JP2000063578A - 熱可塑性樹脂フィルム組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルム組成物

Info

Publication number
JP2000063578A
JP2000063578A JP10254518A JP25451898A JP2000063578A JP 2000063578 A JP2000063578 A JP 2000063578A JP 10254518 A JP10254518 A JP 10254518A JP 25451898 A JP25451898 A JP 25451898A JP 2000063578 A JP2000063578 A JP 2000063578A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
fatty acid
acid ester
polyglycerin
ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10254518A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Oi
一徳 大井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Kagaku KK filed Critical Taiyo Kagaku KK
Priority to JP10254518A priority Critical patent/JP2000063578A/ja
Publication of JP2000063578A publication Critical patent/JP2000063578A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリカ等の無機充填物が配合された抗ブロッ
キング性を有する熱可塑性樹脂フィルム組成物におい
て、優れた製膜性と透明性を有する熱可塑製樹脂フィル
ム組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 ポリグリセリン脂肪酸エステルを配合す
ることで上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン樹
脂又はポリアミド樹脂100重量部に対し0.01〜1
重量部の無機充填剤、及び0.5〜5.0重量部のポリ
グリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン縮合ヒド
ロキシ脂肪酸エステルを含有する抗ブロッキング性、製
膜性に優れ、かつ、透明性を有する熱可塑性樹脂フィル
ム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、包装フィルム材料に使用される熱
可塑性樹脂は、ブロッキング防止を目的としてシリカ等
の無機充填剤が添加される。しかしながら、これらを抗
ブロッキング性を付与する量を添加すると、透明性が低
下する問題が生じ、商品価値が著しく損なわれる。この
問題の解決を目的として、ポリオレフィン樹脂に無機充
填剤、不飽和脂肪酸アマイド、多価アルコールモノエス
テルを配合する方法(特開昭63−175031)、ポ
リアミド樹脂にビスアミド化合物、脂肪族アルコールと
脂肪酸とのエステル化合物、無機充填剤を配合する方法
(特開平5−59274)が提案されている。しかしな
がら、ポリオレフィン樹脂に無機充填剤、不飽和脂肪酸
アマイド、多価アルコールモノエステルを配合する方
法、ポリアミド樹脂にビスアミド化合物、脂肪族アルコ
ールと脂肪酸とのエステル化合物、無機充填剤を配合す
る方法ではブロッキング性は改良できるものの十分な透
明性が得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シリ
カ等の無機充填物が配合された抗ブロッキング性を有す
る熱可塑性樹脂フィルム組成物において、優れた製膜性
と透明性を有する熱可塑性樹脂フィルム組成物を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる状況
に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ポリオレフィン樹脂又
はポリアミド樹脂に無機充填剤を配合した場合におい
て、特定のポリグリセン脂肪酸エステル又はポリグリセ
リン縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを含有させることに
より、抗ブロッキング性、製膜性に優れ、透明性を損な
わないことを見出した。詳しくは、本発明は、ポリオレ
フィン樹脂又はポリアミド樹脂100重量部に無機充填
剤を0.01〜1重量部配合した場合において、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン縮合ヒドロ
キシ脂肪酸エステルを0.5〜5.0重量部配合するこ
とにより、抗ブロッキング性を有し、かつ、製膜性に優
れ、透明性を有する熱可塑性樹脂フィルム組成物に関す
る。以下、本発明の熱可塑性樹脂フィルム組成物につい
て記述する。
【0005】
【発明の実施の形態】(1)ポリオレフィン樹脂 本発明で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポ
リマー、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー
等が挙げられる。これらの中ではポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂が好ましい。
【0006】(2)ポリアミド樹脂 本発明で用いられるポリアミド樹脂としては3員環以上
のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、2塩基酸とジア
ミンなどの重縮合によって得られるポリアミド樹脂を用
いることができる。具体的には、ε−カプロラクタム、
アミノカプロン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプ
タン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン
酸、α−ピロリドン、α−ピペリドンなどの重合体、ヘ
キサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデ
カメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキ
シレンジアミンなどのジアミンと、テレフタル酸、イソ
フタル酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン二塩基
酸、グルタール酸等のジカルボン酸との塩を重縮合せし
めて得られる重合体又はこれらの共重合体、例えば、ナ
イロン4、6、7、8、11、12、6・6、6・1
0、6・12、6T、6/6・6、6/12、6/6
T、6I/6T等が挙げられる。これらの中ではナイロ
ン6、11、12、6・6、6・10、6・12が好ま
しい。
【0007】(3)無機充填剤 本発明に用いられる無機充填剤としてはシリカ、アルミ
ナ、カオリン、タルク、ゼオライト等が挙げられ、これ
らの1種又は2種以上を混合して使用することができ
る。これらの中ではシリカが好ましい。
【0008】(4)ポリグリセリン脂肪酸エステル 本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルと
は、ポリグリセリンと脂肪酸とを反応して得られるエス
テルである。本発明に使用されるポリグリセリン脂肪酸
エステルの構成成分であるポリグリセリンを具体的に示
すと、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタ
グリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等が挙
げられ、これらの1種又は2種以上の混合物が利用され
る。ポリグリセリンの中では、重合度4〜8のポリグリ
セリンが好ましい。本発明に使用されるポリグリセリン
脂肪酸エステルのもう一方の構成成分である脂肪酸を具
体的に示すと、例えば、オレイン酸、イソステアリン
酸、パルミチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル
酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、
カプロン酸、ヘプリル酸、ノニル酸、ウンデカン酸、ミ
リスチン酸、ステアリン酸、パルミトオレイン酸、ベヘ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、2−エ
チルヘキシル酸、サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデ
カン酸、イソプール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン
酸、ヤラピノール酸、ユニぺリン酸、アンブレットール
酸、アリューリット酸、2−ヒドロキシオクタデカン
酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒ
ドロキシオクタデカン酸、カムロレン酸、フェロン酸、
セレブロン酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒ
ドロキシステアリン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸(12
−ヒドロキシステアリン酸の他に少量のステアリン酸及
びパルミチン酸を含有する脂肪酸)等が挙げられ、これ
らの1種又は2種以上の混合物として利用される。この
中で炭素数が8〜22の脂肪酸が好ましく、より好まし
くは炭素数が12〜20の脂肪酸である。
【0009】(5)ポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪
酸エステル 本発明に用いられるポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪
酸エステルとは、ポリグリセリンと縮合ヒドロキシ脂肪
酸とを反応して得られるエステルである。本発明に用い
られる縮合ヒドロキシ脂肪酸とはヒドロキシ脂肪酸の縮
合体である。ヒドロキシ脂肪酸とは分子内に1個以上の
水酸基を有する脂肪酸であり、具体的に示すと、例え
ば、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、
水素添加ヒマシ油脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン
酸の他に少量のステアリン酸及びパルミチン酸を含有す
る脂肪酸)、サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン
酸、イソプール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤ
ラピノール酸、ユニぺリン酸、アンブレットール酸、ア
リューリット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、18
−ヒドロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシ
オクタデカン酸、カムロレン酸、フェロン酸、セレブロ
ン酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシ
ステアリン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上
の混合物として利用される。この中で炭素数が8〜22
の脂肪酸が好ましく、より好ましくは炭素数が12〜2
0の脂肪酸である。
【0010】上記縮合ヒドロキシ脂肪酸の製造方法は特
に限定するものではないが、上記原料を用いてリン酸、
p−トルエンスルホン酸、苛性ソーダ等触媒の存在下も
しくは無触媒で100℃〜300℃、好ましくは120
℃〜250℃の範囲で加熱し生成水を系外に除去するこ
とによって得られる。反応は不活性ガスの存在下で行う
のが好ましい。また、トルエン又はキシレン等の共沸溶
剤中で行っても良い。これらの反応の進行度合いは、生
成した水の量と反応物の酸価を測定することで確認する
ことができる。縮合ヒドロキシ脂肪酸の酸価は好ましく
は10〜100の範囲、更に好ましくは20〜50の範
囲内である。ここで、酸価とは脂肪酸を中和するのに必
要な水酸化カリウム(化学式はKOHであり、分子量は
56.11である)のミリグラム数をいい、下記の
(1)式で求められる。 (酸価)=[KOH]/[脂肪酸]×1000 (1) ここで、[KOH]:水酸化カリウムの分子量(=5
6.11) [脂肪酸]:脂肪酸の平均分子量 また、脂肪酸が複数の混合物である場合、脂肪酸の平均
分子量は、各分子量の混合割合から計算された平均分子
量である。例えば、12−ヒドロキシステアリン酸(分
子量=298)50重量%、リシノレイン酸(分子量=
300)30重量%、ステアリン酸(分子量=284)
20重量%からなる混合脂肪酸の平均分子量は295.
8として酸価を求めた。脂肪酸の酸価は好ましくは10
〜100の範囲、更に好ましくは20〜50の範囲であ
る。本発明のポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪酸エス
テルで使用される縮合ヒドロキシ脂肪酸の縮合度は通常
1より大であり、好ましくは縮合度3以上であり、更に
好ましくは縮合度3.5〜7である。本発明でいうとこ
ろの縮合度は下記の(2)式で求められる。 (縮合度)=(脂肪酸の酸価)/(縮合後の脂肪酸の酸価) (2) 本発明のポリグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセ
リン縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルは上記原料を用いて
リン酸、p−トルエンスルホン酸、苛性ソーダ等触媒の
存在下もしくは無触媒で100℃〜300℃、好ましく
は120℃〜250℃の範囲で加熱し生成水を系外に除
去することによって得られる。反応は不活性ガスの存在
下で行うのが好ましい。また、トルエン又はキシレン等
の共沸溶剤中で行っても良い。これらの反応の進行度合
いは、生成した水の量と反応物の酸価を測定することで
確認することができる。
【0011】このようにして合成されたポリグリセリン
脂肪酸エステルを具体的に例示すると、テトラグリセリ
ンステアリンラウリン酸エステル、テトラグリセリンミ
リスチン酸エステル、テトラグリセリンステアリン酸エ
ステル、テトラグリセリンオレイン酸エステル、ペンタ
グリセリンラウリン酸エステル、ペンタグリセリンミリ
スチン酸エステル、ペンタグリセリンステアリン酸エス
テル、ペンタグリセリンオレイン酸エステル、ヘキサグ
リセリンラウリン酸エステル、ヘキサグリセリンミリス
チン酸エステル、ヘキサグリセリンステアリン酸エステ
ル、ヘキサグリセリンオレイン酸エステル、デカグリセ
リンラウリン酸エステル、デカグリセリンミリスチン酸
エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デカ
グリセリンオレイン酸エステル、テトラグリセリン縮合
リシノレイン酸エステル、テトラグリセリン縮合12−
ヒドロキシステアリン酸エステル、ヘキサグリセリン縮
合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合12
−ヒドロキシステアリン酸エステル、オクタグリセリン
縮合リシノレイン酸エステル、オクタグリセリン縮合1
2−ヒドロキシステアリン酸エステル、デカグリセリン
縮合リシノレイン酸エステル、デカグリセリン縮合12
−ヒドロキシステアリン酸エステル等を挙げることがで
き、これらの一種又は二種以上の混合物として利用され
る。これらの中では、ペンタグリセリンラウリン酸エス
テル、ペンタグリセリンミリスチン酸エステル、ペンタ
グリセリンステアリン酸エステル、ペンタグリセリンオ
レイン酸エステル、ヘキサグリセリンラウリン酸エステ
ル、ヘキサグリセリンミリスチン酸エステル、ヘキサグ
リセリンステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンオレ
イン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸
エステル、ヘキサグリセリン縮合12−ヒドロキシステ
アリン酸エステルが好ましく、より好ましくは、ヘキサ
グリセリンステアリン酸エステル、ヘキサグリセリン縮
合リシノレイン酸エステルである。本発明におけるポリ
グリセリン脂肪酸エステルの酸価は、好ましくは10以
下であり、より好ましくは5以下である。また、本発明
によるポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましいHLB
(HydorophileLipophileBala
nce)は2〜5である。ここでHLBとは1分子中に
おける水酸基(親水性)と脂肪酸残基(疎水性)とのバ
ランスにより決定されるものであり、Griffinの
経験式から算出されるものであり、以下の(3)式によ
り求められる。 HLB=20(1−SV/NV)(3) SV:エステルのケン化価 NV:脂肪酸の中和価
【0012】(6)その他の配合剤 本発明組成物には更にその目的に応じ所望の特性を付与
するために、一般に熱可塑性樹脂に添加される公知の物
質、すなわち酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、離型剤、帯
電防止剤、光安定剤、防曇剤、着色剤、加工助剤等を配
合することも勿論可能である。
【0013】(7)樹脂組成物の製造方法 本発明のフィルムを得る方法としては特に限定されるも
のではなく、通常の加工機械が使用できるが、押出し機
及びTダイを用いて熔融押出し、50℃以下に保った冷
却ロールに(エアナイフ又はエアチャンバーを用いて)
接触させ急冷したのち未延伸フィルムを巻き取るTダイ
・チルロール冷却法あるいは押出し機及び円形ダイを用
いて熔融押出し、熔融チューブ内に空気又はガスを入れ
膨張させ連続的に巻き取るインフレーション法などを挙
げることができる。また、本発明で熱可塑性樹脂に添加
されるポリグリセリン脂肪酸エステルはフィルム製品に
おいて製造のどの時点で添加されても構わないが、成形
加工機に投入する前に無機充填剤とポリグリセリン脂肪
酸エステルをヘンシェル型加工機、V型ブレンダーやタ
ンブラー型ブレンダーなどの一般に知られている混合器
にて予備混合して、その後、熱可塑性樹脂と予備混合し
て、成形加工機に投入するのが望ましい。
【0014】
【実施例】以下、実施例、比較例等により、本発明を更
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 製造例1 (ヘキサグリセリンステアリン酸エステルの製造例)1
リットルの四つ口フラスコにステアリン酸(分子量=2
84、酸価=195)400gとヘキサグリセリン40
gを混合し、苛性ソーダ0.5gを加えて、窒素気流下
で生成水を除去しながら200℃、5時間反応して本発
明のポリグリセリン脂肪酸エステルを422gを得た。
このものの酸価は4.1でありエステル化されているこ
とを確認した。また、このもののHLBは2であった。
【0015】製造例2 (ペンタグリセリンステアリン酸エステルの製造例)1
リットルの四つ口フラスコにステアリン酸(分子量=2
84、酸価=195)400gとペンタグリセリン60
gを混合し、苛性ソーダ0.5gを加えて、窒素気流下
で生成水を除去しながら200℃、5時間反応して本発
明のポリグリセリン脂肪酸エステルを437gを得た。
このものの酸価は4.5でありエステル化されているこ
とを確認した。また、このもののHLBは3であった。
【0016】製造例3 (ヘキサグリセリンラウリン酸エステルの製造例)1リ
ットルの四つ口フラスコにラウリン酸(分子量=20
0、酸価=187)400gとヘキサグリセリン30g
を混合し、苛性ソーダ0.5gを加えて、窒素気流下で
生成水を除去しながら200℃、5時間反応して本発明
のヘキサグリセリンラウリン酸エステルを408gを得
た。このものの酸価は4.3でありエステル化されてい
ることを確認した。また、このもののHLBは2であっ
た。
【0017】製造例4 (ヘキサグリセリン12−ヒドロキシステアリン酸エス
テルの製造例)1リットルの四つ口フラスコに12−ヒ
ドロキシステアリン酸(分子量=300、酸価=18
7.0)500gとp−トルエンスルホン酸0.5gを
加えて、窒素気流下で生成水を除去しながら180℃、
15時間反応して縮合12−ヒドロキシステアリン酸4
75gを得た。このものの酸価は45.5であり、エス
テル化されていることを確認した。このものの縮合度は
4.1であった。(縮合度は前述のとおり、[脂肪酸の
酸価]/[縮合後の脂肪酸の酸価]の式より、187.
0/45.5=4.1と算出される)。次いで、得られ
た縮合12−ヒドロキシステアリン酸(酸価=45.
5、縮合度=4.1)400gとヘキサグリセリン30
gを混合し窒素気流下で生成水を除去しながら190
℃、10時間反応して本発明のポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを412gを得た。このものの酸価は4.3であ
りエステル化されていることを確認した。また、このも
ののHLBは2であった。
【0018】製造例5 (ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの製造
例)1リットルの四つ口フラスコにリシノレイン酸(分
子量=298、酸価=188.3)500gを加えて、
窒素気流下で生成水を除去しながら200℃、6時間反
応して縮合リシノレイン酸480gを得た。このものの
酸価は40.5であり、エステル化されていることを確
認した。このものの縮合度は4.6であった。(縮合度
は前述のとおり、[脂肪酸の酸価]/[縮合後の脂肪酸
の酸価]の式より、188.3/40.5=4.6と算
出される)。次いで、得られた縮合リシノレイン酸(酸
価=40.5、縮合度=4.6)400gとヘキサグリ
セリン30gを混合し窒素気流下で生成水を除去しなが
ら190℃、10時間反応して本発明のポリグリセリン
脂肪酸エステルを412gを得た。このものの酸価は
4.1でありエステル化されていることを確認した。ま
た、このもののHLBは2であった。表1に製造例1〜
5のポリグリセリン脂肪酸エステルの概略をまとめた。
【0019】
【表1】
【0020】本発明の実施例と比較例における評価項目
及び評価方法は下記の通りである。 (a)インフレーション成形性 単軸押出し機で加熱溶解してリングダイから押出された
チューブの一端を2本のピンチロールに通して閉じた
後、下から圧縮空気を吹き込み、リングダイのスリット
系に対して3倍に膨らませてフィルムを製造した。製造
されたフィルムについて、両端部分2箇所と中央部分2
箇所の計4点で厚みを測定し、フィルム厚さの均一性を
以下の通り判定した。 (b)透明性(外観の評価) (a)で製造されたフィルムの外観の透明性を目視にて
以下の通り評価した。 (c)ブロッキング度 (a)で製造されたフィルムをで10cm×10cmの
試験片を作製し、このフィルムを2枚重ねあわせ、50
g/cm2の圧力をかけて23℃、RH50%の恒温室
に24時間放置し、その後、この2枚重ねあわせた試験
片を引き剥がすのに要した最大強度を測定した。尚、測
定には、万能試験機(AG−50kNE、島津製作所
(株)製)を使用した。実施例1〜9 市販のポリエチレン樹脂(LF525H、三菱化学
(株)製)、ナイロン6樹脂(ノバミッド1020、三
菱化成(株)製)に、表1に示す添加剤を表2に示す配
合割合で製造し、(a)、(b)、(c)に示す評価を
行い、結果を表2に示した。尚、無機充填剤について
は、シリカはNipsilE−220A(日本シリカ工
業(株)製)を、タルクはミストロン850−JS(日
本ミストロン(株)製)を使用した。
【0021】比較例1〜4 比較例1として、PA樹脂とシリカのみの配合のものに
ついて、実施例1〜9と同様の方法で評価した。比較例
2として、PA樹脂にシリカとエチレンビスステアロア
ミド、グリセリンモノステアレートを配合し、実施例1
〜9と同様の方法で評価した。比較例3として、PE樹
脂にシリカとオレイン酸アマイド、ジグリセリンモノス
テアレートを配合し、実施例1〜9と同様の方法で評価
した。比較例4としてPA樹脂にシリカとHLBが7で
あるヘキサグリセリンステアリン酸エステルを配合し、
実施例1〜9と同様の方法で評価した。その結果を表2
・表3に示した。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙
げれば以下の通りである。 (1)ポリオレフィン樹脂又はポリアミド樹脂100重
量部に対して、0.5〜5.0重量部のポリグリセリン
脂肪酸エステル又はポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪
酸エステル、及び0.01〜1重量部の無機充填剤を含
有することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム組成物。 (2)前記(1)記載のポリグリセリン脂肪酸エステル
又はポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの構
成脂肪酸の炭素数が12〜20の脂肪酸であることを特
徴とする熱可塑性樹脂フィルム組成物。 (3)前記(1)記載のポリグリセリン脂肪酸エステル
又はポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルのH
LBが5以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂フィ
ルム組成物(4)前記(1)記載の無機充填剤がシリカ
であることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム組成物。 (4)前記(1)記載の無機充填剤がシリカであること
を特徴とする熱可塑性樹脂フィルム組成物。 (5)ポリオレフィン樹脂がポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリブテン、
エチレン−酢酸ビニルコポリマーである前記(1)〜
(4)いずれか記載の熱可塑性樹脂フィルム組成物。 (6)ポリアミド樹脂がナイロン4、6、7、8、1
1、12、6・6、6・10、6・12、6T、6/6
・6、6/12、6/6T、6I/6Tである前記
(1)〜(5)いずれか記載の熱可塑性樹脂フィルム組
成物。 (7)無機充填剤がシリカ、アルミナ、カオリン、タル
ク、ゼオライトである前記(1)〜(6)記載の熱可塑
性樹脂フィルム組成物。 (8)ポリグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリ
ン縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルのポリグリセリンがジ
グリセリン、トリグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキ
サグリセリン、デカグリセリンである前記(1)〜
(7)記載の熱可塑性樹脂フィルム組成物。
【0025】(9)ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂
肪酸がオレイン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、
ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、リシノレイン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸、カプロン酸、ヘプ
リル酸、ノニル酸、ウンデカン酸、ミリスチン酸、ステ
アリン酸、パルミトオレイン酸、ベヘン酸、リノール
酸、リノレン酸、エライジン酸、2−エチルヘキシル
酸、サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イソ
プール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノー
ル酸、ユニぺリン酸、アンブレットール酸、アリューリ
ット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒドロ
キシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデ
カン酸、カムロレン酸、フェロン酸、セレブロン酸、9
−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリ
ン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸(12−ヒドロキシステ
アリン酸の他に少量のステアリン酸及びパルミチン酸を
含有する脂肪酸)の群より選ばれる1種又は2種以上の
混合物である前記(1)〜(8)いずれか記載の熱可塑
性樹脂フィルム組成物。 (10)縮合ヒドロキシ脂肪酸のヒドロキシ脂肪酸がリ
シノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、水素添
加ヒマシ油脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸の他
に少量のステアリン酸及びパルミチン酸を含有する脂肪
酸)、サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イ
ソプール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノ
ール酸、ユニぺリン酸、アンブレットール酸、アリュー
リット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒド
ロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタ
デカン酸、カムロレン酸、フェロン酸、セレブロン酸、
9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステア
リン酸の群より選ばれる1種又は2種以上の混合物であ
る前記(1)〜(9)いずれか記載の熱可塑性樹脂フィ
ルム組成物。
【0026】
【発明の効果】本発明は、熱可塑性樹脂フィルム組成
物、詳しくは、ポリオレフィン樹脂又はポリアミド樹脂
100重量部に無機充填剤を0.01〜1重量部配合し
た場合において、ポリグリセリン脂肪酸エステルを0.
5〜5.0重量部配合することにより、抗ブロッキング
性を有し、かつ、製膜性が良好で、優れた透明性を有す
る熱可塑性樹脂フィルム組成物を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/103 C08K 5/103 C08L 77/00 C08L 77/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂又はポリアミド樹脂
    100重量部に対して0.5〜5.0重量部のポリグリ
    セリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン縮合ヒドロキ
    シ脂肪酸エステル及び0.01〜1重量部の無機充填剤
    を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリグリセリン脂肪酸エ
    ステル又はポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪酸エステ
    ルの構成脂肪酸の炭素数が12〜20の脂肪酸であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂フィルム組
    成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリグリセリン脂肪酸エ
    ステル又はポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪酸エステ
    ルのHLBが5以下であることを特徴とする請求項1又
    は2記載の熱可塑性樹脂フィルム組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の無機充填剤がシリカであ
    ることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の熱可塑
    性樹脂フィルム組成物。
JP10254518A 1998-08-25 1998-08-25 熱可塑性樹脂フィルム組成物 Pending JP2000063578A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10254518A JP2000063578A (ja) 1998-08-25 1998-08-25 熱可塑性樹脂フィルム組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10254518A JP2000063578A (ja) 1998-08-25 1998-08-25 熱可塑性樹脂フィルム組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000063578A true JP2000063578A (ja) 2000-02-29

Family

ID=17266165

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10254518A Pending JP2000063578A (ja) 1998-08-25 1998-08-25 熱可塑性樹脂フィルム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000063578A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011089084A (ja) * 2009-10-26 2011-05-06 Taiyo Kagaku Co Ltd ポリ乳酸系樹脂組成物及びそれよりなる成形体
WO2022190631A1 (ja) * 2021-03-10 2022-09-15 三井化学株式会社 樹脂組成物および成形体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011089084A (ja) * 2009-10-26 2011-05-06 Taiyo Kagaku Co Ltd ポリ乳酸系樹脂組成物及びそれよりなる成形体
WO2022190631A1 (ja) * 2021-03-10 2022-09-15 三井化学株式会社 樹脂組成物および成形体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69015872T2 (de) Polyphenylenether - Polyamid Zusammensetzung.
DE69834726T2 (de) Pha-zusammensetzungen und deren verwendung zur herstellung von pha-filmen
US7960451B2 (en) Method for producing polyamide masterbatch
KR960006306B1 (ko) 최소한 3개의 탄소원자를 함유하는 카복실산 화합물과 아민으로 구성된 조성물
CN113631657B (zh) 聚羟基烷酸酯系树脂组合物、其成型体及膜或片
EP0860471B1 (en) Three stages process for the preparation of solid thermoplastic compositions based on polyvinyl alcohol and moldable and extrudable compositions obtained accordingly
GB1586204A (en) Stabilization of thermoplastic nylons
DE102020208547A1 (de) Polyamidharz-Zusammensetzung und Herstellverfahren eines Formgegenstandes
CA3032066C (en) Polyamide 6 resins containing a low level of polyamide 66 comonomer
JPH11323122A (ja) 相溶化ポリフェニレンエ―テル―ポリアミド樹脂ブレンドの表面状態を向上させる方法
JP2000063578A (ja) 熱可塑性樹脂フィルム組成物
JP3319634B2 (ja) 樹脂組成物
JP4162252B2 (ja) ポリアミドマスターバッチの製造方法
JP3949439B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物及びシート状押出成形品
CA2491262A1 (en) Thermoplastic polyamide moulding compositions
JPH1017703A (ja) 熱可塑性樹脂フィルム
JP2000103903A (ja) 熱可塑性樹脂成形加工用外部滑剤
US4383064A (en) Flame retardant polyamide composition
JPS6058444A (ja) オレフィン系重合体組成物
JPH06179813A (ja) ポリアミド樹脂製フィルム
JP3216156B2 (ja) ポリアミド樹脂製フィルム
Al-Ghamdi Improvement of thermal properties of poly (vinyl chloride) using chemical blending assisted ultrasonic technique
JPH04233977A (ja) 組成物及びその用途
JP3493739B2 (ja) ポリアミド系樹脂組成物
JPH07233322A (ja) ポリアミドフィルム