JP2000072712A - 酢酸の製造方法 - Google Patents
酢酸の製造方法Info
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Abstract
製造方法を提供する。 【解決手段】 ロジウム触媒、沃化物塩及び沃化メチル
の存在下、一酸化炭素とメタノールを反応させる第1工
程、第1工程で得た反応液を蒸留し、カルボニル化合物
を含む高揮発性相と低揮発性相に分離する第2工程、第
2工程で得たカルボニル化合物を含む高揮発性相を蒸留
し、酢酸を含む生成物とカルボニル化合物を含む不純物
に分離する第3工程、第3工程で得たカルボニル化合物
を含む不純物を水と接触させ、カルボニル化合物を含ま
ない有機相と沃化メチルを含む水相に分離する第4工程
並びに第4工程で得た有機相を反応工程に返送する第5
工程を具備しており、第4工程において、カルボニル化
合物を含む不純物と水との接触を30〜60℃で行う酢
酸の製造方法。
Description
る不純物含有量を低減させ、より純度の高い酢酸を連続
的に製造できる酢酸の製造方法に関する。
工業的な製法として、特公昭47−3334号公報に
は、水の存在下、ロジウム触媒と沃化メチルを用い、メ
タノールと一酸化炭素を連続的に反応させる方法が開示
されており、その他にも、特開昭60−54334号公
報及び特開昭60−239434号公報には、沃化物塩
等の触媒安定化剤を添加し、従来の条件よりも低水分条
件下で反応させる方法が開示されている。
中には微量の不純物が含有されており、その不純物が、
酢酸の用途によっては悪影響を及ぼすことが知られてい
る。例えば、エチレンと酢酸から酢酸ビニルを製造する
場合には、酢酸に含まれる不純物が前記製造に用いるパ
ラジウム系触媒を劣化させることが知られている。この
ような酢酸中の不純物としては、アセトアルデヒド、ブ
チルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロ
トンアルデヒド等のカルボニル化合物、沃化メチル、沃
化ブチル、沃化ヘキシル等の沃化アルキル等が知られて
いる(特開平4−266843号公報)。
方法として本発明者は、先に触媒の存在下、メタノール
と一酸化炭素を反応させ、蒸留による分離処理を経たア
セトアルデヒド及び沃化メチルを含む不純物を、水と接
触させ、カルボニル化合物を含む水相と沃化メチルを含
む有機相に分離し、有機相を反応工程に返送する酢酸の
製造方法を提案している(特開平8−67650号公
報)。
デヒド濃度を低下させ、より高純度の酢酸を得ることが
できる点において優れたものであるが、水相中に混入す
る沃化メチル量が多くなるほか、廃液中に残存する沃化
メチルの量も多くなるという点において改善の余地があ
る。
記載の発明を改善するものであり、酢酸の製造方法にお
いて生成する不純物から、アセトアルデヒドと沃化メチ
ルをより確実に分離採取し、高い純度の酢酸を連続的に
得ることができる酢酸の製造方法を提供することを目的
とする。
媒、沃化物塩及び沃化メチルの存在下、一酸化炭素とメ
タノール、ジメチルエーテル又は酢酸メチルを反応させ
る第1工程、第1工程で得た反応液を蒸留し、カルボニ
ル化合物を含む高揮発性相と低揮発性相に分離する第2
工程、第2工程で得たカルボニル化合物を含む高揮発性
相を蒸留し、酢酸を含む生成物とカルボニル化合物を含
む不純物に分離する第3工程、第3工程で得たカルボニ
ル化合物を含む不純物を水と接触させることにより、沃
化アルキルを含む有機相とカルボニル化合物を含む水相
に分離する第4工程並びに第4工程で得た有機相を反応
工程に返送する第5工程、を具備しており、第4工程に
おいて、カルボニル化合物を含む不純物と水との接触を
30〜60℃で行うことを特徴とする酢酸の製造方法を
提供する。
一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明
の酢酸の製造方法を説明するための概念図である。
沃化物塩及び沃化メチルの存在下、反応器10に一酸化
炭素とメタノール、ジメチルエーテル又は酢酸メチルを
連続的に供給して反応させる。このとき、反応器10内
には攪拌機を取り付け、反応中は攪拌を行い、反応系が
均一になるようにすることが好ましい。
ム錯体に変化するものであれば特に限定されず、例え
ば、RhI3、[Rh(CO)2I2]-等のロジウム−沃素
錯体、ロジウム−カルボニル錯体を挙げることができ
る。ロジウム触媒の使用量は、反応液中において200
〜1000ppmが好ましく、300〜600ppmが特に好
ましい。
媒の安定化と副反応制御等のために添加されるものであ
る。沃化物塩は、反応液中において沃素イオンを発生さ
せるものであれば特に限定されず、LiI、NaI、K
I、RbI、CsI等のアルカリ金属の沃化物塩、Be
I2、MgI2、CaI2等のアルカリ土類金属の沃化物
塩、BI3、AlI3等のアルミニウム族金属の沃化物塩
等;4級ホスホニウム沃化物塩(トリブチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン等の沃化メチル付加物又は
沃化水素付加物等)、4級アンモニウム沃化物塩(3級
アミン、ピリジン類、イミダゾール類、イミド類等の沃
化メチル付加物又は沃化水素付加物)等を挙げることが
できる。これらの中でもアルカリ金属の沃化物塩が好ま
しく、LiIが特に好ましい。沃化物塩の使用量は、反
応液中における沃化物イオン量として、0.07〜2.
5モル/Lが好ましく、0.25〜1.5モル/Lが特
に好ましい。
もので、使用量は、反応液中において5〜20重量%が
好ましく、12〜16重量%が特に好ましい。
以下が好ましく、10重量%以下が特に好ましく、1〜
5重量%がさらに好ましい。反応温度は、150〜25
0℃が好ましく、180〜220℃が特に好ましい。反
応系の一酸化炭素分圧は、2〜30気圧が好ましく、4
〜15気圧が特に好ましい。また、反応系における全圧
力、即ち、一酸化炭素の分圧、副生物の分圧及び液体の
蒸気圧との合計圧力は15〜40気圧が好ましい。
反応液は、反応器10からライン11を経て、蒸留器1
2の高さ方向の中間部位に導入する。
第1工程から送った反応液を蒸留して、高揮発性相と低
揮発性相に分離する。この工程で用いる「高揮発性相」
と「低揮発性相」とは、両相の相対的な揮発の程度を意
味するもので、絶対的な揮発の程度を意味するものでは
ない。
化物塩を含み、少量の沃化メチル、水、酢酸、酢酸メチ
ル(製造原料として用いた未反応のメタノール、ジメチ
ルエーテルと、生成物の酢酸との反応物を意味する。以
下、同様である。)を含んでおり、蒸留器12の下部か
らライン13を経て、反応器10に返送する。一方、高
揮発性相は、酢酸と共に、酢酸メチル、沃化メチル及び
水を含んでおり、塔頂留出物としてライン15を経て、
分離器14に送る。
チル−酢酸スプリッターカラム)14で、第2工程から
送った高揮発性相を蒸留し、酢酸を含む生成物と不純物
に分離する。
らライン17を経て取り出す。この酢酸を含む生成物
は、必要に応じて、活性炭、イオン交換樹脂、オゾン又
は酸化剤による酸化等の常法で精製処理し、より高純度
の酢酸を得る。
ル化合物、沃化メチル等のヨウ化アルキル、水、酢酸、
酢酸メチルを含んでおり、塔頂留出物として分離器14
の上部からライン20を経て取り出す。
第3工程で得た不純物を水と接触させることにより、主
として沃化メチル等の沃化アルキルを含む有機相と、主
としてカルボニル化合物を含む水相に分離する。
0〜60℃、好ましくは35〜50℃の範囲で、常圧又
は加圧下で行う。前記温度範囲で処理を行うことによ
り、アセトアルデヒド等のカルボニル化合物の抽出率を
高く維持すると共に、沃化メチル等の沃化アルキルが水
相中に混入することを抑制し、さらに沃化アルキルを反
応工程に返送して再利用することにより、原料の有効利
用と廃液中に混入する沃化アルキルによる環境への悪影
響を防止できる。
含まれるアセトアルデヒドの残存量(即ち、水相中にお
けるアルデヒド含有量)に応じて適宜設定できるもので
あり、通常は1時間以内で行う。有機相は次工程におい
て反応器10に返送されるため、この場合における有機
相中に含まれるカルボニル化合物の残存量は、特開平8
−67650号公報8欄7〜22行に記載されていると
おり、定常反応中における反応工程(反応器10)の反
応液中のアセトアルデヒド濃度を400ppm以下に調整
できる量であることが好ましく、350ppm以下に調整
できる量であることが特に好ましく、300ppm以下に
調整できる量であることがさらに好ましい。このように
有機相中のアルデヒド残存量を調整することにより、製
品酢酸中のアセトアルデヒド由来の有機沃化物、カルボ
ニル不純物量が減少し、プロピオン酸量も減少させるこ
とができるので、ライン17で取り出した酢酸の精製処
理が容易になる。
不純物と水とを混合し、水相と有機相に分離できる装置
を用いる方法であれば特に限定されるものではなく、こ
のような装置としては、ミキサーとセトラーの組み合わ
せ、RDC(rotated disk contactor)、Karr塔、
スプレー塔、充填塔、多孔板塔、邪魔板塔、脈動塔等の
装置を挙げることができる。なお、前記装置には、上記
温度範囲に設定保持するため、必要に応じて加温又は冷
却装置を付加することができる。
第4工程の間に、第3工程で得たカルボニル化合物を含
む不純物を凝縮し、沃化アルキルに富む相と水に富む相
に分離する第3a工程を設けることができる。
物に充分な水が含まれている場合に好適なもので、塔頂
留出物を凝縮器18に送り、主としてカルボニル化合
物、沃化アルキル、酢酸を含む下相液と、主として水、
酢酸と、若干の酢酸メチルを含む上相液に分離し、下相
液はライン30から取り出し、上相液はライン32から
取り出す(以下、「下相液30」、「上相液32」とい
う)。したがって、第3a工程を設けた場合は、第4工
程の処理を前記下相液30に対して行う。
工程と第4工程の間に、第3工程で得たカルボニル化合
物を含む不純物を多段蒸留塔26で蒸留する第3b工程
を設けることができる。この第3b工程は、第3a工程
を設けた場合には、その後に設け、前記下相液30に対
して処理することが好ましい。
定されるものではなく、一般的な多段蒸留塔を用いた蒸
留法を適用する。この蒸留処理により、塔頂抜取液とし
てカルボニル化合物を含む濃縮液を得た後、第4工程の
処理をする。この第3b工程の処理により、さらにカル
ボニル化合物の除去率を高めることができる。塔底抜取
液は主として沃化アルキルを含むもので、反応器10に
返送する。
を形成する金属に腐食が生じることがあるが、それは蒸
留塔内に下記式(I)で表される反応で生成する沃化水
素が存在することが原因であるものと推定される。
メチルが大過剰に存在するために沃化水素が発生するも
のであるので、蒸留塔内にメタノールを添加し、前記平
衡反応を原系に戻すことにより、沃化水素の発生を抑制
し、金属腐食を抑制することができる。このときのメタ
ノールの添加量は、沃素イオン量の0.1〜55モル倍
であることが好ましく、6〜11モル倍であることが特
に好ましい。また、メタノールは低沸点成分であり、沃
化水素と水の共沸温度が127℃であることから、メタ
ノールの添加は蒸留塔の底部付近から行うことが好まし
い。さらに、メタノールの添加により、蒸留塔内に少量
含まれる酢酸と反応して酢酸メチルが生成されるが、そ
の生成量は微量であるため、第4工程の処理に悪影響を
及ぼすほどカルボニル化合物濃度を低下させることはな
い。
沃化メチル等を含む有機相を反応工程(反応器10)に
返送し、再度反応に用いる。
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
した。 (第1工程)反応器10に、所要量のロジウム触媒、沃
化リチウム及び沃化メチルを仕込み、そこに一酸化炭素
とメタノールを連続的に供給し、187℃で反応させ
て、酢酸を生成させた。このとき、アセトアルデヒドが
220g/hrの割合で生成した。反応液中のアセトアル
デヒド濃度は230ppmであった。
を、ライン11から蒸留器12に送って蒸留し、低揮発
性相と高揮発性相に分離した。主としてロジウム触媒、
沃化物塩を含み、さらに少量の沃化メチル、水、酢酸を
含む低揮発性相は、蒸留器12の下部からライン13を
経て、反応器10に返送した。一方、酢酸と共に、酢酸
メチル、沃化メチル及び水を含む高揮発性相は、塔頂留
出物としてライン15を経て、スプリッターカラム14
に送った。
いて、高揮発性相を蒸留し、酢酸を含む生成物をライン
17から取り出し、塔頂留出物として、アセトアルデヒ
ド等のカルボニル化合物、沃化メチル等のヨウ化アルキ
ル、水、酢酸、酢酸メチルを含む不純物を取り出し、凝
縮器18に送った。なお、乾燥処理後の酢酸を含む生成
物中における各成分の濃度は、酢酸が99.5重量%以
上、沃化ヘキシルが10ppb、プロピオン酸が290ppm
であった。また、メチルペンタン等のアルカン類を3g/
hrの割合で除去できたので、スプリッターカラム14の
塔頂部でのアルカン類の蓄積を防止でき、アルカン類除
去のための装置も不要となった。さらに、この結果、凝
縮器18における下相液と上相液(水相)との比重差を
0.9g/cc以上にすることができるため、次の第3a工
程の処理を容易にできることになる。
で凝縮処理して、主としてカルボニル化合物、沃化アル
キル、酢酸、酢酸メチルを含む下相液30と、主として
水、酢酸と、若干の酢酸メチルを含む上相液32を分取
した。下相液30の組成は、下記のとおりであった。 <下相液30の組成> 沃化メチル 86.7重量% アセトアルデヒド 0.080重量% 水 0.7重量% 酢酸 6.2重量% 酢酸メチル 6.3重量% パラアルデヒド 0.03重量% メチルペンタン 0.01重量% その他 0.01重量%。
26に送り、下記の条件で蒸留処理した。 <蒸留条件> 還流比:170 仕込量:100重量部(138g/hr) 抜取量:塔頂から0.42重量部、塔底から99.94
重量部 仕込み段:上から70段目 塔頂温度:54℃ 塔底温度:82℃ その結果、塔頂抜取液及び塔底抜取液として、下記組成
のものを得た。 <塔頂抜取液の組成> 沃化メチル 70.0重量% アセトアルデヒド 25.2重量% 水 0.7重量% 酢酸 0.0重量% 酢酸メチル 0.5重量% パラアルデヒド 0.04重量% メチルペンタン 2.8重量% その他 0.76重量% <塔底抜取液の組成> 沃化メチル 86.7重量% アセトアルデヒド 0.007重量% 水 0.7重量% 酢酸 6.2重量% 酢酸メチル 6.3重量% パラアルデヒド 0.02重量% メチルペンタン 0.01重量% その他 0.01重量%。
580g/hrを抽出部25となる充填塔(理論段数は表1
に示す)に送り、表1に示す温度及び時間で水と接触さ
せ、水相と有機相に分離した。水相は、別途設けた分離
塔に供給して蒸留し(理論段8段、還流比0.3)、留
出液としてアセトアルデヒドを取り出し、缶出液として
水を取り出した。この水は、凝縮器18に返送した。
底抜取液とともに反応器10に返送した。定常反応中に
おける反応器10のアセトアルデヒド濃度は230ppm
であった。
液の沃素イオン濃度は16ppmであり、缶出液の沃素イ
オン濃度は29ppmであった。また、第3b工程の80
段蒸留塔の任意の段における水相中の沃素イオン濃度
は、塔底から32段が0.30重量%、15段が0.4
7重量%、10段が0.54重量%、4段が0.46重
量%であった。
アルデヒドの92%、91%を除去できた。これは、塔
頂抜取液の全量580g/hrを処理して、134g/hrのア
セトアルデヒドを除去できたことになり、反応器10に
おけるアセトアルデヒド生成量220g/hrの61%を除
去できたことになる。また、実施例1及び2は、アセト
アルデヒドを除去すると共に、沃化メチルを反応器に返
送して再利用するため、廃液中における沃化メチル濃度
を減少できた。得られた製品酢酸の過マンガン酸タイム
(過マンガン酸還元性物質試験)は190分であった。
過マンガン酸タイムは、JIS K1351に記載の方
法による、酢酸中の極微量な還元性不純物の存在量を調
べる品質試験であり、その時間(分)が長いほど純度が
高いことを示すものである。
工程においては、80段蒸留塔のボトム気相部から、蒸
留塔に存在する沃素イオン濃度の10モル倍量のメタノ
ールを10g/hrで添加し、82℃で連続蒸留処理し
た。その結果、多段蒸留塔内における沃素イオン濃度は
1ppm以下になった。
タノール添加による沃素イオン濃度の変化について試験
した。試験では、表2に示す組成の反応系で、表2に示
す条件でバッチ式で反応させた場合における反応前後の
沃素イオン濃度を測定した。結果を表2に示す。
濃度が0重量%になっていた。これは上記したとおり、
式(I)で表される平衡反応を原系に戻すことにより、
沃化水素の生成が抑制されたためである。この結果、蒸
留塔内における金属腐食性が低下するため、汎用材料で
あるSUS316Lを蒸留塔の形成材料として用いるこ
とができる。また、このように金属の腐食を抑制できる
ので、腐食が大きい場合のように、液中に溶出した鉄、
ニッケル等の金属イオンが反応器に再循環することによ
る酢酸反応速度の低下や水性ガスシフト反応の増加によ
りCO原単位の減少を防止できる。一方、メタノールの
添加量が55モル倍を超える比較試験例2、3、4の場
合には、下記式で表される副反応が生じるため、沃化水
素量が返って増加するものと推定される。 CH3I+CH3OH ⇒ HI+CH3OCH3↑
デヒドの除去率を高め、反応系におけるアセトアルデヒ
ドの含有量を減少させることができる。このため、酢酸
中の不純物量を少なくすることができるので、精製処理
が容易となり、より高純度の酢酸を製造することができ
る。また、反応系において沃化メチルを有効に再利用で
きると共に、廃液中への沃化メチルの混入量を減少させ
ることができるので、環境に悪影響を与えることが殆ど
ない。さらに、多段蒸留塔を適用した場合における蒸留
塔を形成する金属の腐食を抑制することができる。
めの概念図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 ロジウム触媒、沃化物塩及び沃化メチル
の存在下、一酸化炭素とメタノール、ジメチルエーテル
又は酢酸メチルを反応させる第1工程、 第1工程で得た反応液を蒸留し、カルボニル化合物を含
む高揮発性相と低揮発性相に分離する第2工程、 第2工程で得たカルボニル化合物を含む高揮発性相を蒸
留し、酢酸を含む生成物とカルボニル化合物を含む不純
物に分離する第3工程、 第3工程で得たカルボニル化合物を含む不純物を水と接
触させることにより、沃化アルキルを含む有機相とカル
ボニル化合物を含む水相に分離する第4工程並びに第4
工程で得た有機相を反応工程に返送する第5工程、を具
備しており、 第4工程において、カルボニル化合物を含む不純物と水
との接触を30〜60℃で行うことを特徴とする酢酸の
製造方法。 - 【請求項2】 さらに、第3工程と第4工程の間に、第
3工程で得たカルボニル化合物を含む不純物を凝縮し、
沃化アルキルに富む相と水に富む相に分離する第3a工
程を具備する請求項1記載の酢酸の製造方法。 - 【請求項3】 さらに、第3工程と第4工程の間に、第
3工程で得たカルボニル化合物を含む不純物を多段蒸留
塔で蒸留する第3b工程を具備する請求項1記載の酢酸
の製造方法。 - 【請求項4】 第3a工程の処理の後に第3b工程の処
理をする請求項3記載の酢酸の製造方法。 - 【請求項5】 蒸留時において、多段蒸留塔に存在する
沃素イオン量の0.1〜55モル倍量のメタノールを供
給する請求項3又は4記載の酢酸の製造方法。
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