JP2007526306A - メタノールカルボニル化プロセスから過マンガン酸塩還元性化合物を除去するプロセスのための制御法 - Google Patents

メタノールカルボニル化プロセスから過マンガン酸塩還元性化合物を除去するプロセスのための制御法 Download PDF

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Abstract

酢酸を生成するためのメタノールカルボニル化プロセスにおけるプロセス流れから過マンガン酸塩還元化合物を除去するための分離プロセスを制御する方法を開示する。本方法には、アセトアルデヒド及びヨウ化メチルを含有する流れの密度を測定し、場合により、その流れ中のアセトアルデヒド及びヨウ化メチルのそれぞれの濃度を計算し、そして、測定された密度と、そこから計算された一又はそれより多いそれぞれの濃度とに基づいて、蒸留又は抽出のプロセスパラメータを調節する工程が含まれる。

Description

発明の背景
1.発明の分野
本発明は、第VIII族金属カルボニル化触媒の存在下でのメタノールのカルボニル化により形成される、過マンガン酸塩還元性化合物及びアルキルヨウ化物を除去するための改良法に関する。より具体的には、本発明は、過マンガン酸塩還元性化合物及びアルカリヨウ化物の前駆体を、前記カルボニル化法による酢酸の形成の間に、中間体流れから低減する、及び/又は、除去するための改良法に関する。
2.技術的背景
現在使用されている酢酸を合成するための方法の中で、商業的に最も有用なものの一つは、1973年10月30日付けでPaulik et al.に対して発行された米国特許No. 3,769,329号に教示されるような、触媒作用の下での一酸化炭素によるメタノールのカルボニル化である。カルボニル化触媒は、ロジウムを含み、ヨウ化メチルにより例示されるようなハロゲン含有触媒促進剤とともに、液体反応媒体中に溶解するか、さもなければ分散され、あるいは不活性固体上に支持される。ロジウムは、多くの形態のうちいずれかで反応系に導入することができ、活性触媒錯体内部のロジウム部分の正確な性質は不確定である。同様に、ハロゲン化物促進剤の性質は臨界的ではない。この特許権者らは、非常に多くの適する促進剤を開示しており、その殆どは有機ヨウ化物である。最も典型的で有用なことには、この反応は、触媒が溶解された液体反応媒体を通して一酸化炭素ガスを連続的に起泡させることにより行われる。
ロジウム触媒の存在下でアルコールをカルボニル化して、そのアルコールよりも一つ多い炭素原子を有するカルボン酸を生成するための従来技術の方法における改良は、本出願と同じ譲受人に譲渡された、1991年3月19日付けで発行された米国特許No. 5,001,259号;1991年6月25日付けで発行された米国特許No. 5,026,908号;及び1992年9月1日付けで発行された米国特許No. 5,144,068号;ならびに1992年7月1日付けで発行されたヨーロッパ特許No. EP 0 161 874 B2に開示されている。これらに開示されているように、酢酸は、酢酸メチル、ハロゲン化メチル、特にヨウ化メチル、及び触媒的に有効な濃度で存在するロジウムを含有する反応媒体中でメタノールから生成される。これらの特許は、反応媒体中において、触媒的に有効な量のロジウムと少なくとも有限濃度の水とともに、ヨウ化メチル又は他の有機ヨウ化物として存在するヨウ化物含量を超える具体的な濃度のヨウ化物イオンを維持することにより、反応媒体中において、非常に低い水濃度、すなわち4重量パーセント又はそれ未満であっても(およそ14〜15重量%の水を維持するという一般的な産業上の慣習にも拘わらず)、触媒安定性及びカルボニル化反応器の生産性を驚くべき高いレベルに維持できることを開示している。ヨウ化物イオンは簡単な塩として存在し、ヨウ化リチウムが好ましい。これらの特許は、酢酸メチル及びヨウ化物塩の濃度が、特に低い反応器水濃度において、メタノールをカルボニル化して酢酸を生成する速度に影響を及ぼす点で有意なパラメータであることを教示している。比較的高い濃度の酢酸メチル及びヨウ化物塩を用いることにより、液体反応媒体が水を約0.1重量%ほどの低い濃度、すなわち広く「有限濃度」の水として簡単に定義することができるほど低い濃度で含有する場合であっても、驚くべき度合いの触媒安定性と反応器生産性とが得られる。更に、使用する反応媒体により、ロジウム触媒の安定性、すなわち、特にプロセスのうち生成物回収工程の間の、触媒沈殿に対する抵抗性が改良される。これらの工程においては、酢酸生成物を回収する目的のための蒸留により、反応容器中で維持された環境においてロジウムに対する安定化効果をもつ一酸化炭素が触媒から除去される傾向がある。米国特許No. 5,001,259号、No. 5,026,908号及びNo. 5,144,068号は、参照により本明細書中に援用される。
酢酸を生成するための低含水カルボニル化法により、二酸化炭素、水素、及びプロピオン酸などの副生物が低減されるが、一般的には極微量で存在する他の不純物の量は増加し、触媒を改良するか、又は反応条件を変更することにより、生成速度を増大させようと試みると、酢酸の品質が悪くなる場合があることが分かっている。
これらの極微量の不純物は、特に反応プロセスを通して再循環するときに、酢酸の品質に影響を及ぼす。酢酸の過マンガン酸塩時間(permanganate time)を減少させる不純物としては、カルボニル化合物及び不飽和カルボニル化合物が挙げられる。本明細書中で使用するように、「カルボニル」という用語は、その化合物が不飽和結合をもつか否かに拘わらす、アルデヒド又はケトン官能基を含有する化合物を意味するように意図される。カルボニル化法における不純物に関する更なる議論については、Catalyst of Organic Reaction, 75, 369-380 (1998)を参照されたい。
本発明は、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、及び2−エチルブチルアルデヒドなど、ならびにこれらのアルドール縮合生成物といった過マンガン酸塩低減性化合物類(PRC類)を低減及び/又は除去することに向けられている。また、本発明は、プロピオン酸の低減をもたらす。
これまでに説明したアセトアルデヒドなどのカルボニル不純物は、ヨウ化物触媒促進剤と反応して、例えば、ヨウ化エチル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ヘキシルなどの多炭素アルキルヨウ化物を形成し得る。これらの不純物は、酢酸生成物中において少量であっても、酢酸から製造される最も一般的な生成物である酢酸ビニルの製造において使用される触媒をだめにする傾向があるので、アルキルヨウ化物は反応生成物から除去することが望ましい。したがって、本発明は、アルキルヨウ化物、特にC2−12アルキルヨウ化物化合物の除去にも向けられている。よって、多くの不純物がアセトアルデヒドを起源とするので、第一の目的は、プロセス中のアセトアルデヒド及びアルキルヨウ化物含量を除去又は低減することである。
不純物を除去するための慣用的な手法としては、酢酸生成物を、酸化剤、オゾン、水、メタノール、活性炭、アミンなどで処理することが挙げられる。この処理は、酢酸の蒸留と組合わせても、組合わせなくてもよい。最も典型的な精製処理は、最終生成物の連続蒸留を包含する。例えば、米国特許No. 5,783,731号から、有機物流れを、カルボニル化合物と反応してオキシムを形成するヒドロキシルアミンなどのアミン化合物により処理し、その後、蒸留して、精製された有機生成物をオキシム反応生成物から分離することにより、カルボニル不純物をその有機物流れから除去することも知られている。しかし、最終生成物の付加的な処理により、プロセスに対してコストが追加され、また、処理済みの酢酸生成物の蒸留により追加の不純物が形成される可能性がある。
比較的高純度の酢酸を得ることは可能であるが、低含水カルボニル化法とこれまでに説明した精製処理により形成した酢酸生成物は、小さい割合の残留不純物の存在により、過マンガン酸塩時間に関して少々不充分であることが多い。充分な過マンガン酸塩時間は、酸生成物が多くの用途に適しているために満たさなければならない重要な商業的試験であることから、過マンガン酸塩時間を減少させる不純物の存在は好ましくない。そのうえ、不純物の一部は酢酸生成物に近い沸点を有するので、これらの微小量の不純物を酢酸から除去することは経済的又は商業的に実行不可能である。
したがって、最終生成物を汚染したり、不必要な費用を追加させたりすることなく、カルボニル化法において不純物を他の場所へ除去する、経済的に実行可能な方法を見出すことが重要となっている。米国特許No. 5,756,836号(参照により本明細書中に援用される)は、反応溶液のアセトアルデヒド濃度を1500ppmより低く調節することにより、高純度の酢酸を製造するための方法を開示している。アセトアルデヒド濃度をこの閾値より低く維持することにより、不純物の形成を抑制することができ、高純度の酢酸を得るためには酢酸粗生成物を蒸留するだけでよいと述べられている。
1995年4月12日付けで発行されたヨーロッパ特許No. EP 0 487 284 B1は、酢酸生成物中に存在するカルボニル不純物は、一般に、軽質生成物塔からのオーバーヘッド中に濃縮されることを開示している。したがって、軽質生成物塔のオーバーヘッドをアミン化合物(ヒドロキシルアミンなど)により処理し、アミン化合物をカルボニル化合物と反応させて、蒸留により残りのオーバーヘッドから分離することができるオキシム誘導体を形成すると、過マンガン酸塩時間が改良された酢酸生成物がもたらされる。
ヨーロッパ特許出願No. EP 0 687 662 A2及び米国特許No. 5,625,095号には、高純度の酢酸を製造するための方法が記載されている。この方法では、単一又は複数段の蒸留プロセスを使用してアセトアルデヒドを除去することにより、反応器中において400ppm又はそれ未満のアセトアルデヒド濃度を維持する。アセトアルデヒドを除去するために処理することが考えられる流れとしては、主として、水、酢酸、及び酢酸メチルを含有する軽質相;主として、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び酢酸を含有する重質相;主として、ヨウ化メチル及び酢酸メチルを含有するオーバーヘッド流れ;又は、軽質相と重質相とを組合わせることにより形成された再循環流れが挙げられる。これらの引用文献は、これらの流れのうちいずれが、より大きなアセトアルデヒド濃度をもつかを明らかにしていない。
また、ヨーロッパ特許出願No. EP 0 687 662 A2及び米国特許No. 5,625,095号には、反応器中におけるアセトアルデヒドの形成を制御するため反応条件を管理することも開示されている。アセトアルデヒドの形成を制御することにより、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、及びヨウ化アルキルなどの副生物の形成が低減されることが述べられているが、また、提唱されるような反応条件の管理により、望ましくない副生物であるプロピオン酸の形成が増加することも指摘されている。
更に最近では、本出願と同じ譲受人に譲渡された、米国特許No. 6,143,930及びNo. 6,339,171において、軽質生成物塔のオーバーヘッドについて複数段の精製を行うことにより、酢酸生成物中の望ましくない不純物を有意に低減することが可能であることが開示されている。これらの特許は、軽質生成物のオーバーヘッドを2回蒸留し、各々の場合において、アセトアルデヒドオーバーヘッドを採取し、ヨウ化メチルリッチな残留物を反応器に戻すという精製法を開示している。アセトアルデヒドリッチな留出物を、水により抽出して、大部分のアセトアルデヒドを廃棄のために除去すると、反応器へと再循環されるラフィネートにおいて有意に低いアセトアルデヒド濃度となる。米国特許No. 6,143,930及びNo. 6,339,171は、参照によりその全体が本明細書中に援用される。
発明の要旨
一の側面において、本発明は、アセトアルデヒドを蒸留によりヨウ化メチルから分離するための方法を提供する。この方法には、ヨウ化メチル及びアセトアルデヒドを含有する混合物を蒸留装置において蒸留して、オーバーヘッド及び残留物をもたらす工程;オーバーヘッドの密度を測定する工程;及び、蒸留装置に関係する少なくとも1つのプロセス変数を、測定した密度又はそれから計算される相対濃度に応じて調節する工程が含まれ、そのプロセス変数は、加熱速度、塔圧力、供給物組成、還流物組成及び還流比から選択される。
別の側面において、本発明は、アセトアルデヒドをヨウ化メチルから分離するための方法を提供する。この方法には、ヨウ化メチル及びアセトアルデヒドを含有する混合物を蒸留装置中で蒸留して、オーバーヘッド及び残留物をもたらす工程;オーバーヘッドを水により抽出して、水性抽出物及びラフィネートを提供する工程;オーバーヘッド、抽出物及びラフィネートのうち少なくとも1つの密度を測定する工程;及び、蒸留装置又は抽出工程に関係する少なくとも1つのプロセス変数を、測定した密度又はそれから計算される相対濃度に応じて調節する工程が含まれる。調節されるプロセス変数は、蒸留装置における塔加熱速度、塔圧力、供給物組成、還流物組成、及び還流比、ならびに抽出器に対する水供給速度からなる群から選択される。
更に別の側面において、本発明は、酢酸を製造するための方法を提供する。この方法には、次の工程:メタノールを、水及びヨウ化メチルを含有する反応媒体中、触媒の存在下で一酸化炭素と反応させる工程;反応媒体を、酢酸、ヨウ化メチル、アセトアルデヒド、及び水を含有する蒸気相と、液体相とに分離する工程;蒸気相を蒸留して、精製された酢酸生成物と、ヨウ化メチル及びアセトアルデヒドを含有する第一のオーバーヘッドとをもたらす工程;第一のオーバーヘッドを凝縮し、それを水により抽出して、水性抽出物とヨウ化メチルを含有するラフィネートとをもたらす工程;第一のオーバーヘッド、水性抽出物、及びラフィネートのうち少なくとも一つの密度を測定する工程;及び、第二のオーバーヘッドの蒸留又は抽出と関係する少なくとも1つのプロセス制御パラメータを、測定した密度に基づいて、又はそれから計算されるアセトアルデヒド又はヨウ化メチルの相対濃度に基づいて調節する工程が含まれる。
図面の簡単な説明
図1は、米国特許No. 6,339,171に開示されるような、カルボニル化反応により酢酸を生成するためのカルボニル化プロセスの中間体流れからカルボニル不純物を除去するための従来技術を示す。
図2−4は、第二の蒸留塔からのオーバーヘッドと同じ組成を有する流れに濃度計を配置した、本発明の好ましい態様を示す。
図5は、オーバーヘッド流れ54について測定した密度とその流れにおけるアセトアルデヒド及びヨウ化メチルの相対濃度との相関を示す。
本発明は、種々の修飾及び代替的な形態が可能であるが、具体的な態様を図面において例として示してあり、また、本明細書中に詳細に説明する。しかし、本発明は限定することを意図していないことを理解すべきである。それどころか、本発明は、特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内にあるすべての修飾、均等物、及び変更を包含することを意図している。
例示的な態様の説明
本発明の例示的な態様を以下に説明する。明りょう性のため、本明細書中には実際の具体化の特徴をすべては説明していない。当然ながら、任意のそのような実際の態様の開発においては、系に関連したあるいは事業に関連した制約といった開発者らの具体的な目標を達成するために、具体化に特有な非常に多くの決定をなさなければならず、具体化ごとに異なることになることは認識されるであろう。更に、そのような開発の努力は複雑で時間がかかるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとっては日常行われる仕事であろうことは認識されるであろう。
本発明の精製法は、ロジウムなどの第VIII族金属触媒とヨウ化物促進剤の存在下でメタノールを酢酸へとカルボニル化するために使用されるあらゆる方法において有用である。特に有用な方法は、米国特許No. 5,001,259に例示されるような、メタノールから酢酸への低水分ロジウム触媒カルボニル化である。一般的には、触媒系のロジウム成分は、ロジウム配位化合物の形態で存在し、ハロゲン成分がその配位化合物の少なくとも一つの配位子を提供すると考えられている。ロジウムとハロゲンとの配位に加えて、一酸化炭素がロジウムと配位結合することも考えられている。触媒系のロジウム成分は、反応帯域中に、ロジウム金属、酸化物、酢酸塩、ヨウ化物等といったロジウム塩、又は他のロジウムの配位化合物等の形態のロジウムを導入することにより、提供することができる。
触媒系のハロゲン促進性成分は、有機ハロゲン化物を含むハロゲン化合物からなる。従って、アルキル、アリール、及び、置換されたアルキル又はアリールのハロゲン化物を使用することができる。好ましくは、ハロゲン化物促進剤はアルキルハロゲン化物の形態で存在し、この形態において、アルキル基はカルボニル化される原料アルコールのアルキル基に相当する。従って、メタノールから酢酸へのカルボニル化において、ハロゲン化物促進剤は、ハロゲン化メチル、より好ましくはヨウ化メチルを含むことになる。
使用される液体反応媒体としては、触媒系と相溶性のある任意の溶媒を挙げることができ、純粋なアルコール、又は、アルコール原料及び/又は所望のカルボン酸及び/又はこれらの二つの化合物のエステルの混合物を挙げることができる。低水分カルボニル化法のために好ましい溶媒及び液体反応媒体は、カルボン酸生成物を含む。従って、メタノールから酢酸へのカルボニル化において、好ましい溶媒は酢酸である。
水は反応媒体中に含有されるが、十分な反応速度を達成するためにこれまで実用的であると考えられてきた濃度よりかなり低い濃度で含有される。以前は、本発明に示されるタイプであるロジウム触媒によるカルボニル化法においては、水の添加により、反応速度に有益な効果がもたされると教示されてきた(米国特許No. 3,769,329)。従って、最も一般的な操作は、少なくとも約14重量%の水分濃度で行われている。それゆえに、そのような高いレベルの水分濃度により得られる反応速度と実質的に等しいか、又はそれより高い反応速度が、14重量%より低く、約0.1重量%ほどの低い水分濃度で達成できることはまったく予期できないことである。
本発明に従った、酢酸を製造するのに最も有用なカルボニル化法によれば、低い水分濃度であっても、酢酸メチルと、ヨウ化メチル又は他の有機ヨウ化物などの触媒促進剤として存在しているヨウ化物を超える追加のヨウ化物イオンとを反応媒体中に含めることにより、所望の反応速度は得られる。追加のヨウ化物促進剤はヨウ化物塩であり、ヨウ化リチウムが好ましい。低水分濃度下では、酢酸メチル及びヨウ化リチウムは、これらの成分のうち各々が相対的に高い濃度で存在する場合にのみ、速度促進剤として作用すること、及び、これらの成分のうち両方が同時に存在する場合に、促進がより高いことが分かっている(米国特許No. 5,001,259)。好ましいカルボニル化反応系の反応媒体において使用するヨウ化リチウムの濃度は、この種の反応系においてハロゲン化物塩の使用を取り扱う従来技術が殆ど存在しないことと比較して、かなり高いと考えられている。ヨウ化物イオン含量の絶対濃度は、本発明の有用性に対する制限ではない。
メタノールの酢酸生成物へのカルボニル化反応は、液相であるメタノール供給物を、ロジウム触媒、ヨウ化メチル促進剤、酢酸メチル、及び追加の溶解性ヨウ化物塩を含有する液体酢酸溶媒反応媒体を通して泡立たせた気体の一酸化炭素と、カルボニル化生成物を形成するのに適する温度及び圧力の条件にて接触させることにより、実施することができる。一般的には、触媒系におけるヨウ化物イオンの濃度が重要であり、ヨウ化物と結合するカチオンは重要ではないこと、及び、ヨウ化物が所与のモル濃度であれば、カチオンの性質はヨウ化物濃度の効果ほど有意ではないことが認識されるであろう。塩が反応媒体中に充分に溶解性であり所望のヨウ化物レベルを提供することを条件として、任意の金属ヨウ化物塩、あるいは、任意の有機カチオン、又は4級アミンなどの4級カチオン、又はホスフィン、又は無機カチオンの任意のヨウ化物塩を使用することができる。ヨウ化物を金属塩として添加する場合、クリーブランド,オハイオ州のCRC Pressにより発行された“Handbook of Chemistry and Physics”に示される周期表の第IA族及び第IIA族の金属からなる群のメンバーのヨウ化物塩が好ましい。特に、アルカリ金属ヨウ化物が有用であり、ヨウ化リチウムが好ましい。本発明において最も有用な低水分カルボニル化法においては、有機ヨウ化物促進剤を超える追加のヨウ化物は触媒溶液中に約2〜約20重量%の量で存在し、酢酸メチルは約0.5〜約30重量%の量で存在し、そしてヨウ化リチウムは約5〜約20重量%の量で存在する。ロジウム触媒は、百万部当たり約200〜約2000部(ppm)の量で存在する。
カルボニル化のための典型的な反応温度は、およそ150〜約250℃であり、約180〜約220℃の温度範囲が好ましい範囲である。反応器中の一酸化炭素の分圧は、広く変動することができるが、典型的には、約2〜約30気圧、好ましくは、約3〜約10気圧である。副生物の分圧と含有される液体の蒸気圧のために、全体の反応器圧力は、約15〜約40気圧となる。
ヨウ化物により促進されロジウムにより触媒作用を及ぼすメタノールから酢酸へのカルボニル化のために使用される展開的な反応及び酢酸回収系を図1に示す。この系は、カルボニル化反応器、フラッシャー、及び、更なる精製へと進む酢酸側方流れ17を有する溶化メチル酢酸軽質生成物塔14を含んでいる。反応器及びフラッシャーは、図1に示していない。これらは、カルボニル化法の技術分野において現在よく知られている標準的な装置と考えられる。カルボニル化反応器は、典型的には、攪拌容器であるか、又は、気泡塔型であり、その内部で反応性液体又はスラリー含有物が自動的に一定のレベルに維持される。この反応器中には、新しいメタノール、一酸化炭素、反応媒体において少なくとも有限濃度の水を維持するのに必要とされる充分な水、フラッシャー基部から再循環される触媒溶液、再循環されるヨウ化メチル及び酢酸メチル相、及び、ヨウ化メチル酢酸軽質生成物又はスプリッター塔14のオーバーヘッド受器デカンタから再循環される水性酢酸相が連続的に導入される。蒸留系を使用して、粗酢酸を回収し、触媒溶液、ヨウ化メチル、及び酢酸メチルを反応器に再循環するための手段を提供する。好ましいプロセスにおいては、一酸化炭素をカルボニル化反応器中、内容物を攪拌するために使用される攪拌機のすぐ下に連続的に導入する。気相の供給物は、この攪拌手段により、反応性液体中に完全に分散させる。気相パージ流れを反応器から排出して、気相の副生物の蓄積を防止し、かつ所与の反応器全圧にて指定の一酸化炭素分圧を維持する。反応器の温度を制御し、一酸化炭素供給物を所望の反応器全圧を維持するのに充分な速度にて導入する。
液体生成物は、その内部で一定のレベルを維持するのに充分な速度にてカルボニル化反応器から抜き出して、フラッシャーへと導入する。フラッシャーにおいて、触媒溶液を基部流れ(大部分はロジウム及びヨウ化物塩を含有する酢酸、他に少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水)として抜き出し、フラッシャーの蒸気オーバーヘッド流れは、主として、生成物である酢酸と、他にヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水を含む。反応器を出てフラッシャーに入る溶解した気体は、一部の一酸化炭素と、他にメタン、水素、及び二酸化炭素などの気体副生物からなり、オーバーヘッド流れの一部としてフラッシャーを出る。オーバーヘッド流れは、流れ26として軽質生成物又はスプリッター塔14に向けられる。
米国特許No. 6,143,930及び6,339,171には、軽質相には塔14を出る重質相流れよりも高い濃度、約3倍のPRC類、特にアセトアルデヒド含量が存在することが開示されている。従って、本発明によれば、PRC類を含有する流れ28をオーバーヘッド受器デカンタ16へと向け、そこで軽質生成物相である流れ30を蒸留塔18へと向ける。
本発明は、蒸気相酢酸流れから、PRC類、第一にはアルデヒド類及びアルキルヨウ化物、を除去する方法として広く考えてもよい。蒸気相流れを蒸留し、抽出して、PRC類を除去する。第一の蒸気相酢酸流れから、アルデヒド類及びアルキルヨウ化物を除去し、プロピオン酸のレベルを低減する例示的な方法には、次の各工程:
a)第一の蒸気相酢酸流れを第一の凝縮器において凝縮し、二相に分離して第一の重質液体相生成物と第一の軽質液体相生成物とを形成する工程;
b)軽質液体相生成物を第一の蒸留塔において蒸留して、第一の蒸気相酢酸流れに関してアルデヒド類及びアルキルヨウ化物が富化された第二の蒸気相酢酸生成物流れを形成する工程;
c)第二の蒸気相流れを第二の凝縮器において凝縮して、第二の液体相生成物を形成する工程;
d)第二の液体相生成物を第二の蒸留塔において蒸留して、オーバーヘッドアルデヒド及びアルキルヨウ化物流れへの第一の蒸気相酢酸流れにおいて、アルキルヨウ化物、アルデヒド、及びプロピオン酸不純物を低減、及び/又は、除去する工程;及び、
e)オーバーヘッド流れの密度を測定し、場合によりそれからアセトアルデヒド及びヨウ化メチルの相対濃度を計算し、そして測定した密度又はそれから計算した濃度に基づいて第二の蒸留塔の運転を制御する工程が含まれる。
米国特許No. 6,339,171に開示されるような従来技術の一態様を図1に示す。図1をみると、第一の蒸気相酢酸流れ(28)は、ヨウ化メチル、酢酸メチル、アセトアルデヒド、及び他のカルボニル成分を含有する。次いで、この流れを凝縮し、分離して(容器16中で)、大きな割合の触媒成分を含有する重質相生成物−反応器へと再循環する(図1には示していない)−と、アセトアルデヒド、水、及び酢酸を含有する軽質相(30)とに分離する。
軽質生成物オーバーヘッドのどちらの相も、その後に蒸留して、PRC類及びこの流れのアセトアルデヒド成分を除去してもよいが、アセトアルデヒドの濃度がこの相において幾分高いことが分かっていることから、軽質相(30)からPRC類を除去するのが好ましい。本明細書中に図示し説明する態様においては、蒸留は二段階で実施する;しかし、蒸留は単一の塔で同様に行ってもよいことは理解されるであろう。軽質相(30)は塔18に向けられ、この塔は、流れ28に関してアルデヒド類及びアルキルヨウ化物類が富化された第二の蒸気相(36)を形成させる。アセトアルデヒド、ヨウ化メチル、メタノール、及び酢酸メチルを含有する第二の軽質相(40)は、第二の蒸留塔に向けられ、そこでアセトアルデヒドが他の諸成分から分離される。このプロセスは、酢酸流れ中にみられるアルキルヨウ化物の少なくとも50%を低減及び/又は除去することが分かった。また、アセトアルデヒド及びその誘導体が少なくとも50%、殆ど多くの場合は60%より多く低減及び/又は除去されることも示された。結果として、酢酸生成物中のプロピオン酸の濃度を重量基準で約400ppmより低く、好ましくは約250ppmより低くすることが可能である。
軽質生成物又はスプリッター塔14の頂部からは、蒸気が流れ28を介して取り出され、凝縮され、容器16に向けられる。蒸気は、凝縮して、凝縮性のヨウ化メチル、酢酸メチル、アセトアルデヒド及び他のカルボニル成分、ならびに水を二相に分離するのに十分な温度まで冷やされる。流れ28の一部は、二酸化炭素、水素などの不凝縮性の気体を含み、図1において流れ29に示すように、排気することができる。また、(図1に示していないが)オーバーヘッド受器デカンタ16に残されるのは、流れ28の重質相である。通常、この重質相は反応器へと再循環されるが、重質相のスリップ流れ(一般的には少量、例えば25容量%、好ましくは約20容量%未満)をカルボニル処理プロセスに向けて、残りを反応器又は反応系へと再循環させてもよい。この重質相のスリップ流れは、カルボニル不純物の更なる蒸留及び抽出のために、個別に、あるいは、軽質相(流れ30)と組合わせて処理してもよい。
軽質相(30)は、蒸留塔18へと向けられる。流れ30の一部は、還流流れ34としてもとの軽質生成物塔14へと向けられる。流れ30の残りは、塔18に塔のおよそ中中間に流れ32として入る。塔18は、水及び酢酸を軽質成分から分離することにより、流れ32のアルデヒド成分をオーバーヘッド流れ36中に濃縮させる。流れ32は、第一の蒸留塔18において蒸留され、この蒸留塔は好ましくはおよそ40トレイを含有し、その内部の温度は、塔底部における約283°F(139.4℃)から塔頂部における約191°F(88.3℃)の範囲である。18の底部を出るのは、およそ70%の水と30%の酢酸とを含有する流れ38である。流れ38は処理され、一般的には熱交換器を利用して冷やされ、流れ46、48を介して軽質生成物塔オーバーヘッドデカンタ16へと再循環され、最終的に反応器又は反応系へと再循環される。デカンタ16を通って戻る流れ46として特定される流れ38の一部を再循環させることにより、本発明の方法の効率が向上し、軽質相である流れ32中により多くのアセトアルデヒドを存在させることができる。流れ38をこのようにデカンタ16を通して再循環させる場合、流れ36はおよそ7倍のアルデヒド含量を有することが分かった。塔18の頂部を出るのは、PRC類、特にアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びメタノールと、アルキルヨウ化物とを含有する流れ36である。次いで、流れ36は、存在するすべての凝縮性気体を凝縮させるために冷やされた後、オーバーヘッド受器20へと向けられる。
オーバーヘッド受器20を出るのは、アセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びメタノールを含有する流れ40である。流れ40の一部は、還流流れ42として塔18へと戻される。流れ40の残りは、第二の蒸留塔22に塔の底部付近で入る。塔22は、流れ40中のヨウ化メチル、酢酸メチル、及びメタノールからアセトアルデヒドの大部分を分離する。一の態様においては、塔22は約100トレイを含有し、低部における約224°F(106.6℃)から頂部における約175°F(79.4℃)の範囲の温度で運転する。別の好ましい態様においては、塔22はトレイの代わりにストラクチャード・パッキンを含有する。好ましいパッキンは、約65ft/ftの界面面積をもち、塔内において生成すべき組成と適合性があることを条件として、好ましくは、2205のような金属合金又は他の同様なパッキン材料からつくられたストラクチャード・パッキンである。実験の間に、均一な塔充填(良好な分離のために必要とされる)は、トレイよりもストラクチャード・パッキンの方が良好であったことが観察された。また、セラミックパッキンを使用してもよい。塔22の残りである流れ44は、塔の底部から出て、カルボニル化プロセスへと再循環される。蒸留塔18及び22において行われる分離は、単一の蒸留塔を用いても実施できることは当業者には明らかであろう。
アセトアルデヒドは、ヨウ化メチルの存在下で重合して、メタアルデヒド及びパラアルデヒドを形成する。これらのポリマーは、一般的には、約200未満の低分量である。パラアルデヒドは、反応液体、主として酢酸中に比較的溶解性であることが分かっている。メタアルデヒドは、沈殿すると、砂状の顆粒のポリマーであり、反応液体中に約3重量%の濃度以上には溶解しない。
しかし、米国特許No. 6,339,171に開示されるように、反応の間、塔22の加熱により、より高い分子量のアセトアルデヒドポリマーが形成されることが発見されている。これらの高い分子量のポリマー(約1000より高い分子量)は、軽質相の処理の間に形成すると考えられており、粘性があり揺変性である。熱を系に施用するとき、これらは硬化して塔の壁に付着する傾向があり、塔の壁ではそれらの除去が厄介となる。一旦重合すると、ポリマーは有機溶媒又は水性溶媒中にごくわずかに溶解性であり、機械的手段によってのみ系から除去することができる。従って、好ましくは塔22において、これらの不純物、すなわちメタアルデヒド及びパラアルデヒド、ならびにアセトアルデヒド(AcH)の高分子量ポリマーの形成を低減させるために抑制剤が必要である。抑制剤は、一般的には、C1−10アルカノール類、好ましくはメタノール;水;酢酸などからなり、個別に、あるいは、互いに組合わせて、又は1種若しくはそれより多い他の抑制剤と組合わせて使用される。流れ46は、塔18残部の一部であり、また、流れ38のスリップ流れであり、水及び酢酸を含有し、これにより抑制剤としての役割を果たすことができる。図1に示すように、流れ46は分かれて、流れ48及び50を形成する。流れ50は、塔22に加えられ、メタアルデヒド及びパラアルデヒド不純物、ならびに高分子量ポリマーの形成を抑制する。第二塔22の残部は反応器へと再循環されることから、添加されるすべての抑制剤は反応化学に対して適合性がなければならない。少量の水、メタノール、酢酸、又はこれらの組合わせは、反応化学には干渉せず、実際にアセトアルデヒドポリマーの形成を排除することが分かっている。また、流れ50は、反応器の水分バランスを変化させないことから、この材料は、好ましくは、抑制剤として使用される。水は、抑制剤として特に好ましくはないが、水を塔22に添加することにより他の重要な利益が得られる。
塔22の頂部を出るのはPRC類を含有する流れ52である。流れ52は、凝縮器へ、次いでオーバーヘッド受器24へと向けられる。凝縮後、すべての非凝縮性物質は受器24から排気される;凝縮された物質は受器24から流れ54として出る。流れ54のスリップ流れである流れ56は、塔22の還流として使用される。塔22の底部を出るのは、ヨウ化メチル、メタノール、酢酸メチル、メタノール及び水を含有する流れ44である。この流れは流れ66(以下に説明する)と組み合わされ、反応器へと向けられる。
抽出機構のためには、塔22のオーバーヘッド流れは冷えたまま、一般的には約13℃の温度であることが重要である。この流れは、当業者にとって既知の慣用的な手法、又は産業界に一般に受け入れられているいずれかの機構によって、約13℃で得る又は維持することができる。
受器24を出ると、流れ58は、好ましくは、凝縮器/冷却器を通して送られ(ここでは流れ62)、次いで、抽出器27へと送られて、少量のヨウ化メチルを水性PRC流れから除去され再循環される。抽出器27において、PRC類及びアルキルヨウ化物類は、水により、好ましくは、反応系内部の水分バランスを維持するように内部の流れからの水により抽出される。この抽出の結果として、ヨウ化メチルは水性PRC類及びアルキルヨウ化物相から分離される。好ましい態様においては、水対供給物比が約2である攪拌器−沈澱器を使用する。
水性抽出物流れ64はその頂部から抽出器を出る。このPRCリッチ、特にアセトアルデヒドリッチの水性相は、廃棄物処理に向けられる。また、抽出器を出るのは、ヨウ化メチルを含有するラフィネート流れ66であり、これは、通常反応系へと再循環され、採取的に反応器へと再循環される。
本出願人らは、現在のところ、第二塔22からの凝縮されたオーバーヘッド54の組成を分析し、その分析を使用して蒸留プロセスのフィードバック制御を提供することが有利であることを発見している。酢酸プロセスからできるだけ多くのアセトアルデヒド及び他のPRC類を除去することがきわめて望ましく、費用対効果を義性にすることなくそのようにすることが重要である。本明細書中に説明した方法の主要な側面は、ヨウ化メチルは特に高価な物質であり、また、流出物を安全に取り扱う結果として、廃棄するのに非常に費用がかかるので、アセトアルデヒドを除去してアルキルヨウ化物類及びPRC類の形成を防ぐことができるが、同時にヨウ化メチルを可能な限り維持する、プロセスの改良を行うことが特に望ましいということである。ヨウ化メチル及びアセトアルデヒドは同様な沸点を有し、最適な分離を達成することは幾分困難にするので、これらの目的を同時に満たすという難題が非現実的ではないことは理解されるであろう。当業者のひとりであれば理解するように、ヨウ化メチルをアセトアルデヒドから分離するための蒸留プロセスは、温度、還流比などの比較的小さい変動に対して非常に敏感である。従って、ヨウ化メチル/アセトアルデヒドの良好な分離に関して利用可能な最も正確なプロセス情報をもつことが望ましい。
本出願人らは、これまでに説明した蒸留プロセスは、流れ54、56、58又は62の凝縮された留出液中のヨウ化メチル及びアセトアルデヒドの相対濃度を測定することにより、非常に正確に制御することができることを発見した。驚くべきことに、これは、留出液の密度を測定することにより簡単に達成することができる。(多くの一般的な有機化合物と同様)室温にて約0.78g/cmの密度を有するアセトアルデヒドと異なり、ヨウ化メチルは、殆ど3倍である約2.3g/cmの密度を有する。この密度差は、十分に大きく、二つの化合物の混合物中のヨウ化メチル及びアセトアルデヒドの相対濃度は密度から直接計算することができる。密度は、通常の方法条件において、又はサンプルを室温まで冷却した後のいずれかに測定することができる。予め冷却する期間により導かれうる制御ループの不必要なタイムラグを排除するため、正確な方法条件下で密度を測定することが好ましい。
密度は、流れ54、56、58又は62のいずれか(これらはすべて同じ組成を有する)において、図2〜4に70で示した慣用的なオンラインデンシトメータを用いて測定することができる。例えば、本出願人らは、一連の実験を行って、オーバーヘッド流れ54の測定密度を、ヨウ化メチル(MeI)、アセトアルデヒド(AcH)及びジメチルエーテル(DME)の測定濃度に対して相関させた。以下のデータが得られた:
Figure 2007526306
図5は、ヨウ化メチル及びアセトアルデヒドの濃度とオンライン密度測定との相関を示している。ヨウ化メチル濃度とアセトアルデヒド濃度の両方について妥当な直線のトレンドが観察され、典型的な方法条件下において、両方の濃度が単一の密度測定から計算することができることを示している。
これらの密度測定、又はそれに基づいて計算された相対濃度は、塔22において蒸留プロセスを制御して、ヨウ化メチル及びアセトアルデヒドの分離を最適化するための基礎として役立ちうる。これは、例えば、ヨウ化メチルのアセトアルデヒドに対する割合の変化に応じて蒸留塔に対する熱流速を増加させるか又は減少させることにより、達成することができる。別の方法では、(例えば、流れ58及び56の間のスプリットを変更することにより)濃度比に応じて塔内部の還流比を調節してもよい。更に別の方法として、流れ50の流速を増加させるか又は減少させることにより、アセトアルデヒド及びヨウ化メチルの測定濃度に応じて塔還流物の濃度を調節してもよい。これは、例えば、流れ48及び50の間のスリップ流れ46のスプリットを調節することにより達成することができる。また、塔圧力を計算した濃度に応じて制御することができる。
また、塔供給物の濃度を調節してもよい。一定の環境下では、流れ66の一部を分離し、塔22の塔供給物40へと再循環させることが有利であることが発見された。この流れの流速をヨウ化メチル及びアセトアルデヒドの測定した相対濃度の変化に応じて変化させることにより、塔供給物の組成も変化するであろう。
留出液の組成において測定される変化に応じて、蒸留塔に関係するプロセスパラメータのうちひとつより多くを変更させる制御スキームも本発明の範囲内である。例えば、供給物と還流物の組成を同時に制御すること、供給物の組成を変化させる原因となる塔の熱速度を調節すること、又は、還流比を調節して還流物の組成における変化を相殺することが適している。多くの他の同様なバリエーションが可能である。
蒸留塔を制御する目的のため、これまでに説明した流れのうちひとつより多い流れの密度を測定することに加えて、密度測定を使用して抽出器27の運転をモニター又は制御することも望ましい。抽出器27は、重質のヨウ化メチル相と、より密度の低い、アセトアルデヒドを含有する水性相との間で抽出器の中の相分離を促進することにより機能していることは理解されるだろう。従って、水性抽出物流れ64又はヨウ化メチルリッチなラフィネート流れ66のいずれかの測定密度における有意な変化は、抽出器における相分離の損失を示し、ヨウ化メチルが抽出物流れから除去されたことを示しているであろう。本明細書中や他のどこかに説明してきたように、ヨウ化メチルを維持し、最大限の実用的な程度までプロセスの内部で再使用することが望ましい;更に、水性抽出物におけるヨウ化メチルの存在は、抽出物が通常供される廃水処理プロセスに悪影響を与え得る。同様に、流れ66の密度を測定することにより、その流れにおける残余のアセトアルデヒド濃度のモニターが可能となり、許容できないほど高いアセトアルデヒド濃度に対する補正動作(例えば、抽出器27への水流れの増加)を可能とする。本発明の更なる改良においては、単一のデンシトメータを備え、プロセス内部の複数の流れのうちいずれかひとつの密度を選択的に測定してもよい。
好ましい態様を参照しながら本発明を説明してきたが、当業者であれば明白な修飾及び変更が可能である。特に、本発明を塔14の軽質生成物相を利用するものとして一般的に説明してきたが、高濃度のPRC類及びアルキルヨウ化物類を有するカルボニル化プロセスにおける任意の流れを本発明に従って処理してもよい。同様に、これまで本方法を特定の構成をもつアセトアルデヒド除去系に関して説明してきたが、開示された構成についてわずかな変更、例えば、蒸留塔18及び22を単一の塔に置き換えることも企図している。従って、本発明は、特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある程度のすべてのそのような修飾及び変更を含んでいる。
図1は、米国特許No. 6,339,171に開示されるような、カルボニル化反応により酢酸を生成するためのカルボニル化プロセスの中間体流れからカルボニル不純物を除去するための従来技術を示す。 図2は、第二の蒸留塔からのオーバーヘッドと同じ組成を有する流れに濃度計を配置した、本発明の好ましい態様を示す。 図3は、第二の蒸留塔からのオーバーヘッドと同じ組成を有する流れに濃度計を配置した、本発明の好ましい態様を示す。 図4は、第二の蒸留塔からのオーバーヘッドと同じ組成を有する流れに濃度計を配置した、本発明の好ましい態様を示す。 図5は、オーバーヘッド流れ54について測定した密度とその流れにおけるアセトアルデヒド及びヨウ化メチルの相対濃度との相関を示す。

Claims (18)

  1. アセトアルデヒドを蒸留によりヨウ化メチルから分離するための方法であって:
    ヨウ化メチル及びアセトアルデヒドを含む混合物を蒸留装置中で蒸留して、オーバーヘッド及び残留物をもたらす工程;
    前記オーバーヘッドの密度を測定する工程;及び、
    前記蒸留装置に関係する少なくとも1つのプロセス変数を、前記測定した密度又はそれから計算される相対濃度に応じて調節する工程を含み、前記プロセス変数は、加熱速度、塔圧力、供給物組成、還流物組成及び還流比からなる群から選択される、前記方法。
  2. アセトアルデヒドをヨウ化メチルから分離するための方法であって:
    ヨウ化メチル及びアセトアルデヒドを含む混合物を蒸留装置中で蒸留して、オーバーヘッド及び残留物をもたらす工程;
    該オーバーヘッドを水により抽出して、水性抽出物及びラフィネートを提供する工程;
    前記オーバーヘッド、前記抽出物及び前記ラフィネートのうち少なくとも1つの密度を測定する工程;及び、
    前記蒸留装置又は前記抽出工程に関係する少なくとも1つのプロセス変数を、前記測定した密度又はそれから計算される相対濃度に応じて調節する工程を含み、前記プロセス変数は、前記蒸留装置を加熱する速度、前記蒸留装置中の塔圧力、前記蒸留装置に対する供給物又は還流物の組成、前記蒸留装置中の還流比、前記抽出工程に対する水供給速度、及びこれらの組合わせからなる群から選択される、前記方法。
  3. オーバーヘッドの密度を測定し、そして、加熱速度又は還流比を、前記密度又はそれから計算される濃度に応じて調節する、請求項2記載の方法。
  4. オーバーヘッドの密度を測定し、そして、加熱速度を、前記密度又はそれから計算される濃度に応じて調節する、請求項2記載の方法。
  5. 抽出物の密度を測定し、そして、抽出工程に対する水の供給速度を、前記密度又はそれから計算される濃度に応じて調節する、請求項2記載の方法。
  6. ラフィネートの密度を測定し、そして、抽出工程に対する水の供給速度を、前記密度又はそれから計算される濃度に応じて調節する、請求項2記載の方法。
  7. 酢酸を製造するための方法であって:
    メタノールを、水、ヨウ化メチル、及び酢酸メチルを含む反応媒体中、触媒の存在下で一酸化炭素と反応させる工程;
    前記反応の生成物を、酢酸を含む揮発性の生成物相と揮発性の低い相とに分離する工程;
    前記揮発性相を蒸留装置中で蒸留して、精製された酢酸生成物と、ヨウ化メチル及びアセトアルデヒドを含む第一のオーバーヘッドとをもたらす工程;
    前記第一のオーバーヘッドの少なくとも一部を凝縮する工程;
    前記凝縮させた第一のオーバーヘッドの密度を測定する工程;及び、
    前記揮発性相の蒸留と関係する少なくとも1つのプロセス制御パラメータを、前記測定した密度又はそれから計算される濃度に応じて調節する工程を含む前記方法。
  8. 精製された酢酸生成物が、重量基準で約400ppm未満のプロピオン酸を含有する、請求項7記載の方法。
  9. 精製された酢酸生成物が、重量基準で約250ppm未満のプロピオン酸を含有する、請求項8記載の方法。
  10. 少なくとも1つのプロセス制御パラメータが、蒸留装置の加熱速度、蒸留装置中の塔に対する供給物又は還流物の組成、蒸留装置における還流比、蒸留装置における塔圧力、及びこれらの組合わせからなる群から選択される、請求項7記載の方法。
  11. 蒸留工程が少なくとも2つの連続的な蒸留を含み、方法が更に、一方の蒸留からの少なくとも一部の残留物を別の蒸留における還流流れとして供給する工程を含み、その際、還流物として供給される残留物の割合を、測定した密度又はそれから計算される濃度に応じて調節する、請求項7記載の方法。
  12. 更に、濃縮された第一のオーバーヘッドを水により抽出して、ヨウ化メチルを含むラフィネートをもたらす工程を含む、請求項7記載の方法。
  13. 抽出工程に付随する水の流速を、測定した密度又はそれから計算される濃度に応じて調節する、請求項10記載の方法。
  14. 更に、少なくとも一部のラフィネートを蒸留装置に付随する供給物又はオーバーヘッド流れと混合することを含み、その際、該供給物又はオーバーヘッド流れと混合する前記ラフィネートの留分を、測定した密度又はそれから計算される濃度に応じて調節する、請求項10記載の方法。
  15. 酢酸を製造するための方法であって:
    メタノールを、水、及びヨウ化メチルを含む反応媒体中、触媒の存在下で一酸化炭素と反応させる工程;
    前記反応媒体の液体−蒸気分離を行って、酢酸、ヨウ化メチル、アセトアルデヒド及び水を含む蒸気相と、液相とを提供する工程;
    前記蒸気相を蒸留装置中で蒸留して、精製された酢酸生成物と、アセトアルデヒド及びヨウ化メチルを含む少なくとも第一のオーバーヘッドとをもたらす工程;
    前記第一のオーバーヘッドを凝縮する工程;
    前記第一のオーバーヘッドを水で抽出して、ヨウ化メチルを含むラフィネートと、水性抽出物とをもたらす工程;
    前記第一のオーバーヘッド、前記ラフィネート及び前記水性抽出物からなる群から選択される少なくとも一つの流れの密度を測定する工程;及び、
    前記蒸気相の蒸留又は前記第一のオーバーヘッドの抽出のいずれかと関係する少なくとも1つのプロセス制御パラメータを、前記測定した密度又はそれから計算される濃度に応じて調節する工程を含む前記方法。
  16. 少なくとも一つのプロセス制御パラメータが、蒸留装置の加熱速度、蒸留装置中の塔に対する供給物流れ又は還流物流れの組成、蒸留装置における還流比、蒸留装置における圧力、抽出工程への水供給速度、及びこれらの組合わせからなる群から選択される、請求項15記載の方法。
  17. 更に、酢酸生成物中のプロピオン酸の濃度を重量基準で約400ppmより低く維持することを含む、請求項15記載の方法。
  18. 更に、酢酸生成物中のプロピオン酸の濃度を重量基準で約250ppmより低く維持することを含む、請求項17記載の方法。
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