JP2000072477A - 誘電体ペーストおよびそれを用いた厚膜コンデンサ - Google Patents
誘電体ペーストおよびそれを用いた厚膜コンデンサInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 870℃以下の低温焼成で緻密な、かつ高比
誘電率の誘電体膜を形成できる誘電体ペーストを提供す
る。 【解決手段】 ガラス系粉末と、鉛系ペロブスカイト化
合物からなる誘電体粉末と、有機ビヒクルとを含有す
る、誘電体ペーストであって、ガラス系粉末は、ガラス
成分と70重量%以下の含有量の鉛系ペロブスカイト化
合物成分とを含有するガラス系材料からなり、ガラス成
分は、xBi2 O3 −yPbO−zSiO2(x,y,
zはモル%)で表される組成を有し、かつ、組成比
(x,y,z)が、図1に示す3元組成図において、点
A(25,5,70)、点B(10,20,70)、点
C(10,60,30)、点D(35,60,5)、お
よび点E(90,5,5)で囲まれた領域内にある。こ
の誘電体ペーストを誘電体膜として用いると、耐湿信頼
性に優れた高容量の厚膜コンデンサを得ることができ
る。
誘電率の誘電体膜を形成できる誘電体ペーストを提供す
る。 【解決手段】 ガラス系粉末と、鉛系ペロブスカイト化
合物からなる誘電体粉末と、有機ビヒクルとを含有す
る、誘電体ペーストであって、ガラス系粉末は、ガラス
成分と70重量%以下の含有量の鉛系ペロブスカイト化
合物成分とを含有するガラス系材料からなり、ガラス成
分は、xBi2 O3 −yPbO−zSiO2(x,y,
zはモル%)で表される組成を有し、かつ、組成比
(x,y,z)が、図1に示す3元組成図において、点
A(25,5,70)、点B(10,20,70)、点
C(10,60,30)、点D(35,60,5)、お
よび点E(90,5,5)で囲まれた領域内にある。こ
の誘電体ペーストを誘電体膜として用いると、耐湿信頼
性に優れた高容量の厚膜コンデンサを得ることができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘電体ペースト
およびそれを用いて製造された厚膜コンデンサに関する
もので、特に、セラミック発振子の負荷容量を形成する
ための材料として有用な誘電体ペーストおよびそれを用
いて製造された厚膜コンデンサに関するものである。
およびそれを用いて製造された厚膜コンデンサに関する
もので、特に、セラミック発振子の負荷容量を形成する
ための材料として有用な誘電体ペーストおよびそれを用
いて製造された厚膜コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】厚膜コンデンサは、たとえば厚膜集積回
路などの構成素子として用いられている。このような厚
膜コンデンサのための誘電体としては、チタン酸バリウ
ム系磁器を主成分とし、所望によりガラス成分などを添
加したものが主に用いられている。
路などの構成素子として用いられている。このような厚
膜コンデンサのための誘電体としては、チタン酸バリウ
ム系磁器を主成分とし、所望によりガラス成分などを添
加したものが主に用いられている。
【0003】たとえば、特開昭51−48159号公報
には、BaTiO3 −CaSnO3−CaSiO3 系磁
器を誘電体として用いる例が記載されており、特開昭5
1−150097号公報には、BaTiO3 −(Pb,
Sr)(Ti,Sn)O3 とガラスとを誘電体として用
いる例が記載されている。そして、この厚膜コンデンサ
は、上記誘電体粉末と所望によりガラス粉末とを有機ビ
ヒクルに分散させて誘電体ペーストとした後、たとえば
アルミナなどの絶縁基板上にスクリーン印刷法などによ
り付与し、その後、空気中で焼成することにより、得ら
れるものである。
には、BaTiO3 −CaSnO3−CaSiO3 系磁
器を誘電体として用いる例が記載されており、特開昭5
1−150097号公報には、BaTiO3 −(Pb,
Sr)(Ti,Sn)O3 とガラスとを誘電体として用
いる例が記載されている。そして、この厚膜コンデンサ
は、上記誘電体粉末と所望によりガラス粉末とを有機ビ
ヒクルに分散させて誘電体ペーストとした後、たとえば
アルミナなどの絶縁基板上にスクリーン印刷法などによ
り付与し、その後、空気中で焼成することにより、得ら
れるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ディジタルIC技術の
発展に伴い、電子機器の基準信号発生用素子などとし
て、圧電セラミックを用いたセラミック発振子が広く用
いられるようになってきている。そして、通常、このよ
うなセラミック発振子には、発振回路の構成上必要な共
振子温度特性に合わせたコンデンサが負荷容量として接
続されている。また、近年の電子機器の小型化に伴い、
セラミック発振子などの電子部品に対しても小型化の要
求が強くなってきている。
発展に伴い、電子機器の基準信号発生用素子などとし
て、圧電セラミックを用いたセラミック発振子が広く用
いられるようになってきている。そして、通常、このよ
うなセラミック発振子には、発振回路の構成上必要な共
振子温度特性に合わせたコンデンサが負荷容量として接
続されている。また、近年の電子機器の小型化に伴い、
セラミック発振子などの電子部品に対しても小型化の要
求が強くなってきている。
【0005】このため、セラミック発振子に接続する負
荷容量として、ディスクリートタイプのコンデンサの代
わりに、厚膜コンデンサを用いて、コンデンサ内蔵のセ
ラミック発振子を得る試みがなされている。
荷容量として、ディスクリートタイプのコンデンサの代
わりに、厚膜コンデンサを用いて、コンデンサ内蔵のセ
ラミック発振子を得る試みがなされている。
【0006】しかしながら、前述した従来の誘電体ペー
ストを用いて製造された厚膜コンデンサの場合には、次
のような問題を有している。
ストを用いて製造された厚膜コンデンサの場合には、次
のような問題を有している。
【0007】すなわち、従来の誘電体ペーストにおいて
は、高誘電率を得るために誘電体粉末を高率で含有させ
ているため、得られる誘電体膜の緻密性が劣るという問
題がある。この緻密性の不足を補うためには、900℃
を越える高温での焼成が必要である。しかしながら、こ
のような高温での焼成は、基板上に既に形成されている
厚膜コンデンサのための一方の容量電極など、この焼成
工程前に既に基板上に形成されている他の回路要素に対
して悪影響を及ぼすことがある。たとえば、上述の容量
電極が焼付けで形成される場合、その焼成温度は一般的
に850℃〜900℃であるため、誘電体ペーストが9
00℃を越える温度で焼成されるときには、容量電極に
おいて不所望な拡散や反応等が生じ得る。したがって、
誘電体ペーストにあっては、できるだけ低温での焼成が
可能であることが望まれる。
は、高誘電率を得るために誘電体粉末を高率で含有させ
ているため、得られる誘電体膜の緻密性が劣るという問
題がある。この緻密性の不足を補うためには、900℃
を越える高温での焼成が必要である。しかしながら、こ
のような高温での焼成は、基板上に既に形成されている
厚膜コンデンサのための一方の容量電極など、この焼成
工程前に既に基板上に形成されている他の回路要素に対
して悪影響を及ぼすことがある。たとえば、上述の容量
電極が焼付けで形成される場合、その焼成温度は一般的
に850℃〜900℃であるため、誘電体ペーストが9
00℃を越える温度で焼成されるときには、容量電極に
おいて不所望な拡散や反応等が生じ得る。したがって、
誘電体ペーストにあっては、できるだけ低温での焼成が
可能であることが望まれる。
【0008】また、セラミック発振子に負荷容量として
接続される厚膜コンデンサは、その静電容量の温度特性
がセラミック発振子の温度特性に合うものであることが
望まれる。
接続される厚膜コンデンサは、その静電容量の温度特性
がセラミック発振子の温度特性に合うものであることが
望まれる。
【0009】そこで、この発明の目的は、上述した問題
を解決し得る、または上述した要望を満たし得る、誘電
体ペーストおよびそれを用いて製造された厚膜コンデン
サを提供しようとすることである。
を解決し得る、または上述した要望を満たし得る、誘電
体ペーストおよびそれを用いて製造された厚膜コンデン
サを提供しようとすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、まず、ガラ
ス系粉末と、鉛系ペロブスカイト化合物からなる誘電体
粉末と、有機ビヒクルとを含有する、誘電体ペーストに
向けられる。この発明において特徴となるのは、ガラス
系粉末の組成である。すなわち、この発明では、ガラス
系粉末は、xBi2 O3 −yPbO−zSiO2 (ただ
し、x,y,zの単位はモル%)で表される組成を有
し、かつ、その組成比(x,y,z)が、図1に示す3
元組成図において、点A(25,5,70)、点B(1
0,20,70)、点C(10,60,30)、点D
(35,60,5)、および点E(90,5,5)で囲
まれた領域内にある、ガラス成分を含有するとともに、
70重量%以下の含有量をもって鉛系ペロブスカイト化
合物成分を含有する、ガラス系材料からなることを特徴
としている。
ス系粉末と、鉛系ペロブスカイト化合物からなる誘電体
粉末と、有機ビヒクルとを含有する、誘電体ペーストに
向けられる。この発明において特徴となるのは、ガラス
系粉末の組成である。すなわち、この発明では、ガラス
系粉末は、xBi2 O3 −yPbO−zSiO2 (ただ
し、x,y,zの単位はモル%)で表される組成を有
し、かつ、その組成比(x,y,z)が、図1に示す3
元組成図において、点A(25,5,70)、点B(1
0,20,70)、点C(10,60,30)、点D
(35,60,5)、および点E(90,5,5)で囲
まれた領域内にある、ガラス成分を含有するとともに、
70重量%以下の含有量をもって鉛系ペロブスカイト化
合物成分を含有する、ガラス系材料からなることを特徴
としている。
【0011】ここで、ガラス系粉末は、上述のように、
ガラス成分と鉛系ペロブスカイト化合物成分とを含有す
るガラス系材料からなり、このようなガラス系材料は、
たとえば、ガラスの原料と鉛系ペロブスカイト化合物と
を混合かつ溶融することによって得ることができる。ま
た、誘電体粉末を構成する鉛系ペロブスカイト化合物と
は別に、ガラス系粉末にも、鉛系ペロブスカイト化合物
が含有されることに注目すべきである。
ガラス成分と鉛系ペロブスカイト化合物成分とを含有す
るガラス系材料からなり、このようなガラス系材料は、
たとえば、ガラスの原料と鉛系ペロブスカイト化合物と
を混合かつ溶融することによって得ることができる。ま
た、誘電体粉末を構成する鉛系ペロブスカイト化合物と
は別に、ガラス系粉末にも、鉛系ペロブスカイト化合物
が含有されることに注目すべきである。
【0012】この発明は、また、上述した誘電体ペース
トを用いた厚膜コンデンサにも向けられる。この厚膜コ
ンデンサは、ガラス系材料と、鉛系ペロブスカイト化合
物からなる誘電体とを含有する膜を誘電体膜とするもの
であって、ガラス系材料は、前述したガラス系粉末の場
合と同様、xBi2 O3 −yPbO−zSiO2 (ただ
し、x,y,zの単位はモル%)で表される組成を有
し、かつ、その組成比(x,y,z)が、図1に示す3
元組成図において、点A(25,5,70)、点B(1
0,20,70)、点C(10,60,30)、点D
(35,60,5)、および点E(90,5,5)で囲
まれた領域内にある、ガラス成分を含有するとともに、
70重量%以下の含有量をもって鉛系ペロブスカイト化
合物成分を含有することを特徴としている。
トを用いた厚膜コンデンサにも向けられる。この厚膜コ
ンデンサは、ガラス系材料と、鉛系ペロブスカイト化合
物からなる誘電体とを含有する膜を誘電体膜とするもの
であって、ガラス系材料は、前述したガラス系粉末の場
合と同様、xBi2 O3 −yPbO−zSiO2 (ただ
し、x,y,zの単位はモル%)で表される組成を有
し、かつ、その組成比(x,y,z)が、図1に示す3
元組成図において、点A(25,5,70)、点B(1
0,20,70)、点C(10,60,30)、点D
(35,60,5)、および点E(90,5,5)で囲
まれた領域内にある、ガラス成分を含有するとともに、
70重量%以下の含有量をもって鉛系ペロブスカイト化
合物成分を含有することを特徴としている。
【0013】この発明において、より好ましくは、xB
i2 O3 −yPbO−zSiO2 で表されるガラス成分
の組成において、その組成比(x,y,z)が、図1に
示す3元組成図において、点F(15,30,55)、
点G(30,45,25)、点H(45,30,2
5)、および点I(45,5,50)で囲まれた領域内
にあるように選ばれる。
i2 O3 −yPbO−zSiO2 で表されるガラス成分
の組成において、その組成比(x,y,z)が、図1に
示す3元組成図において、点F(15,30,55)、
点G(30,45,25)、点H(45,30,2
5)、および点I(45,5,50)で囲まれた領域内
にあるように選ばれる。
【0014】ガラス成分の組成比が上述したような好ま
しい領域内にあるとき、ガラス系材料は、5重量%〜3
0重量%の含有量をもって鉛系ペロブスカイト化合物成
分を含有していることがより好ましい。
しい領域内にあるとき、ガラス系材料は、5重量%〜3
0重量%の含有量をもって鉛系ペロブスカイト化合物成
分を含有していることがより好ましい。
【0015】また、この発明において、好ましくは、誘
電体粉末または誘電体として、キュリー点が120℃〜
500℃の範囲内にあるものが選ばれる。
電体粉末または誘電体として、キュリー点が120℃〜
500℃の範囲内にあるものが選ばれる。
【0016】また、この発明において、好ましくは、ガ
ラス系粉末と誘電体粉末との間での組成比率、またはガ
ラス系材料と誘電体との間での組成比率に関して、これ
らガラス系粉末またはガラス系材料と誘電体粉末または
誘電体との合計量に対して、前者が25重量%〜95重
量%の範囲、後者が75重量%〜5重量%の範囲でそれ
ぞれ含有するように選ばれる。
ラス系粉末と誘電体粉末との間での組成比率、またはガ
ラス系材料と誘電体との間での組成比率に関して、これ
らガラス系粉末またはガラス系材料と誘電体粉末または
誘電体との合計量に対して、前者が25重量%〜95重
量%の範囲、後者が75重量%〜5重量%の範囲でそれ
ぞれ含有するように選ばれる。
【0017】また、この発明に係る厚膜コンデンサは、
正の温度特性を有する共振子をもって構成されているセ
ラミック発振子に接続する負荷容量として特に有利に用
いられ、したがって、この負荷容量を与える誘電体を形
成するため、この発明に係る誘電体ペーストが用いられ
る。
正の温度特性を有する共振子をもって構成されているセ
ラミック発振子に接続する負荷容量として特に有利に用
いられ、したがって、この負荷容量を与える誘電体を形
成するため、この発明に係る誘電体ペーストが用いられ
る。
【0018】
【実施例1】図2は、この実施例1で作製しようとす
る、厚膜コンデンサ1を備える厚膜印刷回路装置2を示
す断面図である。厚膜印刷回路装置2は、電気絶縁性材
料からなる基板3を備え、基板3上には、下層導体4、
誘電体膜5、および、誘電体膜5を介して下層導体4と
対向して厚膜コンデンサ1を構成するための上層導体6
が順次形成されている。
る、厚膜コンデンサ1を備える厚膜印刷回路装置2を示
す断面図である。厚膜印刷回路装置2は、電気絶縁性材
料からなる基板3を備え、基板3上には、下層導体4、
誘電体膜5、および、誘電体膜5を介して下層導体4と
対向して厚膜コンデンサ1を構成するための上層導体6
が順次形成されている。
【0019】上述の誘電体膜5を形成するため、この発
明に係る誘電体ペーストが用いられる。すなわち、厚膜
コンデンサ1のための一方の容量電極となる下層導体4
を形成した後、この下層導体4上に誘電体ペーストが塗
布され、次いで焼成されることによって、誘電体膜5が
形成され、その後、厚膜コンデンサ1のための他方の容
量電極となる上層電極6が形成される。実施例1では、
後述するように、このようにして得られた厚膜コンデン
サ1について、特性が評価される。
明に係る誘電体ペーストが用いられる。すなわち、厚膜
コンデンサ1のための一方の容量電極となる下層導体4
を形成した後、この下層導体4上に誘電体ペーストが塗
布され、次いで焼成されることによって、誘電体膜5が
形成され、その後、厚膜コンデンサ1のための他方の容
量電極となる上層電極6が形成される。実施例1では、
後述するように、このようにして得られた厚膜コンデン
サ1について、特性が評価される。
【0020】まず、以下のようにして、誘電体ペースト
を作製した。
を作製した。
【0021】すなわち、ガラス系粉末を構成するガラス
系材料に含有されるガラス成分の出発原料として、Bi
2 O3 、PbO、およびSiO2 をそれぞれ準備すると
ともに、同じくガラス系材料に含有される鉛系ペロブス
カイト化合物成分として、(Pb0.97Sr0.03){(S
b0.5 Sn0.5 )0.05Zr0.46Ti0.49}O3 を準備し
た。
系材料に含有されるガラス成分の出発原料として、Bi
2 O3 、PbO、およびSiO2 をそれぞれ準備すると
ともに、同じくガラス系材料に含有される鉛系ペロブス
カイト化合物成分として、(Pb0.97Sr0.03){(S
b0.5 Sn0.5 )0.05Zr0.46Ti0.49}O3 を準備し
た。
【0022】次いで、ガラス成分の出発原料となる、B
i2 O3 、PbO、およびSiO2については、これら
を以下の表1に示す各組成比(モル%)となるように秤
量し、これらガラス成分70重量%に対して、鉛系ペロ
ブスカイト化合物成分が30重量%含有するように混合
した後、得られた混合物を1100℃〜1500℃の温
度下で溶融させて溶融ガラスを作製した。その後、この
溶融ガラスを純水中に投入して急冷した後、粉砕してガ
ラス系粉末を得た。
i2 O3 、PbO、およびSiO2については、これら
を以下の表1に示す各組成比(モル%)となるように秤
量し、これらガラス成分70重量%に対して、鉛系ペロ
ブスカイト化合物成分が30重量%含有するように混合
した後、得られた混合物を1100℃〜1500℃の温
度下で溶融させて溶融ガラスを作製した。その後、この
溶融ガラスを純水中に投入して急冷した後、粉砕してガ
ラス系粉末を得た。
【0023】
【表1】 表1に示した各試料に係るガラス成分の組成は、図1の
3元組成図においてプロットされている。図1におい
て、丸で囲んだ数字は、表1の試料番号に対応してい
る。
3元組成図においてプロットされている。図1におい
て、丸で囲んだ数字は、表1の試料番号に対応してい
る。
【0024】他方、280℃のキュリー点を有する(P
b0.97Sr0.03){(Sb0.5 Sn 0.5 )0.05Zr0.46
Ti0.49}O3 で表される鉛系ペロブスカイト化合物の
磁器を粉砕して誘電体粉末を得た。
b0.97Sr0.03){(Sb0.5 Sn 0.5 )0.05Zr0.46
Ti0.49}O3 で表される鉛系ペロブスカイト化合物の
磁器を粉砕して誘電体粉末を得た。
【0025】次に、これらガラス成分に加えて鉛系ペロ
ブスカイト化合物成分を含んだガラス系粉末と誘電体粉
末とを、有機ビヒクルとともに、ガラス系粉末/誘電体
粉末/有機ビヒクル=35/35/30(重量%)とな
るように調合し、混練して誘電体ペーストを作製した。
なお、有機ビヒクルとしては、エチルセルロース樹脂を
α−テルピネオールに溶解したものを用いた。
ブスカイト化合物成分を含んだガラス系粉末と誘電体粉
末とを、有機ビヒクルとともに、ガラス系粉末/誘電体
粉末/有機ビヒクル=35/35/30(重量%)とな
るように調合し、混練して誘電体ペーストを作製した。
なお、有機ビヒクルとしては、エチルセルロース樹脂を
α−テルピネオールに溶解したものを用いた。
【0026】次に、以上のようにして得られた誘電体ペ
ーストを誘電体膜5として用いて、図2に示す厚膜コン
デンサ1を備える厚膜印刷回路装置2を作製した。
ーストを誘電体膜5として用いて、図2に示す厚膜コン
デンサ1を備える厚膜印刷回路装置2を作製した。
【0027】すなわち、基板3としてアルミナ基板を準
備し、その上にAg/Pdペーストをスクリーン印刷
し、850℃で焼成して、直径8mmの下層導体4を形成
した。次いで、先に作製した誘電体ペーストを下層導体
4上にスクリーン印刷し、後の表2に示すような850
℃〜890℃の各温度で焼成し、下層導体4上に直径6
mmの円板状の誘電体膜5を形成した。次に、Agペース
トを準備し、これを誘電体膜5上にスクリーン印刷し、
850℃で焼成することにより、誘電体膜5上に直径4
mmの上層導体6を形成した。
備し、その上にAg/Pdペーストをスクリーン印刷
し、850℃で焼成して、直径8mmの下層導体4を形成
した。次いで、先に作製した誘電体ペーストを下層導体
4上にスクリーン印刷し、後の表2に示すような850
℃〜890℃の各温度で焼成し、下層導体4上に直径6
mmの円板状の誘電体膜5を形成した。次に、Agペース
トを準備し、これを誘電体膜5上にスクリーン印刷し、
850℃で焼成することにより、誘電体膜5上に直径4
mmの上層導体6を形成した。
【0028】このようにして、厚膜コンデンサ1を備え
る厚膜印刷回路装置2を完成させた。
る厚膜印刷回路装置2を完成させた。
【0029】次に、厚膜コンデンサ1の特性、すなわ
ち、以下の表2に示すように、静電容量、誘電損失、比
誘電率、絶縁抵抗、および容量値温度特性(TCC)の
各特性を求めるべく、必要な測定を実施し、それによっ
て、誘電体膜5の特性を評価した。静電容量および誘電
損失(tan δ)については、周波数1MHz、電圧1V
rms、温度25℃の条件で測定し、また、得られた静
電容量と厚膜コンデンサ1の寸法とから比誘電率
(εr )を算出した。また、試料を温度85℃、相対湿
度85%の雰囲気に放置した後、直流電圧100Vを1
分間印加して絶縁抵抗(IR)を測定した。また、−2
0℃〜+80℃での容量値温度特性(TCC)を周波数
1MHz、電圧1Vrmsの条件下で測定した。
ち、以下の表2に示すように、静電容量、誘電損失、比
誘電率、絶縁抵抗、および容量値温度特性(TCC)の
各特性を求めるべく、必要な測定を実施し、それによっ
て、誘電体膜5の特性を評価した。静電容量および誘電
損失(tan δ)については、周波数1MHz、電圧1V
rms、温度25℃の条件で測定し、また、得られた静
電容量と厚膜コンデンサ1の寸法とから比誘電率
(εr )を算出した。また、試料を温度85℃、相対湿
度85%の雰囲気に放置した後、直流電圧100Vを1
分間印加して絶縁抵抗(IR)を測定した。また、−2
0℃〜+80℃での容量値温度特性(TCC)を周波数
1MHz、電圧1Vrmsの条件下で測定した。
【0030】
【表2】 表1および表2において、試料1〜9がこの発明の範囲
内のものである。これら試料1〜9は、用いられた誘電
体ペーストに含まれていたガラス系粉末のガラス成分ま
たは得られた厚膜コンデンサ1の誘電体膜5に含まれる
ガラス系材料のガラス成分の組成に関して、xBi2 O
3 −yPbO−zSiO2 で表される組成を有してお
り、その組成比(x,y,z)が、図1に示す3元組成
図において、点A(25,5,70)、点B(10,2
0,70)、点C(10,60,30)、点D(35,
60,5)、および点E(90,5,5)で囲まれた領
域内に入っている。また、誘電体ペーストに含まれてい
たガラス系材料中または誘電体膜5に含まれるガラス系
材料中の鉛系ペロブスカイト化合物成分の含有量につい
ては、前述のように、30重量%である。
内のものである。これら試料1〜9は、用いられた誘電
体ペーストに含まれていたガラス系粉末のガラス成分ま
たは得られた厚膜コンデンサ1の誘電体膜5に含まれる
ガラス系材料のガラス成分の組成に関して、xBi2 O
3 −yPbO−zSiO2 で表される組成を有してお
り、その組成比(x,y,z)が、図1に示す3元組成
図において、点A(25,5,70)、点B(10,2
0,70)、点C(10,60,30)、点D(35,
60,5)、および点E(90,5,5)で囲まれた領
域内に入っている。また、誘電体ペーストに含まれてい
たガラス系材料中または誘電体膜5に含まれるガラス系
材料中の鉛系ペロブスカイト化合物成分の含有量につい
ては、前述のように、30重量%である。
【0031】これら試料1〜9によれば、比誘電率が5
4〜184、誘電損失が1.7%以下、耐湿試験後の絶
縁抵抗(IR)がlog IRに換算して9を越え、静電容
量の温度係数が700〜2200ppm/℃の正の傾き
を有する厚膜コンデンサ1を得ることができる。また、
これら試料1〜9によれば、870℃以下の温度での焼
成で形成された誘電体膜5をもって、上述のような特性
を有する厚膜コンデンサ1を得ることができる。
4〜184、誘電損失が1.7%以下、耐湿試験後の絶
縁抵抗(IR)がlog IRに換算して9を越え、静電容
量の温度係数が700〜2200ppm/℃の正の傾き
を有する厚膜コンデンサ1を得ることができる。また、
これら試料1〜9によれば、870℃以下の温度での焼
成で形成された誘電体膜5をもって、上述のような特性
を有する厚膜コンデンサ1を得ることができる。
【0032】上述した試料1〜9のうち、さらに試料6
〜9に注目すると、耐湿試験後のlog IRが11を越
え、耐湿信頼性に関して一層改善されている。これら試
料6〜9は、用いられた誘電体ペーストに含まれていた
ガラス系粉末のガラス成分または得られた厚膜コンデン
サ1の誘電体膜5に含まれるガラス系材料のガラス成分
の組成に関して、xBi2 O3 −yPbO−zSiO2
で表される組成における組成比(x,y,z)が、図1
に示す3元組成図において、点F(15,30,5
5)、点G(30,45,25)、点H(45,30,
25)、および点I(45,5,50)で囲まれた領域
内に入っている。
〜9に注目すると、耐湿試験後のlog IRが11を越
え、耐湿信頼性に関して一層改善されている。これら試
料6〜9は、用いられた誘電体ペーストに含まれていた
ガラス系粉末のガラス成分または得られた厚膜コンデン
サ1の誘電体膜5に含まれるガラス系材料のガラス成分
の組成に関して、xBi2 O3 −yPbO−zSiO2
で表される組成における組成比(x,y,z)が、図1
に示す3元組成図において、点F(15,30,5
5)、点G(30,45,25)、点H(45,30,
25)、および点I(45,5,50)で囲まれた領域
内に入っている。
【0033】また、これら試料6〜9では、850℃と
いう比較的低い温度での焼成で誘電体膜5が形成された
ことにも注目すべきである。
いう比較的低い温度での焼成で誘電体膜5が形成された
ことにも注目すべきである。
【0034】これらに対して、図1においてSiO2 が
多い領域にある試料10では、得られるガラスの軟化点
が高くなりすぎて870℃以下の温度での焼成によって
は誘電体膜5が得られ難く、表2に示したように、89
0℃の焼成温度が必要である。しかしながら、890℃
の温度で焼成しても、得られた厚膜コンデンサ1は、4
5の比誘電率しか有していない。
多い領域にある試料10では、得られるガラスの軟化点
が高くなりすぎて870℃以下の温度での焼成によって
は誘電体膜5が得られ難く、表2に示したように、89
0℃の焼成温度が必要である。しかしながら、890℃
の温度で焼成しても、得られた厚膜コンデンサ1は、4
5の比誘電率しか有していない。
【0035】また、試料11では、誘電損失が1.9%
と大きく、またlog IRが9未満となり、好ましくな
い。図1において、このような試料11が位置する領域
にあるものは、誘電体膜5の緻密性が劣るためであると
考えられる。
と大きく、またlog IRが9未満となり、好ましくな
い。図1において、このような試料11が位置する領域
にあるものは、誘電体膜5の緻密性が劣るためであると
考えられる。
【0036】また、試料12では、誘電損失が2.3%
と大きく、またlog IRが9未満となり、好ましくな
い。図1において、このような試料12が位置する領域
にあるものは、ガラス化度が低く、誘電体膜5の緻密性
が劣るためであると考えられる。
と大きく、またlog IRが9未満となり、好ましくな
い。図1において、このような試料12が位置する領域
にあるものは、ガラス化度が低く、誘電体膜5の緻密性
が劣るためであると考えられる。
【0037】また、試料13および試料14に関して
は、表2において、特性値が記載されていないが、これ
らは測定が不可能であったことを意味している。
は、表2において、特性値が記載されていないが、これ
らは測定が不可能であったことを意味している。
【0038】
【実施例2】ガラス系粉末を構成するガラス系材料とし
て、実施例1において用意した表1の試料8に係るガラ
ス成分に対して、鉛系ペロブスカイト化合物成分を、以
下の表3に示すような種々の比率で混合し、得られた混
合物を1100℃〜1500℃の温度下で溶融させて溶
融ガラスを作製した。その後、この溶融ガラスを純水中
に投入して急冷した後、粉砕してガラス系粉末を得た。
て、実施例1において用意した表1の試料8に係るガラ
ス成分に対して、鉛系ペロブスカイト化合物成分を、以
下の表3に示すような種々の比率で混合し、得られた混
合物を1100℃〜1500℃の温度下で溶融させて溶
融ガラスを作製した。その後、この溶融ガラスを純水中
に投入して急冷した後、粉砕してガラス系粉末を得た。
【0039】
【表3】 次に、このようにして得られたガラス系粉末と、実施例
1で用いた鉛系ペロブスカイト化合物からなる誘電体粉
末と、同じく実施例1で用いた有機ビヒクルとを、ガラ
ス系粉末/誘電体粉末/有機ビヒクル=35/35/3
0(重量%)となるように調合し、混練して誘電体ペー
ストを作製した。
1で用いた鉛系ペロブスカイト化合物からなる誘電体粉
末と、同じく実施例1で用いた有機ビヒクルとを、ガラ
ス系粉末/誘電体粉末/有機ビヒクル=35/35/3
0(重量%)となるように調合し、混練して誘電体ペー
ストを作製した。
【0040】次に、上述のようにして得られた誘電体ペ
ーストを用いて、実施例1と同様にして、厚膜コンデン
サ1を作製した。なお、誘電体膜5の形成にあたっての
焼成温度は、850℃とした。その後、実施例1と同
様、得られた厚膜コンデンサ1の特性、すなわち、静電
容量、誘電損失、比誘電率、耐湿試験後の絶縁抵抗、お
よびTCCを求めた。これらの結果が以下の表4に示さ
れている。
ーストを用いて、実施例1と同様にして、厚膜コンデン
サ1を作製した。なお、誘電体膜5の形成にあたっての
焼成温度は、850℃とした。その後、実施例1と同
様、得られた厚膜コンデンサ1の特性、すなわち、静電
容量、誘電損失、比誘電率、耐湿試験後の絶縁抵抗、お
よびTCCを求めた。これらの結果が以下の表4に示さ
れている。
【0041】
【表4】 表3および表4からわかるように、誘電体膜5の形成の
ために用いられる誘電体ペーストに含有されるガラス系
粉末を構成するガラス系材料に含有される鉛系ペロブス
カイト化合物成分の含有量が75重量%である、すなわ
ち70重量%を超える試料21では、誘電損失が1.9
%と高く、また、耐湿試験後の絶縁抵抗(IR)がlog
IRに換算して9未満となり、好ましくない。
ために用いられる誘電体ペーストに含有されるガラス系
粉末を構成するガラス系材料に含有される鉛系ペロブス
カイト化合物成分の含有量が75重量%である、すなわ
ち70重量%を超える試料21では、誘電損失が1.9
%と高く、また、耐湿試験後の絶縁抵抗(IR)がlog
IRに換算して9未満となり、好ましくない。
【0042】これに対して、誘電体ペーストに含有され
るガラス系粉末を構成するガラス系材料に含有される鉛
系ペロブスカイト化合物成分の含有量が70重量%以下
である試料15〜20では、誘電損失が1.7%以下で
あり、また、耐湿試験後の絶縁抵抗(IR)がlog IR
に換算して9を越え、好ましい結果を示している。この
ことから、ガラス系粉末に含有される鉛系ペロブスカイ
ト化合物成分の含有量は、70重量%以下の範囲にある
ことが好ましい、と言える。
るガラス系粉末を構成するガラス系材料に含有される鉛
系ペロブスカイト化合物成分の含有量が70重量%以下
である試料15〜20では、誘電損失が1.7%以下で
あり、また、耐湿試験後の絶縁抵抗(IR)がlog IR
に換算して9を越え、好ましい結果を示している。この
ことから、ガラス系粉末に含有される鉛系ペロブスカイ
ト化合物成分の含有量は、70重量%以下の範囲にある
ことが好ましい、と言える。
【0043】上述した試料15〜20のうち、さらに試
料16〜18に注目すると、耐湿試験後のlog IRが1
1を越え、耐湿信頼性に関して一層改善されているばか
りでなく、100を超える高い比誘電率を示している。
このことから、ガラス系粉末に含有される鉛系ペロブス
カイト化合物成分の含有量は、5重量%〜30重量%の
範囲にあることがさらに好ましい、と言える。
料16〜18に注目すると、耐湿試験後のlog IRが1
1を越え、耐湿信頼性に関して一層改善されているばか
りでなく、100を超える高い比誘電率を示している。
このことから、ガラス系粉末に含有される鉛系ペロブス
カイト化合物成分の含有量は、5重量%〜30重量%の
範囲にあることがさらに好ましい、と言える。
【0044】試料22に関しては、表4において、特性
値が記載されていないが、これらは測定が不可能であっ
たことを意味している。
値が記載されていないが、これらは測定が不可能であっ
たことを意味している。
【0045】
【実施例3】実施例2において用意した表2に示す試料
17に係るガラス系粉末と、実施例1で用いた鉛系ペロ
ブスカイト化合物の誘電体粉末とを、以下の表5に示す
比率となるように混合し、それに、実施例1で用いた有
機ビヒクルを、(ガラス系粉末+誘電体粉末)/有機ビ
ヒクル=70/30(重量比)となるように添加し、混
練して誘電体ペーストを作製した。
17に係るガラス系粉末と、実施例1で用いた鉛系ペロ
ブスカイト化合物の誘電体粉末とを、以下の表5に示す
比率となるように混合し、それに、実施例1で用いた有
機ビヒクルを、(ガラス系粉末+誘電体粉末)/有機ビ
ヒクル=70/30(重量比)となるように添加し、混
練して誘電体ペーストを作製した。
【0046】
【表5】 なお、表5に示した試料26に係る誘電体ペーストは、
互いに同じ重量%をもってガラス系粉末と誘電体粉末と
を含有しているので、表2に示した試料17に係る誘電
体ペーストと同じ組成を有している。
互いに同じ重量%をもってガラス系粉末と誘電体粉末と
を含有しているので、表2に示した試料17に係る誘電
体ペーストと同じ組成を有している。
【0047】次に、上述のようにして得られた誘電体ペ
ーストを用いて、実施例1と同様にして、厚膜コンデン
サ1を作製した。なお、誘電体膜5の形成にあたっての
焼成温度は、850℃とした。その後、実施例1と同
様、得られた厚膜コンデンサ1の特性、すなわち、静電
容量、誘電損失、比誘電率、耐湿試験後の絶縁抵抗、お
よびTCCを求めた。これらの結果が以下の表6に示さ
れている。
ーストを用いて、実施例1と同様にして、厚膜コンデン
サ1を作製した。なお、誘電体膜5の形成にあたっての
焼成温度は、850℃とした。その後、実施例1と同
様、得られた厚膜コンデンサ1の特性、すなわち、静電
容量、誘電損失、比誘電率、耐湿試験後の絶縁抵抗、お
よびTCCを求めた。これらの結果が以下の表6に示さ
れている。
【0048】
【表6】 表6からわかるように、試料29および30では、誘電
損失が2.0%以上となり、また、耐湿試験後の絶縁抵
抗(IR)がlog IRに換算して9未満となり、好まし
くない。
損失が2.0%以上となり、また、耐湿試験後の絶縁抵
抗(IR)がlog IRに換算して9未満となり、好まし
くない。
【0049】これに対して、試料23〜28では、誘電
損失が1.7%以下であり、また、耐湿試験後の絶縁抵
抗(IR)がlog IRに換算して9以上であり、好まし
い結果を示している。このことから、誘電体膜5の形成
のために用いられる誘電体ペーストに含有されるガラス
系粉末と誘電体粉末との比は、これらガラス系粉末と誘
電体粉末との合計量に対して、ガラス系粉末が25重量
%〜95重量%の範囲、誘電体粉末が75重量%〜5重
量%の範囲にあることが好ましい、と言える。
損失が1.7%以下であり、また、耐湿試験後の絶縁抵
抗(IR)がlog IRに換算して9以上であり、好まし
い結果を示している。このことから、誘電体膜5の形成
のために用いられる誘電体ペーストに含有されるガラス
系粉末と誘電体粉末との比は、これらガラス系粉末と誘
電体粉末との合計量に対して、ガラス系粉末が25重量
%〜95重量%の範囲、誘電体粉末が75重量%〜5重
量%の範囲にあることが好ましい、と言える。
【0050】
【実施例4】図3は、この実施例4で作製しようとす
る、厚膜コンデンサ11および12を組み込んだセラミ
ック発振子13を示す断面図である。
る、厚膜コンデンサ11および12を組み込んだセラミ
ック発振子13を示す断面図である。
【0051】セラミック発振子13は、電気絶縁性材料
からなる基板14を備え、基板14上には、対称的態様
で、下層導体15および16、誘電体膜17および1
8、ならびに、誘電体膜17および18を介して下層導
体15および16とそれぞれ対向して厚膜コンデンサ1
1および12を構成するための上層導体19および20
が順次形成されている。
からなる基板14を備え、基板14上には、対称的態様
で、下層導体15および16、誘電体膜17および1
8、ならびに、誘電体膜17および18を介して下層導
体15および16とそれぞれ対向して厚膜コンデンサ1
1および12を構成するための上層導体19および20
が順次形成されている。
【0052】上層導体19および20上には、それぞ
れ、導電接着剤21および22が付与され、これら導電
接着剤21および22を介して、圧電セラミックをもっ
て構成される共振子エレメント23が上層導体19およ
び20に対して電気的に接続されるとともに機械的に保
持される。
れ、導電接着剤21および22が付与され、これら導電
接着剤21および22を介して、圧電セラミックをもっ
て構成される共振子エレメント23が上層導体19およ
び20に対して電気的に接続されるとともに機械的に保
持される。
【0053】上述の誘電体膜17および18を形成する
ため、この発明に係る誘電体ペーストが用いられる。
ため、この発明に係る誘電体ペーストが用いられる。
【0054】次に、セラミック発振子13の製造方法に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0055】まず、基板14としてアルミナ基板を準備
し、その上にAg/Pdペーストをスクリーン印刷し、
850℃で焼成して、2.5mm角の正方形状の下層導体
15および16をそれぞれ形成した。次いで、実施例1
における試料8、実施例2における試料15および1
7、ならびに実施例3における試料27に係る各誘電体
ペーストを下層導体15および16上にスクリーン印刷
し、850℃の温度で焼成し、下層導体15および16
上に2.0mm角の誘電体膜17および18をそれぞれ形
成した。次に、熱硬化性のAgペーストを準備し、これ
を誘電体膜17および18上にスクリーン印刷し、加熱
硬化させることにより、誘電体膜17および18上に
1.5mm角の上層導体19および20を形成した。さら
に、上層導体19および20上に、導電接着剤21およ
び22を介して、PZT圧電セラミックをもって構成さ
れる共振子エレメント23を固着させた。
し、その上にAg/Pdペーストをスクリーン印刷し、
850℃で焼成して、2.5mm角の正方形状の下層導体
15および16をそれぞれ形成した。次いで、実施例1
における試料8、実施例2における試料15および1
7、ならびに実施例3における試料27に係る各誘電体
ペーストを下層導体15および16上にスクリーン印刷
し、850℃の温度で焼成し、下層導体15および16
上に2.0mm角の誘電体膜17および18をそれぞれ形
成した。次に、熱硬化性のAgペーストを準備し、これ
を誘電体膜17および18上にスクリーン印刷し、加熱
硬化させることにより、誘電体膜17および18上に
1.5mm角の上層導体19および20を形成した。さら
に、上層導体19および20上に、導電接着剤21およ
び22を介して、PZT圧電セラミックをもって構成さ
れる共振子エレメント23を固着させた。
【0056】このようにして、厚膜コンデンサ11およ
び12を組み込んだセラミック発振子13を完成させ
た。
び12を組み込んだセラミック発振子13を完成させ
た。
【0057】次に、得られたセラミック発振子13につ
いて、発振周波数の初期偏差、発振周波数の温度特性
(−40℃〜+125℃)、および共振抵抗を求めた。
それらの結果を以下の表7に示す。
いて、発振周波数の初期偏差、発振周波数の温度特性
(−40℃〜+125℃)、および共振抵抗を求めた。
それらの結果を以下の表7に示す。
【0058】
【表7】 表7に示すとおり、この発明に係る誘電体ペーストをも
って構成された厚膜コンデンサ11および12を用いる
ことにより、発振周波数の変動の少ない発振子13を得
ることができる。また、セラミック発振子13の負荷容
量として、厚膜コンデンサ11および12を用いること
ができるため、セラミック発振子13を低背かつ小型に
することができる。
って構成された厚膜コンデンサ11および12を用いる
ことにより、発振周波数の変動の少ない発振子13を得
ることができる。また、セラミック発振子13の負荷容
量として、厚膜コンデンサ11および12を用いること
ができるため、セラミック発振子13を低背かつ小型に
することができる。
【0059】
【他の実施例】上記実施例では、ガラス系粉末またはガ
ラス系材料中に含有される鉛系ペロブスカイト化合物成
分および誘電体粉末または誘電体を構成する鉛系ペロブ
スカイト化合物として、(Pb0.97Sr0.03){(Sb
0.5 Sn0.5 )0.05Zr0.46Ti0.49}O3 を用いた
が、これに限定されるものではない。その他、たとえ
ば、PbTiO3 系、PbTiO3 −Pb(Mg1/3 N
b2/3 )O3 系、PbTiO 3 −Pb(Mg
1/2 W1/2 )O3 系、PbTiO3 −Pb(Zn1/3 N
b2/3 )O3 系、PbZrO3 系、PbZrO3 −Pb
(Mg1/3 Nb2/3 )O3 系、PbZrO3 −Pb(M
g1/2 W1/2 )O3 系、PbZrO3 −Pb(Ni1/2
W 1/2 )O3 系、PbZrO3 −Pb(Zr1/3 Nb
2/3 )O3 系、Pb(Zn1/ 3 Nb2/3 )O3 系などの
種々の鉛系ペロブスカイト化合物を用いることができ
る。そして、キュリー点が120℃〜500℃の範囲内
のものを選ぶことにより、静電容量の温度係数が正特性
を示す厚膜コンデンサを得ることができる。
ラス系材料中に含有される鉛系ペロブスカイト化合物成
分および誘電体粉末または誘電体を構成する鉛系ペロブ
スカイト化合物として、(Pb0.97Sr0.03){(Sb
0.5 Sn0.5 )0.05Zr0.46Ti0.49}O3 を用いた
が、これに限定されるものではない。その他、たとえ
ば、PbTiO3 系、PbTiO3 −Pb(Mg1/3 N
b2/3 )O3 系、PbTiO 3 −Pb(Mg
1/2 W1/2 )O3 系、PbTiO3 −Pb(Zn1/3 N
b2/3 )O3 系、PbZrO3 系、PbZrO3 −Pb
(Mg1/3 Nb2/3 )O3 系、PbZrO3 −Pb(M
g1/2 W1/2 )O3 系、PbZrO3 −Pb(Ni1/2
W 1/2 )O3 系、PbZrO3 −Pb(Zr1/3 Nb
2/3 )O3 系、Pb(Zn1/ 3 Nb2/3 )O3 系などの
種々の鉛系ペロブスカイト化合物を用いることができ
る。そして、キュリー点が120℃〜500℃の範囲内
のものを選ぶことにより、静電容量の温度係数が正特性
を示す厚膜コンデンサを得ることができる。
【0060】また、上記実施例では、誘電体ペースト用
の有機ビヒクルとして、エチルセルロース系樹脂をα−
テルピネオールに溶解したものを用いたが、これに限定
されるものではない。その他、たとえば、樹脂成分とし
ては、アクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ブチ
ラール系樹脂などを、また、溶剤成分としては、ブチル
カルビトールなどのアルコール系溶剤、ブチルカルビト
ールアセテートや酢酸エステルなどのエステル系溶剤、
あるいはケロシンなどを、適宜用いることができる。さ
らに、用途に応じて、フタル酸エステルなどの可塑剤を
添加することも可能である。
の有機ビヒクルとして、エチルセルロース系樹脂をα−
テルピネオールに溶解したものを用いたが、これに限定
されるものではない。その他、たとえば、樹脂成分とし
ては、アクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ブチ
ラール系樹脂などを、また、溶剤成分としては、ブチル
カルビトールなどのアルコール系溶剤、ブチルカルビト
ールアセテートや酢酸エステルなどのエステル系溶剤、
あるいはケロシンなどを、適宜用いることができる。さ
らに、用途に応じて、フタル酸エステルなどの可塑剤を
添加することも可能である。
【0061】また、この発明に係る誘電体ペーストは、
上記実施例のように、アルミナ基板のような絶縁性基板
上に形成される厚膜コンデンサを得る場合だけでなく、
たとえば多層セラミック基板等の誘電体基板上にコンデ
ンサを形成する場合にも適用することができる。
上記実施例のように、アルミナ基板のような絶縁性基板
上に形成される厚膜コンデンサを得る場合だけでなく、
たとえば多層セラミック基板等の誘電体基板上にコンデ
ンサを形成する場合にも適用することができる。
【0062】また、上記実施例においては、厚膜コンデ
ンサ1または11および12の一方の容量電極としての
下層導体4または15および16が、焼付けによるAg
/Pdで構成され、他方の容量電極としての上層導体6
または19および20が、焼付けによるAgまたは加熱
硬化型のAgペーストをもって形成されたが、これらに
限定されるものではない。その他、下層導体としては、
たとえば、Ag、Ag/Pt、Auなどの焼付け型の導
体を、また、上層導体としては、たとえば、Ag/P
t、Au、Ag/Pd、Cuなどの焼付け型あるいは加
熱硬化型の導体をそれぞれ用いることができる。
ンサ1または11および12の一方の容量電極としての
下層導体4または15および16が、焼付けによるAg
/Pdで構成され、他方の容量電極としての上層導体6
または19および20が、焼付けによるAgまたは加熱
硬化型のAgペーストをもって形成されたが、これらに
限定されるものではない。その他、下層導体としては、
たとえば、Ag、Ag/Pt、Auなどの焼付け型の導
体を、また、上層導体としては、たとえば、Ag/P
t、Au、Ag/Pd、Cuなどの焼付け型あるいは加
熱硬化型の導体をそれぞれ用いることができる。
【0063】
【発明の効果】このように、この発明に係る誘電体ペー
ストによれば、ガラス系粉末と、鉛系ペロブスカイト化
合物からなる誘電体粉末とを含有し、ガラス系粉末を構
成するガラス系材料は、xBi2 O3 −yPbO−zS
iO2 (ただし、x,y,zの単位はモル%)で表され
る組成を有し、かつ、その組成比(x,y,z)が、図
1に示す3元組成図において、点A(25,5,7
0)、点B(10,20,70)、点C(10,60,
30)、点D(35,60,5)、および点E(90,
5,5)で囲まれた領域内にある、ガラス成分を含有す
るので、たとえば870℃以下といった比較的低温の焼
成であっても、緻密な誘電体膜を得ることができ、ま
た、このガラス系粉末を構成するガラス系材料は、70
重量%以下の含有率をもって鉛系ペロブスカイト化合物
成分をさらに含有するので、当該誘電体ペーストを焼成
して得られた誘電体膜の比誘電率を高めることができ
る。
ストによれば、ガラス系粉末と、鉛系ペロブスカイト化
合物からなる誘電体粉末とを含有し、ガラス系粉末を構
成するガラス系材料は、xBi2 O3 −yPbO−zS
iO2 (ただし、x,y,zの単位はモル%)で表され
る組成を有し、かつ、その組成比(x,y,z)が、図
1に示す3元組成図において、点A(25,5,7
0)、点B(10,20,70)、点C(10,60,
30)、点D(35,60,5)、および点E(90,
5,5)で囲まれた領域内にある、ガラス成分を含有す
るので、たとえば870℃以下といった比較的低温の焼
成であっても、緻密な誘電体膜を得ることができ、ま
た、このガラス系粉末を構成するガラス系材料は、70
重量%以下の含有率をもって鉛系ペロブスカイト化合物
成分をさらに含有するので、当該誘電体ペーストを焼成
して得られた誘電体膜の比誘電率を高めることができ
る。
【0064】したがって、この発明に係る誘電体ペース
トを用いることにより、耐湿性などの信頼性に優れた、
高容量の厚膜コンデンサを得ることができる。
トを用いることにより、耐湿性などの信頼性に優れた、
高容量の厚膜コンデンサを得ることができる。
【0065】また、この発明に係る厚膜コンデンサによ
れば、その誘電体膜が、上述した誘電体ペーストを焼成
して得られるものであって、ガラス成分および鉛系ペロ
ブスカイト化合物成分を含むガラス系材料と、鉛系ペロ
ブスカイト化合物からなる誘電体とを含有し、ガラス成
分は、xBi2 O3 −yPbO−zSiO2 (ただし、
x,y,zの単位はモル%)で表される組成を有し、か
つ、その組成比(x,y,z)が、図1に示す3元組成
図において、点A(25,5,70)、点B(10,2
0,70)、点C(10,60,30)、点D(35,
60,5)、および点E(90,5,5)で囲まれた領
域内にあり、鉛系ペロブスカイト化合物成分がガラス系
材料中に70重量%以下の含有量をもって含有している
ので、この厚膜コンデンサを、ディスクリートタイプの
コンデンサの代わりに、セラミック発振子などの電子部
品に組み込むことにより、電子部品の小型化ないしは薄
型化を図ることができる。たとえば、この発明に係る厚
膜コンデンサをセラミック発振子の負荷容量として用い
ると、発振周波数の変動の少ない発振子を得ることがで
きるとともに、この厚膜コンデンサをセラミック発振子
に内蔵すれば、セラミック発振子を低背かつ小型にする
ことができる。
れば、その誘電体膜が、上述した誘電体ペーストを焼成
して得られるものであって、ガラス成分および鉛系ペロ
ブスカイト化合物成分を含むガラス系材料と、鉛系ペロ
ブスカイト化合物からなる誘電体とを含有し、ガラス成
分は、xBi2 O3 −yPbO−zSiO2 (ただし、
x,y,zの単位はモル%)で表される組成を有し、か
つ、その組成比(x,y,z)が、図1に示す3元組成
図において、点A(25,5,70)、点B(10,2
0,70)、点C(10,60,30)、点D(35,
60,5)、および点E(90,5,5)で囲まれた領
域内にあり、鉛系ペロブスカイト化合物成分がガラス系
材料中に70重量%以下の含有量をもって含有している
ので、この厚膜コンデンサを、ディスクリートタイプの
コンデンサの代わりに、セラミック発振子などの電子部
品に組み込むことにより、電子部品の小型化ないしは薄
型化を図ることができる。たとえば、この発明に係る厚
膜コンデンサをセラミック発振子の負荷容量として用い
ると、発振周波数の変動の少ない発振子を得ることがで
きるとともに、この厚膜コンデンサをセラミック発振子
に内蔵すれば、セラミック発振子を低背かつ小型にする
ことができる。
【0066】この発明において、xBi2 O3 −yPb
O−zSiO2 で表されるガラス成分の組成比(x,
y,z)が、図1に示す3元組成図において、点F(1
5,30,55)、点G(30,45,25)、点H
(45,30,25)、および点I(45,5,50)
で囲まれた領域内にあるように選ばれていると、耐湿信
頼性をより優れたものとすることができる。
O−zSiO2 で表されるガラス成分の組成比(x,
y,z)が、図1に示す3元組成図において、点F(1
5,30,55)、点G(30,45,25)、点H
(45,30,25)、および点I(45,5,50)
で囲まれた領域内にあるように選ばれていると、耐湿信
頼性をより優れたものとすることができる。
【0067】また、上述のガラス成分の組成比に関する
より特定的な特徴に加えて、ガラス系材料中の鉛系ペロ
ブスカイト化合物成分の含有量が5重量%〜30重量%
の範囲に選ばれていると、耐湿信頼性をさらに優れたも
のとすることができる。
より特定的な特徴に加えて、ガラス系材料中の鉛系ペロ
ブスカイト化合物成分の含有量が5重量%〜30重量%
の範囲に選ばれていると、耐湿信頼性をさらに優れたも
のとすることができる。
【0068】また、この発明において、誘電体粉末また
は誘電体として、キュリー点が120℃〜500℃の範
囲内にあるものが選ばれると、静電容量の温度係数が正
特性を示す厚膜コンデンサを得ることができ、この厚膜
コンデンサを正の温度特性を有する共振子をもって構成
されたセラミック発振子の負荷容量として有利に用いる
ことができる。
は誘電体として、キュリー点が120℃〜500℃の範
囲内にあるものが選ばれると、静電容量の温度係数が正
特性を示す厚膜コンデンサを得ることができ、この厚膜
コンデンサを正の温度特性を有する共振子をもって構成
されたセラミック発振子の負荷容量として有利に用いる
ことができる。
【0069】また、この発明において、ガラス系粉末と
誘電体粉末との間での組成比率、またはガラス系材料と
誘電体との間での組成比率に関して、これらガラス系粉
末またはガラス系材料と誘電体粉末または誘電体との合
計量に対して、ガラス系粉末またはガラス系材料が25
重量%〜95重量%の範囲、誘電体粉末または誘電体が
75重量%〜5重量%の範囲で含有するように選ばれる
と、誘電体ペーストの焼成温度が850℃以下といっ
た、さらに低温でも、誘電体膜を緻密な膜として形成す
ることができる。
誘電体粉末との間での組成比率、またはガラス系材料と
誘電体との間での組成比率に関して、これらガラス系粉
末またはガラス系材料と誘電体粉末または誘電体との合
計量に対して、ガラス系粉末またはガラス系材料が25
重量%〜95重量%の範囲、誘電体粉末または誘電体が
75重量%〜5重量%の範囲で含有するように選ばれる
と、誘電体ペーストの焼成温度が850℃以下といっ
た、さらに低温でも、誘電体膜を緻密な膜として形成す
ることができる。
【図1】この発明に係る誘電体ペーストに含まれるガラ
ス系粉末を構成するガラス系材料中のガラス成分の好ま
しい組成範囲を示す、xBi2 O3 −yPbO−zSi
O2 の3元組成図である。
ス系粉末を構成するガラス系材料中のガラス成分の好ま
しい組成範囲を示す、xBi2 O3 −yPbO−zSi
O2 の3元組成図である。
【図2】この発明の実施例1〜3で作製した、厚膜コン
デンサ1を備える厚膜印刷回路装置2を示す断面図であ
る。
デンサ1を備える厚膜印刷回路装置2を示す断面図であ
る。
【図3】この発明の実施例4で作製した、厚膜コンデン
サ11および12を組み込んだセラミック発振子13を
示す断面図である。
サ11および12を組み込んだセラミック発振子13を
示す断面図である。
1,11,12 厚膜コンデンサ 4,15,16 下層導体 5,17,18 誘電体膜 6,19,20 上層導体 13 セラミック発振子 23 共振子エレメント
フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA08 AA09 AA15 BB01 BB04 CC10 DA03 DA04 DA05 DA06 DB01 DC01 DD01 DE01 DF03 DF04 DF05 DF06 EA01 EA10 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA03 GA04 GA05 GA06 GA07 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM05 MM34 NN26 PP09 PP14 5E082 AB03 BB10 DD13 EE04 EE23 EE35 FG04 FG26 FG46 FG54 KK01 MM24 PP03 PP06 5G303 AA01 AB06 AB11 AB15 BA07 BA12 CA03 CB05 CB25 CB28 CB30 CB31 CB32 CB35 CB39 CD01 CD04
Claims (12)
- 【請求項1】 ガラス系粉末と、鉛系ペロブスカイト化
合物からなる誘電体粉末と、有機ビヒクルとを含有す
る、誘電体ペーストであって、 ガラス系粉末は、xBi2 O3 −yPbO−zSiO2
(ただし、x,y,zの単位はモル%)で表される組成
を有し、かつ、その組成比(x,y,z)が、添付の図
1に示す3元組成図において、点A(25,5,7
0)、点B(10,20,70)、点C(10,60,
30)、点D(35,60,5)、および点E(90,
5,5)で囲まれた領域内にある、ガラス成分を含有す
るとともに、70重量%以下の含有量をもって鉛系ペロ
ブスカイト化合物成分を含有する、ガラス系材料からな
ることを特徴とする、誘電体ペースト。 - 【請求項2】 xBi2 O3 −yPbO−zSiO2 で
表されるガラス成分の組成において、その組成比(x,
y,z)が、添付の図1に示す3元組成図において、点
F(15,30,55)、点G(30,45,25)、
点H(45,30,25)、および点I(45,5,5
0)で囲まれた領域内にあることを特徴とする、請求項
1に記載の誘電体ペースト。 - 【請求項3】 ガラス系材料は、5重量%〜30重量%
の含有量をもって鉛系ペロブスカイト化合物成分を含有
することを特徴とする、請求項2に記載の誘電体ペース
ト。 - 【請求項4】 誘電体粉末のキュリー点は、120℃〜
500℃の範囲内にあることを特徴とする、請求項1な
いし3のいずれかに記載の誘電体ペースト。 - 【請求項5】 ガラス系粉末と誘電体粉末との合計量に
対して、ガラス系粉末が25重量%〜95重量%の範
囲、および誘電体粉末が75重量%〜5重量%の範囲で
それぞれ含有することを特徴とする、請求項1ないし4
のいずれかに記載の誘電体ペースト。 - 【請求項6】 正の温度特性を有する共振子をもって構
成されているセラミック発振子に接続する負荷容量を与
える誘電体を形成するために用いられる、請求項1ない
し5のいずれかに記載の誘電体ペースト。 - 【請求項7】 ガラス系材料と、鉛系ペロブスカイト化
合物からなる誘電体とを含有する膜を誘電体膜とする、
厚膜コンデンサであって、 ガラス系材料は、xBi2 O3 −yPbO−zSiO2
(ただし、x,y,zの単位はモル%)で表される組成
を有し、かつ、その組成比(x,y,z)が、添付の図
1に示す3元組成図において、点A(25,5,7
0)、点B(10,20,70)、点C(10,60,
30)、点D(35,60,5)、および点E(90,
5,5)で囲まれた領域内にある、ガラス成分を含有す
るとともに、70重量%以下の含有量をもって鉛系ペロ
ブスカイト化合物成分を含有することを特徴とする、厚
膜コンデンサ。 - 【請求項8】 xBi2 O3 −yPbO−zSiO2 で
表されるガラス成分の組成において、その組成比(x,
y,z)が、添付の図1に示す3元組成図において、点
F(15,30,55)、点G(30,45,25)、
点H(45,30,25)、および点I(45,5,5
0)で囲まれた領域内にあることを特徴とする、請求項
7に記載の厚膜コンデンサ。 - 【請求項9】 ガラス系材料は、5重量%〜30重量%
の含有量をもって鉛系ペロブスカイト化合物成分を含有
することを特徴とする、請求項8に記載の厚膜コンデン
サ。 - 【請求項10】 誘電体のキュリー点は、120℃〜5
00℃の範囲内にあることを特徴とする、請求項7ない
し9のいずれかに記載の厚膜コンデンサ。 - 【請求項11】 ガラス系材料と誘電体との合計量に対
して、ガラス系材料が25重量%〜95重量%の範囲、
誘電体が75重量%〜5重量%の範囲でそれぞれ含有す
ることを特徴とする、請求項7ないし10のいずれかに
記載の厚膜コンデンサ。 - 【請求項12】 正の温度特性を有する共振子をもって
構成されているセラミック発振子に接続する負荷容量と
して用いられる、請求項7ないし11のいずれかに記載
の厚膜コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10243567A JP2000072477A (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 誘電体ペーストおよびそれを用いた厚膜コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10243567A JP2000072477A (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 誘電体ペーストおよびそれを用いた厚膜コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000072477A true JP2000072477A (ja) | 2000-03-07 |
Family
ID=17105767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10243567A Pending JP2000072477A (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 誘電体ペーストおよびそれを用いた厚膜コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000072477A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115784621A (zh) * | 2023-02-07 | 2023-03-14 | 河北省沙河玻璃技术研究院 | 一种用于连接手机后盖与镜头部分的玻璃制品及使用方法 |
-
1998
- 1998-08-28 JP JP10243567A patent/JP2000072477A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115784621A (zh) * | 2023-02-07 | 2023-03-14 | 河北省沙河玻璃技术研究院 | 一种用于连接手机后盖与镜头部分的玻璃制品及使用方法 |
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