JP3145915B2 - 金属箔張り積層板製造用プリプレグ - Google Patents

金属箔張り積層板製造用プリプレグ

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JP3145915B2 JP5201496A JP5201496A JP3145915B2 JP 3145915 B2 JP3145915 B2 JP 3145915B2 JP 5201496 A JP5201496 A JP 5201496A JP 5201496 A JP5201496 A JP 5201496A JP 3145915 B2 JP3145915 B2 JP 3145915B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属箔張り積層板
の製造用に用いられるプリプレグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板に加工して使用される金
属箔張り積層板は、プリプレグを複数枚重ねると共にこ
の片側あるいは両側の外面に銅箔等の金属箔を重ね、こ
れを加熱加圧して積層成形することによって製造されて
いる。また多層プリント配線板の場合は、内層回路板の
片側あるいは両側にプリプレグを重ねると共にプリプレ
グの外側にさらに金属箔を重ね、これを加熱加圧して積
層成形することによって製造されている。そして上記の
ように積層成形を行なうにあたって、上記のプリプレグ
と金属箔を重ねた組み合わせ材や、内層回路板とプリプ
レグと金属箔を重ねた組み合わせ材を多段に積み重ね、
これを熱盤間にセットしてプレスする、いわゆる多段ホ
ットプレスで行なうのが一般的である。
【0003】しかしこのような熱盤を用いた多段ホット
プレスでは、熱盤に近い組み合わせ材と熱盤から遠い組
み合わせ材とでは加熱温度が異なったものとなり、加熱
温度の不均一のために得られた金属箔張り積層板の品質
がばらつくおそれがある。従って多段ホットプレスで
は、積み重ねることのできる組み合わせ材の段数は限ら
れたものになる。
【0004】そこで、金属箔に電源を接続し、金属箔に
通電して金属箔を発熱させることによって加熱を行なう
ようにした方法が特表平7−508940号公報等で提
供されている。図1及び図2はそれぞれその一例を示す
ものであり、金属箔2として長尺のものを2枚用い、こ
の2枚の金属箔2の間に複数枚のプリプレグ1、あるい
はプリプレグ1と内層回路板3を重ねたものを挟み込む
ことによって、プリプレグ1と上下の金属箔2からなる
組み合わせ材4、あるいはプリプレグ1と内層回路板3
と上下の金属箔2からなる組み合わせ材4を形成する。
この組み合わせ材4を金属箔2の長手方向で複数組み形
成しながら金属箔2を蛇行状に折り曲げ、絶縁性の鏡面
板5を介して複数の組み合わせ材4を多段に積み重ね
る。そしてこれを加圧プレート6の間にセットすると共
に金属箔2に電源7を接続し、加圧プレート6で冷間プ
レスしながら金属箔2に通電すると、金属箔2はジュー
ル熱によって発熱し、この発熱で各組み合わせ材4を加
熱して成形を行なうことができるものである。
【0005】この方法によれば各組み合わせ材4のプリ
プレグ1を金属箔2を熱源として直接に加熱することが
できるために、多段に積み重ねた各組み合わせ材4のプ
リプレグ1を均一に加熱することができ、金属箔張り積
層板を品質のばらつきなく多段の成形で得ることができ
るのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の多
段ホットプレスによる方法では各組み合わせ材のプリプ
レグに対する加熱温度が不均一になるために、加熱温度
の不均一に対して不良発生率が小さくなるように工夫し
たプリプレグが使用されている。しかし、金属箔に通電
して発熱させることによって加熱を行なう方法では各組
み合わせ材のプリプレグに対する加熱温度が均一になる
ために、従来から使用されているプリプレグをそのまま
用いたのでは、かえって樹脂の流れが大きくなって、製
品の中央と端部の間の板厚にバラツキが生じたり、製品
端部にカスレやミーズリングなどの成形不良が発生した
りするおそれがあり、プリント配線板の積層板として十
分な性能を得ることができないものであった。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、板厚のバラツキや製品端部のカスレ、ミーズリン
グ等の成形不良の問題なく、金属箔に通電して発熱させ
ることによって加熱を行なう工法で金属箔張り積層板を
製造することができるプリプレグを提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプリプレグ
は、プリプレグに積層される金属箔に通電して金属箔を
発熱させることによって積層板を製造するために使用さ
れるものに関するものであり、ガラス布基材に含浸され
たエポキシ樹脂の130℃での溶融粘度が1500〜5
0000ポイズであることを特徴とするものである。
【0009】またこのプリプレグにあって、エポキシ樹
脂の130℃での溶融粘度が4000〜10000ポイ
ズであることがより好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明に係るプリプレグ1は、ガラス繊維の織布
あるいは不織布からなるガラス布基材にエポキシ樹脂ワ
ニスを含浸して乾燥することによって、ガラス布基材に
Bステージ状態に半硬化させたエポキシ樹脂を含有させ
たものとして調製されるものである。このプリプレグ1
において樹脂含有率が40〜70重量%の範囲になるよ
うにエポキシ樹脂を含浸させるのが好ましい。
【0011】そして本発明では、ガラス布基材に含有さ
れているこのBステージ状態のエポキシ樹脂が、130
℃での溶融粘度が1500〜50000ポイズの範囲に
なるように調整したプリプレグ1を用いるものである。
130℃での溶融粘度のより好ましい範囲は、4000
〜10000ポイズである。尚、本発明において溶融粘
度の測定は、プリプレグ1を揉みほぐすことによってガ
ラス布基材から分離される樹脂粉約2gを加圧して円柱
状のピペットにし、島津製作所社製高化式フローテスタ
ー「CFT−100」によって、0.5mmφのノズル
を用いて圧力3〜40kg/cm2 の条件で、温度を1
30℃として粘度を計測することによって行なった。
【0012】プリプレグ1中のエポキシ樹脂の130℃
での溶融粘度が1500(4000)ポイズ未満では、
成形時の樹脂の流れが大きくなり過ぎ、板厚のバラツキ
や製品端部のカスレやミーズリングなどの成形不良が発
生するおそれがある。逆にプリプレグ1中のエポキシ樹
脂の130℃での溶融粘度が50000(10000)
ポイズを超えると、成形時の樹脂の流れが悪く、例えば
内層回路板を積層する場合に内層回路板の表面とプリプ
レグ1による絶縁層との間にボイドが発生するおそれが
ある。
【0013】しかして、上記のような溶融粘度に調整し
たプリプレグ1を用い、図1や図2に示す方法で金属箔
張り積層板を製造することができる。すなわち、銅箔な
ど金属箔2として長尺のものを2枚用い、この2枚の金
属箔2の間に複数枚のプリプレグ1を重ねたものを挟み
込むことによって、プリプレグ1と上下の金属箔2から
なる組み合わせ材4を形成し、この組み合わせ材4を金
属箔2の長手方向で複数組み形成しながら金属箔2を蛇
行状に折り曲げ、絶縁性の鏡面板5を介して複数の組み
合わせ材4を多段に積み重ねる(図1)。あるいは2枚
の金属箔2の間にプリプレグ1と内層回路板3を重ねた
ものを挟み込むことによって、プリプレグ1と内層回路
板3と上下の金属箔2からなる組み合わせ材4を形成
し、この組み合わせ材4を金属箔2の長手方向で複数組
み形成しながら金属箔2を蛇行状に折り曲げ、絶縁性の
鏡面板5を介して複数の組み合わせ材4を多段に積み重
ねる(図2)。そしてこれを加圧プレート6の間にセッ
トすると共に2枚の各金属箔2に電源7を接続し、加圧
プレート6で冷間プレスしながら金属箔2に通電する。
このように金属箔2に通電すると金属箔2はジュール熱
によって発熱するために、この発熱で各組み合わせ材4
を加熱して成形を行なうことができるものである。
【0014】ここで成形時の金属箔2への通電は、加熱
の昇温速度が3〜8℃/min、最高加熱温度が170
〜185℃になるように制御して行なうのが好ましい。
また加圧プレート6による加圧は3〜10kg/cm2
の範囲に設定するのが好ましい。尚、上記の成形を、真
空チャンバー内で減圧条件下で行なうことによって、ボ
イドレスの成形を行なうことが容易になるものである。
【0015】上記のように成形に際して、金属箔2に通
電して発熱させることによって加熱を行なうために、金
属箔2を熱源として各組み合わせ材4のプリプレグ1を
直接加熱することができ、多段に積み重ねた各組み合わ
せ材4のプリプレグ1を均一に加熱することができるも
のであり、金属箔張り積層板を品質のばらつきなく成形
することができるものである。また、プリプレグ1は含
浸したエポキシ樹脂の130℃での溶融粘度が1500
〜50000ポイズであるために、成形時の樹脂の流れ
が最適になり、板厚のバラツキや製品端部のカスレ、ミ
ーズリング等の成形不良の問題なく金属箔張り積層板を
成形することができるものである。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (エポキシ樹脂ワニスの調製)ブロム化エポキシ樹脂
(東都化成社製「YDB500K EK80」)90.
0重量部、ノボラック型エポキシ樹脂(東都化成社製
「YDCN220 EK75」)10.0重量部、ジシ
アンジアミド(日本カーバイド社製「DICY」)2.
0重量部、ジメチルホルムアミド10.0重量部、2−
エチル−4メチルイミダゾール(四国化成社製「2E4
MZ」)0.2重量部の配合物をメチルエチルケトンに
溶解させ、60重量%濃度のエポキシ樹脂ワニスを調製
した。
【0017】(実施例1)日東紡績社製WEA116E
タイプのガラス布基材に上記エポキシ樹脂ワニスを樹脂
含量が50〜52重量%になるように含浸し、温度17
0℃の乾燥機で150秒間乾燥することによって、厚み
が0.10mm、130℃での溶融粘度が1500ポイ
ズのプリプレグ1を得た。
【0018】次に、厚み1.10mmのエポキシ樹脂積
層板の両面にそれぞれ厚み70μmの銅箔で内層回路3
aを設けて作製した内層回路板3の両側に、このプリプ
レグ1をそれぞれ2枚ずつ重ね、これを厚み18μmの
銅箔で形成した2枚の長尺金属箔2の間に挟み込み、図
3(a)のような積層構成の組み合わせ材4を作るよう
にした。そして金属箔2を折曲して組み合わせ材4を鏡
面板5を介して多段に積載し、これを図2のように加圧
プレート6の間にセットすると共に金属箔2に電源7を
接続した。
【0019】この後、加圧プレート6によって10kg
/cm2 の一定圧力条件で加圧しながら、金属箔2に通
電して発熱させることによって、60分間、加熱加圧成
形し、厚み1.6mm、サイズ340mm×510mm
の多層銅張り積層板を製造した。ここで金属箔2への通
電は、金属箔2の発熱温度が、20〜80℃の範囲が5
℃/minの昇温速度になり、80℃〜180℃の範囲
が3℃/minの昇温速度になり、180℃を約10分
間保持するように制御して行なった。
【0020】(実施例2)日東紡績社製WEA116E
タイプのガラス布基材に上記エポキシ樹脂ワニスを樹脂
含量が50〜52重量%になるように含浸し、温度17
0℃の乾燥機で170秒間乾燥することによって、厚み
が0.10mm、130℃での溶融粘度が4000ポイ
ズのプリプレグ1を得た。このプリプレグ1を用い、後
は実施例1と同様に積載・成形して、厚み1.6mm、
サイズ340mm×510mmの多層銅張り積層板を製
造した。
【0021】(実施例3)日東紡績社製WEA116E
タイプのガラス布基材に上記エポキシ樹脂ワニスを樹脂
含量が50〜52重量%になるように含浸し、温度17
0℃の乾燥機で190秒間乾燥することによって、厚み
が0.10mm、130℃での溶融粘度が10000ポ
イズのプリプレグ1を得た。このプリプレグ1を用い、
後は実施例1と同様に積載・成形して、厚み1.6m
m、サイズ340mm×510mmの多層銅張り積層板
を製造した。
【0022】(実施例4)日東紡績社製WEA116E
タイプのガラス布基材に上記エポキシ樹脂ワニスを樹脂
含量が50〜52重量%になるように含浸し、温度17
0℃の乾燥機で210秒間乾燥することによって、厚み
が0.10mm、130℃での溶融粘度が50000ポ
イズのプリプレグ1を得た。このプリプレグ1を用い、
後は実施例1と同様に積載・成形して、厚み1.6m
m、サイズ340mm×510mmの多層銅張り積層板
を製造した。
【0023】(実施例5)日東紡績社製WEA7628
タイプのガラス布基材に上記エポキシ樹脂ワニスを樹脂
含量が50〜52重量%になるように含浸し、温度17
0℃の乾燥機で180秒間乾燥することによって、厚み
が0.20mm、130℃での溶融粘度が7000ポイ
ズのプリプレグ1を得た。
【0024】そしてこのプリプレグ1を内層回路板3の
両面にそれぞれ1枚ずつ重ねて図3(b)のような積層
構成の組み合わせ材4を作るようにした他は、実施例1
と同様に積載・成形して、厚み1.6mm、サイズ34
0mm×510mmの多層銅張り積層板を製造した。 (比較例1)日東紡績社製WEA116Eタイプのガラ
ス布基材に上記エポキシ樹脂ワニスを樹脂含量が50〜
52重量%になるように含浸し、温度170℃の乾燥機
で130秒間乾燥することによって、厚みが0.10m
m、130℃での溶融粘度が500ポイズのプリプレグ
1を得た。このプリプレグ1を用い、後は実施例1と同
様に積載・成形して、厚み1.6mm、サイズ340m
m×510mmの多層銅張り積層板を製造した。
【0025】(比較例2)日東紡績社製WEA116E
タイプのガラス布基材に上記エポキシ樹脂ワニスを樹脂
含量が50〜52重量%になるように含浸し、温度17
0℃の乾燥機で220秒間乾燥することによって、厚み
が0.10mm、130℃での溶融粘度が55000ポ
イズのプリプレグ1を得た。このプリプレグ1を用い、
後は実施例1と同様に積載・成形して、厚み1.6m
m、サイズ340mm×510mmの多層銅張り積層板
を製造した。
【0026】上記の実施例1〜5及び比較例1,2で製
造した銅張り積層板について、板厚の標準偏差を測定
し、エッチング後の外観を検査した。板厚の標準偏差の
測定は、銅張り積層板の両面の銅箔をエッチングしたサ
ンプル10枚について、縦横3箇所ずつ、計9箇所の板
厚をマイクロメーターで計測し、この計測結果に基づい
て標準偏差(σ)を求めることによって行なった。
【0027】またエッチング後の外観の検査は、サイズ
340mm×510mmの銅張り積層板の両面の銅箔を
エッチングした後、周囲の幅20cmの範囲の端部と、
この端部以外の中央部とについて、カスレ、ミーズリン
グの有無を確認することによって行ない、さらに内層回
路板3の内層回路3aの部分とプリプレグ1による絶縁
層との間のボイドの有無を確認することによって行なっ
た。
【0028】これらの結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1にみられるように、130℃での溶融
粘度が1500〜50000ポイズの範囲である各実施
例のものは、板厚偏差が小さく、エッチング後の外観も
ほぼ良好であることが確認され、特に130℃での溶融
粘度が4000〜10000ポイズの範囲のものが好ま
しいことが確認される。 (実施例6)日東紡績社製WEA7628タイプのガラ
ス布基材に上記エポキシ樹脂ワニスを樹脂含量が40〜
42重量%になるように含浸し、温度170℃の乾燥機
で160秒間乾燥することによって、厚みが0.20m
m、130℃での溶融粘度が7000ポイズのプリプレ
グ1を得た。
【0031】次に、このプリプレグ1を8枚重ね、これ
を厚み18μmの銅箔で形成した2枚の長尺金属箔2の
間に挟み込み、図3(c)のような積層構成の組み合わ
せ材4を作るようにした。そして金属箔2を折曲して組
み合わせ材4を鏡面板5を介して多段に積載し、これを
図1のように加圧プレート6の間にセットすると共に金
属箔2に電源7を接続した。
【0032】後は実施例1と同じ条件で加熱加圧成形し
て、厚み1.6mm、サイズ340mm×510mmの
両面銅張り積層板を製造した。 (実施例7)日東紡績社製WEA7628タイプのガラ
ス布基材に上記エポキシ樹脂ワニスを樹脂含量が40〜
42重量%になるように含浸し、温度170℃の乾燥機
で190秒間乾燥することによって、厚みが0.20m
m、130℃での溶融粘度が50000ポイズのプリプ
レグ1を得た。このプリプレグ1を用い、後は実施例6
と同様に積載・成形して、厚み1.6mm、サイズ34
0mm×510mmの多層銅張り積層板を製造した。
【0033】(比較例3)日東紡績社製WEA7628
タイプのガラス布基材に上記エポキシ樹脂ワニスを樹脂
含量が40〜42重量%になるように含浸し、温度17
0℃の乾燥機で120秒間乾燥することによって、厚み
が0.20mm、130℃での溶融粘度が500ポイズ
のプリプレグ1を得た。このプリプレグ1を用い、後は
実施例6と同様に積載・成形して、厚み1.6mm、サ
イズ340mm×510mmの多層銅張り積層板を製造
した。
【0034】上記の実施例6,7び比較例3で製造した
銅張り積層板について、板厚の標準偏差を測定し、エッ
チング後の外観を検査した。これらの結果を表2に示
す。
【0035】
【表2】
【0036】表2にみられるように、130℃での溶融
粘度が1500〜50000ポイズの範囲である各実施
例のものは、板厚偏差が小さく、エッチング後の外観も
良好であることが確認される。 (実施例8)上記実施例1と同様にして厚みが0.10
mm、130℃での溶融粘度が1500ポイズのプリプ
レグ1を得た。このプリプレグ1を用いて実施例1と同
じ図3(a)の積層構成で多段に積載し、図2のように
加圧プレート6の間にセットすると共に金属箔2に電源
7を接続した。そして加圧プレート6によって10kg
/cm2 の一定圧力条件で加圧しながら、金属箔2に通
電して発熱させることによって、60分間、加熱加圧成
形し、厚み1.6mm、サイズ340mm×510mm
の多層銅張り積層板を製造した。ここで金属箔2への通
電は、金属箔2の発熱温度が、20〜80℃の範囲が5
℃/minの昇温速度になり、80℃〜180℃の範囲
が6℃/minの昇温速度になり、180℃を約25分
間保持するように制御して行なった。また上記の成形
は、真空チャンバー内において100トール以下に減圧
した条件下でおこなった。
【0037】(実施例9)上記実施例2と同様にして厚
みが0.10mm、130℃での溶融粘度が4000ポ
イズのプリプレグ1を得た。このプリプレグ1を用い、
後は実施例8と同様に積載・成形して、厚み1.6m
m、サイズ340mm×510mmの多層銅張り積層板
を製造した。
【0038】(実施例10)上記実施例3と同様にして
厚みが0.10mm、130℃での溶融粘度が1000
0ポイズのプリプレグ1を得た。このプリプレグ1を用
い、後は実施例8と同様に積載・成形して、厚み1.6
mm、サイズ340mm×510mmの多層銅張り積層
板を製造した。
【0039】(実施例11)上記実施例4と同様にして
厚みが0.10mm、130℃での溶融粘度が5000
0ポイズのプリプレグ1を得た。このプリプレグ1を用
い、後は実施例8と同様に積載・成形して、厚み1.6
mm、サイズ340mm×510mmの多層銅張り積層
板を製造した。
【0040】(比較例4)上記比較例1と同様にして厚
みが0.10mm、130℃での溶融粘度が500ポイ
ズのプリプレグ1を得た。このプリプレグ1を用い、後
は実施例8と同様に積載・成形して、厚み1.6mm、
サイズ340mm×510mmの多層銅張り積層板を製
造した。
【0041】上記の実施例8乃至11及び比較例4で製
造した銅張り積層板について、板厚の標準偏差を測定
し、エッチング後の外観を検査した。これらの結果を表
3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3にみられるように、130℃での溶融
粘度が1500〜50000ポイズの範囲である各実施
例のものは、板厚偏差が小さく、エッチング後の外観も
良好であることが確認される。また成形を減圧下で行な
うことによってボイドの発生を一層低減できるものであ
った。
【0044】
【発明の効果】上記のように本発明は、プリプレグに積
層される金属箔に通電して金属箔を発熱させることによ
って積層板を製造するにあたって、このプリプレグとし
て、ガラス布基材に含浸されたエポキシ樹脂の130℃
での溶融粘度が1500〜50000ポイズのものを使
用するようにしたので、成形時の樹脂の流れが最適にな
り、板厚のバラツキや製品端部のカスレ、ミーズリング
等の成形不良の問題なく、金属箔に通電して発熱させる
ことによって加熱を行なう工法で金属箔張り積層板を成
形することができるものである。
【0045】また本発明において、プリプレグとして、
ガラス布基材に含浸されたエポキシ樹脂の130℃での
溶融粘度が4000〜10000ポイズのものを使用す
ることによって、成形時の樹脂の流れが一層最適にな
り、金属箔張り積層板を一層良好に製造することができ
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略正面図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態の他例を示す概略正面図で
ある。
【図3】プリプレグや金属箔等の積層構成を示すもので
あり,(a)乃至(c)はそれぞれ概略正面図である。
【符号の説明】
1 プリプレグ 2 金属箔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−176836(JP,A) 特開 昭62−189155(JP,A) 特公 平7−102647(JP,B2) 特公 昭61−47000(JP,B2) 国際公開94/17975(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 H05K 1/03

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリプレグに積層される金属箔に通電し
    て金属箔を発熱させることによって積層板を製造するた
    めに使用されるプリプレグにおいて、ガラス布基材に含
    浸されたエポキシ樹脂の130℃での溶融粘度が150
    0〜50000ポイズであることを特徴とする金属箔張
    り積層板製造用プリプレグ。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂の130℃での溶融粘度が
    4000〜10000ポイズであることを特徴とする請
    求項1に記載の金属箔張り積層板製造用プリプレグ。
JP5201496A 1996-03-08 1996-03-08 金属箔張り積層板製造用プリプレグ Expired - Fee Related JP3145915B2 (ja)

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