JP2000065270A - ホース接合構造 - Google Patents

ホース接合構造

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JP2000065270A
JP2000065270A JP10237173A JP23717398A JP2000065270A JP 2000065270 A JP2000065270 A JP 2000065270A JP 10237173 A JP10237173 A JP 10237173A JP 23717398 A JP23717398 A JP 23717398A JP 2000065270 A JP2000065270 A JP 2000065270A
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Japan
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hose
flexible hose
reinforcing yarn
pipe
reinforcing
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JP10237173A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Mori
浩芳 森
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Joints That Cut Off Fluids, And Hose Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】大きなホース拡管率に耐えるホース接合構造を
提供する。 【構成】ホース拡管率を20%以上とすると共に、可撓
性ホースを引裂き強度25N/mm以上の材料で構成
し、かつ、可撓性ホースの肉厚の中間層に組込まれる補
強糸層の糸引抜き力を0.3N/mm以上に設計する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性ホースと、
そのホースに挿入された接合パイプとからなるホース接
合構造に関する。このようなホース接合構造は、例えば
自動車のエンジンルーム等の配管において多く採用され
ているものである。
【0002】
【従来の技術】ホース接合構造の従来技術としては、図
1に示すように、接合パイプ1にホース2を外挿し、該
ホース2の外側からクリップ3を用いて締付ける方式が
一般的である。
【0003】しかし、このような方式の接合構造ではク
リップ3に爪部4が存在するため、爪部4と他の搭載部
品との干渉に注意する必要がある点から自動組付けが困
難となり、手作業に依存せざるを得なくなるため、多大
な作業工数を要すると言う問題があった。しかも、搭載
部品が高密度化されたエンジンルームにおいては、突出
した爪部4が邪魔になると言う問題もあった。
【0004】そこで近年、クリップ不要のため自動挿入
が可能であり、高い引抜き強度とシール性を確保し得る
ホース接合構造として、外周に抜止め用突部を形成した
接合パイプにホースを拡径圧入する、と言う方式が注目
されている。そしてこの方式において、十分な引抜き強
度とシール性を実現するためは、いわゆるホース拡径率
を非常に大きく設定する必要がある。
【0005】例えば特開平9−159077号に開示さ
れた「ホース結合構造」の発明においては、図2に示す
ように、硬質材料からなり、その外周に所定断面形状の
鋭角のエッジを伴う突部5を持った分岐型パイプ6に、
補強糸層7を備えた可撓性ホース8が外挿されている。
その際の拡径率は、実施例によれば、40〜46%に達
している。
【0006】即ち、上記特開平9−159077号の発
明では、大きな拡径率を設定すると共に前記突部5に所
定断面形状の鋭角のエッジを形成することにより、パイ
プ6からのホース8の引抜き抵抗を大きくし、これを以
てホース結合構造における高い引抜き強度とシール性の
実現を図っているのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平9−159077号に示されるようなホース接合構
造であっても、補強糸層を備えた可撓性ホースに次の
,のような現象が生じる場合には、接合部分の引抜
き強度とシール性が却って悪化する恐れがある。
【0008】可撓性ホースが接合パイプに圧入される
部位はホース拡径率が大きな設定となっているため、ホ
ースの構成材料と補強糸とが糸ズレ(糸抜け)もしくは
剥離を起こし、ホース拡張の応力を補強糸層で受止める
ことができなくなる。その結果、接合パイプへの緊迫力
が著しく低下し、高い引抜き強度とシール性を確保でき
なくなる。
【0009】接合パイプの突部における鋭角のエッジ
が可撓性ホースの内面に強く圧接されるため、実使用環
境下での振動及び外的な衝撃等により可撓性ホースにお
けるエッジとの接触部が傷付き、この傷口が内部流体漏
れの原因となる。
【0010】そこで本発明は、ホース接合構造に非常に
大きな拡径率を設定した場合に起こり得る上記のような
不具合の有効な対策を、主として補強糸層を備えた可撓
性ホースに施すことを、解決すべき課題とする。
【0011】本願発明者は、上記の不具合に対して、可
撓性ホースの引裂き強度を向上させること、及びその補
強糸層の糸引抜力を向上させることが有効である点に想
到した。そして、20%以上あるいは30〜50%と言
った非常に大きなホース拡径率を設定した場合に必要と
される引裂き強度値と糸引抜力値とを実験的に究明し、
更にこれらの引裂き強度値や糸引抜力値を実現するため
の具体的構成も検討して、本願発明を完成した。
【0012】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、外周にリング状の抜止め用突部を備え
た硬質材料からなる接合パイプが、肉厚の中間部に補強
糸層を持つ可撓性ホースに圧入されるホース接合構造で
あって、前記可撓性ホースの内径に対して前記接合パイ
プの圧入部の最大外径が20%以上の拡径率となるよう
に設定されると共に、前記可撓性ホースは引裂き強度が
25N/mm以上の材料を以て構成され、かつ、前記補
強糸層が0.3N/mm以上の糸引抜力を以て可撓性ホ
ース中に編込まれている、ホース接合構造である。
【0013】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明におけるホース拡径率が30%〜50%に
設定されている、ホース接合構造である。
【0014】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第1発明又は第2発明において、補強糸層が、スパ
イラル状又はブレード状に編組されたものであって、か
つ、予め接着剤に浸漬処理された補強糸で編組された補
強糸層、あるいは、前記浸漬処理された補強糸又は無処
理補強糸を編組時に接着剤を用いて接着処理してなる補
強糸層である、ホース接合構造である。
【0015】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明において、リング状の抜止め用
突部の軸方向断面形状が、先端側から後端側に向かって
緩角度で次第に隆起すると共に後端において鋭角をなし
て接合パイプ中心方向へ落ち込む略三角形の形状に形成
されている、ホース接合構造である。
【0016】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第4発明において、接合パイプにおける
圧入部の先端外径が、前記可撓性ホースの内径以上の径
に設定されている、ホース接合構造である。
【0017】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)第1発
明のホース接合構造は、ホース拡径率が20%以上に設
定されているので、接合パイプの外周にリング状の抜止
め用突部を備えていること、可撓性ホースがその肉厚の
中間部に補強糸層を持つこととも相まって、高い引抜き
強度とシール性が得られる。
【0018】又、可撓性ホースが引裂き強度25N/m
m以上の材料を以て構成されているので、上記の大きな
ホース拡径率に応じて接合パイプの抜止め用突部が可撓
性ホース内面に強く圧接されても、実使用環境下での振
動や外的衝撃等により可撓性ホースが傷付く恐れがな
く、その傷口からの内部流体漏れを回避できる。
【0019】更に、補強糸層が0.3N/mm以上の糸
引抜力を以て可撓性ホース中に編込まれているので、上
記の大きなホース拡径率の設定によって可撓性ホース全
体が拡径する方向に伸びても、ホースの構成材料と補強
糸層とが糸ズレ(糸抜け)もしくは剥離を起こさない。
その結果、ホース拡張の応力を補強糸層で充分に受止め
て接合パイプへの緊迫力を確保でき、ひいては高い引抜
き強度とシール性を確保できる。
【0020】(第2発明の作用・効果)第2発明におい
て、ホース拡径率を30%〜50%と極めて大きく設定
するので、とりわけ高い引抜き強度とシール性が得ら
れ、かつ前記第1発明の効果が確保される。
【0021】(第3発明の作用・効果)第3発明の手段
を用いて補強糸層を可撓性ホース中に編込んだ場合、補
強糸の糸引抜力値を0.3N/mm以上にできることは
勿論のこと、更に特に高い値とすることができるので、
とりわけホースの構成材料と補強糸層との糸ズレ(糸抜
け)もしくは剥離を起こし難い。
【0022】(第4発明の作用・効果)抜止め用突部が
第4発明のような略三角形の断面形状に形成されること
により、可撓性ホースに対する接合パイプの圧入が容易
となる反面、引抜き力が作用した場合には抜止め用突部
の後端の鋭角部がホース内周壁面に食い込んで強く抵抗
するため、特に高い引抜き強度とシール性が得られる。
【0023】(第5発明の作用・効果)図3(a)に示
すように、若し接合パイプ9aにおける圧入部の先端1
0aの外径が可撓性ホース11aの内径より小さい場
合、接合パイプ9aを可撓性ホース11aに圧入した状
態において、先端10aと可撓性ホース11aの内周部
との間に隙間12が形成され、接合部のシール圧力が低
下する。
【0024】これに対して第5発明においては、図3
(b)に示すように、接合パイプ9bにおける圧入部の
先端10bの外径が、可撓性ホース11bの内径以上で
あるため、接合パイプ9bを可撓性ホース11bに圧入
した状態において、可撓性ホース11bの内周部には先
端10bの挿入圧力に伴う膨出部13が形成され、先端
10bと可撓性ホース11bの内周部とは緊密に圧接さ
れる。従って、接合部のシール圧力が著しく高くなる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第5発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは、第1発明〜第5発明を一括して指してい
る。
【0026】〔ホース接合構造〕本発明のホース接合構
造は、どのような分野に用いても構わないが、その一つ
の代表的な例として、自動車のエンジンルームにおける
ラジエータ・ヒータ配管等に使用される分岐型あるいは
非分岐型のパイプを用いたホース接合構造に適用するこ
とができる。
【0027】〔接合パイプ〕硬質材料からなる接合パイ
プは、分岐型あるいは非分岐型であって、可撓性ホース
に対する圧入部分の外周にリング状の抜止め用突部を備
えたものである。接合パイプを構成する硬質材料の種類
は限定されないが、例えば、ガラス繊維で強化され、あ
るいは強化されていないナイロン6やナイロン6,6等
の脂肪族ポリアミド樹脂、あるいは芳香族ポリアミド樹
脂を用いることができる。
【0028】接合パイプに設ける抜止め用突部は、接合
パイプの本体部分と一体にリング状に成形されたもので
あり、その突出高さはホース拡径率の設定等に応じて任
意に決められる。
【0029】抜止め用突部の突出形状の限定はないが、
その軸方向沿いの断面形状が先端側から後端側に向かっ
て緩角度で次第に隆起する形状(突部全体として後端側
に向かって拡径する円錐台形状)であるものが好まし
く、更に、抜止め用突部の後端において鋭角をなして接
合パイプ中心方向へ落ち込む、略三角形の断面形状に形
成されているものが特に好ましい。ここに「鋭角」と
は、略直角又はこれよりも鋭い角度を言う。これらの断
面形状の場合、可撓性ホースに対して接合パイプを圧入
し易く、しかも抜け難い。リング状の抜止め用突部は、
接合パイプの圧入部分に1ケ所又は2ケ所以上設けるこ
とができる。
【0030】接合パイプにおける圧入部の先端の外径
は、可撓性ホースの内径と同一、更に好ましくは可撓性
ホースの内径よりやや大きく設定される。その具体的な
外径は、可撓性ホースの内径や柔軟さの度合い、要求さ
れる接合部シール強度等に応じて変わるために一律に規
定することはできないが、一例として、接合パイプの圧
入部先端外径が可撓性ホース内径の1.03倍〜1.2
0倍である場合、あるいは接合パイプの圧入部先端外径
が可撓性ホース内径より0.5mm〜2mm大きい場合
を挙げることができる。
【0031】〔可撓性ホース〕可撓性ホースはゴム等の
可撓性材料からなり、その肉厚の中間部に後述の補強糸
層を備える。可撓性ホースは、ラジエータ・ヒータ配管
に使用される場合としては、全体があるいは少なくとも
その内表層部がEPDMからなるものが、耐熱性、耐不
凍液性と言う点から好ましい。
【0032】又、可撓性ホースの構成材料は、その引裂
き強度が25N/mm以上、特に好ましくは35N/m
m以上とされる。可撓性ホースをこのような引裂き強度
に調製する手段は任意であって、例えば補強性に乏しい
炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の白色充填剤を
少量添加にとどめると共に補強性に優れたカーボンブラ
ックを主な補強剤として添加すること、架橋剤の種類や
添加量を最適に選定すること等の手段を単独にあるいは
組合わせて用いることができる。
【0033】〔補強糸層〕可撓性ホースの肉厚の中間部
には、0.3N/mm以上、より好ましくは0.5N/
mm以上の糸引抜力を以て、補強糸層がスパイラル状又
はブレード状に編込まれている。このような糸引抜力を
確保するための補強糸層の構成としては、予め任意の適
宜な接着剤に浸漬処理された補強糸で編組された補強糸
層、あるいは、上記の浸漬処理糸又は無処理糸を編組時
に接着剤を用いて接着処理してなる補強糸層が好まし
い。
【0034】〔ホース拡径率〕ホース拡径率(%)は、
パイプの圧入部分の最大外径(抜止め用突部の頂部の外
径)をA、ホースの内径をBとした場合に、〔(A/
B)−1〕×100の式で与えられる。
【0035】本発明のホース接合構造において、ホース
拡径率は20%以上に設定される。特に大きなホース拡
径率として、30%〜50%に設定されても良い。本発
明においては、このように大きなホース拡径率に設定し
ても、可撓性ホースの構成材料と補強糸層との糸ズレや
剥離、あるいはパイプの抜止め用突部によるホースの損
傷が起こらず、高いシール性が確保されると共に、大き
なホース拡径率設定に基づく引抜き強度の著しい向上を
実現できる。
【0036】
【実施例】(ホース接合構造の構成例)一部を断面状態
で示す図4において、ガラス繊維強化ナイロン6,6を
構成材料として一体成形された接合パイプ本体9は、ホ
ースに対する圧入部分である同径又は異径の3本の接合
パイプ管10を分岐状に備えている。これらの接合パイ
プ管10の外周において、それぞれ2ケ所に形成された
リング状の抜止め用突部11は、接合パイプ管10の先
端側から後端側に向かって緩角度で次第に隆起すると共
に、後端において90°よりやや鋭角のエッジをなして
接合パイプ管10中心方向へ落ち込む、略三角形の断面
形状に形成されている。
【0037】接合パイプ管10が圧入される可撓性ホー
ス14は、引裂き強度が25N/mm以上に調製された
EPDMからなり、かつ、ホース14の肉厚の中間層に
は、 ナイロン6,6繊維を編組してなるスパイラル状に
巻回された補強糸層15が編入され、補強糸層15にお
ける補強糸の糸引抜き力は0.3N/mm以上に設計さ
れている。
【0038】本実施例においてホース拡径率は20%以
上に設定され、又、接続パイプ管10先端の外径は可撓
性ホース14の内径よりやや大きく設定されている。
【0039】(ホース接合構造の評価)末尾の表1に示
す実施例1〜実施例7、及び末尾の表2に示す比較例1
〜比較例5に係るホース接合構造を試作し、所定の評価
を行った。各試作例におけるホース接合構造の具体的構
成は次の通りである。
【0040】各試作例に係る可撓性ホースはいずれも、
肉厚の中間部に補強糸層を持つ内径16mm、肉厚4m
mのものとし、その大半は引裂き強度35N/mmに調
製したEPDMを構成材料としたが、実施例7において
はケイ酸マグネシウムを所定量添加することにより構成
材料の引裂き強度を25N/mmに調製し、比較例3に
おいてはケイ酸マグネシウムを実施例7よりも増量添加
することにより構成材料の引裂き強度を20N/mmに
調製した。
【0041】上記引裂き強度は、各試作例に係る可撓性
ホースと同一の加硫条件にて作製した厚さ2mmのゴム
シートを用い、JIS K 6301.9(B形試験
片)に準じて測定し、確認したものである。
【0042】各試作例に係る補強糸層の大半は、予め接
着剤で浸漬処理された補強糸を用いると共に編組時にも
更に接着剤を用いてゴム層と加硫接着することにより糸
引抜力を0.5N/mmに設定したが、実施例5では上
記の接着剤で浸漬処理された補強糸を用いるも編組時の
上記接着剤使用を無くすることにより糸引抜力を0.3
N/mmとし、比較例5では予め接着剤で浸漬処理して
いない補強糸を用いると共に編組時にも上記接着剤使用
を無くすることにより糸引抜力を0.2N/mmとし
た。
【0043】上記糸引抜力は、各試作例に係る可撓性ホ
ースの端部より10mmの部位において10mm角の面
積だけホースの外管ゴム層を取除き、そこに露出した補
強糸層の補強糸の1本に小フックを引掛けて引張り、そ
の糸を引抜くのに要した力と、引抜かれた補強糸の有効
長さ(ゴム材料と接していた補強糸の長さ)より、補強
糸の単位長さ当たりの糸引抜力を算出したものである。
【0044】各試作例に係る接合パイプは、いずれもP
A66−GF30(ガラス繊維を30重量%加えたナイ
ロン6,6)を用い、外周には前記図4に示したリング
状の抜止め用突部を備えた形状に成形したが、それらの
接合パイプにおける圧入部最大外径(抜止め用突部の外
径)と圧入部先端外径とは、表1及び表2のようにそれ
ぞれ異なる寸法とした。その結果、各試作例に係るホー
ス接合構造の拡径率はそれぞれ表1及び表2に示すパー
センテージとなっており、又、大半の試作例において可
撓性ホースの内径に対し圧入部先端外径が大であるが、
実施例6では同一、比較例4では小となっている。
【0045】各試作例におけるホース接合構造の具体的
な評価項目は、初期評価と落錘衝撃後評価とに分けて行
った。初期評価の内容は次の通りである。
【0046】各試作例に係る可撓性ホースに対して当該
試作例に係る接合パイプを圧入し、接合部のシール圧力
(MPa)を測定した。次いで可撓性ホースを引抜き、
その際の引抜き荷重(N)を常法により測定した。更
に、上記の引抜いた可撓性ホースの外管ゴム層を切開
し、目視によりホース接合端部の補強糸状態(糸ズレの
有無)を観察した。これらの評価結果を表1及び表2に
示す。
【0047】次に、下記の内容で落錘衝撃後評価を行っ
た。即ち、各試作例に係る可撓性ホースに当該試作例に
係る接合パイプを圧入した状態で床面に設置し、床面よ
り1000mmの高さ位置から組付け部(ホースへの接
合パイプの圧入部)を目掛けて質量100gの鉄球を落
下させると言う条件で落錘衝撃を与えた。そして、エッ
ジ接触部(接合パイプの鋭角状エッジが接触していた部
分)におけるホースの内表面状態を目視観察し、亀裂の
有無を確認した。又、落錘衝撃後において、初期評価の
場合と同様に、可撓性ホースの引抜き荷重(N)と、接
合部のシール圧力(MPa)を測定した。これらの評価
結果を表1及び表2に示す。なお、初期評価において糸
ズレを発生していた比較例2,5については、落錘衝撃
後評価は不要と考えて省略した。
【0048】以上の評価に関して、実施例1〜実施例4
においては特に良好な評価結果が得られ、とりわけホー
ス拡径率が30〜50%である実施例2〜実施例4が初
期評価、落錘衝撃後評価共に特に優れた結果を示した。
【0049】可撓性ホースの糸引抜力を0.3N/mm
に設定した実施例5及び可撓性ホースの内径と接合パイ
プの圧入部先端外径を同径とした実施例6も、概ね良好
な評価結果を得たが、同様にホース拡径率を40%に設
定した実施例3に比較すると、ホース引抜き荷重と接合
部シール圧力がやや見劣りした。
【0050】ホース拡径率が不足すると考えられる比較
例1では、ホース引抜き荷重と接合部シール圧力が明ら
かに不満足であり、逆にホース拡径率が過大であると考
えられる比較例2でも、恐らく糸ズレの発生に起因し
て、やはりホース引抜き荷重と接合部シール圧力が不足
していた。
【0051】可撓性ホースの構成材料の引裂き強度に関
しては、これを35N/mmに調製した実施例1〜実施
例6については問題を認めなかった。しかし、25N/
mmに調製した実施例7については、落錘衝撃によるホ
ースの亀裂発生を認めないものの、落錘衝撃後評価にお
いてホース引抜き荷重と接合部シール圧力がある程度低
減した。20N/mmに調製した比較例3については、
初期のホース引抜き荷重と接合部シール圧力がある程度
満足できるものの、落錘衝撃後評価において著しく不満
足な結果を得た。
【0052】可撓性ホースの内径を接合パイプの圧入部
先端外径より大きく設定した比較例4は、ホース引抜き
荷重と接合部シール圧力のいずれにおいても非常に劣
り、補強糸の糸引抜力を0.2N/mmとした比較例5
も、恐らく糸ズレの発生に起因して、やはりホース引抜
き荷重と接合部シール圧力のいずれにおいても非常に劣
った。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に係るホース接合構造を示す図であ
る。
【図2】従来技術に係るホース接合構造を示す図であ
る。
【図3】第5発明の作用を説明する図である。
【図4】本発明に係るホース接合構造の構成例を示す図
である。
【符号の説明】
9 パイプ本体 10 パイプ管 11 抜止め用突部 12 表皮層 14 ホース 15 補強糸層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周にリング状の抜止め用突部を備えた硬
    質材料からなる接合パイプが、肉厚の中間部に補強糸層
    を持つ可撓性ホースに圧入されるホース接合構造であっ
    て、 前記可撓性ホースの内径に対して前記接合パイプの圧入
    部の最大外径が20%以上の拡径率となるように設定さ
    れると共に、前記可撓性ホースは引裂き強度が25N/
    mm以上の材料を以て構成され、かつ、前記補強糸層が
    0.3N/mm以上の糸引抜力を以て可撓性ホース中に
    編込まれていることを特徴とするホース接合構造。
  2. 【請求項2】前記ホース拡径率が30%〜50%に設定
    されていることを特徴とする請求項1に記載のホース接
    合構造。
  3. 【請求項3】前記補強糸層が、スパイラル状又はブレー
    ド状に編組されたものであって、かつ、予め接着剤に浸
    漬処理された補強糸で編組された補強糸層、あるいは、
    前記浸漬処理された補強糸又は無処理補強糸を編組時に
    接着剤を用いて接着処理してなる補強糸層であることを
    特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のホ
    ース接合構造。
  4. 【請求項4】前記リング状の抜止め用突部の軸方向断面
    形状が、先端側から後端側に向かって緩角度で次第に隆
    起すると共に後端において鋭角をなして接合パイプ中心
    方向へ落ち込む略三角形の形状に形成されていることを
    特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のホー
    ス接合構造。
  5. 【請求項5】前記接合パイプにおける圧入部の先端外径
    が、前記可撓性ホースの内径以上の径に設定されている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載
    のホース接合構造。
JP10237173A 1998-08-24 1998-08-24 ホース接合構造 Pending JP2000065270A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20100056033A1 (en) * 2008-08-29 2010-03-04 Miklosko Michael A Magnetic tailpipe exhaust nozzle device

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