JP2000064730A - 引戸装置およびその組立方法 - Google Patents

引戸装置およびその組立方法

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JP2000064730A
JP2000064730A JP10241401A JP24140198A JP2000064730A JP 2000064730 A JP2000064730 A JP 2000064730A JP 10241401 A JP10241401 A JP 10241401A JP 24140198 A JP24140198 A JP 24140198A JP 2000064730 A JP2000064730 A JP 2000064730A
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勝 大井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 閉じ側の移動限に達した引戸と開口部の縁部
を形成する縁部形成部材とに引戸移動方向長さの重複部
分があっても、引戸を容易、確実に引戸移動経路内に組
み込むことができる引戸装置およびその組立方法を提供
すること。 【解決手段】 開口部2の戸尻側縁部を形成する竪額縁
6の額縁部材6A,6Bにおける引戸3と対面する内面
部に引戸3の厚さ方向外側へ窪んだ窪み部35を形成
し、引戸3を引戸移動経路内に組み込むとき、引戸3の
姿勢を斜めにしてその端部を窪み部35に角度をもって
入れ、この後、引戸の姿勢を所定の向きにできるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物等に設置され
る引戸装置、およびその引戸を組み立てるための方法に
係り、例えば、上吊り式の引戸、上下レールに案内され
て移動する引戸等に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】図14は従来の引戸装置101を示し、図
15は図14のXV−XV線断面図である。図14に示す通
り、建物の壁に形成された出入り口用の開口部102に
は図中左右方向に移動可能となった引戸103が配置さ
れ、この引戸103が右移動して戸袋104内に収納さ
れることにより開口部102は開かれる。この引戸装置
101は、上枠105の内部に配置されているレールか
ら引戸103が吊り下げられた上吊り式であり、引戸1
03の上部に取り付けられて上枠105内に配置されて
いるローラがレール上を転動することにより、引戸10
3は直線移動して開口部102を開閉し、開口部102
が引戸103で閉じられたとき、引戸103の戸尻部1
03Aは戸袋104内にあり、したがって引戸103と
戸袋104には、引戸103の移動方向長さBの重複部
分がある。
【0003】上枠105の側面には上枠105の内部構
造等を点検できるようにするための点検口106(図1
5を参照)が設けられ、上枠105の全長に亘るこの点
検口106は、通常時、点検カバー107で塞がれ、こ
の点検カバー107は着脱自在である。すなわち、図1
5で示すように、上枠105には、上枠105の外側へ
水平に延びる水平延出部105Aの先端から上向きに立
ち上がった上向き突片105Bが設けられ、点検カバー
107の上辺には、上枠105の内側へ斜め下向きに延
出した傾斜突片107Aが形成され、この傾斜突片10
7Aを上向き突片105Bに係止し、図14で示すロー
レット摘みねじ等による左右の止め具108を点検カバ
ー107に通して上枠105にねじ込むことにより、点
検カバー107は上枠105に取り付けられる。
【0004】以上の従来の引戸装置101において、建
物に設置された引戸装置101の上枠105内のレール
に引戸103を吊り込むときや、修理、交換した引戸1
03を吊り込むときには、点検カバー108を取り外す
とともに、引戸103との間で引戸移動方向長さBの重
複部分を有している戸袋104の外面形成用の面材を取
り外し、この後、引戸103の上部のローラを上枠10
5内のレールに係合させることにより、引戸103を所
定の引戸移動経路内に配置し、そして戸袋104の面材
の取り付けおよび点検カバー107の取り付けを行い、
これにより、引戸装置全体を図14の組立状態とするこ
とが行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、各種の建物に
設置される引戸装置のなかには、外観を良好にするため
に戸袋を外部に露出させず、戸袋を外装材である壁材で
覆うことにより戸袋を壁の内部に配置することが求めら
れるものがある。このような引戸装置では、引戸との間
で引戸移動方向長さBの重複部分を有する戸袋が壁の内
部に配置され、戸袋の外面を形成する面材の取り外しは
できなくなること、また、戸袋の上部も壁材で覆われ、
点検カバーの長さは図14の点検カバー104の略半分
とされて開口部102の上部のみに点検カバーが設けら
れることから、引戸103を開口部102の引戸移動経
路内に組み込むための上述した引戸の吊り込み作業を行
うことは不可能になる。
【0006】このような問題は、戸袋を壁の内部に配置
せず、戸袋を外部に露出させた場合であって、戸袋の外
面を形成する面材を溶接等で取り外し不能に取り付けた
ときにも生じ、また、戸袋の外面を形成する面材がビス
等で取り外し可能に取り付けられていても、引戸の吊り
込み作業のために大面積を有する面材を取り外しを行わ
なければならないことは、多くの手間と時間がかかるこ
とになり、作業効率上好ましくないため、このような問
題を解決することも求められる。
【0007】また、以上と同様な問題は、上吊り式の引
戸装置だけではなく、引戸が上下レールに案内されて移
動する引戸装置等についても生じ、各種タイプの引戸装
置に生ずる上述の問題を解決できる技術上の工夫が望ま
れる。
【0008】本発明の目的は、引戸を所定の移動経路内
に簡単、確実に組み込むことができるようになる引戸装
置、およびその組立方法を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る引戸装置
は、引戸と、この引戸で開閉される開口部における引戸
移動方向に対して角度をなす縁部を形成し、引戸外側部
分に配置されているとともに、閉じ側の移動限に達した
引戸との引戸移動方向長さの重複部分を有する縁部形成
部材とを含んで構成される引戸装置であって、引戸と対
面する縁部形成部材の内面部に、この引戸の厚さ方向外
側へ窪んだ窪み部が形成されていることを特徴とするも
のである。
【0010】この引戸装置によると、縁部形成部材に
は、閉じ側の移動限に達した引戸と対面する内面部に引
戸の厚さ方向外側へ窪んだ窪み部が形成されているた
め、閉じ側の移動限に達した引戸と縁部形成部材とに引
戸移動方向長さの重複部分があっても、初めに引戸の姿
勢を引戸移動経路に対して斜めとすることにより、引戸
の端部をこの窪み部に傾斜角度をもって入れることがで
き、この後、引戸の姿勢を引戸移動経路と同じ向きに変
えることにより、引戸を引戸移動経路内に所定通り組み
込むことができる。
【0011】以上の引戸装置における縁部形成部材は、
額縁部材等のように、棒状の形状を有するものでもよ
く、また、戸袋の外面を形成する面材のように、大きい
面積を有するものでもよい。
【0012】また、縁部形成部材の内面部に形成される
窪み部は、引戸の姿勢を引戸移動経路に対して斜めとし
たときに、引戸の端部をこの窪み部に傾斜角度をもって
入れることができるものであれば、開口部側の端部が塞
がれたものでもよく、開口部側の端部が塞がれておら
ず、この端部が開口部と窪み部とを連通させる連通部に
なっているものでもよい。
【0013】また、例えば、板金の折り曲げ加工や押し
出し成形等で得る縁部形成部材の成形加工等の都合上か
ら、窪み部の開口部側の端部を塞ぐことができず、この
端部を上記連通部としたときには、この連通部に開口部
と窪み部との間を遮断する遮断部材を配置することが好
ましい。
【0014】このような遮断部材を設けると、引戸の操
作者等が誤って手等を窪み部に入れてしまうのを防止で
き、また、開口部側から見たときに窪み部を隠すことが
できるため、外観を良好にできる。
【0015】また、遮断部材は金属、プラスチック、木
材等の硬質材料で形成してもよいが、撓曲自在な弾性材
料で形成することがより好ましい。遮断部材を弾性材料
製とすると、遮断部材と引戸との間の小さな隙間に手、
指等が誤って入っても、損傷するのを有効に防止でき
る。このような効果を期待できる弾性材料は、例えば、
ゴムや軟質合成樹脂である。また、遮断部材を弾性材料
と硬質材料との複合材料製とし、これにより少なくとも
弾性材料の部分が撓曲性を有するものとしてもよく、本
発明はこのような遮断部材とした場合をも含む。
【0016】以上の遮断部材は縁部形成部材に取り外し
不能に取り付けてもよく、取り外し可能に取り付けても
よい。
【0017】遮断部材を縁部形成部材に対して取り外し
可能にした場合には、上述のように、引戸の姿勢を引戸
移動経路に対し斜めにして引戸の端部をこの窪み部に傾
斜角度をもって入れるとき、引戸の厚さ寸法や窪み部の
大きさ等の関係からこの作業を行うことが難しい場合、
遮断部材を縁部形成部材から取り外すことにより窪み部
は開口部と連通することになるため、引戸の端部を窪み
部に傾斜角度をもって入れる作業を確実に行えることに
なる。
【0018】また、本発明に係る引戸装置は、引戸と、
この引戸で開閉される開口部における引戸移動方向に対
して角度をなす縁部を形成し、引戸外側部分に配置され
ているとともに、閉じ側の移動限に達した引戸との引戸
移動方向長さの重複部分を有する棒状の縁部形成部材と
を含んで構成される引戸装置であって、縁部形成部材が
この縁部形成部材を支持する部材に取り外し自在に取り
付けられていることを特徴とするものである。
【0019】この引戸装置によると、閉じ側の移動限に
達した引戸と縁部形成部材とに引戸移動方向長さの重複
部分があっても、縁部形成部材をこれを支持する部材か
ら取り外すことにより、引戸をそのまま引戸移動経路内
に組み込むことができるようになり、この後、縁部形成
部材をこれを支持する部材に取り付ける作業を行えばよ
くなる。
【0020】また、縁部形成部材は棒状の部材であるた
め、引戸を引戸移動経路に組み込むために従来行ってい
た戸袋の外面形成用の大面積の面材よりも、取り外し、
取り付け作業を容易に行えるようになる。
【0021】この引戸装置において、縁部形成部材にお
ける引戸と対面する内面部には、前記引戸装置と同様な
窪み部を設けてもよく、設けなくてもよい。
【0022】窪み部を縁部形成部材に設けた場合には、
引戸の姿勢を引戸移動経路に対し斜めにして窪み部を使
用する上述の引戸組み込み作業と、縁部形成部材をこれ
を支持する部材から取り外して行う引戸組み込み作業と
の両方を実施できるようになり、これらのうちから引戸
装置の設置場所等に基づいてより適切に行える作業を選
択することが可能になる。
【0023】また、このように縁部形成部材に窪み部を
設けた場合には前記引戸装置と同じく、窪み部は開口部
側の端部が塞がれたものでもよく、開口部側の端部が塞
がれておらず、この端部が開口部と窪み部とを連通させ
る連通部になっているものでもよい。そして、この連通
部には開口部と窪み部との間を遮断する遮断部材を配置
してもよい。
【0024】以上のそれぞれの引戸装置において、縁部
形成部材は開口部の戸尻側の縁部を形成するものでもよ
く、開口部の戸先側の縁部を形成するものでもよく、そ
の両方を形成するものでもよい。
【0025】また、縁部形成部材の引戸と対面する内面
部に窪み部を設けた引戸装置において、この縁部形成部
材を開口部の戸尻側の縁部を形成するものとした場合、
引戸移動経路の両側に配置される縁部形成部材の両方に
窪み部を設けてもよく、一方の縁部形成部材のみに窪み
部を設けてもよい。また、縁部形成部材を開口部の戸先
側の縁部を形成するものとした場合には、この縁部形成
部材を引戸移動経路の両側に二分割された2個の部材の
組み合わせからなるものとし、これらの部材の両方に窪
み部を形成してもよく、一方の部材のみに窪み部を形成
してもよい。そして、開口部の戸先側縁部を形成してい
るこの縁部形成部材を1個の部材からなるものとした場
合には、引戸の戸先と向かい合う中心部に引戸の厚さ方
向外側へ窪んだ窪み部を設けるようにしてもよい。
【0026】さらに、縁部形成部材をこれを支持する部
材に取り外し自在に取り付けた引戸装置において、この
引戸装置に引戸が収納される戸袋を設けてもよく、この
ような戸袋を設けた場合には、縁部形成部材を戸袋の戸
先側端部に取り付けてもよい。そしてこの場合には、引
戸移動経路の両側に配置される縁部形成部材の両方を戸
袋の戸先側端部に取り外し自在に取り付けてもよく、一
方の縁部形成部材のみを戸袋の戸先側端部に取り外し自
在に取り付けてもよい。
【0027】また、縁部形成部材を開口部の戸先側の縁
部を形成するものとした場合には、この縁部形成部材を
引戸移動経路の両側に二分割された2個の部材の組み合
わせからなるものとし、これらの部材の両方を取り外し
自在としてもよく、一方の部材のみを取り外し自在とし
てもよい。
【0028】また、上述したそれぞれの引戸装置におい
て、戸袋は壁材等の外装材で覆ってもよく、このような
外装材を使用せず、戸袋を外部に露出させてもよい。
【0029】なお、ここでいう戸袋とは、開口部を開放
した引戸の両面と背面を覆うものでもよく、あるいは、
開口部を開放した引戸が壁等の側部に入ることにより、
この壁等が戸袋となり、これにより引戸の一方の片面だ
けまたはこの片面と背面だけが覆われ、他方の片面が露
出するものでもよい。ここでいう壁等とは、例えば、壁
を含めた建物躯体やパネルを含めた建材等である。
【0030】このように戸袋が引戸の一方の片面だけま
たはこの片面と背面だけを覆う壁等で形成される場合に
は、引戸とは反対側の壁等の表面だけを前記外装材で覆
うようにしてもよく、この表面と、引戸と同じ側の裏面
との両方を外装材で覆うようにしてもよく、この裏面だ
けを外装材で覆うようにしてもよい。
【0031】また、上述したそれぞれの引戸装置は、引
戸が開口部の上縁を形成する上枠の内部のレールから吊
り下げられた上吊り式の引戸装置でもよく、引戸が上下
レールに案内されて移動する引戸装置でもよく、また、
引戸で開閉される開口部が壁等の垂直面に形成されてい
るのではなく、床や天井面等の水平面あるいは傾斜面に
形成され、引戸が互いに対向する2本のレールに案内さ
れて移動する引戸装置でもよい。
【0032】引戸装置が上吊り式の場合には、上枠の側
面には着脱自在な点検カバーで開閉される点検口を設け
るとともに、上枠の側面には、下向きに延びる下向き延
出部の下端から上枠の外側へ斜め上向きに起立した傾斜
突片を形成し、点検カバーには、上枠の内側へ水平に延
びる水平延出部の先端から下向きに垂下された下向き突
片を形成し、この下向き突片を上枠の下向き延出部に面
接触させてこの下向き延出部と傾斜突片との間に挿入さ
せることにより、点検カバーを上枠に取り付けて前記点
検口を塞ぐようにすることが好ましい。
【0033】このようにすると、点検カバーの下向き突
片が上枠の下向き延出部に面接触しているため、点検カ
バーを上枠に止める止め具を取り外しても、点検カバー
が上枠の傾斜突片部分を中心に回動するのを有効に防止
でき、この結果、点検カバーが上枠から脱落するのをな
くすことができる。
【0034】この上吊り式引戸装置において、上枠の傾
斜突片にはゴムや合成樹脂、木片等によるキャップ部材
を被冠させておくことが好ましい。
【0035】このようにしておくと、たとえ上枠と点検
カバーを金属製としても、上枠の傾斜突片に点検カバー
の水平延出部やその周辺が直接接触することはなくなる
ため、金属同士が擦れるときに生ずる異音の発生を防止
できる。
【0036】また、上述のように点検カバーを上枠に取
り付ける構造は、戸袋が壁材等の外装材で覆われた引戸
装置や、戸袋が壁材等の外装材で覆われない引戸装置に
適用でき、また、点検カバーの長さが1枚の引戸で開閉
される開口部の幅寸法と同じまたは略同じとなった引戸
装置、さらには点検カバーの長さが1枚の引戸で開閉さ
れる開口部の幅寸法の倍と同じまたは倍と略同じになっ
た引戸装置にも適用できる。さらに、前記縁部形成部材
における引戸と対面する内面に前記窪み部を形成しない
ときにも、また、縁部形成部材をこれを支持する部材に
取り外し不能に取り付けたときにも、点検カバーを上枠
に取り付けるための上記構造は採用できる。
【0037】また、点検カバーの表面を外装材で覆って
もよく、覆わなくてもよい。外装材で覆った場合には、
点検カバーの取り付け、取り外し時等において点検カバ
ーに損傷が生ずるのを防止できるとともに、点検カバー
の外観性を良好にできる。
【0038】本発明に係る引戸装置の組立方法は、引戸
をその移動経路内に配置し、この後、引戸で開閉される
開口部における引戸移動方向に対して角度をなす縁部を
形成する棒状の縁部形成部材を、閉じ側の移動限に達し
た引戸との引戸移動方向長さの重複部分が生じる引戸外
側の位置に配置することを特徴とすることを特徴とする
ものである。
【0039】この引戸装置の組立方法によると、閉じ側
の移動限に達した引戸と縁部形成部材とに引戸移動方向
長さの重複部分があっても、引戸を引戸移動経路内に配
置した後、縁部形成部材を所定位置に配置するため、引
戸の組み込み作業を簡単、確実に行える。
【0040】この引戸装置の組立方法においても、上述
した引戸装置と同じく、縁部形成部材が開口部の戸尻側
の縁部を形成するものになっていてもよく、開口部の戸
先側の縁部を形成するものになっていてもよい。また、
前述したような戸袋を設けた場合には、戸袋を壁材等の
外装材で前述のように覆ってもよく、このような外装材
を使用せず、戸袋を外部に露出させてもよい。また、引
戸装置は、上吊り式の引戸装置でもよく、引戸が上下レ
ールに案内されて移動する引戸装置でもよく、また、引
戸で開閉される開口部が床や天井面等の水平面あるいは
傾斜面に形成され、引戸が互いに対向する2本のレール
に案内されて移動するようになっている引戸装置でもよ
い。
【0041】以上説明した本発明に係る引戸装置および
引戸装置の組立方法は、引戸の開閉動が手操作で行われ
る手動式引戸装置や、モータや油圧シリンダ等の駆動手
段で自動的に行われる自動式引戸装置、さらには、引戸
を開けるときは手操作で、閉じるときは例えば開けると
きに蓄圧したばね力を使用する半自動式(自閉式)引戸
装置にも適用できる。
【0042】また、開口部を開閉する引戸の移動経路は
直線的なものでもよく、湾曲等のように非直線的なもの
でもよい。
【0043】さらに、本発明は、1枚の引戸が設けられ
た片引き式引戸装置は勿論のこと、2枚の引戸が設けら
れ、それぞれの引戸の閉じ側の移動限がストッパ部材で
規定される引き分け式引戸装置にも適用でき、また、2
枚の引戸が、これらの引戸が共に収納される兼用型戸袋
の左右両側に配置されている左右片引き式引戸装置等に
も適用できる。
【0044】また、本発明は車庫や物置を含む建物に設
置される引戸装置は勿論のこと、建物の外部に設置され
る引戸装置、例えば、門扉用の引戸装置にも適用でき
る。そして、このような建物の外部に設置される引戸装
置の場合を含めて、縁部形成部材は引戸の移動経路に沿
って立設される門柱等の柱でもよい。また、建物の外部
に設置される引戸装置においては、戸袋は、開口部を開
放した引戸が側部に入る塀でもよく、この塀には、前述
したと同様に外装材を設けてもよい。
【0045】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に係
る引戸装置1の全体を示す正面図である。建物に設置さ
れているこの引戸装置1は、左右動することにより出入
口用の開口部2を開閉する引戸3を有し、引戸3は、建
物躯体に結合されて開口部2の上縁を形成している上枠
4の内部のレールから吊り下げられた上吊り式である。
開口部2における引戸移動方向に対して直角をなす戸先
側の縁部は戸先側竪額縁5で形成され、開口部2におけ
る引戸移動方向に対して直角をなす戸尻側の縁部は戸尻
側竪額縁6で形成され、開口部2における下縁は床7で
形成されている。戸先側竪額縁5に引戸3の戸先が当接
することにより、引戸3は閉じ側の移動限に達する。
【0046】戸尻側竪額縁6の後部は壁8になってお
り、この壁8の内部に、後退移動して開口部2を開けた
ときの引戸3を収納するための戸袋9が配置されてい
る。具体的に説明すると、図1のIII−III線断面図であ
る図3、および図1のVII−VII線断面図である図7に示
すように、戸袋9の外側には外装材である壁用ボード1
0,11が配置され、戸袋9を覆っている。また、戸袋
9の終端部には戸袋竪額縁12が設けられ、戸袋9の終
端開口部を塞いでいる。
【0047】図1において、上枠4は戸先側竪額縁5か
ら戸袋竪額縁12までの長さを有しており、引戸装置1
の分解斜視図である図9に示すように、上枠4の幅寸
法、すなわち引戸3の移動方向に対して直角をなす水平
方向の寸法は、開口部2の箇所で大きく、戸袋9の箇所
で小さい。また、上枠4は、上面部4Aと、上枠4の一
方の側面を形成している側面部4Bと、この側面部4B
の下端から上枠4の内側に折り曲げられた折曲部4Cと
を有し、これら4A〜4Cは、戸先側竪額縁5から戸袋
竪額縁12まで連続している。
【0048】図1のV−V線断面図である図5に示すよう
に、開口部2の範囲において折曲部4Cには上額縁13
が取り付けられ、この上部には側面部4Bの外側を覆う
壁用ボード14が配置されている。また、開口部2の範
囲において上面部4A上には壁用ボード15が配置さ
れ、この壁用ボード15は図7で示した壁用ボード11
と直線的に連続する位置に配置されている。
【0049】戸袋9の外面は、図3で示す通り、側面部
4B側の2枚の面材16,17と、これらの面材16,
17と対向配置された2枚の面材18,19とで形成さ
れ、一方側の面材16,17の上端は、図7および図7
の要部詳細図である図8で示す折曲部4Cに取り付けら
れたブラケット20にビス21で結合され、他方側の面
材18,19の上端は、上面部4Aに取り付けられたブ
ラケット22にビス23で結合されている。面材16と
17、18と19の互いに隣接する端部は、図3および
図3の要部詳細図である図4に示す通り、屈曲部16A
と17A、18Aと19Aになっており、これらの屈曲
部16Aと17A、18Aと19Aを重ね合わせてビス
24,25で結合することにより、面材16と17、1
8と19は連結されている。
【0050】図1で示すように、戸袋9の下端すなわち
床7には幅木26が配置され、図7および図8で示す通
り、チャンネル形状のこの幅木26の両側の起立部26
A,26Bに面材16,17と18,19の下端がビス
27,28で結合されている。面材16,17と18,
19のそれぞれの内面には補強部材29,30が取り付
けられ、これらの補強部材29,30は図9で示すよう
にチャンネル形状であり、図8のビス21,27および
23,28で面材16,17と18,19の上下端をブ
ラケット20,22,幅木26に結合するとき、これら
の補強部材29,30の下端を図7、図8のように幅木
26の起立部26A,26Bに載せることにより、面材
16,17と18,19の上下端に形成されたビス孔
と、ブラケット20,22、幅木26の起立部26A,
26Bに形成されたビス孔とが自ずと一致し、ビス2
1,27および23,28による面材16,17と1
8,19のブラケット20,22、幅木26への結合作
業を容易に行えるようになっている。
【0051】前記戸尻側竪額縁6は、図3および図4で
示すように、引戸3の厚さ内から外れた外側位置におい
て引戸3の両側に配置されている一対の棒状の額縁部材
6Aと6Bからなり、これらの額縁部材6A,6Bが開
口部2における引戸の移動方向に対して直角をなす縁部
形成部材になっているとともに、これらの平断面形状
は、引戸3の厚さ方向中心部を通る中心線に対して対称
形状となっている。
【0052】すなわち、額縁部材6A,6Bは、図4で
示す通り、引戸3で開閉される開口部2に対して前後と
なった前後面部31A,31Bと、これらの前後面部3
1A,31Bの外端間を繋ぐ外側面部31Cと、前面部
31Aの内端から戸袋9側へ延びた後方延出部31Dと
で形成された平面四角状の本体部31を有し、この本体
部31の後方延出部31Dの後端から戸袋9の内側へ内
方延出部32が延び、この内方延出部32の内端からさ
らに戸袋9側へ延長部33が延びている。また、本体部
31の後面部31Bの内端からは戸袋9側へ挟持片34
が延びている。
【0053】延長部33は引戸3の移動経路から僅かに
外側へ離れた位置にあり、このため、後方延出部31D
と内方延出部32との部分は引戸3の厚さ方向外側へ窪
んだ窪み部35となっており、前記戸尻側竪額縁6を形
成している一対の額縁部材6A,6Bにおける引戸3と
対面するそれぞれの内面部には、このような窪み部35
が形成されている。
【0054】窪み部35の開口部2側の端部には遮断部
材36が配置され、このため、この端部は開口部2と窪
み部35とを連通させる連通部になっていない。遮断部
材36は、引戸3の厚さ方向、言い換えると戸袋9の内
外方向に延びる前面部37と、この前面部37の略中央
から戸袋9側へ突出した後方突部38とから平断面T字
状であり、前面部37は、後方突部38を境界とする内
方突部37Aと外方突部37Bとからなる。後方突部3
8と外方突部37Bは額縁部材6A,6Bの後方延出部
31Dと前面部31Aに接着剤等で固定され、したがっ
て遮断部材36は額縁部材6A,6Bに固着されてい
る。
【0055】この遮断部材36は、ゴムまたは軟質合成
樹脂等の撓曲自在な弾性材料からなる。
【0056】戸袋6の外面を形成している前記面材16
と17,18と19のうち、開口部2側の面材16,1
8の内面前部には、図4に示されている通り、面材1
6,18と共に額縁部材6A,6Bの挟持片34を挟持
する挟持部材39が取り付けられている。この挟持部材
39の開口部2側の端部39Aは戸袋9の内側へ傾斜し
て突出し、面材16,18と挟持部材39の間にはスペ
ーサ40が介入され、このスペーサ40により、挟持部
材39の端部39Aからスペーサ40までの間に、額縁
部材6A,6Bの挟持片34を挿入、挟持できるスペー
スが形成されるようになっている。
【0057】このような挟持部材39は、図9で示すよ
うに、上下寸法が小さい小片であり、この小片の挟持部
材39が面材16,18の内面前部の上下方向に複数個
設けられている。
【0058】また、図4で示す通り、挟持部材39は面
材17と19の内面後部にも設けられ、これらの挟持部
材39と面材17,19との間のスペースに、前記戸袋
竪額縁12に結合された平断面L字状のブラケット41
のフランジ41Aが挿入、挟持されている。
【0059】額縁部材6Aの上部は、図9で示されてい
るビス42で上枠4の側面部4Bに結合され、額縁部材
6Bの上部は、ビス23で面材18と共に上枠4のブラ
ケット22に共締めされている。また、両方の額縁部材
6A,6Bの下部は、図示されていないが、前記幅木2
6にビスで結合され、戸袋竪額縁12の上下部は上枠4
と幅木26にビスで結合されている。
【0060】引戸装置1を設置すべき建物に戸袋9を設
ける作業を行うときは、先ず、額縁部材6A,6Bの上
下部および戸袋竪額縁12の上下部を上記ビスで上枠4
の側面部4B、ブラケット22、幅木26に結合し、こ
の後、面材16,18の上下部を上枠4のブラケット2
0,22、幅木26の起立部26A,26Bに当てが
い、これらの面材16,18をそのまま開口部2側へス
ライド移動させ、面材16,18と、これらの面材1
6,18の挟持部材39との間のスペースに額縁部材6
A,6Bの挟持片34を挿入、挟持させる。次いで、面
材16,18の上下部を上枠4のブラケット20,2
2、幅木26の起立部26A,26Bにビスで結合する
(図9で示す額縁部材6Bと面材18を上枠4のブラケ
ット22に共締めするビス23については、額縁部材6
Bをブラケット22に仮止めしていたこのビス23を一
旦取り外してから、額縁部材6Bと面材18を上枠4の
ブラケット22にビス23で共締めする。)。この後、
面材17,19の上下部を上枠4のブラケット20,2
2、幅木26の起立部26A,26Bに当てがい、これ
らの面材17,19をそのまま戸袋竪額縁12側へスラ
イド移動させ、面材17,19と、これの面材17,1
9の挟持部材39との間のスペースに戸袋額縁部材12
に結合されているブラケット41のフランジ41Aを挿
入、挟持させる。次いで、面材17,19の上下部を上
枠4のブラケット20,22、幅木26の起立部26
A,26Bにビスで結合する。
【0061】この後、図3、図4で示した面材16,1
7の屈曲部16Aと17A、および面材18、19の屈
曲部18Aと19Aをビス24,25で互いに結合する
作業を行い、また、面材16,17と18,19の外側
に図3、図7で示した壁用ボード10,11を配置する
作業を行う。
【0062】以上のように戸袋9の両側の外面を、上枠
4のブラケット20,22と幅木26に沿ってそれぞれ
スライド自在な2枚の面材16と17、18と19で形
成しておくと、戸袋9の引戸移動方向前後の竪額縁6の
挟持片34および竪額縁12のブラケット41のフラン
ジ41Aを挟持部材39で挟持させることにより面材1
6〜19と竪額縁6,12とを結合するようにした構造
を採用できるようになる。
【0063】また、面材16〜19の内面には、図7、
図8で説明したように幅木26の起立部26A,26B
に載る補強部材29,30が設けられているため、上枠
4のブラケット20,22、幅木26に沿った面材16
〜19のスライド移動を作業者が面材16〜19の重量
を支持することなく行え、また、前述したように、面材
16〜19の上下部を上枠4のブラケット20,22,
幅木26の起立部26A,26Bにビスで結合すると
き、面材16〜19の上下部に形成されたビス孔と、ブ
ラケット20,22、起立部26A,26Bに形成され
たビス孔とを自ずと一致させることができる。
【0064】以上のように、本実施形態では開口部2の
おける戸尻側竪額縁6の額縁部材6A,6Bは、面材1
6,18の開口部2側の端部、言い換えると戸袋9の戸
先側端部に取り付けられている。これらの額縁部材6
A,6Bの配置位置は、開口部2が引戸3で閉じられて
いるときに、図3、図4で示す通り、引戸3との間で引
戸移動方向長さAの重複部分を有する位置である。
【0065】図2は、上枠4の内部に配置されている引
戸移動機構を示している。上枠4の側面部4Bの内面に
は、図5、図7にも示されている補強部材43が複数個
取り付けられ、これらの補強部材43に図2に示すよう
に上枠4と略同じ長さのレール44が結合されている。
このレール44は図5、図7のように縦断面L字状であ
り、水平部44Aの先端に引戸3の移動を案内するガイ
ド部44Bが設けられている。図2で示す通り、上枠4
内に挿入されている引戸3の上部にはローラ45がロー
ラ保持部材46に取り付けられて回転に支持され、複数
個あるローラ45がレール44のガイド部44Bに係合
され、これにより引戸3はレール43に吊り下げ支持さ
れているとともに、レール43に沿って直線移動自在に
なっている。
【0066】また、図1で示す床7にはガイドローラ4
7が配置され、図5で示す通り、このガイドローラ47
は引戸3の下向きに開口した下フレーム3B内に挿入さ
れ、開口部2を開閉する引戸3の移動は、引戸3の下端
がガイドローラ47で案内されながら行われる。
【0067】図2で示す複数のローラ保持部材46のう
ち、最後部のローラ保持部材46にはゴム等による緩衝
部材46Aが後ろ向きに取り付けられ、この緩衝部材4
6Aが引戸3の後退移動によりレール44に結合されて
いるストップ部材48に当接することにより引戸3は後
退限に達する。また、レール44の先端に連結された連
結部材49にはピン50が垂下固定され、このピン50
にはワイヤー51の一旦が結合され、ワイヤー51の他
端は、複数個のローラ保持部材46のうちの最前部のロ
ーラ保持部材46に連結されているブラケット52内の
図示されていない渦巻きばね機構に結合されている。
【0068】このため、引戸3を図1で示した把持部3
Aを握った手で後退移動させると、ワイヤー51からの
引っ張り力で渦巻きばね機構の渦巻きばねが蓄圧され、
把持部3Aから手を離すと、この渦巻きばねの蓄圧力に
より引戸3が自動的に前進移動し、開口部2を閉じるよ
うになっている。このため、本実施形態に係る上吊り式
引戸装置1は、半自動式(自閉式)である。
【0069】また、図2で示すように上枠4内のレール
44にはブラケット53でエアシリンダ54が後ろ向き
に取り付けられ、このエアシリンダ54のピストンロッ
ド55の先端部は、最後部のローラ保持部材46に設け
られているキャッチ部材56で把持されている。エアシ
リンダ54には、引戸3が後退移動するとき、すなわち
ピストンロッド55が伸び作動するときに多量の空気を
エアシリンダ54内部に吸引し、引戸3が前進移動した
ときはこの空気を絞りながら排出するバルブが設けられ
ているため、上記渦巻きばねの蓄圧力により開口部2を
閉じるときの引戸3の前進移動は、エアシリンダ54の
ダンパー作用で低速で行われるようになっている。
【0070】上枠4の内部に配置されている以上の機
構、構造を点検できるように、図9で示す通り、上枠4
には開口部2の位置と対応する箇所の側面に点検口57
が形成され、この点検口57は、上枠4に対して着脱自
在となっている点検カバー58で開閉される。
【0071】上枠4と点検カバー58との関係は図5お
よび図5の要部詳細図である図6に示されている。上枠
4の側面部4Bとは反対側の上面部4Aの端部には補助
部材59が垂下状態で結合され、この補助部材59に
は、下向きに延びる下向き延出部60の下端から上枠4
の外側へ斜め上向きに起立した傾斜突片61が形成され
ており、この傾斜突片61にはゴムまたは軟質合成樹脂
等によるキャップ部材62が被冠されている。一方、点
検カバー58の上端には、上枠4の内側へ水平に延びる
水平延出部63の先端から下向きに垂下された下向き突
片64が形成されている。
【0072】また、図9で示すように、上枠4の戸先側
の下端部にはブラケット65が設けられ、戸尻側竪額縁
6の額縁部材6Bにもブラケット66が設けられてい
る。点検カバー58には、これらのブラケット65,6
6のねじ孔にねじ込まれるローレット摘みねじ等による
止め具67,68を挿通される孔69,70が形成され
ている。
【0073】このため、上枠4に点検カバー58を取り
付けて点検口57を塞ぐときには、先ず、図6で示され
ている点検カバー58を下向き突片64が上枠4の傾斜
突片61よりも高くなる位置まで持ち上げ、次いで、点
検カバー58を上枠4の内側へ移動させて下向き突片6
4を上枠の下向き延出部60に面接触させ、そのまま点
検カバー58を降ろすことにより下向き突片64を下向
き延出部60と傾斜突片61との間に挿入し、点検カバ
ー58の水平延出部63の下面およびその周辺部分にキ
ャップ部材62を接触させる。
【0074】これにより点検カバー58の上端は上枠4
に係合支持されたことになり、この後、図9で示した止
め具67,68を点検カバー58の孔69,70に挿通
させてブラケット65,66のねじ孔に螺入させる。
【0075】以上とは逆の操作を行うことにより、点検
カバー58を上枠4から取り外して点検口57を開ける
ことができる。
【0076】以上説明した本実施形態に係る上吊り式引
戸装置1において、建物に新たに設置した引戸装置1に
引戸3を吊り込む作業を行うとき、あるいは修理、交換
した引戸3を吊り込む作業を行うときには、上枠4から
点検カバー58を取り外した後、図2のローラ45がレ
ール44の案内部44Bよりも高くなる位置まで引戸3
を持ち上げながら、図4の二点鎖線3’で示すように、
引戸3の姿勢を上枠4内のレール44や床7のガイドロ
ーラ47で案内される引戸3の移動経路に対して斜めと
し、これより引戸3の戸尻側の端部を竪額縁6の額縁部
材6Aの窪み部35に傾斜角度をもって入れ、次いで、
引戸3の姿勢を引戸移動経路と同じ向きに変えてから引
戸3を降ろし、引戸3の上部のそれぞれのローラ45を
レール44の案内部44Bに係合するとともに、図5で
示した引戸3の下フレーム3Bの内部にガイドローラ4
7を挿入する。
【0077】この後、図2で示したワイヤー51を引戸
3の渦巻きばね機構に連結する作業や、エアシリンダ5
4のピストンロッド55の先端を引戸3のキャッチ部材
56に把持させる作業等の所定の作業を行う。これによ
り、引戸3を所定の移動経路内に吊り込むための作業は
終了し、引戸3のこの移動経路内での移動により開口部
2を開閉させることができる。
【0078】また、以上とは逆の作業を行うことによ
り、引戸3を修理、交換等のために取り外すことができ
る。
【0079】以上説明したように、本実施形態では開口
部2を閉じたときの引戸3と対面する竪額縁6の内面部
に、引戸3の厚さ方向外側へ窪んだ窪み部35を形成し
たため、開口部2を閉じているときの引戸3と竪額縁6
とに引戸移動方向長さAの重複部分があっても、この窪
み部35を利用することにより、引戸3の吊り込み作業
を簡単、確実に行うことができるようになる。
【0080】また、図4で示した通り、窪み部35の開
口部2側の端部が開口部2と窪み部35とを連通させる
連通部になっていても、この端部には遮断部材36が配
置さているため、引戸3を操作する手が誤って窪み部3
5に入ってしまうのを防止でき、また、開口部2側から
見たとき、窪み部35は遮断部材36で隠されるため、
外観は良好になる。
【0081】さらに、遮断部材36は撓曲自在な弾性材
料からなるため、図4で示す遮断部材36の内方突部3
7Aと引戸3との間の僅かな隙間に誤って指等が入って
も、その損傷を防止できる。
【0082】なお、引戸3の吊り込み作業を行うとき、
図4の二点鎖線3’で示す向きに引戸3の姿勢を引戸移
動経路に対して斜めとするため、竪額縁6の額縁部材6
Aと6Bのうち、本来、額縁部材6Bの窪み部35は不
要であるが、各種生産される引戸装置1の中には、上枠
4の点検口57が上枠4の図9とは反対側の側面に形成
されるものがあるため、本実施形態のように両方の額縁
部材6Aと6Bに窪み部35を形成しておくと、このよ
うな種類の引戸装置にも竪額縁6を共通使用できるとい
う効果を得られ、また、両方の額縁部材6Aと6Bを対
称形状に形成すればよいため、その成形加工を容易なも
のとすることができる。
【0083】また、本実施形態の係る引戸装置1では、
上枠4に点検カバー58の上端を係合支持させる構造を
図6で説明したものとしたため、図9の止め具67,6
8を取り外したとき、点検カバー58の下向き突片64
と上枠4の下向き延出部60との面接触により、点検カ
バー58が上端を中心に上枠4の内外方向に回動してし
まうのを防止できる。
【0084】すなわち、図15で説明した従来の点検カ
バー107の取付構造によると、点検カバー107を上
枠105に取り付けていた止め具を取り外すと、点検カ
バー107は上端を中心に上枠105の内外方向に回動
してしまい、この結果、点検カバー107が場合によっ
ては上枠105から脱落してしまうおそれがあったが、
本実施形態による点検カバーの取付構造によると、この
ような問題を解決できる。
【0085】また、本実施形態の点検カバーの取付構造
によると、上枠4の傾斜突片61にはキャップ部材62
が被冠されているため、傾斜突片61が点検カバー58
の水平延出部63に直接接触した場合に生ずる異音の発
生を防止できる。
【0086】図10は、別実施形態に係る引戸装置を示
す。この引戸装置では、竪額縁6の額縁部材6A,6B
の前面部31Aに孔80を形成し、遮断部材36の外方
突部37Bには、この孔80に圧入できて遮断部材36
を額縁部材6A,6Bに取り付け、取り外し可能とする
突起81を形成している。
【0087】この実施形態によると、引戸3の吊り込み
作業を行うとき、引戸3の厚さや窪み部35の大きさの
関係から、あるいは引戸装置が設置された建物内のスペ
ースの大きさのために引戸3’の斜め角度を大きくでき
ないことから、引戸移動経路に対して斜めとした引戸
3’の端部を、遮断部材36で開口部2側の端部が遮断
されている額縁部材6Aの窪み部35に充分入れること
ができないときには、この窪み部35の遮断部材36を
額縁部材6Aから取り外すことにより、窪み部35の開
口部2側の端部を開放できるため、引戸3の吊り込み作
業を確実に行うことができるようになる。
【0088】図11は、さらに別実施形態に係る引戸装
置を示す。この引戸装置では竪額縁6の額縁部材6A,
6Bは、これらの額縁部材6A,6Bを支持している戸
袋9の面材16,18から取り付け、取り外し自在とな
っている。すなわち、図12で示すようにこの実施形態
では、図9で示されていたビス23は面材18だけを上
枠4のブラケット22に止めるものとなっており、ま
た、図9で示されていたビス42は存在せず、したがっ
て額縁部材6A,6Bの上部は上枠4等に止められてお
らず、これらの額縁部材6A,6Bの下部も幅木26に
ビスで止められていない。
【0089】また、図13で示すように額縁部材6A,
6Bの挟持片34には突起90が形成され、戸袋9の面
材16,18の挟持部材39には、突起90が嵌入する
孔91が形成されている。この孔91への突起90の嵌
入により、通常時は額縁部材6A,6Bは面材16,1
8へ大きな強度で結合されおり、一方、額縁部材6A,
6Bを開口部2側へ大きな力で引っ張ると、突起90は
孔91から脱出するため、額縁部材6A,6Bは面材1
6,18から離れる。このため、額縁部材6A,6Bは
面材16,18に対して取り付け、取り外し自在となっ
ている。
【0090】この実施形態では、引戸3の吊り込み作業
を行うとき、額縁部材6A,6Bを取り外すと、開口部
2を閉じた引戸3と竪6額縁とに前述の引戸移動方向長
さAの重複部分があっても、引戸3を引戸移動経路に対
して斜めとすることなくそのまま引戸3の吊り込み作業
を行えることになる。また、取り外す額縁部材6A,6
Bは単なる棒状の部材であるため、これの取り外し、取
り付け作業を容易に行える。
【0091】なお、以上のそれぞれの実施形態におい
て、面材16〜18の上下部を上枠4のブラケット2
0,22と幅木26に結合するために使用する前記ビス
のねじ孔をこれらのブラケット20,22と幅木26に
形成する作業は、前述の通り、引戸装置が設置される現
場に引戸装置が運び込まれる前に行ってもよく、また、
この現場に引戸装置が運び込まれた後に行ってもよく、
さらには、ビスをこれらのブラケット20,22と幅木
26にねじ込むタッピング加工として現場で行うように
してもよい。
【0092】また、図9の実施形態において、前記ビス
23で竪額縁6Bと面材18を上枠4のブラケット22
に共締めするのではなく、これらの竪額縁6Bと面材1
8を別個のビスでブラケット22に結合するようにして
もよい。
【0093】
【発明の効果】本発明によると、引戸を所定の移動経路
内に簡単、確実に組み込むことができるという効果を得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る上吊り式引戸装置の
全体を示す正面図である。
【図2】図1で示された上枠の内部構造を示す正面図で
ある。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図3の要部詳細図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】図5の要部詳細図である。
【図7】図1のVII−VII線断面図である。
【図8】図7の要部詳細図である。
【図9】引戸装置の要部の分解斜視図である。
【図10】別実施形態に係る引戸装置を示す図4と同様
の図である。
【図11】さらに別実施形態に係る引戸装置を示す図4
と同様の図である。
【図12】図11の実施形態の場合を示す図9と同様の
図である。
【図13】図11の要部を拡大した図である。
【図14】従来の上吊り式引戸装置を示す正面図であ
る。
【図15】図14のXV−XV線断面図である。
【符号の説明】
1 引戸装置 2 開口部 3 引戸 4 上枠 5,6 竪額縁 6A,6B 縁部形成部材である額縁部材 9 戸袋 10,11 外装材である壁用ボード 16,18 額縁部材を支持する戸袋の面材 34 挟持片 35 窪み部 36 遮断部材 39 挟持部材 57 点検口 58 点検カバー 60 下向き延出部 61 傾斜突片 62 キャップ部材 63 水平延出部 64 下向き突片 A 重複部分の引戸移動方向長さ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引戸と、この引戸で開閉される開口部に
    おける引戸移動方向に対して角度をなす縁部を形成し、
    引戸外側部分に配置されているとともに、閉じ側の移動
    限に達した前記引戸との引戸移動方向長さの重複部分を
    有する縁部形成部材とを含んで構成される引戸装置であ
    って、引戸と対面する前記縁部形成部材の内面部に、こ
    の引戸の厚さ方向外側へ窪んだ窪み部が形成されている
    ことを特徴とする引戸装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の引戸装置において、前
    記窪み部における前記開口部側の端部はこの開口部と前
    記窪み部とを連通させる連通部となっているとともに、
    この連通部に前記開口部と前記窪み部との間を遮断する
    遮断部材が配置されていることを特徴とする引戸装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の引戸装置において、前
    記遮断部材は撓曲自在な弾性材料で形成された部分を少
    なくとも一部に有していることを特徴とする引戸装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の引戸装置にお
    いて、前記遮断部材は前記縁部形成部材に取り外し自在
    に取り付けられていることを特徴とする引戸装置。
  5. 【請求項5】 引戸と、この引戸で開閉される開口部に
    おける引戸移動方向に対して角度をなす縁部を形成し、
    引戸外側部分に配置されているとともに、閉じ側の移動
    限に達した前記引戸との引戸移動方向長さの重複部分を
    有する棒状の縁部形成部材とを含んで構成される引戸装
    置であって、前記縁部形成部材がこの縁部形成部材を支
    持する部材に取り外し自在に取り付けられていることを
    特徴とする引戸装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の引戸装
    置において、前記引戸が収納される戸袋を有し、前記縁
    部形成部材は前記戸袋の戸先側端部に取り付けられてい
    ることを特徴とする引戸装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の引戸装置において、前
    記戸袋は外装材で覆われていることを特徴とする引戸装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の引戸装
    置において、前記引戸は、前記開口部の上縁を形成する
    上枠の内部のレールから吊り下げられた上吊り式引戸で
    あることを特徴とする引戸装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の引戸装置において、前
    記上枠の側面には着脱自在な点検カバーで開閉される点
    検口が設けられ、前記上枠の側面には、下向きに延びる
    下向き延出部の下端から前記上枠の外側へ斜め上向きに
    起立した傾斜突片が形成されているとともに、前記点検
    カバーには、前記上枠の内側へ水平に延びる水平延出部
    の先端から下向きに垂下された下向き突片が形成され、
    この下向き突片を前記上枠の前記下向き延出部に面接触
    させてこの下向き延出部と前記傾斜突片との間に挿入さ
    せることにより、前記点検カバーが前記上枠に取り付け
    られて前記点検口を塞いでいることを特徴とする引戸装
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の引戸装置において、
    前記傾斜突片にはキャップ部材が被冠されていることを
    特徴とする引戸装置。
  11. 【請求項11】 引戸をその移動経路内に配置し、この
    後、前記引戸で開閉される開口部における引戸移動方向
    に対して角度をなす縁部を形成する棒状の縁部形成部材
    を、閉じ側の移動限に達した前記引戸との引戸移動方向
    長さの重複部分が生じる引戸外側の位置に配置すること
    を特徴とする引戸装置の組立方法。
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