JP2000071386A - 積層板の製造方法 - Google Patents

積層板の製造方法

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JP2000071386A
JP2000071386A JP24089898A JP24089898A JP2000071386A JP 2000071386 A JP2000071386 A JP 2000071386A JP 24089898 A JP24089898 A JP 24089898A JP 24089898 A JP24089898 A JP 24089898A JP 2000071386 A JP2000071386 A JP 2000071386A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属箔に電源を接続し、金属箔に通電して金
属箔を発熱させることによって加熱することにより製造
させる積層板の寸法挙動を、従来のホットプレス成形に
て製造される積層板と等しくして、ユーザーが従来のホ
ットプレス成形にて製造される積層板と同様に使用する
ことができ、また製造される積層板の製品外観を向上す
ることができる積層板の製造方法を提供する。 【解決手段】 複数重に折り返し屈曲された金属箔1の
対向する金属箔1間に複数枚のプリプレグ3を重ねた組
合せ材4と積層板成形用プレート5を交互に配置して形
成される積み重ねブロック6を冷間プレスすると共に金
属箔1に通電することによって加熱・加圧成形して形成
する積層板の製造方法における。金属箔1として、積層
板成形用プレート5側に向く面に絶縁層2を形成したも
のを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリプレグに積層
された金属箔に通電して金属箔を発熱させることにより
プリプレグの樹脂成分を硬化させて積層板を製造する積
層板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板等に加工して使用される
金属箔張り積層板は、複数枚のプリプレグを重ねたもの
を一組とし(あるいはプリプレグを内層回路板を重ねた
ものを一組とし)、この片側あるいは両側に銅箔等の金
属箔を重ねて組合せ材を形成し、これを加熱・加圧して
積層成形することによって製造されており、この際の加
熱・加圧方法としては、複数の組合せ材をSUS板から
なる積層板成形用プレートを介して積層して組合せブロ
ックを形成し、多段式ホットプレス成形を行って製造す
る方法が一般的であった。しかしこの方法では組合せブ
ロックの内層に配置されたプリプレグを充分に加熱する
ことが困難であり、多段に積み重ねられた各組合せ材の
プリプレグをそれぞれ均一に加熱することが困難なもの
であって、形成される積層板の品質にばらつきが生じる
恐れがあった。そこで近年、組合せブロック中の各組合
せ材をムラなく加熱するために、金属箔に電源を接続
し、金属箔に通電して金属箔を発熱させることによって
加熱を行うようにする方法が提供されている。
【0003】図4はその一例を示すものであり、まず金
属箔1として長尺のものを用い、金属箔1を複数重に折
り返し屈曲させると共に折り返し屈曲して対向する金属
箔1間に、複数組の組合せ材4と、複数枚の積層板成形
用プレート5とを交互に挟み込むことによって、複数重
に蛇行状に屈曲した金属箔1、多段に重ねた複数枚の積
層板成形用プレート5、及び複数組の組合せ材4から成
る積み重ねブロック6を作製する。組合せ材4は複数枚
のプリプレグ3を重ねたものを一組として(あるいはプ
リプレグ3に内層回路板を重ねたものを一組として)形
成されるものである。そしてこの積み重ブロックを加圧
プレート7の間にセットすると共に金属箔1の両端に電
源8を接続し、加圧プレート7で冷間プレスしながら金
属箔1に通電すると、金属箔1はジュール熱によって発
熱し、この発熱で各組の組合せ材4のプリプレグ3を加
熱して成形を行うことできるものである。
【0004】この方法によれば各組の組合せ材4のプリ
プレグ3を金属箔1を熱源として直接に加熱することが
できるため、多段に積み重ねられた各組合せ材4のプリ
プレグ3をそれぞれ均一に加熱することができ、金属箔
1張り積層板を品質のばらつきなく多段の成形で得るこ
とができるものである。
【0005】ここでこの方法に用いられる積層板成形用
プレート5として従来は、絶縁層を形成することが容易
なことから、図3に示すような、アルミニウム製プレー
トの表層にアルマイト処理を施して絶縁性を確保したも
のを用い、金属箔1に通電して発熱させる際に積層板成
形用プレート5と金属箔1との間を電気的に絶縁して積
層板成形用プレート5に不要な電流が流れないようにし
て通電による発熱の効率を向上させていた。
【0006】一方、従来の多段式のホットプレスにて積
層板を製造する場合においては、加熱・加圧成形の際に
プリプレグ3中の樹脂は高分子化して収縮する方向の内
部応力が発生し、更に積層板成形用プレート5であるS
US板(熱膨張率9〜18ppm)の熱膨張率は、銅箔
(熱膨張率17〜10ppm)の熱膨張率と等しいかそ
れよりも小さいため、プリプレグ3中の樹脂に更に収縮
する方向の内部応力が発生する。このようにして形成さ
れた積層板は収縮する方向の内部応力を有するものであ
り、この積層板にエッチング処理を施して表面の銅箔を
除去したり、あるいはこの積層板を更に積層して加熱加
圧することによって多層板を形成する際に、ガラス転移
点(エポキシ樹脂の場合は、130℃から140℃)以
上に加熱された場合は、内部応力が解放されて、積層板
が収縮することになる。そのためこのような積層板にエ
ッチング処理を施す際に、マスクパターンを形成したフ
ィルムを張り付ける場合は、積層板の収縮を補正するた
めの補正値(フィルムスケーリング)をかけたフィルム
を用いていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしアルミニウムは
熱膨張率が23〜25ppmと、従来の多段式ホットプ
レス成形に用いられているSUS板(熱膨張率9〜18
ppm)による積層板成形用プレート5より熱膨張率が
大きくなるため、上記のような方法で製造される積層板
には、プリプレグ3中の樹脂の高分子化による収縮力以
上の、アルミニウムの熱膨張による膨張力がかかり、そ
の結果このようにして形成される積層板は、膨張する方
向の内部応力を有することになる。そのためこの積層板
の表面の銅箔をエッチング除去し、あるいは多層板成形
の際にガラス転移点以上の温度をかけたりすると、内部
応力が開放されて、この積層板は膨張することとなる。
このため、このような積層板にエッチング処理を施す際
に、マスクパターンを形成したフィルムを張り付ける場
合は、積層板の膨張を補正するための補正値(フィルム
スケーリング)をかけた、従来のホットプレス成形にて
形成される積層板の場合とは異なるフィルムを用いなけ
ればならないものであった。
【0008】このようにアルマイト処理を施したアルミ
ニウムプレートを用い、金属箔1張り積層板の加熱・加
圧成形の際に、金属箔1に電源8を接続し、金属箔1に
通電して金属箔1を発熱させることによって加熱するこ
とによって形成される積層板は、多段式ホットプレス成
形にて製造される積層板と寸法挙動が異なり、このよう
な積層板を使用する際は、エッチング処理を施す際に、
従来のホットプレス成形にて製造される積層板の場合と
は異なる補正値(フィルムスケーリング)をかけたフィ
ルムを用意しなければならず、ユーザーが従来のホット
プレス成形にて製造される積層板と同時に使用する場合
には、二種類のフィルムを用意しなければならないもの
であり、またそれぞれの製法にて製造された積層板を別
々に管理する必要があるので、管理コストも余計にかか
るものであった。
【0009】また積層板成形用プレート5には、積層板
成形中にプリプレグの樹脂成分が1部剥離して硬化した
樹脂硬化物が付着することが多く、そのため積層板成形
用プレート5を繰り返し用いるためには、使用するごと
にその表面の樹脂紛を除去する必要がある。従来のSU
S製の積層板成形用プレート5ではバフ研磨を施すこと
により、樹脂硬化物の除去を行っていたが、アルマイト
処理を施されたアルミニウム板9を用いる場合は、アル
マイト層10を維持して絶縁性を保たなければならない
のでバフロールを用いることができず、粘着ロールを用
いて樹脂硬化物の除去を行っていたものであり、この方
法では樹脂硬化物を完全に取り除くことは困難なもので
あった。そのため積層板成形用プレート5に付着した樹
脂硬化物が成形された積層板表面に付着したり、あるい
は樹脂紛のために積層板成形用プレート5の平滑性が損
なわれることにより製造される積層板の表面の平滑性も
損なわれ、製品外観が悪化するという問題もあった。
【0010】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、金属箔張り積層板の加熱・加圧成形を、金属箔に
電源を接続し、金属箔に通電して金属箔を発熱させて加
熱することによって行うと共に、このようにして製造さ
せる積層板の寸法挙動を、従来のホットプレス成形にて
製造される積層板と等しくして、ユーザーが従来のホッ
トプレス成形にて製造される積層板と同様に使用するこ
とができ、また製造される積層板の製品外観を向上する
ことができる積層板の製造方法を提供することを目的と
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の積層板の製造方法は、複数重に折り返し屈曲された金
属箔1の対向する金属箔1間に複数枚のプリプレグ3を
重ねた組合せ材4と積層板成形用プレート5を交互に配
置して形成される積み重ねブロック6をプレスすると共
に金属箔1に通電することによって加熱・加圧成形して
形成する積層板の製造方法において、金属箔1として、
積層板成形用プレート5側に向く面に絶縁層2を形成し
たものを用いることを特徴とするものである。
【0012】また本発明の請求項2に記載の積層板の製
造方法は、請求項1の構成に加えて、金属箔1に絶縁層
2として、金属箔1から除去可能なものを形成すること
を特徴とするものである。
【0013】また本発明の請求項3に記載の積層板の製
造方法は、請求項1又は2の構成に加えて、金属箔1に
絶縁層2として、この絶縁層2が積層板成形用プレート
5に付着した際に、この積層板成形用プレート5から除
去可能なものを形成することを特徴とするものである。
【0014】また本発明の請求項4に記載の積層板の製
造方法は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、
金属箔1に絶縁層2として、積層板成形時に金属箔1に
通電する際に絶縁破壊を起こさないものを形成すること
を特徴とするものである。
【0015】また本発明の請求項5に記載の積層板の製
造方法は、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、
積層板成形用プレート5として、SUS材からなるもの
を用いることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0017】本発明において使用するプリプレグ3は、
ガラス繊維の織布あるいは不織布からなるガラス布基材
等の基材に、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を溶剤に溶
解させて得られる樹脂ワニスを含浸して乾燥することに
より、基材にBステージ状態に半硬化された樹脂を含浸
させたものとして調製されるものである。
【0018】金属箔1としては、銅箔等からなる長尺の
ものを用いるものであり、この金属箔1の一面には、図
2に示すように、全面に絶縁層2を形成するものであ
る。
【0019】また積層板成形用プレート5としては、S
US材からなる鏡面材を用いるものである。
【0020】そして積層板を製造する際は、図1に示す
ように、2枚の金属箔1を、その絶縁層2が形成されて
いない面同士が対向するように金属箔1を複数重に折り
返し屈曲させると共に折り返し屈曲して対向する金属箔
1間に、複数組の組合せ材4と、複数枚の積層板成形用
プレート5とを交互に挟み込むことによって、複数重に
蛇行状に屈曲した金属箔1、多段に重ねた複数枚の積層
板成形用プレート5、及び複数組の組合せ材4から成る
積み重ねブロック6を作製する。このとき金属箔1の絶
縁層2が形成された面が、隣あって配置される積層板成
形用プレート5と対向するように配置されるものであ
る。組合せ材4は複数枚のプリプレグ3を重ねたものを
一組として(あるいはプリプレグ3に内層回路板を重ね
たものを一組として)形成されるものである。そしてこ
の積み重ねブロック6を加圧プレート7の間にセットす
ると共に金属箔1の両端に電源8を接続し、加圧プレー
ト7で冷間プレスしながら金属箔1に通電すると、金属
箔1はジュール熱によって発熱し、この発熱で各組の組
合せ材4のプリプレグ3を加熱して成形を行うことでき
るものである。ここで金属箔1と、SUS材とからなる
積層板成形用プレート5との間は、絶縁層2にて電気的
に絶縁されるので、アルマイト処理を施されたアルミニ
ウム板9のような、絶縁処理が施された積層板成形用プ
レート5を用いなくても、積層板成形用プレート5に不
要な電流が流れないようにして通電による発熱の効率を
向上させることができる。
【0021】このようにすると、積層板成形用プレート
5として、従来の多段式ホットプレス法にて用いられる
ものと同じSUS材からなるものを用いることができる
ので、加熱加圧成形時において、プリプレグ3中の樹脂
層の硬化反応及び金属箔1及び積層板成形用プレート5
の膨張・収縮に起因して発生する、積層板の内部応力
が、従来の多段式ホットプレス法にて製造されるものと
同じになり、そのため本発明にて製造される積層板の寸
法挙動は多段式ホットプレス成形にて製造される積層板
と等しく、このような積層板を使用する際は、エッチン
グ処理を施す際に、従来のホットプレス成形にて製造さ
れる積層板の場合と同様の補正値(フィルムスケーリン
グ)をかけた、マスクパターンを形成したフィルムを用
いることができ、ユーザーが従来のホットプレス成形に
て製造される積層板と同時に使用する場合に、同一のフ
ィルムを用いることができ、またそれぞれの製法にて製
造された積層板を別々に管理する必要がないので、管理
コストも余計にかかることがないものである。
【0022】また従来金属箔1に通電することにより加
熱することで、積層板の成形を行う際に使用されていた
アルマイト処理が施されたアルミニウム板9からなる積
層板成形用プレート5では、積層板成形の際にプリプレ
グ3の樹脂成分が一部剥離し、積層板成形用プレート5
の表面に付着して硬化した樹脂硬化物の除去を、粘着ロ
ールで行うことにより、アルマイト層10の剥離を防止
して絶縁性を確保していたものであるが、この方法では
樹脂紛を完全に除去することは困難であり、そのため製
造される積層板にこの樹脂硬化物が付着したり、樹脂硬
化物により平滑性が損なわれた積層板成形プレートを用
いることにより、製造される積層板の平滑性も損なわれ
たりして、積層板の製品外観が悪化するものであった。
それに対して本発明では上記のように積層板成形用プレ
ート5に絶縁性を付与する必要がなく、従来からホット
プレス法に用いられて来たSUS材からなる積層板成形
用プレート5を用いることができるので、この積層板成
形用プレート5に、使用のたびにバフ研磨を施して、樹
脂硬化物を完全に除去することができ、製造される積層
板への樹脂硬化物の付着や平滑性の悪化等が起こること
を防ぎ、製品外観を向上することができるものである。
【0023】ここで金属箔1に形成する絶縁層2を、上
記のSUS材からなる積層板成形用プレート5にこの絶
縁層2の一部が付着した際に、研磨・洗浄等の操作によ
り積層板成形用プレート5から容易に除去可能なものと
して形成すると、積層板の加熱加圧成形の後、重ねられ
ていた金属箔1と積層板成形用プレート5とを引き離す
際において、積層板成形用プレート5に絶縁層2の一部
が付着したとしても、研磨・洗浄等の方法にて容易に除
去することができるものである。このような絶縁層2と
しては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やF
EP(フッ素エチレンプロピレン)等のフッ素樹脂のみ
からなるもの、ポリプロピレンのみから成るもの、ある
いはトリアセテートのみからなるものを挙げることがで
き、これらのものを金属箔1にダイコーター等を用いて
絶縁層2を形成することができるものである。ここで積
層板成形用プレート5に付着した絶縁層2の除去は、積
層板成形用プレート5に付着した樹脂硬化物を除去する
ために行うバフロールによる研磨を行う際に、同時に行
うことができ、例えばバフロールにて、積層板成形用プ
レート5に付着している絶縁層2を除去し、このとき生
じる絶縁層2を構成していた物質の微細な粒子をブラッ
シングにて取り除き、水洗した後、表面にエアーナイフ
にて気流を吹き付けて乾燥させるものである。積層板成
形用プレート5に付着した絶縁層2は、上記の樹脂紛の
場合と同様に、製造される積層板の製品外観の悪化の原
因となるものであり、上記のようにSUS材に付着した
絶縁層2が除去容易なものであると、製造される積層板
の製品外観を向上することができる。
【0024】また特に金属箔1に形成する絶縁層2を、
上記のSUS材からなる積層板成形用プレート5との間
での離型性を有するものとして形成すると、積層板の加
熱加圧成形の後、重ねられていた金属箔1と積層板成形
用プレート5とを容易に引き離すことができて、作業性
が向上するものであり、また積層板成形用プレート5に
この絶縁層2の一部が付着することを防ぎ、積層板成形
用プレート5に付着した絶縁層2の一部を除去する手間
がかからないものである。このような絶縁層2として
は、エポキシ樹脂80〜95重量%、離型剤としてシリ
カ又はシリコーンを5〜15重量%含む組成のものにて
形成したものを挙げることができ、これらのものを金属
箔1の一面にダイコーター等を用いてコーティングする
ことにより、絶縁層2を形成することができるものであ
る。
【0025】また金属箔1に形成する絶縁層2を、積層
板の製造後にこの絶縁層2を金属箔1から研磨・洗浄等
の操作により積層板成形用プレート5から容易に除去可
能なものとして形成すると、製造された積層板表面の金
属箔1から絶縁層2を研磨・洗浄等の方法にて容易に除
去し、作業性及び製品外観が向上するものである。この
ような絶縁層2としては、PTFEやFEP等のフッ素
樹脂のみからなるもの、ポリプロピレンのみから成るも
の、あるいはトリアセテートのみからなるものを挙げる
ことができ、これらのものを金属箔1にコーティングす
ることにより絶縁層2を形成することができるものであ
る。ここで製造された積層板の金属箔1から絶縁層2を
除去する際は、例えばバフロールにて絶縁層2を除去
し、このとき生じる絶縁層2を構成していた物質の微細
な粒子をブラッシングにて取り除き、水洗した後、表面
にエアーナイフにて気流を吹き付けて乾燥させるもので
ある。
【0026】また特に金属箔1に形成する絶縁層2を、
積層板の製造後にこの絶縁層2を、金属箔1との間に離
型性を有するものとして形成すると、製造された積層板
の金属箔1の表面から絶縁層2を研磨等の処理を施すこ
となく容易に剥離することができ、作業性が向上すると
共に、製造される積層板の製品外観を向上することがで
きるものである。このような絶縁層2としては、エポキ
シ樹脂80〜95重量%、離型剤としてシリカ又はシリ
コーンを5〜15重量%含む組成のものにて形成したも
のを挙げることができ、これらのものを金属箔1の一面
にコーティングすることにより、絶縁層2を形成するこ
とができるものである。
【0027】また上記の絶縁層2は、積層板製造の際
に、金属箔1に通電しても絶縁破壊を起こさないものを
用いることが好ましい。そのためには、上記に示したよ
うな組成を有する絶縁層2において、その厚みを50〜
150μmとすることが好ましい。ここで絶縁層2の厚
みが50μm未満であると、金属箔1への通電時に絶縁
層2に絶縁破壊が生じて金属箔1と積層板成形用プレー
ト5との間の絶縁が保たれなくなり、積層板成型用プレ
ートに不要な電流が流れ、通電による発熱の効率が低下
するおそれがある。また絶縁層2の厚みが150μmを
超えると、絶縁層2が形成された金属箔1全体の厚みが
大きくなりすぎて、絶縁層2を形成した金属箔1をロー
ル状に巻いて保管する際のロールの径が大きくなって取
り扱い性が低下し、また積層板を製造する際の組合せ材
4一組あたりの厚みが増大して加圧プレート7間に一度
に積層できる組合せ材4の個数が低下し、積層板の製造
効率が低下するものである。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。 (実施例1乃至5)金属箔1として、厚み18μmの長
尺の銅箔を用い、その一面に、表1に示す組成を有する
厚み70μmの絶縁層2をダイコートを用いてコーティ
ングすることにより形成した。
【0029】一方、厚み180μmの7628タイプの
ガラス布基材(旭シェーベル社製、品番「7268W
AS750S」)にエポキシ樹脂(東都化成製、品番
「YDB−500」)100重量部、ジシアンジアミド
3重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2
重量部の組成を有する樹脂組成物を含浸させた後乾燥さ
せて樹脂成分をBステージ化し、樹脂含浸率42〜45
%のプリプレグ3を作製した。
【0030】そして2枚の金属箔1を、その絶縁層2が
形成されていない面同士が対向するように配置し、その
間に3枚のプリプレグ3を重ねたものを挟み込むことに
よって、プリプレグ3と、上下の金属箔1とからなる組
合せ材4を形成し、この組合せ材43を、図1に示すよ
うに、金属箔12の長手方向で複数組形成しながら金属
箔12を蛇行状に折り曲げ、厚み1.2mmのSUS6
30製の積層板成形用プレート5を介して100組の組
合せ材4を積層して組合せた。そしてこれを加圧プレー
ト7の間にセットして2枚の金属箔1に電源8を接続
し、加圧プレート7で10kg/cm2の圧力で冷間プ
レスしながら金属箔1に通電した。ここで金属箔1への
通電は、組合せ材4の加熱温度が180℃となるように
行い、このような状態で30分間加熱加圧成形を行っ
た。 (比較例1)金属箔1に絶縁層2を形成せず、積層板成
形用プレート5として、厚み1.2mmの、両面にアル
マイト処理を施したアルミニウム板9を用いた以外は、
上記の実施例1乃至と同様に行った。 (比較例2)上記各実施例と同様のプリプレグ3を3枚
積層すると共にその両側に厚み18μmの銅箔を配置し
て成る組合せ物を複数組形成し、100組の組合せ物を
厚み1.2mmのSUS630製の積層板成形用プレー
ト5を介して重ねて多段の積重ねブロックを形成した。
そしてこの積み重ねブロック6を加圧プレート7の間に
セットすると共に加熱することによって多段式ホットプ
レス成形を行って両面銅箔張積層板を製造した。ここで
成形温度180℃、成形圧力10kg/cm2、とし、
この状態で30分間加熱加圧成形を行った。 (評価試験)各実施例及び比較例の成形後の積層板につ
いて、JIS−C6481に準拠したE−0.5/17
0処理後の寸法変化を、32個の試料について縦方向及
び横方向について測定した。
【0031】また成形された積層板を500×500m
mの寸法に切断した後、JIS−C6481の外観基準
に準拠して、各実施例及び比較例につき1000個のサ
ンプルの外観検査を行い、外観歩留まりを算出した。
【0032】また各実施例及び比較例につき、SUS6
30製の積層板成形用プレート5を用いたものについて
は、この積層板成形用プレート5の表面を、バフ番手#
320番のバフロールにて研磨を施した後、ブラッシン
グし、更に水洗浄した後に、エアーナイフを用いて気流
により乾燥させた。またアルマイト加工を施したアルミ
ニウム板9製の積層板成形用プレート5を用いたものに
ついては、粘着ロールを用いて研磨を行った。そしてこ
の積層板成形用プレート5の表面を観察し、樹脂硬化物
や樹脂効果物の付着が認められなかったものを「○」と
して評価した。
【0033】また各実施例に用いた、絶縁層2が形成さ
れた金属箔1の絶縁層2に、IPC−TM−650に準
拠して1000Vまで電圧をかけて、絶縁破壊の発生の
有無を確認することにより、絶縁層2の絶縁破壊検査を
行った。
【0034】また各実施例の積層板の表面に、上記のS
US製の積層板成形用プレート5と同様のバフ研磨を施
して、絶縁層2の除去を行い、完全に絶縁層2が除去で
きたか評価を行った。ここで評価は、研磨された積層板
の表面を水で濡らし、積層板表面がが撥水性を有しない
ものを「○」、残存する絶縁層2のために撥水性を有す
るものを「×」として行った。
【0035】以上の結果を表1に示す。
【0036】
【表1】 表1から判るように、金属箔1に絶縁層2を形成せず、
積層板成形用プレート5としてアルマイト処理が施され
たアルミニウム板9からなるものを用いた比較例1で得
られた積層板は、従来のホットプレス法にて得られる比
較例2の積層板と寸法挙動が異なるものとなり、また積
層板の外観歩留まりも低いものであったが、実施例1乃
至5では、比較例2のものと同様の寸法挙動及び外観歩
留まりを有する積層板を得ることができた。
【0037】また積層板成形用プレート5表面の樹脂硬
化物の除去を、粘着ロールにて行った比較例1では、1
2%のサンプルに樹脂硬化物が残存していたものである
が、実施例1乃至5では、従来のホットプレス法を用い
た比較例2の場合と同様に、積層板成形用プレート5表
面に付着物は認められず、樹脂硬化物が完全に除去でき
たと共に、金属箔1から一部付着する絶縁層2も完全に
除去できたことが確認できた。
【0038】また実施例1乃至5において、金属箔1に
形成された絶縁層2は、1000Vの電圧をかけても絶
縁破壊がおこらず、積層板製造時に金属箔1に通電して
も絶縁破壊が起こるおそれがなく、金属箔1と、SUS
材からなる積層板成形用プレート5との間は、絶縁層2
にて電気的に絶縁されて、積層板成形用プレート51に
不要な電流が流れないようにすることができることが確
認できた。
【0039】また実施例1乃至5にて得られた積層板の
表面に残存する絶縁層2は、バフ研磨にて完全に除去す
ることができ、製品外観を向上することができることが
確認できた。
【0040】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
積層板の製造方法は、複数重に折り返し屈曲された金属
箔の対向する金属箔間に複数枚のプリプレグを重ねた組
合せ材と積層板成形用プレートを交互に配置して形成さ
れる積み重ねブロックをプレスすると共に金属箔に通電
することによって加熱・加圧成形して形成する積層板の
製造方法において、金属箔として、積層板成形用プレー
トに向く面に絶縁層を形成したものを用いるため、絶縁
処理が施された積層板成形用プレートを用いなくても、
積層板成形用プレートに不要な電流が流れないようにし
て通電による発熱の効率を向上させることができるもの
である。
【0041】また本発明の請求項2に記載の積層板の製
造方法は、請求項1の構成に加えて、金属箔に絶縁層と
して、金属箔から除去可能なものを形成するため、製造
された積層板から絶縁層を除去し、積層板の製品外観を
向上することができるものである。
【0042】また本発明の請求項3に記載の積層板の製
造方法は、請求項1又は2の構成に加えて、金属箔に絶
縁層として、この絶縁層が積層板成形用プレートに付着
した際に、この積層板成形用プレートから除去可能なも
のを形成するため、積層板製造の際に積層板成形用プレ
ートに付着する絶縁層を除去することにより、この積層
板成形用プレートを用いて再び積層板を製造を行う際
に、積層板成形用プレートに付着した絶縁層が積層板に
付着したり、絶縁層のために平滑性が損なわれた積層板
成形用プレートを用いることにより製造される積層板の
平滑性も損なわれたりすることを防ぎ、積層板の製品外
観を向上することができるものである。
【0043】また本発明の請求項4に記載の積層板の製
造方法は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、
金属箔に絶縁層として、積層板成形時に金属箔に通電す
る際に絶縁破壊を起こさないものを形成するため、金属
箔への通電時に絶縁層に絶縁破壊が生じて金属箔と積層
板成形用プレートとの間の絶縁が保たれなくなることを
防ぎ、積層板成型用プレートに不要な電流が流れて通電
による発熱の効率が低下することを防止することができ
るものである。
【0044】また本発明の請求項5に記載の積層板の製
造方法は、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、
積層板成形用プレートとして、SUS材からなるものを
用いるため、加熱時の積層板成形用プレートの寸法変化
を、SUS材からなる積層板成形用プレートを用いた従
来のホットプレス成形により製造される積層板と等しく
することができ、このようにして製造された積層板を使
用する際は、エッチング処理を施す際に、従来のホット
プレス成形にて製造される積層板の場合と同様の補正値
をかけた、マスクパターンを形成したフィルムを用いる
ことができ、ユーザーが従来のホットプレス成形にて製
造される積層板と同時に使用する場合に、同一のフィル
ムを用いることができ、またそれぞれの製法にて製造さ
れた積層板を別々に管理する必要がないので、管理コス
トも余計にかかることがないものであり、また積層板製
造の際に積層板成形用プレートに付着した樹脂紛や絶縁
層を、バフ研磨により完全に除去するこことができ、製
造される積層板に樹脂紛や絶縁層が付着したり、積層板
の平滑性が損なわれたりすることを防ぐことができ、積
層板の製品外観を向上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略正面図で
ある
【図2】本発明に用いる金属箔を示す一部の正面図であ
る。
【図3】従来の積層板製造方法に用いられた積層板成形
用プレートの一例を示す正面図である。
【図4】従来の積層板製造方法を示す概略正面図であ
る。
【符号の説明】
1 金属箔 2 絶縁層 3 プリプレグ 4 組合せ材 5 積層板成形用プレート 6 積み重ねブロック

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数重に折り返し屈曲された金属箔の対
    向する金属箔間に複数枚のプリプレグを重ねた組合せ材
    と積層板成形用プレートを交互に配置して形成される積
    み重ねブロックをプレスすると共に金属箔に通電するこ
    とによって加熱・加圧成形して形成する積層板の製造方
    法において、金属箔として、積層板成形用プレート側に
    向く面に絶縁層を形成したものを用いることを特徴とす
    る積層板の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属箔に絶縁層として、金属箔から除去
    可能なものを形成しすることを特徴とする請求項1に記
    載の積層板の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属箔に絶縁層として、この絶縁層が積
    層板成形用プレートに付着した際に、この積層板成形用
    プレートから除去可能なものを形成することを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属箔に絶縁層として、積層板成形時に
    金属箔に通電する際に絶縁破壊を起こさないものを形成
    することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の積層板の製造方法。
  5. 【請求項5】 積層板成形用プレートとして、SUS材
    からなるものを用いることを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれかに記載の積層板の製造方法。
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