合物(A)を重
合することにより得られるものであるため、粘着性付与
ポリマー(A3)100重量部に対し、化合物(B)〜
(E)の配合割合は上記範囲とすることが望ましい。
【0074】化合物(B)の配合割合が1重量部未満の
場合には、化合物(B)による接着効果が期待できなく
なることがあり、10000重量部を超えると、最終的
に粘着性付与ポリマー(A3)の割合が低くなるため、
粘着性付与ポリマー(A3)による粘着効果が期待でき
なくなることがある。
【0075】ラジカル重合触媒(C)の配合割合が0.
001重量部未満の場合には、光照射により発生する活
性種の濃度が低くなり、十分な重合速度を得ることが困
難となり、逆に、100重量部を超えると、光照射によ
り発生する活性種濃度が高くなりすぎ、重合速度を制御
することが困難となることがある。
【0076】オニウム塩化合物(D)の配合割合が0.
001重量部未満の場合には、光照射により発生する活
性種濃度が低くなり、十分な硬化速度を得ることが困難
となることがあり、1000重量部を超えると、光照射
により発生する活性種濃度が高くなりすぎ、硬化速度を
制御することが困難となることがある。
【0077】化合物(E)の配合割合が0.00001
重量部未満の場合には、化合物(E)による可使時間の
延長効果を期待することができないことがあり、100
00重量部を超えると、可使時間は確保し得るものの、
化合物(B)の重合硬化反応が開始する時期が非常に遅
くなり、化合物(B)の硬化反応が実質的に停止してい
るのと変らない状態となることがある。
【0078】請求項4に記載の発明では、請求項1に記
載の発明に係る光硬化性組成物で用いられた化合物
(A)が重合されて、粘着性付与ポリマー(A3)とさ
れている。従って、ラジカル重合触媒(C)が含有され
ていない。
【0079】言い換えれば、請求項4に記載の発明に係
る光硬化性組成物は、請求項1に記載の発明に係る光硬
化性組成物に光を照射し、ラジカル重合触媒(C)を活
性化し、化合物(A)を重合することにより得られる。
【0080】従って、請求項4に記載の発明に係る光硬
化性組成物における、化合物(B)、オニウム塩化合物
(D)及び化合物(E)は請求項1に記載の発明と同様
であるため、上述した説明を援用することとする。
【0081】上記粘着性付与ポリマー(A3)の構造と
しては、特に限定されず、通常の単独重合体、ランダム
共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、立体規則
性(共)重合体、多分岐(共)重合体、星形(共)重合
体、樹状(共)重合体、ラダー型(共)重合体、環状
(共)重合体、ヘリックス(共)重合体など任意であ
り、特に限定されない。ここで、(共)重合体は、単独
重合体及び共重合体の双方を総称するものとする。
【0082】また、粘着性付与ポリマー(A3)の分子
量についても特に限定されるわけではないが、大きい方
が好ましく、重量平均分子量が200000〜5000
000程度のものが好ましい。重量平均分子量が200
000未満の場合には、シート化した場合の凝集力が不
足し、貼付時に糸引を生じて剥離しがちとなり、500
0000を超えると、粘着性付与ポリマー(A3)と化
合物(B)とを含む組成物の粘度が高くなり、シート成
形が困難となることがある。
【0083】請求項4に記載の発明に係る光硬化性組成
物は、好ましくは、請求項5に記載の製造方法により得
られる。すなわち、請求項1〜3のいずれかに記載の発
明に係る光硬化性組成物に、ラジカル重合触媒(C)を
活性化する光を照射し、化合物(A)を重合することに
より得られる。この方法によれば、化合物(B)、オニ
ウム塩化合物(D)及び化合物(E)と、粘着性付与ポ
リマー(A3)とを混合する作業を省略することがで
き、好ましい。
【0084】ラジカル重合触媒(C)を感光するために
用いられる光源としては、波長370〜800nmに発
光分布を有するものが用いられ、例えば、低圧水銀灯、
中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルラン
プ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀
灯、メタルハライドランプ、蛍光灯などを用いることが
できる。この場合、オニウム塩化合物(D)を未反応の
まま残すため、370nm未満の波長の光をカットして
照射してもよい。
【0085】(光硬化型粘接着シート)請求項4に記載
の発明に係る光硬化性組成物は、シート化することによ
り光硬化型粘接着シートとされる。このような光硬化型
粘接着シートとしておくことにより、接合作業時の光硬
化性組成物の塗布量の調節や塗布膜圧の調整を容易に行
い得るため、好ましい。
【0086】上記シート化の方法については、特に限定
されず、光硬化性組成物をホットメルト塗工したり、キ
ャスト塗工したりする方法など適宜の公知の方法を用い
ることができる。好ましくは、請求項1〜3のいずれか
に記載の発明に係る光硬化性組成物をシート状に塗工し
た後、ラジカル重合触媒を感光して活性化した後、化合
物(A)を重合する方法が、製造プロセスを簡略し得る
ため望ましい。
【0087】(接合方法)本発明に係る光硬化型粘接着
シートを用いて被着体同士を接合する場合、光硬化型粘
接着シートを被着体に貼付する前または貼付後に光を照
射し、オニウム塩化合物(D)を活性化した後、被着体
同士を貼り合わせることが好ましい。また、オニウム塩
化合物(D)に照射すべき光の照射量については、30
0〜370nm未満の波長の光において、少なくとも1
00mJ/cm2 以上のエネルギー強度とすることが望
ましい。100mJ/cm2 未満の場合には、オニウム
塩化合物(D)を十分に活性化することが困難となるこ
とがある。
【0088】(他の添加し得る成分)本発明に係る光硬
化性組成物及び光硬化型粘接着シートにおいては、上述
した必須成分の他、本発明の目的を阻害しない範囲で、
公知の粘着付与樹脂、増量剤、増感剤などを適宜配合し
てもよい。
【0089】例えば、粘着付与樹脂としては、ロジン系
樹脂、変成ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフ
ェノール系樹脂、芳香族変成テルペン系樹脂、C5系ま
たはC9系の石油系樹脂、クマロン樹脂などを添加して
もよい。特に、被着体がポリオレフィンの場合には、強
い接着力を発現させ得るため、ロジン系樹脂や石油系樹
脂が好ましく用いられる。
【0090】増感剤としては、例えば、アントラセン、
ペリレン、コロネン、テトラセン、ベンズアントラセ
ン、フェノチアジン、フラビン、アクリジン、ケトクマ
リン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、アセト
フェノン、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジメチ
ルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、
2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、イソプロピル
チオキサンソン等を挙げることができるが、増感性を示
す限り特に限定されない。
【0091】また、塗工性を高めるために、アクリルゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチル
ゴムなどの増粘剤;コロイダルシリカ、ポリビニルピロ
リドンなどのチキソトロープ剤;炭酸カルシウム、酸化
チタン、クレーなどの増量剤;ポリエステル、アクリル
ポリマー、ポリウレタン、シリコーン、ポリエーテル、
ポリビニルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリイソブチレン、ワックス類などの調整剤を添加
してもよい。
【0092】さらに、本発明に係る光硬化性組成物を接
着剤として用いる場合、高い剪断接着力を実現させるた
めに、ガラスバルーン、アルミナバルーン、セラミック
バルーンなどの無機中空体;ナイロンビーズ、アクリル
ビーズ、シリコンビーズなどの有機球状体;塩化ビニリ
デンバルーン、アクリルバルーンなどの有機中空体など
の有機中空体;ガラス、ポリエステル、レーヨン、ナイ
ロン、セルロース、アセテートなどの単繊維などを添加
してもよい。
【0093】上記ガラス繊維を配合する場合には、繊維
状のチップを組成物中に添加することができるが、ガラ
ス織布に上記光硬化性組成物を含浸し、重合することに
より、高い剪断接着力を得ることができる。
【0094】(光硬化型粘接着シートを用いた加工品)
本発明に係る光硬化型粘接着シートは、基材の少なくと
も一面あるいは一部に積層させることにより粘着加工品
とされる。すなわち、本発明に係る光硬化型粘接着シー
トは、基材を有しないものであってもよく、基材の少な
くとも一面または一部に粘着剤層として積層されていて
もよい。
【0095】上記基材としては、レーヨン系もしくはセ
ルロース系などの各種不織布、ポリエチレン、ポリエス
テル、ポリスチレン、セロハン、ポリプロピレン、ポリ
イミドなどの各種合成樹脂よりなるフィルムもしくはシ
ート、発泡ポリエチレン、発泡ウレタン、発泡塩化ビニ
ルなどの各種発泡体、ポリエチレン、ポリエステル、ポ
リスチレン、アクリル、ABS、ポリプロピレン、硬質
塩化ビニル、ポリカーボネートなどの各種合成樹脂より
なる合成樹脂板、鋼、ステンレス、アルミニウム、銅、
メッキ鋼板などの各種金属からなるシートもしくは板、
ガラス、セラミックス、木材、紙、布などを用いること
ができ、特に限定されるものではない。また、基材の形
状についても、シート状や板状などの薄いものに限られ
ず、角柱状、棒状、非球面表面を有する形状など任意で
ある。
【0096】(作用)請求項1に記載の発明に係る光硬
化性組成物では、ラジカル重合触媒(C)を活性化させ
る光を照射させることによりラジカル重合触媒(C)が
活性化されて、化合物(A)が重合され、粘着性付与ポ
リマー(A3)が生成する。従って、上記光の照射によ
り、請求項4に記載の発明に係る光硬化性組成物を得る
ことができ、粘着性付与ポリマー(A3)により十分な
感圧接着性を示す。
【0097】特に、請求項2に記載の発明に係る光硬化
性組成物では、化合物(A)として、(メタ)アクリロ
イル基と少なくとも1つの水酸基とを有する化合物(A
1)と、化合物(A2)とを用いるため、これらの共重
合体からなる粘着性付与ポリマー(A3)は、より優れ
た感圧接着性を示す。
【0098】他方、オニウム塩化合物(D)を活性化す
る光を照射することにより、化合物(B)が重合・硬化
し、強固な接着硬化物を与える。この硬化反応は、光を
利用するため、接着剤として用いた場合、耐熱性に難の
ある被着体にも適用することができる。
【0099】加えて、化合物(E)が配合されているの
で、後述の実施例から明らかなように、光照射後、貼り
合わせまでの時間、すなわち、可使時間を十分な長さと
することができると共に、接着性も損なわれない。これ
は、式(1)で示す化合物(E)が環状エーテルを含む
化合物であるためと考えられる。
【0100】請求項3に記載の発明に係る光硬化性組成
物では、ラジカル重合触媒(C)が、370〜800n
mの波長成分を含む光の照射により活性化され、オニウ
ム塩化合物(D)が300nm以上、370nm未満の
波長成分を含む光の照射により活性化されるように構成
されているので、最初に370nm未満の波長の光をカ
ットして370nm以上の波長成分を含む光を照射する
ことにより、オニウム塩化合物(D)を活性化すること
なく、ラジカル重合触媒(C)のみを活性化させて、粘
着性付与ポリマー(A3)を生成させることができる。
硬化に際しては、370nm未満の波長成分を含む光を
照射することにより、オニウム塩化合物(D)を活性化
させることができ、それによって光硬化性組成物を硬化
させることができる。
【0101】すなわち、ラジカル重合触媒(C)及びオ
ニウム塩化合物(D)を活性化させる波長領域を上記の
ように異ならせることにより、請求項1または2に記載
の発明に係る光硬化性組成物に光を2度照射するだけ
で、請求項4に記載の発明に係る光硬化性組成物を製造
する工程、並びに光硬化性組成物を硬化させる工程を容
易に実施することができる。
【0102】請求項4に記載の発明に係る光硬化性組成
物は、上述したように、オニウム塩化合物(D)を活性
化する光を照射することにより、化合物(B)が硬化
し、強固な接着硬化物を与える。特に、式(1)で示す
化合物(E)が配合されているので、光照射後直ちに皮
貼りと称されている現象が生じ難く、可使時間を十分な
長さとすることができると共に、良好な接着性を得るこ
とができる。
【0103】また、オニウム塩化合物(D)を活性化さ
せるための光を照射する前、あるいは照射直後には、粘
着性付与ポリマー(A3)の粘着性により、被着体に対
して容易に粘着させることができる。
【0104】請求項5に記載の発明に係る光硬化性組成
物の製造方法では、請求項1〜3のいずれかに記載の光
硬化性組成物に、上記のように、ラジカル重合触媒
(C)を活性化させる光を照射するだけで、容易に請求
項4に記載の発明に係る光硬化性組成物を得ることがで
きる。
【0105】請求項6に記載の発明に係る光硬化型粘接
着シートは、請求項4に記載の発明に係る光硬化性組成
物をシート化することにより構成されているので、光硬
化性組成物の被着体への適用に際しての塗布量や塗布厚
みのばらつきを生じることなく被着体に適用することが
できる。
【0106】請求項7に記載の発明に係る光硬化型粘接
着シートの製造方法では、請求項1〜3のいずれかに記
載の光硬化性組成物を塗工した後、光を照射することに
より、ラジカル重合触媒(C)を活性化し、粘着性付与
ポリマー(A3)を生成させることにより、光硬化型粘
接着シートが得られる。従って、請求項6に記載の発明
に係る光硬化型粘接着シートを、塗工及び光の照射とい
う単純な作業により容易に得ることができる。
【0107】請求項8に記載の発明に係る接合方法で
は、光硬化型粘接着シートを被着体に貼付する前または
貼付後に、光を照射することにより、カチオン重合触媒
が活性化され、硬化反応が進行されるが、この光照射後
に被着体同士を貼り合わせることを特徴とする。この場
合、化合物(E)が配合されているので、光照射した後
十分な可使時間を有するため、容易に被着体同士を余裕
をもって貼り合わせることができる。
【0108】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明をより詳細に説明する。
【0109】(実施例1)2Lセパラブルフラスコ内
で、化合物(A);エチルアクリレート500gと、化
合物(B);エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、
商品名:エピコート828)500gと、ラジカル重合
触媒(C)としてビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオ
キシド(チバガイギー社製、商品名:イルガキュアー1
700)1gと、オニウム塩化合物(D)として旭電化
工業社製、商品名:オプトマーSP−170を5gと、
化合物(E)として18−クラウン−6を5gとを均一
になるまで攪拌混合した後、窒素ガスを用いて20分間
バブリングし、溶存酸素を除去し、光硬化性組成物を得
た。
【0110】上記光硬化性組成物を、表面が離型処理さ
れポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み0.3
mmとなるように塗工した。塗工された塗膜に対して、
表面が離型処理された別のポリエチレンテレフタレート
フィルムを重ね、塗膜を被覆した。このようにして、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム間に光硬化性組成物
層が挟持された積層体を得た。
【0111】この積層体に、400nmに最大発光波長
を有する蛍光灯を用い、360nm以下の波長領域の光
を実質的に含まない近紫外線を、光強度が1mW/cm
2 となるように10分間照射した。このようにして、化
合物(A)をラジカル重合し、上記化合物(B)、オニ
ウム塩化合物(D)、化合物(E)からなる光硬化性組
成物からなる光硬化型粘接着シートを得た。
【0112】(実施例2〜14及び比較例1〜9)下記
の表1,表2に示すように当初の配合を変更したことを
除いては、実施例1と同様にして光硬化性組成物を得、
さらに光硬化型粘接着シートを得た。
【0113】(実施例及び比較例の評価)上記のように
して得た光硬化型粘接着シートについて、SUS剪断
接着力、可使時間及び硬化完了時間を以下の要領で
評価した。
【0114】SUS剪断接着力評価…光硬化型粘接着
シートを25×25mmの大きさに切断した。他方、耐
水研磨紙#280で表面を研磨し、次に酢酸エチルで表
面を脱脂乾燥させた、幅30mm×長さ150mm×厚
さ2mmのステンレス板(SUS304、以下被着体A
と略す)上に、上記光硬化型粘接着シートを貼付した。
次に、300〜370nmの波長領域で、光強度が30
mW/cm2 となるように光を30秒間照射した。光照
射後直ちに、光硬化型粘接着シートに被覆されているポ
リエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、別途用意
した同じ被着体Aを貼り合わせ、光硬化型粘接着シート
を介して一対の被着体A,Aが接合された剪断接着力試
験片を得た。
【0115】上記剪断接着力試験片を得た後、7日間養
生し、しかる後JIS Z6850に準じ、引っ張り試
験機を用い、引っ張り速度10mm/分の条件で剪断接
着力を測定した。
【0116】可使時間評価…剪断接着力評価では、
光照射後直ちに別の被着体Aを貼り合わせたが、光照射
後所定時間経過後にもう1つの被着体Aを貼り合わせ、
剪断接着力評価と同様にして剪断接着力試験片を得、か
つ同様に養生した後剪断接着力を測定した。この場合、
光照射後から貼り合わせまでの時間を種々変更したが、
測定された剪断接着力が、剪断接着力評価のように光
照射直後に貼り合わせた場合とほぼ等しければ、可使時
間内に貼り合わされたことになる。従って、剪断接着
力評価における剪断接着力と同等の剪断接着力を得るこ
とができた場合の光照射後貼り合わせまでの最長時間を
可使時間とした。
【0117】硬化完了時間評価…剪断接着力評価と
同様にして剪断接着力試験片を得た。この剪断接着力試
験片を複数用意し、貼り合わせ後所定時間経過前に、J
ISZ6850に準じてそれぞれ剪断接着力を測定し
た。剪断接着力がほぼ飽和値に到達した時間を、硬化完
了時間とした。
【0118】
【表1】
【0119】
【表2】
【0120】表1から明らかなように、比較例1〜3で
は、化合物(E)を配合していないことを除いては、そ
れぞれ、実施例1〜3と同様に構成されていたが、化合
物(E)を配合していないためか、可使時間が10分以
下と非常に短く、光照射後直ちに貼り合わせないと十分
な剪断接着力を得ることができなかった。
【0121】これに対して、比較例1〜3に対応してい
る実施例1〜3では、それぞれ、可使時間が45分以上
と長く、しかも光照射後30分後に貼り合わせた場合で
も十分な剪断接着力を得ることが可能であった。
【0122】また、表2から明らかなように、比較例
4,5では、やはり化合物(E)を用いないためか、可
使時間が5分と短く、かつ光照射後直ちに貼り合わせな
いと十分な剪断接着力を得られなかったのに対し、対応
の実施例4〜9,10では、可使時間が30分以上と長
く、しかも光照射後30分経過後に貼り合わせた場合で
あっても十分な剪断接着力を示した。
【0123】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る光硬化性組
成物では、一分子中に少なくとも1つのラジカル重合性
不飽和結合を有する化合物(A)と、化合物(B)と、
ラジカル重合触媒(C)とオニウム塩化合物(D)と式
(1)で示す化合物(E)とが含有されているので、ラ
ジカル重合触媒(C)を活性化する光を照射することに
より、化合物(A)が重合されて、粘着性付与ポリマー
(A3)が生成される。従って、請求項4に記載の発明
に係る光硬化性組成物を容易に得ることができる。
【0124】他方、請求項4に記載の発明に係る光硬化
性組成物では、上記のようにして生成された粘着性付与
ポリマー(A3)が粘着性を示すため、初期状態では、
被着体に対して容易にその感圧接着性を利用して貼付す
ることができる。また、オニウム塩化合物(D)を活性
化する光を照射することにより、化合物(B)が硬化さ
れ、高い接着強度を発現する。
【0125】従って、光の照射により硬化させ得るの
で、耐熱性に難のある被着体にも容易に適用することが
できる。しかも、化合物(E)が配合されているので、
十分な可使時間を確保することができると共に、光照射
後貼り合わせまでの作業を余裕をもって行うことができ
る。
【0126】請求項2に記載の発明では、上記化合物
(A)として、一分子中に少なくとも1つの(メタ)ア
クリロイル基と少なくとも1つの水酸基とを有する化合
物(A1)と、化合物(A1)と共重合可能な不飽和結
合を有する化合物(A2)とを用いるため、ラジカル重
合触媒(C)を活性化させる光を照射させることにより
これらが共重合されて、共重合体としての粘着性付与ポ
リマー(A3)が生成され、優れた初期凝集力及び感圧
接着性を示す。
【0127】請求項3に記載の発明に係る光硬化性組成
物では、上記ラジカル重合触媒及びオニウム塩化合物
(D)として、上記特定の波長の光により活性化される
ものを用いるため、370nm未満の波長の光をカット
して光を最初に照射することにより、オニウム塩化合物
(D)を活性化することなく、請求項4に記載の発明に
係る光硬化性組成物を得ることができる。
【0128】請求項5に記載の発明に係る光硬化性組成
物の製造方法では、請求項1〜3のいずれかに記載の光
硬化性組成物において、上記ラジカル重合触媒(C)を
活性化する光を照射するだけで、化合物(A)が重合さ
れて、粘着性付与ポリマー(A3)が生成される。従っ
て、請求項4に記載の発明に係る光硬化性組成物を容易
に得ることができる。
【0129】請求項6に記載の発明に係る光硬化型粘接
着シートでは、請求項4に記載の発明に係る光硬化性組
成物をシート化しているため、該光硬化性組成物の被着
体への適用に際しての塗布量や塗布面積のばらつきを抑
制することができ、被着体同士を容易に接合することが
できる。
【0130】請求項7に記載の発明に係る光硬化型粘接
着シートの製造方法では、請求項1〜3のいずれかに記
載の光硬化性組成物を塗工して、ラジカル重合触媒
(C)を活性化する光を照射することにより、化合物
(A)が生成されるので、請求項5に記載の発明に係る
光硬化型粘接着シートを容易に得ることができる。
【0131】請求項8に記載の発明に係る接合方法で
は、請求項6に記載の光硬化型粘接着シートを被着体に
貼付する前または後に光を照射してオニウム塩化合物
(D)を活性化させた後、被着体同士を貼り合わせる
が、化合物(E)が配合されているので、十分な可使時
間を確保することができる。従って、被着体同士を余裕
をもって貼り合わせることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CD021 CD051 CD061 CD081 CD121 CD181 CH022 EA046 EB126 ED056 ED057 ED087 EE037 EF046 EH076 EH106 EH146 EL036 EL066 EL086 EL118 EL136 ET006 EU026 EU076 EU206 EU236 EU237 EV027 EW127 EW147 EZ007 GJ01 4J036 AD08 AF08 AJ08 AK03 AK04 CA20 DB23 DB29 DB30 FB13 GA01 GA03 HA02 JA06 4J040 DF041 DF051 EC001 EE021 EE022 EE061 EE062 FA011 FA012 FA041 FA042 FA061 FA062 FA091 FA092 FA101 FA102 FA111 FA112 FA131 FA132 FA141 FA142 FA161 FA162 FA181 FA182 FA261 FA262 FA271 FA272 FA281 FA282 FA291 FA292 GA05 HB06 HB13 HB19 HB43 HB44 HB46 HC14 HD18 JA09 JB08 JB09 KA14 LA05 LA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一分子中に少なくとも1つのラジ
    カル重合性不飽和結合を有する化合物と、 (B)一分子中に少なくとも1つのエポキシ基を有する
    化合物と、 (C)光を照射されることにより化合物(A)を重合さ
    せるラジカル重合触媒と、 (D)カチオン重合触媒としてのオニウム塩化合物と、 (E)下記の式(1)で表される化合物とを含むことを
    特徴とする光硬化性組成物。 【化1】 (式中、R及びR' は、水素、ハロゲン元素、飽和炭化
    水素基、不飽和炭化水素基、及び炭素・水素・酸素・窒
    素・硫黄等の元素を適宜組み合わせてなる置換基等から
    適宜選ばれる。l,nは、2以上の整数)
  2. 【請求項2】 化合物(A)が、一分子中に少なくとも
    1つの(メタ)アクリロイル基と、少なくとも1つの水
    酸基とを有する化合物(A1)と、化合物(A1)と共
    重合可能な不飽和結合を有する化合物(A2)とを含む
    請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 化合物(C)が少なくとも370〜80
    0nmの波長成分を含む光の照射により、少なくとも化
    合物(A)を重合させるラジカル重合触媒である請求項
    1または2に記載の光硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 (A3)一分子中にラジカル重合性不飽
    和結合を有する化合物(A)を重合してなる粘着性付与
    ポリマーと、 (B)一分子中に少なくとも1つのエポキシ基を有する
    化合物と、 (C)光を照射されることにより化合物(A)を重合さ
    せるラジカル重合触媒と、 (D)カチオン重合触媒としてのオニウム塩化合物と、 (E)下記の式(1)で表される化合物とを含むことを
    特徴とする光硬化性組成物。 【化2】
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化
    性組成物にラジカル重合触媒(C)を活性化させる光を
    照射し、化合物(A)を重合することを特徴とする光硬
    化性組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の光硬化性組成物をシー
    ト化したことを特徴とする光硬化型粘接着シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化
    性組成物を塗工した後、塗工された光硬化性組成物にラ
    ジカル重合触媒(C)を活性化する光を照射し、化合物
    (A)を重合することを特徴とする光硬化型粘接着シー
    トの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の光硬化型粘接着シート
    を被着体に貼付する前または貼付後に、光硬化型粘接着
    シートに光を照射し、オニウム塩化合物(D)を活性化
    した後、被着体同士を貼り合わせることを特徴とする接
    合方法。
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