JP2000072760A - 新規シストチアゾール類縁体 - Google Patents

新規シストチアゾール類縁体

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JP2000072760A
JP2000072760A JP33000598A JP33000598A JP2000072760A JP 2000072760 A JP2000072760 A JP 2000072760A JP 33000598 A JP33000598 A JP 33000598A JP 33000598 A JP33000598 A JP 33000598A JP 2000072760 A JP2000072760 A JP 2000072760A
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Japan
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cystothiazole
compound
analog
culture
cystobacter
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JP33000598A
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English (en)
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Ryosuke Fudo
亮介 不藤
Shigeru Yamanaka
茂 山中
Hajime Kojika
小鹿  一
Hirotsugu Sakagami
洋次 坂神
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Ajinomoto Co Inc
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強力な抗真菌活性を有し、動物細胞に対
する細胞毒性が低く、しかも、工業的大量生産の容易な
新規シストチアゾール類縁体及びこれを有効成分とする
抗真菌薬を提供する。 【解決手段】 上記課題は、下記の化学構造を有するシ
ストチアゾール類縁体 【化1】 1=−OCH3または−OH R2=−OCH3または−OH R3=−CH(CH3)2,−C(CH3)=CH2または−C
H(CH3)CH2OH または、 【化2】 4=−OCH3または−OH R5=−CH(CH3)2,−C(CH3)=CH2または−C
H(CH3)CH2OH によって解決される。このシストチアゾール類縁体は特
定のシストバクター属細菌を培養することによって取得
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規シストチアゾー
ル類縁体及びこれを有効成分とする抗真菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、抗生物質を主とする多くの化学療
法剤の使用によって、細菌に起因する動植物の感染症は
容易かつ効果的に治療されるようになっている。しか
し、カビ、酵母などいわゆる真菌類の感染により引き起
こされる動、植物の疾病は現在も重要な問題とされてい
る。例えば、カンジダ属やアスペルギルス属によるヒト
の深在性真菌症やフィトフトラ属やピリキュラリア属な
ど多くのカビで引き起こされる穀物、野菜などの植物病
は経済的にも重大な問題を引き起こしている。
【0003】従来より、これら真菌類を病原体とする真
菌症に対しては様々な抗真菌剤が用いられている。この
ような抗真菌薬としては現在アンホテリシン、ミコナゾ
ール、グリセオフルビンあるいはポリオキシン等が知ら
れている。
【0004】しかし、これら従来の抗真菌剤は抗真菌活
性は有するものの、動植物細胞等の真核細胞一般に対す
る細胞毒性が強い。従って、使用に際して十分な量を投
与することが出来ず、必ずしも十分な抗菌効果を上げる
ことが出来ない。このため強力な抗真菌活性を有すると
ともに、他の動物細胞等に対する細胞毒性の低い物質が
要望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した点に
鑑みてなされたものであり、強力な抗真菌活性を有し、
動物細胞に対する細胞毒性が低く、しかも、工業的大量
生産の容易な新規抗生物質シストチアゾール類縁体及び
これを有効成分とする抗真菌薬を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため、鋭意研究を続けた結果、シストバクタ−属
に属する細菌を培養し、この培養物より抽出される新規
物質が強い抗真菌作用を有することを発見し本発明を完
成した。即ち、本発明は、下記の化学構造を有するシス
トチアゾール類縁体
【化7】 1=−OCH3または−OH R2=−OCH3または−OH R3=−CH(CH3)2,−C(CH3)=CH2または−C
H(CH3)CH2OH または、
【化8】 4=−OCH3または−OH R5=−CH(CH3)2,−C(CH3)=CH2または−C
H(CH3)CH2OH、 シストバクター属に属する粘液細菌を培地中で培養して
上記のシストチアゾール類縁体を生成蓄積せしめ、該培
養物よりこれを採取することを特徴とする上記のシスト
チアゾール類縁体の製造方法、及び上記のシストチアゾ
ール類縁体またはその薬理学的に許容される塩を有効成
分とする抗真菌剤に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】このような本発明に係わる新規シ
ストチアゾール類縁体を生産する生産菌としては、例え
ばシストバクター属に属するシストバクター・フスカス
(Cystobacter fuscus;FERM−
P15997)が挙げられる。
【0008】このようなシストチアゾール類縁体生産菌
は一般的な微生物の培養方法を用いて培養することが可
能である。
【0009】培養に用いられる培地としては、シストチ
アゾール類縁体生産菌が利用できる栄養源を含有するも
のであればよく一般的な細菌培養用培地を利用できる。
例えば炭素源及び窒素源としてカゼイン、グルテン、大
豆粉、酵母エキスなどの各種タンパク質やアミノ酸混合
物などが適している。また発酵生産に用いた酵母や細菌
の菌体あるいはグルコ−ス、デンプン、デキストリンな
どの糖質類や尿素、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニ
ウムなどの無機窒素源も利用可能である。また培地は必
要に応じて、炭酸カルシウム、リン酸ナトリウム、硫酸
マグネシウム等の無機塩を含有することができる。培地
のpHは6〜9で培養することができるが、特に7.0
〜8.5で培養することが好ましい。また生産物の収量
を上げる目的で培地中に各種の吸着樹脂を添加して培養
することも可能である。
【0010】本発明のシストチアゾール類縁体生産菌は
10℃〜38℃で培養することができるが、特に27℃
〜30℃で培養することが最も望ましい。培養時間は通
常3日〜5日であるが、培養条件により適宜変更するこ
とが可能である。
【0011】培養により生成される本発明のシストチア
ゾール類縁体は、菌体、培養上清ともに蓄積される。こ
の生産菌の培養物から本発明のシストチアゾール類縁体
を得るためには、微生物の代謝産物を採集するのに通常
用いられる方法を用いることが可能である。例えば、こ
のシストチアゾール類縁体と培養物中に含まれる他の物
質との溶解度を利用する方法、イオン結合力との差を利
用する方法、吸着親和力の差を利用する方法、分子量の
差を利用する方法等を単独で、あるいは適宜組み合わせ
て、または反復して使用することができる。具体的に
は、例えばシストチアゾール類縁体生産菌の培養物及び
菌体の抽出液をゲルろ過クロマトグラフィー、吸着クロ
マトグラフィー、液体クロマトグラフィー等を組み合わ
せて用いて精製することにより本発明のシストチアゾー
ル類縁体及びその他の活性成分を含む画分が得られる。
この画分を減圧濃縮して得られる固形物をさらに高速液
体クロマトグラフィーを用いて展開して精製することに
より、本発明のシストチアゾール類縁体を得ることがで
きる。
【0012】このようにして得られたシストチアゾール
類縁体C−Fは以下のような理化学的性質を有する。
【0013】(1) 物性値 シストチアゾールC: a)外観:無色粉末状物質 b)旋光度:[α]23 D)旋光度:[α]23 D+145
(c 0.2,CHCl3) c)赤外部吸収スペクトル(CHCl3):3600−32
00(br)、3124、1706、1621 and 1
150cm-1 d)紫外部吸収スペクトル(MeOH):λmax 2
22(ε 33900)、242(30500) and
312(10400)nm e)1H−核磁気共鳴スペクトル(400MHz,CDC
3):δ 1.18(d,J=7.2Hz,3H)、1.4
4(d,J=6.8Hz,6H)、2.91(br)(s,
OH)、3.37(sept,J =6.8Hz,1H)、3.
65(s,3H)、3.69(s,3H)、4.17(d
q,J=4.8,7.2Hz,1H)、4.51(dd,J
=4.8,4.8Hz,1H)、5.09(s,1H)、
6.60(dd,J=15.6,4.8Hz,1H)、
6.68(d,J=15.6Hz,1H)、7.06
(s,1H)、7.85(s,1H) f)13C−核磁気共鳴スペクトル(100MHz,CDC
3):δ 12.5(q)、23.1(q)、33.3(d)、
40.5(d)、51.1(q)、55.7(q)、74.
8(d)、91.6(d)、114.8(d)、115.1
(d)、123.5(d)、132.7(d)、148.8
(s)、154.6(s)、162.6(s)、168.7
(s)、176.9(s)、178.6(s) g)質量分析: MS(FAB,matrix:m−nitrobenz
ylalcohol);m/z 431(M+Na)+、
409(M+H)+、391、359 and265
(base)
【0014】高分解能MS(FAB);計算値 C19H
25N2O4S2(M+H) 409.1256、実測値
m/z 409.1255. シストチアゾールD: a)外観:無色粉末状物質 b)旋光度:[α]23 D+134(c 0.05,CHC
3) c)赤外部吸収スペクトル(CHCl3):3600−32
00(br)、3121、1706、1622 and 1
150cm-1 d)紫外部吸収スペクトル(MeOH):λmax 2
35(ε 37000)and 306(11900)n
m e)1H−核磁気共鳴スペクトル(400MHz,CDC
3):δ 1.18(d,J=7.1Hz,3H)、2.2
8(s,3H)、2.86(br)(s,OH)、3.6
6(s,3H)、3.70(s,3H)、4.18(d
q,J=4.6,7.1Hz,1H)、4.52(dd,
J=4.9,4.6Hz,1H)、5.10(s,1
H)、5.36(s,1H)、6.63(dd,J=15.
6,4.9Hz,1H)、6.69(d,J=15.6H
z)、7.08(s,1H)、7.92(s,1H) f)13C−核磁気共鳴スペクトル(100MHz,CDC
3):δ 12.5(q)、20.4(q)、40.5(d)、
51.1(q)、55.7 (q)、74.8(d)、91.
6(d)、115.3(d)、115.9(d)、117.3
(t)、123.3(d)、133.0(d)、137.8
(s)、149.5(s)、154.5(s)、162.5
(s)、168.7(s)、169.8(s)、176.
9(s) g)質量分析: MS(FAB,matrix:m−nitrobenz
ylalcohol);m/z 429(M+Na)+、
407(M+H)+、389、357 and263
(base)
【0015】高分解能MS(FAB);計算値 C19H
23N2O4S2(M+H) 407.1099、実測値
m/z 407.1119. シストチアゾールE a)外観:無色油状物質 b)旋光度:[α]23 D+17.8(c 0.2,CHC
3) c)赤外部吸収スペクトル(CHCl3):3124、1
710 and 1084cm-1 d)紫外部吸収スペクトル(MeOH):λmax 2
20(ε 23900)、247(21600) and
311(11100)nm e)1H−核磁気共鳴スペクトル(400MHz,CDC
3):δ 1.19(d,J=7.0Hz,3H)、1.4
4(d,J=6.9Hz,6H)、2.20(s,3
H)、2.79(dq,J=6.0,7.0Hz,1
H)、3.33(s,3H)、3.38(sept,J=
6.9Hz)、4.01(dd,J=7.4,6.0Hz,
1H)、6.46(dd,J=15.6,7.4Hz,1
H)、6.61(d,J=15.6Hz,1H)、7.1
1(s,1H)、7.86(s,1H) f)13C−核磁気共鳴スペクトル(100MHz,CDC
3):δ 11.9(q)、23.1(q,2C)、29.9
(q)、33.3(d)、51.9(d)、57.0(q)、8
2.7(d)、115.0(d)、116.0(d)、126.
2(d)、130.1(d)、148.6(s)、153.
8(s)、162.9(s)、178.7(s)、210.
6(s) g)質量分析: MS(FAB,matrix:m−nitrobenz
ylalcohol);m/z 373(M+Na)+、
351(M+H)+、319、307 and265
(base)
【0016】高分解能MS(FAB);計算値 C17H
23N2O2S2(M+H) 351.1201、実測値
m/z 351.1201. シストチアゾールF a)外観:無色油状物質 b)旋光度:[α]23 D+77.0(c 0.074,C
HCl3) c)赤外部吸収スペクトル(CHCl3):3600−32
00(br)、3124、1706、1624 and 1
150 d)紫外部吸収スペクトル(MeOH):λmax 2
22(ε 30400)、242(26800) and
311(9990)nm e)1H−核磁気共鳴スペクトル(400MHz,CDC
3):δ 1.22(d,J=6.9Hz,3H)、1.4
5(d,J=7.1Hz,3H)、3.28(br)(s,
OH)、3.66(s)、3.34(s,3H)、3.39
(m,1H)、3.60(s,3H)、3.82(dd,J
=7.7,7.6Hz,1H)、3.89(dd,J=1
1.0,7.2Hz,1H)、3.94(dd,J=11.
0,4.5Hz,1H)、4.17(dq,J=7.7,
6.9Hz,1H)、4.97(s)、6.44(dd,J
=15.8,7.6Hz,1H)、6.60(d,J=1
5.8Hz,1H)、7.09(s,1H)、7.90
(s,1H) f)13C−核磁気共鳴スペクトル(100MHz,CDC
3):δ 14.1(q)、17.3(q)、39.8(d)、
40.2(d)、50.8(q)、55.5(q)、57.
0(q)、66.9(t)、84.4(d)、91.1
(d)、115.1(d)、115.2(d)、125.4
(d)、131.9(d)、148.9(s)、154.6
(s)、161.9(s)、167.7(s)、175.4
(s)、176.7(s) g)質量分析: MS(FAB,matrix:m−nitrobenz
ylalcohol);m/z 461(M+Na)
+、439(M+H)+、407,375 and29
5(base)
【0017】高分解能MS(FAB);計算値 C20H
27N2O5S2(M+H) 439.1361、実測値
m/z 439.1351.
【0018】以上の物性値を基に構造解析を行い、各シ
ストキアゾール類縁体の構造を次のように決定した。
【0019】シストチアゾールC
【0020】
【化9】 シストチアゾールD
【0021】
【化10】 シストチアゾールE
【0022】
【化11】 シストチアゾールF
【0023】
【化12】
【0024】本発明のシストチアゾール類縁体は、本発
明で開示した発酵生産で得られる化合物から通常の化学
反応を行うことで得られる。
【0025】例えば、シストチアゾールDを出発原料に
してDMF中、K2CO3,MeIと反応させてR2を(−
OH)から−OMeへ変えることができる。また、同じ
くシストチアゾールDを原料としてMeOH中、5%P
d−Carbonと反応させてR3を−C(CH3)=C
2から−eH(CH32へ変換可能である。
【0026】また、シストチアゾールDを原料としてT
HF中でBH3と反応させて、次いでm−CPBAと反
応させることにより、R3を−C(CH3)=CH2から
−C(CH3)CH2CHへ変換できる。
【0027】本発明のシストチアゾール類縁体は各種真
菌類に対し強い抗菌活性を有する。カンジダ等の酵母類
及びフィトフトラ、アスペルギルス等の糸状菌類のいず
れに対しても抗菌活性を有する。
【0028】従って、このシストチアゾール類縁体は抗
真菌薬として利用することが可能である。即ち、このシ
ストチアゾール類縁体はそれを有効成分とする真菌症治
療薬として有用である。
【0029】この抗真菌薬は経口、非経口で投与するこ
とができる。
【0030】経口投与の場合は、錠剤、カプセル剤、エ
リキシル剤等の剤型に、非経口投与の場合は、無菌溶液
剤、懸濁溶剤等の剤型に調製することが望ましい。投与
量は疾病の種類、程度、患者の年齢や体重等の因子によ
り適宜変更することが可能であるが、ヒトに対しては
0.1mg〜100mgの範囲で投与することが望まし
い。
【0031】また、このシストチアゾール類縁体は、理
化学的に許容される塩として調製することができ、また
薬剤上必要な、賦形剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、酸化
防止剤、香料等を用いて調製することが可能である。
【0032】
【実施例】1.シストチアゾールC−Fの製造 下記の組成を有するシード用培地を調製し、その100
mlを500ml容三角スラスコに注入して加熱蒸気滅
菌した(120℃,20分)。これにシストバクター・
フスカス(FERM−P15997)を一白金耳接種
し、28℃で3日間旋回浸透培養(180rpm)した
(プレシード培養)。 (シード用培地組成) カジトン(ディフコ社製) 10g/l 乾燥酵母(エビオス、アサヒビール製) 5g/l 麦芽エキス(ディフコ社製) 2g/l 酵母エキス(ディフコ社製) 1g/l MgSO4・7H2O 1g/l Hepes 10g/l (pH7.2)
【0033】次に、同じくシード用培地1000mlを
3000ml容三角フラスコに注入し、加熱蒸気滅菌
(120℃,20分)した。これに上述のプレシード培
養液100mlを接種し、28℃で2日間旋回培養(1
80rpm)した(シード培養)。
【0034】以下に示す組成の生産培地を調製し、30
0l容ジャーファーメンターに150L注入して加熱蒸
気滅菌した(120℃,20分)。これにシード培養液
を4.5L添加し、28℃、67時間培養した。培養は
通気量7.5L/分、回転数200rpm.で行った。 (生産培地組成) カジトン(ディフコ社製) 10g/l 乾燥酵母(エビオス、アサヒビール製) 5g/l 麦芽エキス(ディフコ社製) 2g/l 酵母エキス(ディフコ社製) 1g/l MgSO4・7H2O 1g/l Hepes 10g/l 吸着樹脂SP207(三菱化学製) 20g/l (pH7.2)
【0035】得られた生産培地の培養液から、以下の手
順でシストチアゾールC−Fの単離を行った。
【0036】即ち、この培養液150Lをふるい及び遠
心分離にかけて上清を除去し、湿菌体と吸着樹脂を得
た。これにアセトン12Lを加えて、1昼夜室温で静置
して活性物質を抽出した。次いで、ろ過によって菌体及
び吸着樹脂を除去し、得られたアセトン抽出液を減圧濃
縮して1Lの水に懸濁した。このものをヘキサン−酢酸
エチル(3:1)1Lで3回抽出し、有機層を集めて濃縮
乾固し、油状物質(10g)を得た。これをシリカゲル
(150g)のカラムクロマトグラフィーに供した。溶
離液としてヘキサン−酢酸エチル(4:1)、酢酸エチル
次いでメタノールで溶出したこのうちヘキサン−酢酸エ
チル(4:1)溶出液のうち、中間部400ml(550
〜950ml溶出)からシストチアゾールA(=YSI
−40−2)を再結晶により主活性成分として単離した
(1.12g)。次いで、ヘキサン−酢酸エチル(4:
1)溶出液のうち後半部(950〜1150ml)と酢
酸エチル溶出画分(400ml)の混合物の一部(77
0mg)をシリカゲルの中圧液体クロマトグラフィー(野
村化学(株) Develosil−LOP60,24I
D×360m)により分離した。溶離液としてアセトン
ーベンゼン系混液(アセトン2%→42%,160分の
直線グラジエント)を用いた。溶出画分A(アセトン1
0〜13%,35mg)はHPLC(Develosi
l−ODS−10,野村化学製,溶離液60%CH3
N,7ml/min.及びDevelosil−ODS
−60−5,野村化学製,溶離液ヘキサン−酢酸エチル
(4:1),2ml/min.)で精製し、純粋なシス
トチアゾールE(5.0mg)を得た。溶出画分B(ア
セトン16〜18%,112mg)はさらにシリカゲル
クロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル溶出(2
0:1〜2:1))を行い、3つの活性物質の混合物を
得た。これをさらにHPLC(Develosil−O
DS−10,20ID×250mm,70%CH3OH
溶出,7ml/分)にかけて精製し、シストチアゾール
B(溶出時間35.3分,31mg)、シストチアゾール
C(溶出時間47分,23.7mg)、シストチアゾー
ルD(溶出時間64分,3mg)を得た。溶出画分C(ア
セトン18〜20%,65.1mg)はシリカゲルの中圧
液体クロマトグラフィー(野村化学(株) Develos
il−LOP60,アセトン対ヘキサン−ジクロロメタ
ン混液(1:1)の直線グラヂエント溶出(4〜42
%))により分離し粗シストチアゾールFを得た。これ
をさらにHPLC(Develosil−ODS−HG
5,50%CH3CN溶出,2ml/分)にかけて精製
し、純粋なシストチアゾールF(1mg)を得た。
【0037】抗真菌活性試験 各シストチアゾール類縁体の抗真菌活性は、フィトフト
ラ・カプシッシに対して生育阻止を起こす最小濃度をペ
ーパーディスク法を用いて求めた(参考文献Journ
al of Antibiotics,51巻,275〜2
81頁(1998年))。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、本発明のシスト
チアゾール類縁体(C−F)は優れた抗真菌活性を有す
ることがわかった。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば抗真菌効果にすぐれ細胞毒性が比較的弱いシス
トチアゾール類縁体の提供が可能になる。また、このシ
ストチアゾール類縁体は通常の微生物培養法で生産する
ことができ、抽出、精製にも特別の方法を用いないので
工業的な大量生産が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:01) (72)発明者 小鹿 一 愛知県名古屋市千種区不老町 名古屋大学 農学部内 (72)発明者 坂神 洋次 愛知県名古屋市千種区不老町 名古屋大学 農学部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化学構造を有するシストチアゾー
    ル類縁体 【化1】 1=−OCH3または−OH R2=−OCH3または−OH R3=−CH(CH3)2,−C(CH3)=CH2または−C
    H(CH3)CH2OH または、 【化2】 4=−OCH3または−OH R5=−CH(CH3)2,−C(CH3)=CH2または−C
    H(CH3)CH2OH
  2. 【請求項2】 下記の化学構造を有する請求項1記載の
    シストチアゾール類縁体 【化3】 【化4】 【化5】 または、 【化6】
  3. 【請求項3】 シストバクター属に属する粘液細菌を培
    地中で培養して請求項1または2記載のシストチアゾー
    ル類縁体を生成蓄積せしめ、該培養物よりこれを採取す
    ることを特徴とする請求項1または2記載のシストチア
    ゾール類縁体の製造方法
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のシストチアゾー
    ル類縁体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分
    とする抗真菌剤
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