JP2000063670A - 熱伝導性シリコーンゴム組成物およびその成形体 - Google Patents
熱伝導性シリコーンゴム組成物およびその成形体Info
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Abstract
形体に成形することができ、また容易に薄いシート状に
も成形できる熱伝導性シリコーンゴム組成物を、比較的
安価に提供すること。 【解決手段】 シリコーンゴムに、熱伝導性充填材とし
て金属シリコンを配合して熱伝導性組成物とする。
Description
種電気および電子機器の構成材料等に好ましく適用する
ことができる熱伝導性シリコーンゴム組成物に関する。
また本発明は、この熱伝導性シリコーンゴム組成物を成
形し、硬化させた熱伝導性シリコーンゴム組成物成形体
に関する。
発熱性部品から発生される熱を効率よく放熱すること
が、誤作動を防止したり、製品寿命を延ばしたりする上
で重要となる。このような放熱材料としては、熱伝導性
に優れているものが望ましく、基材となる高分子エラス
トマーに熱伝導性充填材を配合したものが使用される。
そして、従来から、基材の高分子エラストマーとしてシ
リコーンゴムを用い、このシリコーンゴムに熱伝導性充
填材を配合したものが多数提案されている(特公平6−
55891号、特公平6−38460号、特公平7−9
1468号等)。
ム組成物においては、当該組成物の熱伝導性を高めるた
めに熱伝導性充填材の配合量を増加させると、当該組成
物を成形体としたとき、その成形体が、水気がなく乾い
たような状態となり、表面の平滑性が失われてしまうと
いう問題、および用いられている熱伝導性充填材は比較
的高価であるため、配合量の増加がコストアップの要因
となってしまうという問題があった。
に応えるためには、上記シリコーンゴム組成物の成形体
もより薄い成形体にする必要がある。しかし、十分な放
熱性を付与できる量の熱伝導性充填材を配合した場合、
例えば薄いシート状のような成形体を製造することはな
かなか難しいという問題もある。
のような従来の状況に鑑み、熱伝導性に優れており、か
つ表面平滑性の優れた成形体に成形することができ、ま
た容易に薄いシート状にも成形できる熱伝導性シリコー
ンゴム組成物を、比較的安価に提供することを目的と
し、さらには、かかる熱伝導性シリコーンゴム組成物を
成形、硬化させた成形体を提供することを目的とする。
成するために、次の熱伝導性シリコーンゴム組成物およ
びその成形体を提供する。
として金属シリコンが配合されていることを特徴とする
熱伝導性シリコーンゴム組成物。
ンに加えて、金属シリコン以外の充填材が配合されてい
る上記(1)記載の熱伝導性シリコーンゴム組成物。
ライト、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化アルミニ
ウムおよび酸化ケイ素から選ばれた少なくとも一種であ
る上記(2)に記載の熱伝導性シリコーンゴム組成物。
に記載の熱伝導性シリコーンゴム組成物を成形、硬化さ
せてなる熱伝導性シリコーンゴム組成物成形体。
が、優れた熱伝導性を有しており、組成物の成形性を阻
害することもなく、かつ比較的安価であるから、上記目
的を達成することができる。
しては、従来から知られ、市販されている種々のシリコ
ーンゴムを適宜選択して用いることができる。例えば、
縮合型または付加型、加熱硬化型または常温硬化型のも
のを用いることができる。また、ケイ素原子に結合する
基も特に限定されるものではなく、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル
基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基
等のアリール基のほか、これらの基の水素原子が部分的
に他の原子または結合基で置換されたものを用いること
ができる。
態のほかにゲル状態を含む。ゲル状態とは、硬化後にお
けるJISK2207−1980(50g荷重)の針入
度が5〜200程度のものをいう。
は、充填材、可塑剤、その他の添加剤等を含んだ形で市
場に出荷されるものもあるが、本発明では、かかる充填
材、可塑剤、その他の添加剤等を含んだ形で出荷された
シリコーンゴムも、本発明の目的を損なわない範囲にお
いて適宜選択して用いることができる。
シリコンとしては、従来から知られ、販売されている金
属シリコンを用いることができる。一般に、金属シリコ
ンは、ケイ砂を炭素等で還元する方法などで製造され、
純度99.5%以上のものが化学工業用として多用され
ている。また、かかる化学工業用金属シリコンをさらに
精製するための精製方法も種々提案されている。例え
ば、化学工業用金属シリコンを溶融して再結晶化させ、
さらに粉砕して酸処理する精製方法(特開昭60−19
5015号公報等)、化学工業用金属シリコンを微細に
粉砕し、HF水溶液で処理する精製方法(特開平6−1
07406号公報)などが提案されている。本発明にお
いては、上記のような化学工業用金属シリコンも、それ
をさらに精製した精製品も、本発明の目的を損なわない
範囲において適宜選択して用いることができる。
ではなく、球状、ウィスカー状、不定形状等の形状を適
宜選択して用いることができる。本発明においては、高
い充填密度で充填することができ、より高い熱伝導性を
得ることができるため、球状であることが好ましい。金
属シリコンが球状の場合の粒径は、高い充填密度での充
填を可能にすると共に、粒子の凝集を防止して配合作業
を容易にするため、約数百nm〜数μmが好ましい。
ンの配合量は、必要に応じて適宜設定することができる
が、一般に、十分な熱伝導性を付与し、良好な成形性を
確保するため、組成物総重量の20〜85重量%が好ま
しく、50〜80重量%がさらに好ましい。
えて、金属シリコン以外の熱伝導性充填材を配合するこ
とができる。金属シリコン以外の熱伝導性充填材として
は、フェライト、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化
ホウ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の酸化物、窒
化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタ
ン、窒化ジルコニウムの等の窒化物、カーボンナノチュ
ーブ、カーボンマイクロコイル、純鉄、珪藻土、炭酸カ
ルシウム、タルク、クレー、ベンガラ、雲母等が挙げら
れる。これらの中でも、フェライト、窒化アルミニウ
ム、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等が好
ましく用いられる。これらの金属シリコン以外の熱伝導
性充填材は、必要に応じて、一種用いることもできる
し、複数種用いることもできる。
内、フェライトとしては、必要に応じて、軟磁性フェラ
イトあるいは硬磁性フェライトのいずれも用いることが
できるが、軟磁性フェライトがより好ましい。軟磁性フ
ェライトは、微弱な励磁電流でも磁気的機能を発揮し、
励磁電流を遮断すれば磁気的機能が消失するという特性
を有するため、熱伝導性の電磁制御器具に使用すること
ができるためである。硬磁性フェライトは、一旦磁化さ
れるとそのままの磁気的機能を保ち続けて磁石として作
用するものであるから、この特性の相違を考慮して使い
分けることができる。また、フェライトを用いた場合に
は、目的の組成物に、上記のような磁性と共に電磁波シ
ールドないし吸収性も付与される。さらには、フェライ
トは比較的安価である。
るものではなく、Znフェライトとの複合フェライト、
例えば、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライ
ト、Ni−Zn−Cuフェライト等を挙げることができ
る。また、硬磁性フェライトとしても、特に限定される
ものではなく、CoフェライトとFe3 O4 との固溶体
であるOP磁石、BaO・6Fe2 O3 付近の組成で、
マグネトプラムバイト構造を有するバリウムフェライト
磁石、フェロックスプレーナ、希土類元素の鉄ガーネッ
ト(YGI、TAG、GGG等)等を挙げることができ
る。
填材の内、窒化アルミニウムを初めとする窒化物、酸化
アルミニウム初めとする酸化物等としては、従来から樹
脂組成物等の熱伝導性充填材として知られた種々の金属
窒化物、金属酸化物等を、本発明の目的を損なわない範
囲において、適宜選択して用いることができる。
の形状は、上記金属シリコンの場合と同様であり、種々
の形状のものを用いることができるが、球状であること
が好ましく、球状の場合の粒径は、約数百nm〜数μm
が好ましい。
充填材の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲にお
いて、かつ好ましくは金属シリコンと上記各金属シリコ
ン以外の熱伝導性充填材の合計量が目的の組成物の総重
量の20〜85重量%、さらに好ましくは50〜80重
量%であって、金属シリコンと金属シリコン以外の熱伝
導性充填材との配合割合は、重量比率で3:7〜7:3
とするのが好ましい。
シリコン以外の熱伝導性充填材は、シリコーンゴムとの
親和性を高めるために、表面をシランカップリング剤で
処理することができる。このシランカップリング剤とし
ては、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエ
トキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、γ−クリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラ
ン等を挙げることができる。シランカップリング剤の使
用量は、上記充填材に対して約0.2〜10重量%が好
ましい。
は、本発明の目的を損なわない範囲において、従来から
シリコーンゴム組成物に用いられているような硬化剤、
硬化促進剤、着色剤、難燃剤等の添加剤を適量配合する
ことができる。
成物は、通常のゴム成形法を適用して成形し、通常のシ
リコーンゴム硬化法を適用して硬化させて本発明の成形
体にすることができる。この成形法としては、プレス成
形、トランスファー成形、押出成形、射出成形、カレン
ダー成形等を挙げることができる。
ものではなく、用途に応じた所望の形状にすることがで
きる。例えば、シート状あるいはテープ状にする場合に
は、厚みが200μm〜2mmであることが好ましい。
このシート状あるいはテープ状に成形した本発明の成形
体は、熱伝導性粘着シートあるいはテープのベースシー
トあるいはテープとして好適に用いることができる。
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
または金属シリコン以外の熱伝導性充填材を、表1に示
す組成物中の含有率となる量混合し、真空脱泡の後、空
気を巻き込まないようガラス板間に流し込み、60℃で
30分間加熱プレス成形して、厚さが1mmの表面が平
滑なシート状成形体を得た。この成型体の熱伝導率およ
び体積抵抗値を測定し、その結果を表1に示した。熱伝
導率はいずれも高い値であり、熱伝導性組成物として優
れた物性を有することが明らかとなった。なお、体積抵
抗値が示すように、電子機器等に使用する場合に当然要
求される電気絶縁性も十分有していた。
コーニング・シリコーン(株)製、付加反応型シリコー
ンゲル) *2 製品名:アドマファインシリコン((株)アドマ
テックス製、型番HS−SN) *3 戸山工業(株)製の軟磁性フェライト粉末、型番
KNS−415 *4 (株)熱研製の窒化アルミニウム粉末 *5 京都電子工業(株)製の迅速熱伝導率計QTM−
500(製品名)にて測定 *6 三菱化学(株)製の高抵抗率計MCP−HT45
0(製品名)にて測定(測定限界は、9.99×1013
まで。それ以上はRANGE OVER)
表面平滑性の優れた成形体に成形することができ、また
容易に薄いシート状にも成形できる熱伝導性シリコーン
ゴム組成物およびその成形体が、比較的安価に提供され
る。また、配合する熱伝導性充填材として、金属シリコ
ンに加えてフェライトを用いた場合には、熱伝導性の
他、磁性、電磁波シールドないし吸収性をも有する組成
物およびその成形体が、比較的安価に提供される。
Claims (4)
- 【請求項1】 シリコーンゴムに、熱伝導性充填材とし
て金属シリコンが配合されていることを特徴とする熱伝
導性シリコーンゴム組成物。 - 【請求項2】 熱伝導性充填材として、金属シリコンに
加えて、金属シリコン以外の充填材が配合されている請
求項1に記載の熱伝導性シリコーンゴム組成物。 - 【請求項3】 金属シリコン以外の充填材が、フェライ
ト、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化アルミニウム
および酸化ケイ素から選ばれた少なくとも一種である請
求項2に記載の熱伝導性シリコーンゴム組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載の熱
伝導性シリコーンゴム組成物を成形し、硬化させてなる
熱伝導性シリコーンゴム組成物成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23694498A JP2000063670A (ja) | 1998-08-24 | 1998-08-24 | 熱伝導性シリコーンゴム組成物およびその成形体 |
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JP23694498A JP2000063670A (ja) | 1998-08-24 | 1998-08-24 | 熱伝導性シリコーンゴム組成物およびその成形体 |
Publications (1)
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